説明

ハイブリッド型原子炉の炉心

【課題】本発明の目的は、燃料サイクル全体を大幅に簡素化し、原子力発電の発電単価を低減することにある。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明では、劣化ウランを装荷し、外部から照射する荷電粒子ビームを受けて中性子を発生する中性子源領域と、上記中性子源領域を取り囲み、天然ウランもしくは回収ウランの窒化物を燃料とし、重水を冷却材かつ減速材とする未臨界の原子炉と、上記未臨界原子炉に隣接して配置され、天然ウランもしくは回収ウランもしくは劣化ウランの窒化物燃料を被覆管に封入し、上記被覆管をラッパ管内に束ねて構成し、被覆管の間を下方から上方に液体Naを流して核分裂で発生する熱を徐熱する炉心燃料集合体を装荷した高速炉の2つの原子炉からハイブリッド型原子炉を構成する。
【効果】本発明では、燃料サイクル全体を大幅に簡素化できるので、原子力発電の発電単価を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒子線加速器で駆動される未臨界原子炉(ADS)と高速炉(FR、Fast Reactor)の炉心に係わり、特に濃縮ウランやプルトニウムを用いずに劣化ウランや天然ウランのみを燃料として、原子炉寿命中の発電継続を可能とするハイブリッド型の原子炉概念に関する。
【背景技術】
【0002】
高速炉(FR)の燃料集合体、炉心に関しては、平川直弘、岩崎智彦著「原子炉物理入門」(東北大学出版会、2003年10月30日、p279〜286)(非特許文献1)等に記載されている。すなわち、一般的にFBRの炉心燃料集合体は、プルトニウム(Pu)を富化した劣化ウラン(U−238)を燃料棒被覆管に封入して束ねた燃料棒束と、これを取り囲むラッパ管,燃料棒束より上方にある冷却材流出部、および燃料棒束の下方にある中性子遮蔽体と冷却材流入部(エントランスノズル)より構成される。炉心は、上記の燃料集合体を円柱状に多数束ねて形成され、標準的な均質炉心の場合、Pu富化度は半径方向に2領域配置され、炉心の周辺側に装荷する燃料集合体のPu富化度を、中心寄りに装荷する燃料集合体のPu富化度よりも高くして、半径方向の出力分布を平坦化している。燃料の形態としては、これ迄、金属,窒化物,酸化物等が検討されているが、酸化物燃料が最も実績が豊富である。その場合、燃料棒被覆管の軸方向中心位置にはPuと劣化Uの酸化物を混合した混合酸化物、すなわちMOX燃料のペレットが80〜100cm程度の高さ領域に充填され、その上下位置には劣化Uの酸化物UO2燃料のペレットを充填した軸方向ブランケット領域が設けられる。またMOX燃料を充填した燃料棒から構成される燃料集合体を配置した炉心領域の周辺に、劣化ウランの酸化物UO2燃料ペレットのみを充填した燃料棒のみで構成されるブランケット燃料集合体を装荷する径方向ブランケット領域が設けられる。ブランケット領域では、炉心領域の核分裂反応で発生した中性子のうち、炉心領域から漏れ出た中性子がU−238に吸収されて核分裂性核種Pu−239が生成され、炉心全体のPuの増殖(増殖比>1.0)に寄与する。また、炉の起動・停止時及び出力を変える場合には制御棒が用いられる。制御棒は、炭化ホウ素(B4C)ペレットをステンレス製の被覆管に封入して束ね、炉心燃料集合体と同様に正六角形のラッパ管に収納される。主炉停止系と後備炉停止系の独立2系統構成となっており、いずれか一方のみで緊急停止が可能となるよう設計される。
【0003】
通常、炉心燃料集合体と炉心最外周の遮へい体との境界には、劣化ウラン(U)燃料より構成した径方向ブランケットが装荷される。この領域では、炉心燃料領域の核分裂によって発生した中性子の一部が漏れ出て、劣化Uの大半を占めるU−238が中性子を吸収する(n、γ)反応によってPuが生成される。すなわち、ブランケット領域の主要な機能は燃料増殖である。
【0004】
一方、粒子線加速器により加速した高エネルギーの陽子や重陽子を鉛やタングステン等の重金属で形成したターゲットに照射して核破砕反応を起こし、発生した中性子を外部中性子源として、未臨界の原子炉を駆動する加速器駆動未臨界炉(ADS:Accelerator driven transmutation System)が提案されている。例えば、「高レベル廃棄物処分としての加速器駆動核変換技術の現状と展望」、高野秀機著(RISTニュース No.35(2003)、pp.4−6、非特許文献2)には、燃料をMA60%+Pu40%の窒化物(N−15濃縮)とし、冷却材をPb−Biとした熱出力800MWtのADSの設計例が示されている。このADSでは燃料に、現状の軽水炉サイクルでは高レベル廃棄物(HLW:High-level radioactive waste)の一部となる長寿命のマイナーアクチニド(MA)と、高濃度のPuの窒化物が含まれており、実効増倍率keffが0.95となるように設計される。ADSは原子炉が未臨界であるため、加速器を停止すると核分裂反応が停止するので、安全性を保ちつつ多量のMAを核変換できるとされている。ADSを用いて長寿命の核分裂生成物(LLFP:Long-Lived Fission Product)を核変換する未臨界炉が特開2000−321390号公報に開示されており、この発明では、冷却材はNa、燃料はU、Pu及びMAの窒化物が想定されている。
【0005】
他方、初期に火種となるわずかの濃縮ウランのみで、劣化Uもしくは天然Uを燃料としたNa冷却高速炉の核分裂連鎖反応を発生・継続し、炉心の寿命中燃料交換せずに、発電を継続するTWR(Traveling Wave Reactor)のアイデアが「A ONCE-THROUGH FUEL CYCLE FOR FAST REACTORS(高速炉のためのワンススルー燃料サイクル)」(Kevan D. Weaver 他著,Proceedings of the 17th International Conference on Nuclear Engineering,ICONE17,July 12-16,2009,論文番号75381、非特許文献3)に示されている。同文献のFigure 2に示されるようにTWRの燃料棒および燃料集合体は非特許文献1に示される高速炉と同様であるが、燃料棒の直径8.8mmに対する燃料棒の間隔が0.8mmと小さく、冷却材に対する燃料の体積割合が大きく、稠密格子を採用している点に特徴がある。炉心は、同文献のFigure 3の水平断面図に示される様に、六角形状の燃料集合体が直方体形状に配置され、核分裂連鎖反応が生じる燃焼領域は、同文献のFigure 1に示される様に、炉心の一端から他端に進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−321390号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】平川直弘、岩崎智彦著「原子炉物理入門」、東北大学出版会、pp.279−286、2003年10月30日。
【非特許文献2】高野秀機「高レベル廃棄物処分としての加速器駆動核変換技術の現状と展望」、RISTニュース、No.35(2003)、pp.2−18。
【非特許文献3】Kevan D. Weaver 他「A ONCE-THROUGH FUEL CYCLE FOR FAST REACTORS(高速炉のためのワンススルー燃料サイクル)」,Proceedings of the 17th International Conference on Nuclear Engineering,ICONE17,July 12-16,2009,論文番号75381。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
軽水炉は勿論、これ迄建設・提案されている高速炉や、加速器駆動未臨界炉ADSは、核分裂連鎖反応、従って発電の継続に、濃縮UやPu等の核分裂性物質が必要である。また、TWRは炉心寿命の初期のみ火種となる核分裂性物質が必要である。左記のような核分裂性物質が不要で、劣化Uを燃料として、原子炉の寿命中に核分裂連鎖反応の維持すなわち発電を継続できる原子炉ができれば、再処理やウラン濃縮施設,ウラン採鉱が不要となり、燃料サイクル全体を大幅に簡素化できる。
【0009】
本発明の目的は、核分裂性核種が不要で長期に渡り電力を供給できる原子炉が実現することにより、再処理やウラン濃縮施設,ウラン採鉱が不要となり、燃料サイクル全体を大幅に簡素化し、原子力発電の発電単価を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、劣化ウランを装荷し、外部から照射する荷電粒子ビームを受けて中性子を発生する中性子源領域と、上記中性子源領域を取り囲み、天然ウランもしくは回収ウランの窒化物を燃料とし、重水を冷却材かつ減速材とする未臨界の原子炉と、上記未臨界原子炉に隣接して配置され、天然ウランもしくは回収ウランもしくは劣化ウランの窒化物燃料を被覆管に封入し、上記被覆管をラッパ管内に束ねて構成し、被覆管の間を下方から上方に液体Naを流して核分裂で発生する熱を徐熱する炉心燃料集合体を装荷した高速炉の2つの原子炉から構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、核分裂性核種が不要で長期に渡り電力を供給できる原子炉が実現できるので、再処理やウラン濃縮施設,ウラン採鉱が不要となり、燃料サイクル全体を大幅に簡素化できるので、原子力発電の発電単価を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態を示すハイブリッド型原子炉の垂直断面の構造を示す図である。
【図2】第1及び第2の実施の形態を示すハイブリッド型原子炉の水平断面図である。
【図3】第3の実施の形態を示すハイブリッド型原子炉の垂直断面の構造を示す図である。
【図4】第3の実施の形態を示すハイブリッド型原子炉のうち、未臨界原子炉炉心および燃料集合体の水平断面の構造を示す図である。
【図5】第3の実施の形態を示すハイブリッド型原子炉のうち、高速炉の炉心および燃料集合体の水平断面の構造を示す図である。
【図6】第3の実施の形態を示すハイブリッド型原子炉のうち、燃料集合体の垂直断面の構造を示す図である。
【図7】ハイブリッド型原子炉のうち、窒化物を燃料として用いる高速炉の中性子実効増倍率の燃焼変化を示す図である。
【図8】未臨界の原子炉における、中性子増倍係数の中性子実効倍率への依存性を示す図である。
【図9】第2の実施の形態になる、窒化物を燃料として用いる高速炉の中性子実効増倍率の燃焼変化を、第1の実施の形態の場合と比較して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、加速器で駆動される未臨界原子炉(ADS、Accerelator Driven Subcritical Reactor System)で発生させた核分裂中性子を火種として、劣化ウランを燃料とする液体金属高速炉の炉心の核分裂反応を自動的に発生・継続させ、原子炉の寿命中に外部からの核分裂性物質の供給を不要とするADSと高速炉のハイブリッド型原子炉に関する。
【実施例1】
【0014】
本発明を実施するための形態を図1,図2,図7および図8を用いて説明する。図1は本実施の形態におけるハイブリッド型原子炉の軸方向の構造を示す図、図2は水平断面を示す図である。図1において、4は1.5GeV程度の高エネルギー陽子線加速器等で発生させた荷電粒子のビーム、2は上記のビームを照射して核破砕反応を起こし、中性子を発生させるための中性子源、3は左記の中性子源で発生する中性子を増倍して、所定の核分裂反応を継続するための未臨界原子炉の中性子増倍領域、5は未臨界原子炉で発生した中性子を火種として核分裂反応を継続するための高速炉の炉心領域である。図2において、2は上述した通りの中性子源であるが、材質は劣化ウラン(U−235/U=0.2〜0.3wt%)もしくは天然ウラン(U−235/U=0.7wt%)であり、重水を充填した重水タンク24の中央付近に設けた正方形のチャンネル27に装荷され、チャンネル内を下方から上方にポンプで駆動されて流される重水冷却材で除熱される。また22は、天然ウランもしくは回収ウラン(U−235/U≒1wt%)の酸化物を燃料棒被覆管に封入して束ねた燃料集合体であり、上記の重水タンク内に設けられた燃料集合体装荷用の燃料チャンネル26も重水冷却材で除熱される。7は液体金属Naを冷却材とし、劣化ウランもしくは天然ウランの窒化物を燃料とする高速炉である。未臨界原子炉6は、上述したように、天然ウランもしくは回収ウランを燃料とし、中性子の吸収が小さな重水を冷却材かつ中性子減速材としているため、被覆管やその他の構造材にステンレス鋼を用いても、中性子実効増倍率keffは1に近く、0.985である。この未臨界炉への荷電粒子ビームの照射が継続している間は、隣接する高速炉7の未臨界原子炉に近い領域の燃料棒が中性子の照射を受け、時間の経過と伴に燃焼度が向上する。高速炉7の中性子実効増倍率keffの燃焼度依存性は図7に示す通りである。図中、73は中性子実効増倍率、72は燃焼度、71はkeffの燃焼度依存性を示す曲線である。燃焼度の増大に応じてkeffは大きくなり、ある一定の燃焼度74になると1.0を超え、未臨界原子炉からの中性子がなくても核分裂連鎖反応が維持され、発電に必要な熱エネルギーが発生する。未臨界原子炉の未臨界度=1−keffと中性子増倍係数Sは下記の式(1)で与えられる。
S=1/(1−keff) …(1)
【0015】
またkeffと中性子増倍係数の関係をグラフ化すると図8のようになる。ここで、83は中性子増倍係数、82はkeff、81は中性子増倍係数のkeff依存性を示す曲線である。既存のADSの設計ではkeffが0.95で、原子炉の熱出力が800MWtの設計例がある。本発明ではkeffを0.985に設計しており、既存の設計例と同規模の陽子線加速器を想定すると、図8のグラフより約3300MWtの原子炉熱出力が達成でき、電気出力約1000MWeが達成できる。
【0016】
未臨界原子炉6が、上記の電気出力を発生して運転を継続すると、この未臨界原子炉に隣接する高速炉7の炉心燃料集合体23のうち、未臨界原子炉6に近い位置の燃料が、中性子の照射を受け、上述したようにkeffが時間の経過とともに増加して、燃焼度が300GWd/t程度になると1.0を超え核分裂連鎖反応が維持できる様になる。この時点では、未臨界原子炉への荷電粒子のビームを止めても、電気出力1000MWeで定格運転を継続しつつ、自動的に燃焼領域が、未臨界原子炉とは反対側に移動し、炉心の寿命約60年間、燃料交換によって、新たな核分裂性物質、例えば濃縮ウランやPuを供給せずに、定格出力運転を継続することが可能である。
【実施例2】
【0017】
本発明を実施するための第2の形態を、図2と図9を用いて説明する。未臨界原子炉と隣接高速炉は第1の実施の形態とほぼ同様である。但し、高速炉の炉心燃料集合体23内における、劣化ウラン窒化物が占める体積割合は、実施の形態1と比べて大きく、約50%である。本実施の形態における高速炉の炉心のkeffの燃焼度依存性を、実施の形態1と比較して図9に示す。図中の91が本実施の形態2の場合、71が図7でも示した、実施の形態1の場合のkeffの燃焼度依存性を示す曲線である。
【0018】
本実施の形態の高速炉は、第1の実施の形態と比べて、燃料体積の割合が大きく、逆に冷却材であるNaの体積割合が小さい。従って、本第2の実施の形態における高速炉の方が、第1の実施の形態と比べて、中性子のスペクトルが硬い(=平均エネルギーが高い)ため、中性子経済が良くなり、keffが高くなる。更に、keffが1.0で臨界となる燃焼度が第1の実施の形態と比べて、低くなる(約200GWd/t)。すなわち、高速炉における核分裂連鎖反応の自動的な発生と燃焼領域の自動的な移動を達成するのに必要な燃焼度が低くなるため、燃料棒被覆管の開発課題が低減する。また、冷却材体積割合が小さくなっているので、安全性に係わるNaボイド反応度が小さくなり、安全性が向上する。
【実施例3】
【0019】
本発明を実施するための第3の形態を図3,図4,図5および図6を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態1で示した未臨界原子炉の下部に、同じく実施の形態1で示した高速炉の炉心を配置してハイブリッド型の原子炉31を構成することを特徴としている。図3のAA断面における未臨界原子炉の構成は図4に示す。本実施の形態では、図4の41で示す未臨界原子炉は、図5で示す高速炉の水平断面と同様の六角形状の集合体で構成される。43は荷電粒子ビームを照射する中性子源領域で、Na冷却燃料集合体45は(c)で示すように、内部ダクト48を有し、内部ダクトの内側に、回収ウランもしくは天然ウランの窒化物を燃料棒被覆管に封入して、ラッパ管の内部ダクトの間に、重水減速材46が充填されている。内部ダクトの内側には、図6の(b)に示すように、高速炉の下端から流入した液体Na47が未臨界原子炉41の入口部で絞り込まれる。他の集合体の構造は、図5に示すように、高速炉の燃料集合体と同じ構造となっており、高速炉下端部から流入した液体Na47が、そのまま未臨界原子炉内を下方から上方に通過する。本実施の形態では、未臨界原子炉の下端に隣接する、高速炉の上部の燃料が中性子の照射を受けて、上記中性子の照射を受ける高速炉の炉心の上方から核分裂連鎖反応が発生し、一旦高速炉の炉心燃料領域で核分裂の連鎖反応が発生すると、燃焼領域は自動的に炉心の下方に移動する。
【0020】
本実施の形態では、高速炉の炉心が未臨界原子炉の下端に配置されており、原子炉建屋の面積を小さくすることができる。
【0021】
以上の実施の形態では、高速炉の燃料を窒化物としていたが、金属としても同様の効果が得られる。さらに、高速炉の冷却材として、液体Naを用いていたが、液体の鉛、もしくは鉛−ビスマスとしても同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0022】
1,21,31 ハイブリッド型原子炉
2 中性子源
3 未臨界原子炉の中性子増倍領域
4 荷電粒子ビーム
5 高速炉の炉心領域
6,41 未臨界原子炉
7 高速炉
22 燃料集合体
23 高速炉の炉心燃料集合体
24 重水タンク
25 重水減速材
26 燃料チャンネル
27 チャンネル
43 荷電粒子ビームを照射する中性子源領域
44 未臨界原子炉のNa冷却燃料集合体
45 Na冷却燃料集合体
46 重水減速材
47 液体Na
48 内部ダクト
51 未臨界原子炉の高速炉の炉心
52 未臨界原子炉の高速炉炉心燃料集合体
61 未臨界原子炉の重水減速材内包型燃料集合体の軸方向断面構造図
71,91 keffの燃焼度依存性を示す曲線
72,74 燃焼度
73,82 中性子実効倍増率(keff)
81 中性子増倍係数のkeff依存性を示す曲線
83 中性子増倍係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
劣化ウランを装荷し、外部から照射する荷電粒子ビームを受けて中性子を発生する中性子源領域と、上記中性子源領域を取り囲み、天然ウランもしくは回収ウランの窒化物を燃料とし、重水を冷却材かつ減速材とする未臨界の原子炉と、上記未臨界原子炉に隣接して配置され、天然ウランもしくは回収ウランもしくは劣化ウランの窒化物燃料を被覆管に封入し、上記被覆管をラッパ管内に束ねて構成し、被覆管の間を下方から上方に液体Naを流して核分裂で発生する熱を徐熱する炉心燃料集合体を装荷した高速炉の2つの原子炉から構成されることを特徴とするハイブリッド型原子炉の炉心。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド型原子炉の炉心であって、前記高速炉の炉心における燃料の体積割合が50%より大きいことを特徴とするハイブリッド型原子炉の炉心。
【請求項3】
請求項1記載のハイブリッド型原子炉の炉心であって、前記未臨界の原子炉の下方に隣接して、上記の高速炉を配置したことを特徴とするハイブリッド型原子炉の炉心。
【請求項4】
請求項1から3に記載のハイブリッド型原子炉の炉心であって、前記高速炉の六角形状燃料集合体を構成する被覆管に封入する核燃料物質が金属燃料であることを特徴とするハイブリッド型原子炉の炉心。
【請求項5】
請求項1から4に記載のハイブリッド型原子炉の炉心であって、前記高速炉の冷却材を鉛、もしくは鉛−ビスマスとしたことを特徴とするハイブリッド型原子炉の炉心。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−154861(P2012−154861A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15900(P2011−15900)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)