ネットワーク接続装置、および当該装置における信号処理方法
【課題】同一の監視制御装置によりSONET/SDH通信網を構成する伝送装置を統一的に管理し、かつ、当該管理には煩雑な作業を不要にすることを課題とする。
【解決手段】ネットワーク接続装置100は、監視制御装置から送信された制御信号であって、SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPD制御部160aと、当該制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPP制御部160bと、を備える。D4−D12判別部150は、入力された制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じてLAPD制御部160aまたはPPP制御部160bに当該制御信号を出力する。当該ネットワーク接続装置100をSONET/SDH通信網を構成する全ての伝送装置に搭載する。
【解決手段】ネットワーク接続装置100は、監視制御装置から送信された制御信号であって、SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPD制御部160aと、当該制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPP制御部160bと、を備える。D4−D12判別部150は、入力された制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じてLAPD制御部160aまたはPPP制御部160bに当該制御信号を出力する。当該ネットワーク接続装置100をSONET/SDH通信網を構成する全ての伝送装置に搭載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置、および当該装置における信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)通信網の管理には、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)に対応したものもあれば、OSI(Open Systems Interconnection)に対応したものもあり、網全体の通信プロトコルは複合的である。
【0003】
このようなSONET/SDH通信網は、NMS(Network Management System)と呼ばれる監視制御装置により管理される。
【0004】
その際、NMSと伝送装置間および各伝送装置間の通信には、SONET/SDHフレームのセクションオーバーヘッド内に用意されているSDCC(Section Data Communication Channel)が使用される。
【0005】
伝送装置がGMPLS、OSIのいずれに対応するかによってSDCCに用いられるプロトコルは異なり、GMPLSに対応する伝送装置間ではTCP/IPプロトコルが用いられ、OSIに対応する伝送装置間ではOSIプロトコルが用いられる。
【0006】
そして、NMSが送信する制御信号には、監視制御対象の伝送装置が用いるプロトコルを使用する必要がある。
【0007】
よって、例えば、GMPLSによる管理が適用されたネットワークと、OSIによる管理が適用されたネットワークとが混在する網全体を管理するためには、それぞれ共通のプロトコルが用いられるネットワークごとにNMSを設置する必要があるが、その場合、設置のために多くのコストがかかり、各NMSを操作する複数人の管理者を配置しなければならない。
【0008】
そこで、特許文献1では、IPパケットをOSIパケットにカプセル化し、OSIパケットとしてOSIに対応するDCN(Data Communication Network)網内を通すというOSIトンネルが開示されている。
【0009】
【特許文献1】特表2004−524784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このOSIトンネルにより、GMPLSに対応する伝送装置の監視制御については一つのNMSで行うことができ、NMSが減った分についてはコストや人員の削減になる。
【0011】
しかしながら、OSIトンネルの設定に要する作業が煩雑であり、誤設定の危険性があるという課題があった。また、OSIに対応する伝送装置の監視制御については別のNMSで行う必要があり、コストや人員の削減の余地があるという課題があった。
【0012】
そのため、SONET/SDH通信網全体を一つの監視制御装置によって統一的に、かつ、簡易に管理できる手法が望まれていた。
【0013】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、同一の監視制御装置によりSONET/SDH通信網を構成する伝送装置が統一的に管理され、当該管理には煩雑な作業が不要なネットワーク接続装置、および当該装置における信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理手段と、第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理手段と、受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出手段と、前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理手段から出力される制御信号と、前記第二プロトコル処理手段から出力される制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別手段と、を備えたことを要件とする。
【0015】
また、この方法は、SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理工程と、第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理工程と、受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出工程と、前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理工程の結果得られる制御信号と、前記第二プロトコル処理工程の結果得られる制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別工程と、を備えたことを要件とする。
【発明の効果】
【0016】
開示の装置をSONET/SDH通信網を構成する伝送装置が搭載することにより、同一の監視制御装置で網全体を統一的に管理することが可能となる。また、管理する上で、OSIトンネルを設定するなどの煩雑な作業は不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るネットワーク接続装置およびゲートウェイ装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。同図に示すように、当該ネットワークは、中継装置10A1〜中継装置10A3からなる第1のネットワークと、中継装置20A1〜中継装置20A3からなる第2のネットワークと、中継装置30A1〜中継装置30A3からなる第3のネットワークとが接続されて構成される。
【0019】
上記した第1〜第3のネットワークは、いずれもSONET/SDHに準拠して構築されたネットワークであり、第1および第3のネットワークは、GMPLSに対応し、第2のネットワークは、OSIに対応している。
【0020】
このようなネットワークにおいて、中継装置間の通信には、SONET/SDHにおけるフレームのセクションオーバーヘッド内に用意されているSDCC(Section Data Communication Channel)が使用される。
【0021】
しかしながら、当該中継装置間の通信には、第1〜第3のネットワークそれぞれで異なるプロトコルが用いられる。
【0022】
つまり、GMPLS対応の中継装置10A1〜中継装置10A3間の通信、および、中継装置30A1〜中継装置30A3間の通信にはTCP/IPプロトコルが用いられ、中継装置20A1〜中継装置20A3間の通信にはOSIプロトコルが用いられる。
【0023】
このように、小規模の各ネットワークの通信に用いられるプロトコルが異なるため、従来、ネットワーク全体を管理するには、当該小規模ネットワークごとに監視制御装置を設置する必要があった。
【0024】
中継装置20A1と中継装置20A2の間にOSIトンネルを設定することで、一つの監視制御装置により、GMPLS対応の第1および第3のネットワークを統一的に管理する手法もあったが、当該OSIトンネルの設定には煩雑な作業が必要であった。
【0025】
そこで、本発明に係るネットワーク接続装置を、図1に示したネットワーク内の全ての中継装置に搭載し、OSIトンネルを設定するなど煩雑な作業をすることなく、一つの監視制御装置40による当該ネットワーク全体に対する統一的な管理を可能にする。
【0026】
具体的には、各中継装置が、SDCC上で、OSI制御信号(LAPDプロトコル)とGMPLS制御信号(PPPプロトコル)の両方を通信できるようにする。よって、監視制御装置40は、ネットワークの監視制御にOSI制御信号またはGMPLS制御信号の両方を使用してよい。
【0027】
図2は、本発明に係るネットワーク接続装置の概要構成を示すブロック図である。同図に示すように、ネットワーク接続装置100は、信号受信部110と、セクションオーバーヘッド分離部120と、D4−D12取得部130と、エラー検出部140と、D4−D12判別部150と、LAPD制御部160aと、PPP制御部160bと、装置アラーム制御部170と、セクションオーバーヘッド多重部180と、SONET/SDHフレーム生成部190と、信号送信部200と、を備える。
【0028】
以下では、SONET/SDHフレームの受信時と送信時に分けて各部の説明を行う。まず、SONET/SDHフレーム受信時の各部の説明を行う。
【0029】
信号受信部110は、対向する中継装置から送信された光信号(SONET/SDHフレーム)を受信し、当該受信した光信号を電気変換した後、セクションオーバーヘッド分離部120に出力する。
【0030】
ここで、信号受信部110が受信する光信号(SONET/SDHフレーム)について図3を用いて具体的に説明を行う。図3は、SONET/SDHにおけるフレームフォーマットを示す図である。
【0031】
図1に示したネットワークにおいて、各中継装置は、図3に示すように、9行×270列で構成されるフレームを送受信する。
【0032】
先頭の9行×9列がセクションオーバーヘッドであり、フレームのヘッダ部分となる。当該セクションオーバーヘッドにおいて、上3行が中継セクションオーバーヘッド、第4行がAU−4ポインタ、そして、下5行が端局セクションオーバーヘッドである。残りの9行×261列がペイロードであり、情報を収容する領域となる。
【0033】
監視制御装置40から送信されるOSI制御信号(LAPDプロトコル)、または、GMPLS制御信号(PPPプロトコル)は、端局セクションオーバーヘッドにおけるD4−D12にマッピングされる。
【0034】
セクションオーバーヘッド分離部120は、信号受信部110からフレームを受け取ると、当該フレームからセクションオーバーヘッドを分離する。そして、セクションオーバーヘッド分離部120は、当該セクションオーバーヘッドをD4−D12取得部130に出力する。
【0035】
D4−D12取得部130は、セクションオーバーヘッド分離部120からセクションオーバーヘッドを受け取ると、当該セクションオーバーヘッドからD4−D12を取得する。そして、D4−D12取得部130は、当該D4−D12をエラー検出部140に出力する。
【0036】
エラー検出部140は、D4−D12取得部130からD4−D12を受け取ると、当該D4−D12に対してチェックサムなどを行ってエラー検出を行う。そして、エラー検出部140は、エラーが検出されれば、LAPD制御部160aおよびPPP制御部160bにエラー検出の通知を行う。エラー検出を行った後、エラー検出部140は、当該D4−D12をD4−D12判別部150に出力する。
【0037】
D4−D12判別部150は、エラー検出部140からD4−D12を受け取って当該D4−D12の所定位置のビットの値を得ると、その値に基づいてプロトコルを判別する。
【0038】
ここで、D4−D12判別部150によるプロトコル判別手法を図4および図5を用いて説明する。
【0039】
図4は、PPPプロトコルのフレームフォーマットを示す図であるが、同図に示すように、監視制御装置40がGMPLS制御信号(PPPプロトコル)を送信すると、当該制御信号のビット列において、第9ビットの値と第17ビットの値は、必ず「1」と「0」になる。
【0040】
また、図5は、LAPDプロトコルのフレームフォーマットを示す図であるが、同図に示すように、監視制御装置40がOSI制御信号(LAPDプロトコル)を送信すると、当該制御信号のビット列において、第9ビットの値と第17ビットの値は、必ず「0」と「1」になる。
【0041】
したがって、D4−D12判別部150は、D4−D12のビット列のうち、第9ビットと第17ビットの値を得て、その値が「1」と「0」であればPPPプロトコル、「0」と「1」であればLAPDプロトコルと判定する。
【0042】
つぎに、図6を用いてD4−D12判別部150の処理動作を説明する。図6は、D4−D12判別部150の処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはエラー検出部140からD4−D12を受け取った際に繰り返し実行される。
【0043】
まず、D4−D12判別部150は、受け取ったD4−D12のプロトコル判別を行い(ステップS110)、判別可能であった場合には(ステップS120肯定)、プロトコルの種別に応じた出力先へD4−D12を出力する(ステップS130)。
【0044】
なお、D4−D12判別部150は、D4−D12がLAPDプロトコルであればLAPD制御部160aに出力し、PPPプロトコルであればPPP制御部160bに出力する。
【0045】
一方、D4−D12判別部150は、判別不可能であった場合には(ステップS120否定)、既定の出力先へD4−D12を出力し(ステップS140)、処理を終了する。
【0046】
なお、判別不可能であった場合の出力先については任意に設定してよい。例えば、LAPD制御部160aまたはPPP制御部160bのいずれかを出力先にしてもよいし、LAPD制御部160aおよびPPP制御部160bの両方を出力先にしてもよい。
【0047】
LAPD制御部160aは、D4−D12判別部150から受け取ったD4−D12をLAPDプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0048】
PPP制御部160bは、D4−D12判別部150から受け取ったD4−D12をPPPプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0049】
装置アラーム制御部170は、装置内の障害発生を常時監視し、何らかの障害を検知すると、LAPD制御部160aおよびPPP制御部160bに通知する。
【0050】
図7を用いてLAPD制御部160aの処理動作を説明する。図7は、LAPD制御部160aの処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはネットワーク接続装置100の作動中繰り返し実行される。なお、PPP制御部160bの処理動作については以下に説明するLAPD制御部160aの処理動作と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
LAPD制御部160aは、エラー検出部140の通知を受け取った状態でD4−D12判別部150からD4−D12を受け取った場合には(ステップS150肯定かつステップS190肯定)、再送要求処理を行う(ステップS200)。
【0052】
一方、LAPD制御部160aは、エラー検出部140の通知がないままD4−D12判別部150からD4−D12を受け取った場合には(ステップS150肯定かつステップS190否定)、当該D4−D12をLAPDプロトコルで解釈し、再送要求であれば(ステップS210肯定)、当該再送要求を行った相手に対する再送処理を行う(ステップS230)。再送要求でない場合には(ステップS210否定)、自装置を搭載する中継装置の主制御部に出力するなどの通常処理を行う(ステップS220)。
【0053】
ステップS150に戻って、LAPD制御部160aは、D4−D12判別部150からD4−D12を受け取らないまま一定時間経過した場合に(ステップS150否定かつステップS160否定かつステップS170肯定)、対向する中継装置との通信を保つためにKeep Alive処理を行う(ステップS180)。
【0054】
また、LAPD制御部160aは、一定時間が経過しなくても、装置アラーム制御部170から通知を受け取ると(ステップS150否定かつステップS160肯定)、直ちにKeep Alive処理を行う(ステップS180)。その結果、例えば、LAPD制御部160aは、装置内の何らかの障害により、再送要求を行った相手に対する再送処理が行えない場合でも、一定時間経過後ではなく、当該障害を検知した装置アラーム制御部170の通知後、直ちに当該再送要求に対する再送要求を行う。
【0055】
続いて、SONET/SDHフレーム送信時の各部の説明を行う。
【0056】
LAPD制御部160aは、LAPDプロトコルのフレームフォーマットに基づき、中継装置の主制御部(図示しない)から入力される送信情報でLAPDフレームを作成する。
【0057】
PPP制御部160bは、PPPプロトコルのフレームフォーマットに基づき、中継装置の主制御部(図示しない)から入力される送信情報でPPPフレームを作成する。
【0058】
D4−D12判別部150は、図6のステップS130のプロトコル種別の判定結果に応じて、LAPD制御部160aから受け取るフレームとPPP制御部160bから受け取るフレームとのいずれかから、SONET/SDHにおけるフレームフォーマットに基づき、D4−D12の情報を作成する。
【0059】
セクションオーバーヘッド多重部180は、D4−D12判別部150から受け取るD4−D12の情報をセクションオーバーヘッドに多重する。
【0060】
SONET/SDHフレーム生成部190は、セクションオーバーヘッド多重部180から受け取るセクションオーバーヘッドでSONET/SDHフレームを生成する。
【0061】
信号送信部200は、SONET/SDHフレーム生成部190によって生成されたSONET/SDHフレームを光信号として出力する。
【0062】
上記したように、実施例1によれば、ネットワーク接続装置100は、監視制御装置40から送信された制御信号のプロトコルを判別し、プロトコルの種別に応じてLAPD制御部160aまたはPPP制御部160bで当該制御信号を処理する。
【0063】
当該ネットワーク接続装置100をSONET/SDH通信網を構成する伝送装置が搭載することにより、同一の監視制御装置で網全体を統一的に管理することが可能となる。また、管理する上で、OSIトンネルを設定するなどの煩雑な作業は不要である。
【実施例2】
【0064】
図8は、監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。同図に示すように、当該ネットワークは、中継装置50A1、ゲートウェイ装置50A2および中継装置50A3からなる第1のネットワークと、ゲートウェイ装置60A1、中継装置60A2および中継装置60A3からなる第2のネットワークと、ゲートウェイ装置70A1、中継装置70A2および中継装置70A3からなる第3のネットワークとが相互に接続されて構成される。
【0065】
具体的には、ゲートウェイ装置50A2のポート「P1」〜ポート「P4」それぞれに、中継装置50A1、中継装置50A3、ゲートウェイ装置70A1、ゲートウェイ装置60A1が接続される。
【0066】
また、ゲートウェイ装置60A1のポート「P5」〜ポート「P8」それぞれに、中継装置60A3、中継装置60A2、ゲートウェイ装置50A2、ゲートウェイ装置70A1が接続される。
【0067】
また、ゲートウェイ装置70A1のポート「P9」〜ポート「P12」それぞれに、中継装置70A2、中継装置70A3、ゲートウェイ装置50A2、ゲートウェイ装置60A1が接続される。
【0068】
上記した第1〜第3のネットワークは、いずれもSONET/SDHに準拠して構築されたネットワークであり、第1のネットワークは、GMPLSに対応し、第2および第3のネットワークは、OSIに対応している。
【0069】
したがって、装置50A1〜50A3間の通信にはTCP/IPプロトコルが用いられ、装置60A1〜60A3間の通信、および、装置70A1〜70A3間の通信にはOSIプロトコルが用いられる。
【0070】
上記したゲートウェイ装置50A2、ゲートウェイ装置60A1およびゲートウェイ装置70A1が本発明に係るゲートウェイ装置であり、一つの監視制御装置40によるネットワーク全体に対する統一的な管理を可能にしている。
【0071】
なお、実施例1と異なり、実施例2では、監視制御装置40は、ネットワークの監視制御に、自装置が接続された中継装置が使用するプロトコルの制御信号を使用する必要がある。つまり、図8では、監視制御装置40は、GMPLS制御信号(PPPプロトコル)を使用する。
【0072】
図9は、本発明に係るゲートウェイ装置の概要構成を示すブロック図である。なお、図8に示したゲートウェイ装置50A2を代表として説明を行う。
【0073】
同図に示すように、ゲートウェイ装置50A2は、主制御部310と、信号受信部320と、セクションオーバーヘッド分離部330と、D4−D12取得部340と、エラー検出部350と、プロトコル管理部360と、D4−D12判別部370と、LAPD制御部390aと、PPP制御部390bと、装置アラーム制御部380と、セクションオーバーヘッド多重部400と、SONET/SDHフレーム生成部410と、信号送信部420と、を備える。
【0074】
主制御部310は、ゲートウェイ装置50A2の全体制御や、ペイロードおよびセクションオーバーヘッドに対する情報処理を行う処理部である。
【0075】
以下に、フレーム受信時とフレーム送信時に分けて各部の説明を行う。まず、フレーム受信時の各部の説明を行う。
【0076】
信号受信部320は、対向する中継装置から送信された光信号を受信し、当該受信した光信号を電気変換した後、セクションオーバーヘッド分離部330に出力する。
【0077】
セクションオーバーヘッド分離部330は、信号受信部320からフレームを受け取ると、当該フレームをセクションオーバーヘッドとペイロードに分離する。そして、セクションオーバーヘッド分離部330は、当該セクションオーバーヘッドをD4−D12取得部340に出力し、当該ペイロードを主制御部310に出力する。
【0078】
D4−D12取得部340は、セクションオーバーヘッド分離部330からセクションオーバーヘッドを受け取ると、当該セクションオーバーヘッドからD4−D12を取得する。そして、D4−D12取得部340は、当該D4−D12をエラー検出部350に出力し、当該D4−D12を除くセクションオーバーヘッドを主制御部310に出力する。
【0079】
エラー検出部350は、D4−D12取得部340からD4−D12を受け取ると、当該D4−D12に対してチェックサムなどを行ってエラー検出を行う。そして、エラー検出部350は、エラーが検出されれば、LAPD制御部390aおよびPPP制御部390bにエラー検出の通知を行うエラー検出を行った後、エラー検出部350は、当該D4−D12をD4−D12判別部370に出力する。
【0080】
プロトコル管理部360は、自装置に接続された中継装置との通信に用いるプロトコルの種別を記憶する。
【0081】
具体的には、図10のゲートウェイ装置50A2のテーブルに示すように、プロトコル管理部360は、ポートと、プロトコルの種別とを対応付けて記憶する。
【0082】
D4−D12判別部370は、エラー検出部350からD4−D12を受け取って当該D4−D12の所定位置のビットの値を得ると、その値に基づいてプロトコルを判別する。なお、プロトコル判別手法は、実施例1で説明したとおりである。
【0083】
図11を用いてD4−D12判別部370の処理動作を説明する。図11は、D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはエラー検出部350からD4−D12を受け取った際に繰り返し実行される。
【0084】
まず、D4−D12判別部370は、受け取ったD4−D12がいずれのポートから入力されたかを判定する(ステップS240)。
【0085】
そして、D4−D12判別部370は、当該ポートとプロトコルの種別との対応関係が登録されているかプロトコル管理部360を検索し(ステップS250)、登録済みである場合には(ステップS250肯定)、当該ポートに対応付けられたプロトコルの種別に応じて出力先を決定し(ステップS260)、当該出力先にD4−D12を出力する(ステップS270)。
【0086】
なお、D4−D12判別部370は、プロトコルの種別がLAPDであればLAPD制御部390aに出力し、PPPであればPPP制御部390bに出力する。
【0087】
ステップS250に戻って、登録されていない場合には(ステップS250否定)、D4−D12判別部370は、図6でステップS110〜S140として示した判別・出力処理を行った後(ステップS280)、プロトコル判別が可能であった場合にのみ、ポートとプロトコルの種別との対応関係をプロトコル管理部360に登録し(ステップS290)、処理を終了する。
【0088】
LAPD制御部390aは、D4−D12判別部370から受け取ったD4−D12をLAPDプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0089】
PPP制御部390bは、D4−D12判別部370から受け取ったD4−D12をPPPプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0090】
なお、LAPD制御部390aおよびPPP制御部390bの具体的な処理動作については、実施例1の図7で説明したとおりであるので説明を省略する。
【0091】
装置アラーム制御部380は、装置内の障害発生を監視し、何らかの障害を検知すると、LAPD制御部390aおよびPPP制御部390bに通知する。
【0092】
続いて、フレーム送信時の各部の説明を行う。LAPD制御部390aは、LAPDプロトコルのフレームフォーマットに基づき、主制御部310から入力される送信情報でフレームを作成する。
【0093】
PPP制御部390bは、PPPプロトコルのフレームフォーマットに基づき、主制御部310から入力される送信情報でフレームを作成する。
【0094】
D4−D12判別部370は、LAPD制御部390aまたはPPP制御部390bからフレームを受け取ると、プロトコルの変換が必要な場合には、プロトコル変換部371によりフレームを再作成する。そして、D4−D12判別部370は、SONET/SDHにおけるフレームフォーマットに基づき、当該フレームでD4−D12の情報を作成する。
【0095】
図12を用いてD4−D12判別部370の処理動作を説明する。図12は、D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはLAPD制御部390aまたはPPP制御部390bからフレームを受け取った際に繰り返し実行される。
【0096】
まず、D4−D12判別部370は、受け取ったフレームがいずれのポートから出力されるかを識別し、プロトコル管理部360が記憶する対応関係を参照して宛先の装置が使用するプロトコルを判定する(ステップS300)。
【0097】
そして、D4−D12判別部370は、受け取ったフレームのプロトコルと、判定結果のプロトコルが同一であれば(ステップS310肯定)、受け取ったままのフレームでD4−D12の情報を作成してセクションオーバーヘッド多重部400に出力する(ステップS320)。
【0098】
一方、D4−D12判別部370は、受け取ったフレームのプロトコルと、判定結果のプロトコルが異なる場合には(ステップS310否定)、プロトコル変換部371により判定結果のプロトコルでフレームを再作成する(ステップS330)。
【0099】
そして、D4−D12判別部370は、当該フレームでD4−D12の情報を作成してセクションオーバーヘッド多重部400に出力し(ステップS320)、処理を終了する。
【0100】
ところで、ネットワーク内部で障害が発生し、SONET/SDHフレームの転送経路が変更される場合がある。
【0101】
例えば、図13に示すように、中継装置50A1と中継装置70A2との間の通常時の転送経路(図13の上段矢印)が、断線によって変更する場合がある(図13の下段矢印)。
【0102】
仮に、断線前に、各ゲートウェイ装置におけるプロトコル管理部が図10に示すようなポートとプロトコルの種別との対応関係を記憶していたとしても、断線が原因で当該テーブルの登録内容に変更は生じない。
【0103】
各ゲートウェイ装置のD4−D12判別部は、断線後も同様に、受け取ったフレームがいずれのポートから出力されるかを識別し、プロトコル管理部が記憶する対応関係を参照して宛先の装置が使用するプロトコルを判定する。そして、プロトコルの変換が必要な場合には、プロトコル変換部によりフレームを再作成する。
【0104】
したがって、ゲートウェイ装置50A2は、SONET/SDHフレームが断線後の経路で転送されても、当該フレームのD4−D12のプロトコルを、以前と同様、ポート「P1」の接続先の中継装置50A1との通信に用いるプロトコル「PPP」に変換する。
【0105】
また、ゲートウェイ装置70A1は、D4−D12のプロトコルを、以前と同様、ポート「P9」の接続先の中継装置70A2との通信に用いるプロトコル「LAPD」に変換する。
【0106】
その結果、断線が生じても中継装置50A1と中継装置70A2との間の通信は成立する。
【0107】
セクションオーバーヘッド多重部400は、D4−D12判別部370から受け取るD4−D12の情報を、主制御部310から受け取る当該D4−D12の情報を除くセクションオーバーヘッドに多重する。
【0108】
SONET/SDHフレーム生成部410は、セクションオーバーヘッド多重部400から受け取るセクションオーバーヘッドを、主制御部310から受け取るペイロードに付与し、SONET/SDHフレームを生成する。
【0109】
信号送信部420は、SONET/SDHフレーム生成部410によって生成されたSONET/SDHフレームを光信号として出力する。
【0110】
上記したように、実施例2によれば、ゲートウェイ装置は、制御信号を受信するたびに当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、プロトコル管理部に登録する。また、判別、または、プロトコル管理部の検索で決定したプロトコルの種別に応じてLAPD制御部またはPPP制御部で当該制御信号を処理する。さらに、制御信号を送信する場合には、必要であれば、当該制御信号のプロトコルを宛先の装置が使用するプロトコルに変換する。
【0111】
当該ゲートウェイ装置をSONET/SDH通信網において共通のプロトコルが用いられるネットワークごとに設置することにより、同一の監視制御装置で網全体を統一的に管理することが可能となる。また、管理する上で、OSIトンネルを設定するなどの煩雑な作業は不要である。
【0112】
以上の実施例1〜2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0113】
(付記1)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理手段と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理手段と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出手段と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理手段から出力される制御信号と、前記第二プロトコル処理手段から出力される制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【0114】
(付記2)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPDプロトコル処理手段と、
前記制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPPプロトコル処理手段と、
前記制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じて前記LAPDプロトコル処理手段または前記PPPプロトコル処理手段に当該制御信号を出力する判別振分手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【0115】
(付記3)前記判別振分手段は、前記制御信号の第9ビットおよび第17のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別することを特徴とする付記1に記載のネットワーク接続装置。
【0116】
(付記4)前記制御信号のエラーの検出を行い、エラーが検出された場合には、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に再送要求の通知を行うエラー検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記エラー検出手段からの通知を受け取った場合には、再送要求を行うことを特徴とする付記1または2に記載のネットワーク接続装置。
【0117】
(付記5)自装置の障害を検知し、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に通知する障害検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記障害検出手段からの通知を受け取った場合には、次回のキープアライブで行う処理を直ちに行うことを特徴とする付記1、2または3に記載のネットワーク接続装置。
【0118】
(付記6)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うゲートウェイ装置であって、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPDプロトコル処理手段と、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPPプロトコル処理手段と、
自装置と接続された伝送装置が用いるプロトコルの登録を受け付け、当該プロトコルをポートごとに記憶するプロトコル記憶手段と、
前記制御信号の受信時、前記プロトコル記憶手段を参照し、当該制御信号が入力されたポートについてプロトコルの登録の有無を判定し、登録されている場合には、登録されたプロトコルの種別に応じて前記LAPDプロトコル処理手段または前記PPPプロトコル処理手段に当該制御信号を出力し、未登録である場合には、当該制御信号の所定位置のビットの値に基づいてプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じてAまたはBに当該制御信号を出力する判定判別振分手段と、
前記判定判別振分手段によって判別された制御信号のプロトコルの種別を、当該制御信号が入力されたポートに対応するプロトコルとして前記プロトコル記憶手段に登録する登録手段と、
前記制御信号の送信時、前記プロトコル記憶手段から当該制御信号が出力されるポートに対応するプロトコルを検索し、当該制御信号を受信した際のプロトコルと異なる場合には、検索結果のプロトコルに変換する変換手段と、
を備えたことを特徴とするゲートウェイ装置。
【0119】
(付記7)前記判定判別振分手段は、前記制御信号の第9ビットおよび第17のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別することを特徴とする付記6に記載のゲートウェイ装置。
【0120】
(付記8)前記制御信号のエラーの検出を行い、エラーが検出された場合には、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に再送要求の通知を行うエラー検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記エラー検出手段からの通知を受け取った場合には、再送要求を行うことを特徴とする付記6または7に記載のゲートウェイ装置。
【0121】
(付記9)自装置の障害を検知し、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に通知する障害検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記障害検出手段からの通知を受け取った場合には、次回のキープアライブで行う処理を直ちに行うことを特徴とする付記6、7または8に記載のゲートウェイ装置。
【0122】
(付記10)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理工程と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理工程と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出工程と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理工程の結果得られる制御信号と、前記第二プロトコル処理工程の結果得られる制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【0123】
(付記11)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
前記制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別するプロトコル判別工程と、
LAPDプロトコルを用いて、前記プロトコル判別工程によってプロトコルの種別がLAPDプロトコルと判定された制御信号に対する処理を行うLAPDプロトコル処理工程と、
PPPプロトコルを用いて、前記プロトコル判別工程によってプロトコルの種別がPPPプロトコルと判定された制御信号に対する処理を行うPPPプロトコル処理工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【0124】
(付記12)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うゲートウェイ装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
前記制御信号の受信時、所定の記憶部を参照し、当該制御信号が入力されたポートについてプロトコルの登録の有無を判定し、登録されている場合には、当該制御信号のプロトコルの種別として決定し、未登録である場合には、当該制御信号の所定位置のビットの値に基づいてプロトコルの種別を判別するプロトコル決定判別工程と、
前記プロトコル決定判別工程によってプロトコルの判別が行われた場合に、当該判別結果のプロトコルの種別を、判別対象の制御信号が入力されたポートに対応するプロトコルとして前記所定の記憶部に登録する登録工程と、
LAPDプロトコルを用いて、前記プロトコル決定判別工程によってプロトコルの種別がLAPDプロトコルと決定または判定された制御信号に対する処理を行うLAPDプロトコル処理工程と、
PPPプロトコルを用いて、前記プロトコル決定判別工程によってプロトコルの種別がPPPプロトコルと決定または判定された制御信号に対する処理を行うPPPプロトコル処理工程と、
前記制御信号の送信時、前記所定の記憶部から当該制御信号が出力されるポートに対応するプロトコルを検索し、当該制御信号を受信した際のプロトコルと異なる場合には、検索結果のプロトコルに変換する変換工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。
【図2】本発明に係るネットワーク接続装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】SONET/SDHにおけるフレームフォーマットを示す図である。
【図4】PPPプロトコルのフレームフォーマットを示す図である。
【図5】LAPDプロトコルのフレームフォーマットを示す図である。
【図6】D4−D12判別部150の処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】LAPD制御部160aの処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。
【図9】本発明に係るゲートウェイ装置の概要構成を示すブロック図である。
【図10】プロトコル管理部が記憶する情報の例を示す図である。
【図11】D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】断線が発生したネットワークを示す図である。
【符号の説明】
【0126】
10A1〜10A3、20A1〜20A3、30A1〜30A3、50A1、50A3、60A2、60A3、70A2、70A3 中継装置
40 監視制御装置
50A2、60A1、70A1 ゲートウェイ装置
100 ネットワーク接続装置
110、320 信号受信部
120、330 セクションオーバーヘッド分離部
130、340 D4−D12取得部
140、350 エラー検出部
150、370 D4−D12判別部
160a、390a LAPD制御部
160b、390b PPP制御部
170、380 装置アラーム制御部
180、400 セクションオーバーヘッド多重部
190、410 SONET/SDHフレーム生成部
200、420 信号送信部
310 主制御部
360 プロトコル管理部
371 プロトコル変換部
【技術分野】
【0001】
この発明は、SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置、および当該装置における信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)通信網の管理には、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)に対応したものもあれば、OSI(Open Systems Interconnection)に対応したものもあり、網全体の通信プロトコルは複合的である。
【0003】
このようなSONET/SDH通信網は、NMS(Network Management System)と呼ばれる監視制御装置により管理される。
【0004】
その際、NMSと伝送装置間および各伝送装置間の通信には、SONET/SDHフレームのセクションオーバーヘッド内に用意されているSDCC(Section Data Communication Channel)が使用される。
【0005】
伝送装置がGMPLS、OSIのいずれに対応するかによってSDCCに用いられるプロトコルは異なり、GMPLSに対応する伝送装置間ではTCP/IPプロトコルが用いられ、OSIに対応する伝送装置間ではOSIプロトコルが用いられる。
【0006】
そして、NMSが送信する制御信号には、監視制御対象の伝送装置が用いるプロトコルを使用する必要がある。
【0007】
よって、例えば、GMPLSによる管理が適用されたネットワークと、OSIによる管理が適用されたネットワークとが混在する網全体を管理するためには、それぞれ共通のプロトコルが用いられるネットワークごとにNMSを設置する必要があるが、その場合、設置のために多くのコストがかかり、各NMSを操作する複数人の管理者を配置しなければならない。
【0008】
そこで、特許文献1では、IPパケットをOSIパケットにカプセル化し、OSIパケットとしてOSIに対応するDCN(Data Communication Network)網内を通すというOSIトンネルが開示されている。
【0009】
【特許文献1】特表2004−524784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このOSIトンネルにより、GMPLSに対応する伝送装置の監視制御については一つのNMSで行うことができ、NMSが減った分についてはコストや人員の削減になる。
【0011】
しかしながら、OSIトンネルの設定に要する作業が煩雑であり、誤設定の危険性があるという課題があった。また、OSIに対応する伝送装置の監視制御については別のNMSで行う必要があり、コストや人員の削減の余地があるという課題があった。
【0012】
そのため、SONET/SDH通信網全体を一つの監視制御装置によって統一的に、かつ、簡易に管理できる手法が望まれていた。
【0013】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、同一の監視制御装置によりSONET/SDH通信網を構成する伝送装置が統一的に管理され、当該管理には煩雑な作業が不要なネットワーク接続装置、および当該装置における信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理手段と、第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理手段と、受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出手段と、前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理手段から出力される制御信号と、前記第二プロトコル処理手段から出力される制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別手段と、を備えたことを要件とする。
【0015】
また、この方法は、SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理工程と、第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理工程と、受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出工程と、前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理工程の結果得られる制御信号と、前記第二プロトコル処理工程の結果得られる制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別工程と、を備えたことを要件とする。
【発明の効果】
【0016】
開示の装置をSONET/SDH通信網を構成する伝送装置が搭載することにより、同一の監視制御装置で網全体を統一的に管理することが可能となる。また、管理する上で、OSIトンネルを設定するなどの煩雑な作業は不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るネットワーク接続装置およびゲートウェイ装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。同図に示すように、当該ネットワークは、中継装置10A1〜中継装置10A3からなる第1のネットワークと、中継装置20A1〜中継装置20A3からなる第2のネットワークと、中継装置30A1〜中継装置30A3からなる第3のネットワークとが接続されて構成される。
【0019】
上記した第1〜第3のネットワークは、いずれもSONET/SDHに準拠して構築されたネットワークであり、第1および第3のネットワークは、GMPLSに対応し、第2のネットワークは、OSIに対応している。
【0020】
このようなネットワークにおいて、中継装置間の通信には、SONET/SDHにおけるフレームのセクションオーバーヘッド内に用意されているSDCC(Section Data Communication Channel)が使用される。
【0021】
しかしながら、当該中継装置間の通信には、第1〜第3のネットワークそれぞれで異なるプロトコルが用いられる。
【0022】
つまり、GMPLS対応の中継装置10A1〜中継装置10A3間の通信、および、中継装置30A1〜中継装置30A3間の通信にはTCP/IPプロトコルが用いられ、中継装置20A1〜中継装置20A3間の通信にはOSIプロトコルが用いられる。
【0023】
このように、小規模の各ネットワークの通信に用いられるプロトコルが異なるため、従来、ネットワーク全体を管理するには、当該小規模ネットワークごとに監視制御装置を設置する必要があった。
【0024】
中継装置20A1と中継装置20A2の間にOSIトンネルを設定することで、一つの監視制御装置により、GMPLS対応の第1および第3のネットワークを統一的に管理する手法もあったが、当該OSIトンネルの設定には煩雑な作業が必要であった。
【0025】
そこで、本発明に係るネットワーク接続装置を、図1に示したネットワーク内の全ての中継装置に搭載し、OSIトンネルを設定するなど煩雑な作業をすることなく、一つの監視制御装置40による当該ネットワーク全体に対する統一的な管理を可能にする。
【0026】
具体的には、各中継装置が、SDCC上で、OSI制御信号(LAPDプロトコル)とGMPLS制御信号(PPPプロトコル)の両方を通信できるようにする。よって、監視制御装置40は、ネットワークの監視制御にOSI制御信号またはGMPLS制御信号の両方を使用してよい。
【0027】
図2は、本発明に係るネットワーク接続装置の概要構成を示すブロック図である。同図に示すように、ネットワーク接続装置100は、信号受信部110と、セクションオーバーヘッド分離部120と、D4−D12取得部130と、エラー検出部140と、D4−D12判別部150と、LAPD制御部160aと、PPP制御部160bと、装置アラーム制御部170と、セクションオーバーヘッド多重部180と、SONET/SDHフレーム生成部190と、信号送信部200と、を備える。
【0028】
以下では、SONET/SDHフレームの受信時と送信時に分けて各部の説明を行う。まず、SONET/SDHフレーム受信時の各部の説明を行う。
【0029】
信号受信部110は、対向する中継装置から送信された光信号(SONET/SDHフレーム)を受信し、当該受信した光信号を電気変換した後、セクションオーバーヘッド分離部120に出力する。
【0030】
ここで、信号受信部110が受信する光信号(SONET/SDHフレーム)について図3を用いて具体的に説明を行う。図3は、SONET/SDHにおけるフレームフォーマットを示す図である。
【0031】
図1に示したネットワークにおいて、各中継装置は、図3に示すように、9行×270列で構成されるフレームを送受信する。
【0032】
先頭の9行×9列がセクションオーバーヘッドであり、フレームのヘッダ部分となる。当該セクションオーバーヘッドにおいて、上3行が中継セクションオーバーヘッド、第4行がAU−4ポインタ、そして、下5行が端局セクションオーバーヘッドである。残りの9行×261列がペイロードであり、情報を収容する領域となる。
【0033】
監視制御装置40から送信されるOSI制御信号(LAPDプロトコル)、または、GMPLS制御信号(PPPプロトコル)は、端局セクションオーバーヘッドにおけるD4−D12にマッピングされる。
【0034】
セクションオーバーヘッド分離部120は、信号受信部110からフレームを受け取ると、当該フレームからセクションオーバーヘッドを分離する。そして、セクションオーバーヘッド分離部120は、当該セクションオーバーヘッドをD4−D12取得部130に出力する。
【0035】
D4−D12取得部130は、セクションオーバーヘッド分離部120からセクションオーバーヘッドを受け取ると、当該セクションオーバーヘッドからD4−D12を取得する。そして、D4−D12取得部130は、当該D4−D12をエラー検出部140に出力する。
【0036】
エラー検出部140は、D4−D12取得部130からD4−D12を受け取ると、当該D4−D12に対してチェックサムなどを行ってエラー検出を行う。そして、エラー検出部140は、エラーが検出されれば、LAPD制御部160aおよびPPP制御部160bにエラー検出の通知を行う。エラー検出を行った後、エラー検出部140は、当該D4−D12をD4−D12判別部150に出力する。
【0037】
D4−D12判別部150は、エラー検出部140からD4−D12を受け取って当該D4−D12の所定位置のビットの値を得ると、その値に基づいてプロトコルを判別する。
【0038】
ここで、D4−D12判別部150によるプロトコル判別手法を図4および図5を用いて説明する。
【0039】
図4は、PPPプロトコルのフレームフォーマットを示す図であるが、同図に示すように、監視制御装置40がGMPLS制御信号(PPPプロトコル)を送信すると、当該制御信号のビット列において、第9ビットの値と第17ビットの値は、必ず「1」と「0」になる。
【0040】
また、図5は、LAPDプロトコルのフレームフォーマットを示す図であるが、同図に示すように、監視制御装置40がOSI制御信号(LAPDプロトコル)を送信すると、当該制御信号のビット列において、第9ビットの値と第17ビットの値は、必ず「0」と「1」になる。
【0041】
したがって、D4−D12判別部150は、D4−D12のビット列のうち、第9ビットと第17ビットの値を得て、その値が「1」と「0」であればPPPプロトコル、「0」と「1」であればLAPDプロトコルと判定する。
【0042】
つぎに、図6を用いてD4−D12判別部150の処理動作を説明する。図6は、D4−D12判別部150の処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはエラー検出部140からD4−D12を受け取った際に繰り返し実行される。
【0043】
まず、D4−D12判別部150は、受け取ったD4−D12のプロトコル判別を行い(ステップS110)、判別可能であった場合には(ステップS120肯定)、プロトコルの種別に応じた出力先へD4−D12を出力する(ステップS130)。
【0044】
なお、D4−D12判別部150は、D4−D12がLAPDプロトコルであればLAPD制御部160aに出力し、PPPプロトコルであればPPP制御部160bに出力する。
【0045】
一方、D4−D12判別部150は、判別不可能であった場合には(ステップS120否定)、既定の出力先へD4−D12を出力し(ステップS140)、処理を終了する。
【0046】
なお、判別不可能であった場合の出力先については任意に設定してよい。例えば、LAPD制御部160aまたはPPP制御部160bのいずれかを出力先にしてもよいし、LAPD制御部160aおよびPPP制御部160bの両方を出力先にしてもよい。
【0047】
LAPD制御部160aは、D4−D12判別部150から受け取ったD4−D12をLAPDプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0048】
PPP制御部160bは、D4−D12判別部150から受け取ったD4−D12をPPPプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0049】
装置アラーム制御部170は、装置内の障害発生を常時監視し、何らかの障害を検知すると、LAPD制御部160aおよびPPP制御部160bに通知する。
【0050】
図7を用いてLAPD制御部160aの処理動作を説明する。図7は、LAPD制御部160aの処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはネットワーク接続装置100の作動中繰り返し実行される。なお、PPP制御部160bの処理動作については以下に説明するLAPD制御部160aの処理動作と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
LAPD制御部160aは、エラー検出部140の通知を受け取った状態でD4−D12判別部150からD4−D12を受け取った場合には(ステップS150肯定かつステップS190肯定)、再送要求処理を行う(ステップS200)。
【0052】
一方、LAPD制御部160aは、エラー検出部140の通知がないままD4−D12判別部150からD4−D12を受け取った場合には(ステップS150肯定かつステップS190否定)、当該D4−D12をLAPDプロトコルで解釈し、再送要求であれば(ステップS210肯定)、当該再送要求を行った相手に対する再送処理を行う(ステップS230)。再送要求でない場合には(ステップS210否定)、自装置を搭載する中継装置の主制御部に出力するなどの通常処理を行う(ステップS220)。
【0053】
ステップS150に戻って、LAPD制御部160aは、D4−D12判別部150からD4−D12を受け取らないまま一定時間経過した場合に(ステップS150否定かつステップS160否定かつステップS170肯定)、対向する中継装置との通信を保つためにKeep Alive処理を行う(ステップS180)。
【0054】
また、LAPD制御部160aは、一定時間が経過しなくても、装置アラーム制御部170から通知を受け取ると(ステップS150否定かつステップS160肯定)、直ちにKeep Alive処理を行う(ステップS180)。その結果、例えば、LAPD制御部160aは、装置内の何らかの障害により、再送要求を行った相手に対する再送処理が行えない場合でも、一定時間経過後ではなく、当該障害を検知した装置アラーム制御部170の通知後、直ちに当該再送要求に対する再送要求を行う。
【0055】
続いて、SONET/SDHフレーム送信時の各部の説明を行う。
【0056】
LAPD制御部160aは、LAPDプロトコルのフレームフォーマットに基づき、中継装置の主制御部(図示しない)から入力される送信情報でLAPDフレームを作成する。
【0057】
PPP制御部160bは、PPPプロトコルのフレームフォーマットに基づき、中継装置の主制御部(図示しない)から入力される送信情報でPPPフレームを作成する。
【0058】
D4−D12判別部150は、図6のステップS130のプロトコル種別の判定結果に応じて、LAPD制御部160aから受け取るフレームとPPP制御部160bから受け取るフレームとのいずれかから、SONET/SDHにおけるフレームフォーマットに基づき、D4−D12の情報を作成する。
【0059】
セクションオーバーヘッド多重部180は、D4−D12判別部150から受け取るD4−D12の情報をセクションオーバーヘッドに多重する。
【0060】
SONET/SDHフレーム生成部190は、セクションオーバーヘッド多重部180から受け取るセクションオーバーヘッドでSONET/SDHフレームを生成する。
【0061】
信号送信部200は、SONET/SDHフレーム生成部190によって生成されたSONET/SDHフレームを光信号として出力する。
【0062】
上記したように、実施例1によれば、ネットワーク接続装置100は、監視制御装置40から送信された制御信号のプロトコルを判別し、プロトコルの種別に応じてLAPD制御部160aまたはPPP制御部160bで当該制御信号を処理する。
【0063】
当該ネットワーク接続装置100をSONET/SDH通信網を構成する伝送装置が搭載することにより、同一の監視制御装置で網全体を統一的に管理することが可能となる。また、管理する上で、OSIトンネルを設定するなどの煩雑な作業は不要である。
【実施例2】
【0064】
図8は、監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。同図に示すように、当該ネットワークは、中継装置50A1、ゲートウェイ装置50A2および中継装置50A3からなる第1のネットワークと、ゲートウェイ装置60A1、中継装置60A2および中継装置60A3からなる第2のネットワークと、ゲートウェイ装置70A1、中継装置70A2および中継装置70A3からなる第3のネットワークとが相互に接続されて構成される。
【0065】
具体的には、ゲートウェイ装置50A2のポート「P1」〜ポート「P4」それぞれに、中継装置50A1、中継装置50A3、ゲートウェイ装置70A1、ゲートウェイ装置60A1が接続される。
【0066】
また、ゲートウェイ装置60A1のポート「P5」〜ポート「P8」それぞれに、中継装置60A3、中継装置60A2、ゲートウェイ装置50A2、ゲートウェイ装置70A1が接続される。
【0067】
また、ゲートウェイ装置70A1のポート「P9」〜ポート「P12」それぞれに、中継装置70A2、中継装置70A3、ゲートウェイ装置50A2、ゲートウェイ装置60A1が接続される。
【0068】
上記した第1〜第3のネットワークは、いずれもSONET/SDHに準拠して構築されたネットワークであり、第1のネットワークは、GMPLSに対応し、第2および第3のネットワークは、OSIに対応している。
【0069】
したがって、装置50A1〜50A3間の通信にはTCP/IPプロトコルが用いられ、装置60A1〜60A3間の通信、および、装置70A1〜70A3間の通信にはOSIプロトコルが用いられる。
【0070】
上記したゲートウェイ装置50A2、ゲートウェイ装置60A1およびゲートウェイ装置70A1が本発明に係るゲートウェイ装置であり、一つの監視制御装置40によるネットワーク全体に対する統一的な管理を可能にしている。
【0071】
なお、実施例1と異なり、実施例2では、監視制御装置40は、ネットワークの監視制御に、自装置が接続された中継装置が使用するプロトコルの制御信号を使用する必要がある。つまり、図8では、監視制御装置40は、GMPLS制御信号(PPPプロトコル)を使用する。
【0072】
図9は、本発明に係るゲートウェイ装置の概要構成を示すブロック図である。なお、図8に示したゲートウェイ装置50A2を代表として説明を行う。
【0073】
同図に示すように、ゲートウェイ装置50A2は、主制御部310と、信号受信部320と、セクションオーバーヘッド分離部330と、D4−D12取得部340と、エラー検出部350と、プロトコル管理部360と、D4−D12判別部370と、LAPD制御部390aと、PPP制御部390bと、装置アラーム制御部380と、セクションオーバーヘッド多重部400と、SONET/SDHフレーム生成部410と、信号送信部420と、を備える。
【0074】
主制御部310は、ゲートウェイ装置50A2の全体制御や、ペイロードおよびセクションオーバーヘッドに対する情報処理を行う処理部である。
【0075】
以下に、フレーム受信時とフレーム送信時に分けて各部の説明を行う。まず、フレーム受信時の各部の説明を行う。
【0076】
信号受信部320は、対向する中継装置から送信された光信号を受信し、当該受信した光信号を電気変換した後、セクションオーバーヘッド分離部330に出力する。
【0077】
セクションオーバーヘッド分離部330は、信号受信部320からフレームを受け取ると、当該フレームをセクションオーバーヘッドとペイロードに分離する。そして、セクションオーバーヘッド分離部330は、当該セクションオーバーヘッドをD4−D12取得部340に出力し、当該ペイロードを主制御部310に出力する。
【0078】
D4−D12取得部340は、セクションオーバーヘッド分離部330からセクションオーバーヘッドを受け取ると、当該セクションオーバーヘッドからD4−D12を取得する。そして、D4−D12取得部340は、当該D4−D12をエラー検出部350に出力し、当該D4−D12を除くセクションオーバーヘッドを主制御部310に出力する。
【0079】
エラー検出部350は、D4−D12取得部340からD4−D12を受け取ると、当該D4−D12に対してチェックサムなどを行ってエラー検出を行う。そして、エラー検出部350は、エラーが検出されれば、LAPD制御部390aおよびPPP制御部390bにエラー検出の通知を行うエラー検出を行った後、エラー検出部350は、当該D4−D12をD4−D12判別部370に出力する。
【0080】
プロトコル管理部360は、自装置に接続された中継装置との通信に用いるプロトコルの種別を記憶する。
【0081】
具体的には、図10のゲートウェイ装置50A2のテーブルに示すように、プロトコル管理部360は、ポートと、プロトコルの種別とを対応付けて記憶する。
【0082】
D4−D12判別部370は、エラー検出部350からD4−D12を受け取って当該D4−D12の所定位置のビットの値を得ると、その値に基づいてプロトコルを判別する。なお、プロトコル判別手法は、実施例1で説明したとおりである。
【0083】
図11を用いてD4−D12判別部370の処理動作を説明する。図11は、D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはエラー検出部350からD4−D12を受け取った際に繰り返し実行される。
【0084】
まず、D4−D12判別部370は、受け取ったD4−D12がいずれのポートから入力されたかを判定する(ステップS240)。
【0085】
そして、D4−D12判別部370は、当該ポートとプロトコルの種別との対応関係が登録されているかプロトコル管理部360を検索し(ステップS250)、登録済みである場合には(ステップS250肯定)、当該ポートに対応付けられたプロトコルの種別に応じて出力先を決定し(ステップS260)、当該出力先にD4−D12を出力する(ステップS270)。
【0086】
なお、D4−D12判別部370は、プロトコルの種別がLAPDであればLAPD制御部390aに出力し、PPPであればPPP制御部390bに出力する。
【0087】
ステップS250に戻って、登録されていない場合には(ステップS250否定)、D4−D12判別部370は、図6でステップS110〜S140として示した判別・出力処理を行った後(ステップS280)、プロトコル判別が可能であった場合にのみ、ポートとプロトコルの種別との対応関係をプロトコル管理部360に登録し(ステップS290)、処理を終了する。
【0088】
LAPD制御部390aは、D4−D12判別部370から受け取ったD4−D12をLAPDプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0089】
PPP制御部390bは、D4−D12判別部370から受け取ったD4−D12をPPPプロトコルで解釈し、処理を行う。
【0090】
なお、LAPD制御部390aおよびPPP制御部390bの具体的な処理動作については、実施例1の図7で説明したとおりであるので説明を省略する。
【0091】
装置アラーム制御部380は、装置内の障害発生を監視し、何らかの障害を検知すると、LAPD制御部390aおよびPPP制御部390bに通知する。
【0092】
続いて、フレーム送信時の各部の説明を行う。LAPD制御部390aは、LAPDプロトコルのフレームフォーマットに基づき、主制御部310から入力される送信情報でフレームを作成する。
【0093】
PPP制御部390bは、PPPプロトコルのフレームフォーマットに基づき、主制御部310から入力される送信情報でフレームを作成する。
【0094】
D4−D12判別部370は、LAPD制御部390aまたはPPP制御部390bからフレームを受け取ると、プロトコルの変換が必要な場合には、プロトコル変換部371によりフレームを再作成する。そして、D4−D12判別部370は、SONET/SDHにおけるフレームフォーマットに基づき、当該フレームでD4−D12の情報を作成する。
【0095】
図12を用いてD4−D12判別部370の処理動作を説明する。図12は、D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートであり、同図に示す処理フローはLAPD制御部390aまたはPPP制御部390bからフレームを受け取った際に繰り返し実行される。
【0096】
まず、D4−D12判別部370は、受け取ったフレームがいずれのポートから出力されるかを識別し、プロトコル管理部360が記憶する対応関係を参照して宛先の装置が使用するプロトコルを判定する(ステップS300)。
【0097】
そして、D4−D12判別部370は、受け取ったフレームのプロトコルと、判定結果のプロトコルが同一であれば(ステップS310肯定)、受け取ったままのフレームでD4−D12の情報を作成してセクションオーバーヘッド多重部400に出力する(ステップS320)。
【0098】
一方、D4−D12判別部370は、受け取ったフレームのプロトコルと、判定結果のプロトコルが異なる場合には(ステップS310否定)、プロトコル変換部371により判定結果のプロトコルでフレームを再作成する(ステップS330)。
【0099】
そして、D4−D12判別部370は、当該フレームでD4−D12の情報を作成してセクションオーバーヘッド多重部400に出力し(ステップS320)、処理を終了する。
【0100】
ところで、ネットワーク内部で障害が発生し、SONET/SDHフレームの転送経路が変更される場合がある。
【0101】
例えば、図13に示すように、中継装置50A1と中継装置70A2との間の通常時の転送経路(図13の上段矢印)が、断線によって変更する場合がある(図13の下段矢印)。
【0102】
仮に、断線前に、各ゲートウェイ装置におけるプロトコル管理部が図10に示すようなポートとプロトコルの種別との対応関係を記憶していたとしても、断線が原因で当該テーブルの登録内容に変更は生じない。
【0103】
各ゲートウェイ装置のD4−D12判別部は、断線後も同様に、受け取ったフレームがいずれのポートから出力されるかを識別し、プロトコル管理部が記憶する対応関係を参照して宛先の装置が使用するプロトコルを判定する。そして、プロトコルの変換が必要な場合には、プロトコル変換部によりフレームを再作成する。
【0104】
したがって、ゲートウェイ装置50A2は、SONET/SDHフレームが断線後の経路で転送されても、当該フレームのD4−D12のプロトコルを、以前と同様、ポート「P1」の接続先の中継装置50A1との通信に用いるプロトコル「PPP」に変換する。
【0105】
また、ゲートウェイ装置70A1は、D4−D12のプロトコルを、以前と同様、ポート「P9」の接続先の中継装置70A2との通信に用いるプロトコル「LAPD」に変換する。
【0106】
その結果、断線が生じても中継装置50A1と中継装置70A2との間の通信は成立する。
【0107】
セクションオーバーヘッド多重部400は、D4−D12判別部370から受け取るD4−D12の情報を、主制御部310から受け取る当該D4−D12の情報を除くセクションオーバーヘッドに多重する。
【0108】
SONET/SDHフレーム生成部410は、セクションオーバーヘッド多重部400から受け取るセクションオーバーヘッドを、主制御部310から受け取るペイロードに付与し、SONET/SDHフレームを生成する。
【0109】
信号送信部420は、SONET/SDHフレーム生成部410によって生成されたSONET/SDHフレームを光信号として出力する。
【0110】
上記したように、実施例2によれば、ゲートウェイ装置は、制御信号を受信するたびに当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、プロトコル管理部に登録する。また、判別、または、プロトコル管理部の検索で決定したプロトコルの種別に応じてLAPD制御部またはPPP制御部で当該制御信号を処理する。さらに、制御信号を送信する場合には、必要であれば、当該制御信号のプロトコルを宛先の装置が使用するプロトコルに変換する。
【0111】
当該ゲートウェイ装置をSONET/SDH通信網において共通のプロトコルが用いられるネットワークごとに設置することにより、同一の監視制御装置で網全体を統一的に管理することが可能となる。また、管理する上で、OSIトンネルを設定するなどの煩雑な作業は不要である。
【0112】
以上の実施例1〜2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0113】
(付記1)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理手段と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理手段と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出手段と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理手段から出力される制御信号と、前記第二プロトコル処理手段から出力される制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【0114】
(付記2)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPDプロトコル処理手段と、
前記制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPPプロトコル処理手段と、
前記制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じて前記LAPDプロトコル処理手段または前記PPPプロトコル処理手段に当該制御信号を出力する判別振分手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【0115】
(付記3)前記判別振分手段は、前記制御信号の第9ビットおよび第17のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別することを特徴とする付記1に記載のネットワーク接続装置。
【0116】
(付記4)前記制御信号のエラーの検出を行い、エラーが検出された場合には、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に再送要求の通知を行うエラー検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記エラー検出手段からの通知を受け取った場合には、再送要求を行うことを特徴とする付記1または2に記載のネットワーク接続装置。
【0117】
(付記5)自装置の障害を検知し、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に通知する障害検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記障害検出手段からの通知を受け取った場合には、次回のキープアライブで行う処理を直ちに行うことを特徴とする付記1、2または3に記載のネットワーク接続装置。
【0118】
(付記6)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うゲートウェイ装置であって、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPDプロトコル処理手段と、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPPプロトコル処理手段と、
自装置と接続された伝送装置が用いるプロトコルの登録を受け付け、当該プロトコルをポートごとに記憶するプロトコル記憶手段と、
前記制御信号の受信時、前記プロトコル記憶手段を参照し、当該制御信号が入力されたポートについてプロトコルの登録の有無を判定し、登録されている場合には、登録されたプロトコルの種別に応じて前記LAPDプロトコル処理手段または前記PPPプロトコル処理手段に当該制御信号を出力し、未登録である場合には、当該制御信号の所定位置のビットの値に基づいてプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じてAまたはBに当該制御信号を出力する判定判別振分手段と、
前記判定判別振分手段によって判別された制御信号のプロトコルの種別を、当該制御信号が入力されたポートに対応するプロトコルとして前記プロトコル記憶手段に登録する登録手段と、
前記制御信号の送信時、前記プロトコル記憶手段から当該制御信号が出力されるポートに対応するプロトコルを検索し、当該制御信号を受信した際のプロトコルと異なる場合には、検索結果のプロトコルに変換する変換手段と、
を備えたことを特徴とするゲートウェイ装置。
【0119】
(付記7)前記判定判別振分手段は、前記制御信号の第9ビットおよび第17のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別することを特徴とする付記6に記載のゲートウェイ装置。
【0120】
(付記8)前記制御信号のエラーの検出を行い、エラーが検出された場合には、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に再送要求の通知を行うエラー検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記エラー検出手段からの通知を受け取った場合には、再送要求を行うことを特徴とする付記6または7に記載のゲートウェイ装置。
【0121】
(付記9)自装置の障害を検知し、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に通知する障害検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記障害検出手段からの通知を受け取った場合には、次回のキープアライブで行う処理を直ちに行うことを特徴とする付記6、7または8に記載のゲートウェイ装置。
【0122】
(付記10)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理工程と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理工程と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出工程と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理工程の結果得られる制御信号と、前記第二プロトコル処理工程の結果得られる制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【0123】
(付記11)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
前記制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別するプロトコル判別工程と、
LAPDプロトコルを用いて、前記プロトコル判別工程によってプロトコルの種別がLAPDプロトコルと判定された制御信号に対する処理を行うLAPDプロトコル処理工程と、
PPPプロトコルを用いて、前記プロトコル判別工程によってプロトコルの種別がPPPプロトコルと判定された制御信号に対する処理を行うPPPプロトコル処理工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【0124】
(付記12)SONET/SDHフレームの送受信処理を行うゲートウェイ装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
前記制御信号の受信時、所定の記憶部を参照し、当該制御信号が入力されたポートについてプロトコルの登録の有無を判定し、登録されている場合には、当該制御信号のプロトコルの種別として決定し、未登録である場合には、当該制御信号の所定位置のビットの値に基づいてプロトコルの種別を判別するプロトコル決定判別工程と、
前記プロトコル決定判別工程によってプロトコルの判別が行われた場合に、当該判別結果のプロトコルの種別を、判別対象の制御信号が入力されたポートに対応するプロトコルとして前記所定の記憶部に登録する登録工程と、
LAPDプロトコルを用いて、前記プロトコル決定判別工程によってプロトコルの種別がLAPDプロトコルと決定または判定された制御信号に対する処理を行うLAPDプロトコル処理工程と、
PPPプロトコルを用いて、前記プロトコル決定判別工程によってプロトコルの種別がPPPプロトコルと決定または判定された制御信号に対する処理を行うPPPプロトコル処理工程と、
前記制御信号の送信時、前記所定の記憶部から当該制御信号が出力されるポートに対応するプロトコルを検索し、当該制御信号を受信した際のプロトコルと異なる場合には、検索結果のプロトコルに変換する変換工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。
【図2】本発明に係るネットワーク接続装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】SONET/SDHにおけるフレームフォーマットを示す図である。
【図4】PPPプロトコルのフレームフォーマットを示す図である。
【図5】LAPDプロトコルのフレームフォーマットを示す図である。
【図6】D4−D12判別部150の処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】LAPD制御部160aの処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】監視制御の対象となるネットワークの一例を示す図である。
【図9】本発明に係るゲートウェイ装置の概要構成を示すブロック図である。
【図10】プロトコル管理部が記憶する情報の例を示す図である。
【図11】D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】D4−D12判別部370の処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】断線が発生したネットワークを示す図である。
【符号の説明】
【0126】
10A1〜10A3、20A1〜20A3、30A1〜30A3、50A1、50A3、60A2、60A3、70A2、70A3 中継装置
40 監視制御装置
50A2、60A1、70A1 ゲートウェイ装置
100 ネットワーク接続装置
110、320 信号受信部
120、330 セクションオーバーヘッド分離部
130、340 D4−D12取得部
140、350 エラー検出部
150、370 D4−D12判別部
160a、390a LAPD制御部
160b、390b PPP制御部
170、380 装置アラーム制御部
180、400 セクションオーバーヘッド多重部
190、410 SONET/SDHフレーム生成部
200、420 信号送信部
310 主制御部
360 プロトコル管理部
371 プロトコル変換部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理手段と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理手段と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出手段と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理手段から出力される制御信号と、前記第二プロトコル処理手段から出力される制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項2】
SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPDプロトコル処理手段と、
前記制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPPプロトコル処理手段と、
前記制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じて前記LAPDプロトコル処理手段または前記PPPプロトコル処理手段に当該制御信号を出力する判別振分手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項3】
前記判別振分手段は、前記制御信号の第9ビットおよび第17のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
【請求項4】
前記制御信号のエラーの検出を行い、エラーが検出された場合には、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に再送要求の通知を行うエラー検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記エラー検出手段からの通知を受け取った場合には、再送要求を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク接続装置。
【請求項5】
SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理工程と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理工程と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出工程と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理工程の結果得られる制御信号と、前記第二プロトコル処理工程の結果得られる制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【請求項1】
SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理手段と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理手段と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出手段と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理手段から出力される制御信号と、前記第二プロトコル処理手段から出力される制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項2】
SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置であって、
前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する処理にLAPDプロトコルを使用するLAPDプロトコル処理手段と、
前記制御信号に対する処理にPPPプロトコルを使用するPPPプロトコル処理手段と、
前記制御信号の所定位置のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別し、判別結果に応じて前記LAPDプロトコル処理手段または前記PPPプロトコル処理手段に当該制御信号を出力する判別振分手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項3】
前記判別振分手段は、前記制御信号の第9ビットおよび第17のビットの値に基づいて、当該制御信号のプロトコルの種別を判別することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
【請求項4】
前記制御信号のエラーの検出を行い、エラーが検出された場合には、前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段に再送要求の通知を行うエラー検出手段をさらに備え、
前記LAPDプロトコル処理手段および/または前記PPPプロトコル処理手段は、前記エラー検出手段からの通知を受け取った場合には、再送要求を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク接続装置。
【請求項5】
SONET/SDHフレームの送受信処理を行うネットワーク接続装置における前記SONET/SDHフレームのSDCCにマッピングされた制御信号に対する信号処理方法であって、
第一のネットワーク管理プロトコルを処理する第一プロトコル処理工程と、
第二のネットワーク管理プロトコルを処理する第二プロトコル処理工程と、
受信したSONET/SDHフレームのヘッダを抽出するフレームヘッダ抽出工程と、
前記抽出されたフレームヘッダに基づいて、ネットワーク管理プロトコルを判別し、該判別結果に基づいて、前記第一プロトコル処理工程の結果得られる制御信号と、前記第二プロトコル処理工程の結果得られる制御信号とのいずれか一方を選択して出力するプロトコル判別工程と、
を含んだことを特徴とする信号処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−246519(P2009−246519A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88338(P2008−88338)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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