説明

ハイスループット発光活性測定のためのセレンテラジン(ウミシイタケルシフェリン)溶液の安定化組成物および安定化法

【課題】セレンテラジンを基質とするルシフェラーゼの発光活性を最大限に引き出し、且つハイスループット解析に対応可能なセレンテラジンまたはそのアナログを安定化する。
【解決手段】セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を含むセレンテラジンまたはそのアナログの安定化組成物、キット、セレンテラジン系生物発光の測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セレンテラジン(ウミシイタケルシフェリン)あるいはそのアナログを基質とした各種ルシフェラーゼの酵素活性を室温中で長時間に渡って安定に測定するための安定化法に関する。
【背景技術】
【0002】
生命科学の分野では、細胞内で起きる遺伝子の転写活性を測定することが一般的に行われ、細胞に与える外来因子の影響の評価、細胞内情報伝達の伝播、或いは個々のタンパク群の発現解析等に用いられている。遺伝子発現を広い範囲で定量的に測定、且つ時間的な動態変化を解析するために、発光酵素であるルシフェラーゼを用いたレポータ技術による遺伝子転写活性測定が盛んに行われている。一方、生体内の特定の物質を評価定量解析することも盛んであり、特に抗体を用いたイムノアッセイでは抗体の認識性を利用して特定のホルモンや生理活性物質である低分子の生体分子から高分子のタンパクまでの定量が行われている。この際、抗体の検出などには放射性や発色性を利用した標識法が一般的であるが、近年、ルシフェラーゼを利用した標識法も用いられている。よって、生命現象の解明を目指したルシフェラーゼ技術の改良発展は益々重要なテーマとなっている。
【0003】
現在、ルシフェラーゼ技術として活用されている主なものとして、ホタル、ウミホタル、ウミシイタケ、コペポーダ由来のルシフェラーゼ及び発光クラゲ由来イクオリン発光タンパクがある。これらのルシフェラーゼを活用するため、ホタルルシフェリン、ウミホタルルシフェリン、及びウミシイタケ、コペポーダルシフェラーゼ及びイクオリンの基質となるセレンテラジン(別名:ウミシイタケルシフェリン、ホタルイカプレルシフェリン、オプロフオーラスルシフェリン)がある(表1)。3種のルシフェリンは直接、発光生物から抽出することもできるが、化学合成も可能であり、それぞれ、市販されている。
【0004】
【表1】

【0005】
比較的容易に合成可能なセレンテラジンは、既に多くの製品の中で活用されている。例えば、Promega社のデュアルアッセイシステムは、ホタル発光酵素遺伝子にA転写活性領域を、同時にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子にB転写活性領域を挿入し、細胞内に2つの遺伝子構築物を導入することで2つの基質で2つの転写活性を測定するシステムである。この方法では、細胞は破砕された後、ホタルルシフェリンを入れ、Aの転写活性を測定、
ホタルルシフェラーゼの発光を消光後、セレンテラジンを加えて、B転写活性を測定する

【0006】
一方、最近注目されているのはProlume社から出されている細胞外に分泌するコペポー
ダルシフェラーゼ(Gaussia Luciferase US6436682)である。この遺伝子を細胞内に導入、合成されたルシフェラーゼが分泌することを利用して、培養液にセレンテラジンを加えることで遺伝子発現量などを測定する系はハイスループット化アッセイに適している。
【0007】
セレンテラジンのイミダゾピラジノン環のプロトンのpKa 値は7.4付近なので、中性や
弱塩基性の緩衝液において、プロトンが容易に解離する。そのため、セレンテラジンが酸素と反応し、酸化分解しながら微弱な光を放出する。既知方法ではセレンテラジンを酸性条件下pH4-5のアルコール溶液で-20℃以下のフリーザーに保存する必要がある(非特許文献1)。一方、セレンテラジンを基質とするルシフェラーゼ群の至適pHは中性付近の7-8
であり、セレンテラジンの安定pH値の間に大きな違いがある。また、酸性条件下のアルコール溶液の影響を抑えるため、ルシフェラーゼの溶液に対して少量のルシフェリン(1/1000 v/v)を加えている(非特許文献1)。
【0008】
ハイスループット化アッセイで使用する96穴プレート、384穴プレートのウエルの体積は0.2mL以下であるので、0.2μL以下のセレンテラジン酸性アルコール溶液を加えることが望ましい(非特許文献1)。既存の96穴プレートルミノメータの分注液量は25〜250 μLであるので、微量なセレンテラジン酸性アルコール溶液の添加は不可能である。
さらに、イムノアッセイの場合、洗浄されたウエルに直接セレンテラジン溶液を加えることが望ましい。このように、いずれの場合もセレンテラジンをpH7-8の緩衝溶液で希釈す
る必要がある。
【0009】
一方、セレンテラジンは弱塩基性水溶液において不安定なため、セレンテラジンをpH7-8の緩衝溶液で希釈した場合、大量サンプルの測定において、最初のサンプルと最後のサ
ンプルの間にルシフェリン活性のばらつきが現れる。そのため、正確な測定はできない(図1)。pH7-8の緩衝溶液におけるセレンテラジンの安定性がハイスループットアッセイ
には重要な課題である。また、セレンテラジンは測定の際、そのバックグラウンドとなる自家発光も、ダイナミックレンジを小さくする要因であり、自家発光を低減する反応溶液も必要である。
【非特許文献1】BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS 233, 349-353 (1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
セレンテラジンを基質とするルシフェラーゼの発光活性を最大限に引き出し、且つハイスループット解析に対応可能なセレンテラジンまたはそのアナログの安定化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は,上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、セレンテラジンを基質とするルシフェラーゼの発光活性が最大となるpH7-8付近において、室温中でのセレンテラ
ジンの活性が減少せず、且つバックグラウンドを軽減できる安定化技術を確立した。
【0012】
本発明は、以下の発明に関する。
1. セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を含むセレンテラジンまたはそのア
ナログの安定化組成物。
2. セレンテラジン又はそのアナログを酸化防止剤の存在下に保存することを特徴とす
る、セレンテラジンまたはそのアナログの保存方法。
3. セレンテラジン生物発光系に使用するためのキットであって、セレンテラジン又は
そのアナログと酸化防止剤を含むキット。
4. セレンテラジン系ルシフェラーゼとセレンテラジン又はそのアナログの生物発光測
定系において酸化防止剤の存在下に生物発光を測定することを特徴とするセレンテラジン系生物発光の測定方法。
5. 生理活性物質で修飾セレンテラジン系ルシフェラーゼまたはセレンテラジン系組み
換えルシフェラーゼとセレンテラジン又はそのアナログの生物発光測定系において酸化防止剤の存在下に生物発光を測定することを特徴とするセレンテラジン系生物発光の測定方法。
6. 生理活性物質が抗原、抗体、ハプテン、ホルモン、酵素基質、糖鎖、核酸からなる
群から選ばれる少なくとも一種の物質である項5記載の測定方法。
7. 酸化防止剤が、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる、項1〜6のいずれかに記載の組成物、方法及びキット。
【発明の効果】
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態では、セレンテラジンを基質とするルシフェラーゼの発光活性を最大限に引き出し、且つハイスループット解析に対応する安定化されたセレンテラジン及びセレンテラジンアナログの安定化法を提供する。本安定化を使用することで、セレンテラジンを基質とするルシフェラーゼの発光活性を室温下、再現性良く測定することができる。これらは病態の治療,検査及び新薬開発に利用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
セレンテラジンまたはそのアナログの構造を以下に示す。
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、
Xは、4−ヒドロキシベンジル基、4−SO3H−ベンジル基、ベンジル基、ナフチルメチル基などの置換されていてもよいアラルキル基、シクロへキシルメチルなどの(炭素数3〜8のシクロアルキル)メチル基を表す。
【0017】
Yは、置換基されていてもよいアリール基を表す。
【0018】
Zは、置換されていてもよいアラルキル基、シクロへキシルメチル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいヘテロ環基、あるいは-CH2-(置換されていてもよいヘテロ環)を表す。
【0019】
アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルが挙げられる。
【0020】
アリール基としては、フェニル、ナフチルが挙げられる
ヘテロ環基としては、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリルが挙げられる。
【0021】
アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの直鎖または分枝を有する炭素数1〜6のアルキル基(ヒドロキシル
基でモノ置換されるか、フッ素原子でモノ置換から完全に置換(perflurorinated)されて
いてもよい)、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子またはヨウ素原子)、ア
セチル基などの炭素数1〜6のアルカノイル基、メトキシ基などの直鎖または分枝を有する炭素数1〜6のアルコキシ基、OH、SH、COOH,SO3H、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基などの炭素数1〜4のアルキル基でモノ置換またはジ置換されたアミノ基、ニトロ基、シアノ基などが挙げられ、これらの置換基を0〜3個、好ましくは0、1または2個有する。
【0022】
セレンテラジンおよびそのアナログは、公知であるか、あるいは公知の方法から容易に製造することができる。(非特許文献1、非特許文献2)
非特許文献2、 Tetrahedron Lett., 2001, 42, 2997-3000.
本発明において、セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を併用することで、セレンテラジン又はそのアナログを安定化することができる。さらにウミシイタケルシフェラーゼ、コペポーダルシフェラーゼ、ヒオドシエビルシフェラーゼとセレンテラジン又はそのアナログを含む生物発光系の測定を酸化防止剤の存在下に行うことで、発光シグナルを増強し、発光バックグラウンドを低減することができ、S/N比を大幅に改善することが
できる。
【0023】
酸化防止剤としては、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩、ブチルヒドロキシアニソール、ポリフェノール類、水素化ホウ素アルカリ金属などが挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用できる。好ましくはアスコルビン酸、エリソルビン酸又はその塩が挙げられる。2種以上の酸化防止剤を組み合わせる場
合には、アスコルビン酸と少なくとも1種の他の酸化防止剤を組み合わせるのが好ましい

【0024】
アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、亜硫酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
【0025】
アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩などの酸化防止剤をセレンテラジンまたはそのアナログを用いる生物発光系に添加する場合、0.005〜1M程度の濃度で添加するのが好ましい。
【0026】
セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を含む組成物は、セレンテラジン又はそのアナログ(溶液、あるいは粉末、顆粒、結晶などの固形物)を安定化するのに好適である。該組成物において、セレンテラジン又はそのアナログ1重量部あたり、酸化防止剤を40000〜800000重量部程度配合する。
【0027】
従って、セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤(特にアスコルビン酸、エリソ
ルビン酸またはこれらの塩、亜硫酸塩)を含む組成物は、セレンテラジン又はそのアナロ
グの室温での保存安定性のみならず、測定時のバックグラウンドの上昇を抑制できるため、特に好ましい。
【0028】
本発明のセレンテラジン生物発光系に使用するためのキットは、セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を含み、必要に応じてさらにassay buffer、lysis bufferなどを含む。Assay buffer としては、pH6〜9程度、好ましくはpH7〜8程度の緩衝液が挙げられ
、具体的にはトリス緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、グッド緩衝液などの緩衝液が挙げられる。lysis bufferとしては、UREA, Thiourea, DTT, DMSO、CHAPSなどを含む液が挙
げられる。
【0029】
本発明のセレンテラジンまたはそのアナログで生物発光を測定する発光蛋白としては、ウミシイタケルシフェラーゼ、コペポーダルシフェラーゼ、ヒオドシエビルシフェラーゼが挙げられる。
【0030】
本発明で使用する安定化組成物/測定方法は、上記の発光蛋白(ルシフェラーゼ)が単独
で含まれる系で使用することもでき、発光蛋白が生理活性物質に結合/複合体化により修
飾されたものであってもよい。このような複合体を用いることで生理活性物質の量を定量することができる。生理活性物質としては、特に限定されないが、たとえば抗原、抗体、ハプテン、ホルモン、酵素基質、糖鎖、核酸(DNA,RNA)などが挙げられる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例に従いより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0032】
実施例1 安定剤存在下のセレンテラジンの発光活性とS/N値
以下4種類溶液(1,2,3,4)を調製し、セレンテラジンを終濃度(0.001mM)
になるように溶かし、バックグランドの活性として測定した。次にレニラルシフェラー
ゼを加え、発光活性(RLU: Relative Light Unit)を測定し、その実測値を図2で表す。
また、RLUを最初に測ったバックグランド値で割ったS/N値を図3で表す。その結果、アス
コルビン酸ナトリウム塩溶液2、または亜硫酸ナトリウム溶液3のバックグランドが低く、良いS/Nを与えることがわかった。
図2,3,4中において、
1: 0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M NaCl
2: 0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M Sodium ascorbate
3: 0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.2 M Na2SO3
4: 0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.2 M Thiourea
ウミシイタケルシフェラーゼを用いて、上記1、2,3、4の溶液中のセレンテラジンの残存活性を調べ、セレンテラジンのそれぞれの溶液における半減期を調べた。結果、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液は他の溶液に比べて、10倍以上の半減期の延長がみられた。以上の結果から、セレンテラジンを用いたハイスループット発光活性測定において、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液は最もよいことがわかった。
【0033】
実施例2 10%FBS溶液におけるセレンテラジンの自家発光活性
以下2種類の溶液(1)、(2)を調製し、セレンテラジンを終濃度(10μMまたは100μM)
になるように溶かし、動物細胞の培地(10%FBSを入り溶液)と1:1(体積比)で混
合し、バックグランドの活性として10秒間の発光を測定した。結果は図5に示した。
(1)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M NaCl
2)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M Sodium ascorbate
実施例3:コペポーダルシフェラーゼルシフェラーゼによる発光と自家発光との比
動物細胞から分泌されたコペポーダルシフェラーゼの培地(10%FBS入り)を用いて、
実施例3で調製したセレンテラジン溶液(終濃度:10μMまたは100μM)と反応させ、発光活性(RLU)を測定し、その実測値をそれぞれの自家発光との比を計算し、図6にまとめ
た。その結果、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液は少なくとも2倍以上発光と自家発光と
の比の改善が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、以下のような応用が可能である。
1)ウミホタルルシフェラーゼ・コペポーダルシフェラーゼ遺伝子によるハイスループッ
トデュアルアッセイシステム:ウミホタルホタル発光酵素遺伝子にA転写活性領域を、同
時にコペポーダルシフェラーゼ遺伝子にB転写活性領域を挿入、細胞内に2つの遺伝子構築物を導入する。一定時間経過後、培養液の一部を取り出し、多検体プレート、例えば、2枚の96穴プレートに半分ずつ分注する。一方のプレートには、ウミホタルルシフェリン溶液を加え、A転写活性を測定する。もう一方のプレートには、セレンテラジン安定化溶
液を加えて、B転写活性を測定する。A或いはB転写活性領域をコントロール遺伝子配列(
例えば、SV40、CMVプロモータ)とすることで、一方の転写活性をノーマライズする。9
6穴プレートでは、全てのサンプルの発光活性を測定するには長時間要するが、セレンテラジン安定化溶液を用いることで再現性の高い発光値が測定可能である。
2)コペポーダルシフェラーゼによるハイスループットイムノアッセイ:コペポーダルシ
フェラーゼは室温で長期間安定であるので、例えばビオチン標識コペポーダルシフェラーゼ・ストレプトアビジン複合体を製造、サンドイッチ法や競合阻害法などで対象物質を抗体で検出、2次抗体としてビオチン標識コペポーダルシフェラーゼ・ストレプトアビジン
複合体を用いることでイムノアッセイを行う。全てのサンプルの発光活性を測定するには長時間要するが、セレンテラジン安定化溶液を用いることで再現性の高い発光値が測定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】セレンテラジンのハイスループットアッセイのイメージ図
【図2】安定剤の存在下のセレンテラジンの発光活性
【図3】安定剤の存在下のセレンテラジンの発光S/N比
【図4】安定剤の存在下のセレンテラジンの半減期
【図5】10%FBS溶液におけるセレンテラジンの自家発光活性
【図6】コペポーダルシフェラーゼルシフェラーゼによる発光と自家発光との比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を含むセレンテラジンまたはそのアナログの安定化組成物。
【請求項2】
セレンテラジン又はそのアナログを酸化防止剤の存在下に保存することを特徴とする、セレンテラジンまたはそのアナログの保存方法。
【請求項3】
セレンテラジン生物発光系に使用するためのキットであって、セレンテラジン又はそのアナログと酸化防止剤を含むキット。
【請求項4】
セレンテラジン系ルシフェラーゼとセレンテラジン又はそのアナログの生物発光測定系において酸化防止剤の存在下に生物発光を測定することを特徴とするセレンテラジン系生物発光の測定方法。
【請求項5】
生理活性物質で修飾したセレンテラジン系ルシフェラーゼまたはセレンテラジン系組み換えルシフェラーゼとセレンテラジン又はそのアナログの生物発光測定系において酸化防止剤の存在下に生物発光を測定することを特徴とするセレンテラジン系生物発光の測定方法。
【請求項6】
生理活性物質が抗原、抗体、ハプテン、ホルモン、酵素基質、糖鎖、核酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の物質である請求項5記載の測定方法。
【請求項7】
酸化防止剤が、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩、からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物、方法及びキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−26298(P2008−26298A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280834(P2006−280834)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】