説明

ノック式筆記具

【課題】ノック操作によりリフィールを出没させるよう略ハート型カムのカム溝とカム溝に係合するストッパー有し、このストッパーをクリップに形成したノック式筆記具において、操作中にストッパーがカム溝から外れてもノック部材の回転動や前後動が阻害されされることのないノック式筆記具を提供する。
【解決手段】リフィール2を収納した軸筒1内にリフィール2を繰り出すためのプッシャー18とノック17を設ける。軸筒にはクリップ7が有り、クリップには軸筒内に突出するストッパー12が設けられている。プッシャー18にはカム筒36が回転可能に取り付けられ、このカム筒には、上記ストッパーの先端が入り込むカム溝37が形成されている。カム溝は、前進溝部38と受溝部39と後退溝部40と収納溝部41と保持溝部45が形成されている。ノック操作中にカム溝から外れたストッパー12の先端は、保持溝部45に入り込み、収納溝部41に案内される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノック操作により筆記先端を出没させるようにしたノック式筆記具に関し、特にクリップを操作しても筆記先端を軸筒内に収納できるようにしたノック式筆記具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノック式筆記具として、直線運動を回転運動に変換するカム機構を介してノック操作によりリフィール(筆記体)を筆記位置に突出させたり、収納位置に後退させたりする筆記具が広く知られている。また、通常はノック操作でリフィールを進退させるが、ノック操作によらないで、クリップを操作することによっても、リフィールを後退させることができるようにした筆記具も知られている(例えば、特許文献1参照)。このような筆記具、例えば特許文献1に記載の筆記具では、軸筒の尾端開口から突出するノック部材の外周面にいわゆるハート型のカム溝を設け、このカム溝にクリップの押圧子に形成した係止突起を嵌め込んでいる。このカム溝は、略ハート型をした上昇路と下降路、および上昇路と下降路の下方の交点から下方に延びる直線状の上下動路からなり、上昇路と下降路の上方交点の凹状部が係止部となっている(特許文献1 段落0009、図2)。そして、ノック部材をノックすると係止突起はカム溝の上昇路、下降路に沿って相対的に移動して、リフィールを出没させることができ、また、クリップの先端を持ち上げると、係止突起がカム溝の係止部から外れてノック部材が後退し、リフィールを没入させることができる。このようにして係止突起とノック部材は、特許文献1の図2に記載のように相対的に移動するが、実際には、クリップは押圧子が軸筒の外面に圧着するよう基端が軸筒に固定されているから、ノック部材が前後動すると共に周方向に回転している。
【0003】
上記のような構成の筆記具において、係止突起がクリップのばね圧によりカム溝に強く圧接していると、ノック部材の回転抵抗になり、ノック部材を操作したときスムーズに作動せず、操作がしにくくなる。一方、ノック部材が自由に回転するよう係止突起が軽くカム溝に接する程度に嵌り込むように構成すると、操作の途中で係止突起がカム溝から外れ易くなったり、クリップの先端を持ち上げてノック部材が後退するとき、ノック部材が勝手に回転してカム溝が係止突起の対向位置から外れ、係止突起がノック部材の外周面に乗り上げるおそれがある。そのような事態が生じると、ノック部材の動きを係止突起が押えつけることになるから、ノック部材の回転動や前後動が阻害され、またカム溝による案内がなくなるので、その後はノック操作してもリフィールを出没させることができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−240487号公報(特許請求の範囲、段落0009、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、ノック操作によりリフィールを出没させると共にクリップを持ち上げたときリフィールを没入できるようにしたノック式筆記具において、ノック操作を軽くでき、しかもクリップに設けたストッパー(係止突起)がカム溝から外れても円滑に操作できるようにしたノック式筆記具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、軸筒内にリフィールを収納し軸筒の後方に向けて付勢されているノック部材を前後動させてリフィールの先端を軸筒の先端から出没させるようにした筆記具において、軸筒に設けたクリップの内面にストッパーを形成し、該ストッパーの先端が入り込むよう外周にカム溝を形成したカム筒をノック部材の外周に回転可能に設け、上記カム溝は、ノック部材が前進するときストッパーの先端が通る前進溝部と、リフィールの先端が筆記位置まで突出したときストッパーの先端が係合する受溝部と、ノック部材が後退するときストッパーが通る後退溝部と、リフィールの先端が軸筒内に収納される位置までノック部材が後退したときストッパーの先端が入る収納溝部を有し、該収納溝部の周方向にはストッパーの先端が上記前進溝部、受溝部及び後退溝部から外れノック部材が後退したとき上記ストッパーの先端が入り込む保持溝部が形成されていることを特徴とするノック式筆記具が提供され、上記課題が解決される。
【0007】
また、本発明によれば、上記記ストッパーはクリップの先端に形成した押圧子とクリップの基端間に設けられ、ストッパーの先端とカム溝の底部間には空間が形成され、上記保持溝部にはストッパーの先端を上記収納溝部に向けて案内する傾斜面が形成されている上記ノック式筆記具が提供される。
【0008】
また、本発明において、上記ノック部材と上記カム筒のいずれか一方の部材には周方向に広がり周方向の両端に係止縁を有する回転制御溝が形成され、他方の部材には該回転制御溝内に突出し上記係止縁に当接可能な案内突起が設けられている上記ノック式筆記具が提供される。また、上記ノック部材は、好ましくは、軸筒の後端から突出するノックと該ノックに連結されるプッシャーを含み、上記カム筒は該プッシャーの外周に遊嵌されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、クリップの内面にストッパーを形成し、該ストッパーの先端が入り込むよう外周にカム溝を形成したカム筒をノック部材の外周に回転可能に設け、上記カム溝は、ノック部材が前進するときストッパーの先端が通る前進溝部と、リフィールの先端が筆記位置まで突出したときストッパーの先端が係合する受溝部と、ノック部材が後退するときストッパーが通る後退溝部と、リフィールの先端が軸筒内に収納される位置までノック部材が後退したときストッパーの先端が入る収納溝部を有し、該収納溝部の周方向にストッパーの先端が上記前進溝部、受溝部及び後退溝部から外れノック部材が後退したとき上記ストッパーの先端が入り込む保持溝部を形成したので、ノック操作により通常のようにリフィールを軸筒の先端から出没させることができると共に、筆記位置にリフィールがあるときクリップを持ち上げればストッパーの先端がカム溝から外れてノック部材を後退させリフィールの先端を軸筒内に収納することができる。そして操作の途中でストッパーがカム溝から外れてノック部材が後退するようなことがあっても、該ストッパーの先端はノック部材の外周に乗り上げずに収納溝部の周方向に形成した上記保持溝部に入り込む。したがって、ノック操作すればストッパーには収納溝部を通って前進溝部から受溝部が対応するから、以下通常のようにリフィールを出没させて使用することができる。
【0010】
また、上記ストッパーをクリップの先端に形成した押圧子とクリップの基端間に設け、ストッパーの先端とカム溝の底部間に空間を形成するように構成すると、カム筒の回転がクリップのばね圧で拘束されることがなく、カム筒をスムーズに回転させることができ、その上、上記保持溝部にストッパーの先端を上記収納溝部に向けて案内する傾斜面を形成すると、ストッパーの先端にはノック操作により収納溝部から前進溝部が容易に対応し、カム筒を極めて円滑に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示し、(A)はリフィールの先端が軸筒内に没入している状態の断面図、(B)はストッパーとカム溝の説明図。
【図2】クリップホルダーの断面図。
【図3】プッシャーを示し、(A)は底面図、(B)は断面図、(C)は一部の平面図。
【図4】ノックを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は断面図。
【図5】カム筒を示し、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)はリフィールの先端を軸筒内に収納した状態のプッシャーとカム筒の説明図、(D)及び(E)はカム筒が時計方向及び反時計方向に回転した状態の説明図。クリップを押圧した状態の側面図。
【図6】図1に示す状態でノック操作をしたときの状態を示し、(A)は断面図、(B)はストッパーとカム溝の説明図。
【図7】図6の状態からノック操作を止めたときの状態を示し、(A)は断面図、(B)はストッパーとカム溝の説明図。
【図8】図7に示す状態からノック操作をしたときの状態を示し、(A)は断面図、(B)はストッパーとカム溝の説明図。
【図9】図7に示す状態でクリップを持ち上げた状態を示し、(A)は断面図、(B)はストッパーとカム溝の説明図。
【図10】カム溝とストッパーの関係を示す展開図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の筆記具の一実施例を示し、軸筒1は先端にリフィール2を出没させる先端孔3を有するテーパー4を具備し、内部には上記リフィール2を保持するリフィールホルダー5が設けられ、該リフィールホルダー5はリフィールばね6により後方に付勢されている。
【0013】
上記軸筒の後部には、クリップ7が設けられている。該クリップは種々に構成することができるが、図1に示す実施例では、先端に押圧子8を有し、基端をクリップホルダー9に設けた枢軸15に枢着してある。該クリップホルダー9は、軸筒の後部に設けた取付孔に係止爪等の取付構造部を挿入掛止して固定され、略S字状のクリップばね10で上記押圧子8が軸筒1の外周に弾性的に接する方向に付勢されており、後端に形成した押圧部11を押すことにより上記押圧子8が軸筒1から離れる方向に回転する。上記押圧子8と基端間のクリップ7の内面には、ストッパー12が突出しており、その先端は、軸筒に形成した挿通孔13を通して軸筒1内に入り込んでいる。なお、軸筒内に存する上記クリップホルダー9の先端には、前方に延びる当接片14が形成されている(図2参照)。この当接片14は、上記挿通孔13を塞がないよう該挿通孔13の周方向の側方に位置している。
【0014】
上記リフィールホルダー5の後方には、上記リフィール1を前方(テーパー4方向)に移動させるためのノック部材16が設けられている。該ノック部材16は、上記リフィールホルダーに連絡する一つの略棒状の部材で構成してもよいが、図に示す実施例では、軸筒1の後端から突出するノック17と、該ノック17に連結されるプッシャー18を具備している。該プッシャー18は軸筒内に固定したプッシャーホルダー19に長手方向に前後動可能に挿通されている。該プッシャーの先端には先部片20が設けられ、該先部片20を上記リフィールホルダー5と一体的に形成した受板21の前方に位置させた状態で該受板21に挿通し、上記プッシャーホルダー19と上記プッシャー18に形成したフランジ22間に装着したプッシャーばね23によりプッシャー18は後方に付勢されている。上記受板21とプッシャー18の連結は、プッシャー18が前進するときには、上記プッシャーの先部片20がリフィールホルダー5の後端に当って該リフィールホルダー5を介してリフィール2を前進させることができ、プッシャー18が後退するときは、該プッシャーの先部片20が上記受板21に当ると共にリフィールホルダー5及びリフィール2を上記リフィールばね6及びプッシャーばね23の作用で後退させることができように移動可能に連結してある。 なお、プッシャーの先端と上記リフィールホルダーを不動状態に連結したり、リフィールを直接プッシャーに連結してもよい。
【0015】
上記プッシャー18は、図3に示すように通孔24を有する筒状に形成され、先端から上記フランジ22間には、外周にリブ25が設けられ、該フランジの後方には、後端側に向かって傾斜する係止突起26が複数形成され、該係止突起26間にはプッシャーの径方向の撓みを許容するための長溝27が設けられている。また、外周には小さな隆起条28や周方向に拡がり周方向の両端に係止縁29を形成した回転制御溝30が設けられている。
【0016】
上記プッシャー18に連結される上記ノック17は、図4に示すように、一端に端板31を有する筒状体に形成されている。そして、その内部にはプッシャー18の後端から通孔24内に挿入される軸部22が有り、上記端板31から前方に向かって軸筒1にほぼ内接する内接筒部33が形成され、該内接筒部33には上記クリップホルダー9の係止爪等の取付構造部やストッパー12が入り込む開口部34が形成されている。そして、該ノック17は、上記端板31がプッシャーの後端に当る位置までノック操作により前進可能であり、さらに押し続けることにより、プッシャー18をプッシャーばね23、リフィールばね6に抗して前進させることができる。ノック操作を止めると、ノック17は軸部32とプッシャー18の内段部間に設けたノックばね35により上記開口部34の前縁部が上記クリップホルダー9の当接部14に当る位置まで後退する。
【0017】
上記ノック部材16、図に示す実施例では、プッシャー18の外周には回転可能にカム筒36が装着されている。該カム筒36は、図5に示すように、上記プッシャー18の後端を径方向に撓ませながら上記係止突起26を超えてフランジ22に当る位置まで挿入され、該フランジ22と係止突起26で抜け止めされている。該カム筒36の外周には上記ストッパー12の先端が入り込むようカム溝37が形成されている。該カム溝37は、図5(A)に示すように、ノック部材が前進するときストッパー12の先端が通る前進溝部38と、リフィール2の先端が筆記位置まで突出したときストッパー12の先端が係合する受溝部39と、ノック部材が後退するときストッパー12が通る後退溝部40と、リフィールの先端が軸筒内に収納される位置までノック部材が後退したときストッパー12の先端が入る収納溝部41を有し、上記受溝部39には係止壁42と二つの傾斜壁43、44が形成され、全体が略ハート型に形成されている。そして、上記収納溝部41に続いて、ストッパーの先端が上記前進溝部38、受溝部39及び後退溝部40から外れノック部材が後退したとき上記ストッパー12の先端を受け入れるよう保持溝部45が該収納溝部41の周方向に形成されている。この保持溝部45の周方向の幅bは、少なくとも上記前進溝部38を形成するカム溝の壁38aから後退溝部40を形成するカム溝の壁40aまでの間隔(幅)と同じ若しくはそれ以上の間隔を具備し、また上記ストッパー12の先端を上記収納溝部41に向けて案内する傾斜面(傾斜壁)46が設けられている。
【0018】
上記カム筒36とノック部材16の間には、上記前進溝部、受溝部及び後退溝部の範囲内でカム筒が回転するようカム筒の回転範囲を規制する回転規制手段を設けることが好ましい。このような回転規制手段は適宜に構成することができるが、図に示す実施例では回転制御溝と案内突起により回転規制手段を構成してある。すなわち、上記ノック部材と上記カム筒のいずれか一方の部材、図においてはプッシャー18には上記のように周方向に広がり周方向の両端に係止縁29を有する回転制御溝30が形成されている。他方の部材、図においてはカム筒36には、図5(B)に示すように一部を略コ字状に切り欠くと共に長片状の案内片47を形成し、その先端に上記回転制御溝30内に突出し上記係止縁29に当接可能な案内突起48を設けてある。この構成により、カム筒は図5(C)、(D)、(E)に示すように回転範囲が規制される。なお、図示する実施例と反対に、プッシャー18側に案内突起を設けカム筒36に回転制御溝を形成してもよい。
【0019】
上記ストッパー12の先端は、上記カム溝37を形成する壁に係合し、筆圧に耐えるに十分な長さカム溝に入り込んでいればよい。そして、この時、ストッパーの先端は、好ましくは図に示すように、カム溝37の底部に接しないよう底部との間に微小空間が形成される長さにしてある。このような空間は、クリップの押圧子8を軸筒1の外面に当接させることにより容易に確保することができる。このように構成すると、クリップの弾性作用で上記カム筒の回転が妨げられることがなく、ノック操作によりスムーズにリフィールを出没させることができる。
【0020】
上記の構成により、図1に示すようにリフィールが軸筒内に没入している状態からノック操作によりノック部材16、実施例においてはノック17とプッシャー18を、上記各ばね6、23、35に抗して前進させると、カム筒は回転しながら前進して収納溝部41から前進溝部38がストッパー12の先端に対応し、受溝部39がストッパー12の先端に対応する位置まで進むとカム溝の傾斜壁43がストッパー12の先端に当たると共にリフィール2の筆記先端は軸筒のテーパー4から突出する(図6)。そこでノック操作を止めると該ノック17はノックばね35により後退し、プッシャー18はリフィールばね6とプッシャーばね23の作用により少し後退するから、ストッパー12の先端は受溝部39の係止壁42に係止され、リフィール2を突出位置に保持して筆記することができる(図7)。この状態から、上記ノック17を押圧すると、カム溝は傾斜壁44を介して後退溝部40がストッパー12に対応する(図8)から、ノック操作を止めればノックばね35の作用でノック17は後退し、プッシャーばね23およびリフィールばね6の作用でプッシャー18およびリフィールホルダー5も後退するから、図1に示すように、リフィール2の先端は軸筒内没入し、ストッパーの先端には収納溝部が入り込む。
【0021】
また、図9に示すように、上記のようにストッパー12の先端が受溝部39の係止壁42に係合し、リフィールの先端が軸筒から突出しているとき、クリップ7の押圧部11を押してクリップの先端を持ち上げると、上記ストッパー12の先端はカム溝37から外れるから、ノック部材16はリフィールばね6、プッシャーばね23の作用で後退し、上記押圧部の押圧を止めるとストッパーは収納溝部に入り込み、リフィールホルダー5も後退してリフィール2の先端は軸筒内に没入する。
【0022】
そして、図10に示すように、上記カム筒とストッパーがどのような対応位置でストッパーの先端からカム溝が外れてカム筒(ノック部材)が後退しても、上記収納溝部41の周方向には保持溝部45が形成されているから、ノック部材が後退位置まで戻ったとき、ストッパー12の先端に保持溝部45が確実に対応し、該ストッパー12の先端は該保持溝部45に入り込む。したがって、次にノック部材をノック操作すれば収納溝部41を通って前進溝部38がストッパー12の先端に対応し、以下上述のようにしてリフィールを出没させることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 軸筒
2 リフィール
7 クリップ
12 ストッパー
16 ノック部材
17 ノック
18 プッシャー
36 カム筒
37 カム溝
38 前進溝部
39 受溝部
40 後退溝部
41 収納溝部
45 保持溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒内にリフィールを収納し軸筒の後方に向けて付勢されているノック部材を前後動させてリフィールの先端を軸筒の先端から出没させるようにした筆記具において、軸筒に設けたクリップの内面にストッパーを形成し、該ストッパーの先端が入り込むよう外周にカム溝を形成したカム筒をノック部材の外周に回転可能に設け、上記カム溝は、ノック部材が前進するときストッパーの先端が通る前進溝部と、リフィールの先端が筆記位置まで突出したときストッパーの先端が係合する受溝部と、ノック部材が後退するときストッパーが通る後退溝部と、リフィールの先端が軸筒内に収納される位置までノック部材が後退したときストッパーの先端が入る収納溝部を有し、該収納溝部の周方向にはストッパーの先端が上記前進溝部、受溝部及び後退溝部から外れノック部材が後退したとき上記ストッパーの先端が入り込む保持溝部が形成されていることを特徴とするノック式筆記具。
【請求項2】
上記ストッパーはクリップの先端に形成した押圧子とクリップの基端間に設けられ、ストッパーの先端とカム溝の底部間には空間が形成されている請求項1に記載のノック式筆記具。
【請求項3】
上記保持溝部にはストッパーの先端を上記収納溝部に向けて案内する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のノック式筆記具。
【請求項4】
上記ノック部材と上記カム筒のいずれか一方の部材には周方向に広がり周方向の両端に係止縁を有する回転制御溝が形成され、他方の部材には該回転制御溝内に突出し上記係止縁に当接可能な案内突起が設けられている請求項1から3のいずれかに記載のノック式筆記具。
【請求項5】
上記ノック部材は軸筒の後端から突出するノックと該ノックに連結されるプッシャーを含み、上記カム筒は該プッシャーの外周に遊嵌されている請求項1から4のいずれかに記載のノック式筆記具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−93184(P2011−93184A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248599(P2009−248599)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(392005126)ミクロ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】