説明

ネットワーク自動構築装置、ネットワーク自動構築方法およびネットワーク自動構築プログラム

【課題】GMPLS網において、out-of-bandな制御プレーン(C−plane)を自動で構築して、手作業による誤設定を回避し、かつ、ネットワーク運用者の設定工数を削減する。
【解決手段】通信ネットワークは、データ信号を送受信する複数のノード10−1〜10−6と、ノード10−1〜10−6が複数の光リンクによって接続され、少なくともデータ信号を通信するD−plane30と、ノード10−1〜10−6がケーブルによって接続され、少なくとも制御信号を通信するC−plane20とを備えている。このネットワークを構築する際に、各ノード10−1〜10−6は、D−plane30上の隣接ノードから、C−plane20上の識別情報を受信する識別情報受信処理と、この隣接ノードとの間にケーブルを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理とを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プレーンとデータプレーンとが分離されたネットワークを自動で構築するネットワーク自動構築装置、ネットワーク自動構築方法およびネットワーク自動構築プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ラベルスイッチング方式を用いたパケット転送技術であるMPLS(Multi-Protocol Label Switching)に代わり、光ネットワーク上の信号をルーティングするGMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)技術を用いたネットワークが普及してきた。
【0003】
MPLSは、ルーティング(経路選択)情報としてIP(Internet Protocol)ヘッダの代わりに、「ラベル」と呼ばれる短い固定長の識別標識を利用する。MPLS対応ルータ(Label Switching Router:LSR)によって構成されたネットワーク内では、パケットの行き先に応じて次にどのルータに転送するかという情報を各ルータが保持しており、それぞれの経路はラベルによって識別される。MPLSネットワークの出入口にあるルータ(エッジルータ)は、外部から到着したパケットの経路情報にラベルを付加し、次のルータに転送すると共に、内部から外部ネットワークに送出するパケットからラベルを除去する。MPLSネットワーク内部のMPLS対応ルータ(LSR)は、パケットに付加されたラベルを参照して転送すべき次のルータを判断し、そのルータにパケットを送る。MPLS対応ルータ(LSR)同士はLDP(Label Distribution Protocol)プロトコルによって経路情報を交換し、経路が変更されるとラベルを再び割り当てる。MPLSは、上記のように、IPパケットのルーティング経路を決定する。しかし、光伝送に於いてMPLSは、ルーティングごとに光信号を電気信号に変換するので、オーバーヘッドが大きいという問題があった。
【0004】
GMPLSは、光信号の波長を基にルーティング経路を決定する処理と、制御専用のIPネットワークを用意して実データを光信号のままルーティングする処理とを行う技術である。このGMPLSは、光信号を電気信号に変換することなくルーティングすることができる。この制御専用のIPネットワークのことを、制御プレーン(Control-plane:C-plane)という。光信号である実データを伝達するネットワークのことを、データプレーン(Data-plane:D-plane)という。
【0005】
GMPLSでは、論理的に制御プレーン(C-plane)とデータプレーン(D-plane)が分離されている。GMPLSプロトコルで制御するためには、ノード、インタフェース、リンクの論理情報(TE-link)に関する情報を事前に設定する必要がある。しかし、WDM(Wavelength Division Multiplexing)網などに於いて、インタフェース数が多くなると設定項目も多くなり、設定工数が掛ると共に設定ミスを誘発する虞がある。そこで、データプレーン(D-plane)やIn-bandな制御プレーン(C-plane)を対象に、隣接ノード間のケーブルを接続するだけで自動的に網構築に必要な情報をやりとりして設定する「プラグアンドプレイ(Plug aNd Play:PnP)技術」が提案されている。
非特許文献1には、光プラグアンドプレイにより、GMPLSネットワークのデータプレーンを自動的に構築する発明が記載されている。
非特許文献2には、光伝送網に於いて、自動で網を構築する光プラグアンドプレイ技術の発明が記載されている。
なお、In-bandな制御プレーン(C-plane)とは、光伝送のひとつの波長チャネルを、制御プレーン(C-plane)に割り当てたものをいう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Rie Hayashi, Kohei Shiomoto、“Design and Implementation of an Optical Plug and Play Technique”、社団法人電子情報通信学会、電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集、2010年8月31日、BS-7-27
【非特許文献2】林理恵、井上一郎、塩本公平、「光プラグアンドプレイ技術の汎用化と高速化」、社団法人電子情報通信学会、ネットワークシステム研究会、2010年1月21日、NS2009-158、pp.95-100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1,2に記載された発明によれば、データプレーン(D-plane)とIn-bandな制御プレーン(C-plane)とをプラグアンドプレイ(PnP)で自動構築することができる。
【0008】
しかし実際には、In-bandではなくout-of-bandな制御プレーン(C-plane)を構築すべき場合もある。In-bandな制御プレーンでは、光リンクの物理層をデータプレーン(D-plane)と共用するため、ネットワークに障害が発生したとき、データの送受信ができなくなると共に、各ノードを制御できなくなってしまい、各ノードの状態すら把握できなくなってしまうからである。よって、制御プレーン(C-plane)の物理層をケーブルとし、データプレーン(D-plane)の物理層を光リンクとするout-of-bandな制御プレーン(C-plane)を構築することが望ましい。これにより、光リンクネットワークに障害が発生したときでも、各ノードの状態を把握し、障害から回復するための制御を行うことができる。
【0009】
制御プレーン(C-plane)の物理層をケーブルとし、データプレーン(D-plane)の物理層を光リンクとしたとき、制御プレーン(C-plane)上の隣接ノードが、データプレーン(D-plane)上の隣接ノードと一致しない場合がある。つまり、制御プレーン(C-plane)のトポロジとデータプレーン(D-plane)のトポロジとが異なる場合がある。この場合に、データプレーン(D-plane)上の隣接ノードと、制御プレーン(C-plane)上でGMPLSプロトコルのIPパケットを送受信しようとしても、中継する他のノードによって、このIPパケットが中継されず、宛先アドレスに到達しない虞がある。または、中継する他のノードによって、このIPパケットが誤って解釈され、エラーとなってしまう虞がある。
【0010】
out-of-bandな制御プレーンを構築するためには、データプレーン(D-plane)上での隣接ノードに対応する制御プレーン(C-plane)上のノードを特定し、この隣接ノード同士にトンネルを設定する必要があった。従来、ネットワーク運用者は、これらの設定を手作業で行っていた。よって、所定の設定工数を要し、かつ、手作業による誤設定の虞があった。
【0011】
そこで、本発明は、GMPLS網において、out-of-bandな制御プレーン(C-plane)を自動で構築して、手作業による誤設定を回避し、かつ、ネットワーク運用者の設定工数を削減することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であって、複数の前記ネットワーク自動構築装置は、複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンとを有する通信ネットワークによって接続され、前記ネットワーク自動構築装置は、前記第2のリンクを介して通信するコントローラ部と、前記第1のリンクを介して通信する第1リンク通信部と、を有し、前記コントローラ部は、前記第1リンク通信部を介して、前記データプレーン上の隣接ノードから、前記制御プレーン上の識別情報を受信する識別情報受信処理と、前記隣接ノードとの間に、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、を実行することを特徴とするネットワーク自動構築装置とした。
【0013】
請求項9に記載の発明は、データ信号を送受信する複数のノードと、複数の前記ノードが複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の前記ノードが複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンと、を有する通信ネットワークのネットワーク自動構築方法であって、各前記ノードは、前記データプレーン上の隣接ノードから、前記制御プレーン上の識別情報を受信する識別情報受信処理と、前記隣接ノードとの間に、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、を実行することを特徴とするネットワーク自動構築方法とした。
【0014】
このようにすることで、本発明によれば、out-of-bandな制御プレーンを自動で構築して、手作業による誤設定を回避し、かつ、ネットワーク運用者の設定工数を削減することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記コントローラ部は、前記制御プレーンを介して、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を実行し、前記他の全ノードの前記コントローラ部は、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記データプレーンを介して前記識別情報を送信するメッセージ送信処理を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク自動構築装置とした。
【0016】
請求項10に記載の発明は、前記識別情報受信処理に於いて、前記ノードが、前記制御プレーンを介して、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を実行し、前記他の全ノードが、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記データプレーンを介して前記識別情報を送信するメッセージ送信処理を実行する、ことを特徴とする請求項9に記載のネットワーク自動構築方法とした。
【0017】
このようにすることで、本発明によれば、ネットワークの自動構築を、フラッディング処理を行ったのちの特定のタイミングに限定でき、ノードの通常状態の動作に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記コントローラ部は、前記フラッディング処理に於いて、前記制御プレーンを介して、トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、前記メッセージ送信処理に於いて、前記他の全ノードの前記コントローラ部は、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク自動構築装置とした。
【0019】
請求項11に記載の発明は、前記フラッディング処理に於いて、前記ノードが、前記制御プレーンを介して、トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、前記メッセージ送信処理に於いて、前記他の全ノードが、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、ことを特徴とする請求項10に記載のネットワーク自動構築方法とした。
【0020】
このようにすることで、本発明によれば、隣接ノードからトンネル属性情報を取得できるので、隣接ノードそれぞれに最適なトンネルを設定できる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、前記コントローラ部は、前記フラッディング処理に於いて、前記制御プレーンを介して、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)サポート情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、前記他の全ノードの前記コントローラ部は、前記メッセージ送信処理に於いて、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記GMPLSサポート情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク自動構築装置とした。
【0022】
請求項12に記載の発明は、前記フラッディング処理に於いて、前記ノードが、前記制御プレーンを介して、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)サポート情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、前記メッセージ送信処理に於いて、前記他の全ノードが、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記GMPLSサポート情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、ことを特徴とする請求項10に記載のネットワーク自動構築方法とした。
【0023】
このようにすることで、本発明によれば、隣接ノードからGMPLSサポート情報を取得できるので、隣接ノードを、GMPLS制御コマンドによって誤りなく制御することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、前記コントローラ部は、前記識別情報受信処理に於いて、前記隣接ノードの候補を把握し、前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから、前記データプレーンを介して前記識別情報を受信する、ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク自動構築装置とした。
【0025】
請求項13に記載の発明は、前記識別情報受信処理は、前記ノードが、前記隣接ノードの候補を把握し、前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから、前記データプレーンを介して前記識別情報を受信する、ことを特徴とする請求項10に記載のネットワーク自動構築方法とした。
【0026】
このようにすることで、本発明によれば、制御プレーン上でのフラッディング処理を行うことなくネットワークを自動構築できるので、制御プレーン上のトラヒックを最小化し、かつ、他ノードへ与える影響を最小化できる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であって、複数の前記ネットワーク自動構築装置は、複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンとを有する通信ネットワークによって接続され、前記ネットワーク自動構築装置は、前記第2のリンクを介して通信するコントローラ部と、前記第1のリンクを介して通信する第1リンク通信部と、を有し、前記コントローラ部は、前記データプレーン上の隣接ノードの候補を把握して、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理を行い、前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから前記データプレーンを介して前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理、または、導通が確認できなかったノードとの間の前記通信トンネルを削除するトンネル削除処理を繰り返し実行する、ことを特徴とするネットワーク自動構築装置とした。
【0028】
請求項14に記載の発明は、データ信号を送受信する複数のノードと、複数の前記ノードが複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の前記ノードが複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンと、を有する通信ネットワークのネットワーク自動構築方法であって、各前記ノードは、前記データプレーン上の隣接ノードの候補を把握して、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理を実行し、前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから前記データプレーンを介して前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理、または、導通が確認できなかったノードとの間の前記通信トンネルを削除するトンネル削除処理を繰り返し実行する、ことを特徴とするネットワーク自動構築方法とした。
【0029】
このようにすることで、本発明によれば、通信トンネルを経由した制御トラヒックのみで、ネットワークを自動構築できる。
【0030】
請求項7に記載の発明は、データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であって、複数の前記ネットワーク自動構築装置は、複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンとを有する通信ネットワークによって接続され、前記ネットワーク自動構築装置は、前記第2のリンクを介して通信するコントローラ部と、前記第1のリンクを介して通信する第1リンク通信部と、を有し、前記コントローラ部は、前記第1リンク通信部を制御して、前記データプレーン上の隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの通信チャネルを介して制御信号を通信可能とする通信チャネル割当処理と、前記第1リンク通信部と、前記データプレーンの前記通信チャネルとを介して、全ての前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理と、前記隣接ノード全てについて、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、を実行することを特徴とするネットワーク自動構築装置とした。
【0031】
請求項15に記載の発明は、データ信号を送受信する複数のノードと、複数の前記ノードが複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の前記ノードが複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンと、を有する通信ネットワークのネットワーク自動構築方法であって、各前記ノードは、前記データプレーン上の隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの通信チャネルを介して制御信号を通信可能とする通信チャネル割当処理と、前記データプレーンの前記通信チャネルを介して、全ての前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理と、前記隣接ノード全てについて、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、を実行することを特徴とするネットワーク自動構築方法とした。
【0032】
このようにすることで、本発明によれば、制御プレーン上でのトラヒック無しに、データプレーンのみでネットワークを自動構築できる。
【0033】
請求項8に記載の発明は、前記コントローラ部は、前記トンネル設定処理を実行したのち、前記データプレーン上の前記隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの前記通信チャネルを、データ信号を通信するように再び割り当てる通信チャネル再割当処理を実行する、ことを特徴とする請求項7に記載のネットワーク自動構築装置とした。
【0034】
請求項16に記載の発明は、前記トンネル設定処理を実行したのち、前記データプレーン上の前記隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの前記通信チャネルを、データ信号を通信するように再び割り当てる通信チャネル再割当処理を実行する、ことを特徴とする請求項15に記載のネットワーク自動構築方法とした。
【0035】
このようにすることで、本発明によれば、通信チャネルを専有することなく、再びデータ信号に割り当てることができ、通信チャネルを有効に活用することができる。
【0036】
請求項17に記載の発明は、請求項9ないし請求項16のいずれか1項に記載のネットワーク自動構築方法を、コンピュータである前記ノードに実行させるためのネットワーク自動構築プログラムとした。
【0037】
このようにすることで、本発明によれば、上述したネットワーク自動構築方法を、前記ノードに実行させることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、GMPLS網において、out-of-bandな制御プレーンを自動で構築して、手作業による誤設定を回避し、かつ、ネットワーク運用者の設定工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1の実施形態に於けるネットワークを示す概略の構成図である。
【図2】第1の実施形態に於ける各ノードとリンクを示す概略の構成図である。
【図3】第1の実施形態に於ける各ノード動作のタイミングを示す図である。
【図4】第1の実施形態に於けるノードAの処理を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に於けるノードの処理を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に於けるD−plane用のLMPメッセージ交換を示す図である。
【図7】第2の実施形態に於けるC−plane用のLMPメッセージ交換を示す図である。
【図8】第3の実施形態に於けるノードの処理を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施形態に於けるノードの処理を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施形態に於けるノードの動作(その1)を示す図である。
【図11】第4の実施形態に於けるノードの動作(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以降、本発明を実施するための形態を、図を参照して詳細に説明する。
【0041】
(第1の実施形態の構成)
【0042】
図1は、第1の実施形態に於けるネットワークを示す概略の構成図である。
GMPLSネットワークは、制御プレーンであるC−plane20と、データプレーンであるD−plane30とを有している。
【0043】
C−plane20は、制御専用のIPネットワークである。C−plane20は、データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であるノード10−1〜10−6と、ルータ21−1〜21−4が、相互に電気信号を通信可能なケーブルで接続された複数の第1のリンクによって構成されている。これらを接続するケーブルは、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブルである。C−plane20は、複数のノード10−1〜10−6が複数のケーブル(第1のリンク)によって接続され、これらの複数のケーブルによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンである。
【0044】
各ノード10−1〜10−6は、GMPLSネットワークを構成する光クロスコネクト装置(optical cross-connect:OXC)であり、詳細は後述する図2に於いて説明する。各ノード10−1〜10−6は、データ信号を送受信する。
ルータ21−1〜21−4は、C−plane20を構成するリンク上を流れるデータを、他の装置に中継する。ルータ21−1〜21−4は、MPLS対応ルータ(LSR)以外の汎用のルータでよい。
C−plane20上で、ノード10−1は、ノード10−3に、ケーブルで接続されている。
C−plane20上で、ノード10−3は、ノード10−1,10−2と、ルータ21−1とに、ケーブルで接続されている。
C−plane20上で、ノード10−2は、ノード10−3,10−4と、ルータ21−2とに、ケーブルで接続されている。
ルータ21−1は、ノード10−3,10−4に、ケーブルで接続されている。
ルータ21−2は、ノード10−2,10−5に、ケーブルで接続されている。
C−plane20上で、ノード10−4は、ノード10−2と、ルータ21−1,21−3とに、ケーブルで接続されている。
C−plane20上で、ノード10−5は、ルータ21−2,21−4に、ケーブルで接続されている。
ルータ21−3は、ノード10−4,10−6に、ケーブルで接続されている。
ルータ21−4は、ノード10−5,10−6に、ケーブルで接続されている。
C−plane20上で、ノード10−6は、ルータ21−3,21−4に、ケーブルで接続されている。
【0045】
D−plane30は、ノード10−1〜10−6が相互に、複数の光リンク(第2のリンク)によって接続され、これら光リンクによって少なくとも実データ(データ信号)を通信するよう構成されている。D−plane30は、光信号である実データ(データ信号)を伝達するデータプレーンである。ノード10−1,10−6は、このGMPLSネットワークの出入口となるエッジルータである。
D−plane30上で、エッジルータであるノード10−1は、ノード10−2,10−3に、光リンクで接続されている。
D−plane30上で、ノード10−2は、ノード10−1,10−3,10−4に、光リンクで接続されている。
D−plane30上で、ノード10−3は、ノード10−1,10−2,10−4に、光リンクで接続されている。
D−plane30上で、ノード10−4は、ノード10−2,10−3,10−5,10−6に、光リンクで接続されている。
D−plane30上で、ノード10−5は、ノード10−2,10−4,10−6に、光リンクで接続されている。
D−plane30上で、エッジルータであるノード10−6は、ノード10−4,10−5に、光リンクで接続されている。
D−plane30上のノード10−1〜10−6に相互に張られた光リンクには、クライアント信号用の伝送パスが形成される。
【0046】
C−plane20上のノード10−1〜10−6に相互に張られたケーブルには、GMPLS制御メッセージを伝送するコントロールチャネル用の伝送パスが形成される。GMPLSネットワークは、ラベルを付加してクライアントデータを伝送するネットワークである。各ノード10−1〜10−6は、LSRなどのネットワーク伝送装置である。
【0047】
GMPLS制御メッセージは、RSVP−TE(Resource ReSerVation Protocol-Traffic Engineering)、OSPF−TE(Open Shortest Path First-Traffic Engineering)、LMP(Link Management Protocol)など、種々の制御プロトコルを含んでいる。
RSVP−TEは、ラベルを判別して伝送フレームをフォワーディングするための経路指定や伝送パスの帯域幅の予約を行う制御プロトコルである。OSPF−TEは、最短経路を求めるための制御プロトコルである。LMPは、GMPLS制御メッセージを伝送するコントロールチャネルやリンク管理・障害管理などを行う制御プロトコルである。
【0048】
図2は、第1の実施形態に於ける各ノードとリンクを示す概略の構成図である。
ノード10−1とノード10−2とは、C−plane20上で、ルータや他のノードなどを介してケーブル接続されていると共に、D−plane30上で相互に光リンクで接続されている。
【0049】
ノード10−1,10−2は、光クロスコネクト装置(OXC)である。ノード10−1,10−2とは、光クロスコネクト部13(図では「Cross Connect」と記載している。)と、これを管理制御するコントローラ部11(図では「Controller」と記載している。)と、光リンク信号と電気信号とを相互に変換して中継する光電変換部12と、波長分波器14a,14bと、波長合波器15a,15bとを有している。
【0050】
ノード10−1のコントローラ部11は、光電変換部12と光クロスコネクト部13とにケーブルで接続されていると共に、ルータや他のノードなどを介して、または、直接にノード10−2のコントローラ部11とイーサネット(登録商標)ケーブルで接続されている。光電変換部12は、コントローラ部11とケーブルで接続されていると共に、光リンクで光クロスコネクト部13に接続されている。光クロスコネクト部13は、複数の光リンクによって、波長分波器14a,14bと、波長合波器15a,15bとに接続されている。コントローラ部11は、第2のリンクであるイーサネット(登録商標)ケーブルを介して通信する。光電変換部12は、第1のリンクである光リンクを介して通信する第1リンク通信部である。
【0051】
ノード10−1の波長合波器15bは、ノード10−2の波長分波器14bと光リンクで接続されている。ノード10−1の波長分波器14aは、ノード10−2の波長合波器15aと光リンクで接続されている。
【0052】
コントローラ部11は、光パスの設定、削除、切替、および、ルーティングを実現するルーティング処理と、光パス設定および削除シグナリングを行うパス設定管理処理と、制御信号を伝送する制御回線網の障害監視を行う制御回線管理処理とを行う。ルーティング処理は、OSPF(Open Shortest Path First)/IS−IS(Intermediate System to Intermediate System)によって行われる。パス設定管理処理は、RSVP−TEによって行われる。制御回線管理処理は、LMPによって行われる。
【0053】
コントローラ部11が行うルーティング処理とは、各ファイバリンクにコストを定義し、設定しようとする光パスの始点ノードから終点ノードまでの間で累計されるファイバリンクコストが最小となる経路を検索する処理である。この経路の検索は、例えばダイクストラ法によって行われる。
【0054】
コントローラ部11が行うパス設定管理処理とは、RSVP−TEプロトコルのコアであるシグナリング処理、現用光パス設定および削除処理、予備光パス設定処理および削除処理、予備光パス起動処理である。コントローラ部11は、光クロスコネクト部13を制御してパス設定管理処理を行う。
【0055】
コントローラ部11は、図示しないネットワークマネージメントシステム(NMS)からの命令を受け付ける処理と、D−plane30上にて隣接している隣接ノード10−n(nは自然数)との間にトンネルを作成する処理と、このトンネルを介して、隣接ノード10−nからGMPLSプロトコルに準拠した制御信号(IPパケット)を送受信する処理と、光電変換部12を介してD−plane30上の隣接ノード10−nに、コマンドやデータを送受信する処理とを行う。なお、以下、D−plane30上にて隣接しているノードを、隣接ノード10−nと記載する。
【0056】
光電変換部12は、コントローラ部11から送信された電気信号を光信号に変換して、これを光クロスコネクト部13に出力する処理と、光クロスコネクト部13がスイッチングした波長チャネルの光信号を電気信号に変換してコントローラ部11に出力する処理とを行う。
波長分波器14a,14bは、入力側の波長多重された光リンクから、波長多重された光信号を入力して分離する。
【0057】
光クロスコネクト部13は、分離された波長をスイッチングする。本実施形態の光クロスコネクト部13は、合計2本の光リンクと、光電変換部12から入力される光リンクの合計48波長の波長チャネル相互間をスイッチングする。
波長合波器15a,15bは、スイッチングされた各光信号を多重して出力側の波長多重リンク(光リンク)に出力する。
【0058】
(第1の実施形態の動作)
【0059】
図3(a),(b)は、第1の実施形態に於ける各ノード動作のタイミングを示す図である。
【0060】
図3(a)はノードA(10−1)とノードB(10−2)の動作を示す図である。横軸は共通する時間tを示している。各ノードの動作を示す斜線部の長方形は、所定の波長でのクロスコネクト試行処理を示している。空白の長方形は、リンクアップのための待機処理を示している。なお、ノードA(10−1)が波長An(nは自然数)を選択し、ノードB(10−2)が波長Bnを選択したとき、相互の波長がマッチングしてメッセージが伝わるものとする。
【0061】
処理が開始すると、ノードA(10−1)は、期間P0に亘って、波長A3でのクロスコネクト試行処理を行ったのち、期間P1に亘って、リンクアップための待機処理を行う。コネクト試行処理の期間P0と、待機処理の期間P1の和は、マッチング検出期間である。
【0062】
ノードA(10−1)は、上記の処理を、波長A3,A2,A1,A4,A5,A2,…のように、波長をランダムに変更しながら、全ての光リンクについて繰り返す。
【0063】
同様にノードB(10−2)は、ノードA(10−1)と同様に、期間P0に亘って、波長B1でのクロスコネクト試行処理を行ったのち、期間P1に亘って、リンクアップための待機処理を行う。コネクト試行処理の期間P0と、待機処理の期間P1の和は、マッチング検出期間である。
【0064】
ノードB(10−2)は、ノードA(10−1)と同様に、上記の処理を、波長B1,B3,B2,B4,B5,B2,…のように、波長をランダムに変更しながら、全ての光リンクについて繰り返す。
【0065】
D−plane30上では、物理的に光リンクが接続されている隣接ノード10−nにしかメッセージが伝わらない。ここで、ノードA(10−1)が波長A4を選択し、ノードB(10−2)が波長B4を選択しているとき、相互の波長がマッチングしているので、初めてクロスコネクト試行処理が成功する。これにより、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とは、メッセージを交換でき、よって、D−plane30上で隣接するノードであることを確認できる。
【0066】
図3(b)は、クロスコネクト試行処理の信号の流れを示す図である。
ノードA(10−1)のコントローラ部11が出力したメッセージ(電気信号)は、光電変換部12を介して1本の波長チャネルに変換される。この波長チャネルは、光クロスコネクト部13を介してランダムな波長チャネルにスイッチングされ、波長合波器15bによって多重化され、光リンクに出力される。
波長多重された光リンクは、ノードB(10−2)の波長分波器14aによって分離されて波長チャネルとなり、光クロスコネクト部13に入力される。
【0067】
ノードB(10−2)は、ランダムに波長チャネルを選択してクロスコネクト試行処理を行う。このとき、波長B4を選択しているので、波長B4チャネルの信号は、ノードB(10−2)の光電変換部12を介してコントローラ部11に入力され、クロスコネクト試行処理が成功したことを判断可能である。
【0068】
クロスコネクト試行処理が成功したと判断したならば、ノードB(10−2)は、隣接ノード10−nであると判断したノードA(10−1)との間に、GRE(Generic Routing Encapsulation)に準拠したトンネルTN1を設定する。これにより、out-of-bandな制御プレーンを自動で構築することが可能となる。
【0069】
図4は、第1の実施形態に於けるノードAの処理を示すフローチャートである。
図4の処理を開始する状態は、C−plane20とD−plane30とがケーブル接続されており、かつ、ノード10−1〜10−6にネットワーク設定が行われていない状態である。
処理を開始すると、ステップS10に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、C−plane20上で、「D−plane30でノードAにメッセージ送信」の旨のメッセージを、他のノードにフラッディングする。即ち、C−plane20上に接続されているすべての機器に、当該メッセージを送信する。ステップS10の処理は、ノードA(10−1)が、C−plane20を介して、識別情報をD−plane30上で送信指示するコマンドを、他の全ノードに対して送信するフラッディング処理である。フラッディングしたメッセージを受信した他のノードは、D−plane30を介して当該ノードの識別情報を送信するメッセージ送信処理を行う。
ステップS11〜S16に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、一定期間に亘り処理を繰り返す。
【0070】
ステップS12に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、D−plane30上で光クロスコネクト部13の波長チャネルを毎回ランダムに変えて相手とのマッチングをとり、期間P0に亘って、LLDP(link layer discovery protocol)によってメッセージの送受信を試みる。LLDPとは、識別情報であるネットワーク機器の種類、端末の種類、または、当該機器の設定情報などを近隣のノードに通知するレイヤ2レベルのプロトコルである。
【0071】
ステップS13に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、D−plane30上でメッセージが受信できたか否かを判断する。メッセージが受信できたならば(Yes)、ステップS14の処理を行う。メッセージが受信できていなければ(No)、ステップS15の処理を行う。ステップS12〜S13の処理は、D−plane30上の隣接ノード10−nから、C−plane20上の識別情報を受信する識別情報受信処理である。
【0072】
ステップS14に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、D−plane30で受信したメッセージを送信したノードとの間で、C−plane20上でトンネルを設定する。ステップS14の処理は、隣接ノード10−nとの間に、ケーブルを介し、データをカプセル化して送受信するトンネルを設定するトンネル設定処理である。
ステップS15に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、期間P1に渡って送受信ともに待機する。
【0073】
ステップS16に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、一定期間が経過していなければ、ステップS11の処理に戻る。一定期間が経過していたならば、ステップS17の処理を行う。
【0074】
ステップS17に於いて、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、D−plane30上でプラグアンドプレイ(PnP)を実施し、図4の処理を終了する。
以降、ノードA(10−1)のコントローラ部11は、D−plane30上の隣接ノード10−nとの間で、制御コマンドをカプセル化するトンネルにより、この制御コマンドを確実に送受信することが可能である。
【0075】
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
【0076】
(A) 第1の実施形態では、自動でD−plane30上の隣接ノード10−nを検出してトンネルを設定する。これにより、D−plane30上の隣接ノード10−nとの間で、制御コマンドをカプセル化するトンネルにより、この制御コマンドを確実に送受信することが可能である。すなわち、out-of-bandな制御プレーンを自動で構築して、手作業による誤設定を回避し、かつ、ネットワーク運用者の設定工数を削減することができる。
【0077】
(B) 第1の実施形態では、C−plane20の物理層とD−plane30の物理層とを分離して多重化している。これにより、D−plane30に故障が発生した場合に、C−plane20によって故障発生要因を特定することができる。かつ、C−plane20によって、故障時のルーティングの迂回処理を誤りなく行える。
【0078】
(C) 第1の実施形態では、C−plane20のトポロジと、D−plane30のトポロジとが相違していた場合であっても、自動でD−plane30上の隣接ノード10−nを検出して、C−plane20上のトンネルを設定することできる。これにより、C−plane20の物理層トポロジと、D−plane30の物理層トポロジとを、それぞれ最適に設定することができる。
【0079】
(D) 第1の実施形態では、ネットワークの自動構築を、フラッディング処理を行ったのちの特定のタイミングに限定でき、ノード10−1〜10−6の通常状態の動作に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0080】
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態のGMPLSネットワークは、図1に示す第1の実施形態のGMPLSネットワークと同様の構成を有している。
【0081】
(第2の実施形態の動作)
【0082】
図5は、第2の実施形態に於けるノードの処理を示すフローチャートである。ここでは、例としてノード10−1の処理を説明する。
図5の処理を開始する状態は、C−plane20とD−plane30とがケーブル接続されており、かつ、ノード10−1〜10−6にネットワーク設定が行われていない状態である。
【0083】
処理を開始すると、ステップS20に於いて、ノード10−1のコントローラ部11は、C−plane20上で、L3−(拡張)OSPFにより、D−plane30上で隣接している可能性の有るノードと、そのノードがサポートする種別とアドレスを把握する。すなわち、ステップS20で、ノード10−1のコントローラ部11は、隣接ノード10−nの候補を把握している。
具体的には、ノード10−1のコントローラ部11は、C−plane20上で、全ノードからCapability情報を取得し、GMPLSサポートの有無を判断する。そして、GMPLSをサポートしているノードを、D−plane30上で隣接している可能性の有るノードと判定している。
ステップS21〜S28に於いて、コントローラ部11は、隣接可能性の有るノード間で、処理を繰り返す。
【0084】
ステップS22に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上でリンクアップを検知したか否かを判断する。リンクアップを検知したならば(Yes)、ステップS23の処理を行う。リンクアップを検知しなかったならば(No)、ステップS28の処理を行う。
【0085】
ステップS23に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上で(拡張)LMP test messageで、導通を確認する。D−plane30上での導通を確認できたならば(Yes)、ステップS24の処理を行う。D−plane30上での導通を確認できなかったならば(No)、ステップS28の処理を行う。D−plane30用LMPメッセージ交換は、後述する図6で詳細に説明する。すなわち、ステップS23で、コントローラ部11は、隣接ノード10−nの候補全てについて、D−plane30上での導通を確認している。D−plane30上では、物理的に光リンクが接続された隣接ノード10−nにしかメッセージが届かない。そのため、ステップS23のように、メッセージを送受信することによって、隣接ノード10−nか否かを判断可能である。
【0086】
ステップS24に於いて、コントローラ部11は、C−plane20とD−plane30でノードアドレスが相違しているか否かを判断する。ノードアドレスが相違していたならば(Yes)ステップS25の処理を行う。ノードアドレスが相違していなかったならば(No)ステップS26の処理を行う。
【0087】
ステップS25に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上でC−plane20のノードアドレスを相互に伝達する。すなわち、導通が確認できたノードから、D−plane30を介して識別情報を受信している。これらステップS20〜S25の処理は、識別情報受信処理である。
ステップS26に於いて、コントローラ部11は、C−plane20上で、当該ノードとの間でトンネルを設定する。
【0088】
ステップS27に於いて、コントローラ部11は、C−plane20上のトンネルを介し、C−plane20用のLMPメッセージ交換を行う。C−plane20用LMPメッセージ交換は、後述する図7で詳細に説明する。ステップS23のD−plane30用のLMPメッセージ交換と、C−plane20用LMPメッセージ交換とは、入れ子(並行)で行われる。
このC−plane20用のLMPメッセージ交換と、ステップS23のD−plane30用のLMPメッセージ交換(LMP test message)とが終了すると、ステップS28の処理を行う。
【0089】
ステップS28に於いて、コントローラ部11は、隣接可能性の有るノード間すべての処理を繰り返したか否かを判断する。隣接可能性の有るノード間すべての処理を繰り返していなかったならば、ステップS21の処理に戻る。隣接可能性の有るノード間すべての処理を繰り返していたならば、ステップS29の処理を行う。
ステップS29に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上でプラグアンドプレイ(PnP)を実施し、図5の処理を終了する。
以降、ノード10−1のコントローラ部11は、D−plane30上の隣接ノード10−nとの間で、制御コマンドをカプセル化するトンネルにより、この制御コマンドを確実に送受信することが可能である。
【0090】
図6(a),(b)は、第2の実施形態に於けるD−plane用のLMPメッセージ交換を示す図である。
【0091】
図6(a)は、メッセージ交換を行うノードA(10−1)とノードB(10−2)との接続を示す図である。
【0092】
ノードA(10−1)は、データリンクであるLocal Interface ID=a,cを有している。このデータリンクa,cは、Local ID=xであるTEリンクxに属している。
【0093】
ノードB(10−2)は、データリンクであるLocal Interface ID=b,dを有している。このデータリンクb,dは、Local ID=yであるTEリンクyに属している。
ノードA(10−1)のポートaと、ノードB(10−2)のポートbとは、光リンクによって接続されている。
ノードA(10−1)のポートcと、ノードB(10−2)のポートdとは、光リンクによって接続されている。
【0094】
図6(b)は、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とのメッセージ交換を示すシーケンス図である。
【0095】
処理を開始すると、シーケンスQ10に於いて、ノードA(10−1)は、D−plane30を介して、ノードB(10−2)に、Test<Local Interface ID=a,Local Node ID=A>を送信する。
【0096】
シーケンスQ11に於いて、ノードB(10−2)は、C−plane20を介して、ノードA(10−1)に、Test Status Success<Local ID=y,Local Interface ID=b,Remote Interface ID=a>を応答する。これにより、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とは、TEリンクxに属するデータリンクaから、ノードB(10−2)のTEリンクyに属するデータリンクbへ、光リンクによってデータが送信されたことを知ることができる。
【0097】
シーケンスQ12に於いて、ノードB(10−2)は、D−plane30を介して、ノードA(10−1)に、Test<Local Interface ID=b,Local Node ID=B>を送信する。
【0098】
シーケンスQ13に於いて、ノードA(10−1)は、C−plane20を介して、ノードB(10−2)に、Test Status Success<Local ID=x,Local Interface ID=a,Remote Interface ID=b>を応答する。これにより、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とは、TEリンクxに属するデータリンクaから、ノードB(10−2)のTEリンクyに属するデータリンクbへ、光リンクによってデータが送信されたことを知ることができる。ノードA(10−1)とノードB(10−2)とは更に、光リンクによってデータが相互に送受信可能であり、よって、お互いに隣接ノードであることを知ることができる。
シーケンスQ13が終了したならば、図6の処理を終了する。
【0099】
図7(a),(b)は、第2の実施形態に於けるC−plane用のLMPメッセージ交換を示す図である。
【0100】
図7(a)は、メッセージ交換を行うノードA(10−1)とノードB(10−2)との接続を示す図である。
【0101】
ノードA(10−1)のポートaと、ノードB(10−2)のポートbとは、ケーブルによって電気的に接続されている。ポートaとポートbとの間には、GREに準拠したトンネルが設定されている。
【0102】
図7(b)は、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とのメッセージ交換を示すシーケンス図である。
処理を開始すると、シーケンスQ20に於いて、ノードA(10−1)は、トンネルを介して、ノードB(10−2)に、Config<Local CCID=a,Local Node ID=A>を送信する。
【0103】
シーケンスQ21に於いて、ノードB(10−2)は、トンネルを介して、ノードA(10−1)に、Config Ack<Local CCID=b,Local Node ID=B,Remote CCID=a,Remote Node ID=A>を応答する。
シーケンスQ21に於いて、ノードA(10−1)は、トンネルを介して、ノードB(10−2)に、Helloを送信する。
シーケンスQ22に於いて、ノードB(10−2)は、トンネルを介して、ノードA(10−1)に、Helloを送信し、図7の処理を終了する。
【0104】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(E)のような効果がある。
【0105】
(E) 各ノード10−1〜10−6は、C−plane20へのフラッディングを行わないので、C−plane20のトラヒックを最小化し、かつ、他のノードへの影響を最小化することができる。
【0106】
(第3の実施形態の構成)
第3の実施形態のGMPLSネットワークは、図1に示す第1の実施形態のGMPLSネットワークと同様の構成を有している。
【0107】
(第3の実施形態の動作)
【0108】
図8は、第3の実施形態に於けるノードの処理を示すフローチャートである。図5に示す第2の実施形態の処理と同一の要素には同一の符号を付与している。ここでは同様に、例としてノード10−1の処理を説明する。
図8の処理を開始する状態は、C−plane20とD−plane30とがケーブル接続されており、かつ、ノード10−1〜10−6にネットワーク設定が行われていない状態である。
処理を開始したときのステップS20の処理は、図5に示す第2の実施形態のステップS20の処理と同様である。
ステップS41に於いて、ノード10−1のコントローラ部11は、C−plane20上で、隣接可能性の有る全ノードとの間でトンネルを設定する。
ステップS42〜S44に於いて、コントローラ部11は、トンネルを設定した全てのノード間について繰り返す。
【0109】
ステップS22に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上でリンクアップを検知したか否かを判断する。リンクアップを検知しなかったならば(No)、図5に示す第2の実施形態の処理とは異なり、ステップS43の処理を行う。
ステップS23に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上で(拡張)LMP test messageで、導通を確認する。D−plane30上での導通を確認できなかったならば(No)、ステップS43の処理を行う。
それ以外のステップS22〜S25,S27の処理は、図5に示すステップS22〜S25,S27の処理と同様である。
ステップS43に於いて、コントローラ部11は、C−plane20上で、当該ノードとのトンネルを削除する。
【0110】
ステップS44に於いて、コントローラ部11は、トンネルを設定した全てのノード間すべての処理を繰り返したか否かを判断する。トンネルを設定した全てのノード間すべての処理を繰り返していなかったならば、ステップS42の処理に戻る。トンネルを設定した全てのノード間すべての処理を繰り返していたならば、ステップS29の処理を行う。
【0111】
ステップS29の処理は、図5に示す第2の実施形態のステップS29の処理と同様である。ステップS29の処理が終了したならば、図8に示す処理を終了する。
以降、ノード10−1のコントローラ部11は、D−plane30上の隣接ノード10−nとの間で、制御コマンドをカプセル化するトンネルにより、この制御コマンドを確実に送受信することが可能である。
【0112】
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(F)のような効果がある。
【0113】
(F) 隣接可能性の有る全ノードとトンネルを設定したのちに、実際に隣接していなかったノードとのトンネルを削除している。これにより、トンネルを経由したトラヒックのみでネットワークを自動構築できる。
【0114】
(第4の実施形態の構成)
第4の実施形態のGMPLSネットワークは、図1に示す第1の実施形態のGMPLSネットワークと同様の構成を有している。
【0115】
(第4の実施形態の動作)
【0116】
図9は、第4の実施形態に於けるノードの処理を示すフローチャートである。ここでは同様に、例としてノード10−1の処理を説明する。
図9の処理を開始する状態は、C−plane20とD−plane30とがケーブル接続されており、かつ、ノード10−1〜10−6にネットワーク設定が行われていない状態である。
【0117】
処理を開始すると、ステップS60に於いて、ノード10−1のコントローラ部11は、D−plane30が用いている光伝送の波長チャネルのうちいずれかを、制御チャネル(Control Channel)に割り当てる。このように、光伝送の波長チャネルのうちいずれかを制御チャネルに割り当てることをIn-band構成という。
ステップS61に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上で、リンクアップインタフェース探索により、プラグアンドプレイ(PnP)を実施する。
【0118】
ステップS62に於いて、コントローラ部11は、D−plane30上にIn-band構成で割り当てられた制御チャネル(Control Channel)から、全ての隣接ノード10−nのC−plane20上のノードIDを取得する。
ステップS63〜S65に於いて、コントローラ部11は、全ての隣接ノード10−nについて処理を繰り返す。
ステップS64に於いて、コントローラ部11は、C−plane20上で、当該隣接ノード10−nとの間にトンネルを設定する。
【0119】
ステップS65に於いて、コントローラ部11は、全ての隣接ノード10−nについて処理を繰り返したか否かを判断する。全ての隣接ノード10−nについて処理を繰り返していなかったならば、ステップS63の処理に戻る。
ステップS65の処理が終了したならば、図9の処理を終了する。
以降、ノード10−1のコントローラ部11は、D−plane30上の隣接ノード10−nとの間で、制御コマンドをカプセル化するトンネルにより、この制御コマンドを確実に送受信することが可能である。
【0120】
図10(a),(b)は、第4の実施形態に於けるノードの動作(その1)を示す図である。
【0121】
図10(a),(b)は、前述した図9のフローチャートのステップS62に於ける状態を示す図である。
【0122】
図10(a)は、第4の実施形態に於けるC−plane20を示す図である。図1に示す第1の実施形態のC−plane20と同一の要素には同一の符号を付与している。
【0123】
ステップS62(図9)に於いて、まだトンネルは設定されていないので、第4の実施形態に於けるC−plane20は、第1の実施形態のC−plane20と同一の構成を有している。
【0124】
図10(b)は、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とを示す図である。図3(b)に示す第1の実施形態のノードA(10−1)とノードB(10−2)と同一の要素には同一の符号を付与している。
【0125】
第4の実施形態のノードA(10−1)およびノードB(10−2)には、図3(b)に示す第1の実施形態のノードA(10−1)およびノードB(10−2)とは異なり、コントローラ部11を接続するトンネルTN1が設定されていない。その他は、図3(b)に示すノードA(10−1)およびノードB(10−2)と同様の構成を有している。
【0126】
図11(a),(b)は、第4の実施形態に於けるノードの動作(その2)を示す図である。前述した図10(a),(b)と同一の要素には同一の符号を付与している。
図11(a),(b)は、前述した図9のフローチャートのステップS64に於ける状態を示す図である。
【0127】
図11(a)は、第4の実施形態に於けるC−plane20を示す図である。図10(a)に示すC−plane20とは異なり、ノードA(10−1)とノードB(10−2)との間に、トンネルTN1が設定されている。
【0128】
図11(b)は、ノードA(10−1)とノードB(10−2)とを示す図である。図10(b)に示すノードA(10−1)とノードB(10−2)とは異なり、ノードA(10−1)のコントローラ部11と、ノードB(10−2)のコントローラ部11との間に、トンネルTN1が設定されている。このように、第4の実施形態のネットワーク自動構築方法によれば、out-of-bandな制御プレーンを自動で構築することができる。
【0129】
(第4の実施形態の効果)
以上説明した第4の実施形態では、次の(G)のような効果がある。
【0130】
(G) D−plane30上で、In-band構成で波長チャネル1本を制御チャネルに割り当てたのち、D−plane30上でプラグアンドプレイしている。これにより、C−plane20上でのトラヒック無しに、全てのD−plane30上の隣接ノード10−nを検出可能である。
【0131】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(f)のようなものがある。
【0132】
(a) 第1の実施形態のノードA(10−1)のコントローラ部11は、D−plane30上で、光クロスコネクト部13の波長チャネルを毎回ランダムに変えて相手とのマッチングをとり、期間P0に亘って、LLDPによってメッセージの送受信を試みている。しかし、これに限られず、メッセージ送受信に利用するプロトコルに、OSPFを用いてもよい。
【0133】
(b) 第1の実施形態の各ノード10−1〜10−6は、光クロスコネクト装置である。しかし、これに限られず、各ノード10−1〜10−6は、ROADM(Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)を用いてもよく、他の光中継装置を用いてもよい。
【0134】
(c) 第4の実施形態の各ノード10−1〜10−6は、In-band構成で波長チャネル1本を制御チャネルに割り当てたのち、D−plane30上でプラグアンドプレイしている。しかし、これに限られず、全ての隣接ノード10−nを検出したのち、制御チャネルに割り当てた波長チャネルを、制御チャネル以外に再び割り当ててもよい。これにより、波長チャネルを有効に活用することができる。
【0135】
(d) 第1〜第4の実施形態のノード10−1〜ノード10−6は、GREに準拠したトンネルTN1を設定している。しかし、これに限られず、このトンネルTN1は、IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)に準拠したものであってもよい。これにより、GREに準拠したトンネルTN1よりも、秘匿性の高いトンネルを設定可能である。
【0136】
(e) 第1の実施形態のノードA(10−1)は、C−plane20を介して、識別情報をD−plane30上で送信指示するコマンドを、他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を行い、フラッディングしたメッセージを受信した他のノードは、D−plane30を介して当該ノードの識別情報を送信するメッセージ送信処理を行っている。しかし、これに限られず、ノードA(10−1)は、C−plane20を介して、トンネル属性情報(トンネルアドレス、GREトンネル/IPsecトンネルの種別など)と識別情報をD−plane30上で送信指示するコマンドを、他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を行い、フラッディングしたメッセージを受信した他のノードは、D−plane30を介して当該ノードのトンネル属性情報と識別情報を送信するメッセージ送信処理を行ってもよい。これにより、各ノードに最適なトンネルを設定可能となる。
【0137】
(f) 第1の実施形態のノードA(10−1)は、C−plane20を介して、識別情報をD−plane30上で送信指示するコマンドを、他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を行い、フラッディングしたメッセージを受信した他のノードは、D−plane30を介して当該ノードの識別情報を送信するメッセージ送信処理を行っている。しかし、これに限られず、ノードA(10−1)は、C−plane20を介して、GMPLSサポート情報と識別情報をD−plane30上で送信指示するコマンドを、他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を行い、フラッディングしたメッセージを受信した他のノードは、D−plane30を介して当該ノードのGMPLSサポート情報と識別情報を送信するメッセージ送信処理を行ってもよい。これにより、隣接ノード10−nのGMPLSサポート情報を予め知ることが可能となり、当該隣接ノード10−nを、GMPLS制御コマンドによって誤りなく制御することができる。
【符号の説明】
【0138】
10−1〜10−6 ノード(ネットワーク自動構築装置)
10−n 隣接ノード
11 コントローラ部
12 光電変換部
13 光クロスコネクト部(第1リンク通信部)
15a,15b 波長合波器
14a,14b 波長分波器
20 C−plane(制御プレーン)
21−1〜21−4 ルータ
30 D−plane(データプレーン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であって、
複数の前記ネットワーク自動構築装置は、複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンとを有する通信ネットワークによって接続され、
前記ネットワーク自動構築装置は、前記第2のリンクを介して通信するコントローラ部と、前記第1のリンクを介して通信する第1リンク通信部と、を有し、
前記コントローラ部は、前記第1リンク通信部を介して、前記データプレーン上の隣接ノードから、前記制御プレーン上の識別情報を受信する識別情報受信処理と、
前記隣接ノードとの間に、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、
を実行することを特徴とするネットワーク自動構築装置。
【請求項2】
前記コントローラ部は、前記制御プレーンを介して、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を実行し、
前記他の全ノードの前記コントローラ部は、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記データプレーンを介して前記識別情報を送信するメッセージ送信処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク自動構築装置。
【請求項3】
前記コントローラ部は、前記フラッディング処理に於いて、前記制御プレーンを介して、トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、
前記メッセージ送信処理に於いて、
前記他の全ノードの前記コントローラ部は、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク自動構築装置。
【請求項4】
前記コントローラ部は、前記フラッディング処理に於いて、前記制御プレーンを介して、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)サポート情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、
前記他の全ノードの前記コントローラ部は、前記メッセージ送信処理に於いて、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記GMPLSサポート情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク自動構築装置。
【請求項5】
前記コントローラ部は、前記識別情報受信処理に於いて、
前記隣接ノードの候補を把握し、
前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから、前記データプレーンを介して前記識別情報を受信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク自動構築装置。
【請求項6】
データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であって、
複数の前記ネットワーク自動構築装置は、複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンとを有する通信ネットワークによって接続され、
前記ネットワーク自動構築装置は、前記第2のリンクを介して通信するコントローラ部と、前記第1のリンクを介して通信する第1リンク通信部と、を有し、
前記コントローラ部は、前記データプレーン上の隣接ノードの候補を把握して、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理を行い、
前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから前記データプレーンを介して前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理、または、導通が確認できなかったノードとの間の前記通信トンネルを削除するトンネル削除処理を繰り返し実行する、
ことを特徴とするネットワーク自動構築装置。
【請求項7】
データ信号を送受信するネットワーク自動構築装置であって、
複数の前記ネットワーク自動構築装置は、複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンとを有する通信ネットワークによって接続され、
前記ネットワーク自動構築装置は、前記第2のリンクを介して通信するコントローラ部と、前記第1のリンクを介して通信する第1リンク通信部と、を有し、
前記コントローラ部は、前記第1リンク通信部を制御して、前記データプレーン上の隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの通信チャネルを介して制御信号を通信可能とする通信チャネル割当処理と、
前記第1リンク通信部と、前記データプレーンの前記通信チャネルとを介して、全ての前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理と、
前記隣接ノード全てについて、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、
を実行することを特徴とするネットワーク自動構築装置。
【請求項8】
前記コントローラ部は、前記トンネル設定処理を実行したのち、
前記データプレーン上の前記隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの前記通信チャネルを、データ信号を通信するように再び割り当てる通信チャネル再割当処理を実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載のネットワーク自動構築装置。
【請求項9】
データ信号を送受信する複数のノードと、
複数の前記ノードが複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、
複数の前記ノードが複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンと、
を有する通信ネットワークのネットワーク自動構築方法であって、
各前記ノードは、
前記データプレーン上の隣接ノードから、前記制御プレーン上の識別情報を受信する識別情報受信処理と、
前記隣接ノードとの間に、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、
を実行することを特徴とするネットワーク自動構築方法。
【請求項10】
前記識別情報受信処理に於いて、
前記ノードが、前記制御プレーンを介して、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを他の全ノードに対して送信するフラッディング処理を実行し、
前記他の全ノードが、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記データプレーンを介して前記識別情報を送信するメッセージ送信処理を実行する、
ことを特徴とする請求項9に記載のネットワーク自動構築方法。
【請求項11】
前記フラッディング処理に於いて、
前記ノードが、前記制御プレーンを介して、トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、
前記メッセージ送信処理に於いて、
前記他の全ノードが、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記トンネル属性情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、
ことを特徴とする請求項10に記載のネットワーク自動構築方法。
【請求項12】
前記フラッディング処理に於いて、
前記ノードが、前記制御プレーンを介して、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)サポート情報と前記識別情報とを前記データプレーン上で送信指示するコマンドを前記他の全ノードに対して送信し、
前記メッセージ送信処理に於いて、
前記他の全ノードが、前記識別情報を前記データプレーン上で送信指示するコマンドを受信したならば、前記GMPLSサポート情報と前記識別情報とを前記データプレーンを介して送信する、
ことを特徴とする請求項10に記載のネットワーク自動構築方法。
【請求項13】
前記識別情報受信処理は、
前記ノードが、前記隣接ノードの候補を把握し、
前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから、前記データプレーンを介して前記識別情報を受信する、
ことを特徴とする請求項10に記載のネットワーク自動構築方法。
【請求項14】
データ信号を送受信する複数のノードと、
複数の前記ノードが複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、
複数の前記ノードが複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンと、
を有する通信ネットワークのネットワーク自動構築方法であって、
各前記ノードは、前記データプレーン上の隣接ノードの候補を把握して、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理を実行し、
前記隣接ノードの候補全てについて、前記データプレーン上での導通を確認し、導通が確認できたノードから前記データプレーンを介して前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理、または、導通が確認できなかったノードとの間の前記通信トンネルを削除するトンネル削除処理を繰り返し実行する、
ことを特徴とするネットワーク自動構築方法。
【請求項15】
データ信号を送受信する複数のノードと、
複数の前記ノードが複数の第1のリンクによって接続され、当該第1のリンクによって少なくともデータ信号を通信するデータプレーンと、
複数の前記ノードが複数の第2のリンクによって接続され、当該第2のリンクによって少なくとも制御信号を通信する制御プレーンと、
を有する通信ネットワークのネットワーク自動構築方法であって、
各前記ノードは、
前記データプレーン上の隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの通信チャネルを介して制御信号を通信可能とする通信チャネル割当処理と、
前記データプレーンの前記通信チャネルを介して、全ての前記隣接ノードの識別情報を受信する識別情報受信処理と、
前記隣接ノード全てについて、前記第2のリンクを介し、データをカプセル化して送受信する通信トンネルを設定するトンネル設定処理と、
を実行することを特徴とするネットワーク自動構築方法。
【請求項16】
前記トンネル設定処理を実行したのち、
前記データプレーン上の前記隣接ノードと、前記データプレーン上の前記第1のリンクを介して接続すると共に、前記データプレーンの前記通信チャネルを、データ信号を通信するように再び割り当てる通信チャネル再割当処理を実行する、
ことを特徴とする請求項15に記載のネットワーク自動構築方法。
【請求項17】
請求項9ないし請求項16のいずれか1項に記載のネットワーク自動構築方法を、コンピュータである前記ノードに実行させるためのネットワーク自動構築プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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