説明

ニューロンエキソサイトーシス抑制ペプチドおよび該ペプチドを含有する美容組成物および医薬組成物

【課題】不均斉および病的なニューロンエキソサイトーシスによって媒体された疾患および変質の新しい治療剤を提供する。
【解決手段】タンパク質SNAP−25のアミノ末端からの3〜30の隣接アミノ酸の配列を有し、ニューロンエキソサイトーシスインヒビターとして有用な新しいペプチドを使用。本発明の医薬組成物は、該ペプチドおよび任意にSNAP−25のカルボキシル末端からの1またはそれ以上のペプチドを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューロンエキソサイトーシス(neuronal exocytosis)のインヒビターとして有用なタンパク質SNAP−25のアミノ末端に由来するペプチド、および該ペプチドを(任意に)タンパク質SNAP−25のカルボキシル末端に由来するペプチドとともに美容および/または医薬への応用に使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
顔のしわが形成される基盤またはメカニズムは、上皮の筋肉の緊張(tensing)であり、これが皮膚を内側へ引っ張るのである。この筋肉の緊張は、顔の筋肉に分布している神経の活動亢進の結果である。神経の活動亢進は、筋線維を興奮させる神経伝達物質の制御されない過剰な放出を特徴とする。この理由から、ニューロンエキソサイトーシスを制御する分子は筋肉の緊張の弛緩、それゆえしわの除去に貢献する。
【0003】
ボツリヌス菌の毒素は、Clostridium Botulinumによって産生される細菌性神経毒のファミリーである(非特許文献1)。平均分子量が150kDaの7つの異なる血清型が知られている(血清型A、B、C、D、E、FおよびG)。これら毒素は骨格筋の神経筋結合部(神経−筋シナプス)のアセチルコリンのエキソサイトーシスを抑制する(非特許文献1)。
【0004】
分子レベルでは、ボツリヌス毒素はカルシウムイオンによって活性化されるエキソサイトーシス機構に関与するニューロンタンパク質を分解するプロテアーゼである(非特許文献1〜3)。たとえば、ボツリヌスAは臨床および美容分野で最も一般的に用いられるが[顔のしわや不均斉を除いたり、痙攣性疾患の症状を和らげるための応用のために]、ニューロンタンパク質SNAP−25を開裂する。このタンパク質(SNAP−25)は、小胞内に蓄積したアセチルコリンの放出を指令および制御するタンパク質複合体(SNARE複合体または融合複合体として知られる)の形成に関与しているため、神経分泌において重要な役割を果たしている。該融合複合体の核は、シナプス前細胞膜に位置するタンパク質SNAP−25およびシンタキシン、および小胞細胞膜に位置するタンパク質シナプトブレビン(またはVAMP)から構成されている(非特許文献4、5)。この融合複合体の主たる機能は、神経伝達物質(アセチルコリン)を装填した小胞をシナプス前細胞膜に近づけ、該細胞膜に接触させることである(非特許文献4、5)。このようにして、カルシウム濃度の上昇に応答して両細胞膜の融合が促進され、かくして神経伝達物質が放出される。それゆえ、該小胞ドッキングおよび融合タンパク質複合体(vesicle docking and fusion protein complex)(SNARE)は神経分泌を制御するうえで重要な標的である。この融合複合体を構成するタンパク質のいずれかの開裂は該複合体のアセンブリーを妨害し、それゆえ小胞の放出およびニューロンエキソサイトーシスを抑制する。
【0005】
ボツリヌス毒素、とりわけ血清型A(BOTOX)が神経分泌を抑制する能力並びにそのニューロン選択性(ニューロンのみに作用する)は、失調症、斜視、チック、眼瞼痙攣、顔の側彎症などの痙攣性疾患を矯正するための治療に広く用いられている(非特許文献6〜13)。さらに、ボツリヌス毒素A(ボツリヌスA)は顔のしわや不均斉を除去するのに有効な薬剤である。実際、BOTOXの投与は、加齢の徴候を排除するための第一の有効な非外科的療法である(非特許文献6、7)。
【0006】
BOTOXを用いた治療および美容処置は、希釈した医薬組成物(ボツリヌスA−赤血球凝集素複合体、500kDa)を筋肉の緊張が位置する領域に局所的に注射することからなる。毒素の麻痺作用は可逆的であり、平均の持続期間は6ヶ月である(非特許文献6、7)。それゆえ、治療はBOTOXを繰返し注射する必要がある。この治療の主たる問題は、その分子サイズのゆえに患者の免疫系に認識されるという事実のために該医薬製剤に対する免疫応答を引き起こすことがあるということである。ボツリヌスAに対する抗体の出現は、治療効果の明らかな低減に寄与するため深刻な問題である(非特許文献6〜13)。このようなBOTOXを用いた治療の効果の喪失は以後の治療で製剤濃度レベルを上げる必要があることを意味し、このことが今度は免疫応答の増大を引き起こす。別法として、BoToxB、BoToxFおよびBoToxEなどのような異なるボツリヌス毒素(BoTox)の血清型の使用が検討されている。にもかかわらず、異なる血清型の医薬製剤を適用しても遅かれ早かれ免疫応答がもう1回起るので問題の解決とは考えられない。さらに、ボツリヌス毒素による処置は、該毒素を含有する医薬製剤の不安定さを主たる理由として高価である。
【0007】
それゆえ、ボツリヌス毒素の麻痺作用を模倣しながら、遥かに簡単で一層安定な分子構造を有し、免疫応答を引き起こさず、その製造が経済的である分子を開発することの切実な必要性が存在する。
ニューロンエキソサイトーシスを抑制するアミノ酸配列が記載されている。とりわけ、SNAP−25のC末端配列に由来する20アミノ酸以上を有するペプチドが、透過性になった(permeabilized)クロマフィン細胞からのカテコールアミンの放出をブロックすることがわかっている(非特許文献14)。同様に、タンパク質シンタキシンおよびVAMPのアミノ酸配列に由来するペプチドもまたエキソサイトーシスプロセスに影響を及ぼし得ることが記載されている(非特許文献15)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Schiavo, G., Rossetto O. および Montecucco C. Bases Moleculares del tetanos y del botulismo (Molecular bases of tetanus and botulism). Investigacion y Ciencia 234,46-55.
【非特許文献2】Montecucco, C. および Schiavo, G. (1994). Mechanism of action of tetanus and botulinum neurotoxins. Mol. Microbiol. 13,1-8.
【非特許文献3】Schiavo, G., Rosetto, O., Benfenati, F., Poulain, B. および Montecucco, C. (1994). Tetanus and botulinum neurotoxins are zinc proteases specific for components of the neuroexocytosis apparatus. Ann. NY Acad. sci. 710,65-75.
【非特許文献4】Calakos, N. および Scheller, R. H. (1996). Synaptic vesicle biogenesis, docking and fusion : a molecular description. Physiol. Rev. 76,1-29.
【非特許文献5】Sutton, R. B., Fasshauer, D., Jahn, R. および Brunger, A. T. (1998). Crystal structure of a SNARE complex involved in synaptic exocytosis at 2.4A resolution. Nature 395,347- 353.
【非特許文献6】Jankovic, J. および Brin, F. M. (1991). Therapeutic uses of botulinum toxin. New Engl. J. Med. 324,1186-1194.
【非特許文献7】Jankovic, J. (1994). Botulinum toxin in movement disorders. Curr. Opin. Neurol. 6,358-366.
【非特許文献8】Jankovic J. および Brin M. F. (1997). Botulinum toxin : historical perspective and potential new indications. Muscle Nerve Suppl. 6, S129-S145.
【非特許文献9】Davis, L. E. (1993). Botulinum toxin-from poison to medicine. West J. Med, 128,25-28.
【非特許文献10】Hughes, A. J. (1994). Botulinum toxin in clinical practise. Drugs 48,888-893.
【非特許文献11】Hambleton, P. (1992). Clostridium botulinum toxins a general review of involvement in disease, structure, mode of action and preparation for clinical use. J. Neurol. 239,16-20.
【非特許文献12】Borodic, G. E. および Pearces, L. B. (1994). New concepts in botulinum toxin therapy. Drug Safety 11,145-152.
【非特許文献13】Brin, M. F., Blitzer, A., Stewart, C., Pine, Z., Borg- Stein, J., Miller J., Nagalapura, N. S., および Rosenfeld, D. B. (1993). Disorders with excesive muscle contraction : Candidates for treatment with intramuscular botulinum toxin ("BoTox"). Botulinum and Tetanus Neurotoxins (Ed. B. R. DasGupata), 559-576.
【非特許文献14】Gutierrez, L. M., Canaves J., Ferrer-Montiel, A. V., Reig, J. A., Montal, M., および Viniegra, S. (1995). A peptide that mimics the carboxy terminal domain of SNAP25 blocks Ca2+ dependent exocytosis in chromaffin cells. FEBS Lett 372, 39-43.
【非特許文献15】Augine, G. J., Burns, M. E., DeBello W. M. および Schweizer, F. E. (1996). Exocytosis : Proteins and perturbations. Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 36,659-701.
【非特許文献16】Pennington, M. W. および Dunn, B. N. (1994). Peptide synthesis protocols. Humana Press, Totowa.
【非特許文献17】Gutierrez, L. M., Viniegra, S., Rueda, J., Ferrer-Montiel, A. V., Canaves, J. M. および Montal. M. (1997). A peptide that mimics the C-terminal sequence of SNAP-25 inhibits secretory vesicle docking in chromaffin cells. J. Biol. Chem. 272,2634-2639.
【非特許文献18】Clarke, C. E. (1992). Therapeutic potential of botulinum toxin in neurological disorders. Quart. J. Med. 299,197- 205.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらペプチドは生物学的活性を示すが、主にそれらペプチドのサイズのため、有用な治療剤として開発することが複雑になり、一層高価なものにするため、後に美容および/または治療剤として開発されてはいない。それゆえ、一層小さなサイズで美容および医学に応用できる分子を見出す必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこれら既存の必要性に対して解決を与えるものであり、タンパク質SNAP−25のアミノ末端(N−末端ドメイン)に由来する3〜30アミノ酸の一層小さなアミノ酸配列であってニューロンエキソサイトーシスを抑制するものの発見を含む。さらに、SNAP−25のアミノ末端に由来するペプチドおよびカルボキシル末端(C−末端ドメイン)に由来するペプチドを同時に使用するとその抑制作用が相当増大する、すなわち個々のペプチドによって示される作用に比べてその作用の増大が認められることがわかった。
【0011】
それゆえ、本発明の一つの目的は、タンパク質SNAP−25のアミノ末端に含まれる3〜30の隣接アミノ酸からなる配列を有するペプチドである。
本発明の他の目的は、本発明によって提供されるペプチドの一つを本質的にコードする核酸である。該核酸を含むプラスミドおよびベクター(構築物とも称される)並びに本発明のペプチドを発現する該プラスミドまたはベクターもまた本発明のさらなる目的を構成する。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、本発明によって提供されるペプチドの少なくとも一つとタンパク質SNAP−25のカルボキシル末端に含まれる3〜30の隣接アミノ酸からなる配列を有する少なくとも一つのペプチドとの混合物である。
本発明のさらに他の目的は、本発明によって提供されるペプチドの少なくとも一つを含む美容組成物である。該美容組成物の調製における本発明によって提供されるペプチドの使用、並びに該美容組成物の適用を含む美容処置法もまた本発明のさらなる目的を構成する。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、本発明によって提供されるペプチドの少なくとも一つ、あるいは本発明のペプチドの一つをコードする核酸を含むベクターを含有する医薬組成物である。該医薬組成物の調製における本発明によって提供されるペプチドおよびベクター(構築物)の使用、並びに該美容組成物の適用によって包含されるヒトまたは動物の治療方法もまた本発明のさらなる目的を構成する。
本発明のさらなる他の目的は、本発明によって提供されるペプチドの少なくとも一つと、本発明によって提供されるペプチドの対象とする治療目的と同じかまたは異なる第二の治療目的を意図した少なくとも一つの薬剤との組み合せである。
【0014】
本発明はタンパク質SNAP−25のアミノ末端に由来するペプチドを提供する。さらに詳しくは、本発明は、配列番号1[配列表に関するセクションを参照]に含まれる3〜30の隣接アミノ酸の配列を有するペプチド(以後、本発明のペプチドとして知られる)を提供する。
本発明はまた、本発明のペプチドと実質的に相同なペプチドをも包含する。本明細書の記載に使用する意味において、「実質的に相同」なる表現は、問題とするペプチドがアミノ酸に関する限り少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%、一層さらに好ましくは少なくとも95%のホモロジーレベルを有することを意味する。
【0015】
本発明はまた本発明のペプチドと機能的に等価なペプチドをも包含する。本明細書の記載に使用する意味において、「機能的に等価」なる表現は、問題とするペプチドが、たとえばニューロンエキソサイトーシスを少なくとも部分的に抑制する能力などの本発明のペプチドの生物学的活性の少なくとも一つを有することを意味する。
一つの好ましい態様において、本発明のペプチドは3〜20アミノ酸、好ましくは6〜19アミノ酸の長さを有する。
【0016】
本発明のペプチドの構造ユニットを構成するアミノ酸はD−立体配置またはL−立体配置をとってよい。アミノ末端からのアミノ酸はアセチル化した末端アミノ基を有していてよく、カルボキシル末端のアミノ酸はアミド化した末端カルボキシル基を有していてよい。それゆえ、本発明はまた、アミノ末端がアセチル化され、および/またはカルボキシル末端がアミド化された本発明のペプチドの誘導体をも包含する。
本発明のペプチドの特別の例は配列番号2および配列番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドである。
【0017】
本発明の範囲には本発明のペプチドの美容的および/または薬理学的に許容しうる塩が包含される。「美容的および/または薬理学的に許容しうる塩」は、金属塩を形成するために慣習的に用いられる塩または遊離の酸または塩基を添加することにより形成される塩を含む。美容的および/または薬理学的に許容しうる限りにおいて塩の性質は重要ではない。本発明のペプチドの美容的および/または薬理学的に許容しうる塩は、当業者によく知られた方法により、適当な酸または塩基を本発明のペプチドと反応させることにより、有機または無機の酸または塩基から得ることができる。
【0018】
さらに、本発明のペプチドは、そのバイオアベイラビリティー(安定性および脂質可溶性を含む)を増大させたり、血液−脳関門や上皮組織の通過を容易にするために可逆的な化学的修飾を施すことができる。そのような可逆的な化学的修飾の例としては、グルタミン酸およびアスパラギン酸のカルボン酸基のアセチル−メチル基によるエステル化が挙げられ、これによりアミノ酸の負の電荷が除去され、疎水性が増大する。形成されたエステル結合は細胞内エステラーゼによって認識されて加水分解され、アスパラギン酸およびグルタミン酸の電荷を回復させるので、このエステル化は可逆的である。内部に取り込まれ脱エステル化されたペプチドは細胞膜を通過できないので、正味の効果は細胞内でのペプチドの蓄積である。
本発明のペプチドは、Fmocおよび/またはBocベースの方法に従い、固相化学ペプチド合成のための常法により得ることができる(16)。
【0019】
別法として、本発明のペプチドは、組換えDNA技術に基づく常法、たとえば、簡単に説明すると、本発明のペプチドをコードする核酸配列を適当なプラスミドまたはベクターに挿入し、該プラスミドまたはベクターに対してコンピテントな細胞を形質転換し、ついで該細胞を本発明のペプチドの発現を可能とする条件下で増殖させ、さらに所望なら当業者に知られた通常の手段により本発明のペプチドを単離し(任意に)精製することを含む方法により得ることができる。本発明のペプチドをコードする核酸配列は、アミノ酸とそのようなアミノ酸をコードするヌクレオチドコドンとの間に存在する対応関係から容易に導き出すことができる。この場合、本発明のさらなる目的は、本発明のペプチドをコードする単離核酸配列である。一つの特定の態様において、該核酸は一本鎖DNA、二本鎖DNA、およびRNAから選ばれる。本発明の他の目的は、本発明のペプチドをコードする該核酸配列を含むプラスミドおよび発現ベクター、並びに本発明のペプチドを発現する原核または真核細胞である。組換えDNA技術の原理の概説は、たとえば、“Principles of Gene Manipulation: An Introduction to Genetic Engineering”という表題の教科書、R. W. Old & S. B. Primrose、ブラックウエル・サイエンティフィック・パブリケーションズ、第4版(1989)に記載されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明のペプチドは、おそらく融合タンパク質複合体(SNARE)のアセンブリーへの妨害および/またはその熱的不安定化が寄与するメカニズムによりニューロンエキソサイトーシスを少なくとも部分的に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のペプチドのニューロンエキソサイトーシス(神経分泌)抑制能は、界面活性剤で透過性にしたクロマフィン細胞でカルシウムによって誘発されるカテコールアミンの放出に対する抑制の強さを該ペプチドで評価する試験により明らかとなった[実施例1.2.1参照]。簡単に説明すると、クロマフィン細胞培養液をトリチウムを含むエピネフリンおよびノルエピネフリンとともにインキュベートし、ジギトニンで透過性にし、カルシウムで刺激し、該細胞によって細胞外培地に放出された放射能の量(該トリチウム含有カテコールアミンのエキソサイトーシスを反映する)を測定する。
【0022】
本発明のヘキサペプチド[配列番号2]は、透過性にしたクロマフィン細胞でのカテコールアミン(エピネフリンおよびノルエピネフリン)の放出を1mMの濃度で約20%ブロックしたのに対し、13アミノ酸を有するペプチド[配列番号3]は透過性にしたクロマフィン細胞でのカテコールアミンの放出を1mMの濃度で約35%ブロックした。
SNAP−25のカルボキシル末端(配列番号4)からの配列番号5および配列番号6に示すペプチドは、1mMの濃度で用いたときに、ジギトニンで透過性にしたクロマフィン細胞でCa2+によって誘発された分泌を約40%抑制した。
【0023】
SNAP−25のアミノ末端からの少なくとも一つのペプチド、たとえば配列番号2または配列番号3のペプチドと、SNAP−25のカルボキシル末端からの少なくとも一つのペプチド、たとえば配列番号5または配列番号6のペプチドとを一緒に用いて行った平行試験は、SNAP−25のアミノ末端からの少なくとも一つのペプチドとSNAP−25のカルボキシル末端からの少なくとも一つのペプチドとを組み合せた使用が、それぞれ各ペプチドについて別個に試験した場合に観察される生物学的作用を強めることを明らかにした。
【0024】
一つの特別の場合において、それぞれ0.5mMの濃度の配列番号2または配列番号3に示すペプチドの一つと配列番号5または配列番号6に示すペプチドの一つとからなるペプチドの混合物を試験したところ、透過性にしたクロマフィン細胞でのカテコールアミンの放出の55%の抑制率が得られた。
以上を総合すると、これら結果は、アミノ末端からのペプチドとカルボキシル末端からのペプチドとの両タイプのペプチドがカテコールアミンエキソサイトーシスを抑制すること、およびアミノ末端からのペプチドとカルボキシル末端からのペプチドとを組み合せて使用するとそれぞれ別個で観察される生物学的作用を強めることを示している。
【0025】
それゆえ、本発明は、
(a)本発明の少なくとも一つのペプチド、および
(b)配列番号4に含まれる3〜30の隣接アミノ酸の配列を有する少なくとも一つのペプチド[以後、SNAP−25のカルボキシル末端との関係を示すため(COOH)ペプチドという]
を含むペプチド混合物をも提供する。
一つの特別の態様において、該ペプチド混合物は、配列番号2および配列番号3に示すペプチドによって構成される群から選ばれる少なくとも一つのペプチドと、配列番号5および配列番号6に示すペプチドによって構成される群から選ばれる少なくとも一つのペプチドとからなる。
【0026】
本発明のペプチドが融合複合体(SNARE)の形成および安定性を妨害する能力は、組換えタンパク質を用いた融合タンパク質複合体のインビトロでの再構成試験を行うことによって明らかとなった[実施例1.2.2を参照]。簡単に説明すると、タンパク質SNAP−25を96ウエルプレートに固定化し、本発明のペプチドの存在下および/または不在下でVAMPおよびシンタキシンを加え、ついで融合タンパク質複合体(SNARE)の形成を評価した。該複合体の検出は、シンタキシンに対する抗体(抗シンタキシン抗体)を用い、ついで抗シンタキシン抗体を認識する第二の標識抗体を加えることによって行った。得られたデータは、融合複合体のアセンブリーの際に本発明のペプチドが存在すると該複合体の有意の低減が引き起こされることを示すように思われた。それゆえ、ニューロンエキソサイトーシス抑制作用のメカニズムは、融合タンパク質複合体(SNARE)の形成および/または安定性を本発明のペプチドが妨害することを意味していると思われる。
【0027】
この試験で得られた結果は、3〜30アミノ酸という小さなサイズでSNAP−25のアミノ末端からのアミノ酸配列に由来するペプチドである本発明のペプチドが(任意に)SNAP−25のカルボキシル末端からのペプチドとともにニューロンエキソサイトーシスインヒビターとして作用することを示唆している。これらペプチドはエキソサイトーシスに関与するニューロンタンパク質の配列を模倣したものであることから、これらペプチドは他の細胞成分に影響を及ぼすことなく対応ニューロンタンパク質とのみ相互作用するため、その作用は特異的である。
【0028】
本発明のペプチドの作用メカニズムはボツリヌス毒素のものと同様であると思われ、それゆえ融合タンパク質複合体の形成および/または安定性に影響を及ぼすので、本発明のペプチドはボツリヌス毒素について記載されたものと同様に美容および/または治療上の応用を有すると考えられる。それゆえ、本発明のペプチドは、顔のしわおよび/または不均斉の処置および/または痙攣性疾患の治療、および神経学的疾患および神経変性疾患の治療における神経保護剤(neuroprotectors)として、ボツリヌス毒素に代わる有効、安定、安全で経済的な代替物となり得る。
【0029】
本願出願人によってなされた研究は、さらに、ニューロンエキソサイトーシスモジュレーターとしてのSNAP−25のN−末端ドメインとC−末端ドメインとからのペプチドの同時使用という革新的な概念を示唆している。
以上を総合すると、本発明のペプチドを用いて得られた結果は、SNAP−25のアミノ末端とカルボキシル末端との組成物を念頭に入れて、その安定性および構造上の簡単さおよび化学的な多様性を得ることができることと共に、本発明のペプチドに美容および/または治療剤としての大きな可能性を与えるものである。
【0030】
本発明のペプチドは、病的なニューロンエキソサイトーシス媒体の美容および/または治療目的に用いることができる。
本発明のペプチドの美容目的の応用としては、ヒトの顔のしわおよび/または不均斉の処置および全体的または部分的な除去が挙げられる。
本発明は、少なくとも一つの美容的に許容しうるアジュバントとともに本発明のペプチドの少なくとも一つの美容的有効量を含む美容組成物を提供する。さらに任意に、該美容組成物は(COOH)ペプチドと称するペプチドの一つを含んでいてよい。
【0031】
美容に応用するには、本発明のペプチドと哺乳動物の体内、好ましくはヒトにおいて該ペプチドを作用させるべき場所との間に接触をもたらす媒体により該ペプチドを適用する。
適用すべきペプチドの美容上有効な量並びに本発明のペプチドおよび/または美容組成物を用いた顔のしわおよび/または不均斉の処置のための投与量は、処置を所望する個人の年齢および健康状態、しわおよび/または顔の不均斉の重篤さ、適用方法および頻度および使用する特定のペプチドを含む多くの因子に依存するであろう。
【0032】
本発明のペプチドを含有する美容組成物の体裁は、適用するのに適したいかなる形態であってもよく、たとえば、固体、液体、または半固体、たとえばクリーム、軟膏、ゲル、または溶液であってよく、これら組成物の適用はいずれかの適当な手段により、好ましくは局所適用であってよく、それゆえ、これら組成物は所望の投与形態を構成するのに必要な美容上許容しうるアジュバントを含んでいるであろう。好ましい特別の態様において、本発明のペプチドは、(任意に)別のまたは他の(COOH)ペプチド(美容製剤の他の成分に添加される)とともにリポソーム中に包み込まれる。活性化合物を適用するための異なる美容剤型および該剤型を得るのに必要なアジュバントの概論は、たとえば、教科書“Cosmetologia de Harry”(Harry's Cosmetology)、ウイルキンスン・アンド・ムア、Diaz de Santos編(1990)に記載されている。
【0033】
それゆえ、本発明のさらなる目的は、顔のしわおよび/または不均斉の処置用美容組成物の調製のための本発明のペプチドの使用である。
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおける顔のしわおよび/または不均斉の美容的処置法であって、(任意に)1またはそれ以上の(COOH)ペプチドとともに本発明の少なくとも一つのペプチドの美容上有効量を、好ましくはそれを含有する美容組成物の形態で、顔のしわおよび/または不均斉を有する哺乳動物に適用することからなる方法をも提供する。
さらに、本発明のペプチドは、痙攣性疾患、たとえば、失調症、斜視、眼瞼痙攣、顔側彎症、チックなどの治療に、および/または神経学的疾患および/または神経変性疾患の治療における神経保護剤として適している。
【0034】
該神経学的疾患としては、急性の神経学的疾患、たとえば脳虚血の第一ステージで起るものなどが挙げられる。虚血プロセスの際に神経伝達物質であるグルタミン酸の制御されない放出が患部で起ることが知られている。この神経伝達物質は特定のニューロン膜レセプターと相互作用し、ニューロン内へのカルシウムイオンの大量の流入を引き起こす。細胞内のカルシウムはさらにグルタミン酸の放出を引き起こすため、かくして連鎖反応を誘起することになる。さらに、ニューロン内へのカルシウムの大量の長引く流入は該細胞の死を引き起こし、これが虚血部位での壊死組織の形成となる。明らかに、虚血損傷の進行は、制御されないグルタミン酸のエキソサイトーシスを制御すれば少なくとも部分的には停止させることができる。それゆえ、本発明のペプチドはエキソサイトーシスを抑制することができるため、虚血プロセスの特徴であるニューロン死を防ぎおよび/または遅らせるのに適しており、それゆえ過剰のグルタミン酸エキソサイトーシスによって起る神経病理、たとえば、老人性痴呆、アルツハイマー病関連痴呆、AIDS関連痴呆、テンカン、筋萎縮性硬化症、多発性/側索硬化症などの治療に有用であろう。この場合、神経学的疾患の治療における適用はボツリヌス毒素Aについてについて記載したものと同様であろう(18)。
【0035】
それゆえ、本発明のペプチドは、より有効に神経変性を停止させる対象との組み合せ療法(幾つかの治療標的に向けられる)の一部を構成することができる。
本発明のさらなる目的は、少なくとも一つの薬理学的に許容しうる賦形剤とともに本発明の少なくとも一つのペプチドの治療学的有効量を含む医薬組成物である。一つの特定の態様において、該医薬組成物はまた1またはそれ以上の(COOH)ペプチドをも含有する。あるいは、本発明の医薬組成物は、少なくとも一つのアジュバントおよび/または薬理学的に許容しうる賦形剤とともに本発明のペプチドをコードする少なくとも一つの核酸配列を含むベクターの治療学的有効量を含んでいてよい。該ベクターは遺伝子療法に用いることができる。
【0036】
本発明の活性産物(ペプチドまたはベクター)は、たとえば痙攣性疾患、神経学的疾患または神経変性疾患によって示される病的なニューロンエキソサイトーシスの治療のため、該ペプチドと哺乳動物の体内、好ましくはヒトにおいて該ペプチドを適用すべき部位との間で接触をもたらす媒体により投与することができる。
投与すべき本発明の活性産物[ペプチドまたはベクター(構築物)]の治療学的有効量並びに本発明のペプチドおよび/または医薬組成物を用いた病的状態の治療のための投与量は、患者の年齢および健康状態、障害または疾患の重篤度、投与方法および頻度および使用する特定のペプチドを含む多くの因子に依存するであろう。
【0037】
本発明のペプチドまたはベクター(構築物)を含有する医薬組成物の体裁は、投与するのに適したいかなる形態であってもよく、たとえば、固体、液体、または半固体、たとえばクリーム、軟膏、ゲル、または溶液であってよく、これら組成物の投与はいずれかの適当な手段により、たとえば経口、非経口または局所投与であってよく、それゆえ、これら組成物は所望の投与剤型を構成するのに必要な薬理学的に許容しうるアジュバントを含んでいるであろう。医薬を投与するための異なる医薬剤型および該剤型を得るのに必要なアジュバントの概論は、たとえば、“Tratado de Farmacia Galenica”(Treatise on Galenic Pharmacy)、C. Fauli i Trillo, 1993、ルザン5、エッセ・アー・エディシオネス、マドリードに記載されている。
【0038】
上記に記載したように、本発明のペプチドは神経変性をより有効に停止させる目的のための組み合せ療法の一部とすることができる。この場合、本発明は、(任意に)他のニューロンエキソサイトーシス抑制化合物とともに、およびニューロングルタミン酸レセプターブロッカー、カルシウムキレート化剤、抗酸化剤、フリーラジカル破壊剤およびそれらの組み合せよりなる群から選ばれた他の治療目的を意図した少なくとも一つの薬剤とともに、本発明のペプチドの少なくとも一つを含む医薬組成物を提供する。
【0039】
一つの特別の態様において、組み合せ療法に有用な該組成物は、(任意に)別のまたは他のニューロンエキソサイトーシス抑制化合物およびニューロングルタミン酸レセプターブロッカーとともに本発明の少なくとも一つのペプチドを含んでいてよい。本発明の他の態様において、該組成物は、(任意に)別のまたは他のニューロンエキソサイトーシス抑制化合物、ニューロングルタミン酸レセプターブロッカー、カルシウムキレート化剤、抗酸化剤および/またはフリーラジカル破壊剤とともに本発明の少なくとも一つのペプチドを含んでいてよい。ニューロンエキソサイトーシス抑制化合物としては、(COOH)ペプチドと称されるSNAP−25のカルボキシル末端からのペプチドが挙げられる。組成物の多くの他の例を提唱することができるが、すべて共通に神経伝達物質のエキソサイトーシスを制御する必要がある。
【0040】
本発明のさらなる目的は、病的なニューロンエキソサイトーシス媒体疾患および/または障害、たとえば痙攣性疾患、神経学的疾患および/または神経変性疾患の治療のための医薬の調製における本発明のペプチドまたは本発明のペプチドをコードする少なくとも一つの配列を含むベクターの使用である。
さらに、本発明は、哺乳動物における病的なニューロンエキソサイトーシス媒体疾患および/または障害、たとえば痙攣性疾患、神経学的疾患および/または神経変性疾患の治療方法であって、該病的疾患または障害を患う該哺乳動物に本発明の少なくとも一つのペプチドまたは本発明のペプチドをコードする少なくとも一つのDNA配列を含むベクターの治療学的有効量を好ましくは医薬組成物の形態で投与することからなる方法を提供する。本発明の一つの特別の態様において、該医薬組成物は、本発明のペプチドに加えて1またはそれ以上の(COOH)ペプチドを含む。
【0041】
以下の実施例は本発明の性質を説明するためのものであって、本発明に関して制限する意味合いで考慮されるべきでない。
【実施例1】
【0042】
実施例1
神経伝達物質エキソサイトーシス抑制ペプチド
1.1ペプチド合成
配列番号2、配列番号3、配列番号5および配列番号6に示すペプチドを、Fmocおよび/またはBocベースの合成法(16)を用いた固相化学的ペプチド合成のための常法により合成した。得られたペプチドを高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製し、質量スペクトルにより分析した。
【0043】
1.2生物学的作用の評価
実施例1.1で得られたペプチドの生物学的作用を評価するため、クロマフィン細胞においてカルシウムによって誘発されたカテコールアミンの放出を抑制する該ペプチドの強度を評価する試験、並びに融合複合体(SNARE)のインビトロでの再構成試験を開発した。
【0044】
1.2.1カテコールアミン放出の抑制
この試験は、実施例1.1で合成したペプチドがニューロンエキソサイトーシスを抑制する能力を確認するために行った。この試験では、Gutierrezら(1995および1997)によって記載された方法に従い、界面活性剤のジギトニンで透過性にしたクロマフィン細胞(ウシ副腎から得た)においてカルシウムによって誘発されたカテコールアミン(ノルエピネフリンおよびエピネフリン)の放出を抑制する該ペプチドの強度を評価した。
【0045】
簡単に説明すると、クロマフィン細胞の培養液を[H]−エピネフリンおよび[H]−ノルエピネフリンとともにインキュベートし、20μMのジギトニンで透過性にし、ついで試験すべきペプチドの存在下(別個にまたは混合して)、カルシウム(10μM)で刺激し、ついで該細胞によって細胞外培地に放出された放射能の量(この量は[H]−エピネフリンおよび[H]−ノルエピネフリンのエキソサイトーシスを反映する)を測定する。
【0046】
透過性にしたクロマフィン細胞でカテコールアミンの放出の抑制において得られた結果は以下のとおりであった:
(a)SNAP−25のアミノ末端からの配列番号2のペプチドは、透過性にしたクロマフィン細胞においてカテコールアミンの放出を1mMの濃度で約20%ブロックした;
(b)SNAP−25のアミノ末端からの配列番号3のペプチドは、透過性にしたクロマフィン細胞においてカテコールアミンの放出を1mMの濃度で約35%ブロックした;
(c)SNAP−25のカルボキシル末端からの配列番号5および配列番号6のペプチドは、ジギトニンで透過性にしたクロマフィン細胞においてCa2+によって誘発された分泌を1mMの濃度で約40%抑制した;および
(d)それぞれ0.5mMの濃度で配列番号2または配列番号3で示されるペプチドの一つと配列番号5または配列番号6で示されるペプチドの一つとからなるペプチド混合物は、透過性にしたクロマフィン細胞においてカテコールアミンの放出を約55%抑制した。
【0047】
以上を総合すると、これら結果は、アミノ末端からのペプチドとカルボキシル末端からのペプチドとの両タイプのペプチドがカテコールアミンエキソサイトーシスを抑制すること、およびアミノ末端からのペプチドとカルボキシル末端からのペプチドとを組み合せて使用するとそれぞれ別個で観察される生物学的作用を強めることを示している。
【0048】
1.2.2インビトロでの再構成
この試験は、実施例1.1で得たペプチドが融合複合体(SNARE)の形成および安定性を妨害する能力を決定するために行った。この試験は、大腸菌で産生された組換えタンパク質を用いて融合タンパク質複合体のインビトロでの再構成を評価することからなっている。この再構成試験はELISA(酵素結合抗体免疫吸着アッセイ)法に基づくものであり、96−ウエルプレートへのタンパク質SNAP−25の固定、および本発明のペプチドの存在下および/または不在下でタンパク質VAMPおよびシンタキシンを加えることによるその後の融合タンパク質複合体の形成を含む。複合体の検出は、タンパク質シンタキシンに対する抗体(抗シンタキシン抗体)を用い、ついでペルオキシダーゼで共有標識した該抗シンタキシン抗体を認識する抗体を加えて行った。融合タンパク質の量は、1,2−フェニレンジアミンジクロライド(これとペルオキシダーゼとの反応は、酸性媒体で492nmを吸収するオレンジがかった黄色を呈する生成物を生成する)を加えて追跡した。
【0049】
得られたデータは、融合複合体のアセンブリーの際に実施例1.1で得られたペプチドが存在すると該複合体の有意の低減が引き起こされることを示している。それゆえ、該ペプチドの作用メカニズムは、融合タンパク質複合体(SNARE)の形成および/または安定性を該ペプチドが妨害することを意味していると思われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
痙攣性疾患に含まれる失調症、眼瞼痙攣、斜視、顔側彎症、チック、脳虚血、老人性痴呆、アルツハイマー病関連痴呆、AIDS関連痴呆、テンカン、筋萎縮性硬化症および多発性/側索硬化症よりなる群から選ばれた、病的なニューロンエキソサイトーシスに媒体された疾患および/または障害の治療用の医薬の調製における、配列番号2に示すアミノ酸配列または配列番号3に示すアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列からなることを特徴とするペプチドの使用。
【請求項2】
該ペプチドが、ニューロンエキソサイトーシスを抑制することができ、該アミノ酸がD−アミノ酸またはL−アミノ酸であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチドの使用。
【請求項3】
該ペプチドのN末端のアミノ酸がアセチル化されていることを特徴とする、請求項1に記載のペプチドの使用。
【請求項4】
該ペプチドのC末端のアミノ酸がアミド化されていることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
【請求項5】
該ペプチドがバイオアベイラビリティーを増大させるため、および血液−脳関門および上皮組織の通過を容易にするため、可逆的な化学的修飾をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のペプチドの使用。

【公開番号】特開2009−221223(P2009−221223A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144480(P2009−144480)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【分割の表示】特願2000−614281(P2000−614281)の分割
【原出願日】平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願人】(501412212)リポテック・ソシエダッド・アノニマ (1)
【氏名又は名称原語表記】LIPOTEC, S.A.
【Fターム(参考)】