説明

ハイブリッド駆動システムまたはそのシステムのサブコンポーネントを試験するための方法および試験台

【課題】複雑なエネルギー貯蔵システムについて、バッテリシミュレータを用いて、可能な限り安定的かつ精密であり、しかもその精度が管理可能であるリアルタイムシミュレーションを行いながら、テストランを実施するための方法および試験台を提供する。
【解決手段】直列に接続された2つのRC回路が別の抵抗器に直列に接続されている構成により定義されたバッテリモデルが用いられ、バッテリシミュレータ8は、これらの構成要素に関する具体的な値を用いてパラメータ化される。また、シミュレーションモデルの物理的な解析も簡易化される。この方法を実施するための試験台は、リアルタイムコンピュータ14を有するバッテリシミュレータ8を具備し、リアルタイムコンピュータに、直列に接続された2つのRC回路が別の抵抗器に直列に接続されている構成により定義されたバッテリモデル15が格納されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド駆動システムまたはそのシステムのサブコンポーネントを試験するための方法であって、試験台システムに、バッテリシミュレータを介して可変直流電圧U(t)が供給され、かつ、バッテリシミュレータが、所定のバッテリモデルに従った各負荷電流i(t)に対して当該の直流電圧を供給する方法に関する。さらに、本発明は、ハイブリッド駆動システムまたはそのシステムのサブコンポーネント用の試験台に関し、この試験台は、駆動システムまたはそのシステムのコンポーネントのための駆動ユニットあるいは負荷ユニットと、ハイダイナミックな閉ループ制御が可能な直流電圧源と、リアルタイムコンピュータを有する開ループ兼閉ループ制御装置とを具備し、リアルタイムコンピュータにバッテリモデルが格納されており、このバッテリモデルが各負荷電流に対して当該の電圧を供給する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両は、機械、電気および制御に関連するコンポーネントが組み合わされたものである。車両の試験方法では、通常、実際のコンポーネントが模擬的なコンポーネントに置き換えられる。従ってまた、ハイブリッド車両の場合の試験工程では、当然、電気系統のコンポーネントもシミュレートできることが要求される。さらにまた、制御ユニット用のハードウエアインザループ試験台としての働きと、動作条件における機械および電気系統の駆動コンポーネントのハイダイナミックな試験を行う働きとを組み合わせることも可能でなければならない。
【0003】
電子制御ユニット用の試験台では、単独または複数のユニットが、当該のシミュレーションモデルと結び付けられ、これにより、制御ユニットの各機能の検証およびネットワークにおける通信の検証、ならびに診断機構の検査および基本的な利用が可能となる。駆動システム用の試験台には、複数のサブシステム、例えば内燃機関、変速機および差動装置などのサブシステムが組み込まれる。同じようにして、車両内のバッテリシステムは、バッテリモデルに置き換えることができ、その結果、エネルギー管理の様々な方策の特性について試験することができる。従って、内部に実装されたリアルタイムバッテリモデルを用いて、極めて多様な方式および構成のエネルギー貯蔵システム(バッテリ、スーパーキャパシタなど)の特性を模擬するバッテリシミュレータが既に開発されており、これらは、簡易化されたモデルによって実際のエネルギー貯蔵部を模擬している。簡易化されたこれらのバッテリモデルまたはスーパーキャパシタモデルは、バッテリシミュレータにおいて、リアルタイムで、すなわちバッテリシミュレータがバッテリモデルの計算処理を行う内部クロック速度が10kHz以上で構成される。現時点の負荷電流が読み込まれ、模擬バッテリの端子電圧の設定値が出力される。このために、バッテリシミュレータは、リアルタイムコンピュータを具備しており、これにより、試験台における試験構成装備および設定によって生じる条件の下で、真のバッテリまたはスーパーキャパシタの特性(インピーダンス)を模擬する。
【0004】
しかし、これまで用いられてきたバッテリモデルは、リアルタイムコンピュータで安定して実行されるような簡単な構成である場合、実際のエネルギー貯蔵システムを十分精密に模擬してはいない。また、モデルが現実をどのような精度で模擬しているのかもほとんど示すことができない。一方、構成が複雑なエネルギー貯蔵システム、例えばスーパーキャパシタを可能な限り厳密に反映するバッテリモデルは、シミュレーション計算のコストが非常に大きく、リアルタイムの試験台利用には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004228055号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国実用新案第29621472号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005160387号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、非常に複雑なエネルギー貯蔵システムについて、バッテリシミュレータを用いて、可能な限り安定的かつ精密であり、しかもその精度が管理可能であるリアルタイムシミュレーションを行いながら、テストランを実施するための方法および試験台を提示することである。また、用いられたシミュレーションモデルの物理的な解析が、簡易化されることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明では、冒頭に説明した方法が以下の特徴を有している。すなわち、バッテリシミュレータにおいて、直列に接続された2つのRC回路が別の抵抗器に直列に接続されている構成により定義されたバッテリモデルが起動されること、および、バッテリシミュレータが、このバッテリモデルの構成要素に関する具体的な値を用いてパラメータ化されることを特徴としている。また、この種のモデルは、リアルタイムに良好に計算処理を行うことが可能であり、現実のエネルギー貯蔵システムの良好なシミュレーションを提供する。さらに、複雑な構成をより簡単な回路に置き換えることによって、良好に物理的解析を行うことが可能となっており、このことは、バッテリシミュレータで安定的に利用できるかどうかを判断する上で重要である。本発明に係る方法は、インピーダンスモデルを通じて適当な回路図によって示すことできるあらゆるエネルギー貯蔵システムについて、シミュレーションを行うことに適している。
【0008】
本方法の1つの有利な態様では、非常に複雑なバッテリモデルが、このモデルを定義する構成部材に関する値を用いてパラメータ化され、それに続いて、数理的なモデル縮小が行われる。その際、直列に接続された2つのRC回路とこれに直列に接続された別の抵抗器とに関する等価の値が自動的に求められ、バッテリシミュレータにおいて起動されるバッテリモデルが、これらの値を用いてパラメータ化される。これによって、複雑なエネルギー貯蔵システム、特にスーパーキャパシタの特性を、精度管理が可能な形で、バッテリシミュレータにおいてリアルタイムに模擬することが可能となる。
【0009】
好ましくは、非常に複雑なバッテリモデルは、平衡打ち切り法によるモデル縮小を受ける。この方式によって、安定したモデル縮小が可能であり、これにより、精度を管理しながら安定した形で、非常に複雑なバッテリモデルから、より簡単なモデルを生成することができる。これらの簡単なモデルは、抵抗とキャパシタンスとを含んだ分かりやすい等価回路として表されることによって、良好に物理的な解析を行うことができる。このことはまた、バッテリシミュレータで安定的に利用できるかどうかを判断する上で重要である。
【0010】
また、例えば、「バッテリストレッシング(Battery Stressing)」などの関連用途における、複雑なエネルギー貯蔵システムの非常に素早い状態変化を考慮することができるように、1つの実際のバッテリについて、それぞれ個別の非常に複雑なバッテリモデルによる複数の構成が定義される。その際、各バッテリモデルについて、数理的なモデル縮小が行われて、モデルライブラリに格納される。例えば、相異なる故障シナリオが、それぞれ別個のモデルとしてモデルライブラリに保管される。モデルのこの種のライブラリは、エネルギー貯蔵システムの、相異なる動作温度および/または周囲温度に関しても作成することができる。その際、縮小されたモデルによって、この場合に物理的に解析可能なパラメータを用いることで、中間温度を求めるための補間を行うことも可能となる。
【0011】
バッテリモデルに関する値の決定は、基礎となるバッテリモデルの複雑さあるいはコンピュータの性能に応じて、バッテリシミュレータにおけるバッテリのシミュレーションの前に、または、このシミュレーションと並行して実施することができる。
【0012】
冒頭に挙げた課題は、また、ハイブリッド駆動システム用またはそのシステムのサブコンポーネント用の試験台によっても解決され、本発明に係るこの試験台は、直列に接続された2つのRC回路が別の抵抗器に直列に接続されている構成により定義されたバッテリモデルが、リアルタイムコンピュータに格納されていることを特徴とする。
【0013】
この種の試験台の1つの有利な実施形態は、リアルタイムコンピュータに、非常に複雑なバッテリモデルの数理的なモデル縮小に関するアルゴリズムが格納されていることを特徴とし、これにより、モデル縮小を行うことによって、複雑な回路図に基づいて、直列に接続された2つのRC回路とこれに直列に接続された別の抵抗器とに関する等価の値が供給される。
【0014】
その際、リアルタイムコンピュータに結合されたプリプロセッサを備えることができ、このプリプロセッサに、非常に複雑なバッテリモデルの数理的なモデル縮小を行うためのアルゴリズムが格納されている。このアルゴリズムが、複雑な回路図に基づいて、直列に接続された2つのRC回路とこれに直列に接続された別の抵抗器とに関する等価の値を供給し、これらの値をリアルコンピュータによって利用できるようにする。
【0015】
簡単かつ安定的であり、しかも物理的に良好に解析できるモデル縮小を実現できるように、リアルタイムコンピュータあるいはプリプロセッサにアルゴリズムが実装されており、このアルゴリズムによって、非常に複雑なバッテリモデルが、平衡打ち切り法によるモデル縮小を受ける。
【0016】
本試験台の別の実施例では、リアルタイムコンピュータまたはそれに結合されたメモリ装置に、複数のバッテリモデルを有するライブラリが実装されている。これらのバッテリモデルが、実際のバッテリモデルに関する、それぞれ個別の非常に複雑な複数のバッテリモデルを数理的にモデル縮小することによって生成されている場合、複雑なエネルギー貯蔵システムの非常に素早い状態変化を考慮することもできる。
【0017】
以下の説明において、本発明について、添付の図面を参照しながら、例を挙げて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ハイブリッド車両のコンポーネント用の試験台を示す図である。
【図2】図1に示した試験台においてこれまでバッテリシミュレータで用いられてきたバッテリモデルの簡単な回路図である。
【図3】本発明に係る方法および試験台で用いられる改良されたバッテリモデルの回路図である。
【図4】非常に複雑なエネルギー貯蔵システムの例として、スーパーキャパシタの回路図を示す。
【図5】第1の実施形態に従った、試験台に設置された本発明に係るシステムを示す図であり、バッテリシミュレーションの前にモデル縮小が行われる。
【図6】また別の実施形態に従った、試験台に設置された本発明に係るシステムを示す図であり、モデル縮小とバッテリシミュレーションとが並行して実施される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示した試験台の場合、ハイブリッド車両のエンジン・変速機ユニット1が、電動式の駆動機械あるいは負荷機械2と結合されており、これらの機械は、実際の動作においてエンジン・変速機ユニット1に作用するモーメントを模擬する。そのために、駆動機械あるいは負荷機械2は、試験台制御兼自動化部3を介して制御される。同様に、試験台制御兼自動化部3には、公知の方式でエンジン制御機器4、車両制御機器5およびハイブリッド制御機器6も結合されている。これらの制御機器(SG)は、バスシステム7に接続されていて、これにより相互につながれており、さらに試験台制御兼自動化部3に接続されている。また、試験台制御兼自動化部3によってバッテリシミュレータ8が制御され、バッテリシミュレータは、それぞれ準備されたエネルギー貯蔵システムが有する特性およびそれの現時点の状態を模擬して、現時点の負荷電流を読み込んだ後、エネルギー貯蔵システムの端子電圧の設定値を出力する。
【0020】
図2は、これまでしばしば用いられてきたバッテリモデルの回路図を示す。このバッテリモデルによって、定電圧源9と調整可能な抵抗器10とを用いて、所定の負荷電流に従って端子電圧UBatが調整される。しかし、この種のモデルは、実際のエネルギー貯蔵システムを十分精密に模擬していない。さらに、このモデルがどのような精度で現実を模擬しているのかについて、ほとんど示すことができない。
【0021】
本発明では、実際のエネルギー貯蔵システムについてリアルタイムに良好に計算処理が可能な、できる限り精密なシミュレーションをバッテリシミュレータ8で行うために、図3に示したモデルが用いられる。このモデルは、直列に接続された2つのRC回路11が別の抵抗器12に直列に接続された等価回路によって、実際のシステムを模擬したものである。これらのRC回路と抵抗器とによって、このバッテリモデルは、シミュレーションを行うためにパラメータ化される。このパラメータ化は、試験台制御兼自動化部の適当なパラメータツールを介して具体的な値を入力することによって実現できる。図3に示した簡単な回路は、良好に物理的に解析可能であり、従ってまた、良好に判定することが可能である。このことは、バッテリシミュレータ8での安定的な利用に関連する。
【0022】
しかしまた、図3に示したバッテリモデルに関する値は、好ましくは、非常に複雑なバッテリモデル(その例が図4に示されている)を、この複雑なモデルを定義する構成部材に関する数値によってパラメータ化して、それに続いて、数理的なモデル縮小を行うことによって求めることもできる。次に、このモデル縮小に基づいて、直列に接続された2つのRC回路11とこれに直列に接続された別の抵抗器12とに関する等価の値が自動的に求められる。さらに、これらの値は、バッテリシミュレータ8において起動されるバッテリモデルに関して引き渡される。モデル縮小の好ましい方式は、「平衡打ち切り法」である。この特殊な方式は、縮小されたモデルが実現した精度を定量的に診断できるという利点を有する。さらに、このモデルは、仮想バッテリの熱放散性も提供し、この特性は、好ましくは、別個に算定される、バッテリ温度のシミュレーションのために供される。しかしそれとは逆に、温度のシミュレーションを通じて求められた値を用いることによって、基本となる非常に複雑なモデルをパラメータ化することも可能である。この場合、モデル縮小を行った後、バッテリシミュレータ8において起動されるモデルに対して操作が加えられる。
【0023】
例えば図1に示されているような試験台では、上述の手順によって、図5に示された工程の流れが生じる。試験台において、本ハイブリッドシステム1は、バッテリシミュレータ8にとって一般的に電気負荷である。バッテリシミュレータ8は、ハイダイナミックに閉ループ制御可能な直流電圧源13とリアルタイムコンピュータ14とを有し、リアルタイムコンピュータにバッテリモデル15(図3のモデルに準拠)が格納されている。電気負荷が受け取る各負荷電流について、リアルタイムコンピュータは、10kHz以上の内部クロック速度で当該の設定電圧U_Sollを算定して、直流電圧源を制御し、これにより、直流電圧源によって電圧U_Sollが調節される。
【0024】
リアルタイムコンピュータ14のバッテリモデルをパラメータ化するための値は、図5の例では、上流側に接続されたプリプロセッサ16によって供給される。プリプロセッサは、エネルギー貯蔵システムの非常に複雑なモデル(図4)に関する数値を用いてパラメータ化が行われ、数理的なモデル縮小、好ましくは「平衡打ち切り法」によるモデル縮小を行うためのアルゴリズムを介して、リアルタイムコンピュータ14内の簡易化されたバッテリモデル15に準拠した構成部材に関する等価の値を供給する。
【0025】
その際、プリプロセッサ16は、シミュレーションの開始前に、またはシミュレーションと並行して、1つの実際のバッテリの、それぞれ個別の非常に複雑なバッテリモデルによる複数の構成を、バッテリシミュレータ8のリアルタイムコンピュータ14内のバッテリモデルに関する当該の値に換算して、好ましくは、リアルタイムコンピュータ14の上流側に接続されたモデルライブラリ17に格納する。このようにして、相異なるモデルタイプを格納することができる。例えば、バッテリの所定のセルに不具合があるモデルタイプを格納できる。このようなモデルタイプも、同様にモデル縮小によって簡易化される。「公称モデル」からこのようなモデルタイプに切り替えることによって、バッテリシミュレータ8は、不具合を有するバッテリセルの出現をリアルタイムに模擬することができる。また、このようなモデルライブラリで、エネルギー貯蔵システムの相異なる充電状態および/または温度を模擬することができる。いずれにせよ、複雑なバッテリモデルのオーム内部抵抗(図4のR1)、すなわちインピーダンスの実数部は、常時、直接かつ正確に、縮小モデル(図3、図5および図6のR0)へと模擬される。その際、例えば平衡打ち切り法の場合、付随条件として、同じDC増幅が必要とされる。
【0026】
図6に示された実施形態の場合、リアルタイムコンピュータ14内の簡易化されたバッテリモデル15の値の決定は、バッテリシミュレータ8でのバッテリのシミュレーションの前であっても、また、好ましくはシミュレーションと並行しても実施される。その際、直接リアルタイムコンピュータ14において、非常に複雑なバッテリモデル18(図14に準拠)は、バッテリモデル15のRおよびCの等価の値へとモデル縮小される。
【0027】
複雑なオリジナルモデル(図4)と縮小されたモデル(図3)とをステップ応答(負荷電流)の比較を通じて比べることによって、あるいは、ボード線図(有効な上限周波数はバッテリシミュレータの帯域幅によって定められる)を利用することによって、モデル縮小を通じてリアルタイム性を有する精密なバッテリモデルが得られることを検証することができた。縮小されたバッテリモデルは、その帯域幅が、バッテリシミュレータ8の帯域幅に適合され、これにより、リアルタイムコンピュータ14の計算能力を最適に利用して、閉ループ制御回路の安定性を改善することができる。これは、このバッテリモデルが、バッテリシミュレータ8の閉ループ制御回路を乱調させることがない、もしくは乱調させる度合が無視できる程度に小さいからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド駆動システムまたはそのシステムのサブコンポーネントを試験するための方法であって、試験台システムに、バッテリシミュレータを介して可変直流電圧U(t)が供給され、かつ、このバッテリシミュレータが、所定のバッテリモデルに従った各負荷電流i(t)に対して当該の直流電圧を供給する方法において、
直列に接続された2つのRC回路が別の抵抗器に直列に接続されている構成により定義されたバッテリモデルが起動され、かつ、バッテリシミュレータが、このバッテリモデルの構成要素に関する具体的な値を用いてパラメータ化されることを特徴とする方法。
【請求項2】
非常に複雑なバッテリモデルが、このモデルを定義する構成部材に関する値を用いてパラメータ化され、それに続いて、数理的なモデル縮小が行われ、その際、直列に接続された2つのRC回路とこれに直列に接続された別の抵抗器とに関する等価の値が自動的に求められて、バッテリシミュレータにおいて起動されるバッテリモデルが、これらの値を用いてパラメータ化されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非常に複雑なバッテリモデルが、平衡打ち切り法によるモデル縮小を受けることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1つの実際のバッテリに対して、それぞれ個別の非常に複雑なバッテリモデルによる複数の構成が定義され、その際、各バッテリモデルが、数理的なモデル縮小が行われてモデルライブラリに格納されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
バッテリモデルに関する値の決定が、バッテリシミュレータにおけるバッテリのシミュレーションの前に、または、このシミュレーションと並行して実施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
ハイブリッド駆動システムまたはそのシステムのサブコンポーネント(1)用の試験台であって、駆動システムまたはそのシステムのコンポーネントのための駆動ユニットあるいは負荷ユニット(2)と、ハイダイナミック閉ループ制御が可能な直流電圧源(13)と、開ループ兼閉ループ制御装置(3)と、リアルタイムコンピュータ(14)を有するバッテリシミュレータ(8)とを具備し、前記リアルタイムコンピュータにバッテリモデルが格納されており、このバッテリモデルが各負荷電流i(t)に対して当該の電圧U(t)を供給する試験台において、
リアルタイムコンピュータ(14)に格納されているバッテリモデル(15)が、直列に接続された2つのRC回路(11)とこれに直列に接続された別の抵抗器(12)とによって定義されていることを特徴とする試験台。
【請求項7】
前記リアルタイムコンピュータ(14)に、非常に複雑なバッテリモデル(18)の数理的なモデル縮小に関するアルゴリズムが格納されており、これにより、モデル縮小を行うことによって、複雑な回路図に基づいて、直列に接続された2つのRC回路(11)とこれに直列に接続された別の抵抗器(12)とに関する等価の値が供給されることを特徴とする請求項6に記載の試験台。
【請求項8】
前記リアルタイムコンピュータ(14)に結合されたプリプロセッサ(16)を備えており、このプリプロセッサに、非常に複雑なバッテリモデル(18)の数理的なモデル縮小を行うためのアルゴリズムが格納されていて、このアルゴリズムが、複雑な回路図に基づいて、直列に接続された2つのRC回路(11)とこれに直列に接続された別の抵抗器(12)とに関する等価の値を供給し、これらの値を前記リアルコンピュータ(14)によって利用できるようにすることを特徴とする請求項6に記載の試験台。
【請求項9】
前記リアルタイムコンピュータ(14)あるいはプリプロセッサ(16)にアルゴリズムが実装されており、このアルゴリズムによって、前記非常に複雑なバッテリモデル(18)が、平衡打ち切り法によるモデル縮小を受けることを特徴とする請求項7または8に記載の試験台。
【請求項10】
前記リアルタイムコンピュータ(14)またはそれに結合されたメモリ装置(17)に、複数のバッテリモデルを有するライブラリが実装されており、これらのバッテリモデルが、実際のバッテリモデルの、それぞれ個別の非常に複雑な複数のバッテリモデル(18)を数理的にモデル縮小することによって生成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の試験台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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