ノイズ検出装置、ノイズ検出方法及びプログラム
【課題】カメラによって撮像された動画像に重畳するノイズの検査を効率化する。
【解決手段】動画像ノイズ検出装置1は、水平方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する画像取得部11を備える。また、画像の水平走査方向における2本の水平ラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、2本の画像信号から求めた画素値の差分により、画像に生じたノイズを検出する処理を2本の画像信号毎に並列して行う並列処理部12を備える。
【解決手段】動画像ノイズ検出装置1は、水平方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する画像取得部11を備える。また、画像の水平走査方向における2本の水平ラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、2本の画像信号から求めた画素値の差分により、画像に生じたノイズを検出する処理を2本の画像信号毎に並列して行う並列処理部12を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、被検査体としてのカメラが撮像した動画像に重畳するノイズを検出するノイズ検出装置、ノイズ検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラの製造技術が進歩したことに伴い、動画像を手軽に撮像することが可能となってきた。カメラが撮像する対象の多くは自然物であるが、自然物には画像として見ると、例えば周波数成分等の様々な成分が含まれている。以下の説明では、カメラが撮影する風景のことを「自然風景」と呼ぶ。
【0003】
図13は、カメラで撮像された自然風景の例である。
図13に示す画像には、建物や空が含まれる。空の色味の変化を表す「グラデーション領域」、一定の範囲が同じ色であることを表す「同色領域」が含まれる。同様に、細かな模様等の繰り返しパターンを表す「高周波領域」、建物等の角に該当し、コントラスト比が高い部分を表す「エッジ領域」が含まれる。
【0004】
図13に示した自然風景を動画像として違和感なく撮像するため、カメラには様々な性能検査が行われている。
図14は、動画像に重畳するノイズの検査を行う従来の画像検査システム100の構成例を示す。
画像検査システム100は、自然風景101と、自然風景101を動画像として撮像し、この動画像に重畳されるノイズの有無が検査されるカメラ102と、カメラ102に接続され、カメラ102が出力する動画像を表示する検査用モニタ103を備える。図14では、カメラ102の撮像性能を検査するため、カメラ102が被検査体として用いた例を示している。カメラ102には、様々な外乱を想定した強い電波を照射したり、カメラ102に供給する電源電圧の出力を変動させたりする。そして、検査員104は、検査用モニタ103に表示された動画像を目視で検査することにより、動画像に重畳するノイズ(例えば、ブロックノイズ、画像が水平方向にずれるビート等)の有無を判断していた。
【0005】
また、動画像に重畳するノイズの評価に用いるための技術として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1には、テスト画像をスクロール表示させ、このテスト画像に似ているサンプル画像を特定することによって、サンプル画像の指標値をテスト画像の指標値とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−325122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、検査員104による従来の目視検査では、複数の検査員104毎にノイズの有無を判定する技量にばらつきがあった。さらに、人手に頼った検査では、検査用モニタ103の前に検査員104が長時間拘束されるため、検査員104の集中力が低下等することにより誤った判定をする場合もあった。
【0008】
また、検査を自動化しようとしても、自然風景を撮像して得た動画像の場合、検査員104がノイズと判断した箇所がノイズなのか、自然風景に存在するパターンなのか見分けることが困難であった。また、特許文献1に開示された技術を用いても、検査員104の能力によりサンプル画像とテスト画像を見比べる技術には差が生じ、複数の検査員104がそれぞれ別の判定をすることがあった。また、ノイズを検査するためにリファレンスとなる動画像をメモリに保存した場合、このような動画像はメモリの容量を多く必要とするため、ノイズ検出装置に割り当てられる限られたメモリを有効に使うことができない。さらに、リファレンスとなる動画像と、検査しようとする動画像との同期をとる際には、新たに同期タイミングを合わせる機構が必要となり、非常に手間とコストが掛かってしまう。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、動画像に重畳するノイズの検査を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する。
そして、画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、2本の画像信号から求めた画素値の差分により、画像に生じたノイズを検出する処理を2本の画像信号毎に並列して行う。
【0011】
このようにしたことで、所定の方向における2本の平行なラインの画像信号の差分より、画像に生じたノイズを検出する処理を自動化することが可能となった。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カメラから取得した画像には、所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンが取り込まれる。そして、画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を抽出した上で、画素値の差分が生じた箇所をノイズと判定することができる。このため、検査員の技量によらないでノイズ判定を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態における動画像ノイズ検出システムの外部構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態における動画像ノイズ検出装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における検査用パターンの概念的な構成例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態における検査用パターンの具体的な構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態における検査用パターンの動作例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態における1フレーム分の検査用パターンの動画像の例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態における具体的な検査用パターンを用いたリファレンスライン及び検査ラインの例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態におけるリファレンスライン及び検査ラインの画素値のパターンの説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態におけるリファレンスラインにおける画素値のパターンの例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態におけるリファレンスラインにノイズが重畳した場合における画素値のパターンの例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態における垂直方向を合わせたリファレンスライン及び検査ラインの画素値の差分をプロットした例を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態におけるノイズが重畳した画像と、このノイズの検出結果を表示した例を示す説明図である。
【図13】従来のカメラで撮像された自然風景の例を示す説明図である。
【図14】動画像に重畳するノイズの検査を行う従来の画像検査システムの外部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態(ノイズ検出:2本の水平ラインからノイズを判定する処理の例)
2.変形例
【0015】
<1.一実施の形態>
[2本の水平ラインからノイズを判定する処理の例]
【0016】
以下、本発明の一実施の形態(以下、「本例」という。)について、図1〜図12を参照して説明する。本実施の形態では、カメラが撮像した動画像に重畳するノイズを自動的に検出する動画像ノイズ検出方法を使用する動画像ノイズ検出装置1に適用した例について説明する。始めに、動画像ノイズ検出装置1の構成例を説明する。
【0017】
図1は、本例の動画像ノイズ検出システム10の外部構成例を示す。
動画像ノイズ検出システム10は、動画像に重畳するノイズを検出する動画像ノイズ検出装置1を備える。また、動画像ノイズ検出装置1に接続され、撮像出力した動画像に重畳するノイズの検査が行われる被検査体2と、検査用パターンが印刷された平板状の検査パネル4を備える。本例では、被検査体2として、動画像を撮像可能なビデオカメラを用いている。
【0018】
検査パネル4に印刷される検査用パターンは、後述するように所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなるストライプ状の模様からなり、検査パネル4はパターン動作部3によって、等速度で水平方向に相対的に移動する。本例では、所定の方向として、「水平方向」を用い、検査用パターンの所定の角度として、「水平方向に対して右斜め45度に上がる角度」を用いている。そして、被検査体2が移動する検査用パターンを撮影し、動画像ノイズ検出装置1が被検査体2で撮像した画像からノイズを検出する処理を行って、被検査体2の性能評価を行う。なお、動画像ノイズ検出装置1とパターン動作部3が接続することにより、動画像ノイズ検出装置1の指示によって、パターン動作部3の移動速度を変えたり、位置を変えたりしてもよい。
【0019】
図2は、動画像ノイズ検出装置1の内部構成例を示す。
動画像ノイズ検出装置1は、被検査体である被検査体2から検査用パターンを撮像した動画像を取得する画像取得部11と、この動画像から抽出した2ライン毎に所定の処理を並列して行う並列処理部12とを備える。また、動画像ノイズ検出装置1は、並列処理部12によって判定された動画像内におけるノイズの位置をメモリ14に保存するノイズ位置保存部13を備える。メモリ14は、例えば、書き換え可能なRAM(Random Access Memory)によって構成される。
【0020】
並列処理部12は、動画像の水平走査方向における2本の平行な水平ラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて抽出し、2本の画像信号から求めた画素値の差分により、動画像に生じたノイズを検出する処理を2本の画像信号毎に並列して行うものである。
【0021】
そして、並列処理部12は、画像取得部11が取得した1フレーム分の動画像から所定の本数(Δnライン)だけ隔てて2本の水平ラインの画像信号を抽出する2ライン抽出部15−1を備える。このとき、一方の水平ラインをリファレンスラインとし、他方の水平ラインを検査ラインとする。
【0022】
また、水平方向に対して傾けられた検査用パターンの所定の角度と、リファレンスライン及び検査ラインの間のライン数に基づいて、各画素値のパターンの水平方向のズレ量を求めるフィッティング部16−1を備える。このとき、フィッティング部16−1は、リファレンスライン及び検査ラインの各画素値の差分の二乗和が最小となる値を水平方向のズレ量として求めている。
【0023】
また、並列処理部12は、求めた水平方向のズレ量により各画素値のパターンを合わせてリファレンスライン及び検査ラインの画素値の差分値を計算する差分計算部17−1を備える。また、差分値が閾値以下である場合にノイズが発生していないと判定し、所定の範囲以上にわたって閾値より大きい場合にノイズが発生したと判定するノイズ判定部18−1を備える。
【0024】
上述したように、2ライン抽出部15−1〜ノイズ判定部18−1までは、あるラインと、このラインからΔnラインだけ離れたラインの画像信号についてノイズを判定するものである。そして、他のラインの画像信号についてもノイズの有無を判定するため、被検査体2の撮像エリアの垂直ライン数の半分に相当する数(n)の並列処理を行う。このため、全てを図示しないものの、並列して配置される複数組の2ライン抽出部15−1〜15−n、フィッティング部16−1〜16−n、差分計算部17−1〜17−n及びノイズ判定部18−1〜18−nは、並列してノイズを検出する。このとき、各2ライン抽出部によって抽出される一組のリファレンスライン及び検査ラインが他の組のリファレンスライン及び検査ラインと重なり合わないようにしている。例えば、被検査体2の撮像エリアの水平画素数が1920であり、垂直ライン数が1080である場合、n=1080/2=540となる。
【0025】
次に、検査用パターンの構成例を図3と図4を参照して説明する。
図3は、検査用パターンの概念的な構成例を示す。
検査用パターンは、連続する複数の線によって、高周波領域a、グラデーション領域b、同色領域(明)c、同色領域(暗)d等の自然風景に存在する特徴を表現した周期性のあるパターンである。
【0026】
上述したように検査用パターンは、所定の角度として右斜め45度に上がる複数の斜線群からなるストライプによって構成される。この検査用パターンは、被検査体2が撮像した動画像内において、どの水平走査期間であっても同じ処理が適用でき、ノイズの検査を高速化するために適している。また、斜線であるので検査用パターンを水平方向に動かすだけでストライプが上下左右に動いているように撮影することができる。
【0027】
図4は、検査用パターンの具体的な構成例を示す。
本例の検査用パターンは、白黒の2色で構成される。このストライプは濃さを変えたり、同一色としたり、細い線とすることで自然風景に表れる様々な成分を擬似的に模したものとなっている。
例えば、グラデーション領域では、黒→白→黒のように明度が連続的に変化するグラデーションとしてあり、高周波領域では、周りの斜線より細い複数本の斜線としてある。また、暗い同色領域では、黒が1色の太い斜線とし、明るい同色領域では白が1色の太い車線としている。そして、暗い同色領域と明るい同色領域が隣り合う箇所ではコントラスト比が高いエッジ領域としている。
【0028】
次に、検査用パターンの動作例を図5〜図11を参照して説明する。
図5は、検査用パターンの動作例を示す。
検査用パターンは、パターン動作部3によって水平方向に移動する。このときパターン動作部3は、被検査体2の撮像範囲5が検査用パターンの内側に収まる範囲で検査パネル4を等速運動させる。ただし、パターン動作部3は、動き始めはゆっくりとし、徐々に早くした後、ゆっくりと停止するような正弦波状に可変する運動によって検査パネル4を動かしてもよい。被検査体2が撮像した検査用パターンの1フレーム分の動画像は、画像取得部11によって取得される。
【0029】
図6は、1フレーム分の検査用パターンの動画像の例を示す。
2ライン抽出部15−1は、画像取得部11が取得した動画像を水平走査してリファレンスライン6及び検査ライン7の2ラインを得る。ここで、1フレーム分の動画像内の実線で示されるリファレンスライン6に対して、Δnラインだけ隔てた水平ラインを検査ライン7とする。このとき抽出される2ラインは、1フレームの画像内における全ての行が2ラインのどちらかに含まれるように抽出される。例えば、2ライン抽出部15−1〜15−nは、奇数ライン目をリファレンスライン6とし、偶数ライン目を検査ライン7とするように水平ラインを抽出することで、1フレーム内の画像に含まれる全ての奇数ラインをリファレンスライン6とする。
【0030】
図7は、具体的な検査用パターンを用いたリファレンスライン6及び検査ライン7の例を示す。
上述したように様々な領域が含まれる検査用パターンについて、2ライン抽出部15−1〜15−nは、リファレンスライン6及び検査ライン7を抽出する。このため、各ラインには明るい部分と暗い部分が混在し、水平ラインの画素値を表すグラフは、水平ライン毎に一定のパターンを描くと想定できる。
【0031】
図8は、リファレンスライン6及び検査ライン7の画素値のパターンの例を示す。図8Aは、リファレンスライン6の画素値のパターン例を示し、図8Bは、検査ライン7の画素値のパターン例を示す。
【0032】
図8に示す画素値のパターンでは、黒を0、白を255とする256階調の画素値で2ラインを表している。これらの2ラインには、上述したように、同色領域(明)、同色領域(暗)、高周波領域、グラデーション領域、エッジ領域が含まれることが示される。ただし、これらの2ラインでは、検査用パターンが所定の角度に傾いているため、水平方向に画素値のパターンがわずかにずれていることが分かる。
【0033】
次に、画素値のパターンに重畳したノイズを検出する例を説明する。
図9と図10は、リファレンスライン6にノイズが重畳した場合における画素値のパターンの例を示す。ただし、図10に示すリファレンスライン6には、グラデーション領域にブロックノイズが発生していることが示される。
【0034】
上述したように、これら2ラインの画素値のパターンは、同一フレームを撮像した動画像であってもΔx画素だけ水平方向にずれる。このため、フィッティング部16−1〜16−nは、2ラインの対応する画素間における画素値のパターンの差分の二乗和が最小となるずれ量Δxを求める。Δxはパターンの傾きθとΔnの値により以下の式のように理論値を求めることができるので、理論値を中心にその周辺の位置について二乗和を求めて、正確なΔxの値を高速に求めることができる。
【0035】
【数1】
【0036】
その後、フィッティング部16−1〜16−nは、検査ライン7をΔxだけシフトすることで、リファレンスライン6及び検査ライン7の画素値のパターンで示される水平方向の位置を合わせるフィッティング処理を行う。
【0037】
図11は、垂直方向を合わせたリファレンスライン及び検査ラインの画素値の差分をプロットした例を示す。
差分計算部17−1〜17−nは、フィッティング部16−1〜16−nによってフィッティングされた位置で2ラインの画素パターンの画素値から差分を求める計算を行う。差分計算の結果、ノイズが存在しない2ラインの場合、理想的に差分は0になるが、ノイズが存在する場合、その差分は0にならない。
【0038】
ノイズ判定部18−1〜18−nは、差分の局所的な平均値を求め、その値が設定した閾値より大きい場合はその位置をノイズと判断する。局所的差分平均は下の式のように求める。ただし、jは局所的な差分平均を求める先頭位置であり、Δjは差分平均する長さである。
【0039】
【数2】
【0040】
これにより、ノイズ判定部18−1〜18−nは、特定のラインの特定の位置でノイズが発生したことを検出できる。そして、ノイズ位置保存部13は、2ライン毎に求めた全ての水平ラインについてノイズ判定が行われたノイズ判定部18−1〜18−nよりノイズの位置を収集して取りまとめ、1フレームの画像内のノイズの位置をメモリ14に保存する。
【0041】
動画像ノイズ検出装置1が、画像を取得した後、ノイズ位置の保存が終了したら、次のフレームに関しても被写体から画像を取得し同様の処理を行う。そして、動画像ノイズ検出装置1は、上述した一連の処理を全てのフレームについてリアルタイムで行うことによりノイズ判定を高速に行うことができる。
【0042】
以上説明した本実施の形態に係る動画像ノイズ検出装置1によれば、1フレーム内の全てのラインからリファレンスライン6及び検査ライン7を2ラインずつ抽出し、ペア数分(画像高さ方向の約半分)の並列処理を行って、ノイズを判定する。このように動画像内に含まれる全ての水平ラインに同じ処理が適用できるため検査用パターンを用いた本例のノイズ検出方法は並列処理に適している。このため、画像内を隈なく検査することが可能となり、検査漏れとなる水平ラインをなくして、動画像全体のノイズ検出を高速に行うことができる。
【0043】
また、同一の画像内に含まれる2本の水平ラインの画素値をリアルタイムで比較することによって、リファレンスライン6を保持するためのメモリは少なくとも1ライン分あればよく、検査ライン7を保持するメモリは不要となる。このため、メモリの記憶容量の消費を抑えることができ、動画像ノイズ検出装置1が実装するメモリのコストを抑えることができる。
【0044】
また、Δnラインだけ離れたリファレンスライン6及び検査ライン7の垂直方向の位置を合わせて画素値を比較することにより、ブロックノイズだけでなく、ビートノイズであっても検出が容易である。このとき、各ラインの垂直方向の位置は1画素単位で合わせることが可能であるため、検査員の肉眼では視認しづらい、わずかなビートノイズを検出が可能である。
【0045】
また、検査用パターンのストライプを斜めに配置してある。これにより、水平方向に移動する検査用パターンをカメラが固定位置で撮影する場合であっても、検査用パターンの移動方向によってストライプが垂直上向き又は下向きに移動するような映像を得られる。
【0046】
<2.変形例>
なお、ノイズ検出処理がリアルタイムで行えない場合には、数ラインずつ検査する水平ラインを間引いて高速化を図るようにしてもよい。この場合であっても、複数のラインにまたがって画像に重畳するようなブロックノイズ等を検出することが可能である。
【0047】
また、上述した実施の形態では、白黒の線が連続するストライプが印刷された検査用パターンを用いてノイズ検査を行うこととしたが、このストライプをカラーとしてもよい。カラーのストライプが印刷された検査用パターンを用いると、色味の再現性等についても検査することが可能となる。
【0048】
また、動画像だけでなく静止画像であっても同様にノイズ検査が可能である。このため、ビデオカメラを被検査体2とするだけでなく、スチルカメラを被検査体2としてもよい。また、1回の処理で抽出する水平ラインは2ラインに限定することなく、3ライン以上抽出した水平ラインを用いてノイズ検出を行ってもよい。
【0049】
また、フィッティング部16−1〜16−nが行うフィッティング処理では、画素値のパターンの差分の二乗和が最小となるずれ量Δxを求めるようにした。しかし、Δxを求めるには他の方法を使うことも可能であり、例えば、画素値のパターンの差分平均からΔxを求めてもよい。
【0050】
また、動画像ノイズ検出装置1が行う処理は、2本の平行な水平ラインの画像信号を抽出するだけでなく、2本の平行な垂直ラインを抽出して行ってもよい。また、平行なラインであれば、水平方向又は垂直方向以外の方向のラインであってもよい。
また、検査用パターンの水平ラインに対する傾きを45度以外の角度としてもよい。事前に所定の方向に対してある程度の角度がついており、この角度と、検査用パターン及びカメラの相対的な移動方向が分かっていれば、どのような角度又は移動方向としても構わない。
【0051】
また、上述した実施の形態における一連の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータにより、実行可能である。例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行させればよい。
【0052】
また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。また、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
【0053】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0054】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0055】
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0056】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する画像取得部と、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う並列処理部と、を備えた
ノイズ検出装置。
(2)前記並列処理部は、
前記画像から所定の本数だけ隔てて抽出する2本の平行なラインのうち、一方のラインをリファレンスラインとし、他方のラインを検査ラインとする2ライン抽出部と、
傾けられた前記検査用パターンの前記所定の角度と、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの間のライン数に基づいて、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの各画素値のパターンの前記所定の方向におけるズレ量を求めるフィッティング部と、
前記ズレ量により前記各画素値のパターンを合わせて前記リファレンスライン及び前記検査ラインの画素値の差分値を計算する差分計算部と、
前記差分値が閾値以下である場合にノイズが発生していないと判定し、所定の範囲以上にわたって前記閾値より大きい場合にノイズが発生したと判定するノイズ判定部と、を備えた
前記(1)記載のノイズ検出装置。
(3)前記検査用パターン及び前記カメラは前記所定の方向へ相対的に移動し、
並列して配置される複数組みの前記2ライン抽出部、前記フィッティング部、前記差分計算部及び前記ノイズ判定部は、前記2ライン抽出部によって抽出される一組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインが他の組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインと重なり合わないようにしてノイズを検出する
前記(1)又は(2)記載のノイズ検出装置。
(4)前記検査用パターン及び前記カメラが相対的に移動する移動速度は、等速度または正弦波状に可変しながら、一定の範囲を移動する
前記(1)〜(3)のいずれかに記載のノイズ検出装置。
(5)さらに、前記ノイズ判定部が判定したノイズの検出位置をメモリに保存するノイズ位置保存部を備える
前記(1)〜(4)のいずれかに記載のノイズ検出装置。
(6)前記検査用パターンは、自然風景のパターンの特徴を持つ周期性のある斜めのストライプ状であり、前記自然風景のパターンの特徴として、高周波領域、グラデーション領域、明るい同色領域、及び暗い同色領域が含まれる
前記(1)〜(5)のいずれかに記載のノイズ検出装置。
(7)所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得することと、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行うことと、を有する
ノイズ検出方法。
(8)所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する手順、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0057】
1…動画像ノイズ検出装置、2…被検査体、3…パターン動作部、4…検査パネル、5…撮像範囲、6…リファレンスライン、7…検査ライン、10…動画像ノイズ検出システム、11…画像取得部、12…並列処理部、13…ノイズ位置保存部、14…メモリ、15−1〜15−n…2ライン抽出部、16−1〜16−n…フィッティング部、17−1〜17−n…差分計算部、18−1〜18−n…ノイズ判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、被検査体としてのカメラが撮像した動画像に重畳するノイズを検出するノイズ検出装置、ノイズ検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラの製造技術が進歩したことに伴い、動画像を手軽に撮像することが可能となってきた。カメラが撮像する対象の多くは自然物であるが、自然物には画像として見ると、例えば周波数成分等の様々な成分が含まれている。以下の説明では、カメラが撮影する風景のことを「自然風景」と呼ぶ。
【0003】
図13は、カメラで撮像された自然風景の例である。
図13に示す画像には、建物や空が含まれる。空の色味の変化を表す「グラデーション領域」、一定の範囲が同じ色であることを表す「同色領域」が含まれる。同様に、細かな模様等の繰り返しパターンを表す「高周波領域」、建物等の角に該当し、コントラスト比が高い部分を表す「エッジ領域」が含まれる。
【0004】
図13に示した自然風景を動画像として違和感なく撮像するため、カメラには様々な性能検査が行われている。
図14は、動画像に重畳するノイズの検査を行う従来の画像検査システム100の構成例を示す。
画像検査システム100は、自然風景101と、自然風景101を動画像として撮像し、この動画像に重畳されるノイズの有無が検査されるカメラ102と、カメラ102に接続され、カメラ102が出力する動画像を表示する検査用モニタ103を備える。図14では、カメラ102の撮像性能を検査するため、カメラ102が被検査体として用いた例を示している。カメラ102には、様々な外乱を想定した強い電波を照射したり、カメラ102に供給する電源電圧の出力を変動させたりする。そして、検査員104は、検査用モニタ103に表示された動画像を目視で検査することにより、動画像に重畳するノイズ(例えば、ブロックノイズ、画像が水平方向にずれるビート等)の有無を判断していた。
【0005】
また、動画像に重畳するノイズの評価に用いるための技術として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1には、テスト画像をスクロール表示させ、このテスト画像に似ているサンプル画像を特定することによって、サンプル画像の指標値をテスト画像の指標値とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−325122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、検査員104による従来の目視検査では、複数の検査員104毎にノイズの有無を判定する技量にばらつきがあった。さらに、人手に頼った検査では、検査用モニタ103の前に検査員104が長時間拘束されるため、検査員104の集中力が低下等することにより誤った判定をする場合もあった。
【0008】
また、検査を自動化しようとしても、自然風景を撮像して得た動画像の場合、検査員104がノイズと判断した箇所がノイズなのか、自然風景に存在するパターンなのか見分けることが困難であった。また、特許文献1に開示された技術を用いても、検査員104の能力によりサンプル画像とテスト画像を見比べる技術には差が生じ、複数の検査員104がそれぞれ別の判定をすることがあった。また、ノイズを検査するためにリファレンスとなる動画像をメモリに保存した場合、このような動画像はメモリの容量を多く必要とするため、ノイズ検出装置に割り当てられる限られたメモリを有効に使うことができない。さらに、リファレンスとなる動画像と、検査しようとする動画像との同期をとる際には、新たに同期タイミングを合わせる機構が必要となり、非常に手間とコストが掛かってしまう。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、動画像に重畳するノイズの検査を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する。
そして、画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、2本の画像信号から求めた画素値の差分により、画像に生じたノイズを検出する処理を2本の画像信号毎に並列して行う。
【0011】
このようにしたことで、所定の方向における2本の平行なラインの画像信号の差分より、画像に生じたノイズを検出する処理を自動化することが可能となった。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カメラから取得した画像には、所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンが取り込まれる。そして、画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を抽出した上で、画素値の差分が生じた箇所をノイズと判定することができる。このため、検査員の技量によらないでノイズ判定を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態における動画像ノイズ検出システムの外部構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態における動画像ノイズ検出装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における検査用パターンの概念的な構成例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態における検査用パターンの具体的な構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態における検査用パターンの動作例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態における1フレーム分の検査用パターンの動画像の例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態における具体的な検査用パターンを用いたリファレンスライン及び検査ラインの例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態におけるリファレンスライン及び検査ラインの画素値のパターンの説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態におけるリファレンスラインにおける画素値のパターンの例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態におけるリファレンスラインにノイズが重畳した場合における画素値のパターンの例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態における垂直方向を合わせたリファレンスライン及び検査ラインの画素値の差分をプロットした例を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態におけるノイズが重畳した画像と、このノイズの検出結果を表示した例を示す説明図である。
【図13】従来のカメラで撮像された自然風景の例を示す説明図である。
【図14】動画像に重畳するノイズの検査を行う従来の画像検査システムの外部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態(ノイズ検出:2本の水平ラインからノイズを判定する処理の例)
2.変形例
【0015】
<1.一実施の形態>
[2本の水平ラインからノイズを判定する処理の例]
【0016】
以下、本発明の一実施の形態(以下、「本例」という。)について、図1〜図12を参照して説明する。本実施の形態では、カメラが撮像した動画像に重畳するノイズを自動的に検出する動画像ノイズ検出方法を使用する動画像ノイズ検出装置1に適用した例について説明する。始めに、動画像ノイズ検出装置1の構成例を説明する。
【0017】
図1は、本例の動画像ノイズ検出システム10の外部構成例を示す。
動画像ノイズ検出システム10は、動画像に重畳するノイズを検出する動画像ノイズ検出装置1を備える。また、動画像ノイズ検出装置1に接続され、撮像出力した動画像に重畳するノイズの検査が行われる被検査体2と、検査用パターンが印刷された平板状の検査パネル4を備える。本例では、被検査体2として、動画像を撮像可能なビデオカメラを用いている。
【0018】
検査パネル4に印刷される検査用パターンは、後述するように所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなるストライプ状の模様からなり、検査パネル4はパターン動作部3によって、等速度で水平方向に相対的に移動する。本例では、所定の方向として、「水平方向」を用い、検査用パターンの所定の角度として、「水平方向に対して右斜め45度に上がる角度」を用いている。そして、被検査体2が移動する検査用パターンを撮影し、動画像ノイズ検出装置1が被検査体2で撮像した画像からノイズを検出する処理を行って、被検査体2の性能評価を行う。なお、動画像ノイズ検出装置1とパターン動作部3が接続することにより、動画像ノイズ検出装置1の指示によって、パターン動作部3の移動速度を変えたり、位置を変えたりしてもよい。
【0019】
図2は、動画像ノイズ検出装置1の内部構成例を示す。
動画像ノイズ検出装置1は、被検査体である被検査体2から検査用パターンを撮像した動画像を取得する画像取得部11と、この動画像から抽出した2ライン毎に所定の処理を並列して行う並列処理部12とを備える。また、動画像ノイズ検出装置1は、並列処理部12によって判定された動画像内におけるノイズの位置をメモリ14に保存するノイズ位置保存部13を備える。メモリ14は、例えば、書き換え可能なRAM(Random Access Memory)によって構成される。
【0020】
並列処理部12は、動画像の水平走査方向における2本の平行な水平ラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて抽出し、2本の画像信号から求めた画素値の差分により、動画像に生じたノイズを検出する処理を2本の画像信号毎に並列して行うものである。
【0021】
そして、並列処理部12は、画像取得部11が取得した1フレーム分の動画像から所定の本数(Δnライン)だけ隔てて2本の水平ラインの画像信号を抽出する2ライン抽出部15−1を備える。このとき、一方の水平ラインをリファレンスラインとし、他方の水平ラインを検査ラインとする。
【0022】
また、水平方向に対して傾けられた検査用パターンの所定の角度と、リファレンスライン及び検査ラインの間のライン数に基づいて、各画素値のパターンの水平方向のズレ量を求めるフィッティング部16−1を備える。このとき、フィッティング部16−1は、リファレンスライン及び検査ラインの各画素値の差分の二乗和が最小となる値を水平方向のズレ量として求めている。
【0023】
また、並列処理部12は、求めた水平方向のズレ量により各画素値のパターンを合わせてリファレンスライン及び検査ラインの画素値の差分値を計算する差分計算部17−1を備える。また、差分値が閾値以下である場合にノイズが発生していないと判定し、所定の範囲以上にわたって閾値より大きい場合にノイズが発生したと判定するノイズ判定部18−1を備える。
【0024】
上述したように、2ライン抽出部15−1〜ノイズ判定部18−1までは、あるラインと、このラインからΔnラインだけ離れたラインの画像信号についてノイズを判定するものである。そして、他のラインの画像信号についてもノイズの有無を判定するため、被検査体2の撮像エリアの垂直ライン数の半分に相当する数(n)の並列処理を行う。このため、全てを図示しないものの、並列して配置される複数組の2ライン抽出部15−1〜15−n、フィッティング部16−1〜16−n、差分計算部17−1〜17−n及びノイズ判定部18−1〜18−nは、並列してノイズを検出する。このとき、各2ライン抽出部によって抽出される一組のリファレンスライン及び検査ラインが他の組のリファレンスライン及び検査ラインと重なり合わないようにしている。例えば、被検査体2の撮像エリアの水平画素数が1920であり、垂直ライン数が1080である場合、n=1080/2=540となる。
【0025】
次に、検査用パターンの構成例を図3と図4を参照して説明する。
図3は、検査用パターンの概念的な構成例を示す。
検査用パターンは、連続する複数の線によって、高周波領域a、グラデーション領域b、同色領域(明)c、同色領域(暗)d等の自然風景に存在する特徴を表現した周期性のあるパターンである。
【0026】
上述したように検査用パターンは、所定の角度として右斜め45度に上がる複数の斜線群からなるストライプによって構成される。この検査用パターンは、被検査体2が撮像した動画像内において、どの水平走査期間であっても同じ処理が適用でき、ノイズの検査を高速化するために適している。また、斜線であるので検査用パターンを水平方向に動かすだけでストライプが上下左右に動いているように撮影することができる。
【0027】
図4は、検査用パターンの具体的な構成例を示す。
本例の検査用パターンは、白黒の2色で構成される。このストライプは濃さを変えたり、同一色としたり、細い線とすることで自然風景に表れる様々な成分を擬似的に模したものとなっている。
例えば、グラデーション領域では、黒→白→黒のように明度が連続的に変化するグラデーションとしてあり、高周波領域では、周りの斜線より細い複数本の斜線としてある。また、暗い同色領域では、黒が1色の太い斜線とし、明るい同色領域では白が1色の太い車線としている。そして、暗い同色領域と明るい同色領域が隣り合う箇所ではコントラスト比が高いエッジ領域としている。
【0028】
次に、検査用パターンの動作例を図5〜図11を参照して説明する。
図5は、検査用パターンの動作例を示す。
検査用パターンは、パターン動作部3によって水平方向に移動する。このときパターン動作部3は、被検査体2の撮像範囲5が検査用パターンの内側に収まる範囲で検査パネル4を等速運動させる。ただし、パターン動作部3は、動き始めはゆっくりとし、徐々に早くした後、ゆっくりと停止するような正弦波状に可変する運動によって検査パネル4を動かしてもよい。被検査体2が撮像した検査用パターンの1フレーム分の動画像は、画像取得部11によって取得される。
【0029】
図6は、1フレーム分の検査用パターンの動画像の例を示す。
2ライン抽出部15−1は、画像取得部11が取得した動画像を水平走査してリファレンスライン6及び検査ライン7の2ラインを得る。ここで、1フレーム分の動画像内の実線で示されるリファレンスライン6に対して、Δnラインだけ隔てた水平ラインを検査ライン7とする。このとき抽出される2ラインは、1フレームの画像内における全ての行が2ラインのどちらかに含まれるように抽出される。例えば、2ライン抽出部15−1〜15−nは、奇数ライン目をリファレンスライン6とし、偶数ライン目を検査ライン7とするように水平ラインを抽出することで、1フレーム内の画像に含まれる全ての奇数ラインをリファレンスライン6とする。
【0030】
図7は、具体的な検査用パターンを用いたリファレンスライン6及び検査ライン7の例を示す。
上述したように様々な領域が含まれる検査用パターンについて、2ライン抽出部15−1〜15−nは、リファレンスライン6及び検査ライン7を抽出する。このため、各ラインには明るい部分と暗い部分が混在し、水平ラインの画素値を表すグラフは、水平ライン毎に一定のパターンを描くと想定できる。
【0031】
図8は、リファレンスライン6及び検査ライン7の画素値のパターンの例を示す。図8Aは、リファレンスライン6の画素値のパターン例を示し、図8Bは、検査ライン7の画素値のパターン例を示す。
【0032】
図8に示す画素値のパターンでは、黒を0、白を255とする256階調の画素値で2ラインを表している。これらの2ラインには、上述したように、同色領域(明)、同色領域(暗)、高周波領域、グラデーション領域、エッジ領域が含まれることが示される。ただし、これらの2ラインでは、検査用パターンが所定の角度に傾いているため、水平方向に画素値のパターンがわずかにずれていることが分かる。
【0033】
次に、画素値のパターンに重畳したノイズを検出する例を説明する。
図9と図10は、リファレンスライン6にノイズが重畳した場合における画素値のパターンの例を示す。ただし、図10に示すリファレンスライン6には、グラデーション領域にブロックノイズが発生していることが示される。
【0034】
上述したように、これら2ラインの画素値のパターンは、同一フレームを撮像した動画像であってもΔx画素だけ水平方向にずれる。このため、フィッティング部16−1〜16−nは、2ラインの対応する画素間における画素値のパターンの差分の二乗和が最小となるずれ量Δxを求める。Δxはパターンの傾きθとΔnの値により以下の式のように理論値を求めることができるので、理論値を中心にその周辺の位置について二乗和を求めて、正確なΔxの値を高速に求めることができる。
【0035】
【数1】
【0036】
その後、フィッティング部16−1〜16−nは、検査ライン7をΔxだけシフトすることで、リファレンスライン6及び検査ライン7の画素値のパターンで示される水平方向の位置を合わせるフィッティング処理を行う。
【0037】
図11は、垂直方向を合わせたリファレンスライン及び検査ラインの画素値の差分をプロットした例を示す。
差分計算部17−1〜17−nは、フィッティング部16−1〜16−nによってフィッティングされた位置で2ラインの画素パターンの画素値から差分を求める計算を行う。差分計算の結果、ノイズが存在しない2ラインの場合、理想的に差分は0になるが、ノイズが存在する場合、その差分は0にならない。
【0038】
ノイズ判定部18−1〜18−nは、差分の局所的な平均値を求め、その値が設定した閾値より大きい場合はその位置をノイズと判断する。局所的差分平均は下の式のように求める。ただし、jは局所的な差分平均を求める先頭位置であり、Δjは差分平均する長さである。
【0039】
【数2】
【0040】
これにより、ノイズ判定部18−1〜18−nは、特定のラインの特定の位置でノイズが発生したことを検出できる。そして、ノイズ位置保存部13は、2ライン毎に求めた全ての水平ラインについてノイズ判定が行われたノイズ判定部18−1〜18−nよりノイズの位置を収集して取りまとめ、1フレームの画像内のノイズの位置をメモリ14に保存する。
【0041】
動画像ノイズ検出装置1が、画像を取得した後、ノイズ位置の保存が終了したら、次のフレームに関しても被写体から画像を取得し同様の処理を行う。そして、動画像ノイズ検出装置1は、上述した一連の処理を全てのフレームについてリアルタイムで行うことによりノイズ判定を高速に行うことができる。
【0042】
以上説明した本実施の形態に係る動画像ノイズ検出装置1によれば、1フレーム内の全てのラインからリファレンスライン6及び検査ライン7を2ラインずつ抽出し、ペア数分(画像高さ方向の約半分)の並列処理を行って、ノイズを判定する。このように動画像内に含まれる全ての水平ラインに同じ処理が適用できるため検査用パターンを用いた本例のノイズ検出方法は並列処理に適している。このため、画像内を隈なく検査することが可能となり、検査漏れとなる水平ラインをなくして、動画像全体のノイズ検出を高速に行うことができる。
【0043】
また、同一の画像内に含まれる2本の水平ラインの画素値をリアルタイムで比較することによって、リファレンスライン6を保持するためのメモリは少なくとも1ライン分あればよく、検査ライン7を保持するメモリは不要となる。このため、メモリの記憶容量の消費を抑えることができ、動画像ノイズ検出装置1が実装するメモリのコストを抑えることができる。
【0044】
また、Δnラインだけ離れたリファレンスライン6及び検査ライン7の垂直方向の位置を合わせて画素値を比較することにより、ブロックノイズだけでなく、ビートノイズであっても検出が容易である。このとき、各ラインの垂直方向の位置は1画素単位で合わせることが可能であるため、検査員の肉眼では視認しづらい、わずかなビートノイズを検出が可能である。
【0045】
また、検査用パターンのストライプを斜めに配置してある。これにより、水平方向に移動する検査用パターンをカメラが固定位置で撮影する場合であっても、検査用パターンの移動方向によってストライプが垂直上向き又は下向きに移動するような映像を得られる。
【0046】
<2.変形例>
なお、ノイズ検出処理がリアルタイムで行えない場合には、数ラインずつ検査する水平ラインを間引いて高速化を図るようにしてもよい。この場合であっても、複数のラインにまたがって画像に重畳するようなブロックノイズ等を検出することが可能である。
【0047】
また、上述した実施の形態では、白黒の線が連続するストライプが印刷された検査用パターンを用いてノイズ検査を行うこととしたが、このストライプをカラーとしてもよい。カラーのストライプが印刷された検査用パターンを用いると、色味の再現性等についても検査することが可能となる。
【0048】
また、動画像だけでなく静止画像であっても同様にノイズ検査が可能である。このため、ビデオカメラを被検査体2とするだけでなく、スチルカメラを被検査体2としてもよい。また、1回の処理で抽出する水平ラインは2ラインに限定することなく、3ライン以上抽出した水平ラインを用いてノイズ検出を行ってもよい。
【0049】
また、フィッティング部16−1〜16−nが行うフィッティング処理では、画素値のパターンの差分の二乗和が最小となるずれ量Δxを求めるようにした。しかし、Δxを求めるには他の方法を使うことも可能であり、例えば、画素値のパターンの差分平均からΔxを求めてもよい。
【0050】
また、動画像ノイズ検出装置1が行う処理は、2本の平行な水平ラインの画像信号を抽出するだけでなく、2本の平行な垂直ラインを抽出して行ってもよい。また、平行なラインであれば、水平方向又は垂直方向以外の方向のラインであってもよい。
また、検査用パターンの水平ラインに対する傾きを45度以外の角度としてもよい。事前に所定の方向に対してある程度の角度がついており、この角度と、検査用パターン及びカメラの相対的な移動方向が分かっていれば、どのような角度又は移動方向としても構わない。
【0051】
また、上述した実施の形態における一連の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータにより、実行可能である。例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行させればよい。
【0052】
また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。また、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
【0053】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0054】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0055】
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0056】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する画像取得部と、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う並列処理部と、を備えた
ノイズ検出装置。
(2)前記並列処理部は、
前記画像から所定の本数だけ隔てて抽出する2本の平行なラインのうち、一方のラインをリファレンスラインとし、他方のラインを検査ラインとする2ライン抽出部と、
傾けられた前記検査用パターンの前記所定の角度と、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの間のライン数に基づいて、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの各画素値のパターンの前記所定の方向におけるズレ量を求めるフィッティング部と、
前記ズレ量により前記各画素値のパターンを合わせて前記リファレンスライン及び前記検査ラインの画素値の差分値を計算する差分計算部と、
前記差分値が閾値以下である場合にノイズが発生していないと判定し、所定の範囲以上にわたって前記閾値より大きい場合にノイズが発生したと判定するノイズ判定部と、を備えた
前記(1)記載のノイズ検出装置。
(3)前記検査用パターン及び前記カメラは前記所定の方向へ相対的に移動し、
並列して配置される複数組みの前記2ライン抽出部、前記フィッティング部、前記差分計算部及び前記ノイズ判定部は、前記2ライン抽出部によって抽出される一組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインが他の組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインと重なり合わないようにしてノイズを検出する
前記(1)又は(2)記載のノイズ検出装置。
(4)前記検査用パターン及び前記カメラが相対的に移動する移動速度は、等速度または正弦波状に可変しながら、一定の範囲を移動する
前記(1)〜(3)のいずれかに記載のノイズ検出装置。
(5)さらに、前記ノイズ判定部が判定したノイズの検出位置をメモリに保存するノイズ位置保存部を備える
前記(1)〜(4)のいずれかに記載のノイズ検出装置。
(6)前記検査用パターンは、自然風景のパターンの特徴を持つ周期性のある斜めのストライプ状であり、前記自然風景のパターンの特徴として、高周波領域、グラデーション領域、明るい同色領域、及び暗い同色領域が含まれる
前記(1)〜(5)のいずれかに記載のノイズ検出装置。
(7)所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得することと、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行うことと、を有する
ノイズ検出方法。
(8)所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する手順、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0057】
1…動画像ノイズ検出装置、2…被検査体、3…パターン動作部、4…検査パネル、5…撮像範囲、6…リファレンスライン、7…検査ライン、10…動画像ノイズ検出システム、11…画像取得部、12…並列処理部、13…ノイズ位置保存部、14…メモリ、15−1〜15−n…2ライン抽出部、16−1〜16−n…フィッティング部、17−1〜17−n…差分計算部、18−1〜18−n…ノイズ判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する画像取得部と、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う並列処理部と、を備えた
ノイズ検出装置。
【請求項2】
前記並列処理部は、
前記画像から所定の本数だけ隔てて抽出する2本の平行なラインのうち、一方のラインをリファレンスラインとし、他方のラインを検査ラインとする2ライン抽出部と、
傾けられた前記検査用パターンの前記所定の角度と、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの間のライン数に基づいて、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの各画素値のパターンの前記所定の方向におけるズレ量を求めるフィッティング部と、
前記ズレ量により前記各画素値のパターンを合わせて前記リファレンスライン及び前記検査ラインの画素値の差分値を計算する差分計算部と、
前記差分値が閾値以下である場合にノイズが発生していないと判定し、所定の範囲以上にわたって前記閾値より大きい場合にノイズが発生したと判定するノイズ判定部と、を備えた
請求項1記載のノイズ検出装置。
【請求項3】
前記検査用パターン及び前記カメラは前記所定の方向へ相対的に移動し、
並列して配置される複数組の前記2ライン抽出部、前記フィッティング部、前記差分計算部及び前記ノイズ判定部は、前記2ライン抽出部によって抽出される一組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインが他の組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインと重なり合わないようにしてノイズを検出する
請求項2記載のノイズ検出装置。
【請求項4】
前記検査用パターン及び前記カメラが相対的に移動する移動速度は、等速度または正弦波状に可変しながら、一定の範囲を移動する
請求項3記載のノイズ検出装置。
【請求項5】
さらに、前記ノイズ判定部が判定したノイズの検出位置をメモリに保存するノイズ位置保存部を備える
請求項4記載のノイズ検出装置。
【請求項6】
前記検査用パターンは、自然風景のパターンの特徴を持つ周期性のある斜めのストライプ状であり、前記自然風景のパターンの特徴として、高周波領域、グラデーション領域、明るい同色領域、及び暗い同色領域が含まれる
請求項5記載のノイズ検出装置。
【請求項7】
所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得することと、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行うことと、を有する
ノイズ検出方法。
【請求項8】
所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する手順、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する画像取得部と、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う並列処理部と、を備えた
ノイズ検出装置。
【請求項2】
前記並列処理部は、
前記画像から所定の本数だけ隔てて抽出する2本の平行なラインのうち、一方のラインをリファレンスラインとし、他方のラインを検査ラインとする2ライン抽出部と、
傾けられた前記検査用パターンの前記所定の角度と、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの間のライン数に基づいて、前記リファレンスライン及び前記検査ラインの各画素値のパターンの前記所定の方向におけるズレ量を求めるフィッティング部と、
前記ズレ量により前記各画素値のパターンを合わせて前記リファレンスライン及び前記検査ラインの画素値の差分値を計算する差分計算部と、
前記差分値が閾値以下である場合にノイズが発生していないと判定し、所定の範囲以上にわたって前記閾値より大きい場合にノイズが発生したと判定するノイズ判定部と、を備えた
請求項1記載のノイズ検出装置。
【請求項3】
前記検査用パターン及び前記カメラは前記所定の方向へ相対的に移動し、
並列して配置される複数組の前記2ライン抽出部、前記フィッティング部、前記差分計算部及び前記ノイズ判定部は、前記2ライン抽出部によって抽出される一組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインが他の組の前記リファレンスライン及び前記検査ラインと重なり合わないようにしてノイズを検出する
請求項2記載のノイズ検出装置。
【請求項4】
前記検査用パターン及び前記カメラが相対的に移動する移動速度は、等速度または正弦波状に可変しながら、一定の範囲を移動する
請求項3記載のノイズ検出装置。
【請求項5】
さらに、前記ノイズ判定部が判定したノイズの検出位置をメモリに保存するノイズ位置保存部を備える
請求項4記載のノイズ検出装置。
【請求項6】
前記検査用パターンは、自然風景のパターンの特徴を持つ周期性のある斜めのストライプ状であり、前記自然風景のパターンの特徴として、高周波領域、グラデーション領域、明るい同色領域、及び暗い同色領域が含まれる
請求項5記載のノイズ検出装置。
【請求項7】
所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得することと、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行うことと、を有する
ノイズ検出方法。
【請求項8】
所定の方向に対して所定の角度に傾けた複数の線からなる検査用パターンを撮像するカメラから画像を取得する手順、
前記画像の所定の方向における2本の平行なラインの画像信号を所定の本数だけ隔てて順次抽出し、前記2本の画像信号から求めた画素値の差分により、前記画像に生じたノイズを検出する処理を前記2本の画像信号毎に並列して行う手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【図7】
【図8】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【図7】
【図8】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−98644(P2013−98644A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237743(P2011−237743)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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