説明

ノズル集束体

【課題】複数の粘性材料を容易に定量的に吐出、混練することができる。
【解決手段】ノズル集束体は、二本以上のノズル10a,10bが略並行に配置されたノズル集束体であり、該集束体の前端部が各ノズルの供出口11a,11bを形成し、該集束体の後端部が各ノズルの吸入口12a,12bを形成しており、各ノズルの吸入口は、各吸引口ノズルに対応した供給口を有するノズル個数に対応した個数の粘着性材料供給器具と接続可能に形成されると共に、該粘着性材料供給具に固定可能に形成されてなり、前記前端部は、開閉手段によって各ノズル供出口を開閉可能に形成され、各ノズルの供出口の内径は3mm以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二本以上の粘性材料供給口を有し、この粘性材料を供給口から容易に混合できる状態に供給口から吐出させることができるノズル集束体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、混合して使用される二種類以上の粘性材料からなるものとして、歯科用材料,シーリング剤,接着剤,毛染剤等が知られている。このような二種類以上の粘性材料は混合することによって化学反応が開始されるので、通常は使用する直前に練和板あるいは混合用の容器内を用いて棒あるいはへら等の混合具を用いて混合する作業が必要である。
【0003】
このような2種類以上の粘性材料を均質に混合する作業には熟練を要する場合が多く、均一に二種類以上の粘性材料が混合されないと、その混合される粘性材料がシーリング剤の場合には内部に気泡が発生したり強度不足になってしまったりし、また接着剤の場合には充分な接着力が得られなかったりし、また毛染剤であれば染ムラが発生するなどの不都合な状況が発生することがあった。
【0004】
また、このような二種類以上の粘性材料は混合すると通常は混合と同時に化学反応が起こり始めるので、二種類以上の粘性材料を混合する作業を素早く行わないと均一な混合物が得られないことがある。そして、この混合作業に時間が掛かってしまうと、混合している作業中に粘性材料が硬化したりして無駄になってしまったり、また慌てて混合することによってミスが生じてしまったりすることがあった。
【0005】
このような混合練和作業は熟練を要すると共に欠陥を招き易い作業であり、例えば、歯科用接着材は高価な材料であるばかりか患者の口腔内に使用するものであるからやり直しを行うような事態は避ける必要がある。このような状況下に、混合して使用される二種類以上の粘性材料の混合を、作業者の手腕に託するのではなく、混合作業者の手腕に拘りなく同一状態に混合連和作業を行うことができるとともに、短時間に簡単に均質な混合物が得られ且つ気泡の巻き込みの虞れもない装置の開発が望まれていた。
【0006】
このような必要性に基づいて例えば特許文献1,2,3にあるような、粘性材料供出器具、つまり、二本以上の粘性材料供給口を有する粘性材料供給器具が開発されてきた。
即ち、上記特許文献1,2,3に開示されている粘性材料供出器具は、複数の各内腔が隔離された略並行に配置されたシリンダを有し、各シリンダの内容物を押し出す各ピストンは結合されていて、容易に同時に押し出し操作可能となっている。そして、各シリンダ出口を1つに合流させる配管構造を有し、かつ、均等に混合される攪拌部材が内部に配された合流攪拌管を有するものである。これは、粘性材料を供出しない際には、前記合流攪拌管を外して、各出口をそれぞれ隔離閉塞するプラグを取り付けることなどにより、暫定的に安定保存可能な状態に保つことができる。
【0007】
しかしながら、前記合流攪拌管では、前記攪拌のために大きな容積が必要とされるため、合流攪拌感に少なからず粘性材料が残留し、有効に利用できないという問題があった。その為、前記合流攪拌管を使用せず、シリンダ出口から直接にダッペンデッシュあるいは練和紙に粘性材料を供出して、ヘラなどで混合作業が行われてきた。
【0008】
しかしながら、前記シリンダ出口は、流動抵抗が大きな前記合流攪拌管に接続して使用することが前提であるため、開口断面積がかなり広く設計されているので、供出量を適切に調節することは困難であった。また、プラグなどは、前記合流攪拌管と同様に本体シリンジとは分離可能な構造であるため、合流攪拌管を安定保存状態に保つためにプラグを取り付ける操作が煩雑であり、また、このプラグが合流攪拌管と一体になっていないばあいには、プラグが紛失しないように注意深く管理する必要もあると言う問題点もあった。
【特許文献1】WO2007/073607号パンフレット
【特許文献2】USP2007/0175921号明細書
【特許文献3】USP2008/0029542号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、合流攪拌管を使用せず、シリンダ出口から直接にダッペンデッシュや練和紙に粘性材料を容易且つ適切に供出して、使用することが可能な器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のノズル集束体は、二本以上のノズルが略並行に配置されたノズル集束体であり、
該集束体の前端部が各ノズルの供出口を形成し、該集束体の後端部が各ノズルの吸入口を形成しており、
各ノズルの吸入口は、各吸引口ノズルに対応した供給口を有するノズル個数に対応した個数の粘性材料供給器具と接続可能に形成されると共に、該粘着性材料供給具に固定可能に形成されてなり、
前記前端部は、開閉手段によって各ノズル供出口を開閉可能に形成され、各ノズルの供出口の内径は3mm以下であることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明のノズル集束体には、上記ノズル集束体の外殻の前端部に設けられた開閉手段が設けられており、この開閉手段がノズル集束体の外殻に対して開閉自在に系合された系合手段に形成された蓋体であることが好ましい。
【0012】
そして、この開閉手段である蓋体を、閉鎖することにより、ノズル集束体の前端部に配置された各ノズルが相互に隔離した位置に固定されるように形成することが好ましい。
さらに、上記前端部に設けられた該開閉手段である蓋体の内面には、外殻に対して周動自在に嵌合されたノズル供出口密着部分が配置されており、該ノズル供出口密着部材が、該蓋体に周動可能に係止されており、かつ、前記密着部分およびこれに固定された部分は、外殻に対して周動可能に接続されている部分を有する。
【0013】
また、上記外殻の下端部近傍に、該ノズル下端部に対して回転自在な係合外殻部が形成されてなり、該各ノズルを所定の粘性材料供給器具と接続されて、前記外殻を回転させることにより、該粘性材料供給器具にノズル集束体が固定可能に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のノズル集束体を用いれば、粘性材料の無駄なくより効率的に、粘性材料供給口を有する二本以上の粘性材料供給器具に充填されている粘性材料を使用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明のノズル集束体について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、本発明のノズル集束体を説明する図面では、周動、開閉などの動作が可能な部分については、見易いように隙間を広めに図解している。
【0016】
図1は、本発明のノズル集束体の一実施例を示す断面図である。
本発明のノズル集束体は、基本的には、図1に二点鎖線Xで示す仮称中心軸に対して、各部材は略回転体形状をなしている。ただし、蓋体20を外殻30に対して開閉自在に設置する回転式蝶番21は例外である。また、各ノズル10a、10bは、ノズル集束体の中心軸ではなくて、それぞれ各ノズルの長軸を中心軸とした回転体形状をなしている。さらに、横断隔壁40、隔壁下台41、内蓋体22は、各ノズルにより構造上挿入されている部分以外は回転体形状をなしている。また、差込翼31は、略扇形であり、完全な回転体形状ではない。
【0017】
図1の態様では、ノズル集束体の外殻30は、付属する差込翼31、回転式蝶番21、及び蓋体20と共に、外殻周動溝51と蓋体周動溝52に沿って、中心軸周りにできる構造となっている。
【0018】
本発明のノズル集束体は、二本以上のノズルが略並行に配置されたノズル集束体である。このノズル集束体を構成するノズルの本数は二本以上であれば、特に制限はないが、図1では、二本のノズル10a、10bを有する態様が例示されている。この例では各ノズルの長軸は実質上並行であるが、必要に応じて、各ノズルの突出口11a、11bがより接近するように少なくとも一方のノズル突出口の方向を曲げたり、ノズル自体を非並行に斜行させてもよい。
【0019】
図1では、ノズル10a、10bは、横断隔壁40を貫通し、隔壁下台41を半ば貫通する形にて配置接合されているが、ノズルの集束形態としてはこれに限定されるものではない。
【0020】
利用の便を考慮すると、各ノズルの突出口は、揃って同じ側に配される必要があり、吸入口についても同様である。即ち、集束体において、揃って各ノズルの突出口が配されている側を集束体の前端部、揃って各ノズルの吸入口が配されている側を集束体の後端部とするものである。
【0021】
また、各ノズルの吸入口は、各ノズルの大きさ、形状、及び配置に適合した二本以上の粘性材料供給口を有する粘性材料供給器具と接続可能であるように配置されている必要がある。その具体的態様は、接続すべき、粘性材料供給器具に対応させて適宜設定を変えるべきものであり、一概に規定することはできない。例えば、吸入口は、粘性材料供給器具と接続させるために、並行に配置されていることが好ましい。
【0022】
また、図1の各ノズルの吸入口12a、12bは、粘性材料供給器具の粘性材料供給口内に挿入されることを前提として、吸入口の外側に先細りのテーパーを設けて、接続しやすいように形成されている。逆に吸入口に粘性材料供給器具の粘性材料供給口を挿入するような場合には、吸入口の内側に広がるようなテーパーを設けると接続しやすい。勿論、粘性材料供給器具の粘性材料供給口にも、それぞれ、対応するテーパーを設けることが好ましい。それらの組み合わされた例を図2の(ア)、(イ)に図示する。
【0023】
即ち、図2の(ア)では、吸入口の外径側の壁にノズル後端へ進むにつれて外径が縮小するテーパーが付されている、外側縮小テーパー吸入口13に対して、前記テーパー角度に対応するように、供給口の内径側の壁に供給口前端へ進むにつれて内径が拡大するテーパーが付されている、内側拡大テーパー供給口Aが組み合わさっている例である。
【0024】
一方、図2の(イ)では、吸入口の内径側の壁にノズル後端へ進むにつれて内径が拡大するテーパーが付されている、内側拡大テーパー吸入口13’に対して、前記テーパー角度に対応するように、供給口の外径側の壁に供給口前端へ進むにつれて外径が縮小するテーパーが付されている、外側縮小テーパー供給口A’ が組み合わさっている例である。
【0025】
本発明のノズル集束体の後端部は、粘性材料供給器具と固定されることが可能である。単に各ノズル吸入口と粘性材料供給器具供給口を挿入することによる、例えば、少なくとも一方の変形による弾性復元力による応力に基づく係合のみで、固定してもよい。この場合、各ノズルにおいて、同様の係合がなされてもよいが、口径の最も大きいノズル吸入口と粘性材料供給器具供給口の組み合わせにのみ、前記の応力が発生し、他の組み合わせについては、単に密着して接続しているだけであって、前記のような応力が実質上発生しなくてもよい。
【0026】
しかしながら、より安定した固定とより自在な脱着を両立して実現するためには、特許文献1〜3に示されている部材に適用されている固定方式などを採用することが好ましい。この固定方式とは、粘性材料供給器具の供給口に合流攪拌管やプラグを接続した後、合流攪拌管やプラグの周動可能に設置した外殻を回すことにより、当該外殻と粘性材料供給器具の係留具同士が係合して固定される、差込周動固定方式である。
【0027】
本発明のノズル集束体の前端部は、開閉手段にて各ノズル突出口を開閉可能である。
各ノズル毎別個に開閉手段を設けてもよいが、実用上から、全ノズルを一括して開け閉めする開閉手段が好ましく、図1では、その例が示されている。即ち、全ノズルを纏めて開閉する蓋体20を有するものである。
【0028】
また、この例では、各ノズルの突出口に当接して閉塞密閉するための蓋体20と、前記蓋体20とノズル集束体前端部近傍とを係合する自在に開閉可能な係合手段を有しているものである。
【0029】
前記係合手段は、単純な振り子運動、回転運動、乃至は、往復運動をガイドする可動部分にて開閉自在であるものが好ましく、この例では、回転式蝶番21により、ノズル集束体の外殻30に、開閉自在に係合されている。なお、前記係合手段は、回転式蝶番に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂の屈曲性を利用した蝶番等(ヒンジキャップのようなもの)であってもよい。
【0030】
さらに蓋体の内側には、各ノズルの内腔を隔離する密閉性をより高めるために、柔軟性を有する素材等からなる内蓋体22を蓋体20の内部には、図1のように、配置することが好ましい。この内蓋体22は、ノズルの突出口の縁部分を底として、外側や内側に向かって厚みを増すような傾斜を有するような形状等のノズル突出口収容凹部23a、23bを形成しておくと、各ノズル内腔間の密閉性が高く、スムーズに開け閉めしやすくなり、また各ノズルの中にある粘性材料と空気とが接触するのを有効に防止することができる。
【0031】
なお、前記差込周動固定方式を用いる場合、ノズル収束体と粘性材料供給器具を接続した際に、各ノズルは固定されて周動しないため、開閉手段によるノズルの突出口の密閉性を保証する工夫が求められる。図1においては、ノズルの突出口に接する密着部分を有する内蓋体22が、蓋体20に対して、周動可能に設計された例を例示してある。
【0032】
そして、内蓋体22のノズル突出口収容凹部23a、23bに各ノズル突出口11a、11bが収容されることによって内蓋体22が固定されても、内蓋体22に対して蓋体20は自在に周動できるので、外殻30とそれに係合された蓋体20は、ノズルの密閉性を損なうことなく、自由に周動可能となる。
【0033】
なお、内蓋体がノズルと接触する側とは反対側の面の少なくとも一部は、蓋体を貫通して外部に露出している形態であってもよい。即ち、図3の(ア)は、内蓋体22’がノズルと接触する側とは反対側の面の一部が、蓋体20を貫通して外部に露出している形態であり、図3の(イ)は、内蓋体22”がノズルと接触する側とは反対側の面が、全面的に外部に露出している形態である。いずれも、返し付嵌め込み式接合を用いた例である。
【0034】
前記接合は、キノコ状の返しを有する凸形状部を、開口部が段差的に狭まった凹形状部位に嵌め込むことを特徴とする接合である。この場合、凸形状部は通常は変形できる程度の柔軟性乃至は弾力性を有している。
【0035】
或いは、蓋体および内蓋体は、図4に示した通りの態様であってもよい。即ち、周動可能な内蓋体を設けず、その代わり、ノズルと同様に周動しない非周動蓋体20’’’を用いる態様である。この場合、開閉手段とは係合していないが自在に周動可能な、開閉手段非係合外殻32、開閉手段と係合していて固定されている、非周動外殻30’を有する形態である。この場合、周動性の開閉手段非係合外殻32を把持して回すために、外殻周動用把持部32を有することが好ましい。また、図4に図示された態様では、蓋体を横方向にスライドする開閉方式も採用することができる。この場合、蓋体と本体はガイドレールにて、前記スライド運動がガイドされ、ストッパーを設けておいて、スライドした蓋体の脱落を防止することが可能である。前記ガイドレールは、各ノズルが存する領域を分離することができ、必要に応じて、垂直な隔壁を設けることにより、二本を超えるノズルがある場合にも対応可能である。
【0036】
本発明のノズル集束体の各ノズルの突出口の内径は3mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは、2mm以下である。前記上限値を上回ると、粘性材料の分量を細かく調節することが困難となり、また、液垂れ等による粘性材料の損失や周辺の汚損の虞がある。また、外気の酸素あるいは湿度が侵入しやすくなることによる粘性材料成分の品質劣化の危険性も増加する。一方、各ノズルの突出口の内径の下限値については、粘性材料の特性により、様々であり、一概に限定できるものではないが、粘度が高かったり、フィラーなどが含有されている場合は、排出抵抗が高くなりすぎたり、目詰まりする虞があるので、好ましくは、0.4mm以上、好ましくは0.6mm以上、更に好ましくは、0.9mm以上である。図1、図3等では、各ノズルの突出口は外径内径共に先細りの形状に図示しているが、前記内径の範囲内となるのならば、何らこれに限定されるものではなく、少なくとも一方が、ストレートであっても良い。なお、各ノズルの形状は内腔を長軸に垂直な平面で切った断面が略円形であることが好ましいが、何らこれに限定されるものではない。また、この断面が円形以外の形状である場合の内径の定義は、前記非円形断面を等面積的に円形に変形した際のその円の直径を持って内径とするものである。
【0037】
本発明のノズル集束体と、当該各ノズルの吸入口の大きさ、形状、及び配置に適合した、二本以上の粘性材料供給口を有する粘性材料供給器具との接続について、本発明のノズル集束体については図1に例示した態様のものを使用し、粘性材料供給器具としてMIXPAC社製DoubleSyringe,5ml,4:1,PP-R(以下、ダブルシリンジという)を例にして、図5に示すが、本発明は、この図5を用いた説明によって限定されるものではない。
【0038】
本発明のノズル集束体を使用する基本的操作は、MIXPAC社製Mixier,DN2.5x12,4:1/10:1あるいはCap,1:1,PEを接続する操作と何ら変わらず、これらに代えて、本発明のノズル集束体を粘性材料供給器具であるダブルシリンジに接続する。
【0039】
図5の(ア)は、本発明のノズル集束体を前端部から見た図であり、左右に差込翼31a、31bがある。そして、それぞれ、反時計回りの順で、始端には差込爪導入切込31a、31b、終端には差込爪係留突起31a、31bがある。
【0040】
また、下方には回転式蝶番21が配置されている。なお、この方向からは実際には見えないが、点線で示した透視図にて、吸入口12a、12bが図示されている。一方、図5の(イ)は粘性材料供給器具であるダブルシリンジを供給口側から見た概略図であり、小さい方の供給口Aaと大きい方の供給口Ab、及びそれぞれの外側に、差込爪Ba、Bbがあり、これらは、差込台Cの直径方向に一列に配置されている。
【0041】
図5の(ウ)は、(ア)の本発明のノズル集束体を回転式蝶番のある側を正面にして見た図である。
一方、図5の(エ)は、(イ)の粘性材料供給器具を、その小さな差込爪Baのある側を正面にして見た図である。差込台C下部の正面には、小さい方のシリンジDaが、その背後には大きい方のシリンジDbがある。
【0042】
大小の差込爪Ba、Bbは何れも、差込爪上部Ba1、Bb1と差込爪下部Ba2、Bb2があり、差込爪上部に対して、差込爪下部は差込台放射方向外側に剔れた形状をしており、前記差込爪上部と差込台の間の前記差込爪下部の剔れた空間にて差込翼が挟まれる設計となっている。
【0043】
(エ)の粘性材料供給器具を(ウ)に示された矢印の通りに、(ウ)の本発明のノズル集束体に差し込み、粘性材料供給器具の手前を右に回せば、差込爪上部は、差込爪導入切込から、差込翼上端に滑り込むように周動して差し込まれ,差込爪係留突起にて止まる。
【0044】
図5の(オ)はこうして、接続固定された状態を図示しているものである。
この場合では、従来の例と同様に、本発明のノズル集束体の外殻30と粘性材料供給器具の差込爪外側乃至はシリンジをそれぞれ把持して、捻れば容易に接続固定できるものである。
【0045】
なお、図示しないが、図4に示した方の本発明の別の態様では、本発明のノズル集束体の非周動外殻33は、ノズルが接続された状態では、粘性材料供給器具に対して固定されて周動できないので、下部の開閉手段非係合外殻30’、実際には、外殻周動用把持部32を把持して、回す必要がある。
【0046】
即ち、図1に例示した態様では、外殻全体が周動可能に設計されているので、回し易いものである。一方、図4に例示した態様では、内蓋体とノズルとの間に周動時の応力が掛からないので、内蓋体が損壊する等の虞がない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、種類の異なる複数の粘性材料を個別に内包する粘性材料供給器具から、それぞれの粘性材料をノズル径に対応させて定量的に隣接して吐出させることができ、こうして吐出された粘性材料をその場で混練することにより、硬化反応可能な混合物を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明に係るノズル集束体の1実施例の断面説明図である。
【図2】図2は、本発明に係るノズル集束体のノズル吸入口形状と対応した粘性材料供給器具供給口の組み合わせの各態様の断面説明図である。
【図3】図3は、本発明に係るノズル集束体の別の実施例の断面説明図である。
【図4】図4は、本発明に係るノズル集束体の別の実施例の断面説明図である。
【図5】図5は、上記図1に示すノズル集束体とそれに対応した粘性材料供給器具との接続を説明するための上面図と正面図である。
【符号の説明】
【0049】
10a:小ノズル
10b:大ノズル
11a:小ノズルの突出口
11b:大ノズルの突出口
12a:小ノズルの吸入口
12b:大ノズルの吸入口
13a:小ノズルの内腔
13b:大ノズルの内腔
13:外側縮小テーパー吸入口
13’:内側拡大テーパー吸入口
20:蓋体
20’:蓋体(一部貫通)
20’’:蓋体(全面露出)
20’’’:非周動蓋体
21:回転式蝶番
22:内蓋体
22’:内蓋体(一部貫通)
22’’:内蓋体(全面露出)
23a:小ノズル突出口収容凹部
23b:大ノズル突出口収容凹部
30:外殻
30’:非周動外殻
31:差込翼
31a:差込翼
31b:差込翼
31a:差込爪導入切込
31a:差込爪係留突起
31b:差込爪導入切込
31b:差込爪係留突起
32:開閉手段非係合外殻
32:外殻周動用把持部
40:横断隔壁
41:隔壁下台
51:外殻周動溝
52:蓋体周動溝
52’:蓋体周動溝
52’’:蓋体周動溝
A:内側拡大テーパー供給口
A’:外側縮小テーパー供給口
Aa:小さい方の供給口
Ab:大きい方の供給口
Ba:小差込爪
Bb:大差込爪
Ba1:小差込爪上部
Ba2:小差込爪下部
Bb1:大差込爪上部
Bb2:大差込爪下部
C:差込台
Da:小シリンジ
Db:大シリンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本以上のノズルが略並行に配置されたノズル集束体であり、
該集束体の前端部が各ノズルの供出口を形成し、該集束体の後端部が各ノズルの吸入口を形成しており、
各ノズルの吸入口は、各吸引口ノズルに対応した供給口を有するノズル個数に対応した個数の粘性材料供給器具と接続可能に形成されると共に、該粘着性材料供給具に固定可能に形成されてなり、
前記前端部は、開閉手段によって各ノズル供出口を開閉可能に形成され、各ノズルの供出口の内径は3mm以下であることを特徴とするノズル集束体。
【請求項2】
上記前端部に設けられた該開閉手段が、外殻に対して開閉自在に系合された系合手段に形成された蓋体であることを特徴とする請求項1に記載のノズル集束体。
【請求項3】
上記前端部に設けられた該開閉手段である蓋体の内面には、外殻に対して周動自在に嵌合されノズル供出口密着部分が配置されており、該ノズル供出口密着部材が、該蓋体に周動可能に係止されており、かつ、前記密着部分およびこれに固定された部分は、外殻に対して周動可能に接続されている部分を有することを特徴とする請求項第2項記載のノズル集束体。
【請求項4】
各ノズルの突出口に接する密着部分を有し、かつ、外殻の少なくとも一部は前記密着部と周動可能に接続されている周動外殻であることを特徴とする請求項第1項乃至第3項のいずれかの項記載のノズル集束体。
【請求項5】
上記密着部分は、上記蓋体に対して周動自在に嵌合されていることを特徴とする請求項第4項記載のノズル集束体。
【請求項6】
少なくとも上記密着部分、蓋体、および係合手段をう組む部分に対して、前記周動外殻は周動自在に嵌合されていることを特徴とする請求項第4項記載のノズル集束体。
【請求項7】
上記外殻の下端部近傍に、該ノズル下端部に対して回転自在な係合外殻部が形成されてなり、該各ノズルを所定の粘性材料供給器具と接続されて、前記外殻を回転させることにより、該粘性材料供給器具にノズル集束体が固定可能に形成されていることを特徴とする請求項1項記載のノズル集束体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−248046(P2009−248046A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101747(P2008−101747)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(592093578)サンメディカル株式会社 (61)
【Fターム(参考)】