説明

ハイパーリンク再配置装置、ハイパーリンク再配置方法及びハイパーリンク再配置プログラム

【課題】ウェブページ内から特定の情報を容易に探索可能に表示する。
【解決手段】サイト特有語を含む複数の重要キーワードと、該重要キーワードの同意語とを統合して統一的に表現した統一リンクテキストを記憶しておき、サイト特有語からウェブページの種類を判断し、その種類に対応した重要キーワードを抽出し、該キーワードに対応した統一リンクテキストを記憶手段から取得し、抽出した重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを統一リンクテキストに変更して、所期の位置に、スタイルシートに従って表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイパーリンクの表示位置を再配置する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及が進み、高齢者のインターネット利用率は増加傾向にある。また、日本における高齢者の割合も増加の一途を辿り、高齢者に配慮したウェブデザインやウェブサービスが今後益々重要になると考えられている。例えば、このような高齢者に配慮したブラウザ機能には、ウェブブラウザの画面や文字の大きさを変更する機能が挙げられる(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】マイクロソフト、“Internet ExplorerでWebページの文字が小さくて読みにくい!”、[平成22年4月27日検索]、インターネット<URL : http://support.microsoft.com/kb/879141/ja>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高齢者やパソコン初心者がインターネットを利用する場合、視力の低下や視野の狭まり等の加齢特性や、ウェブ経験の少なさ等から、所期する情報をウェブ上の膨大な情報の中から探し出すことが困難という問題があった。すなわち、上記従来技術によれば文字や画面の大きさを変更可能であるが、ユーザが所望する情報の表示位置は指示されていないため、所期する情報に辿りつけないという問題があった。
【0005】
また、各々のウェブサイトで使用されているテキストは同じ意味を指す言葉であっても様々な言葉で表現されていることが多いため、ユーザに混乱を与えるという問題があった。
【0006】
さらに、取得したウェブページによっては表示文字の大きさや色、画像の大きさが不適切であるため、高齢者や視覚障害者がユーザである場合には、所期するリンクテキストをクリックすることが難しいという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、ウェブページ内から特定の情報を容易に探索可能に表示するハイパーリンク再配置装置、ハイパーリンク再配置方法及びハイパーリンク再配置プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のハイパーリンク再配置装置は、ウェブサイトの種類と、前記種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、前記複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶しておく記憶手段と、取得したウェブページから前記サイト特有語を検索し、検索されたサイト特有語に対応する前記ウェブサイトの種類を前記ウェブページの種類と判定する判定手段と、判定された前記ウェブページの種類に対応する前記重要キーワードを前記ウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうち前記ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出する抽出手段と、抽出された重要キーワードに対応する前記統一リンクテキストを前記記憶手段から取得し、当該重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを当該統一リンクテキストに変更する変更手段と、当該統一リンクテキストを所期の位置に表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出し、抽出した重要キーワードを含むリンクテキストを統一リンクテキストに変更して、所期の位置に表示するため、ウェブページ内から特定の情報を容易に探索可能に表示するハイパーリンク再配置装置を提供することができる。
【0010】
請求項2に記載のハイパーリンク再配置装置は、請求項1に記載のハイパーリンク再配置装置において、前記ウェブページとは異なるウェブページを取得する取得手段を更に有し、前記抽出手段は、前記ハイパーリンク化されている重要キーワードを前記異なるウェブページから抽出することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、ハイパーリンク化されている重要キーワードを異なるウェブページから抽出するため、重要キーワードをより確実に抽出することができる。
【0012】
請求項3に記載のハイパーリンク再配置装置は、請求項1又は2に記載のハイパーリンク再配置装置において、スタイル情報を記述したスタイルシートを格納しておく格納手段と、前記統一リンクテキストのスタイル変更を受け付けて、当該スタイル変更に要するスタイル情報を前記スタイルシートから取得する操作手段と、を更に有し、取得した前記スタイル情報に基づいて前記統一リンクテキストの表示状態を変更することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、スタイル情報に基づいて統一リンクテキストの表示状態を変更するため、ウェブページの操作性を向上することができる。
【0014】
請求項4に記載のハイパーリンク再配置方法は、コンピュータにより、ウェブサイトの種類と、前記種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、前記複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶手段に記憶しておくステップと、取得したウェブページから前記サイト特有語を検索し、検索されたサイト特有語に対応する前記ウェブサイトの種類を前記ウェブページの種類と判定するステップと、判定された前記ウェブページの種類に対応する前記重要キーワードを前記ウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうち前記ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出するステップと、抽出された重要キーワードに対応する前記統一リンクテキストを前記記憶手段から取得し、当該重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを当該統一リンクテキストに変更するステップと、当該統一リンクテキストを所期の位置に表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載のハイパーリンク再配置プログラムは、コンピュータに、ウェブサイトの種類と、前記種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、前記複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶手段に記憶しておく手順と、取得したウェブページから前記サイト特有語を検索し、検索されたサイト特有語に対応する前記ウェブサイトの種類を前記ウェブページの種類と判定する手順と、判定された前記ウェブページの種類に対応する前記重要キーワードを前記ウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうち前記ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出する手順と、抽出された重要キーワードに対応する前記統一リンクテキストを前記記憶手段から取得し、当該重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを当該統一リンクテキストに変更する手順と、当該統一リンクテキストを所期の位置に表示する手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ウェブページ内から特定の情報を容易に探索可能に表示するハイパーリンク再配置装置、ハイパーリンク再配置方法及びハイパーリンク再配置プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1に係るハイパーリンク再配置装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図2】テキストデータベース部に記憶されているデータベースの一例を示す図である。
【図3】テキストデータベース部に記憶されているデータベースの一例を示す図である。
【図4】実施例1に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローを示す図である。
【図5】実施例1で表示される画面の一例を示す図である。
【図6】実施例2に係るハイパーリンク再配置装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図7】実施例2に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローを示す図である。
【図8】実施例3に係るハイパーリンク再配置装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図9】実施例3に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローを示す図である。
【図10】実施例3で表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1に係るハイパーリンク再配置装置の機能ブロック構成を示す図である。このハイパーリンク再配置装置1は、パソコン内で単独動作するアプリケーションとして実施され、通信部11と、HTML読込部12と、テキストデータベース部13と、サイトカテゴリ判定部14と、リンク抽出部15と、リンクテキスト統一部16と、HTML生成部17と、表示部18と、操作部19とで構成されている。以下、これら各機能部の特徴について詳細に説明する。
【0020】
通信部11は、インターネット等の通信ネットワーク3を介してコンテンツサーバ5からウェブコンテンツ(ウェブサイトやウェブページの記載情報)を取得し、HTML読込部12に出力する機能を有している。
【0021】
HTML読込部12は、通信部11から出力されたウェブコンテンツを入力し、そのウェブページからHTML情報を取得し、そのHTML情報をサイトカテゴリ判定部14に出力する機能を有している。
【0022】
テキストデータベース部13は、ウェブサイトの種類を表すサイトカテゴリと、ウェブサイトの種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、その複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶しておく機能を有している。
【0023】
図2及び図3に、テキストデータベース部13に記憶されているデータベースの一例を示す。「ウェブページ中の「重要キーワード」」は、サイトカテゴリ(サイト種別)毎に分類されている。特に、「重要キーワード」において(ST)欄内のキーワードは、そのサイトカテゴリに特有な語であって、ウェブサイトの種類の特徴を表している。例えば、「買い物かご」、「支払」、「配送」といった語は、ショッピングサイトに特有の語である。以降、(ST)欄の語をサイト特有語という。また、このデータベースには複数の同意義語がまとめて1つの欄内に格納されている。例えば、ショッピングサイトのサイトカテゴリでは、「買い物かご」、「買い物カゴ」、「カート」、「cart」、「Cart」、「CART」の同意義語が1つの欄に格納され、これらは「買い物かごを見る」という語で統一して表現されている。以降、統一して表現される語を統一リンクテキストという。
【0024】
サイトカテゴリ判定部14は、HTML読込部12から出力されたHTML情報を入力し、そのHTML情報内の語とテキストデータベース部13のサイト特有語とを照合して、通信部11で取得したウェブページが属するサイトカテゴリを判定する機能を有している。すなわち、取得したウェブページのHTML情報からサイト特有語を検索し、特定のサイトカテゴリのサイト特有語がHTML情報内に全て存在すれば、検索されたサイト特有語に対応するサイトカテゴリを、取得したウェブページのサイトカテゴリと判定する。
【0025】
例えば、ショッピングサイトのサイト特有語である「買い物カゴ」、「支払」、「配送」がHTML情報中にあれば、取得したウェブページはショッピングサイトのサイトカテゴリに属すると判定する。サイトカテゴリ判定後、同定したサイトカテゴリの名称と、そのサイトカテゴリに属する「重要キーワード」欄の語と、ウェブページのHTML情報とをリンク抽出部15に出力する。
【0026】
リンク抽出部15は、サイトカテゴリ判定部14から出力されたサイトカテゴリの名称と、そのサイトカテゴリに属する「重要キーワード」欄の語と、ウェブページのHTML情報とを入力し、入力された重要キーワードがウェブページのHTML情報内にハイパーリンクとして存在している場合には、そのハイパーリンク化された重要キーワードを抽出する機能を有している。すなわち、サイトカテゴリ判定部14で判定されたサイトカテゴリに対応する重要キーワードをウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうちウェブページ上でハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出する。
【0027】
具体的には、重要キーワードをHTMLのリンクテキスト(「<a href=“リンク先URL”>リンクテキスト</a>」のリンクテキストの部分)と照合し、重要キーワードと一致したリンクテキストについて、アンカー要素(HTMLのaタグ)とリンクの位置情報とリンクテキストと(つまり、<a href=“リンク先URL”>リンクテキスト</a>)を抽出する。但し、ハイパーリンク表示がテキストではなく画像の場合、代替テキストがあれば、その代替テキストをリンクテキストに置き換えて抽出する。つまり、「<a href=“リンク先URL”alt=“代替テキスト”><img=“画像ファイル名”></a>」を、「<a href=“リンク先URL”>リンクテキスト(=代替テキスト)</a>」に変更した後に抽出する。
【0028】
その後、抽出した、アンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストと(<a href=“リンク先URL”>リンクテキスト</a>)をリンクテキスト統一部16に出力する。
【0029】
リンクテキスト統一部16は、リンク抽出部15から出力されたアンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストと(<a href=“リンク先URL”>リンクテキスト</a>)を入力し、入力されたリンクテキスト(=重要キーワード)に対応する統一リンクテキストをテキストデータベース部13から取得し、そのリンクテキスト(=重要キーワード)を含むウェブページのリンクテキストを、取得した統一リンクテキストに変更する機能を有している。すなわち、「<a href=“リンク先URL”>リンクテキスト</a>」のリンクテキストの部分を、「<a href=“リンク先URL”>統一リンクテキスト</a>」のように統一リンクテキストに変更し、変更後の「<a href=“リンク先URL”>統一リンクテキスト</a>」情報をHTML生成部17に出力する。
【0030】
HTML生成部17は、リンクテキスト統一部16から出力された「<a href=“リンク先URL”>統一リンクテキスト</a>」情報を受け取り、その情報を用いて新たなHTMLを生成し、ウェブブラウザのウィンドウ等に表示可能となる処理を施した後に、表示部18に出力する機能を有している。
【0031】
表示部18は、統一リンクテキスト含む上記新たなHTMLを所期の位置に表示する機能を有している。
【0032】
操作部19は、表示部18の表示情報に対してユーザが所望する操作を与える機能を有している。表示部18に表示されたリンクテキストがクリックされた場合には、そのリンクテキストのハイパーリンクの位置情報が通信部11に出力され、通信部11により通信ネットワーク3を介してコンテンツサーバ5にアクセスされ、クリックしたリンクのリンク先ウェブページが表示される。
【0033】
次に、実施例1に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローについて説明する。図4は、実施例1に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローを示す図である。
【0034】
最初に、HTML読込部12により、ユーザが閲覧中のウェブページのHTML情報が取得され、サイトカテゴリ判定部14に出力される(S1)。
【0035】
次いで、サイトカテゴリ判定部14により、HTML情報内の語がテキストデータベース部13のサイト特有語と照合され(S2)、サイト特有語が存在する場合、閲覧中のウェブページは、そのサイト特有語に対応するサイトカテゴリに属すると判定される(S3)。なお、サイト特有語が存在しない場合には、以降の処理を行うことなく処理を終了する。
【0036】
次いで、リンク抽出部15により、判定されたサイトカテゴリに対応する重要キーワードが、ウェブページのHTMLのリンクテキスト(又は代替テキスト)群にあるかが検索され、検索によって一致したリンクテキスト(又は代替テキスト)のアンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストとが抽出されて、リンクテキスト統一部16に出力される(S4)。
【0037】
次いで、リンクテキスト統一部16により、入力されたアンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストとのうちリンクテキスト(=重要キーワード)が、テキストデータベース部13の「ウェブページ中の「重要キーワード」」欄から検索され、同じ列の左に位置する統一リンクテキストに置き換えられた後に、HTML生成部17に出力される(S5)。
【0038】
次いで、HTML生成部17により、抽出されたアンカー要素とリンクの位置情報と置き換えられた統一リンクテキストとが新たなHTML等に書き出され、表示部18に出力される(S6)。
【0039】
最後に、表示部18により、S6で生成されたHTML等がウェブブラウザのウィンドウフレーム等に表示される(S7)。なお、表示方法の一例としては、閲覧中のウェブブラウザに併せて表示する方法や、新たに開いたウィンドウに表示する方法が挙げられる。また、ブラウザのメニューに追加する方法でもよいし、マウスを右クリックした際に現れるメニューに表記する方法でもよい。これら以外の方法でも可能であり、一表示方法に限定されるものではない。
【0040】
以下、具体的な使用例について説明する。例えば、ユーザが閲覧中のウェブページが図5の右側に示されたネットショッピングサイトの場合には、ショッピングサイトのサイト特有語である「カート」、「支払」、「配送」が探索され、閲覧中のウェブページはショッピングサイトであると判定される。
【0041】
そして、HTMLのテキストからテキストデータベース部13のショッピングサイトカテゴリの全ての重要キーワードが探索され、探索された重要キーワード(=テキスト)のうちハイパーリンク化されているリンクテキストが抽出される。すなわち、「ログイン」、「新規登録」、「カート」、「支払」、「配送」、「ヘルプ」「お問い合わせ」、「サイトマップ」等のリンクテキストがHTMLから抽出され、リンクテキストからリンク情報(アンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキスト)が取得される。
【0042】
その後、テキストデータベース部13に基づいて、同意義語として扱われているリンクテキストは統一して表現される。例えば、「カート」は「買い物かごを見る」に統一され、「ガイド」は「お買いもの方法を見る」に統一される。
【0043】
最後に、図5の左側に示すように、ウェブブラウザのウィンドウのフレームとして、リンク抽出表示部の位置に、抽出したリンク情報が配置される。このハイパーリンクがユーザによりクリックされた場合に、リンク先のURLに移動する。
【0044】
実施例1によれば、ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出し、抽出した重要キーワードを含むリンクテキストを統一リンクテキストに変更して、所期の位置に表示するので、ウェブページ内から特定の情報を容易に探索することができ、探索に要するユーザの心的・肉体的ストレスを軽減することができる。特に、様々な同意義語のリンクテキストを統一リンクテキストで統一しているので、リンクテキストとして記載されている語の意味をより明確にでき、ユーザの混乱を回避することができる。
【実施例2】
【0045】
実施例1は、ユーザが閲覧中のウェブページのHTML情報のみからリンクテキストを抽出して表示するものであったが、必要なリンクテキストは閲覧中のウェブページに存在しない場合がある。そこで、実施例2では、閲覧中のウェブページからハイパーリンクされたリンク先のウェブページや、閲覧中のウェブサイトに含まれる複数のウェブページからHTML情報を取得し、その中からリンクテキストを抽出することを特徴とする。
【0046】
図6は、実施例2に係るハイパーリンク再配置装置の機能ブロック構成を示す図である。図1に示す実施例1の機能ブロック構成に対し、同一ウェブサイト取得部20が追加されている。以下、実施例1と異なる機能について説明し、実施例と同じ機能については省略する。
【0047】
リンク抽出部15は、実施例1で説明した機能に加えて、テキストデータベース部13に記憶されている重要キーワードが通信部11で取得したウェブページに全て存在するかを検査し、重要キーワードが1つでも該ウェブページのHTML情報内に存在しない場合には、不足している重要キーワードの情報とHTML情報とを同一ウェブサイト取得部20に出力する機能を更に有している。また、HTML読込部12から別のウェブページのHTML情報(後述する)と不足重要キーワードの情報とを入力した場合には、実施例1で説明した機能と同様に、不足重要キーワードを別のウェブページのHTMLのリンクテキストと照合し、重要キーワードと一致したリンクテキストについて、アンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストとを抽出する。
【0048】
同一ウェブサイト取得部20は、リンク抽出部15から出力された不足重要キーワードの情報とHTML情報とを入力し、そのHTML情報内に存在するリンクテキストから現在のウェブページとは異なる別のウェブページの位置情報(例えば、そのリンクテキストに関連付けられたURL等)を取得する機能を有している。
【0049】
なお、抽出対象の重要キーワードが存在する可能性を高めることを考慮し、入力されたHTML情報内に存在するリンクテキストのうち、「サイトマップ」、「○○方法」、「ガイド」、「案内所」、「ヘルプ」等の特有のリンクテキストに関連付けられたURLを取得するようにすることも可能である。なお、特有のリンクテキストは、テキストデータベース部13の「ウェブページ中の「重要キーワード」」欄に属する重要キーワードであれば、どの重要キーワードであってもよい。
【0050】
その後、取得した別のURLのウェブページのコンテンツ情報を取得する取得命令と、不足重要キーワードの情報を通信部11に出力する。
【0051】
通信部11は、実施例1で説明した機能に加えて、同一ウェブサイト取得部20から出力された不足重要キーワードの情報と取得命令とを入力し、その取得命令に基づいて、「サイトマップ」、「○○方法」、「ガイド」、「案内所」、「ヘルプ」等のウェブコンテンツのうちいずれかのウェブページのウェブコンテンツを取得し、取得した別のウェブコンテンツと不足重要キーワードの情報とをHTML読込部12に出力する機能を更に有している。
【0052】
HTML読込部12は、実施例1で説明した機能に加えて、通信部11から出力された別のウェブコンテンツと不足重要キーワードの情報とを入力し、その別のウェブページからHTML情報を取得し、そのHTML情報と不足重要キーワードの情報とをリンク抽出部15に出力する機能を更に有している。
【0053】
次に、実施例2に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローについて説明する。図7は、実施例2に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローを示す図である。
【0054】
最初に、HTML読込部12により、ユーザが閲覧中のウェブページのHTML情報が取得され、サイトカテゴリ判定部14に出力される(S11)。
【0055】
次いで、サイトカテゴリ判定部14により、HTML情報内の語がテキストデータベース部13のサイト特有語と照合され(S12)、サイト特有語が存在する場合、閲覧中のウェブページは、そのサイト特有語に対応するサイトカテゴリに属すると判定される(S13)。なお、サイト特有語が存在しない場合には、以降の処理を行うことなく処理を終了する。
【0056】
次いで、リンク抽出部15により、判定されたサイトカテゴリに対応する重要キーワードが、ウェブページのHTMLのリンクテキスト(又は代替テキスト)群にあるかが検索され、検索によって一致したリンクテキスト(又は代替テキスト)についてアンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストとが抽出されて、リンクテキスト統一部16に出力される(S14)。
【0057】
ここで、リンク抽出部15により、判定されたサイトカテゴリに対応する全ての重要キーワードが、ウェブページのHTMLのリンクテキスト(又は代替テキスト)群にあるかが検査される(S15)。
【0058】
そして、S15の検査で、重要キーワードが1つでもウェブページのHTML情報に存在しない場合には、同一ウェブサイト取得部20により、そのHTML情報内に存在するアンカー要素のリンクテキスト(又は代替テキスト)から、「サイトマップ」、「○○方法」、「ガイド」、「案内所」、「ヘルプ」等のリンクテキストが検索され、検索されたリンクテキストのURLが取得される(S16)。
【0059】
その後、通信部11により、「サイトマップ」、「○○方法」、「ガイド」、「案内所」、「ヘルプ」等のウェブコンテンツのうちいずれかのウェブページのウェブコンテンツが取得され、HTML読込部12により、取得されたウェブページからHTML情報が取得され(S17)、S14に戻る。
【0060】
重要キーワードが全て検索されるまで、「サイトマップ」、「○○方法」、「ガイド」、「案内所」、「ヘルプ」等の別のウェブページが取得され、重要キーワードと一致するリンクテキストが探索される(S14→S15→S16→S17→S14のループ処理)。なお、これらのウェブページを探索しても全ての重要キーワードに一致するリンクテキストが探索されない場合には、そこでループを終了してS18に進む。
【0061】
一方、S15の検査で、全ての重要キーワードがウェブページのHTML情報に存在したか、又は探索対象のウェブページから重要キーワードを探索し終えた場合には、リンクテキスト統一部16により、入力されたアンカー要素とリンクの位置情報とリンクテキストとのうちリンクテキスト(=重要キーワード)が、テキストデータベース部13の「ウェブページ中の「重要キーワード」」欄から検索され、同じ列の左に位置する統一リンクテキストに置き換えられた後に、HTML生成部17に出力される(S18)。
【0062】
次いで、HTML生成部17により、抽出されたアンカー要素とリンクの位置情報と置き換えられた統一リンクテキストとが新たなHTML等に書き出され、表示部18に出力される(S19)。
【0063】
最後に、表示部18により、S6で生成されたHTML等がウェブブラウザのウィンドウフレーム等に表示される(S20)。
【0064】
実施例2によれば、ハイパーリンク化されている重要キーワードを異なるウェブページから抽出するので、重要キーワードをより確実に抽出することができる。
【実施例3】
【0065】
実施例1又は実施例2は、統一リンクテキストを元のウェブページの文字と同じ大きさや色で表示するものであったが、実施例3では、表示されるリンクテキスト(統一リンクテキストを含む)の文字の大きさや色、背景色、リンクテキストの並び替え、検索窓等の表示状態をユーザ指定で変更可能とすることを特徴とする。
【0066】
図8は、実施例3に係るハイパーリンク再配置装置の機能ブロック構成を示す図である。図6に示す実施例2の機能ブロック構成に対し、CSSデータベース部21が追加されている。以下、実施例1又は実施例2と異なる機能について説明し、それら各実施例と同じ機能については省略する。
【0067】
CSSデータベース部21は、所定の大きさや色に文字を変更する変更情報、所定の背景色に変更する変更情報、所定の位置にリンクテキストを並び替える変更情報等のスタイル情報を記述したスタイルシートを格納しておく機能を有している。具体的には、大・中・小の文字サイズに変更するCSSファイルが格納されており、大の文字サイズについては、文字サイズを120%に大きく変更すする命令(a{font size:120%})が記載されている。文字サイズの変更割合の数値を変更することにより、中や小の文字サイズに変更するCSSファイルも格納されている。
【0068】
操作部19は、実施例1で説明した機能に加えて、リンクテキストの文字の色、大きさ、背景色、リンクテキストの並び順等のデザイン変更要求を受け付けて、指定されたデザイン変更に対応するスタイル情報のCSSファイルをCSSデータベース部21から取得し、取得したCSSファイルと該CSSファイルのファイル名とを表示部18に出力する機能を更に有している。
【0069】
表示部18は、実施例1で説明した機能に加えて、操作部19から出力されたCSSファイルと該CSSファイルのファイル名とを入力し、CSSファイル名をHTML生成部17に出力する機能を更に有している。
【0070】
HTML生成部17は、実施例1で説明した機能に加えて、表示部18から出力されたCSSファイル名を入力し、入力されたCSSファイル名を用いて事前に生成しているHTMLを修正する機能を更に有している。具体的には、生成済みのHTMLのhead要素内に、<link rel=“stylesheet”href=“CSSファイル名”type=“text/css”>のlink要素を追加する。その後、修正したHTMLを表示部18に出力する。CSSファイルにより、HTML内のa要素の書式が設定される。これにより、リンクテキストのスタイルが決定される。
【0071】
次に、実施例3に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローについて説明する。図9は、実施例3に係るハイパーリンク再配置装置の処理フローを示す図である。S31〜S40の各処理は実施例2のS11〜S20の各処理とそれぞれ同様である。以下、S41以降の処理について説明する。
【0072】
S40の後、操作部19により、ユーザによるデザイン変更要求の有無が検出される(S41)。
【0073】
次いで、S41の検出結果でデザイン変更要求がある場合には、操作部19により、そのデザイン変更要求が受け付けられて、指定されたデザイン変更に対応するCSSファイルがCSSデータベース部21から取得され、表示部18により、取り出したCSSファイルのファイル名がHTML生成部17に出力され、HTML生成部17により、そのファイル名を用いて、事前に生成されているHTMLが修正されて、表示部18に出力される(S42)。なお、S41の検出結果でデザイン変更要求がない場合には、以降の処理を行うことなく処理を終了する。
【0074】
最後に、表示部18により、修正されたHTMLとCSSファイルとが画面に反映されて、ユーザによって指定された状態に変更されたリンクテキストが表示される(S43)。ここでの表示例を図10に示す。
【0075】
実施例3によれば、スタイル情報に基づいて統一リンクテキストの表示状態を変更するので、ウェブページの操作性を向上することができる。
【0076】
従来技術によれば、高齢者があるショッピングサイトを初めて訪れた際に、買い物をする方法や、買い物かご、支払い方法といったハイパーリンクが訪問サイト内のどこに配置されているのかを探すことは困難である。しかし、実施例1ないし実施例3によれば、自動的にハイパーリンクが抽出されて、特定の部位に配置されるので、初めての訪問サイトであってもハイパーリンクを探索する手間を省略することができ、効率的に買い物をすることができる。
【0077】
なお、各実施例では、閲覧中のサイトがショッピングサイトの場合を例に説明したが、図2又は図3に示すように、例えば、ブログ、官公庁、路線検索、ニュース、電子申請等の様々なウェブサイトやウェブページにも適用することが可能である。
【0078】
最後に、ハイパーリンク再配置装置1は、コンピュータで構成される。すなわち、テキストデータベース部13と、CSSデータベース部21とは、メモリ等の記憶手段で実現される。また、通信部11と、HTML読込部12と、サイトカテゴリ判定部14と、リンク抽出部15と、リンクテキスト統一部16と、HTML生成部17と、表示部18と、操作部19と、同一ウェブサイト取得部20とは、CPU等の演算手段で実現され、プログラムで実行される。
【0079】
また、ハイパーリンク再配置装置1をプログラムとして光記憶装置や磁気記憶装置等の記録媒体に読出可能に記録し、この記録媒体をコンピュータに組み込んだり、若しくは記録媒体に記録されたプログラムを、任意の通信回線を介してコンピュータにダウンロードしたり、又は記録媒体からインストールし、該プログラムでコンピュータを動作させることにより、上述した各処理動作をハイパーリンク再配置装置1として機能させることができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0080】
1…ハイパーリンク再配置装置
3…通信ネットワーク
5…コンテンツサーバ
11…通信部(取得手段)
12…HTML読込部
13…テキストデータベース部(記憶手段)
14…サイトカテゴリ判定部(判定手段)
15…リンク抽出部(抽出手段)
16…リンクテキスト統一部(変更手段)
17…HTML生成部
18…表示部(表示手段)
19…操作部(操作手段)
20…同一ウェブサイト取得部
21…CSSデータベース部(格納手段)
S1〜S7、S11〜S20、S31〜S43…ステップ
ST…サイト特有語

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイトの種類と、前記種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、前記複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶しておく記憶手段と、
取得したウェブページから前記サイト特有語を検索し、検索されたサイト特有語に対応する前記ウェブサイトの種類を前記ウェブページの種類と判定する判定手段と、
判定された前記ウェブページの種類に対応する前記重要キーワードを前記ウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうち前記ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出する抽出手段と、
抽出された重要キーワードに対応する前記統一リンクテキストを前記記憶手段から取得し、当該重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを当該統一リンクテキストに変更する変更手段と、
当該統一リンクテキストを所期の位置に表示する表示手段と、
を有することを特徴とするハイパーリンク再配置装置。
【請求項2】
前記ウェブページとは異なるウェブページを取得する取得手段を更に有し、
前記抽出手段は、
前記ハイパーリンク化されている重要キーワードを前記異なるウェブページから抽出することを特徴とする請求項1に記載のハイパーリンク再配置装置。
【請求項3】
スタイル情報を記述したスタイルシートを格納しておく格納手段と、
前記統一リンクテキストのスタイル変更を受け付けて、当該スタイル変更に要するスタイル情報を前記スタイルシートから取得する操作手段と、を更に有し、
取得した前記スタイル情報に基づいて前記統一リンクテキストの表示状態を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイパーリンク再配置装置。
【請求項4】
コンピュータにより、
ウェブサイトの種類と、前記種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、前記複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶手段に記憶しておくステップと、
取得したウェブページから前記サイト特有語を検索し、検索されたサイト特有語に対応する前記ウェブサイトの種類を前記ウェブページの種類と判定するステップと、
判定された前記ウェブページの種類に対応する前記重要キーワードを前記ウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうち前記ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出するステップと、
抽出された重要キーワードに対応する前記統一リンクテキストを前記記憶手段から取得し、当該重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを当該統一リンクテキストに変更するステップと、
当該統一リンクテキストを所期の位置に表示するステップと、
を有することを特徴とするハイパーリンク再配置方法。
【請求項5】
コンピュータに、
ウェブサイトの種類と、前記種類の特徴を表すサイト特有語を含む複数の重要キーワードと、前記複数の重要キーワードのうち同意義の重要キーワードを統合して統一的に表現した統一リンクテキストとを関連付けて記憶手段に記憶しておく手順と、
取得したウェブページから前記サイト特有語を検索し、検索されたサイト特有語に対応する前記ウェブサイトの種類を前記ウェブページの種類と判定する手順と、
判定された前記ウェブページの種類に対応する前記重要キーワードを前記ウェブページから検索し、検索された重要キーワードのうち前記ウェブページでハイパーリンク化されている重要キーワードを抽出する手順と、
抽出された重要キーワードに対応する前記統一リンクテキストを前記記憶手段から取得し、当該重要キーワードを含む前記ウェブページのリンクテキストを当該統一リンクテキストに変更する手順と、
当該統一リンクテキストを所期の位置に表示する手順と、
を実行させることを特徴とするハイパーリンク再配置プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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