説明

ネットワークプロジェクタシステム及びその制御方法

【課題】プレゼンテーション・ファイルを容易にアクセスできる単純なインターフェースをユーザに提供する。
【解決手段】本システムは、書込可能媒体に格納され、ネットワーク上のクライアント・コンピュータ14上で少なくとも部分的に実行可能なクライアント・ソフトウェアを含み、プレゼンテーション・ファイルを選択されたネットワーク・プロジェクタ12に向ける際にユーザを支援するよう構成されたインターフェースを提供する。また、プレゼンテーション・マネージャ・ソフトウェアも含み、プレゼンテーション・ファイル、およびプロジェクタ・コンピュータ22に結合されたネットワーク・プロジェクタの格納とアクセスを管理するプレゼンテーション・マネージャ18を生成し、プロジェクタ・コンピュータは、ネットワークに結合され、プレゼンテーション・マネージャと通信して、選択されたプロジェクタ上にプレゼンテーション・ファイルを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にプロジェクタ、より詳細にはネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディジタル・プロジェクタなどのプロジェクタが、観客に対するコンテンツのプレゼンテーション用ツールとして人気を博するようになってきている。プロジェクタは、一般に、コンピュータで生成されたプレゼンテーションを表示面に投影し、それによって、ユーザが高品質で本格的に見える画像を一定の規模の観客に容易に提示することができる。その結果このようなプロジェクタを会議室や他のミーティング設備の常設備品としてよく見かけるようになった。
【0003】
プレゼンテーションが、いくつかの方式のうちのいずれかで表示するためにプロジェクタに提供される。典型的には、プレゼンテーションが格納されているポータブル・コンピュータをユーザがプロジェクタに直接接続する。あるいは、会議室に、ユーザが自身のプレゼンテーションにアクセスするために使用できる、プロジェクタにリンクされた専用コンピュータが設けられている。実施形態によっては、専用コンピュータは、ユーザがネットワーク上に格納されているプレゼンテーションにアクセスできるようにネットワークにリンクされている。
【0004】
[関連出願]
(関連出願の相互引用) 本出願は、2001年9月28日に出願されたDe Tran、Kevin Thompson、Steve Murthaによる「SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING A NETWORK PROJECTOR INTERFACE SYSTEM」(米国特許仮出願第60/325,849号)を基礎とする優先権の利益を主張するものであり、その開示を参照により本明細書に組み込んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザがユーザ・インターフェースを学習したり使用したりすることが困難であると、このようなネットワークにリンクされたプロジェクタ・システムによって提供される利点が充分には実現できない。たとえば、インターフェースの設計が不十分であったり使用することが困難であると、ユーザは、プレゼンテーション・ファイルを格納、配置、変更、アクセスすることに困難を感ずる。したがって、プレゼンテーション・ファイルを容易に操作でき、かつそのファイルに容易にアクセスできる単純なインターフェースをユーザに提供するネットワーク・プロジェクタ・ユーザ・インターフェース・システムが依然必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一言で言えば、本発明の一態様にはネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムが含まれる。ネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムは、一般に、書込可能媒体に格納され、かつネットワーク上のクライアント・コンピュータ上で少なくとも部分的に実行可能なクライアント・ソフトウェアを含む。クライアント・ソフトウェアは、プレゼンテーション・ファイルを選択されたネットワーク・プロジェクタに向ける際にユーザを支援するよう構成されたクライアント・インターフェースを提供する。本システムは、ネットワーク上で実行可能な書込可能媒体に格納されるプレゼンテーション・マネージャ・ソフトウェアをさらに含む。プレゼンテーション・マネージャ・ソフトウェアは一般に、プレゼンテーション・ファイルへの格納とアクセスを管理するよう構成されたプレゼンテーション・マネージャを提供する。また、本システムはプロジェクタ・コンピュータに結合されたネットワーク・プロジェクタも含む。そのプロジェクタ・コンピュータはネットワークに結合され、かつ、選択されたネットワーク・プロジェクタでプレゼンテーション・ファイルを表示するためにプレゼンテーション・マネージャと通信する。
【0007】
本発明の一実施態様においては、少なくとも1つのネットワーク使用可能プロジェクタを含むコンピュータ・ネットワークを管理するシステムが設けられる。本システムは、ユーザがプレゼンテーション・ファイルをユーザが選択したプロジェクタに向けることができるよう構成されたネットワークにリンクされたユーザ・クライアント・コンピュータと、表示するためにプレゼンテーション・ファイルをユーザが選択したプロジェクタに格納するよう構成されたネットワークにリンクされたプレゼンテーション格納サイトと、ネットワークにリンクされ、かつユーザが選択したプロジェクタのプロジェクタ・コンピュータを介して直接アクセス可能なプレゼンテーション・マネージャとを含み、そのプレゼンテーション・マネージャは、プレゼンテーション格納サイト内に格納されているプレゼンテーション・ファイルへのアクセスを管理するよう構成されている。
【0008】
本発明の別の態様では、ユーザ・コンピュータとプロジェクタ・デバイスとを含むネットワークされたコンピュータ・システムを管理する方法を提供する。本方法は、ネットワーク上のユーザが選択したプロジェクタ・デバイスに向けられたユーザ・コンピュータからプレゼンテーション・ファイルを受信することを含む。本方法は、ネットワーク上の、ユーザが選択したプロジェクタ・デバイスに関連付けられているプレゼンテーション格納サイトでプレゼンテーション・ファイルの格納を管理することと、プロジェクタ・デバイスで表示するために選択されたプロジェクタ・デバイスへのプレゼンテーション・ファイルを待ち行列に入れることをさらに含む。
【0009】
本発明の別の態様は、機械によって読取り可能な記憶装置を対象とする。記憶装置は、ネットワーク・デバイスからプレゼンテーション・ファイルにアクセスする際に使用する方法を実施するための機械によって実行可能な命令のプログラムを明確に含む。本方法は、ユーザが、プレゼンテーション・ファイルを選択されたネットワーク・プロジェクタに向けることを要求できるように構成されたネットワーク上のユーザ・インターフェースを提供することと、プレゼンテーション・ファイルをプレゼンテーション・マネージャによって管理されているネットワーク上のプレゼンテーション格納サイトに向けることとを含む。プレゼンテーション・マネージャは、プレゼンテーション・ファイルへのアクセスを管理し、選択されたプロジェクタでのプレゼンテーション・ファイルへの即時アクセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明が実施されるネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるユーザ・インターフェースを示す略図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるユーザ・インターフェースを示す別の略図である。
【図4】本発明の一実施形態による主要なプロジェクション・システム画面を含むユーザ・インターフェースの例を示す図である。
【図5】図4の実施形態の拡張型オプションのサブ画面の例を示す図である。
【図6】図4の実施形態のプレゼンテーション待ち行列のサブ画面の例を示す図である。
【図7】図4の実施形態の別のサブ画面の例を示す図である。
【図8】ネットワークされたコンピュータ・システム上でのプレゼンテーション・ファイルの表示を管理する方法を示す流れ図であり、そのコンピュータ・システムは、ユーザ・コンピュータとプロジェクタ・デバイスとを含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記述においては、任意の適切なネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境またはネットワーク・プロジェクタ・システムと合わせて使用されるネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムについて開示する。本ネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムにより、ユーザと管理者はネットワーク・プロジェクタ・システムにおけるプロジェクタを使用することが容易となる。以下のネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムは、マイクロソフト社(Microsoft(登録商標) Corporation)(ワシントン州、レドモンド市)から入手可能なウィンドウズ(登録商標)(WINDOWS(登録商標))のオペレーティング・システム環境において記載しているが、アップル・コンピュータ社(Apple(登録商標) Computer,Inc.)(カリフォルニア州、キューパーティーノ市)から入手可能なアップル/マッキントッシュ(APPLE/MACINTOSH(登録商標))オペレーティング・システム、ユニックス(UNIX(登録商標))システム、リナックス(登録商標)・システムなどのどのようなものをも含むが、これらに限定されるものではない、他の任意の所望のタイプのオペレーティング・システムを使用できることは理解できるであろう。
【0012】
まず図1を参照すると、ネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境またはネットワーク・プロジェクタ・システムが全体として10で示されている。ネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境10は、一般に、ネットワーク20を介してユーザ・クライアント14にリンクされた少なくとも1つのプロジェクタ12と、管理者・クライアント16と、プレゼンテーション・マネージャ18とを含む。ネットワーク・プロジェクタ・システム10は適切なネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境の一例にすぎず、本明細書に開示されているネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムは、米国特許出願第09/590,034号「Method and Apparatus for Remote Projector Administration and Control」および第09/877,909号「Method and Apparatus for Wireless Image Transmission to a Projector」に開示されているものなどの、他の任意の適切なネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境で使用できることを理解されよう。なお、参照によりこれらを本明細書に組み込んでいる。
【0013】
以下により詳細に論じるが、ネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムは、ネットワーク・インターフェース・ボード、ファームウェア、埋込み式インターネット・ブラウザ、管理ソフトウェア、および/またはユーザ・インターフェース・ソフトウェアを含むが、これらに限定されるものではない、任意の数の個々の構成要素を含むことができる。ネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムは、ユーザ・クライアント14、管理者・クライアント16、プロジェクタ・コンピュータ22、および/またはプレゼンテーション・マネージャ18の1つまたは複数に工場でインストールされた機能として提供される。あるいは、個々の構成要素がエンドユーザによってインストールされても良い。さらに、ネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムは、ネットワークにリンクされたプロジェクタのタイプにかかわらず、ネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境10において動作する際にユーザを支援するための良く知られたコンピュータ・ナビゲーション・ツールを含み得る。
【0014】
図1に示されているように、ネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境10は、単一のプロジェクタか複数のプロジェクタ12を含む。プロジェクタ12は、画像を表示面24上に投影する任意の適切なタイプのデータ・ビデオ・プロジェクタでよい。たとえば、プロジェクタ12は、液晶表示装置(LCD)、ディジタル・ミラー・デバイス(DMD)、LCOS(liquid crystal on silicon)装置、および/または陰極線管(CRT)を含むが、これらに限定されるものではない、任意の所望のタイプの画像生成システムを利用し得る。
【0015】
複数のプロジェクタを、他のネットワーク構成要素から遠く離れて配置することができる。たとえば、複数のプレゼンテーション用の部屋に、それぞれ、ネットワークされたプロジェクタが備えられる。プロジェクタは、会議室内に常設されている固定的に設置されたプロジェクタか、あるいは取外し可能な装置または携帯型装置のいずれでもよい。それぞれのプロジェクタがネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境10にリンクするよう構成されているので、オペレーティング環境内に含まれるプレゼンテーションまたはプレゼンテーション・ファイルが、リンクされたプロジェクタの任意の1つによってシステムから直接表示される。
【0016】
プロジェクタ・オペレーティング環境10内のネットワーク20は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)および/またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む、任意の適切なコンピュータ・ネットワークである。WANは、インターネットなどの公衆網、または私設網でよい。ネットワークは、プリンタ、スキャナなどを含む、プロジェクタ以外の他のタイプのネットワーク・デバイスを含む。一般に、本システムにおいては、ネットワークにより、ネットワーク上で遠く離れて格納されているプレゼンテーション・ファイルにユーザがアクセスできるので、プレゼンテーション・ファイルを含むコンピュータや記憶装置のディスクを会議室に運び込む必要がない。
【0017】
それぞれのプロジェクタが、プロジェクタ・コンピュータ22を介してネットワークにリンクされている。プロジェクタ・コンピュータ22は、本明細書において使用される場合は、プロジェクタとネットワークに結合された任意の内部または外部コンピューティング・デバイスを含み、そのプロジェクタ・コンピュータは、ネットワーク上のプレゼンテーション格納サイトに格納されているプレゼンテーション・ファイルを読み取り、提示することができる。プロジェクタ・デバイスは、本明細書において使用される場合は、プロジェクタと、それに関連付けられたプロジェクタ・コンピュータとを含む。複数のプロジェクタが同じプロジェクタ・コンピュータを共有できることに留意されたい。
【0018】
プロジェクタ・コンピュータ22はさまざまな異なる形式のものでよい。たとえば、プロジェクタ・コンピュータ22は、デスクトップ・パーソナル・コンピュータまたは(ラップトップや携帯情報端末などの)ポータブル・パーソナル・コンピュータなどの、プロジェクタの外部にあるスタンドアロン・ユニットとしてもよく、あるいは、プロジェクタ・コンピュータ22は、26で概略的に示されているように、プロジェクタ12内に統合されてもよい。たとえば、プロジェクタ・コンピュータ22は、プロジェクタ内に含まれている埋込み式カードでよい。このようなプロジェクタ・コンピュータは、シリアル・ケーブル、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ケーブル、および/または他のワイヤードまたはワイヤレス・リンクを含む、任意のタイプのワイヤードまたはワイヤレス通信リンクを介して、ネットワーク20やプロジェクタ22にリンクされ得る。
【0019】
実施形態によっては、プロジェクタ・コンピュータ22はシン・クライアント・デバイスである。これらの実施形態においては、プロジェクタ・コンピュータ22は、プレゼンテーション・マネージャ18のための「シン・クライアント」または端末としての働きをする。このような実施形態においては、プロジェクタ・コンピュータ22は、アプリケーション・ソフトウェアまたはプレゼンテーション・ファイルのための多量の格納空間は不要であり、ネットワーク20やプレゼンテーション・マネージャ18を通じてファイルにアクセスする。既知のアプリケーションを使用して、Windows(登録商標)NT4.0やWindows2000端末サーバを含む、このようなシン・クライアント・オペレーティング環境を提供できる。
【0020】
実施形態によっては、28で示されているように、複数のプロジェクタが単一のプロジェクタ・コンピュータにリンクされる。一般に、プロジェクタ・コンピュータ22は、マイクロソフト社のWINDOWS98、WINDOWS2000、および/またはWINDOWS CEプラットフォーム(これらは登録商標である)などの、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えたオペレーティング・システムを実行することができる。
【0021】
また、ユーザ・クライアント・コンピュータ14はネットワーク20にリンクされている。ユーザ・クライアント14は、たとえばクライアントがプロジェクタ12として同じLAN上にあるローカル・コンピュータでよい。あるいは、ユーザ・クライアント14は、インターネットまたは他のWANを介してプロジェクタ12にリンクされてもよい。ユーザが、任意のユーザ・クライアント14からプレゼンテーション・ファイルを作成し、ネットワーク上のプレゼンテーション格納サイト29に格納することができる。(以下により詳細に記載するが)プレゼンテーション・マネージャ18は、一般に、このようなプレゼンテーション格納サイトを制御する。次いで、ユーザは、プロジェクタ・コンピュータからプレゼンテーション格納サイト29に格納されていたプレゼンテーション・ファイルにアクセスする。このようにして、ユーザは、ネットワークされたコンピュータからユーザが選択したプロジェクタ12にプレゼンテーション・ファイルを送信することができる。したがって、ネットワーク・ユーザが、遠隔地で作成されたかつ/または格納されたコンテンツを提示するために、ラップトップ・コンピュータを会議室内のプロジェクタに物理的に持ち運ぶまたはリンクする必要はない。実施形態によっては、ユーザは、会議室以外の遠隔地から、会議室でプレゼンテーションを提示することができる。
【0022】
管理者・クライアント16も、ネットワーク20に、したがってプロジェクタ・コンピュータ22やプロジェクタ12にリンクされる。管理者・クライアント16は、プロジェクション・システム10を管理するためのネットワーク・管理者・ツールを提供する(本明細書においては管理ソフトウェアとも呼ぶ)管理インターフェース・ソフトウェアを含む。たとえば、ソフトウェアは管理者・インターフェースを備えている。管理者・インターフェースは、ネットワーク・プロジェクタ・システムの管理に関する情報を要求したり、ネットワーク・プロジェクション・システムの設定に関する情報を与える複数のダイアログ・ボックスを含む。
【0023】
実施形態によっては、ソフトウェアは、ネットワーク・管理者が、他のネットワーク・デバイスを管理するのと同じ方式でプロジェクタを管理できるよう構成される。たとえば管理クライアント16は、ネットワーク・管理者に良く知られた他のネットワーク管理ツールと統合するネットワーク・インターフェースを提供するためのMicrosoft Management Console(MMC) Snap−Inを含む。MMC Snap−Inを使用することにより、ネットワーク・プロジェクション・システム内での追加ネットワーク構成要素の統合された管理が可能となる。MMC Snap−Inは、マイクロソフト・エクスプローラ(Microsoft Explorer(登録商標))などのインターフェースを模倣し、かつそのシステムの他のマイクロソフトやサード・パーティ・ネットワーク製品との互換性がある、WINDOWSベースの複数文書インターフェース(MDI)である。プロジェクタを管理する1つの例示的システムが、2002年7月11日に出願された、Steve Murtha、De Tran、James D. Wenban、Alan Cossitt、Joe Castaldiによる「PROJECTOR DEVICE MANAGEMENT SYSTEM」(米国特許出願第10/194、334号)に、示されかつ記載されており、その開示を参照により本明細書に組み込んでいる。
【0024】
管理ソフトウェアで、管理者がネットワーク・プロジェクタ・システムの使用を規制することができる。たとえば、管理者は、ネットワーク・プロジェクタ・システム内に含まれるプレゼンテーション・ファイルのサイズを制限することができる。さらに管理ソフトウェアで、管理者が、ネットワーク・プロジェクタ・システム内に格納されているプレゼンテーション・ファイルの自動削除日を設定することもできる。管理者ソフトウェアは、ネットワーク・プロジェクタ・システムのすべてのユーザに、NTユーザ・グループなどの管理者が定義したグループに、または個人に、このような制限事項を大域的に適用し得る。さらに、管理者ソフトウェアは、管理者が、個人またはグループの使用、特定のプロジェクタの使用などによって、ネットワーク・リソースを割り当てることを可能にし得る。たとえば、管理者ソフトウェアによって、管理者が、選択されたユーザからのプレゼンテーションがどこに格納されるか、かつどれくらいの格納空間がそれぞれのユーザに割り当てられるかを指示することができる。
【0025】
上記に簡単に記載したように、プレゼンテーション・マネージャ18が、ネットワーク20にリンクされ、プレゼンテーション・ファイルのアクセスと格納を管理する。プレゼンテーション・マネージャは、サーバ・コンピューティング・デバイスまたはユーザ・クライアント・コンピュータ14で実行可能なソフトウェアによって実現できる。実施形態によっては、プレゼンテーション・マネージャ18は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えた代表的なオペレーティング・システム・プラットフォームを実行することが可能なネットワーク・サーバまたはコンピュータとして機能するように構成されてもよい。たとえば、プレゼンテーション・マネージャ18が、マイクロソフト社のWINDOWS98、WINDOWS2000、WINDOWS CEプラットフォーム、またはWINDOWS NTなどのサーバ・オペレーティング・システム・プラットフォームを実行できる。さらに、プレゼンテーション・マネージャ18が、プロジェクタ・コンピュータ22として機能し、かつプロジェクタ12に直接リンクされてもよい。
【0026】
プレゼンテーション・マネージャ18を、管理クライアント16からの入力を介して、ファイルのアクセスや格納を集中的に理し、制御するように構成することができる。たとえば、プレゼンテーション・マネージャ18は、ユーザによって作成されたファイルとプレゼンテーションを格納するためのデータベースまたは他のプレゼンテーション格納サイト29を含んでいても良い。あるいは、プレゼンテーションは、クライアント・コンピュータ14、管理クライアント・コンピュータ16、プロジェクタ・コンピュータ22、または他の任意の適切なネットワーク・デバイスなどのプレゼンテーション・マネージャ18によってアクセス可能でかつ制御可能な、ネットワーク上の遠隔地で格納される。実施形態によっては、プレゼンテーション・マネージャは、ユーザによって選択可能な、1つまたは複数の特定のネットワーク・プロジェクタで表示するために、そのプロジェクタに特有の格納場所にプレゼンテーション・ファイルを格納することもできる。複数のプレゼンテーション・ファイルが、ユーザが選択した1つまたは複数のネットワーク・プロジェクタのために、そのプロジェクタに特有の格納場所内に格納されていると、プレゼンテーション・マネージャは、格納されているプレゼンテーションのリストから所望のプレゼンテーションをユーザに選択させることができる。
【0027】
プレゼンテーション・マネージャ18が、システム内のプレゼンテーション・ファイルの格納と表示に関する一般的なおよび/またはユーザ特有の制限を制定しおよび/または実施できるようにも構成できる。たとえば、サーバ18が、システム・リソース要件を最小に保つ際にネットワーク管理者を援助するために、オプションのディスク空間の割当てを実施し、かつ/またはファイル満了日を設定するために使用される。
【0028】
上述したように、プレゼンテーション・マネージャ18が、そのプレゼンテーション・マネージャによって管理され、かつプレゼンテーション・マネージャからアクセス可能なプレゼンテーション格納サイト29に、ユーザが作成したプレゼンテーション・ファイルを保存することができる。プレゼンテーション格納サイト29は、ユーザが選択したプロジェクタに関連付けられる。格納場所は、ユーザ特有の格納場所、プロジェクタ特有の格納場所、または一般的な格納場所でよい。プレゼンテーション・ファイルがシステムに格納される場所を管理者が制御できるように、管理クライアント・コンピュータ16を構成できることに留意されたい。
【0029】
プレゼンテーション格納サイト29は、データを格納するのに適した任意のデバイスとすることができる。たとえば、プレゼンテーション格納サイト29は、ファイルを格納することが可能な専用メモリや大容量記憶サイトでよい。プレゼンテーション格納サイトは、ネットワーク・プロジェクタ・システムにアクセス可能な場所のどこにでも配置でき、かつプロジェクタ特有でよい。たとえば、プレゼンテーション格納サイト29が、プレゼンテーション・マネージャ18、管理クライアント・コンピュータ16、ユーザ・クライアント・コンピュータ14、プロジェクタ・コンピュータ22、またはネットワーク20上の他の任意の適切な場所に含まれていてもよい。格納場所にかかわらず、プレゼンテーション・マネージャ18は、格納されているプレゼンテーション・ファイルへのアクセスを管理する。
【0030】
プレゼンテーション格納サイト29内に格納されているプレゼンテーションを編集または提示することを望むユーザは、ネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境10内の多くの異なる場所からプレゼンテーションにアクセスできる。たとえば、編集または表示するために、ユーザは、ユーザ・クライアント14、管理クライアント・コンピュータ16、プレゼンテーション・マネージャ18、またはプロジェクタ・コンピュータ22から格納されているプレゼンテーションにアクセスできる。さらにユーザは、プレゼンテーションがオフラインでありかつプロジェクタ・システム・ネットワークから切り離されている場合に、それにアクセスし、それを作成し、かつ/または編集できる。いったんユーザがネットワークに再接続すると、プレゼンテーション・ファイルへの任意の更新を、そのプレゼンテーション・ファイを更新するためのプレゼンテーション格納サイト29に転送するように、クライアントを構成できる。このような更新は、ユーザによって要求されるか、または自動同期で行われ、ユーザがネットワーク・プロジェクタ・オペレーティング環境10に接続している間はいつでも生じる。
【0031】
ユーザまたは管理者によって指示された場合には、プレゼンテーション・マネージャ18は、プレゼンテーション・ファイルを、ユーザが選択したプロジェクタ・デバイスに送信するまたは待ち行列に入れるように構成されている。実施形態によっては、ユーザは、会議室内に物理的に存在していなくとも、ユーザ・クライアント・コンピュータ16を介して、選択された会議室内で選択されたプロジェクタ・デバイスにプレゼンテーション・ファイルを送信かつ表示することができる。したがって、それらのクライアント・コンピュータからのユーザが、プレゼンテーション・ファイルを選択し、特定のプロジェクタに表示させるためにそれを保存する。プレゼンテーション・マネージャは、プレゼンテーション・ファイルを管理し、選択されたネットワーク・プロジェクタへのファイルを待ち行列に入れる。ファイルは会議室において提示するための準備が整い、会議室内にいるプロジェクタのオペレータが選択する必要は全くまたは殆どない。
【0032】
上述したように、プレゼンテーション・マネージャは、適切なプロジェクタ・コンピュータを識別し、選択されたプロジェクタで表示させるために、プレゼンテーションを各プロジェクタ・コンピュータへの待ち行列に入れる。会議室内のユーザは、選択されたプロジェクタのために待ち行列に入れられているプレゼンテーション・ファイルのリストからプレゼンテーション・ファイルを選択する。他の実施形態においては、会議室内のユーザは、ネットワーク上に格納されている特定のプレゼンテーションにアクセスすることを望むこともある。ユーザは、会議室内に配置されているプロジェクタ・コンピュータ22からプレゼンテーション・マネージャ18へ所望のプレゼンテーション・ファイルの要求を送信する。その要求は、プレゼンテーション名、ユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)、または他の任意の適切な識別子を含む。プレゼンテーション・マネージャが、プレゼンテーション・ファイルにアクセスし、選択されたプロジェクタ・コンピュータにファイルを提供する。したがって、ユーザは、プレゼンテーション・ファイルを会議室に運び込む必要がなく、プロジェクタ12にプレゼンテーションを示すことができる。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態によるユーザ・クライアント・コンピュータ16の表示画面30上のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。ウィンドウ、アイコン、ポップアップ・メニューなどの良く知られたツールを使用することにより、クライアント・コンピュータに、使用することが容易なインターフェースを設ける。ユーザ・インターフェース・プレゼンテーション・ソフトウェアは、プロジェクタ・システム内で使用されるプロジェクタのタイプにかかわらず、ユーザのプロジェクタ・システムの経験を生かすため、他のタイプのファイルで使用されている多くのツールを用意している。
【0034】
具体的には、クライアント・ソフトウェア・ユーザ・インターフェース(本明細書においてはユーザ・インターフェース・ソフトウェアとも呼ぶ)は、ユーザが、ネットワークにリンクされた任意のプロジェクタまたはプロジェクタ・システムを選択し、かつそれにアクセスする方法を提供する。たとえば、クライアント・ソフトウェアにより、ユーザは、プレゼンテーションを表示するためにユーザがアクセスする、ネットワーク上で選択されたプロジェクタまたはプロジェクタ・システムにプレゼンテーション・ファイルを転送することができる。したがって、ユーザは、クライアント・コンピュータからプレゼンテーション・ファイルが表示される会議室および/またはプロジェクタを選択できる。ソフトウェアは、ユーザが、ネットワーク・プロジェクタ・システム上に配置されているファイルまたはプレゼンテーションを選択し、かつ転送する方法をさらに提供する。また、ユーザは、プレゼンテーション・ファイルおよび/または選択されたプロジェクタに関係する、プレゼンテーション・ファイルが表示される回数、プレゼンテーション・ファイルのパスワード、削除日などを含む属性を定義し、かつ修正できる。
【0035】
ユーザ・インターフェース・ソフトウェアは、上述のダイアログまたは同様のユーザ・インターフェースにアクセスするために使用される専用のプレゼンテーション・ショートカットを備えていても良い。これらのショートカットまたはアイコンは、デスクトップ上に置くことで、プレゼンテーション・ソフトウェアへ容易にアクセスできる。たとえば、クライアントが、表示画面30上でプレゼンテーション・ソフトウェア・アイコン32および/またはネットワーク・プレゼンテーション・フォルダ・アイコン34を開くことができる。単に例示目的であるが、プレゼンテーション・ソフトウェア・アイコン32の選択によって、上述したプレゼンテーション・ソフトウェアを開き、ユーザが、他のアクションの中でもとりわけプレゼンテーション・ファイルを転送し、プレゼンテーション・ファイルを削除し、プレゼンテーション・ファイルをパスワード暗号化し、プロジェクタを識別し、プレゼンテーション・ファイルを表示することなどができるように構成されている。プレゼンテーション・フォルダ・アイコン34を使用して、各プレゼンテーション・マネージャによって管理されているプロジェクタ特有の場所またはプロジェクタ・システム特有の場所にプレゼンテーション・ファイルを自動的に保存または格納できる。
【0036】
図2は、単一のネットワーク・プレゼンテーション・ファイルを示す図である。しかし、ユーザは、ネットワーク上で使用可能な異なるプロジェクタ・システムにリンクされた複数のプレゼンテーション・ファイルを持っていることがある。たとえば、図3は、複数のネットワーク・プレゼンテーション・フォルダ36、38を含むユーザ・インターフェースを示す図である。それぞれのプレゼンテーション・フォルダは、異なる会議室、プロジェクタ・システムなどにリンクされている。
【0037】
プレゼンテーション・アイコンはどのような外観でもよい。示されている実施形態においては、アイコンは、ウィンドウズの表示装置の他の一般的なアイコンの良く知られた外観を有する。したがって、それぞれのアイコンが、ネットワーク・プロジェクタ・システムまたはファイルおよび/またはプレゼンテーション・データベースを表すために使用される小さい画像を含む。ユーザが、トラックボール、マウス、キーボード、または他の適切なユーザ入力デバイスを介して、表示画面上にアイコンを選択する。アイコンをダブルクリックしてファイルを開く、従来の選択方式を使用している。選択されると、アイコンは、上述したプレゼンテーション待ち行列ダイアログ・ボックスなどのダイアログ・ボックスを表示するウィンドウに変換される。プレゼンテーション・ソフトウェアまたはプレゼンテーション・フォルダのいずれかが開くと、ユーザは、一般に画面の境界に沿って見られるツールバー上に配置されている「ボタン」、たとえばボタン32a、32bを介して、これらの機能にもアクセスできる。
【0038】
また、ユーザは、ドラッグ・アンド・ドロップ・メカニズムで各ダイアログ・ボックスだけでなくプレゼンテーション・マネージャやプレゼンテーション・フォルダにアクセスできる。代表的なドラッグ・アンド・ドロップ・アプリケーションと同様に、本システムのユーザは、プレゼンテーション・ファイルをプレゼンテーション・ソフトウェア・アイコン32および/またはプレゼンテーション・フォルダ・アイコン34にドラッグ・アンド・ドロップし、それによりプレゼンテーション・ファイルをネットワーク・プロジェクション・システム内に保存できる。さらに、ユーザが複数のネットワーク・プロジェクション・システムへアクセスしていると、ユーザは、特定のネットワーク・プロジェクション・システムに専用の適切なアイコンにプレゼンテーション・ファイルを選択的にドロップすることができる。
【0039】
実施形態によっては、ユーザ・インターフェースは、プロジェクション・システム特有の属性および/または機能に向けられた、ダイアログ・ボックスなどの複数の画面やサブ画面を含んでもよい。たとえばダイアログ・ボックスは、ユーザがプレゼンテーション・ファイルの属性がわかるように構成される。このようなダイアログ・ボックスは、主要プロジェクション・システム・ダイアログ・ボックス、拡張型プロジェクション・システムのユーザ・ダイアログ・ボックス、プレゼンテーション待ち行列ダイアログ・ボックス、追加/削除プレゼンテーション・ダイアログ・ボックス、プレゼンテーション・ファイル特性ダイアログ・ボックスを含むが、これらに限定されるものではない。
【0040】
主要プロジェクション・システム・ダイアログ表示装置は、図4に40で例示されているように使用中すなわち現行のプロジェクタ・システム42を識別することに関する任意の適切な情報を含む。それには、選択されたネットワーク・プロジェクタおよび/または会議室を含むが、これらに限定されない。プロジェクション・ダイアログ・ボックスは、異なるプロジェクタ・システム、異なるプロジェクタ、または会議室44を選択するメカニズムと、ユーザが、プレゼンテーション・ファイルまたは選択されたプロジェクタ46のためのさまざまなパラメータを変更できる拡張型ダイアログ・ボックスにアクセスするためのメカニズムと、プロジェクタまたは会議室48に転送するために選択された現行プレゼンテーション・ファイルのリストと、ダイアログ・ボックスにアクセスして、選択されたプレゼンテーション・ファイル50を追加、削除、または修正するためのメカニズムと、さまざまなプレゼンテーション・ファイル52の特性にアクセスし、それを修正するためのメカニズムとをさらに含む。
【0041】
ネットワーク・プロジェクタに表示するためのプレゼンテーション・ファイルを選択し、格納するために、他の画面を設けてもよい。たとえば、拡張型プロジェクション・システム・ダイアログ表示装置の例が、図5に54で示されている。画面は、現行サーバ56に関する情報とその現行サーバ58を変更するためのメカニズムを表示するよう構成されている。拡張型ダイアログ表示装置は、特定のプロジェクタ・システムやプロジェクタに対して管理クライアントまたはサーバによって決められた情報やパラメータとともに、現行プロジェクタ60に関する情報をさらに含む。実施形態によっては、拡張型ダイアログ表示装置は、ネットワーク62上の特定のプロジェクタまたはプロジェクタ・システムへの待ち行列に入れられているプレゼンテーション・ファイルを表示し、かつ修正するためのメカニズムを含む。
【0042】
ユーザ・インターフェースは、待ち行列画面をさらに含む。例示的プレゼンテーション待ち行列ダイアログ・ボックスが、全体として図6に64で示されている。待ち行列ダイアログ・ボックスは、拡張型プロジェクション・システムのダイアログ・ボックス54を介してアクセス可能であり、かつ66で示されているように、特定のプロジェクタ・システム、プロジェクタまたは会議室への待ち行列に現在入れられているプレゼンテーション・ファイルを表示するためのメカニズムを含む。ボックスは、リスト68からプレゼンテーション・ファイルを追加/削除するためのメカニズムをさらに含む。同様に、追加/削除のプレゼンテーション・ファイル・ダイアログ・ボックスは、ユーザ・プレゼンテーション・ファイル・ディレクトリまたはリスト、プレゼンテーション・ファイル・データベース、特定のプロジェクタまたは会議室待ち行列などのプレゼンテーション・ファイルまたはプロジェクタを修正、追加、除去するためのメカニズムを提供する。
【0043】
さらに実施形態によっては、図7に70で示されているように、特定のプロジェクタまたは複数のプロジェクタに送信されるよう計画されているプレゼンテーション・ファイルの特徴をユーザが修正できるように、プレゼンテーション・ファイル特性ダイアログ・ボックスが設けられている。このダイアログ・ボックス内に存在する制御は、選択されたプロジェクタに関する設定の機能、管理者によって定義されたパラメータなどである。たとえば72で例示されているように、ユーザはプレゼンテーション・ファイルのためのパスワード保護を提供できる。これらの制御は、ユーザ間および/または選択されたプロジェクタ間で異なっていてもよい。さらに実施形態によっては、74で示されているように、ユーザおよび/または管理者は、プレゼンテーション・ファイルが表示され得る回数を選択または修正できる。同様に実施形態によっては、76で示されているように、ユーザはプレゼンテーション・ファイルの「生存期間」を選択または修正でき、「生存期間」の終了時にプレゼンテーション・ファイルが自動的に削除される。
【0044】
上記に簡単に記載したように、ユーザ・インターフェース・ソフトウェアは、ユーザが、それぞれのプレゼンテーション・ファイルのさまざまな属性を設定し、かつ/または変更することができる。プレゼンテーション・ファイル特性ダイアログ・ボックス、または同様の画面内で選択可能な項目または属性は、プロジェクタ設定に基づくか、または管理者または特定のネットワーク・プロジェクタ・システムによって命令される。選択可能な属性には、個人用識別コードと名前、パスワード保護、表示制限、生存期間の設定を含むが、それらに限定されない。したがって、ユーザがまた、ファイルをパスワード暗号化する、またはプレゼンテーションへのアクセスを制限するための他のセキュリティ・メカニズムを提供することができる。パスワードはリセットすることもできる。さらにユーザがまた、削除する日または期間、および/またはプレゼンテーションが自動削除前にアクセスされ得る回数に対する制限を指定できる。さらにユーザがまた、プレゼンテーションが読取り専用、または事前に権限を取得していないと変更不可能であることを示すこともできる。
【0045】
上述のユーザ・インターフェースは、標準のオペレーティング・システムにより提供されるツールを使用することにより、ネットワーク・プロジェクタ・システム内のプレゼンテーション・コンテンツにアクセスしかつ格納できるように構成されている。たとえば、Windows環境においては、Active−X、MMC、Calmと共に使用されるものなどの標準プラグインを使用して、プレゼンテーションのアクセスと格納機能を構成できる。このようなユーティリティを使用して、ユーザ・クライアント・インターフェースは、良く知られた外観のメニューを通じてダイアログ・ボックスのそれぞれ内の項目へのアクセスを提供するよう構成されている。ユーザが、このようなメニューを通じて、特定のプレゼンテーション・ファイルを保存する、開く、編集する、選択する、フォーマットするなどを欲するかどうかを選択できる。一般にユーザは、項目をハイライトし、次いでエンター・キーまたはリターン・キーを押すことにより、あるいは単にマウスまたは他のユーザ入力デバイスで項目を指して選択することにより、メニューから項目を選択できる。ユーザはまた、「メニューに送信する(send to menu)」機能によりプレゼンテーション・ソフトウェア・メニューにアクセスできる。たとえば、プレゼンテーション・ファイルは、マイクロソフト・エクスプローラ・プログラム(Microsoft Explorer program)から「Send−To」メニューを右クリックすることにより選択され、プレゼンテーション・フォルダに送信される。上記で論じたように、特定のメニュー・オプションが各ダイアログ・ボックスにリンクされる。
【0046】
また、ユーザ・インターフェース・ソフトウェアは、プレゼンテーション・ソフトウェアを操作する際にユーザを支援するクライアント・プレゼンテーション・ウィザードを含む。クライアント・プレゼンテーション・ウィザードは、プレゼンテーション・ソフトウェアとプレゼンテーション・ファイルを生成することと、格納することと、それにアクセスすることとを含む、複数の簡略化されたステップを通じてユーザを導く。一般に、クライアント・プレゼンテーション・ウィザードは、導入画面と、ステップ画面と、終了概要画面と含む。それぞれの画面が、ヘルプ・ボタンと、取消ボタンと、次のボタンと、終了ボタンとを含む。
【0047】
たとえば、クライアント・プレゼンテーション・ウィザードが、ネットワーク・プロジェクタ・システム、プレゼンテーション・データベース、会議室などへのデスクトップ・ショートカットを作成するのを助けるために使用される。同様に、クライアント・プレゼンテーション・ウィザードは、ユーザが、現在選択されているサーバ上の特定のプロジェクタへの「Send−To」ショートカットを作成するのを助け得る。クライアント・プレゼンテーション・ウィザードは、ユーザが、ネットワーク・プロジェクタ・ショートカットを個人専用にすることを可能にする。たとえば、ユーザは、管理者によりプロジェクタに割り当てられたデフォルト名以外のショートカットの名前を選択し得る。
【0048】
本発明の一実施形態においては、ユーザは、クライアント・プレゼンテーション・ウィザードを使用してユーザ・クライアント・デスクトップに、選択されたプロジェクタへのプレゼンテーション・ショートカットを作成する。次いでユーザは、プレゼンテーション・ファイルをプレゼンテーション・ショートカットにドロップする。プレゼンテーション・マネージャは、ユーザが選択した属性に従ってプレゼンテーション・ファイルを管理し、プレゼンテーション・ファイルを格納または配置し、選択されたプロジェクタに表示させるためにプレゼンテーション・ファイルを待ち行列に入れる。次いでユーザは、プレゼンテーション・マネージャによって管理されている、待ち行列に入れられているリストから適切なプレゼンテーション・ファイルを選択することにより、プロジェクタでプレゼンテーション・ファイルを提示する。ユーザは、プロジェクタにリンクされたプロジェクタ・コンピュータを使用して所望のプレゼンテーション・ファイルを選択する。
【0049】
上記のツールのそれぞれが、多くのコンピュータ・ユーザに良く知られた外観を有する、使用することが容易なインターフェースを提供する。ダイアログ・ボックス、プルダウン・メニュー、ショートカット、ウィザードについて熟知していれば、ネットワーク・プロジェクタ・システムの使用を単純化する助けとなるであろう。同じタイプのダイアログ・ボックス、プルダウン・メニュー、ショートカット、ウィザードを組み込んだ、このようなソフトウェアは、管理者・クライアント16、およびプロジェクタ・コンピュータ22でも実施されることを理解されたい。
【0050】
図8は、ユーザ・コンピュータとプロジェクタ・デバイスとを含む、ネットワークされたコンピュータ・システムでプレゼンテーション・ファイルの表示を管理するための、本発明の一実施形態による方法78をさらに示す図である。本方法は、ネットワーク上のユーザが選択したプロジェクタ・デバイスに向けられたユーザ・コンピュータからプレゼンテーション・ファイルを受信することを含む。ここではユーザが選択したプロジェクタ・デバイスは、80で示されているように、プロジェクタとプロジェクタ・コンピュータとを含む。本方法は、84でユーザが選択したプロジェクタ・デバイスに関連付けられたネットワーク上のプレゼンテーション格納サイト内にプレゼンテーション・ファイルが格納されるように、82でプレゼンテーション・ファイルの格納を管理することと、86で示されているように、プロジェクタ・デバイスを表示するために選択されたプロジェクタ・デバイスへプレゼンテーション・ファイルを待ち行列に入れることとをさらに含む。
【0051】
ネットワーク・プロジェクタ・インターフェース・システムのためのさまざまな代替実施形態と配置を示し、記載してきたが、当業者なら、多くの他の実施形態、配置、修正形態が可能であり、かつ本発明の範囲内に含まれることを理解されるであろう。したがって、本発明をその特定の実施形態において開示してきたが、多くの変形形態が可能であるので、それらの特定の実施形態を限定的なものと考えるべきではない。本発明の主題は、本明細書において開示されているさまざまな要素、特徴、機能、および/または特性の、すべての新規かつ非自明な組み合わせや副次的な組み合わせを含む。
【0052】
頭記の特許請求の範囲では、新規かつ非自明であるとみなされる一定の組み合わせおよび副次的な組み合わせを特に指摘している。これらの請求項は、「1つの」要素または「第1の」要素またはそれらの均等物に言及する。これらの請求項は、1つまたは複数のこのような要素を組み込むことを含み、2つ以上のこのような要素を必要または排除しないものと理解されるべきである。特徴、機能、要素、および/または特性の、他の組み合わせおよび副次的な組み合わせが、本請求項の補正を通じてまたは本明細書または関連明細書の新しい請求項の提示を通じて請求される。このような請求項もまた、元の請求項の範囲より広い、狭い、同じ、または異なる場合にかかわらず、本明細書の本発明の主題内に含まれるものとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタ・コンピュータを含む少なくとも1つのネットワーク使用可能プロジェクタ・デバイスを備えたコンピュータ・ネットワークを管理するためのシステムであって、 各々が異なるプロジェクタ・デバイスに対応する複数の専用のプレゼンテーション・アイコン(36,38)を有し、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを含むユーザ・クライアント・コンピュータ(14)であって、ネットワーク(20)にリンクされるとともに、ユーザが、前記異なるプロジェクタ・デバイスの1つを選択し、その選択したプロジェクタ・デバイスに対応する前記専用のプレゼンテーション・アイコンにプレゼンテーション・ファイルをドラッグしドロップすることにより、前記プレゼンテーション・ファイルを前記選択されたプロジェクタ・デバイス(12)の待ち行列に入れるように構成されたユーザ・クライアント・コンピュータと、
前記ユーザが選択したプロジェクタ・デバイスに表示するために前記プレゼンテーション・ファイルを格納するよう構成され、前記ネットワークにリンクされたプレゼンテーション格納サイトと、そして
前記ネットワークにリンクされ、かつ前記ユーザが選択したプロジェクタ・デバイスの前記プロジェクタ・コンピュータを介して直接アクセス可能であり、ならびに前記プレゼンテーション格納サイト内に格納されている前記プレゼンテーション・ファイルへのアクセスを管理し、ユーザまたは選択したプロジェクタ・デバイスのいずれかに基づいて選択可能なプレゼンテーション・ファイルの属性を修正するよう構成されたプレゼンテーション・マネージャとを含むシステム。
【請求項2】
前記ユーザ・クライアント・コンピュータが、プレゼンテーション・ファイルをユーザが選択したプロジェクタ・デバイスの待ち行列に入れるように前記ユーザを支援するよう構成されたプレゼンテーション・ソフトウェアを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プレゼンテーション・ソフトウェアがユーザ・インターフェースを提供し、そのユーザ・インターフェースが、前記ユーザが前記プレゼンテーション・ファイルの属性を決めることができるように構成された複数のダイアログ・ボックスを表示するよう構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プレゼンテーション・ソフトウェアが、前記プレゼンテーション・ソフトウェアへのアクセスを容易にするよう構成された専用アイコンとのユーザ・インターフェースを含む請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アイコンが、前記プレゼンテーション・マネージャによって管理されているプロジェクタ特有の場所内に前記プレゼンテーション・ファイルを格納することを容易にするよう構成されたプレゼンテーション・フォルダである請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロジェクタ・デバイスの使用を規制するための管理者ソフトウェアを実行するよう構成された管理者クライアント・コンピュータをさらに備える請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
管理者が前記プレゼンテーション・ファイルのパラメータを設定するように実行可能な管理者ソフトウェアを実行するよう構成された管理者クライアントをさらに備えた請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記パラメータが、削除日とサイズ制限を含む請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プレゼンテーション・マネージャが、サーバ・コンピューティング・デバイスで実行可能なソフトウェアによって少なくとも部分的に実現される請求項1から8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記プレゼンテーション・マネージャが、前記ユーザ・クライアント・コンピュータで実行可能なソフトウェアによって少なくとも部分的に実現される請求項1から8のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
プロジェクタ・コンピュータに関連付けられたネットワーク使用可能プロジェクタにプレゼンテーションをユーザが提示できるようにする方法であって、
コンピュータ・ネットワーク上のクライアント・コンピュータに提示するステップであって、ユーザ・インターフェースは複数の専用のプレゼンテーション・アイコンを有し、各専用のプレゼンテーション・アイコン(36,38)は異なるプロジェクタ・デバイス(12)に対応し、前記ユーザ・インタフェースは、ユーザが前記異なるプロジェクタ・デバイスの1つを選択し、前記選択したプロジェクタ・デバイスに対応する前記専用のプレゼンテーション・アイコンにプレゼンテーション・ファイルをドラッグしドロップすることを可能にする、ステップと、
前記ネットワーク上の前記ユーザが選択したプロジェクタに関連付けられたプレゼンテーション格納場所内に前記プレゼンテーション・ファイルを格納するステップと、そして
前記ユーザが選択したプロジェクタに関連付けられた前記プロジェクタ・コンピュータへの前記プレゼンテーション・ファイルを自動的に待ち行列に入れるステップとを含む方法。
【請求項12】
前記プロジェクタ・コンピュータが、前記ユーザが選択したプロジェクタ内に組み込まれる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ユーザ・インターフェースを提示するステップが、ユーザがそれらのプレゼンテーション・ファイルをパスワード保護することを可能にするよう構成されたダイアログ・ボックスを提供するステップを含む請求項11または12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ユーザ・インターフェースを提示するステップが、ユーザが前記プレゼンテーションが表示される回数を制限することを可能にするよう構成されたダイアログ・ボックスを提供するステップを含む請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
ユーザ・インターフェースを提示するステップが、ユーザが前記プレゼンテーション・ファイルの生存期間を制限することを可能にするよう構成されたダイアログ・ボックスを提供するステップを含む請求項11から14のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−141977(P2012−141977A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−282017(P2011−282017)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2010−44542(P2010−44542)の分割
【原出願日】平成14年9月27日(2002.9.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】