説明

ネットワーク装置、ネットワーク装置の通信方法およびネットワーク装置の通信プログラム

【課題】サービス手段のサービス提供の中断や欠損を回避し、更新されたIPアドレスを含むメッセージを生成するネットワーク装置を提供する。
【解決手段】WSDサーバー10は、使用されているIPアドレスを記憶し、ステートレスアドレスと記憶したIPアドレスとを照合することでステートレスアドレスが更新されたことを検出するアドレス照合手段16と、要求されるリクエストを受け付け、リクエストに対して応答するリクエスト処理手段20と、WSDサービス28が発行するメッセージの作成を指示するメッセージ更新指示手段26と、を備え、アドレス照合手段16がステートレスアドレスの更新を検出した場合、リクエスト処理手段20は以降に受け付けるリクエストに対する応答を留保し、メッセージ更新指示手段26が更新されたステートレスアドレスに基づいてメッセージの生成を指示した後、応答を留保していたリクエストに対して応答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置、ネットワーク装置の通信方法およびネットワーク装置の通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、広く普及しているインターネットではルーティテングプロトコルとしてIP(Internet Protocol)が用いられている。現状において、一般的に使用されているIPは、IPv4(Internet Protocol version4)であり、発信元/宛先として32ビットからなるアドレス(IPアドレス)が用いられている。
インターネット通信においては、32ビットのIPアドレスを各発信元/宛先のデバイスに対してユニークに割り当てるグローバルIPアドレスを採用し、IPアドレスに応じて、個々の発信元/宛先を判別している。しかしながら、インターネットの世界は急速に広がりを見せており、IPv4の限られたアドレス空間、すなわちグローバルアドレスの枯渇が問題となってきている。これを解決するために、次世代IPアドレスとして、IPアドレス空間を32ビットから128ビットに拡張し、新しいアドレス空間を持つIPv6(Internet Protocol version6)が提案され、実用化されている。
【0003】
IPv6のIPアドレスは、デバイス自身がローカル環境で一意なIPv6アドレスを生成するリンクローカルアドレスと、DHCPやルーターのRA(Router Advertisement)発行により生成されるグローバルアドレスとに大別できる。このうち、グローバルアドレスは、RAで有効期限が設定され、有効期限切れが近づくと新しいIPアドレスが動的に生成される。
このようにIPアドレスが更新された場合でも、他のデバイスからのアクセスを可能にすべく、ホスト名とIPアドレスとを関連付けて登録する通信管理システムが下記特許文献1に提案されている。このような通信管理システムを採用することで、IPv4およびIPv6の何れのプロトコルであっても、ホスト名をそれぞれ設定し、設定したホスト名を用いることで、IPアドレスを意識しないコミュニケーションを行うことができる。
【0004】
ところで、クライアントからの要求に対してサーバーが行うサービスが規格化されている。例えば、クライアントから汎用的にネットワーク機器を利用するための標準通信プロトコルや、簡単にデバイスを使用するためのサービスとして、WSD(Web Service for Devices)サービスが知られている。
WSDとは、デバイスを用いた様々なサービスの要求に答えるために定義された標準仕様であり、Webサービスのアーキテクチャーを使用し、標準化された通信プロトコル群と印刷サービスとを提供している。
WSDサービスを行うWSDサーバーは、WSDクライアントに対してメッセージを生成するが、その際、IPv6アドレスをメッセージに組み込む必要があり、IPv6アドレスを組み込んだメッセージはWSDサービス起動時に生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−152253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、IPアドレスが更新された場合、WSDサーバーにはIPアドレスの更新が通知されないため、管理者がIPアドレスの更新を検知してWSDサービスを再起動させる必要があったが、IPアドレスの更新の検知が遅れることで、WSDサービスの中断や、WSDサービスの再起動中は接続が切れるため、WSDクライアントから要求されるリクエストは無視され、そのリクエストに応じたWSDサービスの欠損が生じた。
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、IPアドレスが更新された場合、サービス提供の中断や欠損を回避し、更新されたIPアドレスを含むメッセージを生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
本適用例にかかるネットワーク装置は、ネットワークで接続されたクライアントに対して、自身を示す所定のIPアドレスを含むメッセージを発行し、所定のサービスを提供するサービス手段を有するネットワーク装置であって、前記ネットワークで使われているIPアドレスを抽出して記憶し、記憶した前記IPアドレスと、前記メッセージに含まれる前記所定のIPアドレスとを照合することで前記所定のIPアドレスが更新されたことを検出する検出手段と、前記クライアントから要求されるリクエストを受け付け、前記リクエストに対して応答する応答手段と、前記IPアドレスを含む前記メッセージの作成を前記サービス手段に対して指示する指示手段と、を備え、前記検出手段が前記所定のIPアドレスの更新を検出した場合、前記応答手段は以降に受け付ける前記リクエストに対する応答を留保し、前記指示手段は更新された前記所定のIPアドレスを含む前記メッセージの生成を指示した後、前記応答手段は応答を留保していた前記リクエストに対して応答することを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、記憶したIPアドレスと照合することで、メッセージに含まれる所定のIPアドレスが更新されたことを検出した場合、以降に受け付けるリクエストを留保し、更新された所定のIPアドレスに基づくメッセージを作成させた後、留保していたリクエストに応答する。従って、自身を示す所定のIPアドレス更新の検出を契機として、クライアントから要求されるリクエストを破棄することなく留保し、サービス手段のメッセージを更新した後、留保したリクエストに応答することで、所定のIPアドレスの更新により生じるサービス手段のサービスの中断や欠損を回避できる。
【0010】
[適用例2]
上記適用例にかかるネットワーク装置において、前記応答手段は、前記検出手段が前記所定のIPアドレスの更新を検出する前に受け付けた前記リクエストに対して留保することなく応答しても良い。
【0011】
[適用例3]
上記適用例にかかるネットワーク装置において、前記所定のIPアドレスは、前記ネットワークに接続されたルーターから送信されるメッセージに基づいて生成されても良い。
【0012】
[適用例4]
本適用例にかかるネットワーク装置の通信方法は、ネットワークで接続されたクライアントに対して、自身を示す所定のIPアドレスを含むメッセージを発行し、所定のサービスを提供するサービス手段を有するネットワーク装置の通信方法であって、前記ネットワークで使われているIPアドレスを抽出して記憶し、記憶した前記IPアドレスと、前記メッセージに含まれる前記所定のIPアドレスとを照合することで前記所定のIPアドレスが更新されたことを検出する検出工程と、前記クライアントから要求されるリクエストを受け付け、前記リクエストに対して応答する応答工程と、前記IPアドレスを含む前記メッセージの作成を前記サービス手段に対して指示する指示工程と、を備え、前記検出工程で前記所定のIPアドレスの更新が検出された場合、前記応答工程で以降に受け付ける前記リクエストに対する応答を留保し、前記指示工程で更新された前記所定のIPアドレスを含む前記メッセージの生成を指示した後、前記応答工程で応答を留保していた前記リクエストに対して応答することを特徴とする。
【0013】
このような方法によれば、記憶したIPアドレスと照合することで、メッセージに含まれる所定のIPアドレスが更新されたことを検出した場合、以降に受け付けるリクエストを留保し、更新された所定のIPアドレスに基づくメッセージを作成させた後、留保していたリクエストに応答する。従って、自身を示す所定のIPアドレス更新の検出を契機として、クライアントから要求されるリクエストを破棄することなく留保し、サービス手段のメッセージを更新した後、留保したリクエストに応答することで、所定のIPアドレスの更新により生じるサービス手段のサービスの中断や欠損を回避できる。
【0014】
[適用例5]
本適用例にかかるネットワーク装置の通信プログラムは、ネットワークで接続されたクライアントに対して、自身を示す所定のIPアドレスを含むメッセージを発行し、所定のサービスを提供するサービス手段を有するネットワーク装置の通信プログラムであって、前記ネットワークで使われているIPアドレスを抽出して記憶し、記憶した前記IPアドレスと、前記メッセージに含まれる前記所定のIPアドレスとを照合することで前記所定のIPアドレスが更新されたことを検出する検出機能と、前記クライアントから要求されるリクエストを受け付け、前記リクエストに対して応答する応答機能と、前記IPアドレスを含む前記メッセージの作成を前記サービス手段に対して指示する指示機能と、を備え、前記検出機能が前記所定のIPアドレスの更新を検出した場合、前記応答機能は以降に受け付ける前記リクエストに対する応答を留保し、前記指示機能は更新された前記所定のIPアドレスを含む前記メッセージの生成を指示した後、前記応答機能は応答を留保していた前記リクエストに対して応答することを、コンピューターに実行させることを特徴とする。
【0015】
このような機能によれば、記憶したIPアドレスと照合することで、メッセージに含まれる所定のIPアドレスが更新されたことを検出した場合、以降に受け付けるリクエストを留保し、更新された所定のIPアドレスに基づくメッセージを作成させた後、留保していたリクエストに応答する。従って、自身を示す所定のIPアドレス更新の検出を契機として、クライアントから要求されるリクエストを破棄することなく留保し、サービス手段のメッセージを更新した後、留保したリクエストに応答することで、所定のIPアドレスの更新により生じるサービス手段のサービスの中断や欠損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワークに接続されたデバイスの構成を示すブロック図。
【図2】RA発行を契機にIPv6のステートレスアドレスが更新される場合の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、ネットワーク装置について図面を参照して説明する。
【0018】
(実施形態)
図1は、ネットワーク60に接続されたデバイスの構成を示すブロック図である。図1では、WSDサーバー10、ルーター40およびWSDクライアント50がネットワーク60を介して通信可能に接続されている。尚、これらの装置は、IPv6で規定されるプロトコルに対応する。
WSDサーバー10はネットワーク装置として機能し、アドレス情報記憶手段12、アドレス取得手段14、アドレス照合手段16、リクエストブロック手段18、リクエスト処理手段20、リクエスト受付手段22、通信手段24、メッセージ更新指示手段26およびWSDサービス28を備える。
【0019】
これらの機能のうち、通信手段24とWSDサービス28を除く機能は、IPv6アドレス監視タスクとして構成され、WSDサーバー10のハードウェア(CPU、RAM、ROM等で何れも図示は略す。)とソフトウェアとが協働することで実現する。尚、本実施形態では、WSDサーバー10は図示を略したプリンターに接続され、プリントサーバーとして機能する様態を想定するが、これに限定されるものではなく、スキャナーやFAX等に接続されたサーバーの様態でも良い。
また、本実施形態では、サービス手段としてメッセージに自身のIPアドレスが含まれるWSDサービス28を採用するが、これに限定されるものではない。例えば、UPnP(Universal Plug&Play<登録商標>)サービスのように、メッセージにIPアドレスが含まれるサービスであるならば、どのようなサービスでも良い。
【0020】
アドレス情報記憶手段12は、WSDサーバー10に割り当てられたIPv6のステートレスアドレスに関する情報を記憶する。尚、ステートレスアドレスは、ルーター40から送られるRAに基づいて生成される。周知のように、ステートレスアドレスは、グローバルアドレスの1つであり、有効期限が決められているために有効期限が切れそうになると、ルーター40からRAを受け取り、新しい次のステートレスアドレスを生成する。また、ユーザーの操作によりアドレスが設定された場合、設定されたIPv6のステートレスアドレスに関する情報も記憶される。
アドレス取得手段14は、WSDサービス28のメッセージに含まれるIPv6アドレスに関する情報を抽出して取得する。取得したIPv6アドレスの情報はアドレス照合手段16に送られる。
【0021】
アドレス照合手段16は、アドレス取得手段14から送られるIPv6のステートレスアドレスがアドレス情報記憶手段12に記憶されているか否かを照合し、ステートレスアドレスの更新を検出する。照合した結果、アドレス情報記憶手段12に記憶されている場合、そのステートレスアドレスは現在も有効であると判定する。他方で、アドレス情報記憶手段12に記憶されていない場合、ステートレスアドレスは更新されたと判定する。本実施形態では、ステートレスアドレスの更新を判定した場合、アドレス照合手段16はステートレスアドレスの更新を示す情報をリクエストブロック手段18およびメッセージ更新指示手段26に通知する。
更に、アドレス照合手段16は、更新されたステートレスアドレスに関する情報をアドレス情報記憶手段12に記憶する。
以上述べたように、アドレス情報記憶手段12、アドレス取得手段14およびアドレス照合手段16は、ステートレスアドレスが更新されたことを検出する検出手段として機能する。
【0022】
リクエストブロック手段18は、アドレス照合手段16からステートレスアドレスの更新を示す情報を受け取った場合、リクエスト処理手段20に対してリクエスト処理のブロックを指示する。本実施形態では、全てのリクエスト処理のブロックを指示するが、アドレス情報記憶手段12に記憶されているアドレスに関係するリクエスト処理のみを選択的にブロックしても良い。
尚、リクエスト処理手段20がリクエスト処理を実行中である場合、実行中のリクエストに対してはブロックすることなく、処理が終了するのを待って、リクエスト処理のブロックを指示する。
更に、リクエストブロック手段18は、リクエスト処理のブロックが開始された場合、ブロック開始をメッセージ更新指示手段26に通知する。
また、メッセージ更新指示手段26からメッセージ更新の終了が通知された場合、リクエストブロック手段18は、リクエスト処理手段20に対してリクエスト処理のブロック終了を指示する。
【0023】
リクエスト受付手段22およびリクエスト処理手段20は、リクエストに対する応答手段として機能する。
リクエスト受付手段22は、WSDクライアント50からWSDサーバー10に対して要求するリクエストを受け付ける。本実施形態では、WSDクライアント50からWSDサーバー10に送信されたリクエスト信号は、ネットワーク60を介して通信手段24に受信された後、リクエスト受付手段22でリクエスト情報が抽出される。抽出されたリクエスト情報はリクエスト処理手段20に送られる。
リクエスト処理手段20は、WSDクライアント50からのリクエスト情報に基づくリクエスト処理を実行する。リクエスト処理とは、例えば、WSDクライアント50にサービスを提供するWSDサービス28に対するサービス実行指示等である。
また、リクエスト処理手段20は、WSDクライアント50からのリクエスト情報に対してリクエスト処理を実行した場合、WSDクライアント50に対してレスポンスを応答する。本実施形態では、応答を示すレスポンス信号を生成し、通信手段24からWSDクライアント50に送信する。
【0024】
また、リクエスト処理手段20は、リクエストブロック手段18から指示されたリクエスト処理のブロック指示に応じて、リクエスト処理を一時的にブロック(留保)する。また、リクエスト処理手段20は、リクエストブロック手段18からリクエスト処理のブロック終了指示を受けた場合、留保していたリクエスト処理を順次再開する。
メッセージ更新指示手段26は、アドレス照合手段16から通知されるステートレスアドレスの更新情報に基づき、WSDサービス28のメッセージ作成手段30に対して、新しいステートレスアドレスを含むメッセージの作成を指示する(指示手段)。本実施形態では、メッセージ更新指示手段26は、ステートレスアドレスの更新による新旧アドレスの不整合を回避すべく、リクエストブロック手段18からのブロック開始通知を待ってメッセージの作成を指示する。また、WSDサービス28のメッセージ作成手段30からメッセージ作成終了の通知を受けた場合、メッセージ更新指示手段26はメッセージ更新の終了をリクエストブロック手段18に通知する。
【0025】
図2は、RA発行を契機にIPv6のステートレスアドレスが更新される場合の処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、WSDクライアント50は、WSDサーバー10に対してリクエストAを送信する(ステップS300)。続いて、WSDサーバー10は、リクエストAを受信する(ステップS200)。
【0026】
ここで、ルーター40からRAが送信される(ステップS100)。WSDサーバー10はアドレス照合を行い、IPv6のステートレスアドレスがIP層で更新されたことを認知する(ステップS202)。
次に、WSDサーバー10は、ステートレスアドレスの更新を認知するよりも前に受信していたリクエストAの処理を行う(ステップS204)。
続いて、WSDサーバー10は、リクエストAに対するレスポンス信号をWSDクライアント50に送信し(ステップS206)、WSDクライアント50はレスポンス信号を受信する(ステップS302)。
次に、WSDサーバー10は、リクエストAの処理を終了後、リクエストに対するブロックを開始する(ステップS208)。
次に、WSDサービス28においてメッセージの更新を開始する(ステップS210)。
【0027】
ここで、WSDクライアント50は、WSDサーバー10に対してリクエストBを送信する(ステップS304)。続いて、WSDサーバー10は、リクエストBを受信する(ステップS212)。尚、WSDサーバー10は、リクエストに対するブロックを行っているため、リクエストBは留保される。
続いて、WSDサービス28において、メッセージの更新が終了する(ステップS214)。
次に、WSDサーバー10は、メッセージの更新終了を受けて、リクエストに対するブロックを終了する(ステップS216)。
【0028】
次に、WSDサーバー10は、留保していたリクエストBの処理を行う(ステップS218)。
続いて、WSDサーバー10は、リクエストBに対するレスポンス信号をWSDクライアント50に送信し(ステップS220)、WSDクライアント50はレスポンス信号を受信し(ステップS306)、一連の処理を終了する。
【0029】
以上述べた実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)ステートレスアドレスの有効期限切れを判別し、アドレスが更新された場合、サービスのメッセージのアドレス情報を更新できるため、WSDクライアント50はアドレスの有効期限切れを意識することなく、WSDサービス28を使用できる。
(2)メッセージが更新されている間はリクエストが留保され、更新処理が終了した後、留保されたリクエストが順次処理されるため、WSDクライアント50が要求したリクエストの一部がリクエストブロックにより欠損されることを回避できる。
また、以上のような手法を実施する装置は、単独の装置によって実現される場合もあれば、複数の装置を組み合わせることによって実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。
【符号の説明】
【0030】
10…WSDサーバー、12…アドレス情報記憶手段、14…アドレス取得手段、16…アドレス照合手段、18…リクエストブロック手段、20…リクエスト処理手段、22…リクエスト受付手段、24…通信手段、26…メッセージ更新指示手段、28…WSDサービス、30…メッセージ作成手段、40…ルーター、50…WSDクライアント、60…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークで接続されたクライアントに対して、自身を示す所定のIPアドレスを含むメッセージを発行し、所定のサービスを提供するサービス手段を有するネットワーク装置であって、
前記ネットワークで使われているIPアドレスを抽出して記憶し、記憶した前記IPアドレスと、前記メッセージに含まれる前記所定のIPアドレスとを照合することで前記所定のIPアドレスが更新されたことを検出する検出手段と、
前記クライアントから要求されるリクエストを受け付け、前記リクエストに対して応答する応答手段と、
前記IPアドレスを含む前記メッセージの作成を前記サービス手段に対して指示する指示手段と、を備え、
前記検出手段が前記所定のIPアドレスの更新を検出した場合、前記応答手段は以降に受け付ける前記リクエストに対する応答を留保し、前記指示手段は更新された前記所定のIPアドレスを含む前記メッセージの生成を指示した後、前記応答手段は応答を留保していた前記リクエストに対して応答することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク装置において、
前記応答手段は、前記検出手段が前記所定のIPアドレスの更新を検出する前に受け付けた前記リクエストに対して留保することなく応答することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載のネットワーク装置において、
前記所定のIPアドレスは、前記ネットワークに接続されたルーターから送信されるメッセージに基づいて生成されることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項4】
ネットワークで接続されたクライアントに対して、自身を示す所定のIPアドレスを含むメッセージを発行し、所定のサービスを提供するサービス手段を有するネットワーク装置の通信方法であって、
前記ネットワークで使われているIPアドレスを抽出して記憶し、記憶した前記IPアドレスと、前記メッセージに含まれる前記所定のIPアドレスとを照合することで前記所定のIPアドレスが更新されたことを検出する検出工程と、
前記クライアントから要求されるリクエストを受け付け、前記リクエストに対して応答する応答工程と、
前記IPアドレスを含む前記メッセージの作成を前記サービス手段に対して指示する指示工程と、を備え、
前記検出工程で前記所定のIPアドレスの更新が検出された場合、前記応答工程で以降に受け付ける前記リクエストに対する応答を留保し、前記指示工程で更新された前記所定のIPアドレスを含む前記メッセージの生成を指示した後、前記応答工程で応答を留保していた前記リクエストに対して応答することを特徴とするネットワーク装置の通信方法。
【請求項5】
ネットワークで接続されたクライアントに対して、自身を示す所定のIPアドレスを含むメッセージを発行し、所定のサービスを提供するサービス手段を有するネットワーク装置の通信プログラムであって、
前記ネットワークで使われているIPアドレスを抽出して記憶し、記憶した前記IPアドレスと、前記メッセージに含まれる前記所定のIPアドレスとを照合することで前記所定のIPアドレスが更新されたことを検出する検出機能と、
前記クライアントから要求されるリクエストを受け付け、前記リクエストに対して応答する応答機能と、
前記IPアドレスを含む前記メッセージの作成を前記サービス手段に対して指示する指示機能と、を備え、
前記検出機能が前記所定のIPアドレスの更新を検出した場合、前記応答機能は以降に受け付ける前記リクエストに対する応答を留保し、前記指示機能は更新された前記所定のIPアドレスを含む前記メッセージの生成を指示した後、前記応答機能は応答を留保していた前記リクエストに対して応答することを、コンピューターに実行させることを特徴とするネットワーク装置の通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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