説明

ノイズキャンセルユニット

【課題】カメラに適用することが可能なノイズキャンセルユニットを提供すること
【解決手段】本技術のノイズキャンセルユニットは、ダクトと、ノイズキャンセルユニット本体と、固定部とを具備する。ノイズキャンセルユニットは、カメラの排気口に接続され排気口から排出された排気流が流通するダクトと、ダクトに設けられた第1のマイクロフォンと、第1のマイクロフォンより下流においてダクトに設けられたスピーカと、スピーカより下流においてダクトに設けられた第2のマイクロフォンと、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの出力に基づいて排気流に含まれる雑音を除去するための音信号を生成しスピーカに供給する信号処理回路とを有する。固定部は、ノイズキャンセルユニット本体を、ダクトが排気口に接続されるようにカメラに着脱可能に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、動画撮像用カメラに装着されるノイズキャンセルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
動画撮像用カメラ(以下、単にカメラ)において、冷却ファンの動作音等のノイズが撮影時に問題となる場合がある。このようなノイズに対し、カメラに覆い被せてノイズの外部への漏洩を防止するケース(防音ブリンプ)が用いられることが多い。
【0003】
しかしながら、防音ブリンプは、カメラに覆い被せられるためにサイズが大きく、かつ重量も重くなるため、撮像の妨げになるといった問題がある。一方、近年、ノイズに対して逆位相の音波を付加し、ノイズを低減するアクティブノイズキャンセルが普及している。例えば、非特許文献1には、ファンからの排気が流通するダクトに、上記ノイズ集音マイクロフォン、スピーカ及びモニタ用マイクロフォンが設けられたアクティブサイレンサーを搭載したプロジェクタが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"Panasonicプロジェクターカタログ"、[online]、2003年7月、[2011年3月31日検索]、p5 インターネット<URL:http://takarajima2.sakura.ne.jp/tokutoku/th-d9610j_3.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなアクティブノイズキャンセラが有効なノイズキャンセルを実施するためには、アクティブノイズキャンセラの原理上、ある程度の長さのダクトが必要となる。したがって、内部空間が制限されるカメラの場合には、アクティブノイズキャンセラを搭載することは困難であった。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、カメラに適用することが可能なノイズキャンセルユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本技術の一形態に係るノイズキャンセルユニットは、ダクトと、ノイズキャンセルユニット本体と、固定部とを具備する。
上記ノイズキャンセルユニットは、カメラの排気口に接続され上記排気口から排出された排気流が流通するダクトと、上記ダクトに設けられた第1のマイクロフォンと、上記第1のマイクロフォンより下流において上記ダクトに設けられたスピーカと、上記スピーカより下流において上記ダクトに設けられた第2のマイクロフォンと、上記第1のマイクロフォン及び上記第2のマイクロフォンの出力に基づいて上記排気流に含まれる雑音を除去するための音信号を生成し上記スピーカに供給する信号処理回路とを有する。
上記固定部は、上記ノイズキャンセルユニット本体を、上記ダクトが上記排気口に接続されるように上記カメラに着脱可能に固定する。
【0008】
この構成によれば、カメラの排気口から排出された排気流がダクトに流入し、第1のマイクロフォンが排気流に含まれるノイズ音を集音し、信号処理回路に出力する。信号処理回路は、第1のマイクロフォンによって生成された音信号に所定のキャンセル特性を乗じ、スピーカに出力する。スピーカは、信号処理回路から出力された音信号を受けて、ノイズキャンセル音を発音する。第2のマイクロフォンは、ノイズキャンセルがされた音を集音し、信号処理回路に出力する。信号処理回路は、第2のマイクロフォンから出力された音信号に基づいて、上記キャンセル特性を調整する。このため固定部が、このような構成を有するノイズキャンセルユニット本体を、ダクトが排気口に接続されるようにカメラに着脱可能に固定することにより、ノイズキャンセルユニットはカメラからの排気音にアクティブノイズキャンセルを施すことが可能となる。また、ノイズキャンセルユニットはカメラに対して着脱可能であるので、必要に応じてノイズキャンセルユニットをカメラに装着させることが可能となる。
【0009】
上記固定部は、上記カメラに接続されたブラケットを介して上記ノイズキャンセルユニット本体を上記カメラに固定してもよい。
【0010】
この構成によれば、カメラにノイズキャンセルユニットの装着のための特別な構成が設けられていなくても、カメラにノイズキャンセルユニットを装着することが可能となる。即ち、本技術に係るノイズキャンセルユニットは、種々のカメラに対して汎用的に装着することが可能である。
【0011】
上記固定部は、上記ノイズキャンセルユニットを収容する筐体と、上記ブラケットに設けられたシャフトに回転可能に係合する上記筐体に設けられたフックと、上記ブラケットにネジ留めされる上記筐体に設けられたネジ孔とを有してもよい。
【0012】
この構成によれば、ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体は、フックがシャフトに係合することにより、シャフトを回転軸として回転可能に支持される。したがってユーザは、フックをシャフトに係合させて筐体を回転させることにより、筐体のネジ孔をブラケットのネジ孔に一致させることができ、ネジ孔の位置合わせを要することなくノイズキャンセルユニットをブラケットに固定することが可能となる。
【0013】
上記ダクトは、弾性部材を介して上記排気口に接続されてもよい。
【0014】
この構成によれば、筐体がブラケットにネジ留めされる際に弾性部材が変形し、ダクトをカメラの排気口に確実に接続することが可能である。
【0015】
上記固定部は、上記ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体と、上記カメラに設けられたシャフトに回転可能に係合する上記筐体に設けられたフックと、上記カメラにネジ留めされる上記筐体に設けられたネジ孔とを有してもよい。
【0016】
この構成によれば、ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体は、フックがシャフトに係合することにより、シャフトを回転軸として回転可能に支持される。したがって、ユーザは、フックをシャフトに係合させて筐体を回転させることにより、筐体のネジ孔をカメラのネジ孔に一致させることができ、ネジ孔の位置合わせを要することなくノイズキャンセルユニットをカメラに固定することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本技術によれば、カメラに適用することが可能なノイズキャンセルユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本技術の実施形態に係るのノイズキャンセルユニットが装着されたカメラの斜視図である。
【図2】同ノイズキャンセルユニットが装着されたカメラの上面図である。
【図3】同ノイズキャンセルユニットが装着されたカメラの正面図である。
【図4】同ノイズキャンセルユニットとカメラの分解斜視図である。
【図5】カメラとブラケットの分解斜視図である。
【図6】ブラケットの斜視図である。
【図7】本技術の実施形態に係るノイズキャンセルユニットの表側の斜視図である。
【図8】同ノイズキャンセルユニットの裏側の斜視図である。
【図9】同ノイズキャンセルユニットの分解斜視図である。
【図10】同ノイズキャンセルユニットのノイズキャンセルユニット本体の斜視図である。
【図11】同ノイズキャンセルユニットのノイズキャンセルユニット本体の分解斜視図である。
【図12】同ノイズキャンセルユニットのダクト本体の斜視図である。
【図13】同ノイズキャンセルユニットのダクトの斜視図である。
【図14】同ノイズキャンセルユニットのダクト本体へのスピーカ、第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンの取り付け方法を示す図である。
【図15】同ノイズキャンセルユニットのカメラへの装着方法を示す図である。
【図16】同ノイズキャンセルユニットのカメラへの装着方法を示す図である。
【図17】同ノイズキャンセルユニットのカメラへの装着方法を示す図である。
【図18】カメラに装着された同ノイズキャンセルユニットを示す図である。
【図19】カメラの排気口と同ノイズキャンセルユニットのダクト吸気口との接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<ノイズキャンセルユニットの使用態様>
本実施形態に係るノイズキャンセルユニットの使用態様について説明する。このノイズキャンセルユニットは、動画撮影用カメラ(以下、単にカメラ)に装着されて用いられるものである。図1はノイズキャンセルユニット20が装着されたカメラ10を示す斜視図である。図2は同カメラ10の上面図であり、図3は同カメラ10の正面図である。図4は、カメラ10とノイズキャンセルユニット20の分解斜視図である。
【0020】
図4に示すように、カメラ10は排気口11を有し、ノイズキャンセルユニット20はこの排気口11に接続可能に構成されている。以下、カメラ10の排気口11をカメラ排気口11とする。ノイズキャンセルユニット20は、このカメラ排気口11から排出される排気流に含まれるノイズを減衰させるためのものである。ノイズキャンセルユニット20が装着可能なカメラはここに示すものに限られず、種々の形態のカメラに装着させることが可能である。図1等に示すカメラ10は、レンズ取り付け部12や、図示しない各種スイッチ等を具備するものである。
【0021】
ノイズキャンセルユニット20は、ブラケットを用いてカメラ10へ装着されるものとすることができる。図5は、カメラ10とブラケット30の分解斜視図であり、図6はブラケット30の斜視図である。
【0022】
これらの図に示すように、ブラケット30は板状の部材であり、カメラ10の排気口11が設けられた側壁に面するようにカメラ10に接続される。ブラケット30には、ネジ孔31、シャフト32及び雌ネジ33が設けられている。
【0023】
ネジ孔31はブラケット30をカメラ10にネジ留めするためのネジ孔である。ネジ孔31の配置や設置数は任意であり、ブラケット30をカメラ10に確実に配置できるものであればよい。
【0024】
シャフト32は、所定の長さを有する円棒形状の部材である。シャフト32は、板状のブラケット30に平行に配置されるものとすることができる。シャフト32は耐摩耗性を有する材料、例えば金属からなるものとすることができる。
【0025】
雌ネジ33はノイズキャンセルユニット20をブラケット30にネジ留めするための雌ネジである。雌ネジ33の配置や設置数は任意であるが、ブラケット30がカメラ10に装着された際に、排気口11の近傍となる位置が好適である。これは、ノイズキャンセルユニット20のダクト(後述)を排気口11に確実に固定するためである。
【0026】
このように、ノイズキャンセルユニット20は、ブラケット30を介してカメラ10に接続されるものとすることができる。このため、カメラ10にノイズキャンセルユニット20の装着のための特別な構成が設けられていなくても、ノイズキャンセルユニット20をカメラに装着させることが可能である。即ち、ノイズキャンセルユニット20は、種々のカメラに対して汎用的に装着することが可能である。
【0027】
なお、ノイズキャンセルユニット20はブラケット30を介さず、直接カメラ10に装着されるものとすることも可能である。その場合、上記シャフト32及び雌ネジ33に相当する構成がカメラ10に必要である。
【0028】
<ノイズキャンセルユニットの構造>
ノイズキャンセルユニットの構造について説明する。以下の説明において、ノイズキャンセルユニット20をカメラ10に装着した際に、カメラ10と反対側となる側をノイズキャンセルユニット20の表側とし、カメラ10側となる側を裏側とする。
【0029】
図7はノイズキャンセルユニット20の表側を示す斜視図である。同図に示すように、ノイズキャンセルユニット20には、筐体排気口22が設けられている。筐体排気口22は、カメラ排気口11から排出され、ノイズキャンセルユニット20を通過した排気が排出される排気口であり、詳細は後述する。
【0030】
図8はノイズキャンセルユニット20の裏側を示す斜視図である。同図に示すようにノイズキャンセルユニット20には、筐体吸気口23が設けられている。筐体吸気口23は、カメラ10の排気口11と同一の大きさに形成され、整流用のメッシュ等によって被覆されたものとすることができる。また、筐体吸気口23の周囲には、筐体吸気口23をカメラ10の排気口に密着させるための弾性部材24が設けられている。また、ノイズキャンセルユニット20の裏側には、ブラケット30のシャフト32に引っ掛かるフック25が設けられている。なお、フック25の幅は、シャフト32の長さと同程度とすることが好適である。
【0031】
図9は、ノイズキャンセルユニット20の分解斜視図である。同図に示すように、ノイズキャンセルユニット20は、ノイズキャンセルユニット本体(以下、単にユニット本体)200、筐体カバー220及び筐体蓋230を有する。ユニット本体200は筐体カバー220及び筐体蓋230によって構成される筐体に収容されている。筐体カバー220がノイズキャンセルユニット20の表側であり、筐体蓋230がノイズキャンセルユニット20の裏側である。
【0032】
筐体カバー220及び筐体蓋230は、ユニット本体200を被覆することが可能な形状に形成されている。筐体カバー220には、上記筐体排気口22が設けられている。筐体蓋230には、ネジ孔21、筐体吸気口23、弾性部材24及びフック25が設けられている。また、筐体蓋230には、ユニット本体200を筐体蓋230に固定するためのネジ孔及び筐体カバー220を筐体蓋230に固定するためのネジ孔が複数形成されている。
【0033】
<ノイズキャンセルユニット本体の構成>
図10はユニット本体200の斜視図であり、図11はユニット本体200の分解斜視図である。これらの図に示すように、ユニット本体200は、ダクト本体201、ダクト蓋202、回路基板203、スピーカ204、第1マイクロフォン205、第2マイクロフォン206、スピーカカバー207及び吸音材208を有する。ダクト本体201にダクト蓋202が接合され、ダクト蓋202に回路基板203が固定されている。スピーカ204、第1マイクロフォン205、第2マイクロフォン206、スピーカカバー207及び吸音材208はそれぞれダクト本体201に取り付けられている。
【0034】
図12は、ダクト本体201の斜視図である。ダクト本体201は、ダクト蓋202が接合されることにより後述する「ダクト」を画成する形状に形成されている。ダクト本体201には、スピーカ204が接続される開口201a、第1マイクロフォン205が接続される開口201b及び第2マイクロフォン206が接続される開口201cが形成されている。これらの開口は、ダクト240の上流から下流に向かって開口201b、開口201a、開口201cの順で形成されている。
【0035】
ダクト蓋202(図11参照)は、板状の部材であり、ネジ留めによってダクト本体201に接合されるものとすることができる。ダクト蓋202は、上述のように、ダクト本体201に接合されることにより、ダクト本体201と共にダクトを形成する。
【0036】
図13は、ダクト本体201及びダクト蓋202が接合されて形成されたダクト240を示す斜視図である。同図に示すように、ダクト本体201とダクト蓋202が接合されることにより、ダクト吸気口209及びダクト排気口210が形成され、ダクト吸気口209からダクト排気口210に連通するダクト240が形成される。
【0037】
回路基板203(図10及び図11参照)は、ダクト蓋202の、ダクト本体201側とは反対側に固定される。回路基板203には、ユニット本体200を構成するスピーカ204、第1マイクロフォン205及び第2マイクロフォン206といった電装部品を制御するための信号処理回路250が搭載されている。信号処理回路250は、カメラ10と図示しない配線によって接続され、電力供給を受けるものとすることができる。
【0038】
図14は、ダクト本体201へのスピーカ204、第1マイクロフォン205及び第2マイクロフォン206の取り付け方法を示す斜視図である。
【0039】
スピーカ204は、ダクト本体201に形成された開口201aに嵌挿される。スピーカ204は、信号処理回路250による制御を受けて、ダクト240内に所定の「ノイズキャンセル音」を放音する。このキャンセル音については後述する。スピーカ204は一般的なスピーカを用いることが可能である。
【0040】
第1マイクロフォン205は、ダクト本体201に形成された開口201bに嵌挿される。第1マイクロフォン205は、ダクト240内の音を集音し、信号処理回路250に出力する。第1マイクロフォン205は一般的なマイクロフォンを用いることが可能である。
【0041】
第2マイクロフォン206は、ダクト本体201に形成された開口201cに嵌挿される。第2マイクロフォン206は、ダクト240内の音を集音し、信号処理回路250に出力する。第2マイクロフォン206は一般的なマイクロフォンを用いることが可能である。
【0042】
第1マイクロフォン205、スピーカ204及び第2マイクロフォン206は、ダクト本体201にそれぞれ取り付けられることにより、ダクト240において上流から下流に向かって、この順で配置される。
【0043】
スピーカカバー207は、ダクト本体201に取り付けられたスピーカ204の周囲を被覆し、スピーカ204から発音される音のダクト240外への漏洩を防止する。
【0044】
吸音材208は、ダクト240の壁面に複数が設けられている。吸音材208は、例えばスポンジのような吸音性を有する材料からなり、その設置位置に応じた形状に形成されている。
【0045】
ノイズキャンセルユニット20の動作を概略的に説明すると次のようになる。ダクト吸気口209の近傍に設けられた第1マイクロフォン205は、ダクト吸気口209からダクト240に流入するノイズを集音し、信号処理回路250に出力する。信号処理回路250は、第1マイクロフォン205によって生成された音信号に所定のキャンセル特性を乗じ、ダクト排気口210の近傍に設けられたスピーカ204に出力する。スピーカ204は、信号処理回路250から出力された音信号を受けて、ノイズキャンセル音(以下、キャンセル音)を発音する。ダクト排気口210の近傍に設けられた第2マイクロフォン205は、ノイズキャンセルが施された音を集音し、信号処理回路250に出力する。信号処理回路250は、第2マイクロフォンから出力された音信号に基づいて、上記キャンセル特性を調整する。
【0046】
ノイズキャンセルユニット20は以上のような構成を有する。上述のように信号処理回路250は、第1マイクロフォン205及び第2マイクロフォン206によって集音された音に基づいてキャンセル特性を乗じる。したがって、第1マイクロフォン205や第2マイクロフォン206に、スピーカ204から放出されたキャンセル音が直接に集音されると、信号処理回路250が有効なキャンセル特性を算出することができない。このため、第1マイクロフォン205及び第2マイクロフォン206をスピーカ204から離間させる必要が生じ、即ちダクト240はある程度の長さを有するものとする必要がある。また、ノイズキャンセルユニット20が有効に機能するためには、ダクト吸気口209に連通する筐体吸気口23が、カメラ10の排気口11に確実に接続されている必要がある。
【0047】
<ノイズキャンセルユニットの装着方法>
ノイズキャンセルユニット20の、ブラケット30を介したカメラ10への装着方法について説明する。図15乃至図17はノイズキャンセルユニット20のカメラ10の装着方法を示す図であり、図18はカメラ10に装着されたノイズキャンセルユニット20を示す図である。図19は、カメラ10の排気口11とノイズキャンセルユニット20のダクト吸気口209の接続を示す図である。
【0048】
図15に示すように、ノイズキャンセルユニット20の裏側に設けられたフック25を、ブラケット30のシャフト32に引っ掛け、図16に示すようにフック25をシャフト32に係合させる。この際、これらの図に示すように、ノイズキャンセルユニット20をブラケット30に対して傾けると、ノイズキャンセルユニット20がブラケット30に干渉せず、容易に引っ掛けることができる。
【0049】
次に、図16に示すように、ノイズキャンセルユニット20をシャフト32を回転軸として回転させ、図17に示すようにブラケット30に接触させる。この際、シャフト32が水平方向となるようにカメラ10の向きを調整すれば、フック25をシャフト32に引っ掛けた後に手を離すことによって、ノイズキャンセルユニット20が自然に回転し、ノイズキャンセルユニット20に設けられたネジ孔21がブラケット30の雌ネジ33に一致する。
【0050】
続いて、図17及び図18に示すように、ネジAを用いてネジ孔21を雌ネジ33にネジ留めする。ノイズキャンセルユニット20は、フック25によりシャフト32に係合しているため、ネジ孔21の位置を調整することなくネジ留めが可能である。図19に示すようにネジ留めによって弾性部材24(図8参照)が弾性変形し、筐体吸気口23が排気口11に密着し、即ちダクト吸気口209が排気口11に密着する。したがって、ノイズキャンセルユニット20によるノイズキャンセル効果を有効に発揮させることが可能である。
【0051】
本実施形態に係るノイズキャンセルユニット20は以上のように構成されている。ノイズキャンセルユニット20によりカメラ10の排気口11から排出される排気に対してアクティブノイズキャンセルを施すことが可能である。また、ノイズキャンセルユニット20はカメラ10に対して着脱可能であるので、必要に応じてノイズキャンセルユニット20をカメラ10に装着させることが可能である。
【0052】
本技術はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更することが可能である。
【0053】
上記実施形態では、ノイズキャンセルユニットをネジ留めによってブラケットに固定するものとしたが、固定手段はこれに限られない。例えば、キャッチクリップのような着脱容易な固定手段によってノイズキャンセルユニットをブラケットに固定するものとすることも可能である。
【0054】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
【0055】
(1)
カメラの排気口に接続され上記排気口から排出された排気流が流通するダクトと、上記ダクトに設けられた第1のマイクロフォンと、上記第1のマイクロフォンより下流において上記ダクトに設けられたスピーカと、上記スピーカより下流において上記ダクトに設けられた第2のマイクロフォンと、上記第1のマイクロフォン及び上記第2のマイクロフォンの出力に基づいて上記排気流に含まれる雑音を除去するための音信号を生成し上記スピーカに供給する信号処理回路とを有するノイズキャンセルユニット本体と、
上記ノイズキャンセルユニット本体を、上記ダクトが上記排気口に接続されるように上記カメラに着脱可能に固定する固定部と
を具備するノイズキャンセルユニット。
【0056】
(2)上記(1)に記載のノイズキャンセルユニットであって、
上記固定部は、上記カメラに接続されたブラケットを介して上記ノイズキャンセルユニット本体を上記カメラに固定する
ノイズキャンセルユニット。
【0057】
(3)上記(1)又は(2)に記載のノイズキャンセルユニットであって、
上記固定部は、上記ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体と、上記ブラケットに設けられたシャフトに回転可能に係合する上記筐体に設けられたフックと、上記ブラケットにネジ留めされる上記筐体に設けられたネジ孔とを有する
ノイズキャンセルユニット。
【0058】
(4)上記(1)から(3)のうちいずれかひとつに記載のノイズキャンセルユニットであって、
上記ダクトは、弾性部材を介して上記排気口に接続される
ノイズキャンセルユニット。
【0059】
(5)上記(1)から(4)のうちいずれかひとつに記載のノイズキャンセルユニットであって、
上記固定部は、上記ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体と、上記カメラに設けられたシャフトに回転可能に係合する上記筐体に設けられたフックと、上記カメラにネジ留めされる上記筐体に設けられたネジ孔とを有する
ノイズキャンセルユニット。
【符号の説明】
【0060】
20…ノイズキャンセルユニット
21…ネジ孔
25…フック
200…ノイズキャンセルユニット本体
220…筐体カバー
230…筐体蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの排気口に接続され前記排気口から排出された排気流が流通するダクトと、前記ダクトに設けられた第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンより下流において前記ダクトに設けられたスピーカと、前記スピーカより下流において前記ダクトに設けられた第2のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォン及び前記第2のマイクロフォンの出力に基づいて前記排気流に含まれる雑音を除去するための音信号を生成し前記スピーカに供給する信号処理回路とを有するノイズキャンセルユニット本体と、
前記ノイズキャンセルユニット本体を、前記ダクトが前記排気口に接続されるように前記カメラに着脱可能に固定する固定部と
を具備するノイズキャンセルユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズキャンセルユニットであって、
前記固定部は、前記カメラに接続されたブラケットを介して前記ノイズキャンセルユニット本体を前記カメラに固定する
ノイズキャンセルユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のノイズキャンセルユニットであって、
前記固定部は、前記ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体と、前記ブラケットに設けられたシャフトに回転可能に係合する前記筐体に設けられたフックと、前記ブラケットにネジ留めされる前記筐体に設けられたネジ孔とを有する
ノイズキャンセルユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のノイズキャンセルユニットであって、
前記ダクトは、弾性部材を介して前記排気口に接続される
ノイズキャンセルユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のノイズキャンセルユニットであって、
前記固定部は、前記ノイズキャンセルユニット本体を収容する筐体と、前記カメラに設けられたシャフトに回転可能に係合する前記筐体に設けられたフックと、前記カメラにネジ留めされる前記筐体に設けられたネジ孔とを有する
ノイズキャンセルユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−233942(P2012−233942A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100511(P2011−100511)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】