説明

ネットワーク遊技システム

【課題】遊技した結果をサーバで管理することにより、一元管理することができるネットワーク遊技システム。
【解決手段】仮想空間内に設けられた仮想店舗において、仮想店舗内に設けられた遊技機から一台の遊技機を選択して遊技を行うネットワーク遊技システム1において、仮想空間が、端末に表示される、仮想店舗内に設置された遊技機40を示す店舗画面32と、この店舗画面32で選択された遊技機40を示す遊技画面33とから構成され、また、ゲームサーバ4が、利用者の遊技機40毎の遊技結果を記憶するゲームデータベース5を有し、遊技画面33の遊技機40により遊技を行う毎に、遊技の結果を利用者情報記憶手段に記憶するように構成される。そして、このようなネットワーク遊技システム1は、ゲームデータベース5から、利用者の遊技結果を取り出して、所定の単位に集計して提示する収支手帳機能S120を有して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロードバンドネットワーク等を介して利用者に遊技機による遊技を提供するネットワーク遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の端末(パソコン等)からブロードバンドネットワーク等を介して仮想空間にアクセスし、スロットマシン等による遊技を提供する遊技システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技システムでは、利用者の端末で遊技機の情報を含むソフトウェア(以降の説明では、「ゲームアプリ」と呼ぶ)を実行するように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−189666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者の端末でゲームアプリを実行すると、その遊技機の情報(モード、出目等)はその利用者の端末内で管理される。このようなネットワーク遊技システムにおいては、利用者は、複数の遊技機で遊技を行い、また、時と場所を変えて、ネットワークに接続されている別の端末を利用して遊技を行うことがあるが、各端末内で遊技機の情報や遊技の結果を管理すると、それらの結果を一元管理できないという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、各利用者が遊技した結果をサーバで管理することにより、一元管理することができるネットワーク遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係るネットワーク遊技システムは、端末、および、遊技提供手段(例えば、実施形態におけるゲームサーバ4)がネットワークに接続されて構成され、利用者が端末から仮想空間にアクセスして、この仮想空間内に設けられた仮想店舗において、仮想店舗内に設けられた遊技機から一台の遊技機を選択して遊技を行うものであり、仮想空間が、端末に表示される、仮想店舗内に設置された遊技機を示す店舗画面と、この店舗画面で選択された遊技機を示す遊技画面とから構成され、また、遊技提供手段が、利用者の遊技機毎の遊技結果を記憶する利用者情報記憶手段(例えば、実施形態におけるゲームデータベース5)を有し、遊技画面の遊技機により遊技を行う毎に、この遊技結果を利用者情報記憶手段に記憶するように構成される。そして、このネットワーク遊技システムは、利用者情報記憶手段から、利用者の結果を取り出して、所定の単位に集計して提示する収支手帳手段(例えば、実施形態における収支手帳機能S120)を有して構成される。
【0007】
このとき、収支手帳手段が、利用者の遊技結果を、年単位、月単位、および、日単位に集計して提示するように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るネットワーク遊技システムを以上のように構成すると、利用者は仮想空間内で行った遊技の統計情報を得ることができるため、利用金額の管理や当たりの多い店舗の分析等を行うことができる。また、年単位、月単位、日単位に統計情報を提示すると、利用者は分析等が行い易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係るネットワーク遊技システム1の全体構成について図1を用いて説明する。ネットワーク遊技システム1は、利用者が使用する端末2(図1においては、2台の端末2a,2bを示す)、この端末2に搭載されるゲームアプリ3(同じく図2においては、それぞれの端末に搭載されるアプリ3a,3bを示す)、このゲームアプリ3とゲーム情報のやり取りをして利用者に遊技を提供するゲームサーバ4、ゲーム情報を記憶するゲームデータベース5、および、端末2とゲームサーバ4とを接続するネットワーク6から構成される。
【0010】
このネットワーク遊技システム1は、利用者が、端末2から、ゲームアプリ3およびゲームサーバ4により作られた仮想空間にアクセスし、仮想タウン内にある仮想店舗を選んでスロットマシン等の遊技を行うものである。そのため、図2に示すように、利用者は仮想空間内でタウン画面31と店舗画面32とを行き来して、その店舗画面32に対応する店舗からコンテンツ(例えば、スロットマシンによる遊技)33を利用する。なお、図示しないが、利用者が端末2からゲームサーバ4にアクセスするときには、この利用者の利用者IDとパスワードを入力してゲームサーバ4において利用者の認証を行うように構成されている。
【0011】
図3に店舗画面32の一例を示す。このように店舗画面32においては、複数の遊技機40といす41の組が表示されており、利用者がマウス等でこれらの遊技機40(若しくはいす41)のいずれかを選択すると、図4に示すような遊技機(この例においてはスロットマシンを示す)40が遊技画面33として表示される。
【0012】
スロットマシン(遊技機)40は、筐体の中央に表示され、各々に所定の図柄が表示された3個のリール41(41a〜41c)、その利用者が所有する仮想メダルをベットするベットボタン42、リール41の回転を開始させるレバー43、および、リール41a〜41cのそれぞれに対応して配置され、それぞれのリール41a〜41cの回転を停止させるストップボタン44(44a〜44c)から構成される。利用者は、端末2に備えられたマウス等を操作して、ベットボタン42を押して仮想メダルをベットし、レバー43を押してリール41を回転させる。そして、所望のタイミングで、かつ、所望の順序でストップボタン44を操作してリール41を停止させる。このとき、リール41に表示された図柄が所定の組み合わせ(「入賞図柄」と呼ぶ)に該当するときは、所定枚数の仮想メダルが払い出される。利用者は、以上の操作を繰り返し実行して、遊技を行うように構成されている。
【0013】
ゲームサーバ4においては、図5に示すように、仮想店舗のそれぞれは店舗識別情報(店舗ID50a)により、一義的に管理されており、また、各仮想店舗における遊技機40のそれぞれも機器識別情報(機器ID50b)により一義的に管理されており、これらの情報はゲームデータベース5に機器情報50として管理されている。この機器情報50には、これらの識別情報50a,50bを主キーとして、その遊技機40が利用者により使用されているか否かの状態を記憶する使用状態50c、および、各遊技機40の出目、モード、ベット数、獲得コイン数等の状態を記憶する機器状態50dが設けられている。
【0014】
ゲームアプリ3は、端末2に店舗画面32を表示するときは、ゲームサーバ4のゲームデータベース5から選択された店舗の店舗ID50aをキーとしてその店舗に設置された遊技機40の機器ID50bと使用状態50cを取得して、図3に示すように使用中の遊技機40に対しては、そのいす41に遊技者42を表示し、使用中でない遊技機40に対してはいす41を表示する。
【0015】
そして、利用者が使用中でない遊技機40を選択すると、ゲームアプリ3は、遊技画面33を表示するとともに、図6に示すように、ゲームサーバ4のゲームデータベース5の機器情報50から機器ID50bをキーにしてその遊技機40の機器状態50dを取得する(ステップS100)。ゲームアプリ3はゲームサーバ4から取得した機器情報50により、この遊技機40の状態を復元することにより、この機器状態50dにより上述の遊技による入賞図柄の制御等に用いられる(ステップS101)。
【0016】
利用者が一回の遊技(ベット、リール回転、リール停止)を終了すると、ゲームアプリ3は、その遊技のゲーム情報(ベットされたコイン数、当たり、はずれの情報や、BB,RBの状態)をゲームサーバ4に送信し(ステップS102)、ゲームサーバ4はそのゲーム情報をゲームデータベース5の機器情報50に格納する(ステップS103)。最終的に、利用者が遊技を終了して仮想メダルを精算すると、ゲームアプリ3は端末2に店舗画面31を表示する。
【0017】
このように、ゲームサーバ4のゲームデータベース5に、各遊技機40の状態を機器情報50として管理し、端末2において実行された遊技毎にその遊技機40の状態を記憶するように構成することにより、その遊技機40の状態は常にゲームサーバ4で管理されることになり、利用者が変わってもそれまでの遊技機40の状態が保持されるために、実際の遊技機40の状態を仮想空間において再現することができる。
【0018】
以上のように、利用者が一回の遊技を行う毎にそのゲーム情報がゲームサーバ4に送信されるが(例えば、図8において端末2aのゲームアプリ3aから送信されるゲーム情報)、そのゲーム情報は、機器IDとともに他の端末2(図8における端末2b,2c)に配信される。この端末2b,2cのゲームアプリ3b,3cは、店舗画面32を表示しているときに、機器IDに対応する遊技機40の状態表示部40a(図3に示す)にその情報を表示する。例えば、その利用者が獲得しているメダルの枚数をメダル貯留箱(いわゆるドル箱)の箱数で表示し、BBまたはRB等に入賞したときにこの状態表示部40aを点滅させる等により表示する。
【0019】
このように、ある利用者の情報をゲームサーバ40から他の利用者の端末2に配信して、その状態を店舗画面32等に表示することにより、利用者は実際の店舗と同様に他の利用者の状態を知ることができ、現実の店舗にいる感覚を得ることができる。
【0020】
なお、ゲームデータベース5には、各利用者の遊技情報を管理するために、利用者情報51を有している。この利用者情報51は、図7に示すように、ゲーム情報毎に、利用者ID51aを主キーにして、遊技年月日および時間51b、ベットコイン数51c、遊技結果(当たり、はずれ、BB、RB等)51d、および、獲得コイン数51eが記憶されるように構成されている。
【0021】
上述のように、利用者が一回の遊技を終了すると、ゲームアプリ3は、その遊技のゲーム情報をゲームサーバ4に送信する(図6のステップS102)。そして、ゲームサーバ4はそのゲーム情報を、図9に示すように、ゲームデータベース5の利用者情報51にも格納する(ステップS104)。
【0022】
利用者は、端末2のゲームアプリ3の収支手帳機能(S110)を起動すると、ゲームアプリ3は、ゲームアプリ4に対して利用者IDとともに、利用者情報51からその利用者の収支情報の収集命令を送信する(ステップS111)。ゲームサーバ4はこの収集命令を受信すると、利用者情報51から利用者IDをキーに年単位、月単位、および、日単位に収支データを収集して端末2に送信する(ステップS112)。端末2のゲームアプリ3は、この収支データを受信すると、端末2に表示する(ステップS1113)。
【0023】
このように、ゲームアプリ3で提供される収支手帳機能S110により、利用者は仮想空間内で行った遊技の統計情報を得ることができるため、利用金額の管理や当たりの多い店舗の分析等を行うことができる。なお、端末2における利用者の遊技機40の遊技結果(ゲーム情報)は、一回の遊技毎にゲームサーバ4に送信するのではなく、その遊技機40から利用者が離れるときに(すなわち、遊技画面33から店舗画面32に移行するときに)、一括してゲームサーバ4に送信して利用者情報51に記憶するように構成することもできる。
【0024】
ところで、このネットワーク遊技システム1においては、遊技機40を選択している状態で仮想店舗内を移動することが可能に構成されており、特定の遊技機40の状態を保持して他の利用者に利用されないようにする機能を有している(この機能をここでは「遊技機キープ機能」と呼ぶ)。遊技機キープ機能により保持されている遊技機40は、図3に示すように、店舗画面32において、保持中表示43が表示される(この例の場合は、「食事中」と表示される)。
【0025】
それでは、この遊技機キープ機能S120について、図10を用いて説明する。利用者(図10においては利用者a)が遊技画面33において、現在遊技している遊技機40の保持を選択すると、ゲームアプリ3は、その遊技機40の機器IDとともに保持命令をゲームサーバ4に送信する(ステップS121)。この保持命令を受け取るとゲームサーバ4は、ゲームデータベース5が管理する機器情報50において、機器ID50bに対応する使用状態50cを保持中に変更する(ステップS122)。一方、ゲームアプリ3は、上述のように保持された遊技機40に保持中表示43を表示して店舗画面32を表示する。これにより、この利用者は、自由に店舗画面32内を移動することができる。
【0026】
このような状態で、他の利用者(図10においては利用者b)が、保持中の遊技機40を店舗画面32で選択すると、ゲームアプリ3からゲームサーバ4に対して機器IDとともに、遊技機確保命令が送信される(ステップS123)。ゲームサーバ4はゲームデータベース5の機器情報50に対して送信された機器IDをキーに検索して使用状態50cを取得し、この状態が使用中、若しくは、保持中であるときは保持警告情報をゲームアプリ3に送信する(ステップS124)。保持警告情報を受信したゲームアプリ3は遊技画面33に移行しない。また、遊技機40を保持している利用者がその遊技機40に戻る(マウス等で店舗画面32から選択する)と、保持状態は解除され、機器情報50の使用状態50cが使用中にされる。
【0027】
このように、遊技機40を保持する機能を提供することにより、利用者に、仮想空間内で現実の遊技機を利用している感覚を与えることができる。なお、以上の実施例においては一つの店舗(店舗画面32)が一つのフロアで構成されている場合について説明したが、複数のフロアを有していても良い。この場合、上述の遊技機キープ機能S120において、遊技機40を保持したまま他のフロアに移動可能なように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ネットワーク遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームアプリにおける画面の推移を示すブロック図である。
【図3】店舗画面を示す説明図である。
【図4】ゲーム画面を示す説明図である。
【図5】機器情報の構造を示すデータ構造図である。
【図6】遊技機の状態をゲームサーバで保持するときの処理の流れを示すフロー図である。
【図7】利用者情報の構造を示すデータ構造図である。
【図8】複数のゲームアプリとゲームサーバとのデータの流れを示す説明図である。
【図9】収支手帳機能の処理の流れを示すフロー図である。
【図10】遊技機キープ機能の処理の流れを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ネットワーク遊技システム
2 端末
4 ゲームサーバ(遊技提供手段)
5 ゲームデータベース(利用者情報記憶手段)
32 店舗画面
33 遊技画面
S120 収支手帳機能(収支手帳手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末、および、遊技提供手段がネットワークに接続されて構成され、利用者が前記端末から仮想空間にアクセスして、前記仮想空間内に設けられた仮想店舗において、前記仮想店舗内に設けられた遊技機から一台の遊技機を選択して遊技を行うネットワーク遊技システムであって、
前記仮想空間が、前記端末に表示される、前記仮想店舗内に設置された前記遊技機を示す店舗画面と、前記店舗画面で選択された前記遊技機を示す遊技画面とから構成され、
前記遊技提供手段が、前記利用者の前記遊技機毎の遊技結果を記憶する利用者情報記憶手段を有し、前記遊技画面の前記遊技機により遊技を行う毎に、前記遊技結果を前記利用者情報記憶手段に記憶するように構成され、
前記利用者情報記憶手段から、前記利用者の前記遊技結果を取り出して、所定の単位に集計して提示する収支手帳手段を有することを特徴とするネットワーク遊技システム。
【請求項2】
前記収支手帳手段が、前記利用者の前記遊技結果を、年単位、月単位、および、日単位に集計して提示するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−288490(P2006−288490A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109982(P2005−109982)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(500265914)株式会社サミーネットワークス (17)
【Fターム(参考)】