ニッパ
【課題】手間と作業時間がかからずに一定の長さの導線を切断することが可能な利便性の高いニッパを提供すること。
【解決手段】導線1を切断するためのニッパ10は、一対の刃22が対向するように形成されている一対の刃部20と、それぞれが各刃部20に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部40と、この枢着部40を回転可能に枢支する枢軸部60と、刃部20の一方に形成され、導線1の端部が接触する接触部82を有する延設部80と、を備え、延設部80は、接触部82に直角の方向において接触線24を延設部80に投影した投影線が形成可能な位置に設けられ、接触線24と接触部82との間の距離が所定の関係を有する。
【解決手段】導線1を切断するためのニッパ10は、一対の刃22が対向するように形成されている一対の刃部20と、それぞれが各刃部20に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部40と、この枢着部40を回転可能に枢支する枢軸部60と、刃部20の一方に形成され、導線1の端部が接触する接触部82を有する延設部80と、を備え、延設部80は、接触部82に直角の方向において接触線24を延設部80に投影した投影線が形成可能な位置に設けられ、接触線24と接触部82との間の距離が所定の関係を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線盤用の導線を切断するために適したニッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導線を切断するためにニッパは欠かすことのできない工具であり(例えば、特許文献1参照)、特に、電話回線の配線を変更する作業において、ニッパは必要不可欠な工具である。電話回線の配線の変更頻度は決して少なくなく、配線変更のたびに電話機や伝送装置間のケーブルの配線を変更するのでは手間や時間がかかってしまう。このため、図35に示すように、電話機600と伝送装置700とを中間配線盤(接続BOX)800を介して接続すれば、配線変更の場合は中間配線盤800内の配線変更のみで済むので、手間や作業時間を省略することができる。
【0003】
中間配線盤800内の配線変更の作業には、端子に通信回線等の導線を配線接続する作業(ラッピング)を行う必要がある。例えば、図36に示すように、10本の端子822〜840(4列目)、852〜870(5列目)が縦列して配置されている配線端子台810がある。この配線端子台810において、4列目の端子822〜828の4つの端子には4本の導線902〜908が接続されており、5列目の端子852から4番目の端子858の4つの端子には4本の導線922〜928が接続されている。この場合、熟練者であれば、4線分の配線長を経験と勘により判断してニッパで導線を切断することにより、4列目の端子822〜828に接続された導線902〜908のように弛むことなく各端子に接続される。
【特許文献1】特開平7−79513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、経験不足の初心者が導線を端子に接続する作業を行うと、切断する導線の長さが一定でないため、配線長にバラツキが生じる。
【0005】
このように配線長にバラツキが生じる場合、5列目の端子856に接続された導線926のように弛みが生じて見た目がよくない。更に、配線長が他のものと比べて長い導線があると、その導線を作業者が手や工具等を引っ掛けて切断してしまう恐れもある。
【0006】
確かに、定規を使用すれば初心者でも導線の切断長を一定にすることができる。しかし、定規を使用しながらの作業では、手間とともに作業時間がかかってしまう。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、手間と作業時間がかからずに一定の長さの導線を切断することが可能な利便性の高いニッパを提供することを目的とする。特に、初心者が使用した場合には、熟練者が作業したのと同等のものが得られるようなニッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパであって、互いに接近・離反可能に対向するように配置されており、一対の刃が対向するように形成されている一対の刃部と、それぞれが各刃部に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部と、前記刃部が互いに離反することにより前記刃の一方と他方との間に前記ケーブルを導入することが可能となるように、且つ、前記刃部が互いに接近することにより前記刃が相互に接触して形成される仮想上の接触線において前記刃によって前記ケーブルを切断できるように、前記枢着部を回転可能に枢支する枢軸部と、前記刃部の一方に形成され、前記1以上の導線の端部が前記1以上の導線に1対1に接触する1以上の第1の接触部を含む接触領域を有する延設部と、を備え、前記延設部は、前記1以上の第1の接触部に直角の方向において前記接触線を前記接触領域に投影した1以上の投影線が形成可能な位置に設けられ、前記接触線と前記1以上の第1の接触部との間の距離が所定の関係を有するニッパ。
【0009】
(1)の発明によれば、延設部は、1以上の導線の端部が1以上の導線に1対1に接触する1以上の第1の接触部を含む接触領域を有する。また、延設部は、1以上の第1の接触部に直角の方向において接触線を接触領域に投影した1以上の投影線が形成可能な位置に設けられ、接触線と1以上の第1の接触部との間の距離が所定の関係を有する。
【0010】
ここで、「所定の関係」とは、接触線と1以上の第1の接触部との間の距離に関する関係をいう。換言すれば、「第1の接触部」が1つの場合、接触線と第1の接触部との間の距離は、本発明によって切断される導線が取り付けられる基板のような被取付部材の特定の寸法と同じ寸法を有することをいう。また、「第1の接触部」が2以上の場合、接触線と1以上の第1の接触部のうち接触線に最も近い位置にある接触部との間の距離、及び、1以上の第1の接触部のうちの一の接触部と1以上の第1の接触部のうち他の接触部との間の距離は、上述の特定の寸法と同じ寸法を有する関係をいう。
【0011】
具体的には、(1)の発明における「所定の関係」とは、以下のような関係である。すなわち、2本の導線を本発明に係るニッパで切断する場合を想定する。この場合、接触領域は、例えば、一の接触部、一の接触部の隣の接触部の2つの接触部を含むことになる。第1の接触部のうちの一の接触部、一の接触部の隣の他の接触部に各導線の端部を当接させて、各導線を切断すると、各接触部と接触線との間の距離、すなわち、切断された各導線の長さは、それぞれ、長さL、L2になる。換言すれば、一の接触部と接触線との間の距離Lと、他の接触部と接触線との間の距離L2との差は、上述の特定の寸法すなわち所定の寸法Lの整数倍となる。このように、(1)の発明における「所定の関係」とは、一の接触部と接触線との間の距離Lと他の接触部と接触線との間の距離L2との差(|L−L2|)が所定の寸法Lの整数倍となる関係をいう。
【0012】
したがって、本発明に係るニッパで1以上の導線を切断すると、導線の切断の長さを所定の寸法の整数倍にすることが可能である。このように、本発明によれば、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0013】
(2) 前記接触領域は、前記1以上の第1の接触部が形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部を含み、前記延設部は、前記1以上の第2の接触部に1対1に前記1以上の導線の端部が接触するように、且つ、前記1以上の投影線が前記1以上の第2の接触部を通過する位置に形成するように設けることが可能であり、前記接触線と前記1以上の第2の接触部との間の距離が所定の関係を有する(1)記載のニッパ。
【0014】
(2)の発明によれば、接触領域は、1以上の第1の接触部が形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部を含み、延設部は、1以上の第2の接触部に1対1に1以上の導線の端部が接触するように、且つ、1以上の投影線が1以上の第2の接触部を通過する位置に形成するように設けることが可能であり、接触線と1以上の第2の接触部との間の距離が所定の関係を有する。
【0015】
ここで、「所定の関係」とは、接触線と1以上の第2の接触部との間の距離に関する関係をいい、換言すれば、1以上の第2の接触部のうちの一の接触部と接触線との間の距離と1以上の第2の接触部のうちの一の接触部ではない他の接触部と接触線との間の距離との関係をいう。
【0016】
具体的には、(2)の発明における「所定の関係」とは、以下のような関係である。すなわち、2本の導線を本発明に係るニッパで切断する場合を想定する。この場合、本発明に係るニッパの接触領域は、例えば、一の接触部、一の接触部に隣接する他の接触部の2つの接触部を含む。第1の接触部のうちの一の接触部及び一の接触部の他の接触部に各導線の端部を当接させて、各導線を切断すると、各接触部と接触線との間の距離、すなわち、切断された各導線の長さが、それぞれ、長さM、M2になる。ここで、一の接触部と接触線との間の距離Mと、一の接触部とは異なる他の接触部と接触線との間の距離M2との差(|M−M2|)は別の所定の寸法Mの整数倍となる。このように、(2)の発明における「所定の関係」とは、一の接触部と接触線との間の距離と一の接触部とは異なる他の接触部と接触線との間の距離との差が別の所定の寸法Mの整数倍となる関係をいう。なお、別の所定の寸法Mは(1)の発明における所定の寸法Lとは異なる。
【0017】
したがって、本発明に係るニッパで1以上の導線を切断すると、導線の切断の長さを(1)の発明における所定の寸法の整数倍とは異なる別の所定の寸法の整数倍とすることが可能である。このように、(2)に係る発明によれば、所定の寸法の整数倍の導線を切断することができるばかりでなく、別の所定の寸法の整数倍の導線を1回で切断できる。すなわち、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0018】
(3) 前記延設部は、前記接触領域の一の接触部と、前記一の接触部の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含む、前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の溝を有する(1)又は(2)記載のニッパ。
【0019】
(4) 前記延設部は、前記接触領域の一の接触部を取り囲むように形成された前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の凸状体を有し、前記一の接触部と前記凸状体とは凹部を形成し、前記凹部は、前記1以上の導線の一の導線を挿入することが可能な径を有する(1)又は(2)記載のニッパ。
【0020】
(3)及び(4)の発明は、導線の端部を接触する位置を規定している。
【0021】
(3)の発明に係るニッパは、接触領域の一の接触部と、一の接触部の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含む、接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の溝を有する延設部を備える。作業者は、導線の端部を溝に挿入し、且つ、接触線に対して直角の方向に導線をセットして導線を切断すれば、導線を所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分切断できる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0022】
(4)の発明に係るニッパは、接触領域の一の接触部を取り囲むように形成された接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の凸状体を有する延設部を備える。凸状体と一の接触部とは1以上の導線の一の導線を挿入することが可能な径を有する凹部を形成している。したがって、作業者は、導線の端部を凹部に挿入し、且つ、接触線に対して直角の方向に導線をセットして導線を切断すれば、導線を所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分切断できる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0023】
(5) 前記1以上の導線の一の導線を直線的に挿通可能な導線貫通孔が形成され、前記接触線と前記延設部との間に配置されている前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の導線支持材を備え、前記導線貫通孔は、前記接触線の直角の方向に向けて形成されている(1)から(4)のいずれか記載のニッパ。
【0024】
(5)の発明に係るニッパは、接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の導線支持材を備える。導線支持材は、1以上の導線の一の導線を直線的に挿通可能な導線貫通孔が形成されている。また、導線支持材は、接触線と延設部との間に配置され、更に、接触線の直角の方向に向けて形成されている。したがって、導線を導線貫通孔に挿入して導線の端部が延設部の接触領域に接触することを条件に切断できれば、導線を所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分切断できる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0025】
また、(5)の発明によれば、切断された導線は導線支持材内に保持されるので、導線屑を作業場に散乱させることを防止できる。
【0026】
(6) 前記導線支持材の前記延設部側の末端が、少なくとも前記導線貫通孔の内部を視認可能な透明材で形成されている(5)記載のニッパ。
【0027】
(7) 前記導線支持材は、その前記延設部側の末端に、少なくとも前記導線貫通孔と連通された側面孔を有する(5)記載のニッパ。
【0028】
(6)及び(7)の発明は、導線支持材の延設部側の末端の構成について規定している。
【0029】
(6)の発明によれば、導線支持材の延設部側の末端が、少なくとも導線貫通孔の内部を視認可能な透明材で形成されている。したがって、作業者は、透明材を介して導線が延設部に接触しているか否かを明確に認識することが可能であり、所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分の導線を確実に切断することができる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を確実に切断することが可能である。
【0030】
(7)の発明によれば、導線支持材は、その延設部側の末端に、少なくとも導線貫通孔と連通された側面孔を有する。したがって、作業者は、側面孔を見れば導線が延設部に接触していることを明確に認識することが可能であり、所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分の導線を確実に切断することができる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を確実に切断することが可能である。
【0031】
(8) 前記延設部は、開口された開口部と、前記開口部を開閉可能に前記開口部に配置された蓋部と、前記蓋部を開閉可能に支持する前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の支持部材と、を有しており、前記蓋部の表面は前記接触領域の一の接触部とされている(5)から(7)いずれか記載のニッパ。
【0032】
切断された導線を導線貫通孔から取り出すには、導線を挿通させた導線貫通孔の入り口から取り出すことが考えられるが、刃部が障害となって取り出しにくい。
【0033】
(8)の発明によれば、延設部は、開口部と、この開口部を開閉可能に開口部に配置された蓋部と、蓋部を開閉可能に支持する接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の支持部材と、を有している。したがって、蓋部を開けて切断された導線を容易に取り出すことが可能であり、刃部から切断された導線を取り出す手間や時間をかけずに次の切断作業に迅速に取り掛かることができる。この結果、作業効率の向上を図ることが可能である。
【0034】
(9) 前記一対の刃部及び前記一対の枢着部の表面は絶縁体で形成されている(1)から(8)いずれか記載のニッパ。
【0035】
(9)の発明によれば、導線が活電している場合に、作業者が間違って導線に接触したとしても、感電を防止することが可能である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0038】
[第1実施形態]
図1から図14を用いて第1実施形態に係るニッパ10について説明する。
【0039】
<ニッパ10の全体構成>
本発明の第1実施形態に係るニッパ10の全体構成について図1から図9を参照に説明する。図1は一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ10の全体を示す図である。図2は、一対の刃部20が互いに接近している状態のニッパ10の全体を示す図である。図3は、図1の反対側から見た一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ10の一部分を示す図である。図4は、図2の反対側から見た一対の刃部20が互いに接近している状態のニッパ10の一部分を示す図である。図5は、一対の刃部が互いに離反しているニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。図6は、一対の刃部20が互いに接近しているニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。図7は、一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ10の正面側から見た断面図である。図8は、一対の刃部20が互いに接近しかけている状態のニッパ10の正面側から見た断面図である。図9は、ニッパ10の側面断面図である。
【0040】
なお、本実施形態以降の説明では、同じ部材の場合は同じ符号を付すとともに、既に説明した部材の説明は省略するものとする。
【0041】
図1から図9に示すように、1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパ10は、一対の刃部20(一方の刃部20a及び他方の刃部20b)と、それぞれが各刃部20に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部40と、枢軸部60と、延設部80と、を備えている。更に、ニッパ10は把持部100を備える。
【0042】
一対の刃部20は、互いに接近・離反可能に対向するように配置されており、また、一対の刃部20はそれぞれ一対の刃22を有する。この一対の刃部20及び枢着部40は、絶縁体で形成されている。これによって、導線1が活線である場合に、作業者が間違ってニッパ10を導線1に接触させたとしても、感電を防止することが可能である。なお絶縁体は、公知の絶縁体でもよく、例えば、公知の絶縁体としては、ゴムやビニール等が一例として挙げられる。
【0043】
一対の刃22は、対向するように形成されている。各刃22が互いに接触することにより、導線1が切断される。
【0044】
枢軸部60は、各刃部20が互いに離反することにより一方の刃22と他方の刃22との間に導線1を導入することが可能となるように、枢着部40を回転可能に枢支する。また、枢軸部60は、一対の刃部20が互いに接近することにより一対の刃22が相互に接触して形成される接触線24において、一対の刃22によって導線1を切断できるように、枢着部40を回転可能に枢支する。
【0045】
延設部80は、一対の刃部20のうち一方の刃部20aに形成されている。具体的には、延設部80は刃部20aに連結している。延設部80は、図7及び図8に示すように、導線1の端部が接触する接触部82を有する。延設部80は、図9に示すように、接触部82に直角の方向において接触線24を接触部82に投影した投影線が形成可能な位置に設けられている。また、接触部82と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部82と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。なお、延設部80は、どのような素材であってもよく、プラスチック、金属が一例として挙げられる。
【0046】
<ニッパ10の切断動作>
図1から図9までを参照して、ニッパ10が導線1を切断する動作について説明する。図1、図3、図5、及び、図7に示すように、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入させる。このとき、図7に示すように、導線1の端部を延設部80の接触部82に接触させる。また、導線1は延設部80に対して直角の方向になるようにセットされる。
【0047】
次に、図2、図4、図6、及び、図8に示すように、使用者が把持部100を握ると一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1を切断する。導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部82との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0048】
<ニッパ10を用いた導線の切断・接続作業>
図10から図14までを参照して、ニッパ10を用いて導線1a、1b、1c、及び、1dのうち導線1b、1c、及び、1dの先端をそれぞれ寸法L、寸法Lの2倍の寸法、Lの3倍の寸法に切断する作業について説明する。図10は、直線的に導線1a、1b、1c、及び、1dが並んでいる図である。図11は、導線1b〜1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図であり、図12は、更に導線1c及び1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図であり、図13は、更に導線1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。図14は、配線端子台810に接続されている導線1a〜1dを示すための図である。
【0049】
図10に示す導線1a〜1dのうち、ニッパ10を用いることによって、図11に示すように、導線1b〜1dの先端部を簡単に長さLだけ短くなるように切断することができる。更に、図11に示す導線1b〜1dのうち、ニッパ10を用いることによって、図12に示すように、導線1c及び1dの先端部を簡単にLの2倍の長さだけ短くなるように切断することができる。更に、図12に示す導線1c及び1dのうち、ニッパ10を用いることによって、図13に示すように、導線1dの先端部を簡単にLの3倍の長さだけ短くなるように切断することができる。よって、作業者は、図14に示すように、ニッパ10で接続された導線1a〜1dを弛むことなく配線端子台810の各端子に接続させることができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、図15から図17を参照して、本発明の第2実施形態に係るニッパ11について説明する。図15は、ニッパ11の側面から見た断面図である。図16は、一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ11の一部分を示す図である。図17は、延設部110が形成されているニッパ11の斜視図である。
【0051】
<ニッパ11の特徴的な構成>
図15〜図17に示すように、ニッパ11は延設部110を備えている。更に、ニッパ11は、一対の刃部20の一方にねじ92で固定された保持棒90を備えている。
【0052】
延設部110は、基本的に図9に示す延設部80と同じような構造であるが、以下の点で延設部80と異なっている。延設部110は、延設部80と同じように一対の刃部20の一方に形成されている。具体的には、延設部110は、保持棒90に着脱自在に保持されている点で延設部80と異なる。本実施形態において、延設部110は、略長方形であるが、導線の端部が接触する接触部を有するものであれば、どのような形状をなすものであってもよい。延設部110は、接触部112と、接触部112の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材114と、を含むように形成される溝116を有する。また、接触部112と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部112と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。なお、延設部110の接触部112は延設部80の接触部82と同様に導線1の端部が接触する部分である。
【0053】
<ニッパ11の切断動作>
図15〜図17を参照して、ニッパ11が導線1を切断する動作について説明する。図16に示すように、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入させ、図15に示すように、導線1の端部を延設部110の接触部112に接触させるようにするのは、図9に示すニッパ10が導線1を切断する動作と同じである。このとき、導線1の端部を図17に示すように溝116に挿入させる点で、ニッパ10のときと異なる。以下、ニッパ10が導線1を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0054】
次に、図17に示すように、一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1を切断する。導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部112との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0055】
<ニッパ11を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ11を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0056】
[第3実施形態]
次に、図18を参照して、本発明の第3実施形態に係るニッパ12について説明する。図18は、延設部120が形成されているニッパ12の斜視図である。
【0057】
<ニッパ12の特徴的な構成>
延設部120は、基本的に図15に示すニッパ11の延設部110と同じような構造であるが、以下の点で延設部110と異なっている。図18に示すように、延設部120は、接触部122を取り囲むように形成された凸状体124を有する。この凸状体124と接触部122とは、凹部126を形成している。この凹部126は、導線1を挿入することが可能な径を有する。なお、延設部120の接触部122は延設部110の接触部112と同じ構造である。また、接触部122と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部122と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。
【0058】
<ニッパ12の切断動作>
ニッパ12が導線1を切断する動作について説明する。一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入させ、導線1の端部が延設部120の接触部122に接触するようにするのは、図9に示すニッパ10のときと同じである。このとき、導線1の端部を延設部120の凹部126に挿入させる点で、ニッパ10のときと異なる。以下、ニッパ10が導線1を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。なお、導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部122との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0059】
<ニッパ12を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ12を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0060】
[第4実施形態]
図19から図21を参照して、本発明の第4実施形態に係るニッパ13について説明する。図19は、ニッパ13の側面から見た断面図である。図20は、ニッパ13を一対の刃部20の先から見た図である。図21は、一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ13の一部分を示す図である。
【0061】
<ニッパ13の特徴的な構成>
図19から図21に示すように、ニッパ13は、導線支持材の一例である導線支持材300と、延設部130と、を備えている。
【0062】
延設部130は、基本的に図15に示すニッパ11の延設部110と同じような構造であるが、以下の点で延設部110と異なっている。延設部130は、開口された開口部138と、蓋134と、蓋134を開閉可能に支持する支持部材の一例であるヒンジ136と、を有している。
【0063】
蓋134は開口部138を開閉可能に開口部138に配置されている。蓋134の表面は、接触部132とされている。また、接触部132と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部132と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。
【0064】
導線支持材300は、導線1を直線的に挿通可能な導線貫通孔302が形成されている。導線支持材300は、接触線24と延設部130との間に配置されている。また、導線支持材の延設部130側の末端が、少なくとも導線貫通孔302の内部を視認可能な透明材304で形成されている。なお、導線支持材300は、どのような素材でもよく、プラスチック、金属が一例として挙げられる。また、透明材304は、少なくとも導線貫通孔の内部を視認可能な素材であればどのような素材であってもよく、アクリル樹脂等の強化プラスチック製、強化ガラス製が一例として挙げられる。
【0065】
導線貫通孔302は、接触線24の直角の方向に向けて形成されている。
【0066】
<ニッパ13の切断動作>
ニッパ13が導線1を切断する動作について説明する。図21に示すように、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入する。このとき、導線1を導線貫通孔302に挿通させる。また、導線1の端部は、延設部130の蓋134に接触させるようにする。このとき、透明材304により、導線1の端部が延設部130の蓋134に接触しているか否かについて確認できる。導線1が延設部130に対して直角の方向になるようにセットされる。そして、一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1を切断する。導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部132との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0067】
<切断屑の回収操作>
次に、図19を参照して、ニッパ13によって切断された導線1の切断屑を回収する動作について説明する。図19に示すように、導線1の切断後、作業者は、蓋134を開けてニッパ13を上下に振ることにより切断屑を取り出す。
【0068】
<ニッパ13を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ13を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0069】
[第5実施形態]
次に、図22を参照して、本発明の第5実施形態に係るニッパ14について説明する。図22は、ニッパ14の側面から見た断面図である。
【0070】
<ニッパ14の特徴的な構成>
図22に示すように、ニッパ14は導線支持材310を備えている。
【0071】
導線支持材310は、基本的に図19に示すニッパ13の導線支持材300と同じような構造であるが、以下の点で導線支持材300と異なっている。導線支持材310は、その延設部140側の末端に、少なくとも導線貫通孔312と連通された側面孔314を有する。なお、導線支持材310の導線貫通孔312は導線支持材300の導線貫通孔302と同じ構造である。
【0072】
<ニッパ14の切断動作>
ニッパ14の切断動作はニッパ13の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0073】
<切断屑の回収操作>
切断屑の回収操作はニッパ13の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0074】
<ニッパ14を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ14を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0075】
[第6実施形態]
次に、図23及び図24を参照して、本発明に係る第6実施形態に係るニッパ15について説明する。図23はニッパ15及び配線端子台810の側面断面図である。図24は延設部150が形成されているニッパ15の斜視図である。
【0076】
<ニッパ15の特徴的な構成>
ニッパ15は、導線1と少なくとも別の導線の一例である導線2、2を含む導線群3を切断することができる。本実施形態では、導線群3は2本の導線2で構成されている。すなわち、ニッパ15は、導線と少なくとも1つ以上の別の導線とを含む導線群を切断するためのニッパである。換言すれば、ニッパ15は、1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパである。このニッパ15は、枢軸部62と、延設部150と、を備える。
【0077】
枢軸部62は、各刃部20が互いに離反することにより刃22の一方と他方との間に導線1と導線2、2とを含む導線群3(導線1と導線2、2とを含むケーブル)を導入することが可能となるように枢着部40を回転可能に枢支している。同時に、枢軸部62は、接触線24にて導線1と導線2、2とを含む導線群3を切断できるように、枢着部40を回転可能に枢支している。
【0078】
延設部150は、図15に示すニッパ11の接触部112、一対の凸状部材114、及び、溝116と構造がそれぞれ同じである接触部152と一対の凸状部材154と溝156とを有する。延設部150は、接触部152と少なくとも1つの別の接触部の一例である接触部152a、152aを含む接触領域152bを含む。すなわち、接触領域152bは、1以上の第1の接触部の一例である接触部152,152a,152aを含む。接触部152a,152aには、導線2,2の端部が接触する。接触領域152bは、接触部152と接触線24に平行して形成されている。投影線が接触部152と接触部152a,152aとを通過する位置に設けられる。
【0079】
なお、本実施形態において、接触領域152bは3つの接触部152,152a,152aを含むが、接触領域は2つ以下の接触部を含むようにしてもよく、また、4つ以上の接触部を含むようにしてもよい。以下、実施形態においても同様である。
【0080】
図23に示すように、接触線24と接触部152との間の距離は所定の寸法Lと等しく、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と接触領域152bの一の接触部である右側の接触部152aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と接触領域152bの一の接触部である左側の接触部152aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0081】
延設部150は、接触部152aと、接触部152aの近傍を通過するように互いに平行して形成される別の一対の凸状部材の一例である凸状部材154aと、を含むように形成される別の溝の一例である溝156aを有する。
【0082】
溝156,156a,156aの数と、接触部152,152a,152aの数とは一致している。すなわち、溝の数は、接触部の数に1対1に対応している。
【0083】
<ニッパ15の切断動作>
図23及び図24を中心にニッパ15の導線を切断する動作について説明する。一対の刃部20が互いに離反している場合に、一方の刃22と他方の刃22との間に別の導線1又は2を導入させる。このとき、導線1又は2の端部を、溝156又は156aに挿入させる。
【0084】
図24に示すように、一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1又は2を切断する。図23及び24に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部152との間の距離Lと等しく、所定の寸法Lである。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0085】
ここで、接触線24と接触部152との間の距離Lと接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lである。接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L2と接触線24と左側の接触部152aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lである。接触線24と接触部152との間の距離Lと接触線24と左側の接触部152aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0086】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ15で切断することが可能である。
【0087】
<ニッパ15を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ15の切断動作で説明したように、ニッパ15を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線の4本の導線を中間配線盤の配線端子台810の端子に弛みがないように配線することができる。
【0088】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ15で切断された導線1を端子824に、ニッパ15で切断された導線2(右側の導線2)を端子826に、ニッパ15で切断された導線2(左側の導線2)を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0089】
[第7実施形態]
次に、図25を参照して、本発明の第7実施形態に係るニッパ16について説明する。図25は、延設部160が形成されているニッパ16の斜視図である。
【0090】
<ニッパ16の特徴的な構成>
図25に示すように、ニッパ16は延設部160を備えている。
【0091】
延設部160は、図18に示すニッパ12の凸状体124,凹部126と構造がそれぞれ同じである凸状体164,凹部166とを有する。また、延設部160は、図24に示すニッパ15の延設部150の接触部152a,152aにそれぞれ一致する接触部162a,162aを有する。
【0092】
図25に示すように、接触線24と接触部162との間の距離Lは所定の寸法Lと等しく、配線端子台810(図23参照)の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と接触領域162bの一の接触部である左側の接触部162aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、配線端子台810の端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と接触領域162bの一の接触部である右側の接触部162aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0093】
延設部160は図24に示すニッパ15の延設部150と異なっている。延設部160は、別の接触部の一例である接触部162aを取り囲むように形成された別の凸状体の一例である凸状体164aを有する。この接触部162aと凸状体164aとは別の凹部の一例である凹部166aを形成する。凹部166aは、導線2を挿入することが可能な径を有する。
【0094】
凸状体164,164a,164aの数と、接触部162,162a,162aの数とは一致している。すなわち、凸状体の数は、接触部の数に1対1に対応している。
【0095】
<ニッパ16の切断動作>
ニッパ16の導線を切断する動作について説明する。ニッパ16が導線1又は2を切断する動作は、図23に示すニッパ15が導線1を切断する動作と略同じである。例えば、一対の刃部20が互いに離反している場合に、一方の刃22と他方の刃22との間に別の導線1又は2を導入させ、導線1の端部を延設部160の接触部162に、又は、導線2の端部を延設部160の接触部162aに、接触させる点でニッパ15が導線1を切断する動作と略同じである。一方、このとき、導線1又は2の端部を、延設部160の凹部166又は166aに挿入させる点で、ニッパ15のときと導線1又は2を切断する動作が異なる。以下、ニッパ15が導線1又は2を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0096】
なお、図25に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部162との間の距離Lと等しく、また、所定の寸法と等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部162aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部162aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0097】
ここで、接触線24と接触部162との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部162aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と左側の接触部162aとの間の距離L2と、接触線24と右側の接触部162aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と接触部162との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部162aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0098】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ16で切断することが可能である。
【0099】
<ニッパ16を用いた導線の切断・配線(接続)作業>
ニッパ16の切断動作で説明したように、ニッパ16を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線の4本の導線を中間配線盤の配線端子台810(図14、図23参照)の端子に弛みがないように配線することができる。
【0100】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ16で切断された導線1を端子824に、ニッパ16で切断された左側の導線2を端子826に、ニッパ16で切断された右側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0101】
[第8実施形態]
次に、図26から図28までを参照して、本発明の第8実施形態に係るニッパ17について説明する。図26はニッパ17及び配線端子台810の側面断面図である。図27は延設部190が形成されているニッパ17の斜視図である。図28はニッパ17の一部分を示す図である。
【0102】
<ニッパ17の特徴的な構成>
図26から図28に示すように、ニッパ17は、延設部190と導線支持材320,320a,320aとを備えている。
【0103】
延設部190は、図19に示すニッパ13の接触部132、蓋134と、ヒンジ136、及び、開口部138と構造がそれぞれ同じである接触部192と、蓋194と、ヒンジ196と、開口部198と、を有する。導線支持材320は、図19に示すニッパ13の導線貫通孔302と構造が一致する導線貫通孔322を有する。導線支持材320の延設部190側の末端は、図19に示すニッパ13の導線支持材300の透明材304と同様に、透明材324で形成されている。
【0104】
また、延設部190は、基本的に図23に示すニッパ15の延設部150と略同じような構造である。例えば、延設部190は、ニッパ15の接触部152と構造が一致する接触部192を有する。また、延設部190は、ニッパ15の接触部152a,152aにそれぞれ一致する接触部192a,192aを有する。一方、延設部190は、延設部150が有する凸状部材154aと溝156aとを有さない点で、延設部150と異なっている。
【0105】
図26に示すように、接触線24と接触部192との間の距離Lは所定の寸法と等しい寸法であり、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と接触領域192bの一の接触部である右側の接触部192aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と接触領域152bの一の接触部である左側の接触部192aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0106】
導線支持材320,320a,320aの数と、接触部192,192a,192aの数とは一致している。すなわち、導線支持材の数は、接触部の数に1対1に対応している。
【0107】
延設部190は、開口された別の開口部の一例である開口部198aと、別の蓋の一例である蓋194aと、蓋194aを開閉可能に支持する別の支持部材の一例であるヒンジ196aと、を有している。
【0108】
蓋194aは開口部198aを開閉可能に開口部198aに配置されている。蓋194aの表面は接触部192aとされている。
【0109】
別の導線支持材の一例である導線支持材320aには、導線2を直線的に挿通可能な別の導線貫通孔の一例である導線貫通孔322aが形成されている。導線支持材320aは、接触線24と延設部190との間に配置されている。導線支持材320aの延設部190側の末端は、少なくとも導線貫通孔322aの内部を視認可能な別の透明材の一例である透明材324aで形成されている。
【0110】
導線貫通孔322aは、接触線24の直角の方向に向けて形成されている。
【0111】
<ニッパ17の切断動作>
図26及び図27を参照して、ニッパ17の導線を切断する動作について説明する。ニッパ17が導線1を切断する動作は、図23に示すニッパ15が導線1を切断する動作と同じである。また、ニッパ17が導線2を切断する動作は、ニッパ15が導線2を切断する動作と略同じである。例えば、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線2を導入させる点は、ニッパ15が導線2を切断する動作と略同じである。一方、このとき、以下の点で、ニッパ15が導線1を切断する動作と異なる。例えば、導線2を導線貫通孔322aに挿通させる。また、導線2の端部は、延設部190の蓋194aに接触させるようにする。このとき、透明材324aにより、導線2の端部が延設部190の蓋194aに接触しているか否かについて確認できる。以下、ニッパ15が導線1又は2を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0112】
図26に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部192との間の距離Lと等しく、所定の寸法Lと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部192aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部192aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0113】
ここで、接触線24と接触部192との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部192aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lである。接触線24と右側の接触部192aとの間の距離L2と、接触線24と左側の接触部192aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lである。接触線24と接触部192との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部192aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0114】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ17で切断することが可能である。
【0115】
<切断屑の回収操作>
次に、図28を参照して、ニッパ17によって切断された導線1又は2の切断屑を回収する動作について説明する。図28に示すように、導線1又は2の先端部の切断後、作業者は、蓋194又は194aを開けてニッパ17を上下に振ることにより切断屑を取り出す。
【0116】
<ニッパ17を用いた導線の切断・接続作業>
上述のニッパ17の切断動作で説明したように、ニッパ17を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線の4本の導線を中間配線盤の配線端子台810の端子に弛みがないように配線することができる。
【0117】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ17で切断された導線1を端子824に、ニッパ17で切断された右側の導線2を端子826に、ニッパ17で切断された左側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0118】
なお、本実施形態において、導線支持材320が透明材324,324a,324aで形成される代わりに、図29に示すように、その延設部190側の末端に、少なくとも導線貫通孔322,322a,322aにそれぞれ連通された側面孔326,326a,326aを有するようにしてもよい。
【0119】
[第9実施形態]
次に、図30から図32を参照して、本発明の第8実施形態に係るニッパ18について説明する。図30は、ニッパ18及び配線端子台810の側面断面図である。図31は、図30の延設部180を180度回転させて設置した場合のニッパ18及び配線端子台810の側面断面図である。図32は、図30の延設部180を180度回転させて設置した場合のニッパ18の斜視図である。
【0120】
<ニッパ18の特徴的な構成>
ニッパ18は、導線1と導線2,2の導線群3と導線5,5,5とを含む導線群6を切断することができる。すなわち、ニッパ18は、導線と別の導線と複数の第3の導線とを含む別の導線群(1以上の導線を含むケーブル)を切断するためのニッパである。このニッパ18は、枢軸部64と、延設部180と、を備える。
【0121】
延設部180は、接触部182及び接触部182a,182aが形成されている面の反対側の面に第2の接触部の一例である接触部182c,182c,182cを有する。延設部180は、接触部182cに導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部182cを通過する位置に形成するように設けられている。
【0122】
すなわち、図30に示す延設部180は、導線1の端部が接触する接触部182と導線2,2の端部が接触する接触部182a,182aとを含む接触領域182bを有し、且つ、投影線が接触部182と、接触部182a,182aと、を通過する位置に形成するように設ける。更に、延設部180は、例えば、図31に示すように、図30に示す延設部180を180度回転させて設けられ、接触部182cが導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部182cを通過する位置に形成するように設ける。
【0123】
換言すれば、接触領域182bは、1以上の第1の接触部の一例である接触部182、182a,182aが形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部の一例である接触部182c,182c,182cを含む。また、延設部180は、接触部182cと1対1に導線5の端部が接触するように、且つ、1以上の投影線が接触部182cを通過する位置に形成するように設けることが可能である。
【0124】
図30に示すように、接触線24と接触部182との間の距離Lは所定の寸法Lと等しく、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0125】
図31に示すように、接触線24と右側の接触部182cとの間の距離Mは所定の寸法Mと等しく、配線端子台810aの端子822aと端子824aとの間の距離と一致している。接触線24と中央の接触部182cとの間の距離M2は、所定の寸法Mの2倍の長さと等しく、端子822aと端子826aとの間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3は、所定の寸法Mの3倍の長さと等しく、端子822aと端子828aとの間の距離と一致している。
【0126】
枢軸部64は、各刃部20が互いに離反することにより刃22の一方と他方との間に導線1と導線2,2と導線5,5,5とを含む導線群6を導入することが可能となるように枢着部40を回転可能に枢支している。同時に、枢軸部64は、接触線24にて導線1と導線2,2と導線5,5,5とを含む導線群6を切断できるように、枢着部40を回転可能に枢支している。
【0127】
<ニッパ18の切断動作>
ニッパ18の導線を切断する動作について説明する。ニッパ18が導線1を切断する動作は、図24に示すニッパ15が導線1を切断する動作と同じである。ニッパ18が導線2を切断する動作は、図24に示すニッパ15が導線2を切断する動作と略同じである。ニッパ18が導線5を切断する動作は、図24に示すニッパ15が導線1又は2を切断する動作と略同じである。
【0128】
なお、図30に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部182との間の距離と等しく、所定の寸法Lと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0129】
ここで、接触線24と接触部182との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lである。接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2と、接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lである。接触線24と接触部182との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0130】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ18で切断することが可能である。
【0131】
一方、図31に示すように、切断した右側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部182cとの間の距離Mと等しく、所定の寸法Mと等しい。また、切断した中央の導線5の切断屑の長さは、接触線24と中央の接触部182cとの間の距離と等しく、所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3と等しく、所定の寸法Mの3倍の長さと等しい。
【0132】
ここで、接触線24と右側の接触部182cとの間の距離Mと、接触線24と中央の接触部182cとの間の距離M2との差は所定の寸法Mである。接触線24と中央の接触部182cとの間の距離M2と、接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mである。接触線24と接触部182cとの間の距離Mと、接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。
【0133】
このように、接触線24と一の接触部182cとの間の距離と、接触線24と他の接触部182cとの間の距離との差は所定の寸法Mの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ18で切断することが可能である。
【0134】
<ニッパ18を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ18の切断動作で説明したように、ニッパ18を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離、又は、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離、に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線を中間配線盤の配線端子台810の端子又は配線端子台810aの端子に弛みがないように配線することができる。
【0135】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ18で切断された導線1を端子824に、ニッパ18で切断された右側の導線2を端子826に、ニッパ18で切断された左側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0136】
また、作業者は、切断されていない導線を端子822aに、ニッパ18で切断された右側の導線5を端子824aに、ニッパ18で切断された中央の導線5を端子826aに、ニッパ18で切断された左側の導線2を端子828aに配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0137】
なお、延設部180は、図24に示すニッパ15の溝156、156aのように、延設部180の接触部182cと、接触部182cの近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含むように形成される溝を有するようにしてもよい。
【0138】
また、延設部180は、図25に示す凹部166、166aのように、接触部182cを取り囲むように形成された凸状体を有し、接触部182cと凸状体とは凹部を形成し、この凹部は、導線5を挿入することが可能な径を有するようにしてもよい。
【0139】
[第10実施形態]
次に、図33及び図34を参照して、本発明の第10実施形態に係るニッパ21について説明する。図33は、ニッパ21及び配線端子台810の側面断面図である。図34は、図33の延設部220を180度回転させて設置した場合のニッパ21及び配線端子台810aの側面断面図である。
【0140】
<ニッパ21の特徴的な構成>
図33に示す延設部220は、図26に示すニッパ17の延設部190の構造が一部形成されている。例えば、図33に示す接触部222,222a,222aを含む接触領域222bは、それぞれ図26に示す接触部192,192a,192aを含む接触領域192bと構造が同じである。
【0141】
また、図33に示す導線支持材340は、図26に示すニッパ17の導線支持材320の構造が一部形成されている。例えば、図33に示す導線貫通孔342が形成されている導線支持材340は、図26に示す導線貫通孔322が形成されている導線支持材320と構造が同じである。導線貫通孔342a,342aが形成されている導線支持材340a,340aは、図26に示す導線貫通孔322a,322aが形成されている導線支持材320a,320aと構造が同じである。導線支持材340の延設部220側の末端に形成される透明材344は、図26に示す導線支持材320の延設部190側の末端に形成される透明材324と構造が同じである。透明材344a,344aは、図26に示す透明材324a,324aと一致する。
【0142】
一方、延設部220は、接触部222及び接触部222a,222aが形成されている面の反対側の面に第2の接触部の一例である接触部222c,222c,222cを有する。延設部220は、接触部222cが導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部222cを通過する位置に形成するように設けられている。
【0143】
すなわち、図33に示す延設部220は、導線1の端部が接触する接触部222と導線2,2の端部が接触する接触部222a,222aとを含む接触領域222bを有し、且つ、投影線が接触部222と、接触部222a,222aと、を通過する位置に形成するように設ける。更に、延設部220は、例えば、図34に示すように、図33に示す延設部220を180度回転させて設けられ、接触部222cが導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部222cを通過する位置に形成するように設ける。
【0144】
換言すれば、接触領域222bは、1以上の第1の接触部の一例である接触部222、222a,222aが形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部の一例である接触部222c,222c,222cを含む。また、図34に示す延設部220は、接触部222cと1対1に導線5の端部が接触するように、且つ、1以上の投影線が接触部222cを通過する位置に形成するように設けることが可能である。
【0145】
図33に示すように、接触線24と接触部222との間の距離は所定の寸法Lと等しく、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部222aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0146】
図34に示すように、接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mは所定の寸法Mと等しく、配線端子台810aの端子822aと端子824aとの間の距離と一致している。接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2は、所定の寸法Mの2倍の長さと等しく、端子822aと端子826aとの間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3は、所定の寸法Mの3倍の長さと等しく、端子822aと端子828aとの間の距離と一致している。
【0147】
また、延設部220は、導線5を直線的に挿通可能な第3の導線貫通孔の一例である導線貫通孔342cが形成され、接触線24と延設部220との間に配置されている第3の導線支持材の一例である導線支持材340cを備えている。導線貫通孔342cは、接触線24と延設部220との間に配置されている。導線貫通孔342cは、接触線24の直角の方向に向けて形成されている。導線支持材340の延設部220側の末端は、少なくとも導線貫通孔342cの内部を視認可能な別の透明材の一例である透明材で形成されている。
【0148】
<ニッパ21の切断動作>
図33及び図34を参照してニッパ21が導線1、2、又は、5を切断する動作について説明する。ニッパ21が導線1を切断する動作は、図26に示すニッパ17が導線1を切断する動作と同じである。ニッパ21が導線2を切断する動作は、ニッパ17が導線1,2を切断する動作と略同じである。ニッパ21が導線5を切断する動作は、ニッパ17が導線1又は2を切断する動作と略同じである。
【0149】
なお、図33に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部222との間の距離と等しく、所定の寸法Lと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部222aと等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0150】
ここで、接触線24と接触部222との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2と、接触線24と左側の接触部222aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と接触部222との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部222aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0151】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ21で切断することが可能である。
【0152】
図34に示すように、切断した右側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mと等しく、所定の寸法Mと等しい。また、切断した中央の導線5の切断屑の長さは、接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2と等しく、所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3と等しく、所定の寸法Mの3倍の長さと等しい。
【0153】
ここで、接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mと、接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2との差は所定の寸法Mである。接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2と、接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mである。接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mと、接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。
【0154】
このように、接触線24と一の接触部222cとの間の距離と、接触線24と他の接触部222cとの間の距離との差は所定の寸法Mの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ18で切断することが可能である。
【0155】
<ニッパ21を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ21の切断動作で説明したように、ニッパ21を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離、又は、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離、に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線を中間配線盤の配線端子台810の端子又は配線端子台810aの端子に弛みがないように配線することができる。
【0156】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ21で切断された導線1を端子824に、ニッパ21で切断された右側の導線2を端子826に、ニッパ21で切断された左側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0157】
また、作業者は、切断されていない導線を端子822aに、ニッパ21で切断された右側の導線5を端子824aに、ニッパ21で切断された中央の導線5を端子826aに、ニッパ21で切断された左側の導線5を端子828aに配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0158】
なお、本実施形態において、導線支持材340が透明材344,344a,344a,344c,344c,344cで形成される代わりに、その延設部220側の末端に、少なくとも導線貫通孔342,342a,342a,342c,342c,342cにそれぞれ連通された側面孔を有するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の第1実施形態に係るニッパ10の全体を示す図である。
【図2】ニッパ10の全体を示す図である。
【図3】ニッパ10の一部分を示す図である。
【図4】ニッパ10の一部分を示す図である。
【図5】ニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。
【図6】ニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。
【図7】ニッパ10の正面側から見た断面図である。
【図8】ニッパ10の正面側から見た断面図である。
【図9】ニッパ10の側面断面図である。
【図10】直線的に導線1a、1b、1c、及び、1dが並んでいる図である。
【図11】導線1b〜1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。
【図12】更に導線1c及び1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。
【図13】更に導線1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。
【図14】配線端子台810を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係るニッパ11の側面断面図である。
【図16】ニッパ11の一部分を示す図である。
【図17】ニッパ11の斜視図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係るニッパ12の斜視図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係るニッパ13の側面断面図である。
【図20】ニッパ13を一対の刃部20の先から見た図である。
【図21】ニッパ13の一部分を示す図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係るニッパ14の側面断面図である。
【図23】本発明の第6実施形態に係るニッパ15の側面断面図である。
【図24】ニッパ15の斜視図である。
【図25】本発明の第7実施形態に係るニッパ16の斜視図である。
【図26】本発明の第8実施形態に係るニッパ17の側面断面図である。
【図27】ニッパ17の斜視図である。
【図28】ニッパ17の一部分を示す図である。
【図29】ニッパ17の変形例の側面断面図である。
【図30】本発明の第9実施形態に係るニッパ18の側面断面図である。
【図31】ニッパ18の側面断面図である。
【図32】ニッパ18の斜視図である。
【図33】本発明の第10実施形態に係るニッパ21の側面断面図である。
【図34】ニッパ21の側面断面図である。
【図35】電話機と伝送装置と中間配線盤(接続BOX)とを示すブロック図である。
【図36】配線端子台810を示す図である。
【符号の説明】
【0160】
1,1a,1b,1c,1d,2,5 導線
3 導線群
6 導線群
10〜18、21 ニッパ
20,20a,20b 一対の刃部
22 一対の刃
24 接触線
40 枢着部
60,62,64 枢軸部
90 保持棒
100 把持部
80,110,120,130,140,150,160,180,190,220 延設部
82,112,122,132,152,152a,162,162a,182,182a,182c,192,192a,222,222a,222c 接触部
114,154,154a 凸状部材
116,156,156a 溝
124,164,164a 凸状体
126,166,166a 凹部
134,194,194a 蓋
136,196,196a ヒンジ
138,198,198a 開口部
152b,162b,182b,192b,222b 接触領域
300,310,320,320a,340,340a,340c 導線支持材
302,312,322,322a,342,342a,342c 導線貫通孔
304,324,324a,344,344a,344c 透明材
314,326,326a 側面孔
810,810a 配線端子台
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線盤用の導線を切断するために適したニッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導線を切断するためにニッパは欠かすことのできない工具であり(例えば、特許文献1参照)、特に、電話回線の配線を変更する作業において、ニッパは必要不可欠な工具である。電話回線の配線の変更頻度は決して少なくなく、配線変更のたびに電話機や伝送装置間のケーブルの配線を変更するのでは手間や時間がかかってしまう。このため、図35に示すように、電話機600と伝送装置700とを中間配線盤(接続BOX)800を介して接続すれば、配線変更の場合は中間配線盤800内の配線変更のみで済むので、手間や作業時間を省略することができる。
【0003】
中間配線盤800内の配線変更の作業には、端子に通信回線等の導線を配線接続する作業(ラッピング)を行う必要がある。例えば、図36に示すように、10本の端子822〜840(4列目)、852〜870(5列目)が縦列して配置されている配線端子台810がある。この配線端子台810において、4列目の端子822〜828の4つの端子には4本の導線902〜908が接続されており、5列目の端子852から4番目の端子858の4つの端子には4本の導線922〜928が接続されている。この場合、熟練者であれば、4線分の配線長を経験と勘により判断してニッパで導線を切断することにより、4列目の端子822〜828に接続された導線902〜908のように弛むことなく各端子に接続される。
【特許文献1】特開平7−79513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、経験不足の初心者が導線を端子に接続する作業を行うと、切断する導線の長さが一定でないため、配線長にバラツキが生じる。
【0005】
このように配線長にバラツキが生じる場合、5列目の端子856に接続された導線926のように弛みが生じて見た目がよくない。更に、配線長が他のものと比べて長い導線があると、その導線を作業者が手や工具等を引っ掛けて切断してしまう恐れもある。
【0006】
確かに、定規を使用すれば初心者でも導線の切断長を一定にすることができる。しかし、定規を使用しながらの作業では、手間とともに作業時間がかかってしまう。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、手間と作業時間がかからずに一定の長さの導線を切断することが可能な利便性の高いニッパを提供することを目的とする。特に、初心者が使用した場合には、熟練者が作業したのと同等のものが得られるようなニッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパであって、互いに接近・離反可能に対向するように配置されており、一対の刃が対向するように形成されている一対の刃部と、それぞれが各刃部に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部と、前記刃部が互いに離反することにより前記刃の一方と他方との間に前記ケーブルを導入することが可能となるように、且つ、前記刃部が互いに接近することにより前記刃が相互に接触して形成される仮想上の接触線において前記刃によって前記ケーブルを切断できるように、前記枢着部を回転可能に枢支する枢軸部と、前記刃部の一方に形成され、前記1以上の導線の端部が前記1以上の導線に1対1に接触する1以上の第1の接触部を含む接触領域を有する延設部と、を備え、前記延設部は、前記1以上の第1の接触部に直角の方向において前記接触線を前記接触領域に投影した1以上の投影線が形成可能な位置に設けられ、前記接触線と前記1以上の第1の接触部との間の距離が所定の関係を有するニッパ。
【0009】
(1)の発明によれば、延設部は、1以上の導線の端部が1以上の導線に1対1に接触する1以上の第1の接触部を含む接触領域を有する。また、延設部は、1以上の第1の接触部に直角の方向において接触線を接触領域に投影した1以上の投影線が形成可能な位置に設けられ、接触線と1以上の第1の接触部との間の距離が所定の関係を有する。
【0010】
ここで、「所定の関係」とは、接触線と1以上の第1の接触部との間の距離に関する関係をいう。換言すれば、「第1の接触部」が1つの場合、接触線と第1の接触部との間の距離は、本発明によって切断される導線が取り付けられる基板のような被取付部材の特定の寸法と同じ寸法を有することをいう。また、「第1の接触部」が2以上の場合、接触線と1以上の第1の接触部のうち接触線に最も近い位置にある接触部との間の距離、及び、1以上の第1の接触部のうちの一の接触部と1以上の第1の接触部のうち他の接触部との間の距離は、上述の特定の寸法と同じ寸法を有する関係をいう。
【0011】
具体的には、(1)の発明における「所定の関係」とは、以下のような関係である。すなわち、2本の導線を本発明に係るニッパで切断する場合を想定する。この場合、接触領域は、例えば、一の接触部、一の接触部の隣の接触部の2つの接触部を含むことになる。第1の接触部のうちの一の接触部、一の接触部の隣の他の接触部に各導線の端部を当接させて、各導線を切断すると、各接触部と接触線との間の距離、すなわち、切断された各導線の長さは、それぞれ、長さL、L2になる。換言すれば、一の接触部と接触線との間の距離Lと、他の接触部と接触線との間の距離L2との差は、上述の特定の寸法すなわち所定の寸法Lの整数倍となる。このように、(1)の発明における「所定の関係」とは、一の接触部と接触線との間の距離Lと他の接触部と接触線との間の距離L2との差(|L−L2|)が所定の寸法Lの整数倍となる関係をいう。
【0012】
したがって、本発明に係るニッパで1以上の導線を切断すると、導線の切断の長さを所定の寸法の整数倍にすることが可能である。このように、本発明によれば、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0013】
(2) 前記接触領域は、前記1以上の第1の接触部が形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部を含み、前記延設部は、前記1以上の第2の接触部に1対1に前記1以上の導線の端部が接触するように、且つ、前記1以上の投影線が前記1以上の第2の接触部を通過する位置に形成するように設けることが可能であり、前記接触線と前記1以上の第2の接触部との間の距離が所定の関係を有する(1)記載のニッパ。
【0014】
(2)の発明によれば、接触領域は、1以上の第1の接触部が形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部を含み、延設部は、1以上の第2の接触部に1対1に1以上の導線の端部が接触するように、且つ、1以上の投影線が1以上の第2の接触部を通過する位置に形成するように設けることが可能であり、接触線と1以上の第2の接触部との間の距離が所定の関係を有する。
【0015】
ここで、「所定の関係」とは、接触線と1以上の第2の接触部との間の距離に関する関係をいい、換言すれば、1以上の第2の接触部のうちの一の接触部と接触線との間の距離と1以上の第2の接触部のうちの一の接触部ではない他の接触部と接触線との間の距離との関係をいう。
【0016】
具体的には、(2)の発明における「所定の関係」とは、以下のような関係である。すなわち、2本の導線を本発明に係るニッパで切断する場合を想定する。この場合、本発明に係るニッパの接触領域は、例えば、一の接触部、一の接触部に隣接する他の接触部の2つの接触部を含む。第1の接触部のうちの一の接触部及び一の接触部の他の接触部に各導線の端部を当接させて、各導線を切断すると、各接触部と接触線との間の距離、すなわち、切断された各導線の長さが、それぞれ、長さM、M2になる。ここで、一の接触部と接触線との間の距離Mと、一の接触部とは異なる他の接触部と接触線との間の距離M2との差(|M−M2|)は別の所定の寸法Mの整数倍となる。このように、(2)の発明における「所定の関係」とは、一の接触部と接触線との間の距離と一の接触部とは異なる他の接触部と接触線との間の距離との差が別の所定の寸法Mの整数倍となる関係をいう。なお、別の所定の寸法Mは(1)の発明における所定の寸法Lとは異なる。
【0017】
したがって、本発明に係るニッパで1以上の導線を切断すると、導線の切断の長さを(1)の発明における所定の寸法の整数倍とは異なる別の所定の寸法の整数倍とすることが可能である。このように、(2)に係る発明によれば、所定の寸法の整数倍の導線を切断することができるばかりでなく、別の所定の寸法の整数倍の導線を1回で切断できる。すなわち、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0018】
(3) 前記延設部は、前記接触領域の一の接触部と、前記一の接触部の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含む、前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の溝を有する(1)又は(2)記載のニッパ。
【0019】
(4) 前記延設部は、前記接触領域の一の接触部を取り囲むように形成された前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の凸状体を有し、前記一の接触部と前記凸状体とは凹部を形成し、前記凹部は、前記1以上の導線の一の導線を挿入することが可能な径を有する(1)又は(2)記載のニッパ。
【0020】
(3)及び(4)の発明は、導線の端部を接触する位置を規定している。
【0021】
(3)の発明に係るニッパは、接触領域の一の接触部と、一の接触部の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含む、接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の溝を有する延設部を備える。作業者は、導線の端部を溝に挿入し、且つ、接触線に対して直角の方向に導線をセットして導線を切断すれば、導線を所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分切断できる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0022】
(4)の発明に係るニッパは、接触領域の一の接触部を取り囲むように形成された接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の凸状体を有する延設部を備える。凸状体と一の接触部とは1以上の導線の一の導線を挿入することが可能な径を有する凹部を形成している。したがって、作業者は、導線の端部を凹部に挿入し、且つ、接触線に対して直角の方向に導線をセットして導線を切断すれば、導線を所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分切断できる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0023】
(5) 前記1以上の導線の一の導線を直線的に挿通可能な導線貫通孔が形成され、前記接触線と前記延設部との間に配置されている前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の導線支持材を備え、前記導線貫通孔は、前記接触線の直角の方向に向けて形成されている(1)から(4)のいずれか記載のニッパ。
【0024】
(5)の発明に係るニッパは、接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の導線支持材を備える。導線支持材は、1以上の導線の一の導線を直線的に挿通可能な導線貫通孔が形成されている。また、導線支持材は、接触線と延設部との間に配置され、更に、接触線の直角の方向に向けて形成されている。したがって、導線を導線貫通孔に挿入して導線の端部が延設部の接触領域に接触することを条件に切断できれば、導線を所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分切断できる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【0025】
また、(5)の発明によれば、切断された導線は導線支持材内に保持されるので、導線屑を作業場に散乱させることを防止できる。
【0026】
(6) 前記導線支持材の前記延設部側の末端が、少なくとも前記導線貫通孔の内部を視認可能な透明材で形成されている(5)記載のニッパ。
【0027】
(7) 前記導線支持材は、その前記延設部側の末端に、少なくとも前記導線貫通孔と連通された側面孔を有する(5)記載のニッパ。
【0028】
(6)及び(7)の発明は、導線支持材の延設部側の末端の構成について規定している。
【0029】
(6)の発明によれば、導線支持材の延設部側の末端が、少なくとも導線貫通孔の内部を視認可能な透明材で形成されている。したがって、作業者は、透明材を介して導線が延設部に接触しているか否かを明確に認識することが可能であり、所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分の導線を確実に切断することができる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を確実に切断することが可能である。
【0030】
(7)の発明によれば、導線支持材は、その延設部側の末端に、少なくとも導線貫通孔と連通された側面孔を有する。したがって、作業者は、側面孔を見れば導線が延設部に接触していることを明確に認識することが可能であり、所定の寸法の整数倍の長さ分又は別の所定の寸法の整数倍の長さ分の導線を確実に切断することができる。このように、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を確実に切断することが可能である。
【0031】
(8) 前記延設部は、開口された開口部と、前記開口部を開閉可能に前記開口部に配置された蓋部と、前記蓋部を開閉可能に支持する前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の支持部材と、を有しており、前記蓋部の表面は前記接触領域の一の接触部とされている(5)から(7)いずれか記載のニッパ。
【0032】
切断された導線を導線貫通孔から取り出すには、導線を挿通させた導線貫通孔の入り口から取り出すことが考えられるが、刃部が障害となって取り出しにくい。
【0033】
(8)の発明によれば、延設部は、開口部と、この開口部を開閉可能に開口部に配置された蓋部と、蓋部を開閉可能に支持する接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の支持部材と、を有している。したがって、蓋部を開けて切断された導線を容易に取り出すことが可能であり、刃部から切断された導線を取り出す手間や時間をかけずに次の切断作業に迅速に取り掛かることができる。この結果、作業効率の向上を図ることが可能である。
【0034】
(9) 前記一対の刃部及び前記一対の枢着部の表面は絶縁体で形成されている(1)から(8)いずれか記載のニッパ。
【0035】
(9)の発明によれば、導線が活電している場合に、作業者が間違って導線に接触したとしても、感電を防止することが可能である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、手間と作業時間をかけずに一定の長さの導線を切断することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0038】
[第1実施形態]
図1から図14を用いて第1実施形態に係るニッパ10について説明する。
【0039】
<ニッパ10の全体構成>
本発明の第1実施形態に係るニッパ10の全体構成について図1から図9を参照に説明する。図1は一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ10の全体を示す図である。図2は、一対の刃部20が互いに接近している状態のニッパ10の全体を示す図である。図3は、図1の反対側から見た一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ10の一部分を示す図である。図4は、図2の反対側から見た一対の刃部20が互いに接近している状態のニッパ10の一部分を示す図である。図5は、一対の刃部が互いに離反しているニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。図6は、一対の刃部20が互いに接近しているニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。図7は、一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ10の正面側から見た断面図である。図8は、一対の刃部20が互いに接近しかけている状態のニッパ10の正面側から見た断面図である。図9は、ニッパ10の側面断面図である。
【0040】
なお、本実施形態以降の説明では、同じ部材の場合は同じ符号を付すとともに、既に説明した部材の説明は省略するものとする。
【0041】
図1から図9に示すように、1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパ10は、一対の刃部20(一方の刃部20a及び他方の刃部20b)と、それぞれが各刃部20に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部40と、枢軸部60と、延設部80と、を備えている。更に、ニッパ10は把持部100を備える。
【0042】
一対の刃部20は、互いに接近・離反可能に対向するように配置されており、また、一対の刃部20はそれぞれ一対の刃22を有する。この一対の刃部20及び枢着部40は、絶縁体で形成されている。これによって、導線1が活線である場合に、作業者が間違ってニッパ10を導線1に接触させたとしても、感電を防止することが可能である。なお絶縁体は、公知の絶縁体でもよく、例えば、公知の絶縁体としては、ゴムやビニール等が一例として挙げられる。
【0043】
一対の刃22は、対向するように形成されている。各刃22が互いに接触することにより、導線1が切断される。
【0044】
枢軸部60は、各刃部20が互いに離反することにより一方の刃22と他方の刃22との間に導線1を導入することが可能となるように、枢着部40を回転可能に枢支する。また、枢軸部60は、一対の刃部20が互いに接近することにより一対の刃22が相互に接触して形成される接触線24において、一対の刃22によって導線1を切断できるように、枢着部40を回転可能に枢支する。
【0045】
延設部80は、一対の刃部20のうち一方の刃部20aに形成されている。具体的には、延設部80は刃部20aに連結している。延設部80は、図7及び図8に示すように、導線1の端部が接触する接触部82を有する。延設部80は、図9に示すように、接触部82に直角の方向において接触線24を接触部82に投影した投影線が形成可能な位置に設けられている。また、接触部82と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部82と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。なお、延設部80は、どのような素材であってもよく、プラスチック、金属が一例として挙げられる。
【0046】
<ニッパ10の切断動作>
図1から図9までを参照して、ニッパ10が導線1を切断する動作について説明する。図1、図3、図5、及び、図7に示すように、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入させる。このとき、図7に示すように、導線1の端部を延設部80の接触部82に接触させる。また、導線1は延設部80に対して直角の方向になるようにセットされる。
【0047】
次に、図2、図4、図6、及び、図8に示すように、使用者が把持部100を握ると一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1を切断する。導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部82との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0048】
<ニッパ10を用いた導線の切断・接続作業>
図10から図14までを参照して、ニッパ10を用いて導線1a、1b、1c、及び、1dのうち導線1b、1c、及び、1dの先端をそれぞれ寸法L、寸法Lの2倍の寸法、Lの3倍の寸法に切断する作業について説明する。図10は、直線的に導線1a、1b、1c、及び、1dが並んでいる図である。図11は、導線1b〜1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図であり、図12は、更に導線1c及び1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図であり、図13は、更に導線1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。図14は、配線端子台810に接続されている導線1a〜1dを示すための図である。
【0049】
図10に示す導線1a〜1dのうち、ニッパ10を用いることによって、図11に示すように、導線1b〜1dの先端部を簡単に長さLだけ短くなるように切断することができる。更に、図11に示す導線1b〜1dのうち、ニッパ10を用いることによって、図12に示すように、導線1c及び1dの先端部を簡単にLの2倍の長さだけ短くなるように切断することができる。更に、図12に示す導線1c及び1dのうち、ニッパ10を用いることによって、図13に示すように、導線1dの先端部を簡単にLの3倍の長さだけ短くなるように切断することができる。よって、作業者は、図14に示すように、ニッパ10で接続された導線1a〜1dを弛むことなく配線端子台810の各端子に接続させることができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、図15から図17を参照して、本発明の第2実施形態に係るニッパ11について説明する。図15は、ニッパ11の側面から見た断面図である。図16は、一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ11の一部分を示す図である。図17は、延設部110が形成されているニッパ11の斜視図である。
【0051】
<ニッパ11の特徴的な構成>
図15〜図17に示すように、ニッパ11は延設部110を備えている。更に、ニッパ11は、一対の刃部20の一方にねじ92で固定された保持棒90を備えている。
【0052】
延設部110は、基本的に図9に示す延設部80と同じような構造であるが、以下の点で延設部80と異なっている。延設部110は、延設部80と同じように一対の刃部20の一方に形成されている。具体的には、延設部110は、保持棒90に着脱自在に保持されている点で延設部80と異なる。本実施形態において、延設部110は、略長方形であるが、導線の端部が接触する接触部を有するものであれば、どのような形状をなすものであってもよい。延設部110は、接触部112と、接触部112の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材114と、を含むように形成される溝116を有する。また、接触部112と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部112と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。なお、延設部110の接触部112は延設部80の接触部82と同様に導線1の端部が接触する部分である。
【0053】
<ニッパ11の切断動作>
図15〜図17を参照して、ニッパ11が導線1を切断する動作について説明する。図16に示すように、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入させ、図15に示すように、導線1の端部を延設部110の接触部112に接触させるようにするのは、図9に示すニッパ10が導線1を切断する動作と同じである。このとき、導線1の端部を図17に示すように溝116に挿入させる点で、ニッパ10のときと異なる。以下、ニッパ10が導線1を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0054】
次に、図17に示すように、一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1を切断する。導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部112との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0055】
<ニッパ11を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ11を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0056】
[第3実施形態]
次に、図18を参照して、本発明の第3実施形態に係るニッパ12について説明する。図18は、延設部120が形成されているニッパ12の斜視図である。
【0057】
<ニッパ12の特徴的な構成>
延設部120は、基本的に図15に示すニッパ11の延設部110と同じような構造であるが、以下の点で延設部110と異なっている。図18に示すように、延設部120は、接触部122を取り囲むように形成された凸状体124を有する。この凸状体124と接触部122とは、凹部126を形成している。この凹部126は、導線1を挿入することが可能な径を有する。なお、延設部120の接触部122は延設部110の接触部112と同じ構造である。また、接触部122と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部122と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。
【0058】
<ニッパ12の切断動作>
ニッパ12が導線1を切断する動作について説明する。一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入させ、導線1の端部が延設部120の接触部122に接触するようにするのは、図9に示すニッパ10のときと同じである。このとき、導線1の端部を延設部120の凹部126に挿入させる点で、ニッパ10のときと異なる。以下、ニッパ10が導線1を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。なお、導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部122との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0059】
<ニッパ12を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ12を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0060】
[第4実施形態]
図19から図21を参照して、本発明の第4実施形態に係るニッパ13について説明する。図19は、ニッパ13の側面から見た断面図である。図20は、ニッパ13を一対の刃部20の先から見た図である。図21は、一対の刃部20が互いに離反している状態のニッパ13の一部分を示す図である。
【0061】
<ニッパ13の特徴的な構成>
図19から図21に示すように、ニッパ13は、導線支持材の一例である導線支持材300と、延設部130と、を備えている。
【0062】
延設部130は、基本的に図15に示すニッパ11の延設部110と同じような構造であるが、以下の点で延設部110と異なっている。延設部130は、開口された開口部138と、蓋134と、蓋134を開閉可能に支持する支持部材の一例であるヒンジ136と、を有している。
【0063】
蓋134は開口部138を開閉可能に開口部138に配置されている。蓋134の表面は、接触部132とされている。また、接触部132と接触線24との間の距離が所定の関係、すなわち、接触部132と接触線24との間の距離が所定の寸法Lとなっている。
【0064】
導線支持材300は、導線1を直線的に挿通可能な導線貫通孔302が形成されている。導線支持材300は、接触線24と延設部130との間に配置されている。また、導線支持材の延設部130側の末端が、少なくとも導線貫通孔302の内部を視認可能な透明材304で形成されている。なお、導線支持材300は、どのような素材でもよく、プラスチック、金属が一例として挙げられる。また、透明材304は、少なくとも導線貫通孔の内部を視認可能な素材であればどのような素材であってもよく、アクリル樹脂等の強化プラスチック製、強化ガラス製が一例として挙げられる。
【0065】
導線貫通孔302は、接触線24の直角の方向に向けて形成されている。
【0066】
<ニッパ13の切断動作>
ニッパ13が導線1を切断する動作について説明する。図21に示すように、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線1を導入する。このとき、導線1を導線貫通孔302に挿通させる。また、導線1の端部は、延設部130の蓋134に接触させるようにする。このとき、透明材304により、導線1の端部が延設部130の蓋134に接触しているか否かについて確認できる。導線1が延設部130に対して直角の方向になるようにセットされる。そして、一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1を切断する。導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部132との間の距離と等しく、距離Lとなる。
【0067】
<切断屑の回収操作>
次に、図19を参照して、ニッパ13によって切断された導線1の切断屑を回収する動作について説明する。図19に示すように、導線1の切断後、作業者は、蓋134を開けてニッパ13を上下に振ることにより切断屑を取り出す。
【0068】
<ニッパ13を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ13を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0069】
[第5実施形態]
次に、図22を参照して、本発明の第5実施形態に係るニッパ14について説明する。図22は、ニッパ14の側面から見た断面図である。
【0070】
<ニッパ14の特徴的な構成>
図22に示すように、ニッパ14は導線支持材310を備えている。
【0071】
導線支持材310は、基本的に図19に示すニッパ13の導線支持材300と同じような構造であるが、以下の点で導線支持材300と異なっている。導線支持材310は、その延設部140側の末端に、少なくとも導線貫通孔312と連通された側面孔314を有する。なお、導線支持材310の導線貫通孔312は導線支持材300の導線貫通孔302と同じ構造である。
【0072】
<ニッパ14の切断動作>
ニッパ14の切断動作はニッパ13の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0073】
<切断屑の回収操作>
切断屑の回収操作はニッパ13の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0074】
<ニッパ14を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ14を用いた導線の切断・接続作業はニッパ10の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0075】
[第6実施形態]
次に、図23及び図24を参照して、本発明に係る第6実施形態に係るニッパ15について説明する。図23はニッパ15及び配線端子台810の側面断面図である。図24は延設部150が形成されているニッパ15の斜視図である。
【0076】
<ニッパ15の特徴的な構成>
ニッパ15は、導線1と少なくとも別の導線の一例である導線2、2を含む導線群3を切断することができる。本実施形態では、導線群3は2本の導線2で構成されている。すなわち、ニッパ15は、導線と少なくとも1つ以上の別の導線とを含む導線群を切断するためのニッパである。換言すれば、ニッパ15は、1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパである。このニッパ15は、枢軸部62と、延設部150と、を備える。
【0077】
枢軸部62は、各刃部20が互いに離反することにより刃22の一方と他方との間に導線1と導線2、2とを含む導線群3(導線1と導線2、2とを含むケーブル)を導入することが可能となるように枢着部40を回転可能に枢支している。同時に、枢軸部62は、接触線24にて導線1と導線2、2とを含む導線群3を切断できるように、枢着部40を回転可能に枢支している。
【0078】
延設部150は、図15に示すニッパ11の接触部112、一対の凸状部材114、及び、溝116と構造がそれぞれ同じである接触部152と一対の凸状部材154と溝156とを有する。延設部150は、接触部152と少なくとも1つの別の接触部の一例である接触部152a、152aを含む接触領域152bを含む。すなわち、接触領域152bは、1以上の第1の接触部の一例である接触部152,152a,152aを含む。接触部152a,152aには、導線2,2の端部が接触する。接触領域152bは、接触部152と接触線24に平行して形成されている。投影線が接触部152と接触部152a,152aとを通過する位置に設けられる。
【0079】
なお、本実施形態において、接触領域152bは3つの接触部152,152a,152aを含むが、接触領域は2つ以下の接触部を含むようにしてもよく、また、4つ以上の接触部を含むようにしてもよい。以下、実施形態においても同様である。
【0080】
図23に示すように、接触線24と接触部152との間の距離は所定の寸法Lと等しく、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と接触領域152bの一の接触部である右側の接触部152aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と接触領域152bの一の接触部である左側の接触部152aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0081】
延設部150は、接触部152aと、接触部152aの近傍を通過するように互いに平行して形成される別の一対の凸状部材の一例である凸状部材154aと、を含むように形成される別の溝の一例である溝156aを有する。
【0082】
溝156,156a,156aの数と、接触部152,152a,152aの数とは一致している。すなわち、溝の数は、接触部の数に1対1に対応している。
【0083】
<ニッパ15の切断動作>
図23及び図24を中心にニッパ15の導線を切断する動作について説明する。一対の刃部20が互いに離反している場合に、一方の刃22と他方の刃22との間に別の導線1又は2を導入させる。このとき、導線1又は2の端部を、溝156又は156aに挿入させる。
【0084】
図24に示すように、一対の刃部20が互いに接近するように枢着部40が回転し、一対の刃22が相互に接触して接触線24において導線1又は2を切断する。図23及び24に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部152との間の距離Lと等しく、所定の寸法Lである。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0085】
ここで、接触線24と接触部152との間の距離Lと接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lである。接触線24と右側の接触部152aとの間の距離L2と接触線24と左側の接触部152aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lである。接触線24と接触部152との間の距離Lと接触線24と左側の接触部152aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0086】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ15で切断することが可能である。
【0087】
<ニッパ15を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ15の切断動作で説明したように、ニッパ15を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線の4本の導線を中間配線盤の配線端子台810の端子に弛みがないように配線することができる。
【0088】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ15で切断された導線1を端子824に、ニッパ15で切断された導線2(右側の導線2)を端子826に、ニッパ15で切断された導線2(左側の導線2)を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0089】
[第7実施形態]
次に、図25を参照して、本発明の第7実施形態に係るニッパ16について説明する。図25は、延設部160が形成されているニッパ16の斜視図である。
【0090】
<ニッパ16の特徴的な構成>
図25に示すように、ニッパ16は延設部160を備えている。
【0091】
延設部160は、図18に示すニッパ12の凸状体124,凹部126と構造がそれぞれ同じである凸状体164,凹部166とを有する。また、延設部160は、図24に示すニッパ15の延設部150の接触部152a,152aにそれぞれ一致する接触部162a,162aを有する。
【0092】
図25に示すように、接触線24と接触部162との間の距離Lは所定の寸法Lと等しく、配線端子台810(図23参照)の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と接触領域162bの一の接触部である左側の接触部162aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、配線端子台810の端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と接触領域162bの一の接触部である右側の接触部162aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0093】
延設部160は図24に示すニッパ15の延設部150と異なっている。延設部160は、別の接触部の一例である接触部162aを取り囲むように形成された別の凸状体の一例である凸状体164aを有する。この接触部162aと凸状体164aとは別の凹部の一例である凹部166aを形成する。凹部166aは、導線2を挿入することが可能な径を有する。
【0094】
凸状体164,164a,164aの数と、接触部162,162a,162aの数とは一致している。すなわち、凸状体の数は、接触部の数に1対1に対応している。
【0095】
<ニッパ16の切断動作>
ニッパ16の導線を切断する動作について説明する。ニッパ16が導線1又は2を切断する動作は、図23に示すニッパ15が導線1を切断する動作と略同じである。例えば、一対の刃部20が互いに離反している場合に、一方の刃22と他方の刃22との間に別の導線1又は2を導入させ、導線1の端部を延設部160の接触部162に、又は、導線2の端部を延設部160の接触部162aに、接触させる点でニッパ15が導線1を切断する動作と略同じである。一方、このとき、導線1又は2の端部を、延設部160の凹部166又は166aに挿入させる点で、ニッパ15のときと導線1又は2を切断する動作が異なる。以下、ニッパ15が導線1又は2を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0096】
なお、図25に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部162との間の距離Lと等しく、また、所定の寸法と等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部162aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部162aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0097】
ここで、接触線24と接触部162との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部162aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と左側の接触部162aとの間の距離L2と、接触線24と右側の接触部162aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と接触部162との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部162aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0098】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ16で切断することが可能である。
【0099】
<ニッパ16を用いた導線の切断・配線(接続)作業>
ニッパ16の切断動作で説明したように、ニッパ16を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線の4本の導線を中間配線盤の配線端子台810(図14、図23参照)の端子に弛みがないように配線することができる。
【0100】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ16で切断された導線1を端子824に、ニッパ16で切断された左側の導線2を端子826に、ニッパ16で切断された右側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0101】
[第8実施形態]
次に、図26から図28までを参照して、本発明の第8実施形態に係るニッパ17について説明する。図26はニッパ17及び配線端子台810の側面断面図である。図27は延設部190が形成されているニッパ17の斜視図である。図28はニッパ17の一部分を示す図である。
【0102】
<ニッパ17の特徴的な構成>
図26から図28に示すように、ニッパ17は、延設部190と導線支持材320,320a,320aとを備えている。
【0103】
延設部190は、図19に示すニッパ13の接触部132、蓋134と、ヒンジ136、及び、開口部138と構造がそれぞれ同じである接触部192と、蓋194と、ヒンジ196と、開口部198と、を有する。導線支持材320は、図19に示すニッパ13の導線貫通孔302と構造が一致する導線貫通孔322を有する。導線支持材320の延設部190側の末端は、図19に示すニッパ13の導線支持材300の透明材304と同様に、透明材324で形成されている。
【0104】
また、延設部190は、基本的に図23に示すニッパ15の延設部150と略同じような構造である。例えば、延設部190は、ニッパ15の接触部152と構造が一致する接触部192を有する。また、延設部190は、ニッパ15の接触部152a,152aにそれぞれ一致する接触部192a,192aを有する。一方、延設部190は、延設部150が有する凸状部材154aと溝156aとを有さない点で、延設部150と異なっている。
【0105】
図26に示すように、接触線24と接触部192との間の距離Lは所定の寸法と等しい寸法であり、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と接触領域192bの一の接触部である右側の接触部192aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と接触領域152bの一の接触部である左側の接触部192aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0106】
導線支持材320,320a,320aの数と、接触部192,192a,192aの数とは一致している。すなわち、導線支持材の数は、接触部の数に1対1に対応している。
【0107】
延設部190は、開口された別の開口部の一例である開口部198aと、別の蓋の一例である蓋194aと、蓋194aを開閉可能に支持する別の支持部材の一例であるヒンジ196aと、を有している。
【0108】
蓋194aは開口部198aを開閉可能に開口部198aに配置されている。蓋194aの表面は接触部192aとされている。
【0109】
別の導線支持材の一例である導線支持材320aには、導線2を直線的に挿通可能な別の導線貫通孔の一例である導線貫通孔322aが形成されている。導線支持材320aは、接触線24と延設部190との間に配置されている。導線支持材320aの延設部190側の末端は、少なくとも導線貫通孔322aの内部を視認可能な別の透明材の一例である透明材324aで形成されている。
【0110】
導線貫通孔322aは、接触線24の直角の方向に向けて形成されている。
【0111】
<ニッパ17の切断動作>
図26及び図27を参照して、ニッパ17の導線を切断する動作について説明する。ニッパ17が導線1を切断する動作は、図23に示すニッパ15が導線1を切断する動作と同じである。また、ニッパ17が導線2を切断する動作は、ニッパ15が導線2を切断する動作と略同じである。例えば、一対の刃部20が互いに離反している場合に、刃22の一方と他方との間に導線2を導入させる点は、ニッパ15が導線2を切断する動作と略同じである。一方、このとき、以下の点で、ニッパ15が導線1を切断する動作と異なる。例えば、導線2を導線貫通孔322aに挿通させる。また、導線2の端部は、延設部190の蓋194aに接触させるようにする。このとき、透明材324aにより、導線2の端部が延設部190の蓋194aに接触しているか否かについて確認できる。以下、ニッパ15が導線1又は2を切断する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0112】
図26に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部192との間の距離Lと等しく、所定の寸法Lと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部192aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部192aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0113】
ここで、接触線24と接触部192との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部192aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lである。接触線24と右側の接触部192aとの間の距離L2と、接触線24と左側の接触部192aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lである。接触線24と接触部192との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部192aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0114】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ17で切断することが可能である。
【0115】
<切断屑の回収操作>
次に、図28を参照して、ニッパ17によって切断された導線1又は2の切断屑を回収する動作について説明する。図28に示すように、導線1又は2の先端部の切断後、作業者は、蓋194又は194aを開けてニッパ17を上下に振ることにより切断屑を取り出す。
【0116】
<ニッパ17を用いた導線の切断・接続作業>
上述のニッパ17の切断動作で説明したように、ニッパ17を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線の4本の導線を中間配線盤の配線端子台810の端子に弛みがないように配線することができる。
【0117】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ17で切断された導線1を端子824に、ニッパ17で切断された右側の導線2を端子826に、ニッパ17で切断された左側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0118】
なお、本実施形態において、導線支持材320が透明材324,324a,324aで形成される代わりに、図29に示すように、その延設部190側の末端に、少なくとも導線貫通孔322,322a,322aにそれぞれ連通された側面孔326,326a,326aを有するようにしてもよい。
【0119】
[第9実施形態]
次に、図30から図32を参照して、本発明の第8実施形態に係るニッパ18について説明する。図30は、ニッパ18及び配線端子台810の側面断面図である。図31は、図30の延設部180を180度回転させて設置した場合のニッパ18及び配線端子台810の側面断面図である。図32は、図30の延設部180を180度回転させて設置した場合のニッパ18の斜視図である。
【0120】
<ニッパ18の特徴的な構成>
ニッパ18は、導線1と導線2,2の導線群3と導線5,5,5とを含む導線群6を切断することができる。すなわち、ニッパ18は、導線と別の導線と複数の第3の導線とを含む別の導線群(1以上の導線を含むケーブル)を切断するためのニッパである。このニッパ18は、枢軸部64と、延設部180と、を備える。
【0121】
延設部180は、接触部182及び接触部182a,182aが形成されている面の反対側の面に第2の接触部の一例である接触部182c,182c,182cを有する。延設部180は、接触部182cに導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部182cを通過する位置に形成するように設けられている。
【0122】
すなわち、図30に示す延設部180は、導線1の端部が接触する接触部182と導線2,2の端部が接触する接触部182a,182aとを含む接触領域182bを有し、且つ、投影線が接触部182と、接触部182a,182aと、を通過する位置に形成するように設ける。更に、延設部180は、例えば、図31に示すように、図30に示す延設部180を180度回転させて設けられ、接触部182cが導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部182cを通過する位置に形成するように設ける。
【0123】
換言すれば、接触領域182bは、1以上の第1の接触部の一例である接触部182、182a,182aが形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部の一例である接触部182c,182c,182cを含む。また、延設部180は、接触部182cと1対1に導線5の端部が接触するように、且つ、1以上の投影線が接触部182cを通過する位置に形成するように設けることが可能である。
【0124】
図30に示すように、接触線24と接触部182との間の距離Lは所定の寸法Lと等しく、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0125】
図31に示すように、接触線24と右側の接触部182cとの間の距離Mは所定の寸法Mと等しく、配線端子台810aの端子822aと端子824aとの間の距離と一致している。接触線24と中央の接触部182cとの間の距離M2は、所定の寸法Mの2倍の長さと等しく、端子822aと端子826aとの間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3は、所定の寸法Mの3倍の長さと等しく、端子822aと端子828aとの間の距離と一致している。
【0126】
枢軸部64は、各刃部20が互いに離反することにより刃22の一方と他方との間に導線1と導線2,2と導線5,5,5とを含む導線群6を導入することが可能となるように枢着部40を回転可能に枢支している。同時に、枢軸部64は、接触線24にて導線1と導線2,2と導線5,5,5とを含む導線群6を切断できるように、枢着部40を回転可能に枢支している。
【0127】
<ニッパ18の切断動作>
ニッパ18の導線を切断する動作について説明する。ニッパ18が導線1を切断する動作は、図24に示すニッパ15が導線1を切断する動作と同じである。ニッパ18が導線2を切断する動作は、図24に示すニッパ15が導線2を切断する動作と略同じである。ニッパ18が導線5を切断する動作は、図24に示すニッパ15が導線1又は2を切断する動作と略同じである。
【0128】
なお、図30に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部182との間の距離と等しく、所定の寸法Lと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3と等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0129】
ここで、接触線24と接触部182との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lである。接触線24と右側の接触部182aとの間の距離L2と、接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lである。接触線24と接触部182との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部182aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0130】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ18で切断することが可能である。
【0131】
一方、図31に示すように、切断した右側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部182cとの間の距離Mと等しく、所定の寸法Mと等しい。また、切断した中央の導線5の切断屑の長さは、接触線24と中央の接触部182cとの間の距離と等しく、所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3と等しく、所定の寸法Mの3倍の長さと等しい。
【0132】
ここで、接触線24と右側の接触部182cとの間の距離Mと、接触線24と中央の接触部182cとの間の距離M2との差は所定の寸法Mである。接触線24と中央の接触部182cとの間の距離M2と、接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mである。接触線24と接触部182cとの間の距離Mと、接触線24と左側の接触部182cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。
【0133】
このように、接触線24と一の接触部182cとの間の距離と、接触線24と他の接触部182cとの間の距離との差は所定の寸法Mの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ18で切断することが可能である。
【0134】
<ニッパ18を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ18の切断動作で説明したように、ニッパ18を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離、又は、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離、に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線を中間配線盤の配線端子台810の端子又は配線端子台810aの端子に弛みがないように配線することができる。
【0135】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ18で切断された導線1を端子824に、ニッパ18で切断された右側の導線2を端子826に、ニッパ18で切断された左側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0136】
また、作業者は、切断されていない導線を端子822aに、ニッパ18で切断された右側の導線5を端子824aに、ニッパ18で切断された中央の導線5を端子826aに、ニッパ18で切断された左側の導線2を端子828aに配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0137】
なお、延設部180は、図24に示すニッパ15の溝156、156aのように、延設部180の接触部182cと、接触部182cの近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含むように形成される溝を有するようにしてもよい。
【0138】
また、延設部180は、図25に示す凹部166、166aのように、接触部182cを取り囲むように形成された凸状体を有し、接触部182cと凸状体とは凹部を形成し、この凹部は、導線5を挿入することが可能な径を有するようにしてもよい。
【0139】
[第10実施形態]
次に、図33及び図34を参照して、本発明の第10実施形態に係るニッパ21について説明する。図33は、ニッパ21及び配線端子台810の側面断面図である。図34は、図33の延設部220を180度回転させて設置した場合のニッパ21及び配線端子台810aの側面断面図である。
【0140】
<ニッパ21の特徴的な構成>
図33に示す延設部220は、図26に示すニッパ17の延設部190の構造が一部形成されている。例えば、図33に示す接触部222,222a,222aを含む接触領域222bは、それぞれ図26に示す接触部192,192a,192aを含む接触領域192bと構造が同じである。
【0141】
また、図33に示す導線支持材340は、図26に示すニッパ17の導線支持材320の構造が一部形成されている。例えば、図33に示す導線貫通孔342が形成されている導線支持材340は、図26に示す導線貫通孔322が形成されている導線支持材320と構造が同じである。導線貫通孔342a,342aが形成されている導線支持材340a,340aは、図26に示す導線貫通孔322a,322aが形成されている導線支持材320a,320aと構造が同じである。導線支持材340の延設部220側の末端に形成される透明材344は、図26に示す導線支持材320の延設部190側の末端に形成される透明材324と構造が同じである。透明材344a,344aは、図26に示す透明材324a,324aと一致する。
【0142】
一方、延設部220は、接触部222及び接触部222a,222aが形成されている面の反対側の面に第2の接触部の一例である接触部222c,222c,222cを有する。延設部220は、接触部222cが導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部222cを通過する位置に形成するように設けられている。
【0143】
すなわち、図33に示す延設部220は、導線1の端部が接触する接触部222と導線2,2の端部が接触する接触部222a,222aとを含む接触領域222bを有し、且つ、投影線が接触部222と、接触部222a,222aと、を通過する位置に形成するように設ける。更に、延設部220は、例えば、図34に示すように、図33に示す延設部220を180度回転させて設けられ、接触部222cが導線5の端部が接触するように、且つ、投影線が接触部222cを通過する位置に形成するように設ける。
【0144】
換言すれば、接触領域222bは、1以上の第1の接触部の一例である接触部222、222a,222aが形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部の一例である接触部222c,222c,222cを含む。また、図34に示す延設部220は、接触部222cと1対1に導線5の端部が接触するように、且つ、1以上の投影線が接触部222cを通過する位置に形成するように設けることが可能である。
【0145】
図33に示すように、接触線24と接触部222との間の距離は所定の寸法Lと等しく、配線端子台810の端子822と端子824との間の距離と一致している。接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2は、所定の寸法Lの2倍の長さと等しく、端子822と端子826との間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部222aとの間の距離L3は、所定の寸法Lの3倍の長さと等しく、端子822と端子828との間の距離と一致している。
【0146】
図34に示すように、接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mは所定の寸法Mと等しく、配線端子台810aの端子822aと端子824aとの間の距離と一致している。接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2は、所定の寸法Mの2倍の長さと等しく、端子822aと端子826aとの間の距離と一致している。接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3は、所定の寸法Mの3倍の長さと等しく、端子822aと端子828aとの間の距離と一致している。
【0147】
また、延設部220は、導線5を直線的に挿通可能な第3の導線貫通孔の一例である導線貫通孔342cが形成され、接触線24と延設部220との間に配置されている第3の導線支持材の一例である導線支持材340cを備えている。導線貫通孔342cは、接触線24と延設部220との間に配置されている。導線貫通孔342cは、接触線24の直角の方向に向けて形成されている。導線支持材340の延設部220側の末端は、少なくとも導線貫通孔342cの内部を視認可能な別の透明材の一例である透明材で形成されている。
【0148】
<ニッパ21の切断動作>
図33及び図34を参照してニッパ21が導線1、2、又は、5を切断する動作について説明する。ニッパ21が導線1を切断する動作は、図26に示すニッパ17が導線1を切断する動作と同じである。ニッパ21が導線2を切断する動作は、ニッパ17が導線1,2を切断する動作と略同じである。ニッパ21が導線5を切断する動作は、ニッパ17が導線1又は2を切断する動作と略同じである。
【0149】
なお、図33に示すように、切断した導線1の切断屑の長さは、接触線24と接触部222との間の距離と等しく、所定の寸法Lと等しい。また、切断した右側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2と等しく、所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線2の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部222aと等しく、所定の寸法Lの3倍の長さと等しい。
【0150】
ここで、接触線24と接触部222との間の距離Lと、接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と右側の接触部222aとの間の距離L2と、接触線24と左側の接触部222aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lと等しい。接触線24と接触部222との間の距離Lと、接触線24と左側の接触部222aとの間の距離L3との差は所定の寸法Lの2倍の長さと等しい。
【0151】
このように、接触線24と一の接触部との間の距離と、接触線24と他の接触部との間の距離との差は所定の寸法Lの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ21で切断することが可能である。
【0152】
図34に示すように、切断した右側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mと等しく、所定の寸法Mと等しい。また、切断した中央の導線5の切断屑の長さは、接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2と等しく、所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。また、切断した左側の導線5の切断屑の長さは、接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3と等しく、所定の寸法Mの3倍の長さと等しい。
【0153】
ここで、接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mと、接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2との差は所定の寸法Mである。接触線24と中央の接触部222cとの間の距離M2と、接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mである。接触線24と右側の接触部222cとの間の距離Mと、接触線24と左側の接触部222cとの間の距離M3との差は所定の寸法Mの2倍の長さと等しい。
【0154】
このように、接触線24と一の接触部222cとの間の距離と、接触線24と他の接触部222cとの間の距離との差は所定の寸法Mの整数倍の長さとなる(すなわち、所定の関係となる)。換言すれば、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離に合致する長さの導線をニッパ18で切断することが可能である。
【0155】
<ニッパ21を用いた導線の切断・接続作業>
ニッパ21の切断動作で説明したように、ニッパ21を用いることにより、何度も切断作業を行わずに、配線端子台810の端子と他の端子との間の距離、又は、配線端子台810aの端子と他の端子との間の距離、に合致する長さの導線を切断することが可能である。作業者は、切断したそれぞれの導線と切断していない導線を中間配線盤の配線端子台810の端子又は配線端子台810aの端子に弛みがないように配線することができる。
【0156】
具体的には、作業者は、切断されていない導線を端子822に、ニッパ21で切断された導線1を端子824に、ニッパ21で切断された右側の導線2を端子826に、ニッパ21で切断された左側の導線2を端子828に配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0157】
また、作業者は、切断されていない導線を端子822aに、ニッパ21で切断された右側の導線5を端子824aに、ニッパ21で切断された中央の導線5を端子826aに、ニッパ21で切断された左側の導線5を端子828aに配線することにより、図14に示す導線1a〜1dのように、弛みがないように各導線を各端子に配線することができる。
【0158】
なお、本実施形態において、導線支持材340が透明材344,344a,344a,344c,344c,344cで形成される代わりに、その延設部220側の末端に、少なくとも導線貫通孔342,342a,342a,342c,342c,342cにそれぞれ連通された側面孔を有するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の第1実施形態に係るニッパ10の全体を示す図である。
【図2】ニッパ10の全体を示す図である。
【図3】ニッパ10の一部分を示す図である。
【図4】ニッパ10の一部分を示す図である。
【図5】ニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。
【図6】ニッパ10を一対の刃部20の先から見た図である。
【図7】ニッパ10の正面側から見た断面図である。
【図8】ニッパ10の正面側から見た断面図である。
【図9】ニッパ10の側面断面図である。
【図10】直線的に導線1a、1b、1c、及び、1dが並んでいる図である。
【図11】導線1b〜1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。
【図12】更に導線1c及び1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。
【図13】更に導線1dの先端を長さLだけ短くなるように切断した場合の図である。
【図14】配線端子台810を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係るニッパ11の側面断面図である。
【図16】ニッパ11の一部分を示す図である。
【図17】ニッパ11の斜視図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係るニッパ12の斜視図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係るニッパ13の側面断面図である。
【図20】ニッパ13を一対の刃部20の先から見た図である。
【図21】ニッパ13の一部分を示す図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係るニッパ14の側面断面図である。
【図23】本発明の第6実施形態に係るニッパ15の側面断面図である。
【図24】ニッパ15の斜視図である。
【図25】本発明の第7実施形態に係るニッパ16の斜視図である。
【図26】本発明の第8実施形態に係るニッパ17の側面断面図である。
【図27】ニッパ17の斜視図である。
【図28】ニッパ17の一部分を示す図である。
【図29】ニッパ17の変形例の側面断面図である。
【図30】本発明の第9実施形態に係るニッパ18の側面断面図である。
【図31】ニッパ18の側面断面図である。
【図32】ニッパ18の斜視図である。
【図33】本発明の第10実施形態に係るニッパ21の側面断面図である。
【図34】ニッパ21の側面断面図である。
【図35】電話機と伝送装置と中間配線盤(接続BOX)とを示すブロック図である。
【図36】配線端子台810を示す図である。
【符号の説明】
【0160】
1,1a,1b,1c,1d,2,5 導線
3 導線群
6 導線群
10〜18、21 ニッパ
20,20a,20b 一対の刃部
22 一対の刃
24 接触線
40 枢着部
60,62,64 枢軸部
90 保持棒
100 把持部
80,110,120,130,140,150,160,180,190,220 延設部
82,112,122,132,152,152a,162,162a,182,182a,182c,192,192a,222,222a,222c 接触部
114,154,154a 凸状部材
116,156,156a 溝
124,164,164a 凸状体
126,166,166a 凹部
134,194,194a 蓋
136,196,196a ヒンジ
138,198,198a 開口部
152b,162b,182b,192b,222b 接触領域
300,310,320,320a,340,340a,340c 導線支持材
302,312,322,322a,342,342a,342c 導線貫通孔
304,324,324a,344,344a,344c 透明材
314,326,326a 側面孔
810,810a 配線端子台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパであって、
互いに接近・離反可能に対向するように配置されており、一対の刃が対向するように形成されている一対の刃部と、
それぞれが各刃部に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部と、
前記刃部が互いに離反することにより前記刃の一方と他方との間に前記ケーブルを導入することが可能となるように、且つ、前記刃部が互いに接近することにより前記刃が相互に接触して形成される仮想上の接触線において前記刃によって前記ケーブルを切断できるように、前記枢着部を回転可能に枢支する枢軸部と、
前記刃部の一方に形成され、前記1以上の導線の端部が前記1以上の導線に1対1に接触する1以上の第1の接触部を含む接触領域を有する延設部と、を備え、
前記延設部は、前記1以上の第1の接触部に直角の方向において前記接触線を前記接触領域に投影した1以上の投影線が形成可能な位置に設けられ、
前記接触線と前記1以上の第1の接触部との間の距離が所定の関係を有するニッパ。
【請求項2】
前記接触領域は、前記1以上の第1の接触部が形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部を含み、
前記延設部は、前記1以上の第2の接触部に1対1に前記1以上の導線の端部が接触するように、且つ、前記1以上の投影線が前記1以上の第2の接触部を通過する位置に形成するように設けることが可能であり、
前記接触線と前記1以上の第2の接触部との間の距離が所定の関係を有する請求項1記載のニッパ。
【請求項3】
前記延設部は、前記接触領域の一の接触部と、前記一の接触部の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含む、前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の溝を有する請求項1又は2記載のニッパ。
【請求項4】
前記延設部は、前記接触領域の一の接触部を取り囲むように形成された前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の凸状体を有し、
前記一の接触部と前記凸状体とは凹部を形成し、
前記凹部は、前記1以上の導線の一の導線を挿入することが可能な径を有する請求項1又は2記載のニッパ。
【請求項5】
前記1以上の導線の一の導線を直線的に挿通可能な導線貫通孔が形成され、前記接触線と前記延設部との間に配置されている前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の導線支持材を備え、
前記導線貫通孔は、前記接触線の直角の方向に向けて形成されている請求項1から4のいずれか記載のニッパ。
【請求項6】
前記導線支持材の前記延設部側の末端が、少なくとも前記導線貫通孔の内部を視認可能な透明材で形成されている請求項5記載のニッパ。
【請求項7】
前記導線支持材は、その前記延設部側の末端に、少なくとも前記導線貫通孔と連通された側面孔を有する請求項5記載のニッパ。
【請求項8】
前記延設部は、開口された開口部と、前記開口部を開閉可能に前記開口部に配置された蓋部と、前記蓋部を開閉可能に支持する前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の支持部材と、を有しており、
前記蓋部の表面は前記接触領域の一の接触部とされている請求項5から7いずれか記載のニッパ。
【請求項9】
前記一対の刃部及び前記一対の枢着部の表面は絶縁体で形成されている請求項1から8いずれか記載のニッパ。
【請求項1】
1以上の導線を含むケーブルを切断するためのニッパであって、
互いに接近・離反可能に対向するように配置されており、一対の刃が対向するように形成されている一対の刃部と、
それぞれが各刃部に相対的移動不能に連結されている一対の枢着部と、
前記刃部が互いに離反することにより前記刃の一方と他方との間に前記ケーブルを導入することが可能となるように、且つ、前記刃部が互いに接近することにより前記刃が相互に接触して形成される仮想上の接触線において前記刃によって前記ケーブルを切断できるように、前記枢着部を回転可能に枢支する枢軸部と、
前記刃部の一方に形成され、前記1以上の導線の端部が前記1以上の導線に1対1に接触する1以上の第1の接触部を含む接触領域を有する延設部と、を備え、
前記延設部は、前記1以上の第1の接触部に直角の方向において前記接触線を前記接触領域に投影した1以上の投影線が形成可能な位置に設けられ、
前記接触線と前記1以上の第1の接触部との間の距離が所定の関係を有するニッパ。
【請求項2】
前記接触領域は、前記1以上の第1の接触部が形成されている面の反対側の面に形成された1以上の第2の接触部を含み、
前記延設部は、前記1以上の第2の接触部に1対1に前記1以上の導線の端部が接触するように、且つ、前記1以上の投影線が前記1以上の第2の接触部を通過する位置に形成するように設けることが可能であり、
前記接触線と前記1以上の第2の接触部との間の距離が所定の関係を有する請求項1記載のニッパ。
【請求項3】
前記延設部は、前記接触領域の一の接触部と、前記一の接触部の近傍を通過するように互いに平行して形成される一対の凸状部材と、を含む、前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の溝を有する請求項1又は2記載のニッパ。
【請求項4】
前記延設部は、前記接触領域の一の接触部を取り囲むように形成された前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の凸状体を有し、
前記一の接触部と前記凸状体とは凹部を形成し、
前記凹部は、前記1以上の導線の一の導線を挿入することが可能な径を有する請求項1又は2記載のニッパ。
【請求項5】
前記1以上の導線の一の導線を直線的に挿通可能な導線貫通孔が形成され、前記接触線と前記延設部との間に配置されている前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の導線支持材を備え、
前記導線貫通孔は、前記接触線の直角の方向に向けて形成されている請求項1から4のいずれか記載のニッパ。
【請求項6】
前記導線支持材の前記延設部側の末端が、少なくとも前記導線貫通孔の内部を視認可能な透明材で形成されている請求項5記載のニッパ。
【請求項7】
前記導線支持材は、その前記延設部側の末端に、少なくとも前記導線貫通孔と連通された側面孔を有する請求項5記載のニッパ。
【請求項8】
前記延設部は、開口された開口部と、前記開口部を開閉可能に前記開口部に配置された蓋部と、前記蓋部を開閉可能に支持する前記接触領域の一の接触部の数に1対1に対応する数の支持部材と、を有しており、
前記蓋部の表面は前記接触領域の一の接触部とされている請求項5から7いずれか記載のニッパ。
【請求項9】
前記一対の刃部及び前記一対の枢着部の表面は絶縁体で形成されている請求項1から8いずれか記載のニッパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2008−12155(P2008−12155A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187891(P2006−187891)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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