説明

ネットワークシステム、家電機器、情報端末、通信設定方法及びプログラム

【課題】特定の家電機器を操作端末から確実に制御することができるネットワークシステム、家電機器、情報端末、通信設定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】家電機器200では、ネットワーク300に接続された後、多次元コード生成部203が、IPアドレス等を多次元コードに変換し、多次元コード表示部204が表示する。携帯型情報端末100では、多次元コード読取部104が多次元コードを読み取り、制御部103が、多次元コードをIPアドレス等に変換し、変換したIPアドレスを用いて、家電機器200にアクセスする。その後、制御部103は、コントローラ部105の操作入力に従って、制御命令を送信したり、その制御命令の応答結果を受信して、コントローラ部105の表示画面に表示したりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークシステム、家電機器、情報端末、通信設定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやブルーレイレコーダなどの家電機器の中には、ネットワークに接続可能なものが登場している。携帯電話やスマートフォンなどの携帯型情報端末からこれらの家電機器にアクセスして、携帯型情報端末に家電機器の現在の状態を表示したり、情報端末を操作して家電機器を遠隔操作することが可能となっている。これにより、例えば、スマートフォンをテレビやエアコンのリモートコントローラとして使用することができる。
【0003】
ネットワークに接続された家電機器と携帯型情報端末とが通信を行うには、相手のIPアドレス等の通信設定情報を把握する必要がある。そこで、従来より、家電機器がネットワークに接続する際の通信設定情報の取得方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、通信ネットワークの利用者が、サービスプロバイダへ接続する際、利用者の機器とサービスプロバイダ側の設備との通信を可能にする接続装置(ルータやモデムなど)が必要となる。
【0004】
サービスプロバイダは、接続を求める利用者に対して、何らかの認証を行うのが通常である。利用者は、サービスプロバイダから利用者に郵送などによって配布された認証用の固有情報を、サービスプロバイダに送信する。接続装置にこうした固有情報を記憶すれば、接続の度に固有情報を入力する手間を省くことができる。特許文献1に係る方法では、接続装置に接続するための固有情報を含むQRコード(登録商標)を、固定的なシート状の記録媒体に記録し、このコードを接続装置側で撮像することにより入力の手間を省いている。
【0005】
さらに、通信設定情報の他の取得方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、携帯型情報端末と家電機器とは、互いに通信範囲が異なる第1の通信手段と、第2の通信手段とを備えている。携帯型情報端末が家電機器の第1の通信手段の通信範囲内に入った場合に、家電機器は第2の通信手段による通信を確立するための通信設定情報等を、第1の通信手段を介して携帯型情報端末に送信する。携帯型情報端末は、第1の通信手段を介して受信した通信設定情報に基づいて、第2の通信手段によって家電機器との通信を確立する。
【0006】
この方法では、携帯型情報端末と家電機器が接近した場合に通信を開始するため、ユーザが携帯型情報端末を家電機器に近づけることで直感的に家電機器を指定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−61292号公報
【特許文献2】特開2009−37566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に係る取得方法では、家電機器の通信設定情報の伝達に、シート状の記録媒体に固定的に記録された多次元コードを用いているため、ネットワーク接続時に決定する通信設定情報や、家電機器の状態などの動的な情報を伝達することができない。
【0009】
例えば、ネットワークにおける家電機器の識別子(IPアドレス)は、家電機器がネットワークに接続した際にルータなどのDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により動的に割り当てられる。携帯型情報端末が家電機器と通信を行うためには、家電機器のIPアドレスを把握する必要があるが、IPアドレスは動的に割り当てられるため、多次元コードをシート状の記録媒体に予め記録する方式ではIPアドレス等の動的な情報を伝達することができない。
【0010】
また、上記特許文献2に係る取得方法では、携帯型情報端末や家電機器が通信範囲内に3台以上存在した場合には、どの携帯型情報端末と家電機器が通信を行っているのかを特定するのが困難になる。また、この方法では、第1の通信手段としてBluetooth(登録商標)などの非接触の通信手段が用いられている。Bluetooth(登録商標)などの非接触の通信手段は、携帯型情報端末と家電機器との位置関係が変われば、通信が不安定になることもある。
【0011】
このように、従来のシステムでは、携帯型情報端末と家電機器との通信接続が困難な場合が多く、特定の家電機器を操作端末から制御するシステムを構築する際の障害となっていた。
【0012】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、特定の家電機器を操作端末から確実に制御することができるネットワークシステム、家電機器、情報端末、通信設定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、この発明に係るネットワークシステムは、情報端末と家電機器とを備えるネットワークシステムである。このネットワークシステムにおいて、家電機器は、所定の通信方式で通信を行う第1の通信部と、第1の通信部による通信に用いられる通信設定情報に基づいて多次元コードを生成する多次元コード生成部と、多次元コード生成部によって生成された多次元コードを表示する多次元コード表示部と、第1の通信部を介して受信した制御命令を実行し、その実行結果を応答として返信する第1の制御部と、を備える。また、情報端末は、家電機器の多次元コード表示部に表示された多次元コードを読み取って家電機器の通信設定情報に変換する多次元コード読取部と、所定の通信方式で通信を行う第2の通信部と、多次元コード読取部により変換された情報に基づいて、第2の通信部から前記第1の通信部を介して第1の制御部にアクセスして家電機器を制御する第2の制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、家電機器は、動的に割り当てられた通信設定情報を多次元コードに変換し表示する。一方、情報端末は、表示された多次元コードを読み取って通信設定情報に変換し、変換した通信設定情報に基づいて家電機器と通信する。このようにすれば、家電機器と情報端末との間で、動的な情報を多次元コードに変換して伝達することができる。また、家電機器と情報端末との間で、多次元コードの表示と読み取りで通信設定情報を伝達しているので、情報端末が家電機器を一意に識別することができる。この結果、特定の家電機器を操作端末から確実に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】携帯型情報端末の処理のフローチャートである。
【図3】家電機器の処理のフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係るネットワークシステムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図5】家電機器本体の処理のフローチャートである。
【図6】家電機器操作端末の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1について説明する。
【0018】
図1には、この実施の形態1に係るネットワークシステム1の構成が示されている。図1に示すように、ネットワークシステム1は、携帯型情報端末100と家電機器200とを備える。
【0019】
携帯型情報端末100は、例えば携帯電話、スマートフォン又はモバイルコンピュータである。家電機器200は、ネットワーク300に接続可能な家電機器であればよい。家電機器200は、例えば、テレビであってもよいし、エアコンであってもよいし、その他の家電機器であってもよい。
【0020】
携帯型情報端末100及び家電機器200は、それぞれ通信ネットワークとしてのネットワーク300に接続して通信を行うことが可能である。ネットワーク300は、家電機器200に対してIPアドレス等を通信設定情報を動的に割り当てる。すなわち、家電機器200は、ネットワーク300に接続する度に、そのIPアドレス等が異なっている。
【0021】
携帯型情報端末100の構成について説明する。
【0022】
携帯型情報端末100は、アンテナ101と、通信部102と、制御部103と、多次元コード読取部104と、コントローラ部105とを備える。
【0023】
アンテナ101は無線通信によりネットワーク300と接続するためのアンテナである。アンテナ101としては、構造の簡易さから、例えばダイポールアンテナが採用される。アンテナ101は通信部102に接続される。
【0024】
第2の通信部としての通信部102は、アンテナ101と介してネットワーク300と接続するための通信インターフェイスである。通信部102は、所定の通信方式を用いて通信を行う。通信部102は、例えば無線LAN(Local Area Network)の通信インターフェイスである。通信部102は、制御部103に接続される。
【0025】
制御部103は、例えば、CPU(Central Processing Unit)とメモリと(いずれも不図示)を備える。制御部103は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、その機能を発揮する。制御部103は、多次元コード読取部104及びコントローラ部105に接続される。制御部103は、通信部102、多次元コード読取部104及びコントローラ部105からデータを入力し、通信部102及びコントローラ部105に適切な出力を送信する。
【0026】
多次元コード読取部104は、多次元コードを撮影するカメラ(例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ)と、撮影した多次元コードを解析してデータに変換するプロセッサとを備える。より具体的には、多次元コード読取部104は、例えば、後述する家電機器200の多次元コード表示部204に表示された多次元コードを読み取り、読み取った多次元コードをデータに変換して制御部103に送信する。多次元コードとしては、例えば、2次元コードの一種であるQRコード(登録商標)を採用することができる。
【0027】
なお、多次元コードの解析およびデータへの変換は、制御部103で行うものとしてもよい。
【0028】
操作部及び表示部としてのコントローラ部105は、例えば、画像情報を表示する表示部としての液晶画面と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部としての操作ボタンとを備える。コントローラ部105は、制御部103から入力したデータに基づいて、家電機器200の状態を液晶画面に表示したり、ユーザが家電機器200を操作するためのインターフェイスを提供する。
【0029】
制御部103は、コントローラ部105に受け付けられた操作入力情報に基づく制御命令を、通信部102を介して、通信部201に送信し、通信部201を介して通信部102から受信した情報をコントローラ部105の表示画面に表示させる。
【0030】
続いて、家電機器200の構成について説明する。
【0031】
家電機器200は、通信部201と、制御部202と、多次元コード生成部203、多次元コード表示部204とを備える。
【0032】
第1の通信部としての通信部201は、制御部202とネットワーク300とに接続される。通信部201の通信方式は、携帯型情報端末100の通信部102と同じである。ただし、ネットワーク300への接続は有線であってもいいし、無線であってもいい。例えば、通信部102の通信方式が無線LANであっても、通信部201の通信方式は有線とすることができる。
【0033】
制御部202は、多次元コード生成部203と接続される。制御部202は、通信部201から受信したデータや、家電機器200の状態変化などに応じて家電機器200を制御する。制御部202は、例えば、CPUとメモリと(いずれも不図示)を備える。また、制御部202は、通信部201やその他の通信インタフェースから、多次元コードを表示する要求を受けた際には、表示するデータを多次元コード生成部203に送信する。表示するデータは、例えば、家電機器200のIPアドレス、ポート番号などの通信設定情報を含んでいる。
【0034】
多次元コード生成部203は、多次元コード表示部204に接続されている。多次元コード生成部203は、制御部202から送られてくるデータ(例えば通信設定情報)に基づいて多次元コードを生成し、生成した多次元コードを多次元コード表示部204に送信する。
【0035】
多次元コード表示部204は、ディスプレイ(表示画面)、例えば液晶画面を備える。多次元コード表示部204は、多次元コード生成部203から送信されてくる多次元コードを液晶画面に表示する。
【0036】
ネットワーク300は、携帯型情報端末100及び家電機器200が接続される通信ネットワークである。ネットワーク300上には、例えば、家電機器200が接続するブロードバンドルータなどが存在する。
【0037】
携帯型情報端末100及び家電機器200は、電源投入時などのタイミングにおいて、ネットワーク300に接続する。
【0038】
次に、この実施の形態に係るネットワークシステム1の動作について説明する。
【0039】
まず、携帯型情報端末100の処理について説明する。図2には、携帯型情報端末100の処理が示されている。
【0040】
まず、制御部103は、コントローラ部105の操作入力により、家電機器200への接続要求が入力されるまで待つ(ステップS111;No)。接続要求が入力されると(ステップS111;Yes)、制御部103は、多次元コード読取部104を起動し、多次元コード読取部104により、家電機器200の多次元コード表示部204に表示された多次元コードを読み取る(ステップS112)。
【0041】
多次元コードには、携帯型情報端末100が家電機器200に、ネットワーク300を介してアクセスするために必要な通信設定情報が含まれている。通信設定情報は、例えば、家電機器200のIPアドレスやポート番号などである。
【0042】
読み取った多次元コードは、多次元コード読取部104により通信設定情報に変換される(ステップS113)。変換された通信設定情報は、制御部103に送られる。制御部103は、多次元コード読取部104から入力した通信設定情報に基づいて、通信部102を介して家電機器200にアクセスする(ステップS114)。
【0043】
制御部103は、通信部102を介して例えば家電機器200の情報を取得する(ステップS115)。このような情報には、家電機器200の機能などに関するものがある。続いて、制御部103は、コントローラ部105の表示画面に、取得した情報を、ユーザに視認できるように表示する(ステップS116)。
【0044】
続いて、制御部103は、コントローラ部105を介して制御命令が入力されるまで待つ(ステップS117;No)。制御命令が入力されると(ステップS117;Yes)、制御部103は、通信部102を介して、家電機器200に制御命令を送信する(ステップS118)。
【0045】
続いて、制御部103は、家電機器200から応答を受信するまで待つ(ステップS119;No)。応答を受信すると(ステップS119;Yes)、制御部103は、コントローラ部105の表示画面に、応答に含まれる制御命令の実行結果に関する情報を家電機器200の情報として表示する。
【0046】
続いて、家電機器200の処理について説明する。
【0047】
図3には、家電機器200の処理のフローチャートが示されている。図3に示すように、制御部202は、ネットワーク300に接続した後に、IPアドレスやポート番号などの通信設定情報を取得する(ステップS211)。続いて、多次元コード生成部203は、制御部202から受信した通信設定情報に基づいて多次元コードに生成する(ステップS212)。続いて、多次元コード表示部204は、生成された多次元コードを表示する(ステップS213)。
【0048】
なお、多次元コードの生成及び表示は、家電機器200がネットワーク300に接続した、後すぐに行ってもいいし、家電機器200のボタン操作などのユーザ入力があったタイミングで行われるようにしてもよい。
【0049】
制御部202は、携帯型情報端末100から、通信部201を介して制御命令を入力するまで待つ(ステップS214;No)、制御命令を入力すると(ステップS214;Yes)、制御部202は、制御命令を実行する(ステップS215)。続いて、制御部202は、制御命令の実行結果、すなわち応答を、通信部201を介して携帯型情報端末100に返信する(ステップS216)。
【0050】
以上詳細に説明したように、この実施の形態に係るネットワークシステム1は、家電機器200は、動的に割り当てられた通信設定情報に基づいて多次元コードを生成し表示する。携帯型情報端末100は、表示された多次元コードを読み取って通信設定情報に変換し、変換した通信設定情報に基づいて家電機器200と通信する。このようにすれば、家電機器200と携帯型情報端末100との間で、動的な情報を多次元コードに変換して伝達することができる。また、家電機器200と携帯型情報端末100との間で、多次元コードの表示と読み取りで通信設定情報を伝達しているので、携帯型情報端末100が家電機器200を一意に識別することができる。この結果、家電機器200と携帯型情報端末100との間で、動的な情報を一対一で確実に送受信することができる。
【0051】
また、この実施の形態によれば、ユーザが携帯型情報端末100において通信設定をする必要がなく、誰でも簡易に通信を行うことができる。
【0052】
なお、この実施の形態における多次元コードは、通信設定情報のみを含むものであるとした。しかしながら、家電機器200の機種情報や機能情報、状態など、家電機器200に関する情報を含むコードとしてもよい。家電機器200の機種情報や機能情報、状態などを含む多次元コードとすることで、携帯型情報端末100の多次元コード読取部104が、多次元コードを読み取って家電機器200の情報に変換し、制御部103がコントローラ部105に、変換された家電機器200の情報(例えば機種情報)を表示することができる。このようにすれば、多次元コードを正しく認識したがどうかをユーザが安易に確認することができる。
【0053】
また、このとき表示する機種情報は、取得した機種情報を文字で表示するものであってもよいし、家電機器200のアイコン画像データを含むものであってもよい。家電機器200のアイコン画像データを含んでいれば、そのアイコンを表示することができる。また、携帯型情報端末100側で、予めいくつかのアイコンを保持しておき、コントローラ部105で、取得した機種情報に対応するアイコンを表示するようにしてもよい。
【0054】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
【0055】
図4には、この実施の形態2に係るネットワークシステム1の構成が示されている。図4に示すように、本実施の形態におけるネットワークシステム1は、携帯型情報端末100と、家電機器本体210と、ネットワーク300と、操作端末400とを備える。
【0056】
携帯型情報端末100及び家電機器本体210は、ネットワーク300に接続されている。また、家電機器本体210と家電機器操作端末400とは、アドホックに通信可能である。
【0057】
携帯型情報端末100の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0058】
家電機器本体210は、上記実施の形態に係る家電機器200の構成要素である、通信部201と、制御部202と、多次元コード生成部203とに加え、通信部205をさらに備える。
【0059】
通信部201及び制御部202の機能は、上記実施の形態1と同様である。
【0060】
多次元コード生成部203は、通信部205と接続される。多次元コード生成部203は、制御部202から受信したデータ(例えば、通信設定情報)に基づいて、多次元コードを生成し、通信部205を介して、家電機器操作端末400の通信部401に送信する。
【0061】
通信部205は、通信部102及び通信部201とは異なる通信方式によって通信部401との間で、データ送受信を行う。その通信方式は、例えば赤外線通信とする。
【0062】
家電機器操作端末400は、通信部401と、表示部402とを備える。家電機器操作端末400は、例えば、家電機器200に付属のリモートコントローラである。
【0063】
通信部401は、表示部402に接続される。通信部401は、家電機器本体210の通信部205と通信を行い、通信部205が送信した多次元コードを受信し、表示部402に送信する。
【0064】
表示部402は、通信部401から受信した多次元コードを表示する。
【0065】
次に、この実施の形態2に係るネットワークシステム1の処理について説明する。
【0066】
まず、携帯型情報端末100の処理について説明する。
【0067】
携帯型情報端末100の処理は、上記実施の形態1とほぼ同様である。上記実施の形態1では、家電機器200の多次元コード表示部204からQRコードを読み取ったが、この実施の形態では、携帯型情報端末100は、家電機器操作端末400の表示部402に表示される多次元コードを読み取る。
【0068】
続いて、家電機器本体210の処理について説明する。図5には、家電機器本体210の処理が示されている。
【0069】
制御部202は、ネットワーク300に接続する(ステップS221)。これにより、IPアドレスやポート番号などの通信設定情報が取得される。続いて、多次元コード生成部203は、制御部202から受信した通信設定情報に基づいて多次元コードを生成する(ステップS222)。続いて、制御部202は、多次元コードを通信部205を介して家電機器操作端末400に送信する(ステップS223)。なお、多次元コードの生成及び送信は、家電機器200がネットワーク300に接続した後にすぐに行ってもよいし、ボタン操作などのユーザ入力のタイミングで行ってもよい。
【0070】
家電機器200のその後の処理、すなわちステップS224乃至ステップS226は、上記実施の形態1における家電機器200の処理であるステップS214乃至ステップ216と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0071】
続いて、家電機器操作端末400の処理について、図6を参照して説明する。
【0072】
家電機器操作端末400は、通信部401を介して、家電機器本体210から送信された多次元コードを受信するまで待つ(ステップS421;No)。多次元コードを受信すると(ステップS421;Yes)、表示部402は、受信した多次元コードを表示する(ステップS422)。
【0073】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、多次元コードを表示する表示部402を家電機器本体210ではなく、家電機器操作端末400に設ける。このようにすれば、通信設定情報を表す多次元コードを家電機器200から離れた場所に表示することが可能になる。これにより、例えば、天井などに設置され、携帯型情報端末400を容易に接近させることができないような家電機器本体210に対しても、多次元コードを取得することができる。
【0074】
なお、この実施の形態では、多次元コード生成部203を、家電機器本体210の構成要素としたが、家電機器操作端末400の構成要素としてもよい。この場合、家電機器本体210から家電機器操作端末400に送信されるのは、多次元コードではなく、通信設定情報になる。通信設定情報を受信した家電機器操作端末400が、多次元コード生成部203によって多次元コードを生成して、多次元コード表示部204に表示する。
【0075】
なお、上記実施の形態1、2では、携帯型情報端末100と家電機器本体210とがアドホックに直接接続されるようにしてもよい。
【0076】
なお、上記実施の形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述のプログラムを実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0077】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0078】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0079】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
この発明は、住宅内に設置されたテレビやエアコンなどの家電機器の状態に関する情報の表示や遠隔操作に好適である。
【符号の説明】
【0081】
1 ネットワークシステム
100 携帯型情報端末
101 アンテナ
102 通信部
103 制御部
104 多次元コード読取部
105 コントローラ部
200 家電機器
201 通信部
202 制御部
203 多次元コード生成部
204 多次元コード表示部
205 通信部
300 ネットワーク
400 家電機器操作端末
401 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と家電機器とを備えるネットワークシステムであって、
前記家電機器は、
所定の通信方式で通信を行う第1の通信部と、
前記第1の通信部による通信に用いられる通信設定情報に基づいて多次元コードを生成する多次元コード生成部と、
前記多次元コード生成部によって生成された多次元コードを表示する多次元コード表示部と、
前記第1の通信部を介して受信した制御命令を実行し、その実行結果を応答として返信する第1の制御部と、
を備え、
前記情報端末は、
前記家電機器の前記多次元コード表示部に表示された多次元コードを読み取って前記家電機器の通信設定情報に変換する多次元コード読取部と、
前記所定の通信方式で通信を行う第2の通信部と、
前記多次元コード読取部により変換された情報に基づいて、前記第2の通信部から前記第1の通信部を介して前記第1の制御部にアクセスして前記家電機器を制御する第2の制御部と、
を備えるネットワークシステム。
【請求項2】
前記情報端末は、
操作入力情報を受け付ける操作部と、
画像情報を表示する表示部と、
をさらに備え、
前記第2の制御部は、
前記操作部で受け付けられた操作入力情報に基づく制御命令を、前記第2の通信部を介して、前記第1の通信部に送信し、前記第2の通信部を介して前記第1の通信部から受信した情報を前記表示部に表示させる制御部と、
をさらに備える請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記多次元コード読取部は、
読み取った多次元コードを前記家電機器の機能情報に変換し、
前記第2の制御部は、変換された前記機能情報を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記家電機器は、
家電機器本体と、
前記多次元コード表示部を有する操作端末と、
を備える、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
ネットワークに接続する家電機器のコントローラとして用いられる情報端末であって、
前記家電機器の多次元コード表示部に表示された多次元コードを読み取って、前記家電機器の通信設定情報に変換する多次元コード読取部と、
所定の通信方式で通信を行う通信部と、
前記多次元コード読取部により変換された通信設定情報に基づいて、前記通信部を介して前記家電機器にアクセスして前記家電機器を制御する制御部と、
を備える情報端末。
【請求項6】
所定の通信方式で通信を行う通信部と、
前記通信部による通信に用いられる通信設定情報に基づいて多次元コードを生成する多次元コード生成部と、
前記多次元コード生成部によって生成された多次元コードを表示する多次元コード表示部と、
前記通信部を介して受信した制御命令を実行し、その実行結果を応答として返信する制御部と、
を備える家電機器。
【請求項7】
前記多次元コード表示部は、本体と分離した操作端末に設けられている、
請求項6に記載の家電機器。
【請求項8】
情報端末と家電機器とを備えるネットワークシステムの通信設定方法であって、
前記家電機器において、通信に用いられる通信設定情報に基づいて多次元コードを生成する多次元コード生成工程と、
前記家電機器において、生成された多次元コードを表示する多次元コード表示工程と、
前記情報端末において、前記家電機器のディスプレイに表示された多次元コードを読取可能な多次元コード読取工程と、
前記情報端末において、多次元コード読取工程において、読み取られた多次元コードを、前記家電機器の通信設定情報に変換する変換工程と、
前記変換工程において、変換された情報に基づいて、前記家電機器との通信を確立する通信工程と、
を含む通信設定方法。
【請求項9】
家電機器を制御するコンピュータを、
所定の通信方式で通信を行う第1の通信部と、
前記第1の通信部による通信に用いられる通信設定情報に基づいて多次元コードを生成する多次元コード生成部と、
前記多次元コード生成部によって生成された多次元コードを表示する多次元コード表示部と、
前記第1の通信部を介して受信した制御命令を実行し、その実行結果を応答として返信する第1の制御部と、
して機能させ、
情報端末を制御するコンピュータを、
前記家電機器の前記多次元コード表示部に表示された多次元コードを読み取って前記家電機器の通信設定情報に変換する多次元コード読取部と、
前記所定の通信方式で通信を行う第2の通信部と、
前記多次元コード読取部により変換された情報に基づいて、前記第2の通信部から前記第1の通信部を介して前記第1の制御部にアクセスして前記家電機器を制御する第2の制御部と、
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−46152(P2013−46152A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181574(P2011−181574)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】