説明

ノイズ低減ブレーキディスク

【課題】意匠性を殆ど低下させることなく、制動時におけるブレーキ鳴きを効果的に防止可能なノイズ低減ブレーキディスクを提供する。
【解決手段】車体への取付部11と、ブレーキパッドPとの摺動部12と、取付部11と摺動部12とを連結するアーム部13と、取付部11と摺動部12間に形成した重量軽減用の複数の軽減孔としての複数の模様孔14とを有する自動二輪用のブレーキディスク10であって、ブレーキディスク10に対する少なくとも1つの模様孔14の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の模様孔14とは異なるように構成して、模様孔14を回転非対称に構成し、模様孔14に起因する固有振動モードの振幅を低減した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制動時におけるブレーキ鳴きなどのノイズを効果的に防止可能なノイズ低減ブレーキディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動二輪車のブレーキディスクとして、車体への取付部と、ブレーキパッドとの摺動部と、取付部と摺動部とを連結するアーム部と、取付部と摺動部間に形成した重量軽減用の模様孔と、摺動部に形成した放熱及び重量軽減用の複数の小孔とを備え、金属板をプレス成形してなるブレーキディスクが広く採用されている。
【0003】
ところで、自動二輪車用のブレーキディスクにおいては、ブレーキディスクが外部に露出する関係上、その設計時には、制動性能は言うまでもなく、意匠性についても十分な検討がなされている。意匠性に関しては、模様孔の形状と摺動部に形成する小孔の形状や配列が重要な設計事項となる。また、設計したブレーキディスクは、各種性能試験を行って量産することになるが、実車にて制動試験を行った結果、ブレーキ鳴きの発生により設計変更を余儀なくされることもある。
【0004】
ブレーキ鳴きの発生メカニズムはまだ解明されていないが、設計したブレーキディスクにブレーキ鳴きが確認された場合には、ブレーキパッドの構成を変更したり、模様孔の意匠を変更したり、ブレーキディスクの板厚を変更したりすることにより、ブレーキ鳴きが発生しないように調整できることが知られている。
【0005】
一方、自動車用のブレーキディスクでは、ブレーキディスクの形状を回転方向に非対称な形状としたり、ブレーキディスクの回転方向の質量分布を非対称に設定したりして、ブレーキ鳴きを防止するように構成したもの(例えば、特許文献1参照。)や、ブレーキパッドとの摺動部に少なくとも1つの溝状の凹所を形成して、制動時におけるノイズの発生を防止できるように構成したもの(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。また、特許文献1、2に記載のように、自動車用のブレーキディスクとしては、摺動部における放熱性能を高めるため、摺動部内に放射状に通気孔を形成したものが一般に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−30664号公報
【特許文献2】特開2002−295549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、自動二輪車用のブレーキディスクにおいても、前記特許文献1記載の自動車用のブレーキディスクと同様に、回転方向の質量分布を非対称に設定することで、ブレーキ鳴きを防止できるが、ブレーキディスクが一枚物の金属板をプレス成形したものであり、摺動部内に通気孔が形成されていないことから、特許文献1記載のように、摺動部内に形成した複数の通気孔の周方向長さや周方向間隔を相互に異なるものに設定して、ブレーキ鳴きを防止するという構成は採用できない。また、特許文献2記載のように、ブレーキパッドとの摺動部に溝状の凹所を形成して、ブレーキ鳴きを防止するという構成は採用できるが、自動二輪車用のブレーキ装置では、前述のようにブレーキディスクが外部に露出するので、摺動部に凹所を形成すると、自動二輪車の外観が低下するという別の問題が発生する。
【0008】
本発明の目的は、意匠性を殆ど低下させることなく、制動時におけるブレーキ鳴きを効果的に防止可能なノイズ低減ブレーキディスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願人は、自動二輪車用のブレーキディスクでは、ブレーキディスクの外観低下を防止するため、通常は回転対称な構造に構成しているが、軽減孔の開口面積が比較的大きいことから、軽減孔の構成、即ち軽減孔の形状や大きさ、軽減孔の半径方向や周方向の配設位置などの構成を、目視にて判別しがたい程度に微妙に調整するだけでも、軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減して、ブレーキ鳴きを防止できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明に係る第1のノイズ低減ブレーキディスクは、車体への取付部と、ブレーキパッドとの摺動部と、取付部と摺動部とを連結するアーム部と、前記取付部と摺動部間に形成した重量軽減用の複数の軽減孔とを有する自動二輪用のブレーキディスクであって、前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの軽減孔の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の軽減孔とは異なるように構成して、軽減孔を回転非対称に構成し、軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減したものである。
【0011】
この第1のブレーキディスクでは、少なくとも1つの軽減孔の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の軽減孔とは異なる構成に設定して、軽減孔を回転非対称に構成することで、軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減して、制動時におけるブレーキ鳴きを防止することができる。しかも、軽減孔は比較的大きな開口面積を有しており、ブレーキディスクの軽減孔に起因する固有振動モードの振幅は、軽減孔の構成を微妙に調整するだけでも大きく変化するので、ブレーキディスクの外観が低下しないように、軽減孔の構成を微妙に調整しつつ、軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減し、ブレーキ鳴きを防止することができる。尚、本明細書において軽減孔とは、取付部と摺動部間に形成した重量軽減用の複数の模様孔を意味する
【0012】
本発明に係る第2のノイズ低減ブレーキディスクは、車体への取付部を有するハブディスクと、ブレーキパッドとの摺動部を有する摺動ディスクと、両ディスク間に形成した複数のピン孔とこれら複数のピン孔に装填される連結ピンとを有する複数の連結手段と、前記取付部と摺動部間に形成した重量軽減用の複数の軽減孔とを有し、複数の連結手段を介して両ディスクを一体的に連結してなるフローティングブレーキディスクであって、前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段及び/又は軽減孔の構成を他の連結手段及び/又は軽減孔とは異なる構成に設定し、軽減孔に関しては少なくとも1つの軽減孔の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の軽減孔とは異なるように構成して、連結手段及び/又は軽減孔を回転非対称に構成し、連結手段及び/又は軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減したものである。
【0013】
この第2のブレーキディスクでは、少なくとも1つの連結手段及び/又は軽減孔の構成を他の連結手段及び/又は軽減孔とは異なる構成に設定し、軽減孔に関しては少なくとも1つの軽減孔の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の軽減孔とは異なるように構成して、連結手段及び/又は軽減孔を回転非対称に構成することで、連結手段及び/又は軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減して、制動時におけるブレーキ鳴きを防止することができる。しかも、連結手段及び/又は軽減孔に起因する固有振動モードの振幅は、連結手段及び/又は軽減孔の構成を微妙に調整するだけでも大きく変化するので、ブレーキディスクの外観が低下しないように、連結手段及び/又は軽減孔の構成を微妙に調整しつつ、連結手段及び/又は軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減し、ブレーキ鳴きを防止することができる。
【0014】
ここで、前記第2のノイズ低減ブレーキディスクにおいて、少なくとも1つの連結手段を他の連結手段とは異なる構成に設定するための具体的な構成としては、前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の周方向の配設間隔を他の連結手段とは異なる配設間隔に設定したり、前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の半径方向の配設位置を他の連結手段とは異なる配設位置に設定したり、前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の大きさを他の連結手段とは異なる大きさに設定したり、前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の形状を他の連結手段とは異なる形状に設定したり、これらの構成を任意に組み合わせたりすることになる。また、連結手段を構成する連結ピンとピン孔と座金と皿バネのうちの1種又は2種以上の構成を調整することで、少なくとも1つの連結手段を他の連結手段とは異なる構成に設定することもできる。
【0015】
また、本発明と併用可能なブレーキ鳴きを防止するための他の構成として、前記ブレーキディスクの制動時におけるブレーキディスクの弾性変形により、摩擦熱を発する少なくとも1つの細隙を摺動部又はアーム部に形成することができる。この場合には、自動二輪車の制動時におけるブレーキディスクの弾性変形で、細隙内において対面する内面同士が摺接したり、細隙の内面が細隙内に装填した摺動材に摺接したりして摩擦熱が発生し、制動時におけるブレーキディスクの振動エネルギーが、細隙における摩擦熱の熱エネルギーに変換されて、ブレーキ鳴きの発生が防止されることになる。尚、この細隙を設けることによる鳴き防止構造は、本発明に係るブレーキディスク以外の周知の構成のブレーキディスクに対しても適用することができる。
【0016】
ここで、前記細隙にブレーキディスクの周方向に対して角度を付けた部分を形成することが好ましい実施の形態である。つまり、制動時には、ブレーキディスクが周方向に弾性変形しようとするので、前記細隙にブレーキディスクの周方向に対して角度を付けた部分を形成することで、該部分において細隙の内面同士を確実に摺接させ、制動時におけるブレーキディスクの振動エネルギーを、細隙における摩擦熱の熱エネルギーに変換させて、ブレーキ鳴きの発生を防止することができる。
【0017】
前記細隙を、隣接する少なくとも1対の軽減孔間にわたって形成することが好ましい実施の形態である。この場合には、軽減孔を切り込み開始位置として利用することで、細隙を容易に形成することができる。また、ブレーキディスクの制動時における弾性変形量は軽減孔間において大きくなるので、このような弾性変形量が大きくなる部分に細隙を形成することで、制動時におけるブレーキディスクの振動エネルギーを、細隙における摩擦熱の熱エネルギーに効率的に変換することができ、ブレーキ鳴きの発生を一層効果的に防止することができる。
【0018】
前記細隙を、ブレーキディスクの厚さ方向に対して角度を付けて形成することもできる。この場合には、摩擦熱の発生源としての細隙内面の面積を増やして、ブレーキ鳴きの発生を一層効果的に防止することができる。
【0019】
前記細隙内に摺動材を脱落不能に装填することも好ましい実施の形態である。この場合には、自動二輪車の制動時におけるブレーキディスクの弾性変形で、細隙内面が摺動材に摺接して、制動時におけるブレーキディスクの振動エネルギーが、細隙内面と摺動材との摺接時に発生する摩擦熱の熱エネルギーに変換されて、ブレーキ鳴きの発生が防止される。摺動材は、細隙内面との間に僅かな隙間が形成されるように、細隙内に装填してもよいし、細隙内面に隙間なく装填することも可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る第1及び第2のノイズ低減ブレーキディスクによれば、少なくとも1つの軽減孔や連結手段の構成を他の軽減孔や連結手段とは異なる構成に設定して、軽減孔や連結手段を回転非対称に構成することで、軽減孔や連結手段に起因する固有振動モードの振幅を低減して、制動時におけるブレーキ鳴きを防止することができる。しかも、軽減孔や連結手段に起因する固有振動モードの振幅は、軽減孔や連結手段の構成を微妙に調整するだけでも大きく変化するので、ブレーキディスクの外観が低下しないように、軽減孔や連結手段の構成を微妙に調整しつつ、軽減孔や連結手段に起因する固有振動モードの振幅を低減し、ブレーキ鳴きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のブレーキディスクの正面図
【図2】他の構成のブレーキディスクの正面図
【図3】他の構成のブレーキディスクの正面図
【図4】他の構成のブレーキディスクの正面図
【図5】本発明のフローティングブレーキディスクの正面図
【図6】図5のVI-VI線断面図
【図7】他の構成のフローティングブレーキディスクの正面図
【図8】他の構成のフローティングブレーキディスクの正面図
【図9】他の構成のフローティングブレーキディスクの正面図
【図10】他の構成のフローティングブレーキディスクの正面図
【図11】他の構成のブレーキディスクの正面図
【図12】図1のXII-XII線断面図
【図13】他の構成の細隙を備えたブレーキディスクの図12相当図
【図14】摺動材を細隙に装填したブレーキディスクの図12相当図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ノイズ低減ブレーキディスク10は、自動二輪車用のブレーキディスク10で、車体への取付用の取付部11と、ブレーキパッドBPが摺接される摺動部12と、取付部11と摺動部12とを連結するアーム部13と、取付部11と摺動部12間に形成した重量軽減用の複数の模様孔14と、摺動部12に形成した放熱及び重量軽減用の複数の小孔15とを備え、矢印Aの方向へ車輪とともに回転するように構成されている。尚、模様孔14が、本発明における軽減孔に相当する。
【0023】
取付部11と摺動部12とは6本のアーム部13で連結され、取付部11と摺動部12間にはアーム部13で区画された6つの模様孔14が形成されている。このアーム部13及び模様孔14の形状や個数は、ブレーキディスク10の意匠性を考慮して適宜に設定することができる。
【0024】
摺動部12には放熱及び重量軽減用の丸孔からなる複数の小孔15が所定の配列で形成されている。小孔15としては、丸孔以外に細長いスリット状の長孔を形成することも可能で、小孔15の形状や個数や配列は、ブレーキディスク10の意匠性や摺動部12における放熱性を考慮して適宜に設定することになる。
【0025】
取付部11の中央部にはホイールハブの端部が挿通する取付孔17が形成され、取付部11の半径方向の途中部には、6本のアーム部13に対応させてホイールハブへの取付用の6つのボルト挿通孔18が形成されている。ボルト挿通孔18の個数は、ホイールハブのボルト孔の個数に応じて適宜に設定することになる。
【0026】
ブレーキディスク10は、耐磨耗性に優れたステンレス鋼や炭素鋼からなる平坦な金属板をプレス成形した後、摺動部12を熱処理して製作されている。本実施の形態では、厚さ7mmのステンレス鋼板をプレス成形して製作され、ブレーキディスク10の取付部11と摺動部12とアーム部13とは略同じ厚さに設定されている。ブレーキディスク10の外径は、自動二輪車の構成に応じて適宜に設定でき、本実施の形態では、外径30cmに設定されている。
【0027】
ブレーキディスク10では、取付部11と摺動部12とを同一平面内に配置したが、車体側の構成に応じて、取付部11と摺動部12とを、ブレーキディスク10の厚さ方向に一定間隔をあけた平行な平面内に配置することも可能である。
【0028】
本発明は、前述のようなブレーキディスク10において、少なくとも1つの模様孔14の構成を他の模様孔14とは異なる構成に設定して、模様孔14を回転非対称に構成し、周方向に対するブレーキディスク10の重量バランスを不均一、即ちブレーキディスク10の周方向の重量分布を一定周期の繰り返しではない状態に設定して、模様孔14に起因する固有振動モードの振幅を低減したものである。尚、本実施の形態では、少なくとも1つの模様孔14の構成を他の模様孔14とは異なる構成に設定した場合について説明するが、模様孔14と小孔15の構成をそれぞれ異なる構成に設定した場合についても、本発明を同様に適用できる。
【0029】
ブレーキディスクとして、同じ形状、同じ大きさの模様孔14を、ブレーキディスクの回転中心を中心として、周方向に一定角度おきに回転対称に配置したブレーキディスクに、設計変更を行なって本発明を適用する場合には、複数の模様孔14のうちの1つを異なる構成に設定したり、複数の模様孔14の構成を他の模様孔14とは異なる構成に設定したり、全ての模様孔14の構成を相互に異なる構成に設定したりすることになる。尚、複数の模様孔14の構成を他の模様孔14とは異なる構成に設定する場合には、異なる構成に設定した複数の模様孔14同士については、同じ構成に設定することもできるし、その一部又は全部について相互に異なる構成に設定し、残りに付いては同じ構成に設定することもできる。
【0030】
模様孔14の構成として、次のような異なる構成に設定することができる。
(1)少なくとも1つの模様孔14の周方向の配設間隔を他の模様孔14とは異なる配設間隔に設定することができる。例えば、図1に示すブレーキディスク10Aのように、隣接する模様孔14の配設間隔が相互に異なるように、隣接する模様孔14間の間隔を、例えば57°、58°、59°、61°、62°、63°に設定することができる。ただし、隣接する模様孔14間の複数の間隔のうちの1乃至複数の特定の間隔のみを、他の間隔とは異なる寸法に設定することも可能である。
【0031】
(2)少なくとも1つの模様孔14の半径方向の配設位置を他の模様孔14とは異なる配設位置に設定することができる。例えば、図2に示すブレーキディスク10Bのように、模様孔14の半径方向の配設位置が全て異なるように、模様孔14の重心位置G1〜G6を半径方向に平行にずらして、ブレーキディスク10Bの回転中心Pから模様孔14の重心位置G1〜G6まで距離を、例えば89.284mm、79.929mm、81.802mm、83.752mm、85.637mm、87.543mmに設定することができる。ただし、1乃至複数の特定の模様孔14の半径方向の配設位置のみを、他の模様孔14とは異なる配設位置に設定することも可能である。
【0032】
(3)少なくとも1つの模様孔14の半径直交方向に対する傾きを、他の模様孔14とは異なる角度に設定することができる。例えば、図3に示すブレーキディスク10Cのように、模様孔14の円弧の中心C1を中心として模様孔14の角度を調整して、模様孔14の内周側の円弧の中心C1を通過するブレーキディスク10の半径方向に直交する方向の線分L2に対する、模様孔14の両端の円弧の中心C1、C2を結ぶ線分L1のなす角度を、例えば23°、28°、25°、27°、24°、26°に設定することができる。ただし、1乃至複数の特定の模様孔14の角度のみを、他の模様孔14と異なる角度に設定することも可能である。
【0033】
(4)少なくとも1つの模様孔14の大きさを、他の模様孔14とは異なる大きさに設定することができる。例えば、図4に示すブレーキディスク10Dのように、大きさの異なる複数種類の相似形の模様孔14を設けることができ、模様孔14の半径方向の中央部側の端部を半径59mmの円に外接するように配置し、模様孔14の外接円の半径R1〜R6を、例えば113.5mm、103.5mm、105.5mm、107.5mm、109.5mm、111.5mmに設定し、最も大きな模様孔14の開口面積S1を100%とし、それに対する他の模様孔14の開口面積S2〜S6の比率を、例えば72%、77%、83%、88%、94%に設定した相似形の模様孔14を設けることができる。ただし、1乃至複数の特定の模様孔14の大きさを、他の模様孔14と異なる大きさに設定することも可能である。また、模様孔14の開口面積の比率は、ブレーキディスク10Dの意匠性が低下しないように、70%以上、好ましくは80%以上に設定することが望ましい。
【0034】
次に、摺動部12と取付部11とを別部材で構成して、両者を連結手段でフローティング支持してなる、フローティングブレーキディスクに本発明を適用した場合の実施の形態について説明する。
【0035】
図5、図6に示すように、フローティングブレーキディスク20は、車体への取付部11Aを有するハブディスク21と、ブレーキパッドBPとの摺動部12Aを有する摺動ディスク22と、両ディスク21、22を連結する連結手段23と、取付部11Aと摺動部12A間に形成した重量軽減用の複数の模様孔24と、摺動部12Aに形成した放熱及び重量軽減用の複数の小孔25とを備えている。尚、模様孔24が、本発明における軽減孔に相当する。
【0036】
摺動ディスク22は、耐磨耗性に優れたステンレス鋼や炭素鋼などの金属材料を用いて、平板な環状に形成されている。摺動ディスク22には、ディスクブレーキ装置における制動性能の向上や安定化、冷却性能やウォーターリカバリー性の向上、重量軽減などのため、複数の小孔25が所定のパターンで形成されている。
【0037】
ハブディスク21は、制動時における荷重に耐え得るものであれば各種金属材料で構成できるが、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム合金などが挙げられ、特にブレーキディスク20を極力軽量に構成するため、アルミニウム合金などの金属材料で構成することが好ましい。ハブディスク21は平坦な略円板状に形成され、中央部には車軸の挿通孔28が形成されるとともに、挿通孔28を取り囲むようにホイールハブ(図示略)に対する取付用の複数の取付孔27が形成されている。但し、ハブディスク21としては、ホイールハブの形状等に応じて例えば深皿状などの立体形状に形成したものを採用してもよい。
【0038】
ハブディスク21と摺動ディスク22との突き合せ部分には、連結手段23と模様孔24が交互に形成されている。但し、模様孔24は摺動ディスク22やハブディスク21に独立して形成することも可能である。また、連結手段23と模様孔24の個数は任意に設定することができる。
【0039】
連結手段23について説明すると、図5、図6に示すように、ハブディスク21の外側には摺動ディスク22が装着され、両ディスク21、22間には摺動ディスク22の熱膨張を吸収するための所定の隙間30が形成されている。ハブディスク21の外周縁部にはハブ側連結凹部31が円周方向に一定間隔おきに形成され、摺動ディスク22の内周縁部にはハブ側連結凹部31と突き合わせ可能な複数の摺動側連結凹部32が円周方向に一定間隔おきに形成されている。摺動ディスク22は、両連結凹部31、32を対面状に突き合わせてハブディスク21の外側に外嵌装着され、両連結凹部31、32により両ディスク21,22間には複数の連結孔33が円周方向に間隔をあけて形成されている。連結孔33は、加工が容易なことから平面視円形に形成することが好ましいが、楕円形や小判型に形成することも可能である。
【0040】
連結手段23は、連結孔33に装着した連結ピン34と、連結ピン34に外装した皿バネ35及び座金36とを備えている。連結ピン34は、図6に示すように、連結孔33に内嵌装着される略円筒状の胴体部34aと、胴体部34aの一端部に形成した連結孔33よりも大径の抜け止め用の鍔部34bと、胴体部34aの他端部に段差部34cを介して形成した胴体部34aよりも小径の円筒状の小径部34dとから一体的に形成されている。両ディスク21、22をフローティング状態に連結する際には、連結ピン34の胴体部34aを連結孔33に装着し、その後、小径部34dに皿バネ35と座金36を順次外嵌状に装着してから、小径部34dの先端部をかしめてかしめ部34eを形成し、段差部34cとかしめ部34e間に皿バネ35と座金36を保持することになる。そして、この状態で両ディスク21、22は、連結ピン34により相対回転不能で且つ軸方向への相対移動を規制した状態に連結されるとともに、皿バネ35により同一平面内に位置するように付勢され、フローティング状態に連結されることになる。
【0041】
尚、連結手段23としては、任意の構成のものを採用することが可能である。例えば、連結ピン34として、中実のピン部材を用いたり、胴体部34aに段差部34cを有しないストレートピンを用いたりすることができる。また、皿バネ35として、内周縁に内側へ延びる平坦部を形成したものや、皿バネ35の外周縁に外側へ延びる平坦部を形成したものを採用したり、皿バネ35に代えてウェーブワッシャ等を採用することも可能である。更に、座金36を省略したり、比較的凹凸の少ない路面を常時走行する例えばレーシング用の自動二輪車に適用する場合には、皿バネ35を省略することも可能である。
【0042】
本発明は、このような構成のブレーキディスク20において、複数の連結手段23及び/又は模様孔24のうちの1乃至複数の連結手段23及び/又は模様孔24を異なる構成に設定したり、全ての連結手段23及び/又は模様孔24の構成を相互に異なる構成に設定したりして、少なくとも1つの連結手段23及び/又は模様孔24の構成を他の連結手段23及び/又は模様孔24とは異なる構成に設定して、連結手段23及び/又は模様孔24を回転非対称に構成し、周方向に対するブレーキディスク20の重量バランスを不均一、即ちブレーキディスク20の周方向の重量分布を一定周期の繰り返しではない状態に設定して、連結手段23及び/又は模様孔24に起因する固有振動モードの振幅を低減したものである。
【0043】
次に、ブレーキディスク20に設ける連結手段23と模様孔24の具体的な構成の一例について説明する。
(1)少なくとも1つの模様孔24の大きさを、他の模様孔24とは異なる大きさに設定することができる。例えば、図5に示すブレーキディスク20Aのように、大きさの異なる2種類の模様孔24A、24Bを設けることができる。ただし、ブレーキディスクに形成する複数の模様孔24が回転非対称に構成されていれば、大きさの異なる3種類以上の模様孔24を設けることもできる。また、図5では、模様孔24Aを4個、模様孔24Bを3個に設定したが、同じ種類の模様孔24A、24Bの個数配分は任意に設定することができる。更に、模様孔24A、24Bの大きさや形状などは任意に設定することができる。更にまた、模様孔24A、24Bの周方向に対する配設順序も任意に設定することができる。
【0044】
(2)少なくとも1つの小孔25の大きさを、他の小孔25とは異なる大きさに設定することができる。図7に示すブレーキディスク20Bのように、直径8.6mmの複数の小孔25Aと、直径15mmの3つの小孔25Bの2種類の小孔25A、25Bを設けることができる。ただし、ブレーキディスクに形成する複数の小孔25が回転非対称に構成されていれば、大きさの異なる3種類以上の小孔25を設けることもできる。また、小孔25A、25Bの個数、大きさ、配設位置、小孔25A、25Bの個数配分は任意に設定できる。更に、同じ大きさの小孔25のみを設ける場合であっても、ブレーキディスクに形成する複数の小孔25が回転非対称になるように、小孔25を新たに設けたり、小孔25の配設位置を周方向や半径方向に調整したりすることも本発明と併用できる
【0045】
(3)少なくとも1つの連結手段23の半径方向の配設位置を他の連結手段23とは異なる配設位置に設定することができる。例えば、図8に示すブレーキディスク20Cのように、連結手段23の半径方向の配設位置が2種類になるように、ブレーキディスク20Cの連結手段23の中心位置を通る円の直径を、例えば195mmと177mmに設定することができる。ただし、ブレーキディスクに形成する複数の連結手段23が回転非対称に構成されていれば、半径方向の配設位置の異なる3種類以上の連結手段23を設けることもできる。また、連結手段23の半径方向の配置位置や、同一配設位置の連結手段23の個数配分は任意に設定することができる。
【0046】
(4)少なくとも1つの連結手段23の周方向の配設間隔を他の連結手段23とは異なる配設間隔に設定することができる。例えば、図9に示すブレーキディスク20Dのように、隣接する連結手段23の配設間隔が3種類となるように、隣接する連結手段23間の間隔を、例えば53.43°、49.43°、49.43°、55.43°、49.43°、49.43°、53.43°に設定することができる。ただし、ブレーキディスクに設ける複数の連結手段23が回転非対称に構成されていれば、連結手段23の周方向の配設間隔は、2種類或いは4種類以上に設定することもできる。また、連結手段23の周方向の配置間隔や、同じ配設間隔の連結手段23の個数配分は任意に設定することができる。
【0047】
(5)少なくとも1つの連結手段23の大きさを他の連結手段23とは異なる大きさに設定することができる。例えば、図10に示すブレーキディスク20Eのように、直径20mmの4つの連結手段23Aと、直径28mmの3つの連結手段23Bの2種類の連結手段23A、23Bを設けることができる。ただし、ブレーキディスクに設ける複数の連結手段が回転非対称に構成されていれば、連結手段23の大きさを3種類以上に設定することもできる。また、同じ大きさの連結手段23の個数配分は任意に設定することができる。
【0048】
尚、前記(1)〜(5)の構成は任意に組み合わせることができる。また、連結手段23として異なる構成のものを用いる場合には、連結ピン34の胴体部34aの外径や内径、胴体部34aの外形、小径部34dの内径や外径、鍔部34bの直径、座金36の外径や内径や厚さ、座金36の有無、皿バネ35の内径や外径や厚さ、連結孔33の直径や形状などを異なる構成に設定したものを採用することもできる。
【0049】
次に、本発明と併用可能な他のブレーキ鳴きの鳴き防止構造について説明する。
この鳴き防止構造は、図1、図12に示すように、ブレーキディスク10の摺動部12又はアーム部13の適所に、ワイヤーソーやウォータジェットや放電加工やレーザー加工などによりブレーキディスク10に対して幅の狭いスリット状の切り込みを入れてなる、少なくとも1つの細隙40を形成したもので、制動時におけるブレーキディスク10の弾性変形により、細隙40内の相対抗する内面40a同士を摺接させて摩擦熱を発生させ、制動時におけるブレーキディスク10の振動エネルギーを、細隙40における摩擦熱の熱エネルギーに変換して、ブレーキ鳴きの発生を防止するものである。
【0050】
このブレーキ鳴きの鳴き防止構造は、図1に示すように、少なくとも1つの模様孔14の構成を他の模様孔14とは異なる構成に設定した前記ブレーキ鳴きの鳴き防止構造と併用することが好ましいが、図11に示すブレーキディスク10Eのように、前記鳴き防止構造を併用していない、既存の構成のブレーキディスクに設けることも可能である。この図11に示すブレーキディスク10Eは、図1に示すブレーキディスク10Aの模様孔14を、ブレーキディスク10Eの回転方向前側の模様孔14aと回転方向後側の模様孔14bに分割構成し、両模様孔14a、14b間に補強部42を形成するとともに、模様孔14a、14bを円周一定角度毎に形成したもので、その他の構成はブレーキディスク10Aと同様に構成したものである。また、このブレーキ鳴きの鳴き防止構造は、フローティングブレーキディスク20に対しても、隣接する小孔25間に細隙40を設けることで同様に適用できる。更に、ハブディスク21又は摺動ディスク22に独立して模様孔を形成する場合には、隣接する模様孔間に細隙40を形成して適用することも可能である。
【0051】
細隙40は、制動時におけるブレーキディスク10の弾性変形により、細隙40内の相対抗する内面40a同士を摺接して摩擦熱が発生するように、ブレーキディスク10の円周方向に沿った部分以外の部分、つまり周方向に対して角度を付けた部分を、少なくともその一部に備えていれば任意の形状に形成することが可能で、例えば図1に示すように、直線状に形成することも可能であるし、円弧状やV字状やΩ字状などに形成したり、三角波状やサイン波状や矩形波状に形成したりすることも可能である。
【0052】
細隙40の長さは任意に設定可能であるが短すぎると、細隙40の内面40aの面積が小さくなってブレーキ鳴きを効果的に防止できないので、極力長くなるように設定することが好ましい。また、細隙40の隙間Gは、制動時に細隙40の相対面する内面40a同士を摺接させてブレーキ鳴きを防止するため、極力狭く設定することが好ましく、0.2mm以下に設定することが好ましい。また、細隙40は、図1に示すように、模様孔14や小孔15とは独立して設けることも可能であるが、図1、図11に示すように、模様孔14や小孔15間にわたって形成すると、ワイヤーソーでも細隙40を容易に形成できるとともに、制動時における細隙40内の相対抗する内面40aの相対移動距離を大きくして、摩擦熱の発生を促進し、ブレーキ鳴きを一層効果的に防止できるので好ましい。
【0053】
また、細隙40は、ブレーキディスク10の板厚方向に形成することもできるが、図13に示す細隙40Aのように、ブレーキディスク10の厚さ方向に対して角度αを付けて形成することもできる。このように厚さ方向に角度を付けて形成すると、細隙40Aの長さを変えることなく、細隙40Aの内面40aの面積を増やして、ブレーキ鳴きを一層効果的に防止することができる。
【0054】
前記実施の形態では、細隙40内を中空に構成したが、図14に示すように、細隙40内に摺動材41を脱落不能に装填することも可能である。この場合には、制動時におけるブレーキディスク10の弾性変形により、細隙40の内面40aと摺動材41とを摺接させて摩擦熱を発生させ、制動時におけるブレーキディスク10の振動エネルギーを、細隙40における摩擦熱の熱エネルギーに変換して、ブレーキ鳴きの発生を防止できることになる。
【0055】
摺動材41は、細隙40の内面40aとの間に僅かな隙間をあけて配置させることも可能であるが、圧入や焼嵌めなどにより隙間なく装填すると、ブレーキディスク10の弾性変形を効率よく摩擦熱に変換できるので好ましい。摺動材41としては、細隙40の内面40aとの摺接により発熱可能な、金属材料や合成樹脂材料などを採用することができる。摺動材41の固定構造としては、細隙40内に摺動材41を装着した後、摺動材41のうちの細隙40から外部へ突出する部分をかしめたり折り曲げたりして固定する固定構造を採用できるが、これ以外の固定構造を採用することも可能である。
【0056】
尚、ブレーキディスクとして、異種形状の複数の模様孔を1組とし、この1組の模様孔を周方向に複数組一定間隔おきに回転対称に配置したブレーキディスクに対して本発明を適用する場合には、同種の模様孔同士について、複数の模様孔のうちの1つを異なる構成に設定したり、周方向に異なる間隔をあけて配置した複数の模様孔の構成を他の模様孔とは異なる構成に設定したり、全ての模様孔の構成を相互に異なる構成に設定したりすることになる。尚、周方向に異なる間隔をあけて配置した複数の模様孔の構成を他の模様孔とは異なる構成に設定する場合には、異なる間隔をあけて配置した複数の模様孔同士については、同じ構成に設定することもできるし、その一部又は全部について相互に異なる構成に設定し、残りに付いては同じ構成に設定することもできる。
【0057】
また、本実施の形態では、摺動部12の外周形状が円形のブレーキディスク10、20に本発明を適用したが、摺動部の外周形状が径方向の凹凸の繰り返し形状に形成されたブレーキディスクに対しても本発明を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 ブレーキディスク 11 取付部
12 摺動部 13 アーム部
14 模様孔 14a 模様孔
14b 模様孔 15 小孔
7 取付孔
18 ボルト挿通孔
20 ブレーキディスク 21 ハブディスク
22 摺動ディスク 23 連結手段
24 模様孔 25 小孔
7 取付孔
28 挿通孔
30 隙間 31 ハブ側連結凹部
32 摺動側連結凹部 33 連結孔
34 連結ピン 34a 胴体部
34b 鍔部 34c 段差部
34d 小径部 34e かしめ部
35 皿バネ 36 座金
40 細隙 40a 内面
41 摺動材 42 補強部
40A 細隙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体への取付部と、ブレーキパッドとの摺動部と、取付部と摺動部とを連結するアーム部と、前記取付部と摺動部間に形成した重量軽減用の複数の軽減孔とを有する自動二輪用のブレーキディスクであって、
前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの軽減孔の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の軽減孔とは異なるように構成して、軽減孔を回転非対称に構成し、軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減した、
ことを特徴とするノイズ低減ブレーキディスク。
【請求項2】
車体への取付部を有するハブディスクと、ブレーキパッドとの摺動部を有する摺動ディスクと、両ディスク間に形成した複数のピン孔とこれら複数のピン孔に装填される連結ピンとを有する複数の連結手段と、前記取付部と摺動部間に形成した重量軽減用の複数の軽減孔とを有し、複数の連結手段を介して両ディスクを一体的に連結してなるフローティングブレーキディスクであって、
前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段及び/又は軽減孔の構成を他の連結手段及び/又は軽減孔とは異なる構成に設定し、軽減孔に関しては少なくとも1つの軽減孔の周方向の配設間隔、半径方向の配設位置、半径方向に対する傾き、大きさのうちの1乃至複数の構成を他の軽減孔とは異なるように構成して、連結手段及び/又は軽減孔を回転非対称に構成し、連結手段及び/又は軽減孔に起因する固有振動モードの振幅を低減した、
ことを特徴とするノイズ低減ブレーキディスク。
【請求項3】
前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の周方向の配設間隔を他の連結手段とは異なる配設間隔に設定して、連結手段に起因する固有振動モードの振幅を低減した請求項2に記載のノイズ低減ブレーキディスク。
【請求項4】
前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の半径方向の配設位置を他の連結手段とは異なる配設位置に設定して、連結手段に起因する固有振動モードの振幅を低減した請求項2又は3に記載のノイズ低減ブレーキディスク。
【請求項5】
前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の大きさを他の連結手段とは異なる大きさに設定して、連結手段に起因する固有振動モードの振幅を低減した請求項2〜4のいずれか1項に記載のノイズ低減ブレーキディスク。
【請求項6】
前記ブレーキディスクに対する少なくとも1つの連結手段の形状を他の連結手段とは異なる形状に設定して、連結手段に起因する固有振動モードの振幅を低減した請求項2〜5のいずれか1項に記載のノイズ低減ブレーキディスク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−72911(P2012−72911A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266479(P2011−266479)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【分割の表示】特願2008−97956(P2008−97956)の分割
【原出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(305032254)サンスター技研株式会社 (97)
【Fターム(参考)】