説明

ニップ圧測定装置、ニップ圧測定方法及びニップ圧測定プログラム

【課題】搬送部材の搬送方向に関するニップ圧を従来のニップ圧測定装置に比べて狭い測定間隔で測定できるニップ圧測定装置を提供する。
【解決手段】感圧センサ2と、駆動回路3と、制御装置(PC)4とを備えたニップ圧測定装置1であって、制御装置4は、駆動回路3を制御して感圧センサ2に備えられた複数の圧力検出点19に印加された圧力を順次検知するための走査動作を所定時間ごとに複数回行わせる走査制御手段と、1回の走査動作によって得られた複数の圧力検出点19に印加された圧力を示す一次元圧力分布データ20を、複数回の走査動作について順次記憶する第1記憶手段と、一次元圧力分布データ20を走査動作順に結合し、二次元圧力分布データ21を作成する合成手段と、二次元圧力分布データ21を記憶する第2記憶手段とを有している構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の搬送部材のニップ圧を測定するためのニップ圧測定装置、ニップ圧測定方法及びニップ圧測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機やファクシミリ等の事務機器には、ローラやベルト等、回転可能な一対の搬送部材が複数備えられており、インクの転写や定着、紙送り等を行っている。一対の搬送部材は、両者間に用紙等の媒体をニップ、すなわち、挟持することが可能なように互いに平行に配置され、一定の搬送速度で回転している。ところで、インクの転写や定着、紙送り等の作業が精度良く行われるためには、一対の搬送部材のニップ圧、すなわち、一対の搬送部材が接触する部分の圧力の圧力分布を詳細まで測定する必要がある。
【0003】
特許文献1には、互いに対向した2枚の絶縁シートの内部に、ローラの軸方向に配列されるように支持された複数の電極と、印加された圧力に応じて抵抗値が変化する複数の感圧層とを含んで形成された感圧センサを、一対のローラ間にニップし、感圧層に印加された圧力に応じて変化する電気抵抗値を連続的に走査することで、静止状態でのローラの軸方向に関する圧力分布データが得られる感圧センサが記載されている。
【0004】
また、互いに対向した2枚の絶縁シートの内部に、ローラの軸方向に配列されるように支持された複数の第1電極と、複数の第1電極に交差するように支持された複数の第2電極と、印加された圧力に応じて抵抗値が変化する複数の感圧層とを含んで形成される感圧センサを、一対のローラ間にニップし、複数の第1電極と複数の第2電極との交点である複数の圧力検出点に印加された圧力に応じて変化する電気抵抗値を連続的に走査することで、静止状態でのローラの軸方向及び搬送方向に関する二次元圧力分布データが得られる感圧センサも市販されている(ニッタ株式会社製センサシート)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−248971
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の感圧センサではローラの軸方向に関する圧力分布は得られるが、ローラの搬送方向に関する圧力分布は測定できない。したがって、ローラの搬送方向に関する圧力分布を測定したい場合には、まず、ローラ間に感圧センサをニップさせた状態でローラを停止させ、この停止部分でのローラ間の軸方向に関するニップ圧を測定し、さらに、ローラを少し回転させてまた停止させ、この停止部分でのローラ間の軸方向に関するニップ圧を測定するという操作を繰り返し行う必要があり、作業が煩雑となる。
【0007】
また、複数の第1電極と複数の第2電極とが交差するように支持された電極を持つ感圧センサでは、ローラの軸方向及び搬送方向に関する二次元圧力分布データが得られるので、上述のように搬送方向に関するニップ圧の測定を繰り返す必要はない。しかしながら、この感圧センサでは、搬送方向のニップ圧の測定間隔は、第2電極の隣り合う2つの電極間隔となり、隣り合う2つの電極間隔よりも狭い間隔でのニップ圧の測定を行うことができないので、圧力分布を詳細まで測定したい場合には都合が悪い。もちろん、隣り合う電極の間隔を狭める手段が考えられるが、製造上の制約等により間隔を狭めることには限界がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、一対の搬送部材の搬送方向に関するニップ圧の圧力分布を詳細まで連続的に測定することができるニップ圧測定装置、ニップ圧測定方法及びニップ圧測定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のニップ圧測定装置は、両者間に媒体をニップすることが可能なように互いに平行に配置された回転可能な一対の搬送部材のニップ圧を測定する装置であって、前記一対の搬送部材にニップされた感圧センサと、前記感圧センサを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御装置とを備えており、前記感圧センサは、互いに対向した第1及び第2の絶縁シートと、前記搬送部材の軸方向に配列されるように前記第1の絶縁シートに支持された複数の第1電極と、前記複数の第1電極と交差するように前記第2の絶縁シートに支持された第2電極と、前記複数の第1電極と前記第2電極との間にそれぞれ挟まれており、印加された圧力に応じて電気的な特性が変化する複数の感圧層とを有しており、前記制御装置は、前記複数の第1電極と前記第2電極との交点である複数の圧力検出点が回転中の前記一対の搬送部材にニップされている間に前記複数の圧力検出点での圧力検出がそれぞれ複数回行われるように、前記駆動回路を制御して、前記複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を所定時間ごとに複数回行わせる走査制御手段と、1回の走査動作によって得られた前記複数の圧力検出点に印加された圧力を示す一次元圧力分布データを、複数回の走査動作について順次記憶する第1記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された1回の走査動作に係る一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データを作成する合成手段と、前記合成手段が作成した二次元圧力分布データを記憶する第2記憶手段とを有していることを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、ローラやベルト等の搬送部材を回転させながら、複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を繰り返しているので、搬送方向に関するニップ圧を連続的に測定することができる。また、搬送部材の搬送速度に対して、印加された圧力を順次検知するための走査動作の時間間隔を十分に短くすれば、搬送方向に関するニップ圧の走査回数が増え、搬送部材の搬送方向に関するニップ圧の測定点が増加する。その結果、狭い測定間隔で搬送方向に関するニップ圧を測定することができる。さらに、1回の走査動作から得られた搬送部材の軸方向に関する一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データとする合成手段を備えているので、搬送方向に関するニップ圧の二次元圧力分布データを得ることができる。
【0011】
また、前記第2記憶手段に記憶された二次元圧力分布データを出力する出力手段をさらに備えていることにより、記憶した二次元圧力分布データを出力することができる。
【0012】
また、前記出力手段が二次元圧力分布データを画像として表示するディスプレイであれば、出力した二次元圧力分布データを容易に確認することができる。
【0013】
また、前記感圧センサが、前記軸方向と直交する方向に所定距離離れて配置された2つの前記第2電極を有しており、前記第2記憶手段は、二次元圧力分布データを構成する一次元圧力分布データのそれぞれについて、当該一次元圧力分布データに係る走査動作の実行時刻を関連付けて記憶しており、前記制御装置は、前記第2記憶手段に記憶された走査動作の実行時刻を参照して、前記2つの第2電極に係る二次元圧力分布データから、前記2つの第2電極が前記一対の搬送部材にニップされた特定位置を通過する時間差を算出する時間差算出手段と、前記所定距離を前記時間差算出手段が算出した時間差で除算して前記一対の搬送部材による媒体の搬送速度を算出する搬送速度算出手段とをさらに有していることにより、ニップ圧の測定と同時に搬送部材の搬送速度を算出することができる。
【0014】
また、本発明のニップ圧測定方法は、互いに対向した第1及び第2の絶縁シートと、一方向に配列されるように前記第1の絶縁シートに支持された複数の第1電極と、前記複数の第1電極と交差するように前記第2の絶縁シートに支持された第2電極と、前記複数の第1電極と前記第2電極との間にそれぞれ挟まれており、印加された圧力に応じて電気的な特性が変化する複数の感圧層とを有する感圧センサを用いて、両者間に媒体をニップすることが可能なように互いに平行に配置された回転可能な一対の搬送部材のニップ圧を測定する方法であって、前記一対の搬送部材間に、前記感圧センサをニップさせる工程と、前記複数の第1電極と前記第2電極との交点である複数の圧力検出点が回転中の前記一対の搬送部材にニップされている間に前記複数の圧力検出点での圧力検出がそれぞれ複数回行われるように、前記複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を所定時間ごとに複数回行う工程と、1回の走査動作によって得られた前記複数の圧力検出点に印加された圧力を示す一次元圧力分布データを、複数回の走査動作について第1記憶手段に順次記憶させる第1記憶工程と、前記第1記憶工程で記憶された1回の走査動作に係る一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データを作成する合成工程と、前記合成工程で作成された二次元圧力分布データを第2記憶手段に記憶させる第2記憶工程とを備えていることを特徴とするものである。
【0015】
この方法により、ローラやベルト等の搬送部材を回転させながら、複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を繰り返しているので、搬送方向に関するニップ圧を連続的に測定することができる。また、搬送部材の搬送速度に対して、印加された圧力を順次検知するための走査動作の時間間隔を十分に短くすれば、搬送方向に関するニップ圧の走査回数が増え、搬送部材の搬送方向に関するニップ圧の測定点が増加する。その結果、狭い測定間隔で搬送方向に関するニップ圧を測定することができる。さらに、1回の走査動作から得られた搬送部材の軸方向に関する一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データに合成することにより、搬送方向に関するニップ圧の二次元圧力分布データを得ることができる。
【0016】
また、前記第2記憶工程で記憶された二次元圧力分布データを出力する出力工程をさらに備えていることにより、記憶した二次元圧力分布データを出力することができる。
【0017】
また、本発明のニップ圧測定プログラムは、互いに対向した第1及び第2の絶縁シートと、一方向に配列されるように前記第1の絶縁シートに支持された複数の第1電極と、前記複数の第1電極と交差するように前記第2の絶縁シートに支持された第2電極と、前記複数の第1電極と前記第2電極との間にそれぞれ挟まれており、印加された圧力に応じて電気的な特性が変化する複数の感圧層とを有する感圧センサを駆動する駆動回路が接続されたコンピュータを用いて、両者間に媒体をニップすることが可能なように互いに平行に配置された回転可能な一対の搬送部材のニップ圧を測定するためのプログラムであって、前記一対の搬送部材間に前記感圧センサをニップさせた状態において、前記複数の第1電極と前記第2電極との交点である複数の圧力検出点が回転中の前記一対の搬送部材にニップされている間に前記複数の圧力検出点での圧力検出がそれぞれ複数回行われるように、前記複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を前記駆動回路に所定時間ごとに複数回行わせる工程と、1回の走査動作によって得られた前記複数の圧力検出点に印加された圧力を示す一次元圧力分布データを、複数回の走査動作について第1記憶手段に順次記憶する第1記憶工程と、前記第1記憶工程で記憶された1回の走査動作に係る一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データを作成する合成工程と、前記合成工程で作成された二次元圧力分布データを第2記憶手段に記憶する第2記憶工程とを前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0018】
このプログラムにより、ローラやベルト等の搬送部材が回転している間に、複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を繰り返させることができるので、搬送方向に関するニップ圧を連続的に測定することができる。また、搬送部材の搬送速度に対して、印加された圧力を順次検知するための走査動作の時間間隔を十分に短くなるようにして、搬送方向に関するニップ圧の走査回数を増加させることで、搬送部材の搬送方向に関するニップ圧の測定点が増え、その結果、狭い測定間隔で搬送方向に関するニップ圧を測定することができる。さらに、1回の走査動作から得られた搬送部材の軸方向に関する一次元圧力分布データを走査動作順に結合させて、二次元圧力分布データとすることで、搬送方向に関するニップ圧の二次元圧力分布データを得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、感圧センサ内の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を所定時間ごとに複数回行う走査制御手段を設けているので、一対の搬送部材の搬送方向に関するニップ圧の圧力分布を詳細まで連続的に測定することができるニップ圧測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のニップ圧測定装置の実施形態を示す概略構成図
【図2】図1のA−A線に沿った要部断面図
【図3】図1のPCの電気的構成を概略的に表すブロック図
【図4】図1に示すニップ圧測定装置によるニップ圧測定方法を示すフローチャート
【図5】一対のローラ間にニップ圧測定装置の感圧センサをニップしたときの様子を示す図
【図6】図1のニップ圧測定装置を使用して実際にニップ圧を測定したときの様子を示した模式図
【図7】図6で得られた一次元圧力分布データから作成した二次元圧力分布データ
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1〜図7は、ニップ圧測定装置の実施形態を示す。このニップ圧測定装置1は、加えられた圧力に応じて電気抵抗値が部分的に変化する感圧センサ2と、感圧センサ2を駆動する駆動回路3と、駆動回路3を制御するPC4とから構成される。
【0022】
(感圧センサ)
図1、図2に示すように、感圧センサ2は、互いに対向した第1及び第2の絶縁シート11、12と、第1の絶縁シート11の下面に支持された複数の第1電極13と、複数の第1電極13と交差するように第2の絶縁シート12の上面に支持された第2電極14と、複数の第1電極13と第2電極14との間にそれぞれ挟まれた複数の感圧層15、16とから構成される。
【0023】
第1及び第2の絶縁シート11、12は、いずれも同じ大きさ及び同じ平面形状を有した絶縁シートであり、薄く形成され可撓性を有している。本実施形態では、絶縁シート11、12としてT字型形状のシートを用いているが、絶縁シートの形状はこの形状に限定されるものではない。また、材質はポリエチレンテレフタレート樹脂からなるが、この樹脂に限らず可撓性及び絶縁性を有する材質であれば、どのような材質であってもよい。
【0024】
複数の第1電極13は、第1の絶縁シート11の下面に支持され、後述するローラ30の軸方向31(図5参照)、すなわち、図1の左右方向に等間隔に配列されている。第1電極13の一端はそれぞれ配線17に接続され、後述する駆動回路3と電気的に接続される。本実施形態では、第1電極13の電極本数は20本としているが、一対の搬送部材30の長さ等に合わせて電極の本数を変更することができる。
【0025】
第2電極14は、2つの電極からなり(後述するニップ圧測定方法にて、ローラ30に後にニップされる電極、すなわち、図1の上側の電極を1列目の電極14aとし、ローラ30に始めにニップされる電極、すなわち、図1の下側の電極を2列目の電極14bとする)、第1電極13全てと交差するように絶縁シート12の上面に支持されている。2つの電極の配置間隔は、第1電極全てと交差する範囲内であれば、適宜設定することができる。第2電極14の一端はそれぞれ配線18に接続され、後述する駆動回路3と電気的に接続される。
【0026】
第1電極13の下面及び第2電極14の上面には、感圧層15、16がそれぞれ形成され、感圧層15、16の内部には、感圧インクが充填されている。感圧層15、16は印加された圧力によって感圧層15、16同士が押し付けられると電気抵抗値が低下する性質を有している。したがって、第1電極13下面の感圧層15と第2電極14上面の感圧層16とが交差する点(圧力検出点19)では、後述するローラ30によって感圧センサ2がニップされ圧力が印加されると、印加された圧力に応じて電気抵抗値が変わる。本実施形態では、図1に示すように、第1電極13と第2電極14の1列目の電極14aとの交点20点(圧力検出点19a1〜a20)と、第1電極13と第2電極14の2列目の電極14bとの交点20点(圧力検出点19b1〜b20)の合計40点の圧力検出点を備えている。
【0027】
(駆動回路)
駆動回路3は、感圧センサ2やPC4とそれぞれ電気的に接続されており、後述するPC4の走査制御部101の制御により感圧センサ2を駆動する。駆動装置3では、感圧センサ2に備えられた複数の圧力検出点19での電気抵抗値の変化を順次検知し、電気抵抗値の大きさに対応したデジタル電気信号に変換して後述するPC4に送る。
【0028】
(PC)
次に、ニップ圧測定装置1の各種動作を制御するPC(Personal Computer)4について、図3を用いて説明する。図3は、図1に示すニップ圧測定装置の電気的構成を概略的に表すブロック図である。
【0029】
PC(Personal Computer)4は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)とを有している。制御プログラムは、感圧センサ2の駆動回路3が接続されたPC4にCD又はDVDなどの記録媒体からインストールされたものであって、実行されることによってPC4に走査制御部101、記憶部102、表示合成部103、画像作成部104、時間差算出部105、搬送速度算出部106などの機能を発揮させることが可能である。代替的には、この制御プログラムは、インターネットなどの通信手段を利用してダウンロードされたものであってもよい。
【0030】
走査制御部101は、駆動回路3での一回の走査動作を所定時間ごとに複数回行わせるように駆動装置3を制御する。一回の走査動作では、感圧センサ2に備えられた複数の圧力検出点19での電気抵抗値の変化を圧力検出点19a1〜a20及び圧力検出点19b1〜b20の2列分を順次検知し、それぞれ電気抵抗値の大きさに対応したデジタル電気信号に変換してPC4に送る。
【0031】
記憶部102は、駆動回路3の一回の走査動作により得られるローラ30の軸方向31に関する一次元圧力分布データ20を順次記憶し、また、後述する表示合成部103によって得られる二次元圧力分布データ21を記憶する。さらには、複数回の走査動作それぞれの実行時刻を記憶する。
【0032】
表示合成部103は、記憶部102に記憶された一次元圧力分布データ20を記憶した順番(走査動作順)に合成して、二次元圧力分布データ21を作成する。なお、第2電極の1列目の圧力検出点19から得られた一次元圧力分布データと2列目の圧力検出点19から得られた一次元圧力分布データとを別々に合成する。したがって、2つの二次元圧力分布データ21が作成される。
【0033】
画像作成部104は、表示合成部103にて合成され、記憶部102に記憶された二次元圧力分布データ21のデジタル信号値を閾値を用いて色分けし、二次元画像22に変換する。
【0034】
時間差算出部105は、記憶部102に記憶された走査動作の実行時刻を参照して、第2電極14の2つの電極それぞれについて作成された二次元圧力分布データ21から、第2電極14の2つの電極が一対のローラ30にニップされた特定位置を通過する時間差を算出する。例えば、2つの第2電極それぞれにおいて、最初に圧力の出力があった時刻を特定位置を通過した時刻と判断し、当該時刻の時間差を算出すればよい。また、2つの第2電極それぞれについて作成された二次元圧力分布データ21の最も圧力が高い部分(ピーク)を特定位置を通過した時刻と判断し、当該時刻の時間差を算出してもよい。
【0035】
搬送速度算出部106は、第2電極14の1列目の電極14aと2列目の電極14bとの距離を予め記憶部102に記憶しておき、当該距離を上述の時間差で除算して一対のローラ30による用紙など媒体の搬送速度を算出する。
【0036】
また、PC4にはディスプレイ107を備えており、記憶部102に記憶された二次元圧力分布データ21又は画像作成部104にて作成された二次元画像22を出力してディスプレイ107に表示する。したがって、二次元圧力分布データ21を容易に確認することができる。さらに、二次元画像22として出力すれば、圧力分布を視覚的に確認できる。なお、出力手段は印刷機であってもよいし、CDやDVD等の記録媒体に二次元圧力分布データ21又は二次元画像22を書き込んでもよい。
【0037】
(ニップ圧測定方法)
次に、本実施形態におけるニップ圧測定装置によるニップ圧測定方法について図5を参照しながら図4に示すフローチャートに沿って説明する。図4は、図1に示すニップ圧測定装置によるニップ圧測定方法を示すフローチャートであり、図5は、一対のローラ間にニップ圧測定装置の感圧センサをニップしたときの様子を示す図である。
【0038】
まず、感圧センサ2を回転可能な一対のローラ30間に手動で押し込むことによりニップさせる(S1)。この際、感圧センサ2を駆動回路3近くまで押し込んで、圧力検出点19がニップされていない状態としておくことが好ましい(図5参照)。次に、一対のローラ30が備えられた事務機器等の機器(図示省略)を起動させて、一対のローラ30を図5の矢印A方向に回転させることで、感圧センサ2は図5の矢印B方向(事務機器から排出される方向)に搬送される。
【0039】
そして、走査を開始するか否かを判断する(S2)。走査開始時刻は感圧センサ2に備えられた圧力検出点19がローラ30間のニップ部32にニップされる前であることが好ましい。例えば、感圧センサ2にある複数の圧力検出点19がローラ30間のニップ部32に近づいたときに走査を開始するのがよい。走査を開始する場合(S2:Yes)、PC4のスタートボタン(図示省略)を押すなどして走査を開始する。走査を開始しない場合(S2:No)、走査を開始するまで待機する。
【0040】
次に、走査制御部101の制御により、第2電極14の2列分の圧力検出点19について、一回の走査動作を実施する(S3)。S2で走査を開始すると、1列目の電極14aの圧力検出点19a1〜a20まで順次走査される。そして、1列目の圧力検出点19全ての走査を終了したら、つづいて、2列目の電極14bの圧力検出点19b1〜b20まで順次走査され、2列分全ての圧力検出点19について一回の走査が終了する。
【0041】
次に、S3の走査動作において得られた一次元圧力分布データ20を記憶部102に記憶する(S4)。この際、1列目の電極14aの一次元圧力分布データと2列目の電極14bの一次元圧力分布データとをそれぞれ別に記憶する。
【0042】
そして、走査期間が終了したか否かを判断する(S5)。走査期間が終了したか否かの判断は、走査開始(S2)から予め設定しておいた経過時間を経過したか否かで判断し、設定した経過時間を経過せず走査期間が終了していない場合(S5:No)、次のステップ(S6)に進み、設定した経過時間を経過して走査期間が終了した場合(S5:Yes)、走査を終了する。設定時間は、感圧センサ2にある複数の圧力検出点19がローラ30間のニップ部32の範囲にあるときに走査期間が終了することがないよう、十分長い時間を設定している。
【0043】
次に、前回の走査動作から所定時間が経過したか否かを判断する(S6)。予め設定しておいた所定時間を経過してない場合(S6:No)、所定時間を経過するまで待機する。所定時間を経過した場合(S6:Yes)、S3に戻り走査動作を繰り返す。上述の経過時間を所定時間で除算した数が走査動作の合計回数となり、この合計回数とローラ30の搬送速度によって搬送方向に関するニップ圧の測定間隔が決まる。したがって、この合計回数とローラ30の搬送速度とを十分考慮して所定時間を設定する必要がある。
【0044】
S5において、走査が終了した場合、二次元圧力分布データ21の作成(S7)に移行する。表示合成部103にて、一回の走査動作に係る一次元圧力分布データ20を走査動作順(S3〜S6ステップの繰り返し順)に合成し、二次元圧力分布データ21を作成する。なお、第2電極の1列目の圧力検出点19から得られた一次元圧力分布データと2列目の圧力検出点19から得られた一次元圧力分布データとを別々に合成する。したがって、2つの二次元圧力分布データ21が作成される。
【0045】
そして、二次元圧力分布データ21を記憶部102に記憶し(S8)、画像作成部104で二次元画像22を作成してディスプレイ107に表示する(S9)。
【0046】
次に、記憶部102に記憶された走査動作の実行時刻を参照して、第2電極14の2つの電極それぞれについて作成された二次元圧力分布データ21から、第2電極14の2つの電極が一対のローラ30にニップされた特定位置を通過する時間差を算出する(S10)。
【0047】
そして、予め記憶部102に記憶しておいた第2電極14の1列目の電極14aと2列目の電極14bとの距離を、S10にて算出した時間差で除算して一対のローラ30による用紙など媒体の搬送速度を算出し(S11)、ニップ圧の測定を終了する。なお、算出した搬送速度をディスプレイ107に表示してもよい。また、搬送速度を印刷機によって出力してもよいし、CDやDVD等の記録媒体に書き込んでもよい。
【0048】
(実施例)
次に、ニップ圧測定方法の実施例について、図6、図7を参照しながら説明する。図6は、図1のニップ圧測定装置を使用してニップ圧を測定したときの様子を示した模式図であり、図7は、図6で得られた一次元圧力分布データから作成した二次元圧力分布データである。
【0049】
本実施例では、ローラ30間のニップ部32が10mm、回転速度(搬送速度)が200mm/sのローラ30を用い、走査期間を0.06s、走査動作が行われる間隔である所定時間を0.03sと設定した。したがって、走査開始直後、0.03s後、0.06s後の合計3回の走査動作を行われ、第2電極14の1列目の電極14a、2列目の電極14bに各々において、3個の一次元圧力分布データ20を得られた。なお、本実施例でのニップ圧の測定間隔は、6mm(200mm/s×0.03s)である。
【0050】
図6(a)〜(c)は、ニップ圧測定の様子を時系列順に示したものであり、(a)は、走査開始直後のニップ圧測定の様子を示す模式図、(b)は、走査を開始して0.03s後のニップ圧測定の様子を示した模式図、(c)は走査を開始して0.06s後のニップ圧測定の様子を示した模式図である。
【0051】
図6(a)に示すとおり、本実施例での走査開始時刻は、第2電極14の1列目の電極14aがニップされる前、且つ、2列目の電極14bがニップ部32にニップされた直後とした。走査開始時刻を2列目の電極14bがニップされた直後としたのは、説明を簡略化するためであり、本来は2列目の電極14bもニップされていない状態から走査を開始することが好ましい。また、図6(a)下方に示したデータ20a1、20b1は、走査開始直後に行う1回目の走査によって得られた一次元圧力分布データである。
【0052】
図6(b)は、走査を開始して0.03s後の様子を示している。ローラ30が200mm/sで回転することにより、感圧センサ2も同様に200mm/sで搬送されるので、感圧センサ2は図6(a)に比べて矢印B方向に6mm搬送されることになる。0.03s後では、2つの電極はどちらもニップ部32に挟まれている。図6(b)下方に示したデータ20a2、20b2は、2回目の走査によって得られた一次元圧力分布データである。なお、ローラ30の回転速度と感圧センサ2の搬送速度は常に同じとなるので、感圧センサ2の各圧力検出点(19a1〜19a20、19b1〜19b20)は、常にローラ30の同じ箇所のニップ圧を測定している。
【0053】
図6(c)は、走査を開始して0.06s後の様子を示している。感圧センサ2は図6(b)に比べて、さらに矢印B方向に6mm搬送されることになり、2列目の電極14bはニップ部32から外れ、1列目の電極14aのみがニップ部32にニップされた状態となる。図6(c)下方に示したデータ20a3、20b3は、3回目の走査によって得られた一次元圧力分布データである。以上のように、ローラ間30のニップ圧を測定する。
【0054】
なお、本実施例では、走査回数3回、ニップ圧の測定間隔6mmの例を示したが、例えば、搬送速度を200mm/sのローラ30を用い、走査期間を0.06sとして、所定時間を5×10−3sに設定すれば、走査回数は121回となり、ニップ圧の測定間隔も従来のニップ圧測定方法では測定できない0.1mm(200mm/s×5×10−3s)とすることができる。
【0055】
続いて、二次元圧力分布データの作成について説明する。図7は図6(a)〜(c)に示した一次元圧力分布データ20を走査動作順に合成して二次元圧力分布データ21を作成したものである。一次元圧力分布データ20のうち、20a1〜a3、及び、20b1〜b3は各々別に合成するため、二次元圧力分布データ21は2つ作成される(図7(a)、(b))。一次元圧力分布データ20や二次元圧力分布データ21内の値は各圧力検出点19に印加された圧力の大きさに対応したデジタル信号を示す。デジタル信号は、実際には256種のデジタル信号で表示されるが、本実施例では、簡易的に10段階のデジタル信号で表示するものとする(数字が大きいほど印加圧力が高いことを示す)。図7(a)に示すとおり、1列目の電極14aにおいては、一回目の走査では、圧力検出点19に印加される圧力は全てゼロであるが(一次元圧力分布データ20a1)、感圧センサ2がニップ部32の中央部側に搬送されるにつれて、圧力検出点19に印加される圧力は次第に大きくなり(一次元圧力分布データ20a2)、そして、感圧センサ2がさらに搬送され、ニップ部32の中央部側から端部側に搬送されるにつれて、圧力検出点19に印加される圧力は小さくなる(一次元圧力分布データ20a3)。2列目の電極14bにおいても、図7(b)に示すとおり、ニップ部32の中央部での走査では圧力が大きく、ニップ部32の端部では圧力が小さくなる。なお、本実施例では、圧力の大きさをデジタル信号値で示したが、デジタル信号値を閾値を用いて色分けし、二次元画像22に変換して示してもよい。
【0056】
(効果)
本実施形態に示したニップ圧測定装置1により、ローラ30を回転させながら、複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を繰り返しているので、搬送方向に関するニップ圧を連続的に測定することができる。また、ローラ30の搬送速度に対して、印加された圧力を順次検知するための走査動作の時間間隔を十分に短くすれば、搬送方向に関するニップ圧の走査回数が増え、ローラ30の搬送方向に関するニップ圧の測定点が増加する。その結果、狭い測定間隔で搬送方向に関するニップ圧を測定することができる。さらに、1回の走査動作から得られたローラ30の軸方向31に関する一次元圧力分布データ20を走査動作順に結合し、二次元圧力分布データ21とする合成手段を備えているので、搬送方向に関するニップ圧の二次元圧力分布データ21を得ることができる。
【0057】
また、時間差算出手段と搬送速度算出手段とを有していることにより、ニップ圧の測定と同時にローラ30の搬送速度を算出することができ、搬送速度の大きさを確認して、走査期間や走査動作が行われる間隔である所定時間の設定を所望の値に変更することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
【0059】
上述した実施形態では、一対のローラにニップされた場合の例を示したが、搬送部材は、一対のベルトであってもよい。
【0060】
また、本発明のニップ圧測定装置は、印刷機やファクシミリに限らず、ラミネーターにも使用することができる。また、事務機器以外にも媒体をニップするように一対の搬送部材が配置されているもの、例えば圧延ローラなど、各種産業用のローラ間のニップ測定に使用することができる。
【0061】
また、上述した実施形態では速度算出手段を設けているが、速度算出手段は設けていなくてもよい。さらに、感圧センサに設けられた第2電極は2つの電極から構成されているが、第2電極を1つの電極から構成してもよいし、3つ以上の電極から構成してもよい。第2電極を3つ以上の電極から構成する場合には、走査及び/又は速度算出に使用する2つの電極は、3つ以上の電極の中から任意に選ぶことができる。
【0062】
また、上述した実施形態では、二次元圧力分布データ又は二次元画像をディプレイに表示しているが、出力手段はなくてもよい。
【0063】
また、走査制御部に搬送速度算出部にて算出した搬送速度が大きくなるに連れて、走査動作が行われる間隔である所定時間が短くなるように駆動回路を制御する機能を追加してもよい。この構成により、得られる一次元圧力分布データ数を搬送速度に係らずに一定とすることができ、搬送速度が大きい場合に、得られる一次元圧力分布データ数が少なくなってしまうことを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ニップ圧測定装置
2 感圧センサ
3 駆動回路
4 PC(制御装置)
11 第1絶縁シート
12 第2絶縁シート
13 第1電極
14 第2電極
15、16 感圧層
17、18 配線
19 圧力検出点
20 一次元圧力分布データ
21 二次元圧力分布データ
22 二次元画像
30 ローラ
31 軸方向
32 ニップ部
101 走査制御部
102 記憶部
103 表示合成部
104 画像作成部
105 時間差算出部
106 搬送速度算出部
107 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両者間に媒体をニップすることが可能なように互いに平行に配置された回転可能な一対の搬送部材のニップ圧を測定する装置であって、
前記一対の搬送部材にニップされた感圧センサと、
前記感圧センサを駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御装置とを備えており、
前記感圧センサは、互いに対向した第1及び第2の絶縁シートと、前記搬送部材の軸方向に配列されるように前記第1の絶縁シートに支持された複数の第1電極と、前記複数の第1電極と交差するように前記第2の絶縁シートに支持された第2電極と、前記複数の第1電極と前記第2電極との間にそれぞれ挟まれており、印加された圧力に応じて電気的な特性が変化する複数の感圧層とを有しており、
前記制御装置は、
前記複数の第1電極と前記第2電極との交点である複数の圧力検出点が回転中の前記一対の搬送部材にニップされている間に前記複数の圧力検出点での圧力検出がそれぞれ複数回行われるように、前記駆動回路を制御して、前記複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を所定時間ごとに複数回行わせる走査制御手段と、
1回の走査動作によって得られた前記複数の圧力検出点に印加された圧力を示す一次元圧力分布データを、複数回の走査動作について順次記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された1回の走査動作に係る一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データを作成する合成手段と、
前記合成手段が作成した二次元圧力分布データを記憶する第2記憶手段とを有していることを特徴とするニップ圧測定装置。
【請求項2】
前記第2記憶手段に記憶された二次元圧力分布データを出力する出力手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のニップ圧測定装置。
【請求項3】
前記出力手段が二次元圧力分布データを画像として表示するディスプレイであることを特徴とする請求項2に記載のニップ圧測定装置。
【請求項4】
前記感圧センサが、前記軸方向と直交する方向に所定距離離れて配置された2つの前記第2電極を有しており、
前記第2記憶手段は、二次元圧力分布データを構成する一次元圧力分布データのそれぞれについて、当該一次元圧力分布データに係る走査動作の実行時刻を関連付けて記憶しており、
前記制御装置は、
前記第2記憶手段に記憶された走査動作の実行時刻を参照して、前記2つの第2電極に係る二次元圧力分布データから、前記2つの第2電極が前記一対の搬送部材にニップされた特定位置を通過する時間差を算出する時間差算出手段と、
前記所定距離を前記時間差算出手段が算出した時間差で除算して前記一対の搬送部材による媒体の搬送速度を算出する搬送速度算出手段とをさらに有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニップ圧測定装置。
【請求項5】
互いに対向した第1及び第2の絶縁シートと、一方向に配列されるように前記第1の絶縁シートに支持された複数の第1電極と、前記複数の第1電極と交差するように前記第2の絶縁シートに支持された第2電極と、前記複数の第1電極と前記第2電極との間にそれぞれ挟まれており、印加された圧力に応じて電気的な特性が変化する複数の感圧層とを有する感圧センサを用いて、両者間に媒体をニップすることが可能なように互いに平行に配置された回転可能な一対の搬送部材のニップ圧を測定する方法であって、
前記一対の搬送部材間に、前記感圧センサをニップさせる工程と、
前記複数の第1電極と前記第2電極との交点である複数の圧力検出点が回転中の前記一対の搬送部材にニップされている間に前記複数の圧力検出点での圧力検出がそれぞれ複数回行われるように、前記複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を所定時間ごとに複数回行う工程と、
1回の走査動作によって得られた前記複数の圧力検出点に印加された圧力を示す一次元圧力分布データを、複数回の走査動作について第1記憶手段に順次記憶させる第1記憶工程と、
前記第1記憶工程で記憶された1回の走査動作に係る一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データを作成する合成工程と、
前記合成工程で作成された二次元圧力分布データを第2記憶手段に記憶させる第2記憶工程とを備えていることを特徴とするニップ圧測定方法。
【請求項6】
前記第2記憶工程で記憶された二次元圧力分布データを出力する出力工程をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載のニップ圧測定方法。
【請求項7】
互いに対向した第1及び第2の絶縁シートと、一方向に配列されるように前記第1の絶縁シートに支持された複数の第1電極と、前記複数の第1電極と交差するように前記第2の絶縁シートに支持された第2電極と、前記複数の第1電極と前記第2電極との間にそれぞれ挟まれており、印加された圧力に応じて電気的な特性が変化する複数の感圧層とを有する感圧センサを駆動する駆動回路が接続されたコンピュータを用いて、両者間に媒体をニップすることが可能なように互いに平行に配置された回転可能な一対の搬送部材のニップ圧を測定するためのプログラムであって、
前記一対の搬送部材間に前記感圧センサをニップさせた状態において、前記複数の第1電極と前記第2電極との交点である複数の圧力検出点が回転中の前記一対の搬送部材にニップされている間に前記複数の圧力検出点での圧力検出がそれぞれ複数回行われるように、前記複数の圧力検出点に印加された圧力を順次検知するための走査動作を前記駆動回路に所定時間ごとに複数回行わせる工程と、
1回の走査動作によって得られた前記複数の圧力検出点に印加された圧力を示す一次元圧力分布データを、複数回の走査動作について第1記憶手段に順次記憶する第1記憶工程と、
前記第1記憶工程で記憶された1回の走査動作に係る一次元圧力分布データを走査動作順に結合し、二次元圧力分布データを作成する合成工程と、
前記合成工程で作成された二次元圧力分布データを第2記憶手段に記憶する第2記憶工程とを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−233838(P2012−233838A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104052(P2011−104052)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】