説明

ネットワークシステム及びネットワークシステムのシステム構成解析方法

【課題】各局がどのユニットに実装されその局のうちどの局がユニット内で終端に配置されているかといった、各局の実際の物理的な配置状況を容易に獲得する。
【解決手段】収集用フレーム50を、各局を経て伝達させ、自局の局番号、スレーブ局か否かを表す局種情報、ユニットU内で終端に配置された局かといったステータス情報等からなる局情報を、各局で収集用フレーム50に順次格納させる(ステップS1〜S3)。マスタ局“1”は、各局を一巡した収集用フレーム50を参照し、局情報から各局の接続順や局番号、スレーブ局か否か、終端に配置された局であるか等を把握する。終端に配置された局の次の局から、次に現れる終端に配置された局の前の局までを同一ユニットUに実装されていると判断し、どのユニットUにどの局が実装され、どの局が終端に配置されているのか等を把握し、各局の物理的な配置状況を獲得する(ステップS4〜S6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムを構成する局が、1又は複数の局からなる局群に分けられ且つ局群毎に各局群に属する局が一列に配置されてなるネットワークシステム及びネットワークシステムのシステム構成解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の局がリング状に接続されたリング型ネットワークシステムとして、図9に示すように、制御装置CR、入力装置SI1、SI2、出力装置SO1〜SO3等といった複数の局を一つの回線Lにより順次接続することによりリング状に接続したものがある。また、複数の局を、2本の回線を有する双方向回線により一列にバス接続し、端部の局において双方向回線のうちの一方の回線と他方の回線とを折り返し接続し、受信した伝送フレームをこの伝送フレームを送信した局に戻すことにより、一列にバス接続されている状態で論理的なリング型ネットワークシステムを実現するようにした方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、リング型ネットワークシステムにおいては、送受信される伝送フレームは上流局から下流局へと各局で順次中継されて伝達される。このため、リング型ネットワークシステムに接続される各局は、送信すべき伝送フレームに自局を特定するための局情報、例えば自局番号を付加して送信し、受信側の局では、受信した伝送フレーム内の局番号を参照することによって、自局の上流側に存在する局の局番号を認識することができる。
【0004】
また、複数の局を、2箇所以上の終端で折り返した双方向回線を用いてリング状に接続することによりリング型ネットワークシステムを構成した場合に、双方向回線の往き線及び戻り線(双方向回線に信号を往復させるので、以降の説明では往路側を“往き線”、復路側を“戻り線”と呼ぶ)の双方を流れる伝送フレームを利用することにより、自局の両隣の局の局番号や、自局と他局との相対的な物理的配置関係を認識する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
ところで、このようなリング型ネットワークを、プログラマブルコントローラ等の制御装置に適用する場合、コスト低減或いは装置サイズ縮小等の目的から、各局をブロック型のモジュールで構成し、このモジュールを複数連結して複数の局からなる局群(以後、ユニットともいう)を生成し、この局群同士を接続することにより、多数の局からなるリング型ネットワークシステムを構成することが多い。
【0006】
この場合、例えば、図10又は図1に示すようなシステム構成をとっている。
すなわち、図10の場合には、例えば、マスタ局“1”及びスレーブ局“3”〜“6”が一つの局群を構成し、同様に、スレーブ局“10”〜“15”、スレーブ局“16”〜“20”及びスレーブ局“22”がそれぞれ局群を構成している。そして、例えばモジュールで構成される各局のうち、同一局群に属する局を同一筐体に実装すること等により、同一局群に属する局からなるユニットUが局群毎に形成される。各ユニットUにおいて各局は一列に配置され、さらに各ユニットUにおいて伝送フレームが最後に伝達される終端の局の伝送フレーム送信側には、折り返し回路Mが接続されている。
【0007】
この折り返し回路Mは、終端の局からの伝送フレームを、後段のユニットUに中継するための回路であって、例えば、リピータ等の、波形整形等を行なう回路で構成される。
そして、各ユニットUにおいて、伝送フレームは、始端の局から順に終端の局にまで順次伝達され、折り返し回路Mを介して後段のユニットUの始端の局に中継される。このとき、ユニットUでは、始端の局側の端部において、他のユニットUと接続されており、ユニットUにおいて、各局を接続する回線は、一列に配置された各局に沿って直線的に配置されるが、折り返し回路Mにおいて逆方向に折り返され、ユニットUの始端の局側の端部まで引き回された後、後段のユニットUの始端の局に接続される。
【0008】
そして、伝送フレームが、折り返し回路Mから、その後段のユニットUの始端の局に中継されることにより、複数の局は、各ユニットUに分かれて配置されているものの、各局が一連の回線Lによりリング状に接続されたリング型ネットワークシステムが構成されている。
また、図1の場合も同様に、各局は複数のユニットUに分かれて配置されているが、各ユニットUにおいて各局は双方向回線により接続され、ユニットU内における終端の局において双方向回線の往き線と戻り線とを局内部で、或いは、往き線側の出力端子と戻り線側の入力端子とをケーブルにより接続すること等により、伝送フレームを伝送する回線(往き線)を終端の局において折り返し、始端の局側まで回線(戻り線)を引き戻した後、ユニットUの始端の局側の端部側から、後段のユニットUに接続している。
【0009】
このため、各ユニットUにおいて、伝送フレームは、その始端の局から終端の局に往き線を介して順次伝達され、終端の局において、往き線及び戻り線を短絡することにより回線が折り返され、伝送フレームは、終端の局から、再度始端の局まで戻り線を介して伝達された後、この始端の局からその後段のユニットUの始端の局に伝達される。
そして、ユニットU内を一巡した伝送フレームが始端の局から後段のユニットUの始端の局に伝達されることにより、各ユニットUに分かれているものの、各局が論理的にリング状に接続されたリング型ネットワークシステムが構成されている。
【0010】
このように図10や図1に示す構成とした場合であっても、各局は、リング状に接続された場合と同等となり、伝送フレームは各局を順次経由して伝達されるため、各局では、伝送フレームに付加された他局の局情報から、自局の両隣に接続されている局や自局の上流側に存在する局或いは下流側に存在する局を認識することができる。このため、各局は自局と他局との接続位置関係を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−84142号公報
【特許文献2】特開2002−171268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、プログラマブルコントローラ等の制御装置においては、一般的に、システムを徐々に増築することによりシステムの拡充が図られている。例えば工場や製造装置の拡大、拡張等に伴い、必要に応じて例えばブロック型のモジュールを追加していく方式がとられている。
そのため、多くのプログラマブルコントローラ等の制御装置は、図10、図1に示すようにベースボードにモジュールを嵌め込むこと、或いはコネクタ接続を行なうこと等により増設を図るビルディングブロック型の構造を持っており、それら個々のモジュールにこれらモジュールを特定する局番号を割りつけて、システムを構成している。
【0013】
このようなシステム構成をとる場合、物理的な配置位置の観点から、拡張する位置としてどの位置が適しているかというと、各ユニットUの終端の局の隣が最も増設しやすいと考えられる。つまり、図10、図1に示すように、モジュール(局)が筐体に実装されてユニットUが構成されている場合には、ユニットUにおいて隣接するモジュール(局)同士の間等ではなく、ユニットUの終端のモジュール(局)の隣に増設することが物理的な観点から容易であると考えられる。
【0014】
ここで、図10に示すような一般のリング型ネットワーク構成の場合、すなわち、各局をリング状に接続することによりリング型ネットワークを構築している場合、或いは図1に示すように、双方向回線により直列に局を接続し、その両端の局において双方向回線の二つの回線同士を折り返し接続することにより論理的なリング型ネットワークを構築した場合、マスタ局は、前述のように、各局の接続順序を認識することはできるものの、システム構成上における物理的な配置状況を把握することはできない。つまり、リング型ネットワークにおける各局の接続順序は把握することはできるが、例えば図10や図1に示すように、各局が複数のユニットUに分かれて配置されている場合には、どのユニットUにどの局が配置されておりどの局がユニットUにおける終端の局であるのかまでは認識することはできない。
【0015】
このため、新たにモジュールを増設する場合等には、マスタ局側では、増設に適した箇所がどこであるかを把握することができない。
一般に、プログラマブルコントローラのような制御装置を備えたネットワークシステムは、マスタ局となるプロセッサモジュールと、そのモジュールが使用するスレーブ局である入出力データを扱う機器とで構成される。プログラマブルコントローラ等においては、マスタ局は制御演算のほか、システムの維持管理処理を担当するため、システムが増築可能な構成に設計されている場合には、マスタ局側で、増築可能な位置を予め把握しオペレータに情報提供を行なうことが望まれる。
【0016】
そのため、プログラマブルコントローラのような制御装置を備えたネットワークシステムでは、支援ソフトウェア等から、システム構成情報を予めダウンロードするようになっているが、増築可能な位置、すなわち各ユニットUの終端に位置する局の情報は、付帯情報として予め設定しておく必要がある。
ここで、システム構成情報を予め設定しておく場合、支援ソフトウェアで設定したシステム構成情報と現時点での実際のシステム構成情報とが合致していなければならない。
【0017】
しかしながら、支援ソフトウェアにシステム構成情報を登録した後、システム構成を変更した場合等には、支援ソフトウェアで認識しているシステム構成情報と、実際のシステム構成情報とが異なってしまう。また、システム構成の変更に伴って、各ユニットUにおける局の配置状況も変更される可能性があり、終端に位置する局が変わってしまう可能性もある。
【0018】
このように支援ソフトウェアで認識しているシステム構成情報と、実際のシステム構成情報とが異なってしまったとしても、マスタ局では、この相違を検出することができない。このため、誤ったシステム構成情報にしたがって処理を行なうことになる。
そこで、この発明は上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、システムを構成する各局の物理的な配置状況をマスタ局で容易に把握することの可能なネットワークシステム及びネットワークシステムのシステム構成解析方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、1又は複数の局からなる局群を有し、前記局群毎に前記局群に属する局が一列に配置されて局列を形成し、且つ前記局列の終端で回線を折り返すことにより、伝送フレームを、前記局の並び順に前記局を順次経由して伝送するリング状の伝送経路が形成されたネットワークシステムにおいて、前記局列それぞれにおける回線には、前記局列における前記回線の折り返し位置を特定する折り返し情報を、ネットワーク構成情報収集用の収集用フレームに付加する折り返し情報付加手段が設けられ、前記局のうちマスタ局となる一の局は、前記収集用フレームを送出する収集用フレーム送出手段と、前記伝送経路を一巡した前記収集用フレームに基づき所定の処理を実行する収集用フレーム処理手段と、を有し、前記マスタ局を除く他の局は、自局を特定する情報を局情報として前記収集用フレームの予め設定された位置に順次付加する局情報付加手段、を備えることを特徴としている。
【0020】
また、請求項2に係る発明は、前記局群に含まれる局は往き線と戻り線とからなる回線により一列に接続されると共に、前記局列の終端に位置する局である終端局で前記回線を折り返すことにより前記局群内を前記収集用フレームが往復するように構成され、前記回線のうちの前記往き線を介して前記終端局まで伝達された前記伝送フレームを、前記戻り線を介して前記局列の始端に位置する局である始端局に戻し、当該始端局から後段の局列の始端局に伝達するようにしたネットワークシステムであって、前記折り返し情報付加手段は、前記終端局に設けられていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、前記局群に含まれる局は一列に接続され、且つ前記局列の終端に、当該局列の終端に位置する局である終端局と後段の局列の始端に位置する局である始端局との間で前記伝送フレームの中継を行なう中継回路が設けられ、前記折り返し情報付加手段は、前記中継回路に設けられていることを特徴としている。
さらに、請求項4に係る発明は、前記収集用フレーム処理手段は、前記収集用フレームに順次付加された前記局情報及び前記折り返し情報に基づきシステム構成を解析する解析手段を備えることを特徴としている。
さらにまた、請求項5に係る発明は、前記解析手段は、前記解析結果をシステム構成図として表示する表示手段を有し、且つ該表示手段は前記局列それぞれにおける前記局及び前記折り返し情報付加手段の配置位置と、前記局列同士の配置位置関係とを明示することを特徴としている。
【0022】
また、本発明の請求項6に係る発明は、1又は複数の局からなる局群を有し、前記局群毎に前記局群に属する局が一列に配置されて局列を形成し、且つ前記局列の終端で回線を折り返すことにより、伝送フレームを、前記局の並び順に前記局を順次経由して伝送するリング状の伝送経路が形成されたネットワークシステムのシステム構成解析方法であって、前記局列それぞれにおける回線に、前記局列における前記回線の折り返し位置を特定する折り返し情報を、ネットワーク構成情報収集用の収集用フレームに付加する折り返し情報付加手段を設け、前記局のうちマスタ局となる一の局が前記収集用フレームを送出し、前記収集用フレームに対して他の局が自局を特定する情報を局情報として予め設定された位置に付加すると共に前記折り返し情報付加手段が前記折り返し情報を付加し、前記伝送経路を一巡した前記収集用フレームに付加された前記局情報及び前記折り返し情報に基づき前記マスタ局でシステム構成を解析することを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ネットワークシステムを構成する局が、一又は複数の局からなる局群に分けられ且つ各局群に属する局が一列に配置されて局列を形成し、各局列の終端で回線が折り返されてなるネットワークシステムにおいて、各局列の終端に折り返し情報付加手段を設け、収集用フレームに、各局が局情報を所定の順で付加し且つ折り返し情報付加手段により局列における回線の折り返し位置を特定する折り返し情報を付加するようにしたから、マスタ局では、各局の局情報或いは折り返し情報等、各局の配置位置や状態を特定することの可能な情報を容易に獲得することができる。
【0024】
特に、請求項4に係る発明では、収集用フレームに付加された各種情報をもとに解析手段により、システム構成を解析するようにしたため、マスタ局では、各局の配置位置といったシステム構成を容易に把握することができ、且つ現在の配置状況に沿ったシステム構成を容易に把握することができる。
さらに請求項5に係る発明では、解析結果を表示手段にシステム構成図として表示しているため、オペレータは、システム構成図を参照することによって、各局の配置状況など実際のシステム構成を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用したネットワークシステムの一例を示す構成図である。
【図2】収集用フレームの一例を示す構成図である。
【図3】収集用フレーム及びその動作説明に供する一例を示す説明図である。
【図4】マスタ局で実行されるシステム構成検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】スレーブ局で実行される収集用フレーム受信時の処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】局構成情報テーブルTの一例である。
【図7】解析結果の一例である。
【図8】メモリマップの一例である。
【図9】リング型ネットワークシステムの一例を示す概略構成図である。
【図10】リング型ネットワークシステムの一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
この実施の形態は、図1に示す論理的なリング型ネットワークシステムを実現するネットワークシステムに適用したものである。すなわち、各局は、複数の局群に分けられ、局群毎に一つのユニットUを形成している。そして、各局に対応するモジュールは、例えば、ベースボードに嵌め込むことにより、これら局群が接続されるようにした、ビルディングブロック型のモジュール構成となっている。
なお、ここでは、各局を、ベースボードを用いて接続するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば各局のモジュール同士を、コネクタ実装により接続するモジュール構成をとることも可能である。
【0027】
そして、各ユニットUにおいて、各局は、2本の回線を有する双方向回線L10により接続され、ユニットU内において伝送フレームが最後に伝達される終端の局において、双方向回線L10のうちの一方の回線である往き線Laと他方の回線である戻り線Lbとを局内部で折り返すか或いは、往き線La側の出力端子と戻り線Lb側の入力端子同士を別途ケーブルで接続すること等により、往き線Laと戻り線Lbとを接続し、回線(往き線La)を折り返して始端の局側に回線(戻り線Lb)を引き回す“回線の折り返し”を行なうことにより、往き線Laを介して終端の局に伝達された伝送フレームが、戻り線Lbを介して終端の局から始端の局まで順に伝達され、始端の局から、ユニット間回線Luを介してその後段のユニットUの始端の局に伝達されるようになっている。
【0028】
これにより、例えばマスタ局“1”から送出された伝送フレームは、スレーブ局“3”、スレーブ局“4”、スレーブ局“5”、スレーブ局“6”に伝達された後、スレーブ局“6”から再度スレーブ局“5”、スレーブ局“4”、スレーブ局“3”、マスタ局“1”に伝達され、マスタ局1から、後段のユニットUの始端に位置するスレーブ局“10”に伝達される。そして、スレーブ局“10”からこのユニットUの終端の局であるスレーブ局“15”にまで伝達された後、再度各スレーブ局“14”〜“11”を経てスレーブ局“10”に伝達され、スレーブ局“10”から後段のユニットUのスレーブ局“16”にまで伝達され、同様に、スレーブ局“16”〜スレーブ局“20”、スレーブ局“20”〜スレーブ局“16”、スレーブ局“22”〜マスタ局“1”の順に各局を経て伝送フレームが伝送されることにより、論理的なリング型ネットワークが構成され、伝送フレームが各局を一巡してマスタ局“1”に戻るようになっている。
【0029】
マスタ局“1”は、スレーブ局に対して伝送フレームを送信し、公知の手順で他局との間で伝送フレームの送受信を行なうと共に、システム構成を検出するためのシステム構成検出処理を行ない、各局の配置位置や“折り返し”を行なっているかどうか等といったステータス情報を獲得するための収集用フレームを作成し各局宛に送信する。また、マスタ局“1”は、各局を一巡した収集用フレームに各局により付加された局情報に基づきシステム構成の解析を行なう。
一方、スレーブ局は、公知のスレーブ局と同様に、マスタ局“1”や他のスレーブ局との間で伝送フレームを送受信して所定の処理を実行する。また、収集用フレームを受信したときには、この収集用フレームに、自局を特定する情報及びステータス情報といった局情報を付加して送信する。
【0030】
図2は、マスタ局“1”から送信される収集用フレーム50の構成の一例を示したものである。
この収集用フレーム50は、例えば図2に示すように、フレームヘッダ部51と、データ部52と、フッタ部53とで構成される。
フレームヘッダ部51には、送信元であるマスタ局のアドレス、送信先である各スレーブ局のアドレス、フレーム長等のデータが格納される。データ部52には、ここでは、マスタ局の局番号、マスタ局であることを表す局種情報、マスタ局がユニットUの終端に配置された局であり双方向回線の往き線及び戻り線同士を接続する“折り返し”を行なっているか否かを表すステータス情報(例えば、折り返しフラグのON/OFFでステータスを表記する)、等からなる局情報が格納される。マスタ局“1”では、データ部52の先頭領域に局情報を格納する。フッタ部53には、伝送誤り検出用のフレームチェックシーケンス(FCS)等が格納される。
【0031】
図3は、スレーブ局により局情報が付加された収集用フレーム50の一例を示す構成図である。
図3に示すように、スレーブ局は、受信した収集用フレーム50のデータ部52の空き領域の始端から順に、自局の局番号、スレーブ局であることを表す局種情報、自局がユニットUの終端に配置された局であるか否かを表すステータス情報等、を局情報として格納する。
各スレーブ局は、データ部52の空き領域の先頭から順に自局の局情報を格納するため、図3(a)、(b)に示すように、データ部52には、伝送フレームが伝達される順に各局の局情報が格納されることになり、すなわち各スレーブ局の接続順に各スレーブ局の局情報が格納されることになる。
【0032】
ここで、各局では、自局がユニットUにおいて終端に位置する局であるか否かを次のように判断する。例えば、ユニットUにおいて終端に位置する局で、オペレータがスイッチ操作を行なう、或いはキーボードなどにより入力を行なう等、ハードウェアへの設定を行なうことにより実現する。これによって、各局では、スイッチ操作或いはキーボード入力などによりユニットU内における終端の局であることが設定されていれば、自局が終端の局であると認識することができる。
【0033】
次に、上記実施の形態の動作を図4及び図5のフローチャートを伴って説明する。
なお、図4は、マスタ局“1”で実行されるシステム構成検出処理、図5は、スレーブ局で実行される、収集用フレーム受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
マスタ局“1”は、予め設定されたタイミングで図4のシステム構成検出処理を実行する。例えば、システム起動時、或いは、システムにおいて異常が生じた局をネットワークから切り離す等といった異常に対する処理を終了したとき等、システム構成が変更された可能性があるとき等に、システム構成検出処理を実行する。
【0034】
そして、まずステップS1で、各局の配置状況を獲得するための収集用フレーム50を作成し、これを各局宛に送信する。すなわち、図2に示すように、収集用フレーム50のフレームヘッダ部51には、自局のアドレス、送信先として全局のアドレスを指定する。また、データ部52には、マスタ局の局番号、図1の場合には“1”、局種情報は“マスタ局”、ステータス情報は“折り返しなし”として設定しこれらを局情報として格納する。また、フッタ部53にはFCS等を設定する。そして、これをマスタ局“1”が属するユニットUの往き線La上に送出する。
【0035】
マスタ局“1”から送信された収集用フレーム50はその下流に配置されたスレーブ局“3”で受信される。
スレーブ局“3”は、収集用フレーム50を受信すると図5の収集用フレーム受信時の処理を実行する。この場合、往き線Laから収集用フレーム50を受信したため、図5のステップS11からステップS12に移行し、自局の局情報を付加する。すなわち、自局の局番号は“3”、局種情報は“スレーブ局”、ステータス情報は“折り返しなし”として局情報を生成し、これを、受信した収集用フレーム50のデータ部52の空き領域の先頭に格納する。
【0036】
これにより、図3に示すように、マスタ局“1”の局情報の次に、スレーブ局“3”の局情報が格納される。そして、フッタ部53のFCSの更新等を行なう。そして、スレーブ局“3”は終端の局ではなく“折り返し”を行なっていないため、収集用フレーム50を往き線La上に送出する(ステップS13)。
スレーブ局“3”から送出された収集用フレーム50は、次にスレーブ局“4”で受信される。スレーブ局“4”でも同様にして、局番号は“4”、局種情報は“スレーブ局”、ステータス情報は“折り返しなし”として局情報を生成し、これを受信した収集用フレーム50のデータ部52のスレーブ局“3”の局情報の次に格納する。同様にスレーブ局“5”でも局情報を設定し、これをスレーブ局“4”の局情報の次に格納する。
【0037】
そして、スレーブ局“6”でも同様にして局情報を設定するが、スレーブ局“6”はユニットUにおける終端の局であって“折り返し”を行なっているため、局番号は“6”、局種情報は“スレーブ局”、ステータス情報は“折り返しあり(ON)”として局情報を設定し、これを収集用フレーム50のデータ部52のスレーブ局“5”の局情報の次に格納する。
この時点で、収集用フレーム50には、図3(a)に示すように、マスタ局“1”、スレーブ局“3”、スレーブ局“4”、スレーブ局“5”、スレーブ局“6”の局情報が格納されることになる。
【0038】
スレーブ局“6”は、終端の局であるため、スレーブ局“6”から往き線Laに送出された収集用フレーム50は、スレーブ局“6”で“折り返し”が行なわれスレーブ局“6”では戻り線Lbから収集用フレームを受信することになる。このため、図5のステップS11からステップS16に移行し、受信した収集用フレーム50をそのまま戻り線Lbに送出する。
そして、スレーブ局“6”から送出された収集用フレーム50は、スレーブ局“5”で受信されるが、そのまま戻り線Lbに送出され、戻り線Lbに送出された収集用フレーム50は、スレーブ局“5”、スレーブ局“4“、スレーブ局“3”を介してマスタ局“1”に伝達される。
【0039】
なお、ここでは、戻り線Lbから受信した収集用フレーム50はそのまま戻り線Lbに送出するようにしているが、戻り線Lbから受信した収集用フレーム50に格納されている局情報に基づき、各局において自局の下流側に位置する局の接続状況を把握するようにしてもよい。
マスタ局“1”では、戻り線Lbから収集用フレーム50を受信すると、図4のステップS2からステップS3に移行し、後段ユニットUの双方向回線の往き線Laとなるユニット間回線Lu上に収集用フレーム50を送出する。
【0040】
ユニット間回線Lu上に送出された収集用フレーム50は、スレーブ局“10”で受信され、スレーブ局“10”では、上記と同様の手順で局情報を生成しこれを収集用フレーム50に格納する(図5のステップS11〜S13)。そして、各スレーブ局“11”〜スレーブ局“15”でも同様に処理を行なうことにより、収集用フレーム50のデータ部52には、スレーブ局の並び順に、各スレーブ局の局情報が格納される。このとき、スレーブ局“15”はユニットUにおける終端の局であるためステータス情報は“折り返しあり”として設定する。
【0041】
そして、スレーブ局“15”が収集用フレームを往き線La上に送出すると、スレーブ局“15”では“折り返し”を行なっているため、収集用フレーム50は往き線Laから戻り線Lbに送出され、各スレーブ局“14”〜“11”を経てスレーブ局“10”に伝達される。このスレーブ局“10”が、ユニット間回線Luとなる戻り線Lbに収集用フレーム50を送出することにより、収集用フレーム50はユニット間回線Luを介して後段のユニットUに伝達され後段ユニットUのスレーブ局“16”では、このユニット間回線Luを往き線Laと認識して収集用フレーム50を受信する。
【0042】
そして、このユニットUでも同様の手順で、各局において局情報が付加されながら、スレーブ局“16”〜スレーブ局“19”を経てスレーブ局“20”に伝達され、スレーブ局“20”ではステータス情報を“折り返しあり”として局情報を収集用フレーム50に付加する。そして、ユニットUの終端の局であるスレーブ局“20”で“折り返し”が行なわれ、収集用フレーム50は、スレーブ局“20”〜スレーブ局“17”を経てスレーブ局“16”に伝達される。
【0043】
そして、スレーブ局“16”が、ユニット間回線Luとなる戻り線Lbに収集用フレーム50を送出すると、収集用フレーム50はユニット間回線Luを介して後段のユニットUに伝達され後段ユニットUのスレーブ局“22”では、このユニット間回線Luを往き線Laと認識して収集用フレーム50を受信する。
スレーブ局“22”はステータス情報を“折り返しあり”として局情報を収集用フレーム50に付加し往き線Laに送出するが、スレーブ局“22”では“折り返し”を行なっているため、収集用フレーム50は、スレーブ局22からユニット間回線Luとなる戻り線Lbに送出され、ユニット間回線Luを介してマスタ局“1”に伝達される。
【0044】
これにより、マスタ局“1”から送出した収集用フレーム50が、システムを構成する各局を一巡してマスタ局“1”に戻ってきたことになる。
このため、この時点における収集用フレーム50には、このネットワークシステムを構成する各局の局情報が付加されているため、そのデータ部52には、図3(b)に示すように、収集用フレーム50が伝達された局の順、すなわち、マスタ局“1”、スレーブ局“3”、…、スレーブ局“10”、…、スレーブ局“16”、…、スレーブ局“22”の順に各局の局情報が格納されている。
【0045】
そして、マスタ局“1”では、前段のユニットUから収集用フレーム50を受信したことから、図4のステップS4からステップS5に移行し、収集用フレーム50のデータ部52に格納されている各局の局情報に基づいてシステム構成を解析する。
ここで、各局では、局情報を、データ部52に順に格納しているため、局情報の格納順は、すなわち、各局の接続順を表すことになる。
【0046】
また、各局は自局がマスタ局であるかスレーブ局であるかを局種情報として付加しているため、局種情報から、どの局がマスタ局であるか、どの局がスレーブ局であるかを検出することができる。また、各ユニットUの終端に位置し“折り返し”を行なう終端の局ではステータス情報として“折り返しあり”を設定しているため、ステータス情報から、どの局が“折り返し”を行なっている終端の局であるかを認識することができる。
【0047】
マスタ局“1”では、各局情報を先頭から順に読み出し、これをもとに例えば図6に示す局構成情報テーブルTを生成する。この局構成情報テーブルTは、例えば、局番と、マスタ局であるかスレーブ局であるかといった局情報と、“折り返し”ありか否かのステータス情報とからなる。なお、局構成情報テーブルTにおいて、“1”が設定されている場合には、対応する局番を有する局は、マスタ局或いはスレーブ局或いは“折り返しあり”であることを表し、“0”では、そうではないことを表す。
【0048】
続いて、マスタ局“1”ではこの局構成情報テーブルTから、システム構成を解析し、解析結果を例えば表示装置等に表示する(図4 ステップS6)。
すなわち、収集用フレーム50に格納されている局情報の並び順は、各局の接続順と同一であるため、局構成情報テーブルTにおいて、先頭から順に、すなわち、局“1”、“3”、“4”、…“22”の順に各局が接続されたネットワークが形成されていることを認識することができ、局番“1”の局がマスタ局、その他の局がスレーブ局であることを認識することができる。
【0049】
また、局“6”、“15”、“20”、“22”は、“折り返しあり”であるため、これら局が各ユニットにおける終端の局であることを認識することができる。したがって、局構成情報テーブルTにおいて始端の局“1”から“折り返しあり”である局“6”が一つのユニットUに実装され、局“6”がユニットUにおいて終端に位置し、この局で“折り返し”が行なわれていることを認識することができる。同様に、局“6”の次に接続される局番“10”から“折り返しあり”である局“15”までが、一つのユニットUに実装され、局“15”がユニットUにおける終端に位置する局であると認識することができる。
【0050】
また、局“15”の次の接続される局番“16”から“折り返しあり”である局“20”までが一つのユニットUに実装され、局“20”がユニットUにおける終端に位置する局であると認識することができる。そして、局“20”に接続される局“22”は、この局自身が“折り返しあり”であるため、局“22”が一つのユニットUに実装され、且つ局“22”が終端に位置している、すなわち、このユニットUには、局“22”のみが実装されていると認識することができる。
【0051】
したがって、これらの情報から、マスタ局“1”では、各局の物理的な配置状況として、図7に示すようなシステム構成図を得ることができ、これは、図1に示す、ネットワークシステムの実際の配置状況と同等のシステム構成図となる。
図7に示すように、マスタ局“1”において、このシステム構成図を表示装置60に出力することによって、オペレータは、表示装置60の画面を参照するだけで、現在のシステム構成を容易に認識することができる。そして、このシステム構成は、現在のシステム構成に沿った構成図であるため、オペレータは、マスタ局“1”で生成したシステム構成図を参照することによって、現時点におけるシステム構成を認識することができる。そして、このシステム構成図は、単に、各局がどのような順に接続されているかを表すだけでなく、図7に示すように、どの局とどの局とが同一ユニットUに実装されているのか、ユニットUにおいてどの局が終端に配置されているのか、といったユニットU内における各局の配置状況を含めて、物理的な配置状況を情報提供することができる。
【0052】
したがって、オペレータは、このシステム構成図から、システムがいくつのユニットUから構成されているか、ユニットUがどのように接続されているのか、各ユニットUはどの局で構成されるのか、各ユニットUにおいて終端に接続される局はどの局であるのか等といったユニットU内の配置状況のレベルまで、システム構成を把握することができる。
このため、例えば、何れかの局において異常が生じた場合には、システム構成図においてその局を強調表示すれば、オペレータは、どのユニットの何番目に実装されている局(モジュール)に異常が生じているかを容易に把握することができ、ヒューマンインタフェース装置の画面情報への展開が可能となり、保守性を大幅に向上させることができる。
【0053】
また、上述のように、モジュールからなる各局をユニットに実装し、複数のユニットU同士を接続してシステムを構成する場合等、ベースボード実装のビルディングブロック型のモジュール構成をとる場合、或いはコネクタ実装によるブロック型のモジュール構成をとり、各局群を一つのまとまりとしてこれら局群同士を接続して一つのネットワークを構成する場合、各局群において終端の位置に配置された局の隣は増設に適した箇所であることを表す。
【0054】
したがって、システムの構成拡張を行なう場合には、オペレータは、システム構成図を参照し、ユニット内の構成を把握することによって、どの位置に増設すればよいかを容易に把握することができる。
また、このように、システム構成図からシステム構成拡張に適した位置を把握することができるため、言い換えれば、システムの構成拡張を行なうとしたら、どの位置に増設される可能性があるかを予め把握することができる。
【0055】
したがって、例えばネットワークのメモリマップにおいて、図8に示すように、各局のメモリ領域を局の並び順に設定している場合等には、システム構成図から、どの局とどの局との間に将来拡張する可能性があるかを認識することができるため、これを考慮して、予め空き領域にメモリリソースをある程度確保しておく等の処理をシステムの初期化処理に追加することにより、将来の局の追加による拡張時に、全体的なメモリマップを再構成することなく対応することができる。
【0056】
つまり、図1のシステム構成の場合、“折り返し”を行なう局である、スレーブ局“6”、“15”、“20”、“22”の隣に、局が増設される可能性がある。したがって、これら“折り返し”を行なう局の直後の位置に空き領域を確保する。このように増設分を考慮して空き領域を確保しておけば、例えばスレーブ局“6”の隣にスレーブ局“7”が増設された場合には、予め空き領域として確保していた、スレーブ局“6”のメモリ領域の直後の領域にスレーブ局“7”のメモリ領域を設定すれば、スレーブ局“7”を追加した場合であっても、局の並び順にメモリ領域を確保することができる。
【0057】
また、局番が連続している場合であっても、終端の局の隣には新たに局が追加される可能性があるため、終端の局のメモリ領域の直後の領域に空き領域を確保しておけば、局の並び順にメモリ領域を確保することができる。
また、伝送フレームを後段のユニットUに伝達するための“折り返し”ありか否かを収集用フレームに付加するための機能をユニットU内の終端の局にもたせている。したがって、“折り返し”ありか否かを通知するための回路或いは装置を、ユニットU内に別途設けることなく実現することができるため、その分、ユニットUの小型化を図ることができ、すなわち、コスト面及び装置の小型化の面で有効である。
【0058】
なお、上記実施の形態においては、図1に示すように、ユニットU内では各局を双方向回線で接続し、終端の局で“折り返し”を行なうことにより論理的なリング型のネットワークシステムを構成する場合について説明したが、これに限らず、図10に示すように、ユニットU内の終端の局の隣に折り返し回路Mを接続し、ユニットU内の各局を経由した伝送フレームを折り返し回路Mから直接後段のユニットUに伝達する構成とすることも可能である。
この場合には、折り返し回路Mに、伝送フレームを後段のユニットUに中継する機能と、収集用フレーム50を受信したときには、この収集用フレーム50のデータ部52の所定の領域に“折り返し”を行なっている折り返し回路であることを表す情報を付加する機能とをもたせるようにすればよい。
【0059】
また、上記実施の形態においては、マスタ局“1”において、収集用フレーム50に付加された情報からシステム構成を解析するようにした場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、収集用フレーム50に付加された各種付加情報を表示装置60等に表示させるようにしてもよく、或いはマスタ局“1”において各種付加情報に基づき、図6に示す局構成情報テーブルTを生成し、これを表示装置60等に表示させるようにして、オペレータが、付加情報或いは局構成情報テーブルTを参照することによりシステム構成を解析するようにしてもよい。
【0060】
ここで、上記実施の形態において、図4のステップS1の処理が収集用フレーム送出手段に対応し、図4のステップS5及びステップS6の処理が収集用フレーム処理手段及び解析手段に対応し、ステップS6において、解析結果を表示装置に表示する処理が表示手段に対応し、図5のステップS12の処理が折り返し情報付加手段及び局情報付加手段に対応している。
また、図10の折り返し回路Mが中継回路に対応している。
【符号の説明】
【0061】
50 収集用フレーム
La 往き線
Lb 戻り線
Lu ユニット間回線
M 折り返し回路
T 局構成情報テーブル
U ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の局からなる局群を有し、前記局群毎に前記局群に属する局が一列に配置されて局列を形成し、且つ前記局列の終端で回線を折り返すことにより、伝送フレームを、前記局の並び順に前記局を順次経由して伝送するリング状の伝送経路が形成されたネットワークシステムにおいて、
前記局列それぞれにおける回線には、前記局列における前記回線の折り返し位置を特定する折り返し情報を、ネットワーク構成情報収集用の収集用フレームに付加する折り返し情報付加手段が設けられ、
前記局のうちマスタ局となる一の局は、前記収集用フレームを送出する収集用フレーム送出手段と、
前記伝送経路を一巡した前記収集用フレームに基づき所定の処理を実行する収集用フレーム処理手段と、を有し、
前記マスタ局を除く他の局は、自局を特定する情報を局情報として前記収集用フレームの予め設定された位置に順次付加する局情報付加手段、を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記局群に含まれる局は往き線と戻り線とからなる回線により一列に接続されると共に、前記局列の終端に位置する局である終端局で前記回線を折り返すことにより前記局群内を前記収集用フレームが往復するように構成され、
前記回線のうちの前記往き線を介して前記終端局まで伝達された前記伝送フレームを、前記戻り線を介して前記局列の始端に位置する局である始端局に戻し、当該始端局から後段の局列の始端局に伝達するようにしたネットワークシステムであって、
前記折り返し情報付加手段は、前記終端局に設けられていることを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記局群に含まれる局は一列に接続され、且つ前記局列の終端に、当該局列の終端に位置する局である終端局と後段の局列の始端に位置する局である始端局との間で前記伝送フレームの中継を行なう中継回路が設けられ、
前記折り返し情報付加手段は、前記中継回路に設けられていることを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記収集用フレーム処理手段は、前記収集用フレームに順次付加された前記局情報及び前記折り返し情報に基づきシステム構成を解析する解析手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記解析手段は、前記解析結果をシステム構成図として表示する表示手段を有し、且つ該表示手段は前記局列それぞれにおける前記局及び前記折り返し情報付加手段の配置位置と、前記局列同士の配置位置関係とを明示することを特徴とする請求項4記載のネットワークシステム。
【請求項6】
1又は複数の局からなる局群を有し、前記局群毎に前記局群に属する局が一列に配置されて局列を形成し、且つ前記局列の終端で回線を折り返すことにより、伝送フレームを、前記局の並び順に前記局を順次経由して伝送するリング状の伝送経路が形成されたネットワークシステムのシステム構成解析方法であって、
前記局列それぞれにおける回線に、前記局列における前記回線の折り返し位置を特定する折り返し情報を、ネットワーク構成情報収集用の収集用フレームに付加する折り返し情報付加手段を設け、
前記局のうちマスタ局となる一の局が前記収集用フレームを送出し、前記収集用フレームに対して他の局が自局を特定する情報を局情報として予め設定された位置に付加すると共に前記折り返し情報付加手段が前記折り返し情報を付加し、
前記伝送経路を一巡した前記収集用フレームに付加された前記局情報及び前記折り返し情報に基づき前記マスタ局でシステム構成を解析することを特徴とするネットワークシステムのシステム構成解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−4149(P2011−4149A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145351(P2009−145351)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】