説明

ノード、制御装置及び通信システム

【課題】 ユーザデータを通信するデータプレーンと、データ転送装置を管理する制御プレーンを異なる媒体で構成するネットワークにおいて、制御プレーンにのみ障害が発生したときに、データ転送中のデータプレーンのパス切断を防ぐこと。
【解決手段】 制御プレーンのGMPLS制御装置が隣接ノードとのリフレッシュタイムアウトを検出したときに(101)、障害制御装置に対応する伝送装置の障害有無を調べ(102)、障害が制御プレーンに限定される場合には、パス状態を維持し(103)、伝送装置のリソース解放を行なわずに、隣接ノードとのリフレッシュメッセージの交換を継続する(104〜107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノード、制御装置及び通信システムに係り、特に、ユーザデータを転送するデータプレーンと、データ転送装置を管理する制御プレーンを異なる媒体で構成するネットワークにおける、データ転送・パス制御等を行うためのノード、制御装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年ブロードバンドアクセス網の高速化に伴い、基幹ネットワークの大容量伝送を実現するために、光伝送技術の開発が進んでいる。GMPLS(Generalized Multi−Protocol Label Switching)は、従来のMPLSのラベルスイッチング技術を光波長スイッチにも拡大したもので、PSC(Packet Switch Capable)、 L2SC(Layer 2 Switch
Capable)、 LSC(Lambda Switch Capable)、
FSC(Fiber Switch Capable)などの異なるスイッチング技術を採用している伝送装置を共通の制御プロトコルで管理する為のフレームワークであり、ユーザデータを転送するデータプレーンと、データ転送装置を管理する制御プレーンとで構成される。データプレーンと制御プレーンは、論理的に分離され、異なる物理媒体で構成することができる。
【0003】
従来技術として、GMPLSでパスを制御するために使用するシグナリングプロトコルのひとつとして、RSVP−TE(Resource ReSerVation Protocol−Traffic Engineering)がある(非特許文献1参照)。RSVP―TEは、パスを確立したい経路に沿って、パスの始点・終端、経路、スイッチ種別、帯域などの属性情報を保持したPathメッセージを伝播することによって、リソース予約を行い、LSP(Label Switched Path)を確立する。また、LSPを維持するために、制御プレーンの隣接ノード間で一定時間間隔でリフレッシュメッセージを交換する。(非特許文献2参照)
また、GMPLS制御プレーンで障害が発生したときの障害回復方法として、制御装置が再起動して障害前のパス状態を失っても、制御装置が再起動したときに、制御すべきパス状態を隣接ノードから取得して、パス情報を回復することができるグレースフルリスタート方式が提案されている(非特許文献3参照)。
特許文献1では、データプレーンと制御プレーンの状態を監視するために、RSVP−TEでLSPを設定したときに、制御プレーン装置がデータプレーンの経路状態を取得して、GMPLSネットワークの外部のネットワーク管理システムに対して通知する方法が示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】L. Berger, et al.: IETF RFC3473、「Generalized Multi−Protocol Label Switching (GMPLS) Signaling Resource ReserVation Protocol−Traffic Engineering (RSVP−TE) Extensions」, January 2003 p1−42
【非特許文献2】R. Braden, et al.: IETF RFC2205、「Resource ReSerVation Protocol(RSVP)―― Version 1 Functional Specification」、September 1997 p1−112
【非特許文献3】A. Satyanarayana , et al.:RFC5063, 「Extensions to GMPLS Resource Reservation Protocol (RSVP) Graceful Restart」,October 2007 p1−24
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−66989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
制御プレーンとデータプレーンを異なる媒体で構成するネットワークにおいて、すでに確立済みのパスにデータが転送されているときに、制御プレーンに限定される障害によって、データ転送中のデータプレーンを切断することは、ネットワークの信頼性を損ねる結果になる可能性が想定される。
従来技術のように、制御プレーン装置とデータプレーン装置の経路状態を常に一致させる方法では、制御プレーンのみに生じた障害の際に対応できないという課題があった。
また、特許文献1では、制御プレーンとデータプレーンでの状態不一致を検知することができるが、制御プレーンの障害時に必ずしもパス状態を保証することはできない。
以下に、本発明が解決しようとする課題について、詳細に説明する。
GMPLS制御するネットワークにおいて、通信パスを確立するためのシグナリングプロトコルRSVP−TEでは、一定時間単位に隣接ノード間でパスメッセージを交換することによって、パスの状態を維持するソフトステート管理を行なう。このパスメッセージを交換する一定時間単位をリフレッシュタイムと呼び、各隣接ノード間では、リフレッシュタイム毎にリフレッシュメッセージを交換して、パスの状態を維持している。
リフレッシュタイムを過ぎてメッセージが受信されないときは、隣接ノードの異常として検知することができる。リフレッシュタイムを過ぎる(以下、リフレッシュタイムアウトと記す。)と、ノードはリソースを解放して、パスを切断することによって、無期限にリソースを確保し続けることなく、リソースを有効に使うことができるし、障害機器の切り離しに役立つ。
パスを管理するシグナリングに使用する制御プレーンと、データが通過するデータプレーンを、同じ媒体で構成するときには、リフレッシュタイムアウトの発生は、障害の切り離しとして有効である。
一方、光伝送装置の制御のため、制御プレーンとデータプレーンを異なる媒体で構成するとき、すでに確立済みのデータプレーンにデータが転送されているときに、制御プレーンに限定される障害によって、データ転送中のデータプレーンを切断することは、ネットワークの信頼性を損ねる結果になる可能性が想定される。
【0007】
つぎに、図31、図3、図4を用いて、GMPLSネットワークのRSVPソフトステート状態管理における課題を説明する。
図31は、GMPLSで制御するネットワーク装置の構成図である。
本ネットワーク装置は、例えば、ノードA3101、B3102、C3103、D3104、E3105と、ネットワーク311と、データ転送路312を備える。
伝送装置A3121、伝送装置B3122、伝送装置C3123、伝送装置D3124、伝送装置E3125の5台の伝送装置でネットワークを構成するとき、それぞれの伝送装置のクロスコネクトを制御するGMPLS制御部3111、3112、3113、3114、3115が1対1に対応する。伝送装置1台とGMPLS制御部1台で1ノードを形成し、それぞれ、ノードA3101、ノードB3102、ノードC3103、ノードD3104、ノードE3105とする。GMPLS制御部部分3111、3112、3113、3114、3115、およびネットワーク311を制御プレーン、伝送装置部分3121、3122、3123、3124、3125およびデータ転送路312をデータプレーンと呼ぶ。
【0008】
図3は、RSVPリフレッシュメッセージによる状態維持を示したメッセージシーケンス図である。
ノードA201から、ノードB202、ノードC203、ノードD204を通って、ノードE205に到達するパスを確立するときには、例えば、経路に沿ってGMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215間にPathメッセージ31a、31b、31c、31dを伝播し、リソースを予約してResvメッセージ32e、32d、32c、32bを反対方向に伝播することによってLSP(Label Switched Path)34を確立する。
GMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215は、Resvメッセージで予約したリソース情報をもとに、それぞれ対応する伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225にインタフェース情報を設定する。これを制御プレーン・データプレーン状態同期(C−D間状態同期と記す)33a、33b、33c、33d、33eと呼ぶ。
制御プレーンの各隣接ノード間では、リフレッシュタイム35毎にリフレッシュメッセージ36、37を交換して、パスの状態を維持している。
【0009】
図4は、GMPLS制御部障害時のRSVP−TEメッセージシーケンス図である。
つぎに、ノードCのGMPLS制御装置C213で障害が発生したときのメッセージシーケンスについて説明する。
LSP確立後(400)、ノードCのGMPLS制御装置C213で障害が発生すると、隣接ノードであるノードBのGMPLS制御装置B212、ノードDのGMPLS制御装置D214は、それぞれリフレッシュタイムアウト422、421を検出する(432、431)。
RSVPのソフトステート状態管理に従えば、リフレッシュタイムアウトを検出したGMPLS制御装置D214は、下流方向にはPathTearメッセージ441を送信し、自ノードでは下流方向隣接とのパス状態を消去する(451)。PathTearメッセージ441を受信したノードE215では、パス状態を消去する(461)。一方、同様にリフレッシュタイムアウトを検出したGMPLS制御装置B212は、上流方向にはResvTearメッセージ442を送信し、自ノードでは上流方向隣接とのパス状態を消去する(452)。ResvTear442メッセージを受信したノードGMPLS制御装置A211では、パス状態を消去する(462)。
パス状態を消去するとき、各ノードでは、GMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215から、それぞれ対応する伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225に向かってパスの切断、すなわち、リソースの解放を指示する(471、472、473、474)(以下、Dプレーン切断と記す。)。
【0010】
以上のように、従来は、GMPLS制御装置A211又はB212又はC213又はD214又はE215に障害が発生しても、伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又Eは225に異常がない場合に、伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225へのリソース解放指示をすることは、すでにデータ転送中のパスを切断してしまうという課題があった。
また、従来、リフレッシュタイムを無期限にセットすることによって、リフレッシュタイムアウトの発生を抑止することができるが、隣接ノードの変更や異常を検出することができない場合がある。
さらに、制御プレーンのGMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215は、制御プレーンで障害が発生したときに、あらかじめ宣言した再起動時間の間、リフレッシュタイマーを抑止し、パスを切断することを延期することができるグレースフルリスタート機能を持つことができる。しかし、あらかじめ予測した再起動時間を超えて、障害復旧したときには、データプレーンのパスを保証することができない場合がある。
【0011】
図5は、グレースフルリスタート機能を有するGMPLS制御装置障害時のRSVP−TEメッセージシーケンス図である。
以下に、グレースフルリスタート時のメッセージシーケンスについて説明する。
例えば、ノードC213が再起動機能、および、再起動時間をあらかじめHelloメッセージ503、504で隣接ノードに対し宣言していたとき、障害発生510を検出した隣接ノード(531、532)では、再起動時間540はリフレッシュを抑止するが、この待ち時間を超えた場合、PathTearメッセージ541、ResvTearメッセージ542をそれぞれ隣接ノードに送信し、自ノードのパス状態も消去する(551、552)。再起動時間540を過ぎて、ノードC213が再起動したとき、すでに、ノードC213に関連するパス状態は消去され(551、552)、データプレーンのリソースも解放されている(571、572、573、574)。
したがって、再起動時間が予測できない場合、または予想外に長時間を要したときには、グレースフルリスタート機能をもっても、データ転送中のパスを必ずしも保証することができない場合があるという課題があった。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑み、制御プレーンに限定される障害の場合に、既に確立済みで使用中のデータプレーンのパスを切断せずに、データ転送を継続し、リソースの再割り当てなく障害を復旧することができるノード、制御装置及び通信システムを提供することを目的のひとつとする。
また、本発明は、データプレーン障害時におけるリソースリークの防止、および、制御プレーン障害によるパスの誤切断の防止を両立することができるノード、制御装置及び通信システムを提供することを目的のひとつとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の通信システムは、例えば、
パスメッセージを通信する複数の制御装置と、
前記複数の制御装置の各々と個々に対応する複数のデータ転送装置と、
前記複数の制御装置の各々を
接続する手段と、
前記複数のデータ転送装置の各々を接続する手段と、
を有し、
前記制御装置は、
パス情報を保持する手段と、
隣接制御装置との間で一定時間間隔でパスメッセージを交換する手段と、
隣接制御装置の状態を保持する手段と、
前記データ転送装置にデータ転送路状態を指示する手段と、
前記データ転送装置のデータ転送路状態を取得する手段と、
前記データ転送装置のデータ転送路状態を保持する手段と、
前記複数の制御装置のうちの1の制御装置に障害が生じたときに、前記パスメッセージの送信の中止を検知する手段と、
前記データ転送装置の障害がないことを検知したときに、パス状態維持指令を生成する手段と
を有し、
前記データ転送装置は、
データ転送路の障害を検出する手段と、
データ転送路の障害を前記制御装置に伝達する手段と、
データ転送路状態を保持する手段と、
を有するように構成することができる。
【0014】
また、前記制御装置は、
前記複数の制御装置のうちの1の制御装置に障害が生じたときに、
前記パスメッセージの送信の中止を検知する手段と、
前記データ転送装置の障害があることを検知したときに、パス状態廃棄指令を生成する手段と
を有するようにしてもよい。
また、前記制御装置は、前記データ転送装置の障害がないことを検知したときに、
前記複数の制御装置のうち前記パスメッセージを発信した制御装置に対して、
障害制御装置識別番号とパス制御異常状態情報を生成する手段と、送信する手段と
を有するようにしてもよい。
また、前記制御装置は、
前記障害制御装置が復旧したことを検知する手段を有し、
前記障害制御装置が復旧したことを検知したときに、
前記複数の制御装置のうち前記パスメッセージを発信した制御装置に対して、
障害回復制御装置識別番号とパス制御状態回復情報を生成する手段と、送信する手段と
有するようにしてもよい。
また、前記制御装置は、
前記障害制御装置が復旧したことを検知する手段を有し、
前記障害制御装置が復旧したことを検知したときに、または、前記障害制御装置からパス情報の回復要求があったときに、保持していた当該パス情報を伝達する手段と、
を有し、
前記障害制御装置は、伝達された当該パス情報を使って、パス情報を回復する手段と
を有するようにしてもよい。
また、前記複数の制御装置のうち前記パスメッセージを発信した制御装置は、
受信した障害制御装置識別番号とパス制御状態情報を管理するテーブルを有するようにしてもよい。
また、前記複数の制御装置のうち前記パスメッセージを発信した制御装置は、
新たなパス確立命令を発信するときに、障害制御装置識別番号とパス制御状態情報管理テーブルを参照して、障害制御装置を通過するパス確立命令に対して、警告を発行するようにしてもよい。
【0015】
本発明の第1の解決手段によると、
隣接ノードの伝送装置とユーザデータを通信する伝送装置と、隣接ノードの制御装置とメッセージを通信し自ノードの前記伝送装置を管理する制御装置とを備えたノードであって、
該ノードの制御装置は、
前記隣接ノードの制御装置から送信されるメッセージの受信状況に基づいて、前記隣接ノードの制御装置の障害の有無を検出し、
前記隣接ノードの制御装置の障害を検出すると、自ノードの伝送装置に状態問合せ通知を発行して障害警報検出有無を調べ、
前記ノードの伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記ノードのパス状態を維持する、
ことを特徴とするノードが提供される。
【0016】
本発明の第2の解決手段によると、
隣接する制御装置である第一の隣接制御装置とメッセージを通信し、隣接する伝送装置間でユーザデータを通信する伝送装置を管理する制御装置であって、
該制御装置は、
前記第一の隣接制御装置から送信されるメッセージの受信状況に基づいて、前記第一の隣接制御装置の障害の有無を検出し、
前記第一の隣接制御装置の障害を検出すると、前記伝送装置に状態問合せ通知を発行して障害警報検出有無を調べ、
前記伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記伝送装置と該伝送装置と隣接する第一の隣接伝送装置との間のパス状態を維持する、
ことを特徴とする制御装置が提供される。
【0017】
本発明の第3の解決手段によると、
隣接ノードの伝送装置とユーザデータを通信する伝送装置と、隣接ノードの制御装置とメッセージを通信し自ノードの前記伝送装置を管理する制御装置とを備えたノードを有する通信システムであって、
該ノードの制御装置は、
前記隣接ノードの制御装置から送信されるメッセージの受信状況に基づいて、前記隣接ノードの制御装置の障害の有無を検出し、
前記隣接ノードの制御装置の障害を検出すると、自ノードの伝送装置に状態問合せ通知を発行して障害警報検出有無を調べ、
前記ノードの伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記ノードのパス状態を維持する、
ことを特徴とする通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、制御プレーンに限定される障害の場合に、既に確立済みで使用中のデータプレーンのパスを切断せずに、データ転送を継続し、リソースの再割り当てなく障害を復旧することができるノード、制御装置及び通信システムを提供することができる。
さらに、本発明によると、データプレーン障害時におけるリソースリークの防止、および、制御プレーン障害によるパスの誤切断の防止を両立することができるノード、制御装置及び通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態の動作を表すフローチャート。
【図2】第1の実施の形態におけるGMPLSで制御するネットワーク装置の構成図。
【図3】RSVPリフレッシュメッセージによる状態維持を示したメッセージシーケンス図。
【図4】GMPLS制御部障害時のRSVP−TEメッセージシーケンス図。
【図5】グレースフルリスタート機能を有するGMPLS制御装置障害時のRSVP−TEメッセージシーケンス図。
【図6】第1の実施の形態のGMPLS制御装置の構成図。
【図7】第1の実施の形態の伝送装置の構成図。
【図8】第1の実施の形態のパス状態管理表の説明図。
【図9】第1の実施の形態の隣接ノード状態表の説明図。
【図10】第1の実施の形態の伝送装置制御部のスイッチ状態管理表の説明図。
【図11】第1の実施の形態のGMPLS制御部IF状態管理表の説明図。
【図12】第1の実施の形態のGMPLS制御部と伝送装置制御部の状態同期方法の説明図。
【図13】第1の実施の形態においてGMPLS制御装置C213障害時で、データプレーンには障害無い場合のメッセージシーケンス図。
【図14】第1の実施の形態のLSP確立時における、パス状態管理表の説明図。
【図15】第1の実施の形態のLSP確立時における、隣接ノード状態表の説明図。
【図16】第1の実施の形態のLSP確立時における、伝送装置のスイッチ状態表の説明図。
【図17】第1の実施の形態のLSP確立時における、GMPLS制御部で管理しているGMPLS制御部のIF状態管理表の説明図。
【図18】第1の実施の形態のGMPLS制御部Cの障害発生時における、パス状態管理表の説明図。
【図19】第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cの障害発生時における、隣接ノード状態表の説明図。
【図20】第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cの障害発生時における、伝送装置のスイッチ状態表およびGMPLS制御装置のIF状態管理表の説明図。
【図21】第1の実施の形態のGMPLS制御装置障害時、データプレーン障害ありの場合のメッセージシーケンス図。
【図22】第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cおよび伝送装置Cの障害発生時における、伝送装置のスイッチ状態表の説明図。
【図23】第2の実施の形態の制御プレーン通信障害の場合のメッセージシーケンス図。
【図24】第2の実施の形態のパス状態管理表の説明図。
【図25】第2の実施の形態の隣接ノード状態表の説明図。
【図26】第2の実施の形態のスイッチ状態表の説明図。
【図27】第3の実施の形態に関して、ノードC213で制御プレーンの障害2710が発生したときのメッセージシーケンス図。
【図28】第3の実施の形態の障害通知を送信するときのフローチャート。
【図29】第3の実施の形態の障害管理表の説明図。
【図30】第3の実施の形態に関して、ノードC203でデータプレーンの障害270が発生したときのメッセージシーケンス図。
【図31】GMPLSで制御するネットワーク装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.第1の実施の形態
1−1.ネットワークおよび装置構成
図2は、第1の実施の形態におけるGMPLSで制御するネットワーク装置の構成図である。
本ネットワーク装置は、例えば、ノードA201、B202、C203、D204、E205と、ネットワーク21(21a〜21e)と、データ転送路22とを備える。
例えば、図示のような5台の伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225でネットワークを構成するとき、それぞれの伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225のクロスコネクトを制御するGMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215がそれぞれ1対1に対応する。この場合、伝送装置1台とGMPLS制御装置1台で1ノードを形成し、それぞれ、ノードA201、ノードB202、ノードC203、ノードD204およびノードE205とする。すなわち、ノードA201は、GMPLS制御装置A211と、伝送装置A221と、ノード内の伝送路231を有する。また、ノードB202、C203、D204、E205においても同様の構成を有する。また、伝送装置A221は、IF1 2211、IF2 2212、IF3 2213およびIF4 2214を有する。また同様に、伝送装置B222は、IF1 2221〜IF4 2224を有し、伝送装置C223は、IF1 2231〜IF4 2234を有する。そして、伝送装置D224および伝送装置E225も同様に、伝送装置D224は、IF1 2241〜IF4 2244を有し、伝送装置E225は、IF1 2251〜2254を有する。
例えば、GMPLS制御装置A211、B212、C213、D214、E215、およびネットワーク21を制御プレーンと呼ぶ。また、例えば、伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225およびデータ転送路22をデータプレーンと呼ぶ。また、この例では、上流は図の左側、下流は図の右側を表す。
【0021】
図6は、第1の実施の形態のGMPLS制御装置の構成図である。
GMPLS制御装置A211は、例えば、GMPLS制御部61と、メモリ62と、2次記憶装置63と、C−D間通信インタフェース64と、通信インタフェース65を備える。また、GMPLS制御装置A211は、対応する伝送装置A222とC−D間通信インタフェース64で接続される(231)。そして、GMPLS制御装置A211は、制御プレーンの他のGMPLS制御装置B212、C213、D214およびE215とは通信インタフェース65、ネットワーク21aを介して通信する。なお、他のGMPLS制御装置B212、C213、D214およびE215においても同様の構成である。
図7は、第1の実施の形態の伝送装置の構成図である。
伝送装置A221は、例えば、伝送装置制御部71と、スイッチ75と、インタフェース2211、2212、2213および2214と、メモリ72と、2次記憶装置73と、C−D間通信インタフェース74を備える。また、インタフェース1 2211は、受信信号解析部7512と、送信信号生成部7513と、障害管理部7515を有する。なお、インタフェース2 2212、インタフェース3 2213およびインタフェース4 2214においても同様の構成を有する。この例では、インタフェースは4つ示されているが、これに限定されず適宜の数備えることができる。
伝送装置A221は、対応するGMPLS制御装置A211とは、通信インタフェース74、ノード内の伝送路231で接続する。スイッチ75は、インタフェース1 2211、インタフェース2 2212、インタフェース3 2213およびインタフェース4 2214の入出力を切り替える機能を持つ。例えば、インタフェース1 2211は、入力信号7511を受信し、受信信号解析部7512で信号を解析する。そして、送信信号生成部7513で出力信号7514を生成して送信する。障害管理部7515は、例えば、入力信号7511に障害信号が含まれているか否かを解析し、伝送装置制御部71に伝える。また、例えば、当該伝送装置A221に異常があれば障害信号を挿入して、送信信号生成部7513で出力信号7514を生成して送信する。これにより、隣接ノードでは、入力信号を解析して、障害警報を検出し、データプレーンでの障害有無を認識することができる。
【0022】
図8は、第1の実施の形態のパス状態管理表の説明図である。
パス状態管理表80は、例えば、GMPLS制御装置211のメモリ62上に記憶され、GMPLS制御部61によって、RSVP−TEのパス状態管理を管理するために用いられる。パス状態管理表80は、例えば、セッションID811に対応して、前ホップアドレス812と、次ホップアドレス813と、入力インタフェース(IFと記す)識別子814と、入力ラベル815と、出力インタフェース(IFと記す)識別子816と、出力ラベル817と、その他のパス属性818、819を記憶する。なお、エントリ801、802は各パスの状態を表す行である。なお、本実施の形態では、セッションを識別する情報等の各情報としてID、記号等を用いているが、セッション等の各情報を識別できる適宜の識別情報を用いてもよい。
図9は、第1の実施の形態の隣接ノード状態表の説明図である。
隣接ノード状態表90は、例えば、セッションID911に対応して、上流隣接ノード912と、下流隣接ノード913の状態を記憶する。なお、エントリ901、902はそれぞれパスの状態を表す行である。上流隣接ノード912とは、Pathメッセージを送信する始点に近い側の隣接ノードを示し、下流隣接ノード913とは、Pathメッセージを伝播する終点に近い側の隣接ノードを示す。また、例えば、状態「正常」922とは、障害が報告されずに動作中であることを示し、「Cプレーン障害」921とは、隣接GMPLS制御装置間で応答が確認できないことを示す。なお、本実施の形態では、セッションを識別する情報等の各情報としてID、記号等を用いているが、セッション等の各情報を識別できる適宜の識別情報を用いてもよい。
【0023】
図10は、第1の実施の形態の伝送装置制御部のスイッチ状態管理表の説明図である。
スイッチ状態管理表100は、例えば、伝送装置A221のメモリ72に記憶され、伝送装置制御部71で管理するスイッチ状態を表す。スイッチ状態管理表100は、例えば、入力IF1011と、出力IF1012と、IF状態1013を対応して記憶する。なお、入力IF1011、出力IF1012は、それぞれパス状態管理表80の入力IF814、出力IF816と1対1に対応する。また、IF状態1013は、例えば、未使用、予約、使用中、障害および障害警報検出などの状態を有する。IF状態1013の状態遷移は、例えば、初期状態は未使用状態であり、RSVP−TEメッセージでパス確立されると予約状態に変更され、さらに、伝送装置A211のインタフェース1 2211又はインタフェース2 2212又はインタフェース3 2213又はインタフェース4 2214にデータが流れたことを伝送装置制御部71が認識すると使用中状態へ変更される。また、例えば、スイッチ装置75に異常を検出したとき、または、データプレーンを通って、インタフェース1 2211又はインタフェース2 2212又はインタフェース3 2213又はインタフェース4 2214に異常を知らせる信号が届いたときに障害管理部7515が障害を検出したときに、障害状態又は障害警報検出状態がセットされる。
図11は、第1の実施の形態のGMPLS制御部IF状態管理表の説明図である。
GMPLS制御部IF状態管理表110は、伝送装置のスイッチ状態管理表100の複製である。GMPLS制御部IF状態管理表110は、例えばGMPLS制御装置A211のメモリ62上に記憶される。例えば、GMPLS制御装置は、一定時間又は所定時刻に伝送装置にアクセスしてスイッチ状態管理表100の情報を受け取り、自メモリのGMPLS制御部IF状態管理表110にその情報を記憶することができる。
【0024】
図12は、第1の実施の形態のGMPLS制御部と伝送装置制御部の状態同期方法の説明図である。
GMPLS制御装置B212は、例えば、隣接ノードからPathメッセージ31aを受信し、パス状態管理表80に該当する入力ラベル815等の項目をセットして、さらに下流側隣接ノードにPathメッセージ31bを伝播する。リソース予約するためのResvメッセージ32cを受信すると、パス状態管理表80に該当する出力ラベル816等の項目をセットし、さらに上流側隣接ノードにResvメッセージ32bを伝播する。具体的には、例えば、GMPLS制御装置B212は、Pathメッセージ31a受信時に、パス状態管理表80の該当するセッションIDに対応して、前ホップアドレス812、入力ラベル815、およびその他のパス属性818の項目をセットすることができる。また、GMPLS制御装置B212は、例えば、Resvメッセージ32c受信時に、パス状態管理表80の該当するセッションIDに対応して、次ホップアドレス813、出力ラベル816、およびその他のパス属性819の項目をセットすることができる。
【0025】
さらに、GMPLS制御装置B212は、例えば、伝送装置B222に、パス状態変更通知1211を送信し、GMPLS制御装置B212は、スイッチ状態管理表100のIF状態をセットする。伝送装置B222は、状態変更受理通知1221をGMPLS制御装置B212に返信して状態変更の完了を通知する。また、伝送装置B222でインタフェース障害が確認されたときには、伝送装置B222は、GMPLS制御装置B212にIF障害通知1231を送信する。状態変更受理通知1221、IF障害通知1231を受信した、GMPLS制御装置B212は、GMPLS制御部IF状態管理表110に該当する値をセットして、伝送装置B221のスイッチ状態管理表100の複製を作成する。これによって、GMPLS制御部61と伝送装置制御部71の状態同期を完了する。
また、GMPLS制御装置B212は、例えば、必要に応じて、伝送装置B222に対して状態問合せ通知1241を発行し、状態報告通知1251を受信して伝送装置B222のスイッチ状態を取得することができる。
なお、GMPLS制御装置B212は、伝送装置B222に、例えば、一定時間間隔毎又は設定時刻に、状態変更通知1211又は状態問合せ通知1241を送るように構成することができる。同様に、伝送装置B222は、GMPLS制御装置B212に、例えば、一定時間間隔毎又は設定時刻に、IF障害通知1231、状態変更受理通知1221又は状態報告通知1251を送るように構成することができる。
【0026】
1−2.フローチャート
図1は、本実施の形態の動作を表すフローチャートである。
このフローチャートは、各GMPLS制御装置のGMPLS制御部61が、メモリ62等を参照して実行する。
ユーザデータを通信するデータプレーンと、データ転送装置を管理する制御プレーンを異なる媒体で構成するGMPLSネットワークにおいて、例えば、隣接ノードのGMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215間でパスメッセージを一定時間間隔で交換してパス状態を維持するリフレッシュ動作を行うとき、各GMPLS制御装置のGMPLS制御部61は、リフレッシュタイムアウトを検出したとき、又は、隣接ノード状態表を参照することにより、Cプレーン障害を検出する(101)。GMPLS制御部61は、隣接ノードの障害を検出すると、自ノードの伝送装置に障害信号が検出されているかを調べる(102)。GMPLS制御部61は、自ノードの伝送装置に障害信号が検出されず、障害が制御プレーンに限定される場合には、当該パス状態を維持する(103)。つぎに、GMPLS制御部61は、障害が疑われる隣接ノードのGMPLS制御装置と反対側の隣接に正常な隣接GMPLS制御装置が存在するとき正常なノードにリフレッシュメッセージを送信する。すなわち、GMPLS制御部61は、上流側に正常なGMPLS制御装置が存在するとき(104)、リフレッシュメッセージを送信して隣接ノードとのパス状態を維持する(105)。さらに、下流側に正常なGMPLS制御装置が存在するとき(106)、リフレッシュメッセージを送信して、隣接ノードとのパス状態を維持する(107)。このときのリフレッシュメッセージは、例えば、図3で示すように、下流側にはPathメッセージ36、上流側にはResvメッセージ37を送信する。一方、ステップ102で、自ノードの伝送装置に障害信号が検出されている場合、GMPLS制御部61は、当該パス状態のエントリをパス状態管理表から削除し、リソースを解放する(108)。
さらに、制御プレーン上のGMPLS制御装置が障害から復旧したら、GMPLS制御部61は、グレースフルリスタートに従って、隣接ノードからパス状態情報を取得して、データプレーンを切断せずに、パス状態を回復する。
【0027】
1−3.シーケンス(制御装置の障害)
1−3−1.障害発生
図13は、第1の実施の形態において、GMPLS制御装置C213の障害時で、データプレーンには障害が無い場合のメッセージシーケンス図である。
例えば、図3のLSP確立34後に、障害発生1310した場合をあらわす。
図14、図15、図16、図17は、図3のLSP確立34時のそれぞれの状態表を表す。 図18、図19、図20は、図13のGMPLS制御装置C213の障害発生1310後、隣接ノードのGMPLS制御装置D214、GMPLS制御装置B212がそれぞれリフレッシュタイムアウト1321、1322によってGMPLS制御装置C213の障害を検出1331、1341したときの状態表を表す。
【0028】
LSP確立時(34)、例えば、伝送装置A221のIF2(2212)を始点として、伝送装置B222のIF1(2221)、IF2(2222)、伝送装置C223のIF1(2231)、IF2(2232)、伝送装置D224のIF1(2241)、IF2(2242)、伝送装置E225のIF1(2251)を終端とするパス状態が確立される。
【0029】
以下に、LSP確立時における各状態表について説明する。
図14は、第1の実施の形態のLSP確立時における、パス状態管理表の説明図である。
このときの各GMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215でそれぞれ管理するパス状態管理表80a、80b、80c、80dおよび80eを図に示す。例えば、セッションID=101で識別されるLSPであって、「192.168.99.1、192.168.99.2、192.168.99.3、192.168.99.4、192.168.99.5」というホップを通るLSPの状態を示している。
図15は、第1の実施の形態のLSP確立時における、隣接ノード状態表の説明図である。
図示のとおり、各GMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215でそれぞれ管理する隣接ノード状態表90a、90b、90c、90dおよび90eを示す。RSVP−TEメッセージを交換してLSP確立した直後であるので、それぞれの隣接ノード状態は全て正常である。
図16は、第1の実施の形態のLSP確立時における、伝送装置のスイッチ状態表の説明図である。
図示のとおり、LSP確立時の伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225におけるスイッチ状態表100a、100b、100c、100dおよび100eを示す。LSP確立直後であるので、IF状態はすべて予約状態である。
図17は、第1の実施の形態のLSP確立時における、GMPLS制御部で管理しているIF状態管理表の説明図である。
GMPLS制御装置A211、B212、C213、D214およびE215とそれぞれ対応する伝送装置A221、B222、C223、D224およびE225間で同期されているので、図16と同じ状態がセットされている。
【0030】
つぎに、GMPLS制御装置の障害発生時における各状態表について説明する。
図13の障害検出時(1331、1341)のそれぞれの状態表は、図18、図19、図20である。
図18は、第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cの障害発生時における、パス状態管理表の説明図である。
この図は、各GMPLS制御装置A211、B212、D214およびE215のパス状態を示しており、GMPLS制御装置C213のパス状態管理表80cは、GMPLS制御部障害中のため参照できない。
図19は、第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cの障害発生時における、隣接ノード状態表の説明図である。
図示のとおり、各GMPLS制御部A211、B212、D214およびE215の各隣接ノードの状態を示す。GMPLS制御装置B212は隣接ノードGMPLS制御装置C213との間でリフレッシュタイムアウトを検出し(1322)、障害検出した(1341)ため、隣接ノード状態表90bの下流隣接ノード状態を「Cプレーン障害」とセットする。また同様に、GMPLS制御装置D214は隣接ノードGMPLS制御装置C213との間でリフレッシュタイムアウトを検出し(1321)、障害検出した(1331)ため、隣接ノード状態表90dの上流隣接ノード状態を「Cプレーン障害」とセットする。
図20は、第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cの障害発生時における、伝送装置のスイッチ状態表およびGMPLS制御装置のIF状態管理表の説明図を表す。
このとき、データプレーンの伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又はE225には異常が発生していないため、スイッチ状態表100a、100b、100c、100dおよび100eは、すべて「使用中」の状態である。
【0031】
以上のような各状態表に従い、各GMPLS制御装置は、次のように処理を実行する。
GMPLS制御装置C213の障害中であるので、伝送装置C223は、そのまま当該パスを維持することになる。
GMPLS制御装置D214は、GMPLS制御装置C213の障害検出後(101、1331)、図1のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置D214は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置D224の状態をチェックし(以下、D状態問合せと記す。)(102、1332)、スイッチ状態表100d(又は、IF状態管理表110d)は使用中であるため、当該パスを維持する(103、1334)。また、GMPLS制御装置D214は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置D214で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。GMPLS制御装置D214は、上流隣接に異常なGMPLS制御装置C213がある。すなわち、上流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(104)、GMPLS制御装置D214は、上流隣接に対してはリフレッシュメッセージを送信しない。また、下流隣接に正常なGMPLS制御装置E215が存在するので(106)、GMPLS制御装置D214は、GMPLS制御装置E215にリフレッシュメッセージを送信する(107、1335)。
GMPLS制御装置E215は、上流でのGMPLS制御部障害に関係なく、隣接ノードとのパス状態を維持する(1336)。
【0032】
障害ノードC213の上流側GMPLS制御装置B212も同様に、GMPLS制御装置C213障害検出後(101、1341)、図1のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置B212は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置B222の状態をチェックし(D状態問合せ)(102、1342)、スイッチ状態表100b(又は、IF状態管理表110b)は使用中であるため、当該パスを維持する(103、1344)。また、GMPLS制御装置B212は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置B212で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。GMPLS制御装置B212の上流隣接に正常なGMPLS制御装置A211が存在するので(104)、GMPLS制御装置B212は、GMPLS制御装置A211にリフレッシュメッセージを送信する(105、1345)。また、下流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(106)、GMPLS制御装置B212は、下流隣接に対してはリフレッシュメッセージを送信しない。
GMPLS制御装置A211は、下流でのGMPLS制御部障害に関係なく、隣接ノードとのパス状態を維持する(1346)。
これにより、制御プレーンのGMPLS制御装置A211又はB212又はC213又はD214又はE215で障害が発生し、データプレーンに障害が発生していないときに、使用中のデータ転送路22を切断することなくパス状態を維持できる。
【0033】
1−3−2.復旧
さらに、GMPLS制御装置C213が障害から復旧1311したときの、パス状態の回復について説明する。
GMPLS制御装置C213が障害から復旧1311したときには、GMPLS制御装置C213は、隣接ノードに対しHelloメッセージ(パス回復要求)1351、1352を送信し、障害回復を通知するとともに、パスの回復要求をする。第1の実施の形態では、障害ノードの再起動時間に関わらず、隣接ノードでパス状態が維持されているので(1334、1344)、GMPLS制御装置C213が障害復旧した後の処理は非特許文献1、3で記載されるグレースフルリスタートを利用して、隣接ノードはそれぞれ、パス回復要求に対するHelloメッセージ応答(パス回復OK)1361、1362を行なう。
下流隣接GMPLS制御装置D214は、RecoveryPathメッセージ1371によって、障害前にGMPLS制御装置C213がGMPLS制御装置Dに対して送信したPathメッセージの情報を再送する。すなわち、GMPLS制御装置D214は、パス状態管理表80dに保存されているエントリのうち、GMPLS制御装置C213ホップ192.168.99.3を前ホップに持つエントリのセッションID、入力ラベル、その他のパス属性をGMPLS制御装置C213に送信する。これは、GMPLS制御装置C213のパス状態管理表80cのセッションID、次ホップアドレス、出力ラベル、その他のパス属性に相当する。
【0034】
また上流隣接GMPLS制御装置B212は、Path(Recovery_Label)メッセージ1372によって、GMPLS制御装置C213と共有していたパスの状態を返信する。すなわち、GMPLS制御装置B212は、パス状態管理表80bのエントリのうち、GMPLS制御装置C213の制御しているホップ192.168.99.3を次ホップに持つエントリを選択し、セッションID、出力ラベル、その他の属性をPath(Recovery_Label)メッセージ1372に載せてGMPLS制御装置C213に送信する。これは、GMPLS制御装置C213のパス状態管理表80cのセッションID、前ホップアドレス、入力ラベル、その他のパス属性に相当する。
さらに、GMPLS制御装置C213は、伝送装置C223に対してスイッチ状態の問合せを行う(1381)。具体的には、例えば、GMPLS制御装置C213は状態問合せ通知1241(図12)を伝送装置C223に対して発行する。伝送装置C223は、図20の伝送装置C223のスイッチ状態表100cを参照して、状態報告通知1251をGMPLS制御装置C213に送信する。こうして、図20のように、GMPLS制御装置C213は、IF状態表110cに入力IF=IF1、出力IF=IF2、IF状態=使用中というエントリを追加する。使用中の「入力IF、出力IF」の組が「IF1、IF2」であるので、パス状態管理表80cの入力IF、出力IFの項目に、それぞれ、IF1、IF2をセットすることによって、障害前のパス状態管理表80cに回復することができる。
そして、GMPLS制御装置C213は、状態を回復して、Resvメッセージ1382を上流隣接ノードのGMPLS制御装置A221に送信する。
これにより、GMPLS制御装置C213は、リソースの再割り当てやパスの切断をすることなく、パス状態を回復することができる。
【0035】
1−4.シーケンス図(制御プレーンとデータプレーンの両方の障害)
次に、制御プレーンの障害とともに、データプレーンにも障害が発生しているときの処理の一例を示す。
図21は、第1の実施の形態のGMPLS制御装置障害時、データプレーン障害ありの場合のメッセージシーケンス図である。
この図は、一例として、GMPLS制御装置C213に障害が発生し、さらに、データプレーンの伝送装置C223にも障害が発生しているときのメッセージシーケンスを表す。
上述のように、GMPLS制御装置C213に障害が発生2110し、隣接ノードのGMPLS制御装置D214、およびGMPLS制御装置B212では、それぞれリフレッシュタイムアウトを検出し(2121、2122)、GMPLS制御装置C213の異常を検出する(2131、2141)。
図22は、第1の実施の形態のGMPLS制御装置Cおよび伝送装置Cの障害発生時における、伝送装置のスイッチ状態表の説明図である。
このような状態でさらに、例えば、伝送装置C223に障害発生すると、隣接ノードの伝送装置B222および伝送装置D224は、それぞれ、図7に示す伝送装置の構成において各入力信号7511に障害信号を受信し、各障害管理部7512は障害を検出して、伝送装置B222およびD224のスイッチ状態表100b、100dに障害警報検出状態をセットする。伝送装置A221およびE225も同様に、それぞれ、各入力信号7511に障害信号を受信し、各障害管理部7512は障害を検出して、伝送装置A221およびE225は、それぞれのスイッチ状態表100a、100eに障害警報検出状態をセットする。
【0036】
以上のような各状態表に従い、各GMPLS制御装置は、次のように処理を実行する。
GMPLS制御装置D214は、制御プレーンの障害検出後(101、2131)、図1のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置D214は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置D224の状態をチェックし(D状態問合せ)(102、2132)、スイッチ状態表100dは障害警報検出状態であるため、パス状態管理表80dの当該パス状態のエントリ801を削除し、リソースを解放する(108、2134)。また、GMPLS制御装置D214は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置D214で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。そして、例えば、GMPLS制御装置D214は、パス状態変更通知1211を送信して、伝送装置D224のスイッチ状態表100dのIF状態を未使用状態にセットする。また、GMPLS制御装置D214は、下流ノードGMPLS制御装置E215に対して、Pathtearメッセージ2135を送信して、パス状態削除指示を伝える。
同様に、GMPLS制御装置B212は、制御プレーンの障害検出後(101、2141)、図1のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置B212は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置B222の状態をチェックし(D状態問合せ)(102、2142)、スイッチ状態表100bは障害警報検出状態であるため、パス状態管理表80bの当該パス状態のエントリ801を削除し、リソースを解放する(108、2144)。また、GMPLS制御装置B212は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置B212で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。そして、GMPLS制御装置B212は、例えば、パス状態変更通知1211を送信して、伝送装置B222のスイッチ状態表100bのIF状態を未使用状態にセットする。また、GMPLS制御装置B212は、上流ノードGMPLS制御装置A211に対して、Resvtearメッセージ2145を送信して、パス状態削除指示を伝える。
これにより、データプレーンの障害時に、無期限にリソースを確保してしまうリソースリーク状態を防止することができる。
【0037】
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態は、制御プレーンの通信障害に伴う処理の一例である。
2−1.ネットワークおよびハード構成
図2に示すネットワーク構成、図6に示すGMPLS制御装置、図7に示す伝送装置構成、図8、図9、図10、図11に示す各状態表の構成、および図12に示すGMPLS制御部と伝送装置制御部の状態同期方法は、第1の実施形態と同様である。
【0038】
2−2.フローチャート
GMPLS制御部61が実行するフローチャートは、第1の実施の形態と同様である。
【0039】
2−3.シーケンス(制御プレーンの通信路障害)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態との違いは、制御プレーンのGMPLS制御装置の障害ではなく、制御プレーンの通信経路上に障害が発生していることである。
第2の実施の形態は、例えば、GMPLS制御装置C213の制御プレーン通信インタフェース部21aに障害が発生していることを想定する。
図23は、第2の実施の形態の制御プレーン通信障害の場合のメッセージシーケンス図である。
GMPLS制御装置C213の制御プレーン通信インタフェース部21aに障害が発生2310、2311すると、隣接ノードである、GMPLS制御装置D214、およびB212でリフレッシュタイムアウトを検知し、GMPLS制御装置C213の異常を検出する(2331、2351)。GMPLS制御装置C213は、隣接ノードGMPLS制御装置D214、およびB212の異常ととらえ、障害を検出する(2341)。
図24は、第2の実施の形態のパス状態管理表の説明図である。
図25は、第2の実施の形態の隣接ノード状態表の説明図である。
それぞれの図は、この時点でのパス状態管理表、隣接ノード状態表を表す。
図25で、GMPLS制御装置B212の隣接ノード状態表90bは、下流隣接ノードのCプレーン障害とセットされる。また、GMPLS制御装置C213の隣接ノード状態表90cは、上流および下流隣接ノードのCプレーン障害とセットされる。そして、GMPLS制御装置D214の隣接ノード状態表90dは、上流隣接ノードのCプレーン障害とセットされる。
【0040】
図26は、第2の実施の形態のスイッチ状態表の説明図である。
図示のとおり、制御プレーン通信障害発生時のデータプレーン伝送装置のスイッチ状態表を示し、伝送装置A221、B222、C223、D224、E225ともIF状態が使用中であることを示している(100a、100b、100c、100d、100e)。
図23のメッセージシーケンス図で、制御プレーンの障害を検出したGMPLS制御装置B212,C213,D214は、それぞれ、障害検出(2351、2341、2331)の時点で、図1のフローに従って処理を行なう。
制御プレーンの障害を検出した際、上流のノードBのGMPLS制御装置B212は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置B222の状態をチェックし(以下、D状態問合せと記す。)(102、2352)スイッチ状態表100bは使用中であるため、当該パスを維持する(103、2354)。また、GMPLS制御装置B212は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置B212で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。GMPLS制御装置B212の上流隣接に正常なGMPLS制御装置A211が存在するので(104)、GMPLS制御装置B212は、上流隣接GMPLS制御装置A211に対してリフレッシュメッセージを送信する(105、2361)。また、下流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(106)、GMPLS制御装置B212は、下流隣接に対してはリフレッシュメッセージを送信しない。
【0041】
制御プレーンの障害を検出した際、下流のノードDのGMPLS制御装置D214は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置D224の状態をチェックし(D状態問合せ)(102、2332)スイッチ状態表100dは使用中であるため、当該パスを維持する(103、2334)。また、GMPLS制御装置D214は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置D214で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。GMPLS制御装置D214は、上流隣接に異常なGMPLS制御装置C213がある。すなわち、上流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(104)、GMPLS制御装置D214は、上流隣接に対してはリフレッシュメッセージを送信しない。また、下流隣接に正常なGMPLS制御装置E215が存在するので(106)、GMPLS制御装置D214は、下流隣接GMPLS制御装置E215に対してリフレッシュメッセージを送信する(107、2335)。
【0042】
一方、両隣接ノードの障害を検出しているGMPLS制御装置C213は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置C223の状態をチェックし(D状態問合せ)(102、2342)、スイッチ状態表100cは使用中であるため、当該パスを維持する(103、2344)。また、GMPLS制御装置C213は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置C213で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。両隣接ノードが障害のため、GMPLS制御装置C213は、リフレッシュメッセージの送信は行わない。詳細には、GMPLS制御装置C213は、上流隣接に異常なGMPLS制御装置C213がある、すなわち、上流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(104)、GMPLS制御装置C213は、上流隣接に対してはリフレッシュメッセージを送信しない。さらに、下流隣接にも正常なGMPLS制御装置が存在しないため(106)、GMPLS制御装置C213は、下流隣接に対してもリフレッシュメッセージを送信しない。
GMPLS制御装置C213の制御プレーン通信インタフェース部21aの障害が復旧2312したときは、Helloメッセージ2345、2346、2355、2356の到達によって、それぞれ隣接GMPLS制御装置B212、C213およびD214の回復を検出する。しかし、各GMPLS制御装置B212、C213、D214がパス状態管理表80b、80c、80dを維持しているため、パス状態管理表の回復は行なわない。
以上により、GMPLS制御装置A211又はB212又はC213又はD214又はE215の障害の場合だけでなく、制御プレーンの通信障害の場合にも、図1のフローを適用することができ、データプレーンに障害が発生していないときに、使用中のデータ転送路を切断することなくパス状態を維持することができる。
【0043】
3.第3の実施の形態
第3の実施の形態は、障害ノードに関する情報を、パスの始点ノードに通知する形態の一例である。
3−1.ネットワークおよびハード構成
図2に示すネットワーク構成、図6に示すGMPLS制御装置、図7に示す伝送装置構成、図8、図9、図10、図11に示す各状態表の構成、および図12に示すGMPLS制御部と伝送装置制御部の状態同期方法は、第1の実施形態と同様である。ただし、次の管理表が追加される。
図29は、第3の実施の形態の障害管理表の説明図である。
始点ノードであるノードAのGMPLS制御装置A211は、通知された障害ノード情報を、図示の障害管理表290に登録する。また、ノードAは、自ノードが始点であることを予め把握することができる、又は、予め設定されている。図示の障害管理表290は、例えば、GMPLS制御装置A211のメモリ62上に記憶され、ノード識別子2901と、制御プレーン2902、あるいは、データプレーン2903の障害有無の情報を記憶するテーブルである。
【0044】
3−2.フローチャート(始点ノードへの通知)
第3の実施の形態は、第1の実施の形態との違いは、例えば、障害ノードの上流隣接のGMPLS制御装置B212又はC213又はD214が、GMPLS制御装置C213又はD214又はE215の障害ノードに関する通知、障害通知および回復通知をパスの始点ノードに送信することである。
図28に、第3の実施の形態の障害通知を送信するときのフローチャートを示す。
このフローチャートは、各GMPLS制御装置のGMPLS制御部61が、メモリ62等を参照して実行する。
第1の実施の形態と異なる点の一つは、GMPLS制御部61は、例えば、自ノードの伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又はE225に障害警報が検出されていないとき(2802)、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置B212又はC213又はD214又はE215が存在するか否かを判断し(2804)、存在しないときに、自ノードがLSPの始点であるか否かを判定し(2808)、そして、GMPLS制御部61は、LSP始点でないときには、LSP始点のGMPLS制御装置A211に対して、下流隣接に関する制御プレーン障害通知を送信することである(2810)。第1の実施の形態と異なるもう一つの点は、GMPLS制御部61は、例えば、自ノードの伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又はE225に障害警報が検出されているとき(2802)、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置B212又はC213又はD214又はE215が存在しないときに(2811)、自ノードがLSPの始点であるか否かを判定し(2812)、LSP始点でないときには、LSP始点のGMPLS制御装置A211に対して、下流隣接に関するデータプレーン障害通知を送信することである(2813)。
【0045】
以下、フローチャートに従って処理を詳細に説明すると、まず、GMPLS制御部61は、隣接GMPLS制御装置A211又はB212又はC213又はD214又はE215との間にリフレッシュタイムアウトを検出したとき(2801)、自ノードの伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又はE225の障害警報の検出有無を調べる(2802)。GMPLS制御部61は、自ノードの伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又はE225に障害警報が検出されていれば、当該パス状態を削除しリソースを解放する(2810)。さらに、GMPLS制御部61は、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置B212又はC213又はD214又はE215が存在するかを判定し(2811)、存在しないときには、自ノードがLSPの始点であるか否かを判定し(2812)、LSP始点でないときには、LSP始点のGMPLS制御装置A211に対して、下流隣接に関する制御プレーンおよびデータプレーン障害通知を送信する(2813)。また、ステップ2811で、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置が存在する場合、および、ステップ2812で、自ノードがLSP始点であるときは、GMPLS制御部61は、処理を終了する。
【0046】
一方、GMPLS制御部61は、ステップ2802において、自ノードの伝送装置A221又はB222又はC223又はD224又はE225に障害警報が検出されないとき(2802)、当該パスの状態を維持し(2803)、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置B212又はC213又はD214又はE215が存在するか否か判断する(2804)。GMPLS制御部61は、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置が存在するとき、下流隣接GMPLS制御装置B212又はC213又はD214又はE215にリフレッシュメッセージを送信する(2805)。一方ステップ2804で、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置B212又はC213又はD214又はE215が存在しないときには、GMPLS制御部61は、自ノードがLSPの始点であるか否かを判定し(2808)、LSP始点でないときには(2804)、LSP始点のGMPLS制御装置A211に対して、下流隣接に関する制御プレーン障害通知を送信する(2809)。また、ステップ2808で、自ノードがLSP始点であるときは、GMPLS制御部61は、処理を終了する。
【0047】
さらに、ステップ2806で、上流側に正常な隣接GMPLS制御装置A211又はB212又はC213又はD214が存在するとき、GMPLS制御部61は、上流隣接GMPLS制御装置A211又はB212又はC213又はD214にリフレッシュメッセージを送信する(2807)。上流側に正常な隣接GMPLS制御装置が存在しないときは、GMPLS制御部61は、リフレッシュメッセージを送信しない。
なお、自ノードが始点ノードであるか否かは、例えば、予め記憶したり、セッション毎に定めたりすることができる。また、始点ノードに対して障害通知を送信する方法については、例えば、予め全てのノードが始点ノードのアドレスを記憶しておき、障害検出時に当該アドレスに送信することで実現するようにしてもよい。また、例えば、パス状態管理表80で記憶している前ホップアドレスより、上流に隣接するノードに障害通知を送信し、受信した上流隣接ノードが、同様に上流方向へ伝播させていくことで始点ノードに通知するとしてもよい。また、その他適宜の方法を用いて始点ノードに通知するとしてもよい。
終点ノード(例えばノードE)については、下流にノードを持たないため、図28のフローチャートにおいて、ステップ2808および2812で、自ノードがLSP終点である場合にもyesに分岐する処理を付加することで、対応することができる。
また、始点ノード(例えばノードA)は、重複する障害通知を受信した場合も、例えば、後発の通知は廃棄するなどの適宜の方法により、動作するようにしてもよい。
【0048】
3−3.シーケンス(始点ノードへの通知:制御プレーン障害)
図27に、第3の実施の形態に関して、ノードC213で制御プレーンの障害2710が発生したときのメッセージシーケンス図を表す。
GMPLS制御装置D214は、GMPLS制御装置C213の障害検出後(2801、2731)、図28のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置D214は、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置D224の状態をチェックし(以下、D状態問合せと記す。)(2802、2732)、スイッチ状態表100dは使用中であるため、当該パスを維持する(2803、2734)。また、GMPLS制御装置D214は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置D214で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。
GMPLS制御装置C213の障害中であるので、伝送装置C223は、そのまま当該パスを維持することになる。
GMPLS制御装置D214は、下流隣接に正常なGMPLS制御装置E215が存在するので(2804)、リフレッシュメッセージを送信する(2805、2735)。一方、上流隣接には、異常なGMPLS制御装置C213がある。すなわち、上流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(2806)、GMPLS制御装置D214は、上流隣接に対してはリフレッシュメッセージを送信しない。
GMPLS制御装置E215は、上流でのGMPLS制御部障害に関係なく、隣接ノードとのパス状態を維持する(2736)。
以上のように、障害ノードの下流側のGMPLS制御装置(この例では、D214およびE215)の処理は、第1の実施形態と同様である。第1の形態と異なる点は、障害ノードの上流側のGMPLS制御装置(この例では、A211およびB212)の処理である。
【0049】
障害ノードC213の上流側GMPLS制御装置B212も同様に、GMPLS制御装置C213の障害検出後(2801、2741)、図28のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置B212は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置B222の状態をチェックし(D状態問合せ)(2802、2742)、スイッチ状態表100bは使用中であるため、当該パスを維持する(2803、2744)。また、GMPLS制御装置B212は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置B212で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。
GMPLS制御装置B212は、下流隣接に正常なGMPLS制御装置が存在しないため(2804)、自ノードがLSP始点であるかを判定し(2808)、始点ではないため、GMPLS制御装置B212は、LSP始点であるノードAのGMPLS制御装置A211に対して、下流隣接GMPLS制御装置C213の障害ノード情報を送信(2809、2745)する。また、GMPLS制御装置B212は、下流隣接に対してリフレッシュメッセージを送信しない。障害ノード情報は、例えば、図29に示すように、ノード識別子、制御プレーンの状態(障害中、使用中等)、データプレーンの状態(障害中、使用中等)等が含まれる。また、ノードAのアドレスを含めてもよい。 さらに、上流隣接に正常なGMPLS制御装置A211が存在するので(2806)、GMPLS制御装置B212は、GMPLS制御装置A211に対してリフレッシュメッセージを送信する(2807、2746)。
【0050】
なお、GMPLS制御装置C213が障害復旧2711したときの、GMPLS制御装置B212、GMPLS制御装置C213、GMPLS制御装置D214の動作は、第1の形態と同様である。
第1の実施の形態と異なる点は、障害ノードCのGMPLS制御装置C213の上流隣接ノードBのGMPLS制御装置B212が、Path(Recovery_Label)メッセージ2722を送信した後、ノードCのGMPLS制御装置C213が状態復旧したことを示すResvメッセージ2782を、上流隣接ノードBのGMPLS制御装置B212が受信したときに、始点ノードA211に対して、ノードCの回復通知2748を送信することである。始点ノードGMPLS制御装置A211は、通知された回復通知のノード識別子を判別して、障害管理表290の制御プレーンの障害中の情報を使用中に変更する。
また、制御プレーン障害がノードDのGMPLS制御装置D214で発生した場合も同様に、図28の障害通知を送信するときのフローに従い、障害ノードの上流隣接であるノードCのGMPLS制御装置C213が、LSP始点ノードA211に対して制御プレーン障害を通知することができる。
【0051】
3−4.シーケンス(データプレーン始点ノードへの通知:データプレーン障害)
図30は、第3の実施の形態に関して、ノードC203でデータプレーンの障害270が発生したときのメッセージシーケンス図を表す。
GMPLS制御装置D214は、GMPLS制御装置C213の制御プレーンの障害検出後(2801、3031)、図28のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置D214は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置D224の状態をチェックし(D状態問合せ)(2802、3032)、スイッチ状態表100dは障害警報検出状態であるため、パス状態管理表80dの当該パス状態のエントリ801を削除し、リソースを解放する(2810、3034)。また、GMPLS制御装置D214は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置D214で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。そして、GMPLS制御装置D214は、例えば、パス状態変更通知1211を送信して、伝送装置D224のスイッチ状態表100dのIF状態を未使用状態にセットする。また、GMPLS制御装置D214は、下流ノードGMPLS制御装置E215に対して、Pathtearメッセージを送信して、パス状態削除指示を伝える(2035)。
【0052】
同様に、GMPLS制御装置B212は、GMPLS制御装置C213の制御プレーンの障害検出後(2801、3041)、図28のフローに従って処理を行なう。GMPLS制御装置B212は、例えば、状態問合せ通知1241および状態報告通知1251によって、伝送装置B222の状態をチェックし(D状態問合せ)(2802、3042)、スイッチ状態表100bは障害警報検出状態であるため、パス状態管理表80bの当該パス状態のエントリ801を削除し、リソースを解放する(2810、3044)。また、GMPLS制御装置B212は、例えば、スイッチ状態表100と同期しているGMPLS制御装置B212で管理しているIF状態管理表110を使用して、IFの状態を確認するとしてもよい。さらに、下流側に正常な隣接GMPLS制御装置がないため(2811)、GMPLS制御装置B212は、LSP始点であるか否かを判定し(2812)、LSP始点でないので、LSP始点のGMPLS制御装置A211に対して、下流隣接GMPLS制御装置C213の制御プレーンおよびデータプレーン障害通知3045を送信する(2813)。そして、例えば、GMPLS制御装置B212は、パス状態変更通知1211を送信して、又は、伝送装置B222自身が、伝送装置B222のスイッチ状態表100bのIF状態を未使用状態にセットする。また、GMPLS制御装置B212は、上流ノードGMPLS制御装置A211に対して、Resvtearメッセージ3046を送信して、パス状態削除指示を伝える。
【0053】
始点ノードであるノードAのGMPLS制御装置A211は、通知された障害ノード情報を、図29の障害管理表290に登録する。すなわち、ノードCの制御プレーンとデータプレーンの状態を、障害中とする。
ノードCが障害回復3011したときには、ノードBのGMPLS制御装置B212は、障害回復を示すHelloメッセージ3052を受信したら、LSP始点のGMPLS制御装置A211に対して、ノードCの回復通知3048を送信する。始点ノードであるノードAのGMPLS制御装置A211は、通知された回復通知のノード識別子を判別して、制御プレーンおよび/又はデータプレーン障害中の情報を使用中に変更する。制御プレーン2902とデータプレーン2903の障害が共に解消されたら、GMPLS制御装置A211は、該当エントリを障害管理表290から削除する。
これにより、始点ノードGMPLS制御装置A211では、新たなパスを確立するときに、障害中のノードを避けて経路を設定することができる。さらに、始点ノードGMPLS制御装置A211は、障害中のノードを含む経路を設定したときに、警告を発して、障害ノードを避けた経路設定ができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、GMPLS制御技術を用いて、光伝送装置基幹ネットワーク等の様々なネットワークにおいて、パスを管理するための技術に適用可能である。また、本実施の形態は、GMPLS以外にも、上流から下流にデータを伝送する様々な通信技術に適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
21 制御プレーンネットワーク
22 データ転送路
211、212、213、214、215 GMPLS制御装置
221、222、223、224、225 伝送装置
80、80a、80b、80c、80d、80e パス状態管理表
90、90a、90b、90c、90d、90e 隣接ノード状態表
100、100a、100b、100c、100d、100e 伝送装置制御部スイッチ状態管理表
110、110a、110b、110c、110d、110e GMPLS制御部IF状態管理表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接ノードの伝送装置とユーザデータを通信する伝送装置と、隣接ノードの制御装置とメッセージを通信し自ノードの前記伝送装置を管理する制御装置とを備えたノードであって、
該ノードの制御装置は、
前記隣接ノードの制御装置から送信されるメッセージの受信状況に基づいて、前記隣接ノードの制御装置の障害の有無を検出し、
前記隣接ノードの制御装置の障害を検出すると、自ノードの伝送装置に状態問合せ通知を発行して障害警報検出有無を調べ、
前記ノードの伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記ノードのパス状態を維持する、
ことを特徴とするノード。
【請求項2】
請求項1に記載のノードであって、
該ノードの伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記ノードのパス状態を維持し、障害が検出された制御装置を備える前記隣接ノードと異なる他の隣接ノードに正常な制御装置が存在するとき、前記ノードの制御装置は、該正常な制御装置にメッセージを送信して前記他の隣接ノードとのパス状態を維持する、ことを特徴とするノード。
【請求項3】
請求項1に記載のノードであって、
該ノードの制御装置は、該ノードの伝送装置の障害警報検出がある場合には、該ノードの制御装置内に設けられパス状態を記憶する状態管理表の当該パス状態のエントリを削除し、リソースを解放する、ことを特徴とするノード。
【請求項4】
前記ノードの制御装置は、上流側に正常な制御装置が存在するとき、リフレッシュメッセージを送信して隣接ノードとのパス状態を維持し、且つ、下流側に正常な制御装置が存在するとき、リフレッシュメッセージを送信して隣接ノードとのパス状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項5】
前記ノードの制御装置は、パスメッセージを一定時間間隔で交換してパス状態を維持するリフレッシュ動作を行い、リフレッシュタイムアウトを検出することで、障害を検出することを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項6】
前記リフレッシュメッセージは、下流側にはPathメッセージ、上流側にはResvメッセージを送信することを特徴とする請求項5に記載のノード。
【請求項7】
さらに、前記隣接ノードの制御装置が障害から復旧したら、該隣接ノードの制御装置は、グレースフルリスタートに従って、隣接する他のノードからパス状態情報を取得して、データプレーンを切断せずに、パス状態を回復することを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項8】
前記隣接ノード及び前記ノードの制御装置は、それぞれ、
セッションIDに対応して、前ホップアドレス、次ホップアドレス、入力インタフェース(IF)識別子、出力インタフェース(IF)識別子を含むパス状態を記憶するパス状態管理表と、
セッションIDに対応して、上流隣接ノードの障害又は正常状態、下流隣接ノードの障害又は正常状態を含む隣接ノード状態を記憶する隣接ノード状態表と、
入力IF、出力IF、使用中・障害を含むIF状態を含む伝送装置のスイッチ状態を記憶するIF状態管理表
を備え、
前記隣接ノード及び前記ノードの伝送装置は、それぞれ、
入力IF、出力IF、使用中・障害を含むIF状態を表す伝送装置のスイッチ状態を記憶するスイッチ状態管理表
を備え、

前記隣接ノードの制御装置の障害が発生した場合、
前記隣接ノードの制御装置は、前記隣接ノードの制御装置のパス状態管理表が障害中のため、該パス状態管理表を参照できない状態になり、当該パスを維持し、

前記ノードの制御装置は、前記隣接ノードの制御装置との間でタイムアウトの検出により障害検出したため、隣接ノード状態表の隣接ノード状態を制御プレーン障害とセットし、
前記ノードの制御装置は、自ノードの伝送装置の状態をチェックし、スイッチ状態管理表又はIF状態管理表が使用中であるため、当該パスを維持し、
前記ノードの制御装置は、前記隣接ノードの制御装置側に正常な制御装置が存在しないため、前記隣接ノードの制御装置側に対してはリフレッシュメッセージを送信せず、他方の隣接ノードに正常な制御装置が存在すれば、リフレッシュメッセージを送信する
ことにより、制御プレーンの前記制御装置で障害が発生し、データプレーンに障害が発生していないときに、使用中のデータ転送路を切断することなくパス状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項9】
前記隣接ノードの制御装置が障害から復旧したときには、前記隣接ノードの制御装置は隣接する他のノードに対し、障害回復のメッセージを通知するとともに、パスの回復要求をし、
隣接する前記ノードの制御装置は、障害前に前記隣接ノードの制御装置と通信したメッセージの情報により記憶されたパス状態管理表に基づき、前記隣接ノードの制御装置に、パス状態管理表に含まれるパス状態データを通知し、
前記隣接ノードの制御装置は、自ノードの伝送装置に対してスイッチ状態の問合せを行い、前記隣接ノードの伝送装置は、前記隣接ノードの伝送装置のスイッチ状態管理表を参照して、前記隣接ノードの制御装置にスイッチ状態データを通知し、
前記隣接ノードの制御装置は、通知されたパス状態データ及びスイッチ状態データに従い、IF状態管理表及びパス状態管理表を回復し、
前記隣接ノードの制御装置は、回復メッセージを前記ノードの制御装置に送信する
ことにより、前記隣接ノードの制御装置は、リソースの再割り当てやパスの切断をすることなく、パス状態を回復することを特徴とする請求項8に記載のノード。
【請求項10】
前記隣接ノードの制御装置に障害が発生し、さらに、前記隣接ノードの伝送装置に障害が発生すると、
前記ノードの伝送装置は、前記隣接ノードの伝送装置から障害信号を受信して、前記隣接ノードの伝送装置の障害を検出し、前記ノードの伝送装置のスイッチ状態管理表に障害・障害警報検出状態をセットし、
前記ノードの制御装置は制御プレーンの障害検出後、自ノードの伝送装置の状態をチェックし、スイッチ状態管理表は障害・障害警報検出状態であるため、パス状態管理表の当該パス状態のエントリーを削除し、リソースを解放し、
前記ノードの伝送装置は、スイッチ状態管理表のIF状態を未使用状態にセットし、前記隣接ノードと異なる他の隣接ノードの制御装置に対して、パス状態削除指示を伝える
ことにより、データプレーンの障害時に、無期限にリソースを確保してしまうリソースリーク状態を防止することを特徴とする請求項8に記載のノード。
【請求項11】
前記隣接ノード及び前記ノードの制御装置は、それぞれ、
セッションIDに対応して、上流隣接ノードの障害又は正常状態、下流隣接ノードの障害又は正常状態を含む隣接ノード状態を記憶する隣接ノード状態表と、
入力IF、出力IF、使用中・障害を含むIF状態を含む伝送装置のスイッチ状態を記憶するIF状態管理表
を備え、
前記隣接ノード及び前記ノードの伝送装置は、それぞれ、
入力IF、出力IF、使用中・障害を含むIF状態を表す伝送装置のスイッチ状態を記憶するスイッチ状態管理表
を備え、

前記隣接ノードの制御プレーンの通信インタフェース部に障害が発生した場合、
前記隣接ノードの制御装置は、隣接ノードの制御装置の異常ととらえて障害を検出し、前記隣接ノードの制御装置の隣接ノード状態表を、上流および下流隣接ノードの両隣接ノードの制御プレーン障害とセットし、
前記隣接ノードの制御装置は、前記隣接ノードの伝送装置の状態をチェックし、スイッチ状態管理表又はIF状態管理表は使用中であるため当該パスを維持し、両隣接ノードが障害のためリフレッシュメッセージの送信は行わず、
一方、
前記隣接ノードに隣接する前記ノードの制御装置は、リフレッシュタイムアウトを検知し、前記隣接ノードの制御装置の異常を検出し、前記ノードの制御装置の隣接ノード状態表を、前記隣接ノード側の隣接ノードの制御プレーン障害とセットし、
前記ノードの制御装置は、自ノードの伝送装置の状態をチェックし、スイッチ状態管理表又はIF状態管理表は前記ノードの伝送装置のIF状態が使用中であるため、当該パスを維持し、前記ノードの制御装置の前記隣接ノードと異なる他の隣接ノードに正常な制御装置が存在するときリフレッシュメッセージを送信し、前記隣接ノード側にリフレッシュメッセージを送信しない
ことにより、データプレーンに障害が発生していないときに、使用中のデータ転送路を切断することなくパス状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項12】
隣接する制御装置である第一の隣接制御装置とメッセージを通信し、隣接する伝送装置間でユーザデータを通信する伝送装置を管理する制御装置であって、
該制御装置は、
前記第一の隣接制御装置から送信されるメッセージの受信状況に基づいて、前記第一の隣接制御装置の障害の有無を検出し、
前記第一の隣接制御装置の障害を検出すると、前記伝送装置に状態問合せ通知を発行して障害警報検出有無を調べ、
前記伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記伝送装置と該伝送装置と隣接する第一の隣接伝送装置との間のパス状態を維持する、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の制御装置であって、
前記伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記伝送装置と前記第一の隣接伝送装置との間のパス状態を維持し、
障害が検出された制御装置と異なる他の隣接する制御装置である第二の隣接制御装置が存在するとき、該第二の隣接制御装置にメッセージを送信して前記第二の隣接制御装置が管理する第二の隣接伝送装置と前記伝送装置との間のパス状態を維持する、ことを特徴とする制御装置。
【請求項14】
請求項12に記載の制御装置あって、
前記伝送装置の障害警報検出がある場合には、前記制御装置内に設けられパス状態を記憶する状態管理表の当該パス状態のエントリを削除し、リソースを解放する、ことを特徴とする制御装置。
【請求項15】
隣接ノードの伝送装置とユーザデータを通信する伝送装置と、隣接ノードの制御装置とメッセージを通信し自ノードの前記伝送装置を管理する制御装置とを備えたノードを有する通信システムであって、
該ノードの制御装置は、
前記隣接ノードの制御装置から送信されるメッセージの受信状況に基づいて、前記隣接ノードの制御装置の障害の有無を検出し、
前記隣接ノードの制御装置の障害を検出すると、自ノードの伝送装置に状態問合せ通知を発行して障害警報検出有無を調べ、
前記ノードの伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記ノードのパス状態を維持する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項16】
請求項15に記載の通信システムであって、
該ノードの伝送装置の障害警報検出がない場合には、前記ノードのパス状態を維持し、障害が検出された制御装置を備える前記隣接ノードと異なる他の隣接ノードに正常な制御装置が存在するとき、前記ノードの制御装置は、該正常な制御装置にメッセージを送信して前記他の隣接ノードとのパス状態を維持する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項17】
請求項15に記載の通信システムであって、
該ノードの制御装置は、該ノードの伝送装置の障害警報検出がある場合には、該ノードの制御装置内に設けられパス状態を記憶する状態管理表の当該パス状態のエントリを削除し、リソースを解放する、ことを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−170161(P2012−170161A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134053(P2012−134053)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【分割の表示】特願2008−157376(P2008−157376)の分割
【原出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】