説明

ネールパック

【課題】人体に有害な化学物質を使用しないで、手の爪や足の爪などのネール表面に付着して栄養成分、水分などを供給することによって、ネールの損傷を防止するのみならず、損傷されたネールを回復させる機能を与え、ネールパックをネール表面に粘着で付着する時、柔軟性と形態の変形が自由で密着力が優れ、さらに付着されたネールパックを容易に取り除くことができる機能を有するネールパックを提供する。
【解決手段】爪または足の爪の表面をカバーして付着される伸縮性及び/または柔軟性があるベースシート11の一面または両面に、保湿剤及び/または栄養剤を塗布してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネールパックに関し、さらに具体的には、手の爪や足の爪(以下、「ネール」と略称する)の表面に、仮に粘着されることができ、損傷されたネールに保湿効果を付与すると同時に栄養成分を供給することができるネールパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの女性がネールにマニキュア又はペディキュアを使用してきたが、最近では女性だけではなく男性も美容に対する関心が大きくなりつつあり、美を演出する方法の一つとしてネールアート(nail art)が流行っている。
【0003】
ネールアートは、単にネールの表面にマニキュアを塗布することに止まらず、ネールでの創造的な芸術作業として、その方法及びデザインを多様に演出し、自分なりのユニークなファッションを形成する一つの文化形態である。このネールアートには、エナメルやアクリルカラーを利用し、本人が願う創造的なデザインとして演出するために、ブラシ(brush)を利用して直接爪に描くハンドペインティング(hand painting)、機械を利用したカラー配合でカラーインクをスプレーするエアブラシ(air brush)、爪に穴を開けて宝石などをつけるネールジュエリーピアス(nail jewelry pears)などの方法があり、その他にテープなどを利用してデザインするとか、アクリルパウダーを利用し爪に立体的なデザインを施したりもする。
【0004】
これに関連した先行技術として、特許文献1には、樹脂であるフィルム層と、不織布で構成される内皮としての機能性の製品供給層からなる外縁とが高周波圧着、超音波圧着または熱圧着されるハンドパックが開示されており、これを通じて手と爪辺りに栄養供給が可能であると記載されている。
【0005】
しかし、このような形態は、栄養供給層が爪の全表面に密着されないので、爪への栄養供給が足りないし、ハンドパックを装着した時には、読書とか、パソコンをするなどができないなどの欠点があった。
【0006】
また、特許文献2には、合成繊維からなる織物や不織布の表面に、多様な色と絵の印刷層を生成した飾り用印刷物を剥離紙に接着剤で固定させ、爪の模様とサイズによって、切断した平面構造のシートが開示されている。
【0007】
しかし、特許文献2のような接着剤またはマニキュアを含んだネールアートに使われる物質には、トルエンやフタル酸、ホルムアルデビドのように人体に有害な各種化学薬品が含まれているから、このような物質を反復的にまたは長期間ネールに塗布する場合、ネールが損傷しやすいし、またネール管理を疎かにする場合には、ネールが割れるとか、水分が不足であかぎれする等の損傷を与えるという問題点がある。
【0008】
ネールは大きく爪根(NAIL ROOT)と、爪床(NAIL BED)および爪体(NAIL BODY)に区分される。爪根は、爪の新しい細胞が作られる部分であり、爪根が損傷されると爪がよく伸びないようになる。爪床は知覚神経組織と毛細血管があり、爪をピンク色とするようにすると共に新陳代謝と水分供給の役目をしているので、爪床が損傷されると、爪に血液と水分が充分に供給されないので青白くなり、割れて折れやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国 登録特許第10−0876901号
【特許文献2】大韓民国 公開実用新案第20−2009−000800号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記したように従来技術における問題点を解決し、人体に有害な化学物質を使用することなく、手の爪や足の爪などのネール表面に貼付け、栄養成分や、水分などを供給することによって、ネールの損傷を防止するのみならず、損傷されたネールを回復させる機能を有するネールパックを提供することを目的にする。
【0011】
更なる本発明の目的は、ネールパックをネール表面に粘性で付着する時、柔軟性と形態の変形が自由で密着力が優れ、さらに付着されたネールパックを容易に取り除くことができる機能を有するネールパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を果たすために本発明は、伸縮性及び/または柔軟性を有し、手の爪または足の爪の表面をカバーして付着されるベースシート(11)と、
前記ベースシート(11)の一面または両面に塗布された保湿剤及び/または栄養剤
を含有するネールパックからなることを特徴とする。
【0013】
好ましい形態の本発明は、密着力あるいは付着力の向上のために前記のベースシートの外縁にフラップ(12)が形成されたことを特徴とする。
【0014】
さらに好ましい形態の本発明は、前記のベースシート(11)とフラップ(12)の境が上からみた時に、波状(あるいはジグザグ状)として密着力を向上させるとか、または前記のフラップ(12)の外縁が横からみた時、波状(あるいはジグザグ状)にして剥離性が優れるようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらに好ましい形態の本発明は、前記のベースシート(11)に複数個の通気孔を穿孔して通気性を倍加するとか、または前記のベースシート(11)を、上側方向に丸く膨らみ凸出するように形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ベースシートに塗布された保湿剤がネール表面に所定の時間付着し、水分と栄養を供給するので、ネールの損傷が緩和され、硬くなった爪に柔軟性と伸縮性及び潤いを与える効果がある。
【0017】
さらに、ネールの根である爪根に栄養を供給するので、爪根が元気な状態を維持することができ、爪の生成を円滑にでき、全体として爪を元気な状態で維持することができるようになる。
【0018】
また、これと合わせてベースシートとフラップの境およびフラップの環状エッジを含めてフラップの外縁が波状となる場合、ネールパックがネール周辺の曲がっている部分に対応して自然に圧着され、密着力が優秀でありながら、ネールパックを取り除く時、手軽に剥離させることができる効果がある。
【0019】
さらに、ベースシートに複数個の通気孔が形成された場合、通気性が向上されるので、ネールパックを着した状態で眠るなど、長期間着しても問題がなく、肌が膨れ上がることを防止することができる。
【0020】
さらに、ベースシートが上側方向に丸く凸状に膨らんでいるように形成すれば、丸みを有するネールにさらに堅固に密着されるので、より十分な保湿効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のネールパックの一態様の構成を示した斜視図及び部分拡大図。
【図2】本発明によるネールパックの一態様の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。なお、以下の図面による詳細な説明は、本発明の一実施形態を示したに過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明によるネールパックの構成を示した斜視図及び部分拡大図であり、図2は、本発明によるネールパックの側面図である。
【0024】
図1及び図2に示されるように、本発明のネールパック(10)は、パルプまたは不織布のような、柔軟性と伸縮性がある材料で形成されるベースシート(11)と、前記のベースシート(11)の一面または両面に塗布された保湿剤及び/または栄養剤からなる。
【0025】
本発明によれば、前記のベースシート(11)の外縁に、更にフラップ(FLAP)(12)を具備することができる。また、前記のベースシート(11)とフラップ(12)は、同一の材料として形成することもでき、この時、前記のフラップ(12)がベースシート(11)と一体になった場合は、前記フラップ(12)の一面または両面にも保湿剤及び/または栄養剤が塗布されても良い。本発明によるネールパック(10)は、保湿剤及び/または栄養剤による粘性でネールとその周辺の肌に貼付されるので、前記の保湿剤及び/または栄養剤の塗布範囲を制限する必要はない。
【0026】
前記のベースシート(11)は、手の爪や足の爪の表面を含めてその周辺までカバーできるように、おおよそ10mm〜30mmサイズの範囲で、円形とか楕円形に形成されるが、本発明ではネールパックの形象と数値に制限を置かない。
【0027】
前記の保湿剤及び/または栄養剤は、通常的なマスクパックのように、人体に無害であり、同時に肌に保湿効果または栄養を供給することができる物質であれば、制限を置かない。その例として、美容塗布剤のようにケラチンにカルシウム成分が含有された果物から精製された蛋白質成分を添加したものであっても良く、このような保湿剤及び/または栄養剤は粘性があるジェルタイプや化粧材料であるエッセンスのように、液体形態に製造され塗布されたものであっても良い。
【0028】
ケラチンに添加される物質としては、パンテノール、甘草抽出物、カモマイル抽出物、大豆抽出物、瓶草抽出物、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、保湿剤及び/または栄養剤は、精製水、グリセリン、ブチレングリコール、アモメチコン/セトリモニウム塩化物/トリーデス−12、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ブドウ種子オイル、リン脂質、カブリルカブリントリグリセリド、コーレス−20、イヌリンラウリルカルバミン酸塩、パンテノール、ベタイン、豆抽出物、カモマイル花抽出物、甘草抽出物、瓶草抽出物、桑白皮抽出物、キサンタンゴム、PEG60水素化カスターオイル、ヒドロキシエチルセルロース、クエン酸ナトリウム、EDTA、フェノキシエタノール、メチルパラベン、香料を含むことができる。
【0030】
なお、前記のネールパックが爪に貼付された時、接着力をより向上させるために、保湿剤及び/または栄養剤中に、肌に無害な天然接着成分をさらに含ませることができる。
【0031】
好ましい実施形態として、前記のベースシート(11)とフラップ(12)の境は一字状に連結されることもあるが、図1に例示されたように上側から見た時、波状で折れ曲るようにすることが好ましく、このようにすると、ベースシート(11)の大部分がネールの表面に付着された状態でベースシート(11)の余剰部分とフラップ(12)がネール周辺の肌と接触され、ネールと肌のギャップあるいは折れ曲がった形象に影響を受けないで、フラップ(12)が自由に曲げられるようになってネールと肌に対する密着性あるいは付着力が向上する。
【0032】
さらに、前記のフラップ(12)の最外縁部分は、側面から見た時、一字状になることもあるが、図2に例示したように側面からの観察時に、波状のように折れ曲がれるようにすることが好ましく、このように形成すると、フラップ(12)が肌に付着した状態でもフラップ(12)の最外縁の一部、即ち、折れ曲がれた部分の上側部分は、肌からある程度離れているので、この部分を利用すればネールパックを軽く持ち上げて容易に取り除くことができる。
【0033】
一方、前記のベースシート(11)の表面には、複数個の通気孔(13)が形成されることが好ましく、本発明によると、前記の通気孔(13)は、フラップ(12)に形成されることも含む。ネールパック(10)に通気孔(13)が形成されると、内部の粘着部分に空気が流通するので、ネールパックを長期間着しても酸素不足による肌トラブルとか、膨れ上がる現象を抑制することができる。
【0034】
さらに好ましい実施例として、本発明は、図2のようにベースシート(11)が上側方向に膨らんだ状態で突出し、この膨らんでいる部分が、円弧形態で丸く凸出されて形成されるものを挙げることができる。前記の膨らんでいるベースシート(11)は、ネールパック(10)を製造する際に使うプレス圧縮機械に、膨らんでいる形態の金型フレームを取り付け、所定の熱を加えて圧縮する方法により形成されることができるが、このような成型方法に制限されるものではない。このように、ベースシート(11)を丸く膨らむように形成すれば、実際のネールの膨らんでいる表面と対応する形態になるので、ネールに対する密着力あるいは付着力が向上される利点がある。
【0035】
以上の説明と添付された図面は、本発明の技術思想による一実施形態のみを提示し、説明したものであり、本発明は例示された実施形態のみに限定されるものではないし、本発明の全体的な技術思想を脱しない範囲内で多様な実施が可能であるので、本発明の権利範囲は下記の請求範囲に記載した事項と同一なものは勿論、それと均等な事項まで含むことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0036】
10 :ネールパック
11 :ベースシート
12 :フラップ
13 :通気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性及び/または柔軟性を有し、手の爪または足の爪の表面をカバーして付着されるベースシート(11)と、
前記ベースシート(11)の一面または両面に塗布された保湿剤及び/または栄養剤
を含有してなることを特徴とするネールパック。
【請求項2】
前記のベースシート(11)の外縁にフラップ(12)が形成された請求項1記載のネールパック。
【請求項3】
前記のベースシート(11)とフラップ(12)の境は、上からみた時、波状であることを特徴とする請求項2記載のネールパック。
【請求項4】
前記のフラップ(12)の外縁は、横から見た時、波状である請求項2記載のネールパック。
【請求項5】
前記のベースシート(11)に複数個の通気孔(13)が穿孔された請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のネールパック。
【請求項6】
前記のベースシート(11)が、上側方向に丸く膨らんでいるように形成された請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のネールパック

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−72325(P2011−72325A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223661(P2009−223661)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(509270753)
【出願人】(509270742)
【Fターム(参考)】