説明

ネットワーク録画機器による代替録画とシームレス再生方法および装置

【課題】ユーザが予約したTV番組の録画に関し、確実に連続的な録画を可能にするための、TV番組の録画方法、およびその番組の再生方法を提供する。
【解決手段】ローカルエリアネットワーク20に接続されたサーバPC10デジタルレコーダ30は、録画に関する情報を共有することにより、デジタルレコーダ30Aの録画中に容量不足が予想された場合に、デジタルレコーダ30Aで実行された録画の情報をサーバPC10へ送付し、引き続きデジタルレコーダ30Bへデジタルレコーダ30Aで実行していた条件を送信、設定し、録画を継続する。その際、再生時に未録画部分が発生しないようにデジタルレコーダ30Bの録画を早めに開始する。その後、録画済み番組をデジタルレコーダ30Cにて再生する場合、サーバPC10から録画されている機器、再生時間等の情報を取得し、その情報を基に再生を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが登録したTV番組の録画予約を確実に実行し、その録画番組を再生する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルテレビジョン放送が高画質・大容量化しているため録画予約時に容量の不足が予測される場合は、ネットワークに接続されている他の録画機器に録画予約を登録し、録画の失敗を防いでいる(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−223736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来例による場合、ユーザが録画予約を登録した後に、他の番組を録画したり、画像/音楽データなどを追加保存したりするといった他の要因により、当該の録画を実行するための容量が不足し、録画が途中で失敗してしまうという問題がある。
また、録画が正常に実施された場合も、その録画済み番組を再生するために当該の録画再生機器へユーザが移動する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明のシステムは、ネットワークに接続されているサーバPC及び複数の録画/再生可能機器を利用し、録画実施中に記録容量が不足することを検出した場合、ネットワークに接続されていて、即時録画が可能な他の録画機器を検索し、録画に関する引継ぎ情報を通知し、録画処理を切り替え完了する。録画機器を切り替える際に、録画に関する情報を統括するサーバPCへ通知、格納され、再生時にそれらの情報をサーバPCから一括し取り出し、その情報を基に再生する。
【発明の効果】
【0005】
本発明の示す方法は、操作者が録画機器の残容量を意識することなく、所望する画質にて録画を実行でき、また、再生時にネットワークに接続されている再生可能機器ならば、どの機器からも分散録画されていることを意識することなく再生が可能となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(実施の形態)
以下、図面と共に本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0007】
図1は、本発明のシステムの構成図である。同図は、デジタルテレビジョンの録画/再生を行うデジタルレコーダ30A〜30C、分散された録画の継続情報が各録画機器より通知、保存され、各機器からの再生情報取の得要求に対し返信するためのサーバPC10より構成されている。
【0008】
以下に、図面を用いて、本発明の録画の継続情報を作成するための動作を説明する。図2は、録画の継続情報の構造である。図3は、録画/再生に関わるタイミングを示すものである。図4は、本発明のネットワーク録画方法における一実施例の動作を示すフローを表す図である。図中のS1〜S5はステップを表す。デジタルレコーダにおいて事前に登録された録画が実行中に、事前に設定された録画画質と残り録画時間から計算し、あらかじめ設定されている容量まで残容量が到達した場合、時間(t)後に録画継続は困難と判断する(ステップ1)。ネットワーク上から引き続き録画を行うデジタルレコーダを探索する(ステップ2)。直前に録画していたデジタルレコーダを特定するID、探索された他のデジタルレコーダへ録画の継続性を維持するためのマージン時間(A)を含んだ録画開始時間(t−A)、録画画質、録画残り時間、チャンネル番号、引き続き録画を行うデジタルレコーダを特定するIDから継続情報を作成する(ステップ3)。(ステップ3)で作成された情報を(ステップ2)で探索されたデジタルレコーダへ送信する(ステップ4)。また、(ステップ3)で作成された情報をネットワーク上に接続されたサーバPC10へも送信する(ステップ5)。
【0009】
以降、登録された録画が完了するまで(ステップ1)から(ステップ5)を繰り返し実行する。
【0010】
図5は、本発明のネットワーク再生方法における一実施例の動作を示すフローを表す図である。図中のS1〜S5はステップを表す。
【0011】
図4の(ステップ1)から(ステップ5)において、録画された番組を再生する場合、ネットワーク上に接続された再生可能機器からサーバPC10へアクセスし、録画番組情報を取得する(ステップ1)。操作者が、再生したい番組を選択すると、その番組に関する継続情報を一括し、取得する(ステップ2)。継続情報の先頭テーブルに記述されている直前に録画していたデジタルレコーダのIDから当該デジタルレコーダへアクセスし、録画データの再生を開始する(ステップ3)。再生開始後、録画開始時間(t−A)になった時点で、継続情報先頭のテーブルに記述されている引き続き録画を行うデジタルレコーダを特定するIDから当該デジタルレコーダへ継続情報2番目のテーブルを送信し、再生を開始するように通知する(ステップ4)。その後、再生開始後、時間(t)に達しした時点で引き続き録画を行うデジタルレコーダを特定するIDで特定されるデジタルレコーダからの映像および音声の出力に切り替える(ステップ5)。
【0012】
以降、再生が完了するまで(ステップ1)から(ステップ5)を繰り返し実行する。
【産業上の利用可能性】
【0013】
家庭内ネットワーク内にあるデジタルレコーダおよびコンピュータシステム内に格納されたデジタルコンテンツの格納場所を意識することなく、全ての機器から取得または閲覧が可能となる用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を説明するための、システム構成図
【図2】録画継続構造を示す図
【図3】録画、再生に関わるタイミングを示す図
【図4】本発明の実施の形態におけるネットワーク録画の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態におけるネットワーク再生の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0015】
10 サーバPC
20 ローカルエリアネットワーク
30A、30B、30C デジタルレコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の録画機器で番組を録画する第1の録画ステップと、第1の録画ステップで録画実行中、所定時間(t)後に記録領域が不足することを検出した状態において、残り必要な録画時間、録画を安全に実行するためのマージン時間(A)、録画開始時間(t―A)、録画チャンネル番号、該第1の録画機器を特定する情報、及び次に録画される機器を特定する情報から成る録画継続情報を生成する情報生成ステップと、前記情報生成ステップで生成された情報を継続し録画を実行する第2の録画機器へ通知する第1の通知ステップと、前記第1の通知ステップで通知された情報に基づいて、録画開始時間から第2の録画機器で番組の録画を実行する第2の録画ステップと、サーバPCへ前記情報生成ステップで生成された情報を通知する第2の通知ステップを有することを特徴とする録画方法。
【請求項2】
請求項1に記載の録画方法にて、録画された番組を再生する場合に、前記第2の通知ステップで通知された情報をサーバPCから取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得された情報を基に、該第1の録画機器に記録されている番組の再生を開始する第1の再生ステップと、前記第1の再生ステップで番組を再生中に、前記取得ステップで取得された録画開始時間(t―A)に、該第2の録画機器に記録されている番組の再生を開始し、所定時間(t)に第2の録画機器の再生画像に切り替える第2の再生ステップとをさらに有することを特徴とする録画再生方法。
【請求項3】
請求項1に記載の録画方法で録画を行う録画システム。
【請求項4】
請求項2に記載の録画再生方法で録画再生を行う録画再生システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2のいずれかの請求項に記載の録画または録画再生方法を実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載したプログラムを記録した媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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