説明

ハエ用ゲル型毒餌

本発明は、a)1つまたはそれ以上のネオニコチノイド、b)1つまたはそれ以上のゲル化剤、e)1つまたはそれ以上の誘引剤を含み、150から1000の間のブルックフィールド降伏値および40,000から150,000mPa.sの間のブルックフィールド粘度を有する、ハエを防除するための毒餌(ハエ用ゲル)、このようなハエ用ゲルの調製するための方法、その使用、およびハエを防除するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害な昆虫を防除するための毒餌に関する。本発明は更にこのような毒餌の使用、このような毒餌を調製する方法、および有害な昆虫を防除するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫を防除するためのいくつかの方法が知られている。これらの中で、毒餌の使用は、当分野で周知である。このような毒餌は、成虫個体群が最も定住しそうな場所に配置される。毒餌は、顆粒の形態で提供され得る。しかしながら、顆粒は水平構造物に対してのみ供給され得、これらを垂直構造物に対して供給することは不可能である。毒餌はまた、「塗布する(paint on)」調合物とも呼ばれる液体調合物として供給され得る。このような液体は、濃縮物として消費者に供給される。消費者は、適切な使用のための噴霧/塗布に先立って、希釈物を調製する必要がある。
【0003】
WO97/11602は、水和−ゲル化可能な塩基性物質、および1−アリールピラゾール類の群から選択される活性成分からなる昆虫を防除するための毒餌を記載している。
【0004】
更に、WO91/07972は、ゲル化剤としてのカラギーナンおよび特定の殺虫剤からなる、昆虫を防除するための毒餌を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、有害な昆虫、特にハエ類を防除するための改良された毒餌を提供することである。本発明の1つの更なる目的は、即効性を有する毒餌調合物を提供することである。本発明の1つの更なる目的は、すぐに使用できる毒餌調合物を提供することである。本発明の1つの更なる目的は、垂直構造物および/または天井部に適用され得る毒餌調合物を提供することである。本発明の1つの更なる目的は、長期間にわたり標的昆虫に対して誘引性を保つ毒餌調合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、有害な昆虫、詳細にはハエ類を防除するために使用され得る毒餌に関し、該毒餌は、水和の際にゲル化する薬剤、およびネオニコチノイド類の群から選択される1つまたはそれ以上の活性成分を含む。
【0007】
本発明者らは、活性成分類、ゲル化剤類および食物誘引剤類から作成される、ならびに150から1000の間のブルックフィールド降伏値および20,000から200,000mPa.sの間のブルックフィールド粘度を有するゲルが、成虫のハエを誘引し殺虫剤の致死量を摂取させることを、見出した。このゲルは、すぐに使用できる製品として調製される。上記のその物理化学的特性のために、該ゲルは滴下または流れ落ちること無く、垂直構造または天井部に使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(特定の態様の記載)
記載されない限り、以下の規定が適用されるものとし、本明細書中における百分率は、重量によるものである。
【0009】
ゲルは、分散相が連続相と組み合わさってゼリー状生成物を生成するコロイドであり、以下の特性:20,000mPa.sより高いブルックフィールド粘度(25℃、20rpm、スピンドル♯7)、および50より高いブルックフィールド降伏点、を有する。本発明によるハエ用ゲルは、昆虫を防除することができるゲル型毒餌である。
【0010】
活性成分は、ネオニコチノイド類の分類から選択される化合物である。該ネオニコチノイド類は、例えば以下の出版物:欧州公開明細書第464830、428941、425978、386565、383091、375907、364844、315826、259738、254859、235725、212600、192060、163855、154178、136636、136686、303570、302833、306696、189972、455000、135956、471372、302389、428941、376279、493369、580553、649845、685477、483055、580553 192 606、580 533、2−376 279、2−235 725号;ドイツ公開公報第3639877、3712307号;日本公開明細書第03220176、02207083、63307857、63287764、03246283、049371、03279359、03255072、05178833、07173157、08291171号:米国特許第5034524、4948798、4918086、5039686、5034404、5532365、4849432号;PCT出願第WO91/17659、91/4965号;フランス出願第2611114号;ブラジル出願第8803621号により知られている化合物である。これらの出版物中に記載の全ての一般的処方および規定、ならびにこれらの明細書中に記載の個別の化合物は本明細書中に参照により特に組み込まれる。
【0011】
ネオニコチノイド類のいくつかは、ニトロメチレン、ニトロイミン、または関連する化合物という用語のもとに要約される。式(I)の化合物は、本発明の範囲内ではネオニコチノイル類(neonicotinoyles)と称することとする。
【0012】
ネオニコチノイド類は、式(I):
【0013】
【化1】

(式中、Hetは、2−クロルピリド−5−イル、2−メチルピリド−5−イル、1−オキシド−3−ピリジニオ、2−クロル−1−オキシド−5−ピリジニオ、2,3−ジクロル−1−オキシド−5−ピリジニオ、テトラヒドロフラン−3−イル、5−メチル−テトラヒドロフラン−3−イル、2−クロロチアゾール−5−イルを表し、
Aは、−N(R)(R)またはS(R)(式中、Rは、水素、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニルまたはC−C−アルキニルを表し、およびRは、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、−C(=O)−CHまたはベンジルを表す。)を表し、
Rは、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、−C(=O)−CHもしくはベンジルを表し、または
Rは、Rと一緒になって以下の基:−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−O−CH−、−CH−S−CH−、−CH−NH−CH−、−CH−N(CH)−CH−の1つを表し、および
Xは、N−NO、N−CNまたはCH−NOを表す)。
【0014】
式(I)の以下の化合物は特定の例である。
【0015】
【化2】



【0016】
特に好ましいネオニコチノイドは、以下の化合物:
式:
【0017】
【化3】

を有するEP A2 0 580553から周知のチアメトキサム。
【0018】
式:
【0019】
【化4】

を有するEP A2 0 376279から周知のクロチアニジン。
【0020】
式:
【0021】
【化5】

を有するEP A2 0 235725から周知のチアクロプリド。
【0022】
式:
【0023】
【化6】

を有するEP A1 0 649845から周知のジノテフラン。
【0024】
式:
【0025】
【化7】

を有するWO A1 91/04965から周知のアセタミプリド。
【0026】
式:
【0027】
【化8】

を有するEP A2 302389から周知のニテンピラム。
【0028】
式:
【0029】
【化9】

を有するEP 0 192060から周知のイミダクロプリオド(imidaclopriod)。
【0030】
最も好ましいネオニコチノイドは、イミダクロプリド(imidacloprid)である。
【0031】
式(I)の化合物は互変異性体を形成し得る。従って、上記および下記において、化合物が適切である場合、これがそれぞれの場合で具体的に言及されない場合でさえ、化合物(I)は、対応する互変異性体を含むものと理解されたい。
【0032】
式(I)の化合物は酸付加塩を形成することができる。これらの塩は、例えば鉱酸(例えば過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硝酸など)、リン酸、またはハロゲン化水素酸などの無機強酸を用いて、例えば非置換のまたは置換された(例えば、ハロゲン置換された)C−C−アルカンカルボン酸(例えば、酢酸)、飽和または不飽和ジカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸またはフタル酸など)、ヒドロキシカルボン酸(例えば、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸)、または安息香酸などの強有機カルボン酸を用いて、または、例えば非置換のまたは置換された(例えば、ハロゲン置換された)C−C−アルカンスルホン酸またはアリールスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸)などの有機スルホン酸を用いて、形成される。更に、少なくとも1つの酸性基を有する式(I)の化合物は塩基と共に塩を形成することができる。
【0033】
塩基との適した塩は、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などの金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはマグネシウム塩)、またはアンモニアとのもしくは有機アミン(例えば、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−、もしくはトリ−低級アルキルアミン(例えば、エチル−、ジエチル−、トリエチル−もしくはジメチルプロピル−アミン)、またはモノ−、ジ−またはトリ−ヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノ−、ジ−もしくはトリ−エタノールアミン))との塩である。
【0034】
加えて、対応する内部塩がまた、形成され得る。本発明の範囲内で、好ましいものは、農薬的に有利な塩である。
【0035】
遊離形態の式(I)の化合物とそれらの塩の形態の式(I)の化合物の間の密接な関係の観点において、式(I)の遊離化合物に対する、またはそれらのそれぞれの塩に対する、上記または下記におけるいかなる参照も、適切なおよび好都合な場合、それぞれ対応する塩または式(I)の遊離化合物も含んでのものとして理解されたい。同じことが式(I)の化合物の互変異性体およびこれらの塩の場合にも適用される。それぞれの場合、遊離形態が一般に好ましい。
【0036】
ゲル化剤は、液体混合物の粘度および降伏点を増加させることによりゲルを形成するために使用される、種々の親水性物質のいずれかである。以下のものを、本発明によるゲル化剤の例として挙げることができる:デンプン類、ゲランガム、カラギーナンガム、寒天、カゼイン、ゼラチン、カロブガム、キサンタンガム、ジェルトンガム、多糖類ガム、フィココロイド類、ポリアクリラートポリマー、半合成セルロース誘導体類(カルボキシメチル−セルロース等)、ポリビニルアルコール、カルボキシ−ビニラート類、ベントナイト類、ケイ酸塩類およびコロイダルシリカ。これらのゲル化剤は、単独でまたは任意の比率における2つまたはそれ以上の混合物として使用され得る。好ましいゲル化剤は、キサンガム類およびポリアクリラートポリマー類である。特に好ましいゲル化剤は、ロドポル(Rhodopol) Gおよびカルボポル(Carbopol) EZ−2である。
【0037】
誘引剤は、以下の方法の1つまたはいくつかにおいて作用する不活性成分である:a)昆虫を誘引して毒餌に接近させる、昆虫を誘引して毒餌に接触させる、昆虫を誘引して毒餌を消費させる、昆虫を誘引して毒餌に戻らせる。これらの目的を達成することができる不活性成分は、食物誘引剤および非食物誘引剤の群に属する。以下のものを、食物誘引物質の例として挙げることができる:水、穀類粉末類(例えば、小麦粉末、トウモロコシ粉末、麦芽粉末、米粉末、米糠など)、デンプン類(例えば、バレイショデンプン、トウモロコシデンプンなど)、糖類(例えば、ショ糖、麦芽糖、アラビノース、ガラクトース、乳糖、ソルビトース、グルコース、果糖、ソルビトール、コーンシロップ、メープルシロップ、コカコーラシロップ、転化糖(Invertix)、糖蜜、蜂蜜など)およびグリセロールなど。タンパク質類(例えば、肉、肉エキス類、肉香料類および粉乳、魚粉、魚エキス類または魚香料、水産物、水産物エキス類または水産物香料、イースト、イーストエキスおよびイースト香料など)。果物類(リンゴ、アンズ、バナナ、クロイチゴ、サクランボ、フサスグリ、スグリ、グレープフルーツ、キイチゴ、イチゴ(純粋なもの、シロップまたはエキス))。油脂類(例えば、トウモロコシ、オリーブ、ヒメウイキョウ、ピーナッツ、ゴマ油、ダイズ、ヒマワリからの植物油、動物由来脂肪および魚由来油など)。これらの毒餌用物質は、単独で、または任意の比率における2つまたはそれ以上の混合物として使用され得る。好ましい毒餌用物質は、水、糖類およびタンパク質類である。特に好ましい毒餌用物質は、水、ショ糖および魚香料である。以下のものを、非食物誘引物質の例として挙げることができる:アルコール類(例えば、ベンジルアルコール、ブタノール、デカノール、エタノール、グリセリン、ヘキサノールおよびイソブタノールなど)。フェロモン類(例えば、(Z)−9−Tricosene(「ムスカルレ(イエバエ誘引剤)」)、LEJ179(これは、n−酪酸、ムスカルレならびにカプリル酸、ラウリル酸(laurylic acid)およびジアセチル(CH3−CO−CO−CH3)からなる群より選択される少なくとも1つの成分の混合物である。)およびヘンエイコセンなど)を挙げることができる。更に上げることのできる誘引物質は、脂肪酸類(例えば、カプリル酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸など)、高級アルコール類(例えば、オクチルアルコール、ドデシルアルコール、オレイルアルコールなど)、ならびに天然および人工香料類(例えば、タマネギ香料、ミルク香料、バター香料、チーズ香料など)である。これらの誘引剤は、単独で、または任意の比率における2つまたはそれ以上の混合物として使用され得る。好ましい非食物誘引剤は、アルコール、フェロモン類および香料類である。特に好ましい誘引剤は、ソルビトール、(Z)−9−トリコセンおよびLEJ179である。
【0038】
本発明による毒餌は、更なる補助剤類、例えば1つまたはそれ以上の安定剤、毒餌を摂取させたくない種に対する1つまたはそれ以上の忌避剤、1つまたはそれ以上の着色剤、1つまたはそれ以上の防腐剤などを含むことができる。更に、本発明による毒餌類のいくつかの化合物は1つより多い機能(例えば、水は誘引剤および稀釈剤として同時に作用することができる、など。)を有することができる。
【0039】
言及され得る安定剤類は、例えば、カルシウム塩(例えば、乳酸カルシウム、塩化カルシウムなど)である。
【0040】
言及され得る忌避剤類は、例えば、辛いまたは苦い物質(例えば、ギネアペッパー(Guinea pepper)粉末、安息香酸デナトニウムなど)である。特に好ましい忌避剤は、安息香酸デナトニウムである。
【0041】
言及され得る着色剤類は、例えば、Red No.2、Red No.102、Yellow No.4、Yellow No.5、カラメル、活性炭などである。特に好ましい着色剤は、活性炭である。
【0042】
言及され得る防腐剤類薬は、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、安息香酸、安息香酸塩類、パラオキシ安息香酸エステル類、メチルイソチアゾリノン、ベンズイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノンなどである。特に好ましい防腐剤は、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、メチルイソチアゾリノン、ベンズイソチアゾリノンおよびクロロメチルイソチアゾリノンである。
【0043】
本発明による毒餌は、一般に、少なくとも1つの誘引剤、少なくとも1つのゲル化剤、少なくとも1つのネオニコチノイド、補助剤類および水を含む。誘引剤(類)、ゲル化剤(類)、活性成分(類)、補助剤(類)および水の間の重量比は、好ましくは、40から60:1から5:0.5から2:1から5:40から60重量%の間であり、および特に好ましくは45から50:1.5から2:1から1.5:2から2.5:45から50重量%の間である。
【0044】
本発明による毒餌は、50から1000の間、特に好ましくは150から1000の間のブルックフィールド降伏値(ブルックフィールド降伏点とも呼ばれる)を、一般に有する。
【0045】
本発明による毒餌は、20,000から200,000mPa.sの間、特に好ましくは40,000から150,000mPa.sの間のブルックフィールドRVT粘度(25℃、20rpm、スピンドル♯7)を、一般に有する。
【0046】
ブルックフィールド降伏値およびブルックフィールドRVT粘度は、例えば、以下の手引書:Brookfield(登録商標)Digital Rheometer Model DV−III+、操作説明書、マニュアル 第98−211−A0701号(Brookfield Engineering Laboratories社(MA,USA)製)に従って測定され得る。
【0047】
更に、本発明による毒餌は、一般式(I)の化合物に加え、他の殺虫剤活性物質類を含み得る。
【0048】
昆虫は、昆虫綱に属する。好ましい昆虫は、双翅目の目、特にサイクロラファ(Cyclorrapha)亜目に属する。好ましい昆虫はサイクロラファ(Cyclorrapha)亜目、およびカリフォリダエ(Calliphoridae)(例えば、ルシリアクプリナ(Lucilia cuprina))、ドロソフィリダエ(Drosophilidae)(例えば、ドロソフィラメラノガスター(Drosophila melanogaster))およびムスシダエ(Muscidae)(例えば、ストモキス・カルシトラン(Stomoxys calcitrans)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica))科に属する。特に好ましい昆虫は、ムスシダエ(Muscidae)科およびドロソフィリダエ(Drosophilidae)科に属する。特に好ましい特定の昆虫は、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)およびドロスフィラ・メラノガスター(Drosphila melanogaster)である。
【0049】
本発明はまた、ゲル化剤、水および一般式(I)の化合物を含む液体組成物を作成すること、ならびに次いで該液体組成物を凝固させ、ゲルを作成することを含む、毒餌を調製するための方法に関する。水和されたゲル化剤は、例えば、ゲル化剤および水を混合すること、および中和の際それを凝固させることにより、調製され得る。
【0050】
本発明による毒餌は、毒餌を、毒餌単独の形態でまたは毒餌を適した容器内に配置することによる形態のいずれかで有害な昆虫が住むまたは通過する場所に配置することによって、様々な昆虫を防除するために使用され得る。好ましくは、毒餌は、家畜小屋、畜舎などの家畜保持施設などにおいて適用される。加えて、毒餌は、ゴミ箱、大型ゴミ収集容器、廃棄領域および処分場など、昆虫が集まる/繁殖する領域においても適用され得る。1つの好ましい実施形態において、毒餌は、壁、支柱、柱、飼育容器および箱などの垂直構造物に適用される。もう1つの好ましい実施形態において、毒餌は、例えば厚紙または木製のイスなどの標的上に適用されて、昆虫が集まる地域に掛けられるまたは設置される。もう1つの好ましい実施形態において、毒餌は、従来の昆虫防除製品と組み合わせて適用される。
【0051】
有害な昆虫(例えば昆虫)を駆除するために使用され得る毒餌の適用の割合は、標的の種、有害な昆虫が現れる条件などによって変動し得るが、それでもなお、使用される毒餌の用量は、例えば、安定した地面の面積100mあたり200から400gの間であるということができる。
【0052】
本発明による毒餌は、任意の表面上に適用され得る。該毒餌は、シリンジまたはカートリッジから出して適用され得、それははけによる塗布によって適用され得る。該ゲルは、数ヶ月間、昆虫類に対して誘引性を保ちつづけおよびいかなる表面に対しても粘着性を保ちつづける。
【0053】
本発明はいくつかの使用実施例によって、より詳細に例示され得る。これらの実施例は、本発明の種々の原理ならびに他の態様、有利点および適用を開示するための、本発明者によって検討された最良の方法を提示する。
【実施例】
【0054】
(実施例)
a)調合実施例:
【0055】
【表1】

【0056】
b)適用実施例:
ゲルを、元の包装から直接、任意の表面上に適用することができ、更なる分配のために、容器中に絞りだすことができる。好ましい適用方法は、標的昆虫が留まり、餌を取る構造物上にゲルをはけ塗りする方法である。ゲルは、適用後直ちに、毒餌に近づき静止し餌を取るであろう標的昆虫に対し、誘引性となる。通常、昆虫は毒餌を摂取したのち数分後死に始めることになる。ゲルが、ある程度乾燥することとなり、指触乾燥状態になろうとも、該ゲルは、数ヶ月間、昆虫に対して誘引性を保ちつづけ昆虫を殺すのに有効でありつづける。ゲルの色は経時過程の間、変化しないままである。
【0057】
c)生物学的実施例:ハエ用ゲルのための誘引剤および刺激薬
フィプロニル含有ハエ用ゲルと比較した場合の、イミダクロプリド含有ハエ用ゲルの有利点を実証する生物学的実施例:0.5mハエ用チャンバーにおける試験(3回繰り返したものの平均)
【0058】
【表2】

【0059】
イミダクロプリド含有ゲルは、フィプロニル含有ゲルよりもより短いKT50を示す。ハエの50%がノックダウンされるまでの時間は、フィプロニル含有ゲルの場合の7.7時間と比較して、わずかに1.6時間である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1つまたはそれ以上のネオニコチノイド、
b)1つまたはそれ以上のゲル化剤、
c)1つまたはそれ以上の誘引剤、
を含み、50から1000の間のブルックフィールド降伏値および20,000から200,000mPa.sの間のブルックフィールド粘度を有する、ハエ用ゲル。
【請求項2】
前記ネオニコチノイドが、チアメトキサム、クロチアニジン、チアクロプリド、ジノテフラン、アセタミプリド、ニテンピラムおよびイミダクロプリドからなる群から選択される、請求項1に記載の毒餌。
【請求項3】
前記ネオニコチノイドが、イミダクロプリドである、請求項1に記載の毒餌。
【請求項4】
前記ゲル化剤が、ロドポル(Rhodopol)およびカルボポル(Carbopol)からなる群から選択される、請求項1に記載の毒餌。
【請求項5】
1つの誘引剤が、ムスカルレである、請求項1に記載の毒餌。
【請求項6】
形作られた、請求項1に記載の毒餌。
【請求項7】
150から1000の間のブルックフィールド降伏値および40,000から150,000mPa.sの間のブルックフィールド粘度を有する、請求項1に記載の毒餌。
【請求項8】
a)1つまたはそれ以上のゲル化剤、水、1つまたはそれ以上の誘引剤、および1つまたはそれ以上のネオニコチノイドを含む液体組成物を調製すること、ならびにb)液体組成物を凝固させてゲルを形成すること、を含む、請求項1に記載のハエ用ゲルの調製方法。
【請求項9】
有害な昆虫を防除するための、請求項1に記載のハエ用ゲルの使用。
【請求項10】
請求項1に記載のハエ用ゲルが、ハエの生息地に適用されることを特徴とする、ハエを防除する方法。
【請求項11】
請求項1に記載のハエ用ゲルが、ハエの生息地に位置する垂直構造物に適用されることを特徴とする、請求項10に記載のハエを防除する方法。

【公表番号】特表2008−519836(P2008−519836A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541256(P2007−541256)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/039974
【国際公開番号】WO2006/055275
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】