説明

ネットワーク監視装置及び処理方法ならびにそのプログラム

【課題】始点ルータから終点ルータまでを繋げる複数のラベルスイッチパス表示することのできるネットワーク監視装置を提供する。
【解決手段】入力を受け付けた第1のルータ(始点ルータ)を起点とするLSPと、第2のルータ(終点ルータ)を終点とするLSPを特定し、またそれらのLSPを繋ぐ第3のLSPを特定する。そして、第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)が複数のLSPで中継されている場合に、当該第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)までを繋げる複数のLSPを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおいて始点ルータから終点ルータまでの間で設定されている複数のラベルスイッチパスを表示するネットワーク監視装置及び処理方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワーク間を物理的に接続するルータにおいては、通信ネットワーク経路上を流れるデータを次のルータへ転送する処理を行っている。そしてこの転送処理の簡略化により処理の高速化を図った技術としてMPLS(Multi Protocol Label Switching)が利用されている。この技術では、通信ネットワーク上に、起点ルータ、中継ルータ、終点ルータ(または起点ルータ、終点ルータのみ)からなるラベルスイッチパスが設定される。そして、あるルータから他のルータ間で設定されたラベルスイッチパスの経路を、障害等の発生有無の監視のために表示する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2005−286818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の特許文献1の技術では、指定されたある始点ルータから終点ルータが1つのラベルスイッチパスで設定されている場合に、その始点ルータから終点ルータまでのラベルスイッチパスを表示する技術であり、始点ルータから終点ルータが複数のラベルスイッチパスで中継されている場合に、始点ルータから終点ルータまでを繋げる複数のラベルスイッチパス表示する技術ではない。
【0004】
そこでこの発明は、始点ルータから終点ルータが複数のラベルスイッチパスで中継されている場合に、始点ルータから終点ルータまでを繋げる複数のラベルスイッチパスを表示することのできるネットワーク監視装置及び処理方法ならびにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、通通信ネットワークを構成する複数のルータのうち、指定された第1のルータと指定された第2のルータとの間の通信経路上に設定されるラベルスイッチパスと、前記第1のルータと前記第2のルータとの間における前記複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するネットワーク監視装置であって、ラベルスイッチパスを特定する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、前記ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶するラベルスイッチパス情報記憶手段と、前記ルータそれぞれの属する論理エリア情報を記憶する論理エリア情報記憶手段と、1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける指定受付手段と、前記1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、前記第1のルータの前記論理エリア情報と、前記第2のルータの前記論理エリア情報との比較に基づいて判定する論理エリア一致判定手段と、前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記起点ルータ識別情報が前記第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定する第1のラベルスイッチパス特定手段と、前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記終点ルータ識別情報が前記第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定する第2のラベルスイッチパス特定手段と、前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定する第3のラベルスイッチパス特定手段と、前記特定した第1〜第3のラベルスイッチパスのうち、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示するラベルスイッチパス表示手段と、を備えることを特徴とするネットワーク監視装置である。
【0006】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記第3のラベルスイッチパスの情報が特定できない場合に、前記第1のラベルスイッチパス特定手段が、前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを新たな第1のルータとして、前記起点ルータ識別情報が前記新たな第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、新たな第1のラベルスイッチパスの情報と特定し、前記第2のラベルスイッチパス特定手段が、前記第2のラベルスイッチパスの終点ルータを新たな第2のルータとして、前記終点ルータ識別情報が前記新たな第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、新たな第2のラベルスイッチパスの情報と特定し、前記第3のラベルスイッチパス特定手段が、前記新たな第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記新たな第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、新たな第3のラベルスイッチパスの情報と特定し、前記第1のラベルスイッチパス特定手段、前記第2のラベルスイッチパス特定手段、前記第3のラベルスイッチパス特定手段は、前記新たな前記第3のラベルスイッチパスの情報が特定できるまで再帰的に処理を繰り返すことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、前記第1のラベルスイッチパス特定手段、前記第2のラベルスイッチパス特定手段、前記第3のラベルスイッチパス特定手段それぞれは、2つのラベルスイッチパスを特定することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、トラフィック流量情報を受け付けるトラフィック流量情報受付手段と、前記トラフィック流量を、予め記憶する負荷分散率に応じて、前記第1〜第3のそれぞれのラベルスイッチパスに流れるトラフィック流量を算出する流量算出手段と、前記ラベルスイッチパスそれぞれの帯域を記憶する帯域情報記憶手段と、前記ラベルスイッチパスそれぞれに流れるトラフィック流量と、前記ラベルスイッチパスそれぞれの帯域とに基づいて、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスのそれぞれにおける帯域使用率を算出する帯域使用率算出手段と、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスのそれぞれにおける帯域使用率を表示する帯域使用率表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述のネットワーク監視装置において、障害発生経路または障害発生ルータの入力を受け付ける障害入力受付手段と、を備え、前記ラベルスイッチパス表示手段は、入力を受け付けた前記障害発生経路または障害発生ルータの情報を格納する前記ラベルスイッチパス情報で特定されるラベルスイッチパスを経由しない、前記第1のルータから前記第2のルータまでの前記第1〜第3のラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、通信ネットワークを構成する複数のルータのうち、指定された第1のルータと指定された第2のルータとの間の通信経路上に設定されるラベルスイッチパスと、前記第1のルータと前記第2のルータとの間における前記複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するネットワーク監視装置の処理方法であって、ラベルスイッチパスを特定する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、前記ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶し、前記ルータそれぞれの属する論理エリア情報を記憶し、1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付け、前記1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、前記第1のルータの前記論理エリア情報と、前記第2のルータの前記論理エリア情報との比較に基づいて判定し、前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記起点ルータ識別情報が前記第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定し、前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記終点ルータ識別情報が前記第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定し、前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定し、前記特定した第1〜第3のラベルスイッチパスのうち、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示することを特徴とする処理方法である。
【0011】
また本発明は、通信ネットワークを構成する複数のルータのうち、指定された第1のルータと指定された第2のルータとの間の通信経路上に設定されるラベルスイッチパスと、前記第1のルータと前記第2のルータとの間における前記複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するネットワーク監視装置であって、ラベルスイッチパスを特定する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、前記ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶するラベルスイッチパス情報記憶手段と、前記ルータそれぞれの属する論理エリア情報を記憶する論理エリア情報記憶手段と、を備えたネットワーク監視装置のコンピュータを、1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける指定受付手段、前記1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、前記第1のルータの前記論理エリア情報と、前記第2のルータの前記論理エリア情報との比較に基づいて判定する論理エリア一致判定手段、前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記起点ルータ識別情報が前記第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定する第1のラベルスイッチパス特定手段、前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記終点ルータ識別情報が前記第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定する第2のラベルスイッチパス特定手段、前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定する第3のラベルスイッチパス特定手段、前記特定した第1〜第3のラベルスイッチパスのうち、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示するラベルスイッチパス表示手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、入力を受け付けた第1のルータ(始点ルータ)を起点とするラベルスイッチパスと、第2のルータ(終点ルータ)を終点とするラベルスイッチパスを特定し、またそれらのラベルスイッチパスを繋ぐラベルスイッチパスを特定する。そして、第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)が複数のラベルスイッチパスで中継されている場合に、当該第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)までを繋げる複数のラベルスイッチパスを表示することができる。これにより、始点ルータから終点ルータへ通信を流す場合に、複数のどのLSPを介して到達するかを把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態によるネットワーク監視装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
この図において、符号1はネットワーク監視装置1である。そして、ネットワーク監視装置1は、入力部11、制御部12、LSP特定部13、表示経路特定部14、表示処理部15、流量算出部16、データベース17を備えている。
【0014】
そして、本実施形態によるネットワーク監視装置1は、通信ネットワークにおいて通信経路上に設定されるラベルスイッチパス(LSP)と、指定されたルータ間における複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するものであり、データベース17が、ラベルスイッチパスを構成する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶している。そして、入力部11が、1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける。そしてLSP特定部13は、1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、第1のルータの論理エリア情報と、第2のルータの論理エリア情報との比較に基づいて判定する。
【0015】
そして、LSP特定部13は、第1のルータと第2のルータとが通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、起点ルータ識別情報が第1のルータとなるラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定する。また、終点ルータ識別情報が第2のルータとなるラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定する。そして、LSP特定部13は、第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示すラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定する。
【0016】
ここでLSP特定部13は、第3のラベルスイッチパスの情報が特定できない場合には、第1のラベルスイッチパスの終点ルータを新たな第1のルータとして、起点ルータ識別情報が新たな第1のルータとなるラベルスイッチパス情報を、新たな第1のラベルスイッチパスの情報と特定し、また、第2のラベルスイッチパスの終点ルータを新たな第2のルータとして、終点ルータ識別情報が新たな第2のルータとなるラベルスイッチパス情報を、新たな第2のラベルスイッチパスの情報と特定する。そして、新たな第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、新たな第2のラベルスイッチパスの起点ルータを終点ルータ識別情報に示すラベルスイッチパス情報を、新たな第3のラベルスイッチパスの情報と特定する。なお、LSP特定部13は、新たな第3のラベルスイッチパスの情報が特定できるまで再帰的に、当該新たな第3のラベルスイッチパスが特定できるまで処理を繰り返す。
【0017】
図2は、本実施形態による通信ネットワークの構成を示す図である。
図2で示すように本実施形態による通信ネットワークは、ネットワーク監視装置1が監視する通信ネットワークであり、終端ルータ1〜4と、中継ルータ1〜中継ルータ10によって構成されている。そして、
終端ルータ1は、中継ルータ1と中継ルータ2
終端ルータ2は、中継ルータ1と中継ルータ2
中継ルータ1は、終端ルータ1と終端ルータ2と中継ルータ3と中継ルータ4
中継ルータ2は、終端ルータ1と終端ルータ2と中継ルータ3と中継ルータ4
中継ルータ3は、中継ルータ1と中継ルータ2と中継ルータ5と中継ルータ6
中継ルータ4は、中継ルータ1と中継ルータ2と中継ルータ5と中継ルータ6
中継ルータ5は、中継ルータ3と中継ルータ4と中継ルータ7と中継ルータ8
中継ルータ6は、中継ルータ3と中継ルータ4と中継ルータ7と中継ルータ8
中継ルータ7は、中継ルータ3と中継ルータ5と中継ルータ6と中継ルータ9と中継ルータ10
中継ルータ8は、中継ルータ4と中継ルータ5と中継ルータ6と中継ルータ9と中継ルータ10
中継ルータ9は、中継ルータ7と中継ルータ8と終端ルータ3と終端ルータ4
中継ルータ10は、中継ルータ7と中継ルータ8と終端ルータ3と終端ルータ4
終端ルータ3は、中継ルータ9と中継ルータ10
終端ルータ4は、中継ルータ9と中継ルータ10
と、物理線によりそれぞれ接続されている。
【0018】
そして、終端ルータ1と終端ルータ2が同一の論理エリアである終端エリア1に属し、終端ルータ3と終端ルータ4が同一の論理エリアである終端エリア2に属する。また、中継ルータ1と中継ルータ2が同一の論理エリアである中継エリア1に属する。また、中継ルータ3と中継ルータ4が同一の論理エリアである中継エリア2に属する。また、中継ルータ5と中継ルータ6が同一の論理エリアである中継エリア3に属する。また、中継ルータ7と中継ルータ8が同一の論理エリアである中継エリア4に属する。また、中継ルータ9と中継ルータ10が同一の論理エリアである中継エリア5に属する。
【0019】
また、図2で示すように、本実施形態による通信ネットワークには、LSP1〜12、LSP21〜32の、合計24本のLSPが設定されているものとする。ここで、
(1)LSP1は、終端ルータ1−中継ルータ1を繋ぐLSP
(2)LSP2は、中継ルータ1−中継ルータ3を繋ぐLSP
(3)LSP3は、中継ルータ3−中継ルータ5を繋ぐLSP
(4)LSP4は、中継ルータ5−中継ルータ7を繋ぐLSP
(5)LSP5は、中継ルータ7−中継ルータ9を繋ぐLSP
(6)LSP6は、中継ルータ9−終端ルータ3を繋ぐLSP
(7)LSP7は、中継ルータ3−中継ルータ7を繋ぐLSP
(8)LSP8は、終端ルータ1−中継ルータ2を繋ぐLSP
(9)LSP9は、中継ルータ1−中継ルータ4を繋ぐLSP
(10)LSP10は、中継ルータ3−中継ルータ6−中継ルータ7を繋ぐLSP
(11)LSP11は、中継ルータ7−中継ルータ10−中継ルータ8−中継ルータ9を繋ぐLSP
(12)LSP12は、中継ルータ9−終端ルータ4−中継ルータ10−終端ルータ3を繋ぐLSP
(13)LSP21は、終端ルータ2−中継ルータ2を繋ぐLSP
(14)LSP22は、中継ルータ2−中継ルータ4を繋ぐLSP
(15)LSP23は、中継ルータ4−中継ルータ6を繋ぐLSP
(16)LSP24は、中継ルータ6−中継ルータ8を繋ぐLSP
(17)LSP25は、中継ルータ8−中継ルータ10を繋ぐLSP
(18)LSP26は、中継ルータ4−終端ルータ8を繋ぐLSP
(19)LSP27は、終端ルータ2−中継ルータ1を繋ぐLSP
(20)LSP28は、中継ルータ2−中継ルータ3を繋ぐLSP
(21)LSP29は、中継ルータ4−中継ルータ5−中継ルータ8を繋ぐLSP
(22)LSP30は、中継ルータ8−中継ルータ9−中継ルータ7−中継ルータ10を繋ぐLSP
(23)LSP31は、中継ルータ10−終端ルータ3
(24)LSP32は、中継ルータ10−終端ルータ4−中継ルータ9−終端ルータ3を繋ぐLSP
である。そして、これらのLSPの起点ルータ識別情報(起点ルータID)や中継ルータ識別情報(中継ルータID)、終点ルータ識別情報(終点ルータID)からなるLSP情報が各終端ルータや中継ルータごとにデータベースに登録されている。なお、LSP1〜9,21〜28と、LSP10〜12と、LSP29,30〜32は、それぞれ実線や破線に分けて表示しているが、これはLSPが識別可能とするためである。
【0020】
図3はルータID特定テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、ルータID特定テーブルは、ルータ名と、ルータIDとが対応付けられて登録されている。例えば終端ルータ1は「0001A」、中継ルータ1は「0001B」の各ルータIDであることを示している。他のルータについては終端ルータ2〜4の各ルータIDは「0002A〜0004A」、中継ルータ2〜中継ルータ10の各ルータIDは「0002B〜0010B」であるとする。このルータ属性テーブルは、データベース17に格納される。
【0021】
図4はルータ属性テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、ルータ属性テーブルは、ルータIDと、そのルータに直接、物理線で接続されているルータを示す接続ルータIDとを対応付けて記憶する。このルータ属性テーブルも、データベース17に格納される。
【0022】
図5はLSP情報テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、LSP情報テーブルは、LSPを特定する識別情報であるLSP−IDと、LSPの経路における起点ルータのIDと、中間ルータのIDと、終点ルータのIDと、LSPがプライマリの経路かセカンダリの経路かを示すプライマリ/セカンダリ種別の情報を対応付けて記憶する。例えば、図2で示すLSP1は、起点ルータが終端ルータ1、終点ルータが中継ルータ1であり、またLSP1がプライマリの経路と設定されているため、LSP情報テーブルには、LSP−IDを示すLSP1、起点ルータIDを示す0001A(終端ルータ1)、終点ルータIDを示す0001B(中継ルータ1)、そのLSPの種別を示す「プライマリ」の情報が対応付けて登録される。そして、LSP情報テーブルには、図2で示したLSP1〜LSP12,LSP21〜32の24のLSPの情報が登録されている。またこのLSP情報テーブルも、データベース17に格納される。
【0023】
図6はエリア情報テーブルのデータ例を示す図である。
この図が示すように、エリア情報テーブルは、ルータID、そのルータが所属する論理エリアを示す所属エリアID、その所属エリアIDの論理エリア内のルータが直接物理線によって接続している他のルータの所属する論理エリアを示す隣接エリアID、その隣接エリアIDで示される論理エリア内において、前記所属エリアIDの論理エリア内のルータが直接物理線によって接続している他のルータの各ID、を対応付けて記憶している。このエリア情報テーブルも、データベース17に格納される。
【0024】
図7はデータベースの記憶する情報を示す図である。
この図が示すように、データベース17は、LSP情報、物理ネットワーク構成の情報、エリア情報、負荷分散率などの情報を記憶している。ここでLSP情報は、上記図5で示したLSP情報テーブルである。また物理ネットワーク構成の情報は、図3および図4で示したルータID特定テーブルとルータ属性テーブルである。またエリア情報は、上記図6で示したエリア情報テーブルである。また負荷分散率は、どのルータに何%の負荷分散を行うかの情報が記録されている。そして、これらデータベース17で記憶する情報は、通信ネットワークを介して各ルータの記憶している情報を読み取ったものであるか、またはルータに設定された情報を記録媒体を介してコピーされたものである。またはユーザによってデータ入力されたものであってもよい。
【0025】
図8はラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第1の図である。
図9はラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第2の図である。
図10はネットワーク監視装置の処理フローを示す図である。
次に、図8〜図10を用いてネットワーク監視装置の処理フローについて説明する。
まず、ネットワーク監視装置1の入力部11が、1つまたは複数のLSPにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける(ステップS1)。ここで第1のルータを終端ルータ1、第2のルータを終端ルータ3とする。すると制御部11は、第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3の情報をLSP特定部13に通知すると共に、LSPの特定処理の開始を指示する。
【0026】
LSP特定部13は、LSPの特定処理の開始の指示を受け付けると、まず、第1のルータ(始点ルータ)である終端ルータ1と、第2のルータ(終点ルータ)とである終端ルータ3のルータIDをルータID特定テーブル(図3)から読み取って、それらルータIDに対応付けられてエリア情報テーブル(図6)に登録されている各所属エリアIDを読み取る。そして、それら2つの所属エリアIDの比較により、指定された2つのルータの所属する論理エリアが一致するか否かを判定する(ステップS2)。ここで、図2においては、終端ルータ1と終端ルータ3は同一の論理エリア内に所属していないが、仮に、所属エリアIDの一致により、指定された2つのルータの所属する論理エリアが一致すると判定した場合には、そのエリア内における、1つまたは可能であれば経路の異なる2つのLSPであって、第1のルータと第2のルータとを繋ぐLSPを特定する(ステップS3)。例えば、起点ルータIDを第1のルータとし、終点ルータIDを第2のルータとするLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から特定する。
【0027】
次に、上記ステップS2において、第1のルータ(始点ルータ)である終端ルータ1と、第2のルータ(終点ルータ)である終端ルータ3と、のエリア情報が一致しなければ、第1のルータ(始点ルータ)である終端ルータ1のルータIDを起点ルータIDに持つLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取り、そのLSP情報を第1のLSPと特定する(ステップS4)。そしてこの第1のLSPの情報をメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、第1のルータである終端ルータ1のルータIDを起点ルータIDに持つLSP情報は、LSP1とLSP8であるため、LSP1とLSP8のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP1とLSP8の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)がメモリ等に一時記録される。
【0028】
また、LSP特定部13は、第2のルータ(終点ルータ)である終端ルータ3のルータIDを終点ルータIDに持つLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取り、そのLSP情報を第2のLSPと特定する(ステップS5)。そしてこの第2のLSPの情報をメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、第2のルータである終端ルータ3のルータIDを終点ルータIDに持つLSP情報は、LSP6,LSP12,LSP31,LSP32であるため、LSP6,LSP12,LSP31,LSP32のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP6,LSP12,LSP31,LSP32の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)が第2のLSP情報としてメモリ等に一時記録される。
【0029】
そして、次に、LSP特定部13は、メモリに一時記録された第1のLSPの終点ルータを起点ルータとし、第2のLSPの起点ルータを終点ルータとするLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)から読み取れるか否かを判定し(ステップS6)、読み取れる場合には、そのLSP情報を、第3のLSPと特定する(ステップS7)。ここで、第1のLSPはLSP1とLSP8、第2のLSPはLSP6,LSP12,LSP31,LSP32であるため、第1のLSPのうちの何れかのLSPと、第2のLSPのうちの何れかのLSPを選択して、その総当りにより、第1のLSPの終点ルータを起点ルータとし、第2のLSPの起点ルータを終点ルータとするLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取り、第3のLSPの情報としてメモリに格納する。
【0030】
ここで、本実施形態の通信ネットワークでは、図2に示すように第1のLSPであるLSP1またはLSP8の何れかの終点ルータを起点ルータとし、第2のLSPであるLSP6,LSP12,LSP31,LSP32のうちの何れかの起点ルータを終点ルータとするLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)に存在しない。従って、LSP特定部13は、第1のLSP(LSP1またはLSP8)の終点ルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)を新たな第1のルータとして、起点ルータIDが、その新たな第1のルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)となるLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)に記録されているかを判定し(ステップS8)、記録されていれば、そのLSP情報を読み取って、そのLSP情報を新たな第1のLSPと特定する(ステップS9)。そして、その新たな第1のLSPをメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、起点ルータIDが、新たな第1のルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)となるLSP情報は、LSP2,LSP9,LSP22,LSP28であるため、それらLSP2,LSP9,LSP22,LSP28のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP2,LSP9,LSP22,LSP28の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)がメモリ等に一時記録される。
【0031】
またLSP特定部13は、第2のLSP(LSP6,LSP12,LSP31,LSP32)の終点ルータ(中継ルータ9,中継ルータ10)を新たな第2のルータとして、終点ルータIDが、その新たな第2のルータ(中継ルータ9または中継ルータ10)となるLSP情報が、LSP情報テーブル(図5)に記録されているかを判定し(ステップS10)、記録されていれば、そのLSP情報を読み取って、そのLSP情報を新たな第2のLSPと特定する(ステップS11)。そしてこの新たな第2のLSPをメモリ等に記憶しておく。本実施形態において、終点ルータIDが、新たな第2のルータ(中継ルータ9または中継ルータ10)となるLSP情報は、LSP5,LSP11,LSP25,LSP30であるため、それらLSP5,LSP11,LSP25,LSP30のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP5,LSP11,LSP25,LSP30の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)がメモリ等に一時記録される。
【0032】
そして、次に、LSP特定部13は、メモリに一時記録された、新たな第1のルータ(中継ルータ1または中継ルータ2)の終点ルータを起点ルータとし、新たな第2のルータ(LSP5,LSP11,LSP25,LSP30)の起点ルータを終点ルータとするLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取れるか否かを判定し(ステップS12)、読み取ることが出来れば、そのLSP情報を新たな第3のLSPと特定する(ステップS13)。ここで、新たな第1のLSPはLSP2,LSP9,LSP22,LSP28であり、新たな第2のLSPはLSP5,LSP11,LSP25,LSP30であるため、新たな第1のLSPのうちの何れかのLSPと、新たな第2のLSPのうちの何れかのLSPを選択して、その総当りにより、新たな第1のLSPの終点ルータを起点ルータとし、新たな第2のLSPの起点ルータを終点ルータとする、新たな第3のLSPのLSP情報を、LSP情報テーブル(図5)から読み取る。本実施形態においては、新たな第1のLSP(LSP2,LSP9,LSP22,LSP28のいずれか)の終点ルータ(中継ルータ3または中継ルータ4)を起点ルータとし、新たな第2のLSP(LSP5,LSP11,LSP25,LSP30のいずれか)の起点ルータ(中継ルータ7または中継ルータ8)を終点ルータとする、新たな第3のLSPは、図9で示すように、LSP7,LSP10,LSP26,LSP29である。従って、LSP特定部13は、それらLSP7,LSP10,LSP26,LSP29のLSP情報(LSP情報テーブルのLSP7,LSP10,LSP26,LSP29の各LSP−IDに対応して記録されている始点ルータID、中間ルータID、終点ルータID、プライマリ/セカンダリ種別等の情報)をメモリ等に一時記録する。
【0033】
なお。LSP特定部13は、新たな第3のLSPが特定できない場合には、最後に特定した新たな第1のLSP(LSP2,LSP9,LSP22,LSP28)の終点ルータ(中継ルータ3または中継ルータ4)を次の新たな第1のルータとし、また最後に特定した新たな第2のLSP(LSP5,LSP11,LSP25,LSP30)の起点ルータ(中継ルータ7または中継ルータ8)を次の新たな第2のルータとし、上記の処理同様に、次の新たな第3のLSPを特定する。そして次の新たな第3のLSPも特定できなければ、新たな第1〜第3のLSPの特定処理を再帰的に繰り返す。そして、ステップS8またはステップS10において、新たな第1のLSPと新たな第2のLSPの何れかが見つからない場合には、処理を終了する。
【0034】
ここで、上記処理により、メモリには、
第1のLSP;LSP1,LSP8
第2のLSP;LSP6,LSP12,LSP31,LSP32
新たな第1のLSP;LSP2,LSP9,LSP22,LSP28
新たな第2のLSP;LSP5,LSP11,LSP25,LSP30
新たな第3のLSP;LSP7,LSP10,LSP26,LSP29
の各LSPの情報が一時記録されている。そして、新たな第3のLSPが特定できると、表示経路特定部14が、それら、第1のLSP;LSP1,LSP8、第2のLSP;LSP6,LSP12,LSP31,LSP32、新たな第1のLSP;LSP2,LSP9,LSP22,LSP28、新たな第2のLSP;LSP5,LSP11,LSP25,LSP30、新たな第3のLSP;LSP7,LSP10,LSP26,LSP29、の中から表示するLSPを特定し(ステップS14)、表示処理部15に通知する。表示処理部15は、モニタなどの画面上に表示している図2の通信ネットワーク上に、表示経路特定部14の特定した表示経路のLSPを、色分けして表示する等の処理を行う(ステップS15)。
【0035】
なお、本実施形態におけるLSPの表示においては、表示処理部15は、LSP特定部13によって特定された第1のLSP;LSP1,LSP8、第2のLSP;LSP6,LSP12,LSP31,LSP32、新たな第1のLSP;LSP2,LSP9,LSP22,LSP28、新たな第2のLSP;LSP5,LSP11,LSP25,LSP30、新たな第3のLSP;LSP7,LSP10,LSP26,LSP29、を全て表示し、その中で、第1の端末である終端ルータ1から第2の端末である終端ルータ3へデータを送信した場合に、優先的にデータが流れる経路上のプライマリの情報がLSP情報として保持されているLSPを選択し、そのプライマリのLSPを繋ぐデータフロー経路の線をハイライトで表示するようにする。
【0036】
ここで、上述の処理においては、入力を受け付けた第1のルータ(始点ルータ)を起点とするLSPと、第2のルータ(終点ルータ)を終点とするLSPを特定し、またそれらのLSPを繋ぐ第3のLSPを特定する。そして、第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)が複数のLSPで中継されている場合に、当該第1のルータ(始点ルータ)から第2のルータ(終点ルータ)までを繋げる複数のLSPを表示することができる。これにより、始点ルータから終点ルータへ通信を流す場合に、複数のどのLSPを介して到達するかを把握することができる。
【0037】
なお、上述の表示経路特定部14の処理として、例えば、障害発生経路または障害発生ルータを受け付けた場合には、その障害発生経路または障害発生ルータを含まない経路を表示するようにしてもよい。この場合、まず、入力部11を介して障害発生経路を示す起点ルータと終点ルータのID、または障害発生ルータを示すルータIDを受け付ける。すると、表示経路特定部14は、受け付けたルータIDをLSP情報に含まない複数のLSPの中から、上述の処理により、第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3を繋ぐLSPを特定する。この処理は、最初に負荷分散率が100%である第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3を繋ぐLSPのみを特定して表示しておき(図7の破線で示したLSPの経路)、その負荷分散率が100%であるLSPが障害発生経路または障害発生ルータのあるLSPである場合には、負荷分散率0%として設定されていたLSPの中から、第1のルータである終端ルータ1と第2のルータである終端ルータ3を繋ぐLSPを特定して、表示を切り替える処理を行うようにしてもよい。
【0038】
この処理により、障害発生経路または障害発生ルータがある場合に、どのような経路に変更して、複数のLSPを介して始点ルータから終点ルータへ通信が到達するかを把握することができる。
【0039】
また、入力部11がトラフィック流量を受け付けて、流量算出部16が、当該トラフィック流量を、予め記憶する負荷分散率に応じて、第1〜第3のそれぞれのLSPに流れるトラフィック流量を算出し、表示処理部15が、算出したトラフィック流量に応じたLSPの表示を行うようにしてもよい。例えば、算出したトラフィック流量の数値を各LSPの経路の横に表示したり、各LSPの経路の矢印の太さをトラフィック流量に応じて変更するなどしてもよい。
【0040】
また、ネットワーク監視装置1の表示処理部16の機能として、流量算出部16が算出したLSPそれぞれに流れるトラフィック流量と、LSPが張られる物理回線それぞれの帯域情報(物理ネットワーク構成情報としてデータベース17格納されている)とに基づいて、第1の端末である終端ルータ1と第2の端末である終端ルータ3を繋ぐLSPのそれぞれにおける物理回線に対する帯域使用率(例えば、帯域使用率=帯域情報÷トラフィック流量)を算出し、第1の端末である終端ルータ1と第2の端末である終端ルータ3を繋ぐLSPのそれぞれにおける物理回線に対する帯域使用率を別々に画面上に表示するようにしてもよい。
【0041】
また、第1の端末である終端ルータ1から第2の端末である終端ルータ3へデータを流す際の、データフロー経路や、帯域使用率が表示されている場面において、新たに、第1の端末である終端ルータ1から新たな終端ルータ(例えば終端ルータ4)を第2の端末と指定して、その端末間にデータを流す際のシミュレーションを指定した場合に、表示処理部16が、1回目のデータフロー経路のシミュレーションと、2回目のデータフロー経路のシミュレーションとに応じて、各LSPに流れるデータ流量の合計を計算し、その合計値が、各LSPが張られている物理回線の帯域許容量を越えるか否かを判定し、超える場合には、プライマリからセカンダリのLSPの経路へデータフロー経路を変更して表示するなどの処理をするようにしてもよい。
【0042】
例えば、ルータA−ルータB−ルータC−ルータDという経路と、ルータA−ルータB−ルータE−ルータDという経路のネットワーク構成があり、ルータA−ルータB間、ルータB−ルータC間、ルータC−ルータD間、ルータB−ルータE間、ルータE−ルータD間に、それぞれLSPが張られているとする。各ルータ間の物理回線が5G(bit/sec)であったとして、ルータA〜ルータDに2G(bit/sec)のトラフィックを流すと設定した場合、表示処理部16は、ルータA−ルータB−ルータC−ルータDを結ぶ物理回線上(ルータB−ルータC間とルータC−ルータD間がプライマリと設定され、ルータB−ルータE間とルータE−ルータD間がセカンダリと設定されているものとする)に、LSPやトラフィック流量(2G)の表示を行なう。またルータC−D間が故障であるという情報の設定を受けた場合には、表示処理部16はセカンダリを利用する経路ルータA−ルータB−ルータE−ルータDを結ぶ物理回線上に、LSPやトラフィック流量(2G)の表示を行なう。
【0043】
なお、上述のネットワーク監視装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】通信ネットワークの構成を示す図である。
【図3】ルータID特定テーブルのデータ例を示す図である。
【図4】ルータ属性テーブルのデータ例を示す図である。
【図5】LSP情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図6】エリア情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図7】データベースの記憶する情報を示す図である。
【図8】ラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第1の図である。
【図9】ラベルスイッチパス特定処理の概要を示す第2の図である。
【図10】ネットワーク監視装置の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0045】
11・・・入力部
12・・・制御部
13・・・LSP特定部
14・・・表示経路特定部
15・・・表示処理部
16・・・流量算出部
17・・・データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを構成する複数のルータのうち、指定された第1のルータと指定された第2のルータとの間の通信経路上に設定されるラベルスイッチパスと、前記第1のルータと前記第2のルータとの間における前記複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するネットワーク監視装置であって、
ラベルスイッチパスを特定する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、前記ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶するラベルスイッチパス情報記憶手段と、
前記ルータそれぞれの属する論理エリア情報を記憶する論理エリア情報記憶手段と、
1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける指定受付手段と、
前記1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、前記第1のルータの前記論理エリア情報と、前記第2のルータの前記論理エリア情報との比較に基づいて判定する論理エリア一致判定手段と、
前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記起点ルータ識別情報が前記第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定する第1のラベルスイッチパス特定手段と、
前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記終点ルータ識別情報が前記第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定する第2のラベルスイッチパス特定手段と、
前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定する第3のラベルスイッチパス特定手段と、
前記特定した第1〜第3のラベルスイッチパスのうち、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示するラベルスイッチパス表示手段と、
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記第3のラベルスイッチパスの情報が特定できない場合に、
前記第1のラベルスイッチパス特定手段が、前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを新たな第1のルータとして、前記起点ルータ識別情報が前記新たな第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、新たな第1のラベルスイッチパスの情報と特定し、
前記第2のラベルスイッチパス特定手段が、前記第2のラベルスイッチパスの終点ルータを新たな第2のルータとして、前記終点ルータ識別情報が前記新たな第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、新たな第2のラベルスイッチパスの情報と特定し、
前記第3のラベルスイッチパス特定手段が、前記新たな第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記新たな第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、新たな第3のラベルスイッチパスの情報と特定し、
前記第1のラベルスイッチパス特定手段、前記第2のラベルスイッチパス特定手段、前記第3のラベルスイッチパス特定手段は、前記新たな前記第3のラベルスイッチパスの情報が特定できるまで再帰的に処理を繰り返す
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記第1のラベルスイッチパス特定手段、前記第2のラベルスイッチパス特定手段、前記第3のラベルスイッチパス特定手段それぞれは、経路の異なる2つのラベルスイッチパスを特定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
トラフィック流量情報を受け付けるトラフィック流量情報受付手段と、
前記トラフィック流量を、予め記憶する負荷分散率に応じて、前記第1〜第3のそれぞれのラベルスイッチパスに流れるトラフィック流量を算出する流量算出手段と、
前記ラベルスイッチパスそれぞれの帯域を記憶する帯域情報記憶手段と、
前記ラベルスイッチパスそれぞれに流れるトラフィック流量と、前記ラベルスイッチパスそれぞれの帯域とに基づいて、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスのそれぞれにおける帯域使用率を算出する帯域使用率算出手段と、
前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスのそれぞれにおける帯域使用率を表示する帯域使用率表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のネットワーク監視装置。
【請求項5】
障害発生経路または障害発生ルータの入力を受け付ける障害入力受付手段と、を備え、
前記ラベルスイッチパス表示手段は、入力を受け付けた前記障害発生経路または障害発生ルータの情報を格納する前記ラベルスイッチパス情報で特定されるラベルスイッチパスを経由しない、前記第1のルータから前記第2のルータまでの前記第1〜第3のラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のネットワーク監視装置。
【請求項6】
通信ネットワークを構成する複数のルータのうち、指定された第1のルータと指定された第2のルータとの間の通信経路上に設定されるラベルスイッチパスと、前記第1のルータと前記第2のルータとの間における前記複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するネットワーク監視装置の処理方法であって、
ラベルスイッチパスを特定する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、前記ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶し、
前記ルータそれぞれの属する論理エリア情報を記憶し、
1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付け、
前記1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、前記第1のルータの前記論理エリア情報と、前記第2のルータの前記論理エリア情報との比較に基づいて判定し、
前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記起点ルータ識別情報が前記第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定し、
前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記終点ルータ識別情報が前記第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定し、
前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定し、
前記特定した第1〜第3のラベルスイッチパスのうち、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項7】
通信ネットワークを構成する複数のルータのうち、指定された第1のルータと指定された第2のルータとの間の通信経路上に設定されるラベルスイッチパスと、前記第1のルータと前記第2のルータとの間における前記複数のラベルスイッチパスのうちのデータフロー経路を表示するネットワーク監視装置であって、
ラベルスイッチパスを特定する少なくとも起点ルータ識別情報と終点ルータ識別情報からなるラベルスイッチパス情報を、前記ラベルスイッチパスそれぞれについて記憶するラベルスイッチパス情報記憶手段と、
前記ルータそれぞれの属する論理エリア情報を記憶する論理エリア情報記憶手段と、を備えたネットワーク監視装置のコンピュータを、
1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとの指定を受け付ける指定受付手段、
前記1つまたは複数のラベルスイッチパスにより接続される第1のルータと第2のルータとが同一の論理エリアに属するかを、前記第1のルータの前記論理エリア情報と、前記第2のルータの前記論理エリア情報との比較に基づいて判定する論理エリア一致判定手段、
前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記起点ルータ識別情報が前記第1のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第1のラベルスイッチパスの情報と特定する第1のラベルスイッチパス特定手段、
前記第1のルータと前記第2のルータとが前記通信ネットワーク上における同一の論理エリア内に属さない場合に、前記終点ルータ識別情報が前記第2のルータとなる前記ラベルスイッチパス情報を、第2のラベルスイッチパスの情報と特定する第2のラベルスイッチパス特定手段、
前記第1のラベルスイッチパスの終点ルータを起点ルータ識別情報に示し、前記第2のラベルスイッチパス起点ルータを終点ルータ識別情報に示す前記ラベルスイッチパス情報を、第3のラベルスイッチパスの情報と特定する第3のラベルスイッチパス特定手段、
前記特定した第1〜第3のラベルスイッチパスのうち、前記第1のルータと前記第2のルータを繋ぐラベルスイッチパスを前記通信ネットワークの図柄上に表示するラベルスイッチパス表示手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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