説明

ナノ化アルブチンを含む美白化粧料

【課題】アルブチンを高濃度で含有することができることにより、向上した美白効果を達成し得る美白化粧料を提供するものである。
【解決手段】アルブチンを含む美白化粧料において、前記アルブチンは、アルブチンの水分散液をナノ化処理に供した後に、前記美白化粧料に配合されていることを特徴とする美白化粧料であり、更に、アルブチンは10〜150nmのサイズにナノ化したものを1〜15重量%配合することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に係り、より具体的には、皮膚におけるしみ、くすみ、色素沈着を改善する美白効果を奏する、アルブチンを含む化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
アルブチン(ハイドロキノングルコシド)は、メラニン産生抑制効果を奏することから、美白化粧料に配合されている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、アルブチンは、水等の水系溶媒に対する溶解性が低いため、化粧料に高濃度に配合することが困難であるため、上記従来の美白化粧料において、アルブチンを用いた場合には、十分な美白効果を達成することが困難であった。
また、特許文献3には、レシチンに特定の割合でアルブチンを配合し、ナノ化させるナノ乳化粒子の製造方法が開示されている。このナノ乳化粒子の内部に、美白原料等の生理活性物質を取り込ませるものである。しかしながら、特許文献3には、アルブチンの溶解性と美白効果との関係は示されていない。
【特許文献1】特開2004−26657号公報
【特許文献2】特開2005−289880号公報
【特許文献3】特開2004−359587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、アルブチンを高濃度で含有することができることにより、向上した美白効果を達成し得る美白化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、アルブチンを高濃度に含む美白化粧料について鋭意研究した結果、アルブチン(粉末)の水分散液をナノ化処理に供した後に、化粧料に配合すると、アルブチンを高濃度に化粧料に含ませることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明によると、アルブチンを含む美白化粧料組成物において、前記アルブチンは、アルブチンの水分散液をナノ化処理に供した後に、前記美白化粧料に配合されていることを特徴とする美白化粧料組成物が提供される。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、アルブチンを高濃度に美白化粧料に含ませることができるので、アルブチンによる美白効果がより一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明において用いるアルブチンは、α型、β型のいずれであってもよい。α型とβ型の混合物を用いることもできる。
本発明において、アルブチン(粉末)は、予め、それ単独を水に分散させ、その水分散液をナノ化処理に供する。ナノ化処理は、市販されているナノマイザー(例えば、(有)ナノマックス社製ナノメーカー)を用いて行うことができる。
【0007】
このナノ化処理により、アルブチン粉末は、10〜150nmのナノサイズ(直径)にナノ化させることができる。得られるナノ化アルブチン水分散液は、1〜15重量%のナノ化アルブチンを含有することができ、透明であり、低温で保存してもアルブチンが析出することはない。本発明の美白化粧料は、ナノ化アルブチンを、3〜15重量%の割合で含有することが好ましい。
本発明の美白化粧料は、上記のようにして予めナノ化させたアルブチンを必須成分として含有するものであるが、他の添加剤を含有することができる。そのような他の添加剤としては、ビタミンC、ソウハクヒエキスを例示することができる。
【実施例】
【0008】
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
下記表1に示す成分を同表1に示す割合で含有する化粧料を調製した。比較例1〜3においては、β型アルブチン粉末を水に十分に分散させた。実施例1〜2においては、β型アルブチン粉末を、表1に示す割合で水に分散させ、そのアルブチン水分散液を(有)ナノマックス社製ナノメーカーを用いてナノ化させた。得られたナノ化アルブチンはいずれも10〜150nmのナノサイズにナノ化されていた。
【0009】
次に、アルブチンの溶解性を調べるために、比較例1〜3および実施例1〜2で得られた化粧料を、20℃および0℃でそれぞれ24時間保存し、その保存後の状態を目視により観察した。結果を表1に併記する。
つぎに、化粧料の美白効果を調べるために、比較例1〜3および実施例1〜2で得られた化粧料を、20名の女性モニターに1日一回の頻度で1ヶ月間使用してもらい、以下の4段階で評価してもらった。結果を表1に併記する。
A…美白効果がない;B…美白効果を少し感じた;C…美白効果がある;D…美白効果が高い。
【0010】
【表1】

表1に示す結果から明らかなように、予めナノ化させたアルブチンを含有する本発明の美白化粧料は、アルブチンを高濃度に含有していても、透明溶解性を保ち、優れた美白効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、化粧品業界において広く利用できるものであり、化学分野においても理容可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルブチンを含む美白化粧料において、前記アルブチンは、アルブチンの水分散液をナノ化処理に供した後に、前記美白化粧料に配合されていることを特徴とする美白化粧料。
【請求項2】
10〜150nmのサイズにナノ化されたアルブチンを1〜15重量%配合したことを特徴とする請求項1に記載の美白化粧料。

【公開番号】特開2009−67691(P2009−67691A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235022(P2007−235022)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(500036129)株式会社アスカコーポレーション (16)
【Fターム(参考)】