説明

ナースコールシステム

【課題】着信拒否モードに設定されていても、患者を待たせることなく、制限されている通話時間が経過する前に再び呼び出しを行うことができるようにする。
【解決手段】呼出信号を入力した携帯端末50にて着信拒否モードに設定されていない場合、報知が行われて応答操作部56が操作されたときには、制御機20はナースコール子機1と携帯端末50との間で所定の時間だけ通話路を形成し、着信拒否モードに設定されている場合、制御部51は、着信拒否メッセージを制御機20に出力する。その着信拒否メッセージを入力した制御機20はナースコール子機1と携帯端末50との間の通話路を形成しない。これにより、制御機20が着信拒否メッセージを入力すると、ナースコール子機1と携帯端末50との間に通話路が形成されないので、患者が待たされることなく、制限されている通話時間が経過する前に、ナースコール子機1により再び呼び出しを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者がナースコール子機の呼出操作部を操作することによって医療従事者を呼び出すことができるナースコールシステムに関し、特に携帯端末を携行する医療従事者が呼び出しに応答することができるナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などでは、ナースコールシステムが用いられている。ナースコールシステムは、病院の患者が医師や看護師のサポートを必要とする際、または介護施設の被介護者が介護師のサポートを必要とする際に、患者や被介護者(以下、これらをまとめて患者と記載する)がボタン状の呼出操作部を操作することによって医者や看護師、介護師(以下、これらをまとめて医療従事者と記載する)を呼び出すことができるように成されたシステムである。
【0003】
多くのナースコールシステムは、病室内のベッドの近傍やトイレ、浴室などに設置され、呼出操作部を備えるナースコール子機と、医療従事者が常駐するナースステーションに設置され、患者からの呼び出しを報知するナースコール親機と、病室や介護室などの各部屋(以下、これらをまとめて病室と記載する)の出入口付近の廊下側に設置され、病室内の患者の氏名を表示したり、病室内の患者が呼び出しを行ったりしていることを表示する廊下灯と、通話やデータの送受信に関する制御を行う制御機とを備えて構成されている。また、上述した構成に加えて、医療従事者が携行するPHS(Personal Handy phone System)端末などの携帯端末とPBX(Private Branch Exchange:電話交換機)とを備えたナースコールシステムも提供されている。
【0004】
このようなナースコールシステムでは、ナースコール子機の呼出操作部が操作されると、ナースコール子機にて生成された呼出信号が廊下灯を介してナースコール親機へ出力される。ナースコール親機や携帯端末では、患者から呼び出しが行われたことを音声などにより報知する。この報知を把握した医療従事者は、ナースコール親機に設置されているハンドセットをオフフックしたり、自身が携行している携帯端末をオフフックしたりすることで、呼び出しに応答することができる。応答が行われるとナースコール子機とナースコール親機または携帯端末との間で通話路が形成され、患者と医療従事者との間で会話が可能となる。ナースコールシステムでは、同時に複数の通話路を形成することが可能であるが、その数は有限である。そのため、数少ない通話路を有効に利用するため、1回の通話時間を制限して(例えば、3分間など)、その通話時間が経過すると、予告音を発した後に通話路を切断する技術が知られている(例えば、特許文献1など)。
【0005】
ところで、携帯端末を携行している医療従事者は、様々な看護業務を行っているため、ナースコール子機による呼び出しに対して、常に応答することができるわけではない。しかしながら、医療従事者が応答することができる状態であるか否かに関わらず、携帯端末は報知を行ってしまうという問題があった。このような問題を解決するために、着信拒否モード設定手段により着信拒否モードが設定されている状態で着信があった場合に、自動応答手段により着信に自動応答して発信者に対して予め記憶しておいたメッセージを自動送信するという技術が知られている(例えば、特許文献2など)。
【0006】
この特許文献2に記載の技術では、着信拒否モード設定手段により着信拒否モードに設定されるため、着信拒否モード設定手段がボタンなどにより構成されていて、携帯端末の操作しやすい位置に配置されていると、医療従事者が誤ってボタンを操作してしまっても着信拒否モードに設定されてしまう。そのため、着信拒否モード設定手段のボタンが誤って操作されている状態で、ナースコール子機の呼出操作部が操作されると、携帯端末は、自動応答してナースコール子機に対して予め記憶しておいたメッセージを自動送信する。ナースコール子機は携帯端末と異なりオンフックを行うための手段を持たないため、制限されている通話時間が経過するまで、ナースコール子機では呼び出しを行うことができなくなってしまい、患者を待たせてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−166962号公報
【特許文献2】特開平6−232962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、着信拒否モード設定部を備えた携帯端末で着信拒否モード設定部が操作されている状態でも、患者を待たせることなく、制限されている通話時間が経過する前にナースコール子機により再び呼び出しを行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明では、ナースコール子機の呼出操作部が操作されると携帯端末にて報知が行われ、その携帯端末にて応答の操作が行われた場合に、ナースコール子機と携帯端末との間で所定の時間だけ通話路を形成するナースコールシステムであって、ナースコール子機による呼び出しに対する応答を拒否する着信拒否モード設定部を携帯端末に設け、着信拒否モード設定部が操作されている状態でナースコール子機の呼出操作部が操作されると、携帯端末はナースコール子機に対して予め記憶しておいた着信拒否メッセージを出力するようにしている。また、その着信拒否メッセージを入力した制御機は、ナースコール子機と携帯端末との間の通話路を形成しないようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、携帯端末が着信拒否モードに設定されている場合に、制御機が携帯端末から出力される着信拒否メッセージを入力すると、ナースコール子機と携帯端末との間の通話路が形成されなくなるので、携帯端末で着信拒否モード設定部が操作されている状態でも、患者が待たされることなく、制限されている通話時間が経過する前に、ナースコール子機により再び呼び出しを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるナースコールシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、ここでは病院に設置される看護支援用のナースコールシステムを例にとって説明するが、本実施形態のナースコールシステムは、病院に設置されるものに限定されない。例えば、介護施設等に設置される場合にも適用可能である。図1は、本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。図1において、1はナースコール子機であり、患者のベッドの近傍に設置され、患者などにより使用される。ここで、ナースコール子機1は、各患者に対して設置されている。また、ナースコール子機1は、子機制御部2、呼出操作部3、子機インターフェース4を備えて構成されている。
【0013】
10はナースコール親機であり、医療従事者が常駐するナースステーションなどに設置され、医療従事者によって使用される。ここで、ナースコール親機10は、親機制御部11、親機インターフェース12、親機報知部13を備えて構成されている。そして、ナースコール子機1とナースコール親機10との間には、廊下灯(図示せず)および制御機20が接続されている。廊下灯は、病室内の患者の氏名を表示するとともに、病室内の患者が呼び出しを行った場合に呼び出しが行われたことを表示する。また、制御機20は、ナースコール子機1とナースコール親機10および後述する携帯端末50との間の通信の制御を行う。
【0014】
30は主装置であり、病院内の通信センターなどに設置されていて、例えば、後述する携帯端末50のPBXなどにより構成されている。40は無線装置であり、主装置30と携帯端末50とが無線通信するための無線基地局である。50は、医療従事者により携行される携帯端末であり、無線装置40との間で無線通信が可能である。ここで、主装置30は、上述した制御機20を介してナースコール親機10に接続されている。また、無線装置40は、病院内の各所に設置されていることが好ましく、携帯端末50が病院内のどの場所にあっても無線装置40と通信可能となることが好ましい。また、携帯端末50は、制御部51、無線送受信部(特許請求の範囲のインターフェースに該当する)52、報知部53、着信拒否モード設定部54、記憶部55、応答操作部56を備えて構成されている。
【0015】
まず、ナースコール子機1の各構成要素について説明する。子機制御部2は、ナースコール子機1の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。呼出操作部3は、患者が医療従事者を呼び出す際に操作するためのものであり、呼出ボタンなどにより構成されている。子機インターフェース4は、ナースコール子機1とナースコール親機10および携帯端末50とを接続して通信を行うためのものである。患者は、医療従事者を呼び出したい場合に、呼出操作部3を操作する。すると、子機制御部2は呼出信号を生成する。ここで、呼出信号には、このナースコール子機1を他のナースコール子機1と識別するための子機識別情報が含まれる。また、子機識別情報としては、ベッド番号などの情報が用いられる。子機制御部2は、生成した呼出信号を子機インターフェース4によって制御機20をナースコール親機10へ出力する。
【0016】
次に、ナースコール親機10の各構成要素について説明する。親機制御部11は、ナースコール親機10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。親機インターフェース12は、ナースコール親機10とナースコール子機1とを接続して通信を行うためのものである。ここで、親機インターフェース12は、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力する。また、親機インターフェース12は、ナースコール親機10と主装置20とを接続して通信を行うためのものである。親機報知部13は、スピーカーや表示ディスプレイなどにより構成されており、患者からの呼び出しを音声や表示にて報知するためのものである。親機応答操作部14は、親機報知部13が報知している際に、ナースコール子機1による呼び出しに応答する医療従事者により操作される。
【0017】
親機インターフェース12が呼出信号を入力すると、親機制御部11は親機報知部13を動作させ、親機報知部13は報知を行う。この状態で、医療従事者により親機応答操作部14が操作されると、親機制御部11は親機報知部13の動作を停止させるとともに、親機応答信号を生成して親機インターフェース12により制御機20へ出力する。
【0018】
次に、携帯端末50の各構成要素について説明する。制御部51は、携帯端末50の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。無線送受信部52は、無線装置40との間で無線通信を行うためのものである。報知部53は、スピーカーや表示ディスプレイなどにより構成されており、患者からの呼び出しを音声や表示にて報知するためのものである。着信拒否モード設定部54は、ボタンなどの入力装置により構成されており、看護業務で多忙な医療従事者がナースコール子機1による呼び出しを着信したくない場合に操作するためのものである。
【0019】
ここで、着信拒否モード設定部54が操作されると、制御部51は、携帯端末50を着信拒否モードに切り替える。また、携帯端末50が着信拒否モードに設定されている場合に、再度着信拒否モード設定部54が操作されると、制御部51は、携帯端末50の着信拒否モードを解除する。ところで、携帯端末50がIP(Internet Protocol)電話により構成されている場合には、着信拒否モード設定部54が既に設けられていることがあるため、この着信拒否モード設定部54を本発明に利用することができる。
【0020】
記憶部55は、メモリーなどの記憶装置により構成されており、携帯端末50が着信拒否モードに設定されていることを示す着信拒否メッセージをデータとして記憶している。応答操作部56は、報知部53が報知している際に、携帯端末50を携行している医療従事者により操作される。ここで、着信拒否メッセージは、音声であっても良いし、文字列や画像であっても良い。
【0021】
着信拒否モード設定部54が操作されていないと制御部51にて判断した場合、無線送受信部52が呼出信号を受信すると、制御部51は報知部53を動作させ、報知部53は報知を行う。これに対して応答操作部56が操作されると、制御部51は、報知部53の動作を停止させるとともに、応答信号を生成して無線送受信部52により無線装置40へ送信する。ここで、応答信号には、この携帯端末50を他の携帯端末と識別するための携帯端末識別情報が含まれる。
【0022】
一方、着信拒否モード設定部54が操作されていると制御部51にて判断した場合、無線送受信部52が呼出信号を受信すると、制御部51は、記憶部55から着信拒否メッセージのデータを取得し、無線送受信部52により無線装置40へ送信する。この場合、制御部51は報知部53を動作させない。
【0023】
次に、制御機20について説明する。制御機20は、記憶装置(図示せず)を内蔵しており、子機識別情報と、この子機識別情報によって特定されるナースコール子機1を使用する患者を担当する医療従事者が使用する携帯端末50の携帯端末識別情報とを関連付けて記憶している。制御機20がナースコール子機1から呼出信号を入力すると、制御機20は、入力した呼出信号をナースコール親機10へ出力するとともに、記憶装置を参照して、呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報を取得し、呼出信号に付加して主装置30へ出力する。ここで、記憶装置は、1つの子機識別情報を複数の携帯端末識別情報に関連付けて記憶している。
【0024】
制御機20から出力された呼出信号は、親機インターフェース12により入力される。すると、親機制御部11は親機報知部13を動作させ、親機報知部13は報知を行う。この状態で、医療従事者により親機応答操作部14が操作されると、親機制御部11は、親機報知部13の動作を停止させるとともに、親機応答信号を生成して親機インターフェース12により制御機20へ出力する。親機応答信号を入力した制御機20は、呼出信号を出力したナースコール子機1と、親機応答信号を出力したナースコール親機20との間で通話路を形成する。
【0025】
また、主装置30および無線装置40を介して送信された呼出信号は、携帯端末50の無線送受信部52で受信される。このとき、制御部51は、呼出信号に含まれる携帯端末識別情報が自装置の携帯端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致した場合にのみ呼出信号を正式に受信する。
【0026】
すなわち、着信拒否モード設定部54が操作されていないと制御部51にて判断した場合、制御部51は報知部53を動作させ、報知部53は報知を行う。この状態で、医療従事者により応答操作部56が操作されると、制御部51は、報知部53の動作を停止させるとともに、応答信号を生成して無線送受信部52により無線装置40へ送信する。無線装置40は、主装置30を介して受信した応答信号を制御機20へ出力する。応答信号を入力した制御機20は、呼出信号を出力したナースコール子機1と、応答信号に含まれる携帯端末識別情報により特定される携帯端末50との間で通話路を形成する。
【0027】
ここで、制御機20では、ナースコール子機1と、親機応答信号および応答信号のうち、最も先に入力したナースコール親機10または携帯端末50との間で通話路を形成する。また、制御機20は、ナースコール子機1とナースコール親機10または携帯端末50との間で形成された通話路を所定の時間(例えば、3分間)だけ維持する。
【0028】
一方、着信拒否モード設定部54が操作されていると制御部51にて判断した場合、制御部51は、記憶部55から着信拒否メッセージのデータを取得し、無線送受信部52により無線装置40へ送信する。着信拒否メッセージのデータを入力した制御機20は、ナースコール子機1と着信拒否メッセージのデータを出力した携帯端末50との間で通話路を形成しない。また、ナースコール子機1と着信拒否メッセージのデータを出力した携帯端末50との間で既に通話路が形成されている場合には、その通話路を切断する。
【0029】
ここで、呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報により特定される全ての携帯端末50が着信拒否モードに設定されているような場合には、ナースコール親機10でのみ報知が行われる。なお、ナースコール親機1と携帯端末50との間で既に通話路が形成されている状態で携帯端末50の着信拒否モード設定部54が操作されると、制御機20は通話路を切断するが、制御機20が子機識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報により特定される他の携帯端末50に対して呼出信号を自動的に送信するようにしても良い。このようにすれば、患者がナースコール子機1の呼出操作部3を再度操作する必要がなくなる。
【0030】
次に、本実施形態によるナースコールシステムの動作を説明する。図2は、本実施形態によるナースコールシステムの動作を示すフローチャートである。まず、ナースコール子機1では、呼出操作部3が操作されたか否かを子機制御部2にて調べる(ステップS1)。呼出操作部3が操作されていないと子機制御部2にて判断した場合には(ステップS1にてNO)、ステップS1の処理を繰り返す。一方、呼出操作部3が操作されたと子機制御部2にて判断した場合には(ステップS1にてYES)、子機制御部2は呼出信号を生成し、子機インターフェース4により出力する(ステップS2)。ここで、出力された呼出信号は、制御機20へ出力され、主装置30および無線装置40を介して携帯端末50へ送信される。なお、ナースコール親機10の動作は本実施形態に深く関与しないため、動作の説明を省略する。
【0031】
携帯端末50では、無線送受信部52が自装置の携帯端末識別情報と同一の携帯端末識別情報を含む呼出信号(同一の呼出信号とする)を受信したか否かを制御部51にて調べる(ステップS3)。無線送受信部52が同一の呼出信号を受信していないと制御部51にて判断した場合には(ステップS3にてNO)、ステップS3の処理を繰り返す。一方、無線送受信部52が同一の呼出信号を受信したと制御部51にて判断した場合には(ステップS3にてYES)、着信拒否モード設定部54が操作されたか否かを制御部51にて調べる(ステップS4)。
【0032】
着信拒否モード設定部54が操作されていないと制御部51にて判断した場合には(ステップS4にてNO)、応答操作部56が操作されたか否かを制御部51にて調べる(ステップS5)。応答操作部56が操作されていないと制御部51にて判断した場合には(ステップS5にてNO)、ステップS3の処理に戻る。一方、応答操作部56が操作されたと制御部51にて判断した場合には(ステップS5にてYES)、制御部51は応答信号を生成して、無線送受信部52により制御機20へ出力する(ステップS6)。
【0033】
また、着信拒否モード設定部54が操作されていると制御部51にて判断した場合には(ステップS4にてYES)、制御部51は記憶部55から着信拒否メッセージのデータを取得して、無線送受信部52により制御機20へ出力する(ステップS7)。
【0034】
制御機20では、呼出信号を入力したか否かを調べる(ステップS8)。呼出信号を入力していないと制御機20にて判断した場合には(ステップS8にてNO)、ステップS8の処理を繰り返す。一方、呼出信号を入力したと制御機20にて判断した場合には(ステップS8にてYES)、制御機20は、呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報を呼出信号に付加して携帯端末50へ出力する(ステップS9)。
【0035】
次に、制御機20は、応答信号を入力したか否かを調べる(ステップS10)。制御機20が応答信号を入力した場合には(ステップS10にてYES)、制御機20は、呼出信号を出力したナースコール子機1と応答信号を出力した携帯端末50との間で通話路を形成する(ステップS11)。一方、制御機20が応答信号を入力していないと判断した場合には(ステップS10にてNO)、制御機20は、着信拒否メッセージのデータを携帯端末50から入力したか否かを調べる(ステップS12)。制御機20が着信拒否メッセージのデータを入力していない場合には(ステップS12にてNO)、ステップS8の処理に戻る。また、制御機20が着信拒否メッセージのデータを入力した場合には(ステップS12にてYES)、制御機20は、呼出信号を出力したナースコール子機1と着信拒否メッセージのデータを出力した携帯端末50との間で通話路を形成しない(ステップS13)。
【0036】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、ナースコール子機1の呼出操作部3が操作されると、呼出信号が制御機20を介して所定の携帯端末50へ送信される。その携帯端末50の着信拒否モード設定部54によってナースコール子機1による呼び出しに対する応答を拒否する着信拒否モードに設定されていない場合、報知部53にて報知が行われ、応答操作部56にて応答の操作が行われたときには、制御機20は、ナースコール子機1と携帯端末50との間で所定の時間だけ通話路を形成する。一方、着信拒否モード設定部54によって着信拒否モードに設定されている場合、携帯端末50の制御部51は、記憶部55に予め記憶しておいた着信拒否メッセージを制御機20に出力するようにしている。その着信拒否メッセージを入力した制御機20は、ナースコール子機1と携帯端末50との間の通話路を形成しないようにしている。
【0037】
これにより、携帯端末50が着信拒否モードに設定されている場合に、制御機20が携帯端末50から出力される着信拒否メッセージを入力すると、ナースコール子機1と携帯端末50との間の通話路が形成されないので、携帯端末50で着信拒否モード設定部54が操作されている状態でも、患者が待たされることなく、制限されている通話時間が経過する前に、ナースコール子機1により再び呼び出しを行うことができるようになる。
【0038】
なお、前述した実施形態では、携帯端末50は、着信拒否モード設定部54を操作すると着信拒否モードに設定し、再度着信拒否モード設定部54を操作すると着信拒否モードを解除するようにしているが、これに限定されない。例えば、着信拒否モード設定部54を操作すると一定時間だけ着信拒否モードに設定するようにしても良い。
【0039】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ナースコール子機
2 子機制御部
3 呼出操作部
4 子機インターフェース
10 ナースコール親機
11 親機制御部
12 親機インターフェース
13 親機報知部
14 親機応答操作部
20 制御機
30 主装置
40 無線装置
50 携帯端末
51 制御部
52 無線送受信部
53 報知部
54 着信拒否モード設定部
55 記憶部
56 応答操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者を呼び出すために操作される呼出操作部と、前記呼出操作部の操作によって呼出信号を生成する子機制御部と、前記呼出信号を出力する子機インターフェースとを有するナースコール子機と、
前記呼出信号を入力するインターフェースと、呼び出しが行われていることを報知する報知部と、前記呼び出しに応答するために操作される応答操作部と、前記呼び出しの着信を拒否する着信拒否モードに設定するための着信拒否モード設定部と、前記着信拒否モードに設定されていることを示す着信拒否メッセージを予め記憶する記憶部と、前記インターフェースが呼出信号を入力した場合に前記報知部を動作させ、この状態で応答操作部が操作されると応答信号を生成して前記インターフェースにより出力させるとともに、前記着信拒否モード設定部が操作されている場合に、前記インターフェースが呼出信号を入力すると、前記報知部を動作させず、前記記憶部に記憶しておいた着信拒否メッセージを前記インターフェースにより出力させる制御部とを有し、医療従事者によって携行される携帯端末と、
前記ナースコール子機から出力された呼出信号を入力し、この呼出信号に対する応答信号を前記ナースコール親機から入力した場合に、前記ナースコール子機と前記ナースコール親機との間で所定の時間だけ通話路を形成するとともに、前記呼出信号に対して前記ナースコール親機から着信拒否メッセージを入力した場合には、前記ナースコール子機と前記ナースコール親機との間で通話路を形成しないようにする制御機と、
を備えたことを特徴とするナースコールシステム。

【図1】
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【図2】
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