説明

ハニカムフィルタ及びその製造方法

【課題】被処理流体中の被捕集物質を捕集除去するハニカムフィルタにおいて、圧力損失
の増加を抑制しつつ、PM等の被捕集物質の限界捕集量が大きく、耐熱性、耐久性に優れ
たハニカムフィルタ並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】捕集セルCLINと排出セルCLOUTとの間を区画する隔壁WIOは、捕
集セルCLIN又は排出セルCLOUTのいずれか一方(SRFIN/SRFOUT)を
平面とし、他方(SRFOUT/SRFIN)を凹面状に湾曲せしめた曲面とし、捕集セ
ルCLINの単位断面積あたりの個数をN(個/inch)、排出セルCLOUT
単位断面積あたりの個数をN(個/inch)とした場合に、N>Nの関係を満
足せしめることにより、隔壁WIOの一部に厚肉部WTKを設けて、所望の等価水力直径
を維持して、圧力損失の増加を抑制しつつ、熱容量の向上とアイソスタティック強度の向
上とを同時に図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理流体中の被捕集物質を除去するハニカムフィルタ及びその製造方法に
関し、特に、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃焼排気に含まれる粒子状物質(以下P
Mと称す。)等を捕集するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPFと称
す。)に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境対策として、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される燃焼排気内に
存在するススや、未燃燃料を含むPMの低減が、大きな課題となっている。そのため、従
来、燃焼は域内のPMを捕集するDPFを備えた排ガス浄化装置を燃焼排気の排出経路に
設置することが行われている。
【0003】
DPFは、一般に、耐熱性に優れ、かつ、無数の細孔を有する多孔質セラミックスを素
材としたハニカム構造体を形成し、所定のセルの入り口と出口とのいずれか一方の端面を
目封止して、PMを含む燃焼排気を該ハニカム構造体の隔壁を透過させることによって、
多孔質の隔壁に存在する細孔中にPMを捕捉している。
PMが堆積して上記隔壁の細孔に目詰まりを起こして圧力損失が高くなると、バーナや
ヒータ等で加熱したり、機関の燃焼爆発後に少量の燃料を噴射するポスト噴射等によりD
PF内に高温の燃焼排気を導入したりして、DPFを加熱し、DPF内に捕集されたPM
を燃焼除去して再生できる構成としている。
【0004】
このようなDPF等に用いられるハニカムフィルタのセル形状並びに目封止パターンに
関して種々と提案されている。
例えば、特許文献1には、長手方向に並設された複数の貫通孔と、上記複数の貫通孔を
隔てるとともに外周面を構成する壁部とからなる柱状のハニカム構造体であって、上記多
数の貫通孔は、長手方向に垂直な断面の面積の総和が相対的に大きくなるように、一方の
端部が封止されてなる大容積貫通孔群と、上記断面積の総和が相対的に小さくなるように
、他方の端部が封止されてなる小容積貫通孔群とからなり、上記柱状のハニカム構造体の
上記外周面は、面取りが施された角部を有していることを特徴とするハニカム構造体が開
示されている。
【0005】
また、特許文献2には、多孔質の隔壁によって複数のセルが形成され、一方の端部が目
封じされた所定のセルと、他方の端部が目封じされた残余のセルとが、両端部がそれぞれ
市松模様を形成するように交互に配設されたハニカムフィルタであって、その断面におい
て、所定のセルと残余のセルとの断面積が異なり、断面積の小さいセルに対する断面積の
大きいセルの流路水力直径の比が1.2以上であり、少なくとも断面積の大きいセルの断
面形状が、少なくとも一つの角部に相当する部分が円弧状の四角形であり、隔壁の厚さに
対する、隔壁が交差する部分(交点部)の最小厚さの比の値が、0.7以上1.3未満で
あるハニカムセラミックフィルタが開示されている。
【0006】
一般に、筒状流路の断面積をAとし、筒状流路断面の内周長をLとしたとき、筒状流路
の等価水力直径Dhは、断面積Aの4倍を内周長Lで差し引いた値、即ち、Dh=4A/
Lで表され、筒状流路内を通過する流体に作用する流路内摩擦抵抗は筒状流路の等価水力
直径Dhに比例することが知られている。
また、内燃機関の燃焼排気流路にPMを除去すべくDPFを設けた場合、DPFを通過
する際の圧力損失が機関の燃焼に影響し、圧力損失の上昇によって、機関の燃焼性能が低
下することが知られている(特許文献1、2等)。
したがって、セル内を被処理流体が通過する際の圧力損失を小さくすべく、セル内を通
過する流体に作用する管内摩擦抵抗を小さくするためには、セルの等価水力直径をできる
限り大きくするのが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来のDPFでは、ハニカム構造体を構成するセルを区画する隔壁は、その
交差部に設けられているR形状や面取り形状等によって、僅かに厚肉となっているものも
あるが、概ね一定肉厚の平板状に形成されている。このような構造のDPFにおいて圧力
損失を低減すべく、セルの等価水力直径を拡大しようとすると、単位断面積当たりのセル
数即ちセル密度を低減させるか、セル隔壁の厚さを低減させるかのいずれか選択せざるを
得ない。
【0008】
しかし、セル密度を低減させるとPM捕集量の低下を招く虞があり、セル隔壁の厚さを
低減させるとハニカム構造体の実体重量が減少し、熱容量の低下を招く虞がある。熱容量
の低下は、DPF再生時のPM燃焼による過昇温を招き、ハニカム構造体が熱損傷され易
くなる虞がある。加えて、隔壁の薄肉化によるアイソスタティック強度の低下を招く虞も
ある。
【0009】
そこで、かかる実情に鑑み、本発明は、ハニカムフィルタの各セルについて所望の等価
水力直径を確保して圧力損失の増加を抑制すると共に、所望の熱容量を確保して、PM等
の被捕集物質の限界捕集量が大きく、かつ、耐熱性、耐久性に優れたハニカムフィルタの
提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、第1の発明では、多孔質セラミックスからなる隔壁によっ
て被処理流体の流路となる略筒状に区画したセルを多数設けてハニカム状となし、上記セ
ルの一方の端部を被処理流体の導入される入り口側に開口せしめ他方の端部を閉塞せしめ
た捕集セルとし、上記セルの一方の端部を閉塞せしめ他方の端部を被処理流体の排出され
る出口側に開口せしめた排出セルとし、該捕集セルと該排出セルとを所定の位置に配設せ
しめて、被処理流体を上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔壁を透過させて、
被処理流体中の被捕集物を該隔壁に捕集せしめるハニカムフィルタにおいて、
上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔壁は、上記捕集セル又は上記排出セル
のいずれか一方に対向する側を平面とし、他方に対向する側を凹面状に湾曲せしめた曲面
として、当該隔壁の一部に厚肉部を設けるとともに、上記略筒状のセルの長手方向に対す
る垂直断面における上記捕集セルの単位断面積あたりの個数をN(個/inch)、
略筒状のセルの長手方向に対する垂直断面における上記排出セルの単位断面積あたりの個
数をN(個/inch)とした場合に、N>Nの関係を満足せしめる(請求項1
)。
【0011】
第1の発明によれば、上記厚肉部によって上記隔壁の熱容量が高くなり、さらに、ハニ
カム構造体のアイソスタティック強度も上昇する。加えて上記排出セルを湾曲せしめるこ
とによって設けた上記肉厚部により、上記捕集セルと上記捕集セルに囲まれたセル壁内を
透過して上記排出セルより排出される排ガスの流体抵抗を増加できるので、上記セル壁に
捕集されるPMの堆積量が抑制され、単位濾過壁あたりのPM燃焼量を軽減することで熱
損傷の発生を抑制する効果が期待できる。したがって、耐熱性、耐久性に優れたハニカム
フィルタが実現できる。
また、上記捕集セルの単位断面積当たりの数Nを上記排出セルの単位断面積当たりの
数Nよりも多く設定することにより、捕集セル同士が隣接するので、セル壁の両側にP
Mを堆積させることが可能となり、濾過面積を効率的に確保したことによるPM堆積圧損
の低減効果を得ることができる。
さらに、このような構成とすることによって、上記排出セル側の圧力損失を上記捕集セ
ル側の圧力損失よりも相対的に小さくすることができ、上記捕集セルと上記排出セルとの
圧力損失差を大きくすることができる。
したがって、上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔壁を通過する燃焼排気の
流速(透過流速)を大きくすることが可能となり、ハニカムフィルタの使用中における圧
力損失が小さくなり、内燃機関の燃焼に対する影響を抑制することができる。
【0012】
第2の発明では、上記捕集セルと上記排出セルとの流路長手方向に垂直な断面の形状は
、いずれか一方を多角形に形成し、他方を円形に形成する(請求項2)。
【0013】
第2の発明によれば、上記捕集セルと上記排出セルとの等価水力直径を維持したまま、
上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔壁の一部に厚肉部を形成することが可能
となり、圧力損失を増加させることなく上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔
壁の熱容量を向上させ、ハニカム構造体のアイソスタティック強度も上昇させることがで
きる。したがって、耐熱性、耐久性に優れたハニカムフィルタが実現できる。
加えて、本発明によらず上記捕集セルと上記排出セルとの両方を円形に形成した場合に
は、厚肉部が過剰に肉厚となり、被処理流体が上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画
する隔壁を透過する際の拡散抵抗が大きくなり圧力損失が増加する虞がある。
本発明のように、上記捕集セルと上記排出セルとを異なった形状に形成することによっ
て、圧力損失の低減と熱容量の向上とを両立するハニカムフィルタの実現が可能となる。
【0014】
第3の発明では、上記捕集セルと上記排出セルとに触媒を担持せしめたハニカムフィル
タにおいて、上記セル壁の平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の最小
値をt(mg/mm)、上記セル壁の曲面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒
担持質量の平均値をt(mg/mm)、上記セル壁の平面側に担持せしめた単位表面
積あたりの触媒担持質量の最大値をt(mg/mm)とした場合に、t≦t≦t
の関係を満足せしめる(請求項3)。
【0015】
第3の発明によれば、触媒によりPMの堆積を抑制して、圧力損失の低減を図るハニカ
ムフィルタにおいても、上記捕集セルの水力直径と上記排出セルの水力直径とを減少させ
ることなくPMの堆積を抑制するのに必要な触媒担持量を確保できるので、さらに圧力損
失の少ないハニカムフィルタの実現が可能となる。
【0016】
より具体的には、触媒を担持した後の上記捕集セルの上記捕集セルと上記排出セルとを
内包する多角形からなる仮想単位格子の等価水力直径を仮想水力直径(Dh)とし、上
記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔壁の肉厚の最小値を最小厚(t)としたと
き、上記捕集セルの等価水力直径(Dh)と上記排出セルの等価水力直径(Dh)と
のいずれか一方を上記仮想水力直径(Dh)と等しく設け、他方の等価水力直径を上記
仮想水力直径(Dh)から上記最小肉厚(t)の2倍を差し引いた値(Dh−2t)
に形成するのが望ましい。
【0017】
また、上記捕集セルと上記排出セルとを内包する多角形からなる仮想単位格子の等価水
力直径を仮想水力直径(Dh)とし、上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔
壁の肉厚の最小値を最小厚(t)としたとき、上記捕集セルの等価水力直径(Dh)と
上記排出セルの等価水力直径(Dh)とは、上記仮想水力直径(Dh)から上記最小
肉厚(t)を差し引いた値(Dh―t)に形成しても良い。
【0018】
第1の発明から第3の発明として記載したハニカムフィルタの製造方法において、第4
の発明では、各辺が直線のみからなる多角形状のブロックと曲線からなる円形状のブロッ
クとによって形成されたスリット溝を設けた金型からセラミック坏土を押し出してセラミ
ックハニカム構造体を形成するセラミックハニカム構造体成形工程を備える(請求項4)

【0019】
第4の発明によれば、上記捕集セルと上記排出セルとの間を一方の面が平面であり他方
の面が曲面であって、一部に肉厚部を有した隔壁によって区画して上記捕集セルと上記排
出セルとの等価水力直径及びセル密度を低減することなく上記捕集セルと上記排出セルと
の間を区画する隔壁の熱容量を高めつつ機械的強度を増強せしめ、被捕集物質の捕集量の
高いハニカムフィルタの製造が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるハニカムフィルタの概要を示し、(a)は、ハニカムフィルタ全体構成を表す斜視図、(b)は、流路方向に沿った縦断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタの特徴的な部分を示し、(a)は、流路方向に垂直な要部断面図、(b)は捕集セルと排出セルとを区画する隔壁の要部断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタの変形例における特徴的な部分を示し、(a)は、流路方向に垂直な要部断面図、(b)は捕集セルと排出セルとを区画する隔壁の要部断面図。
【図4】(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタの他の変形例を示す流路方向に垂直な要部断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタの成形に用いられる金型の概要を示し、(a)は要部平面図、(b)は要部断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタをDPFとして用いた燃焼排気浄化システムの例を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタ1は、ディーゼルエンジン等の内燃
機関の燃焼排気を被処理流体とし、多孔質セラミックスからなる隔壁によって被処理流体
の流路となる略筒状に区画したセルを多数設けてハニカム状となし、セルの一方の端部を
被処理流体の導入される入り口側に開口せしめ他方の端部STPOUTを閉塞せしめた捕
集セルCLINとし、セルの一方の端部STPINを閉塞せしめ他方の端部を被処理流体
の排出される出口側に開口せしめた排出セルCLOUTとし、捕集セルCLINと排出セ
ルCLOUTとを所定の位置に配設せしめたものであり、燃焼排気中に含まれる粒子状物
質PMを被捕集物質とし、被処理流体がハニカムフィルタ1の隔壁を透過することによっ
て被処理流体中の被捕集物質を除去することができるものである。
本発明のハニカムフィルタ1は、多孔質セラミックスからなる隔壁WIOの一方の面を
直平面状とし、他方の面を湾曲面状として、隔壁WIOの板厚を部分的に厚くした厚壁部
TKを設けて、所望のPM捕集量を維持しつつ、ハニカム構造体の熱容量を増加し耐久
性を向上せしめたことを最大の特徴とする。
【0022】
なお、本実施形態においては、多孔質セラミック材料として広く一般に用いられている
コーディエライトを用いた場合を例に説明するが、コーディエライト(2MgO・3Al
・5SiO2)に限らず、アルミナ(Al)、ムライト(3Al・2
SiO)、スピネル(MgO・Al)、ジルコニア(ZrO)、チタン酸アル
ミニウム(AlTiO)、リチウムアルミノシリケート(LiO・Al・S
iO)等の酸化物材料、炭化珪素(SiC)、炭化硼素(BN)、炭化チタン(Ti
C)等の炭化物材料、珪化チタン(TiSi)等の珪化物材料等を用いることができる
。また、PMを効率的に燃焼すべく触媒として、白金(Pt)、ルテニウム(Rh)、チ
タン(Ti)、タングステン(W)等の金属を多孔質セラミックスの表面に担持させた構
成としても良い。
【0023】
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態においてハニカムフィルタ1は、筒状に
伸びる断面六角形の流路を持つ捕集セルCLINと筒状に伸びる断面円形の流路を持つ排
出セルCLOUTとが複数配設されたハニカム構造体を構成し、捕集セルCLINは、入
り口側端部が開口し出口側端部が出口側目封止栓STPOUTによって閉塞され、排出セ
ルは、入り口側端部が入り口側目封止栓STPINによって閉塞され、出口側端部が開口
している。
【0024】
ハニカムフィルタ1の入り口側から捕集セルCLINに導入されたPMを含む燃焼排気
は、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとの間を区画する隔壁WIOを透過し排出セ
ルCLOUTに移動する。
この時、燃焼排気内のPMは隔壁WIOに無数に存在する細孔内に捕集され、PMの除
去された燃焼排気のみが出口側に排出される。
【0025】
図2を参照して、本実施形態におけるハニカムフィルタ1を構成する捕集セルCLIN
及び排出セルCLOUTの特徴についてさらに詳述する。
図2(a)に示すように、排出セルCLOUTの等価水力直径φDhは、六角形から
なる仮想単位格子LTCVRの仮想水力直径Dhと等しい値に形成されており、捕集セ
ルCLINと排出セルCLOUTとの間を区画する隔壁WIOの肉厚の最小値をtとした
とき、捕集セルCLINの等価水力直径Dhは仮想水力直径Dhから肉厚最小値tの
2倍を差し引いた値(Dh−2t)に形成されている。
また、略筒状のセルの長手方向に対する垂直断面における捕集セルCLINの単位断面
積あたりの個数をN(個/inch)、略筒状のセルの長手方向に対する垂直断面に
おける排出セルCLOUTの単位断面積あたりの個数をN(個/inch)とした場
合に、N>Nの関係を満たすように構成するのが望ましい。
具体的には、本実施形態においては、1個の排出セルCLOUTに対してその周囲に6
個の捕集セルCLINが並び、1個の捕集セルCLINに対してその周囲に3個の排出セ
ルが並び、2個の捕集セルCLIN同士が隣接するように配設されている。
【0026】
このような構成とすることによって、図2(b)に示すように、捕集セルCLINと排
出セルCLOUTとの間を隔てる隔壁WIOは、捕集セルCLIN側の表面SRFIN
直平面となり、これに対向する排出セルCLOUT側の表面SRFOUTが、凹面状に湾
曲した曲面となり、隔壁WIOの一部が肉厚となった厚肉部WTKを形成することができ
る。厚肉部WTKは、隔壁WIOの熱容量を増加するとともに、ハニカム構造体のアイソ
スタティック強度を向上させている。
捕集セルCLINは、断面多角形に形成されているので、捕集セルCLIN側の表面S
RFINの表面積が大きくなり、PM捕集量を多くすることができる。一方、排出セルC
OUTは、断面円形に形成されているので、圧力損失の増加を抑制できる。
加えて、隣接する複数の捕集セルCLIN同士を区画する隔壁WIIは、肉厚最小値t
の2倍の肉厚に形成されている。したがって、隔壁WIIの熱容量が大きく、隔壁WII
の両側に堆積したPMが燃焼した場合にも熱損傷を抑制することができる。
【0027】
さらに、本実施形態においては、捕集セルCLINの開口断面積SINと排出セルCL
OUTの開口断面積SOUTとの関係において、SIN<SOUTが成立し、ハニカムフ
ィルタ1全体について、捕集セルCLINの開口断面積SINと、その総和ΣSINと、
排出セルCLOUTの開口断面積SOUTと、その総和ΣSOUTとの関係において、Σ
IN>ΣSOUTが成立している。
このような構成とすることによって、排出セルCLOUT側の圧力損失を捕集セルCL
IN側の圧力損失よりも相対的に小さくすることができ、捕集セルCLINと排出セルC
OUTとの圧力損失差を大きくすることができる。
したがって、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとの間を区画する隔壁WIOを通
過する燃焼排気の流速(透過流速)を大きくし、ハニカムフィルタの使用中における圧力
損失を小さくし、内燃機関の燃焼に対する影響を抑制することができる。
さらに、排出セルCLOUTを湾曲せしめることによって設けた肉厚部WTKにより、
捕集セルCLINと捕集セルCLINに囲まれたセル壁内を透過して排出セルCLOUT
より排出される排ガスの流体抵抗を増加できるので、上記セル壁に捕集されるPMの堆積
量が抑制され、単位濾過壁あたりのPM燃焼量を軽減することで熱損傷の発生を抑制する
効果が期待できる。
【0028】
なお、本実施形態において、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとに触媒を担持せ
しめた場合、捕集セルCLINの壁面SRFINがセル壁WIOの平面側となり、排出セ
ルCLOUTの壁面SRFOUTがセル壁WIOの曲面側となる。
平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の最小値をt(mg/mm
)、曲面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の平均値をt(mg/mm
)、平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の最大値をt(mg/m
)とした場合に、本実施形態においては、t≦t≦tの関係を満足している。
触媒の担持量をこの範囲に設定することにより、捕集セルCLINの水力直径を小さく
することなく、PM堆積抑制に必要な触媒担持量を確保できるので、さらに圧力損失を小
さくできる。
【0029】
図3を参照して、本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタの変形例1aにつ
いて説明する。本図、(a)は、流路方向に垂直な要部断面図、(b)は捕集セルCL
と排出セルCLOUTとを区画する隔壁WIOの要部断面図である。
本実施形態において、捕集セルCLINは、六角形からなる仮想単位格子LTCVR
等価水力直径Dhから肉厚最小値tの2倍を差し引いたφ(Dh−2t)に等しい等
価水力直径φDhを有する断面円形に形成され、排出セルCLOUTは、仮想単位格子
LTCVRの等価水力直径Dhと等しい等価水力直径Dhを有する断面六角形に形成
されている。
また、本実施形態においても、筒状セルの流路長手方向に対する垂直断面における捕集
セルCLINの単位断面積あたりの個数N(個/inch)と排出セルCLOUT
位断面積あたりの個数N(個/inch)との間に、N>Nの関係が成立してい
る。
このような構成とすることによって、図3(b)に示すように、捕集セルCLINと排
出セルCLOUTとの間を隔てる隔壁WIOは、捕集セルCLIN側の表面SRFIN
凹面状に湾曲した曲面となり、排出セルCLOUT側の表面SRFOUTが、直平面とな
り、隔壁WIOの一部が肉厚となった厚肉部WTKを形成することができる。厚肉部W
は、隔壁WIOの熱容量を増加するとともに、ハニカム構造体のアイソスタティック強
度を向上している。
本発明の第1の実施形態においては、捕集セルCLIN側を断面六角形に形成し、排出
セルCLOUT側を断面円形に形成し、本実施形態においては、捕集セルCLIN側を断
面円形に形成し、排出CLOUT側を断面六角形に形成した点が相異するが、等価水力直
径は等しく、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとの圧力損失が増加することはなく
、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
加えて、単位濾過壁あたりの熱容量もしくは単位PM堆積量に対する熱容量が増加する
ので、圧損増加を抑制しつつ上記実施形態よりも高い耐熱性を期待できる。
【0030】
さらに、本実施形態において、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとに触媒を担持
せしめた場合、捕集セルCLINの壁面SRFINがセル壁WIOの曲面側となり、排出
セルCLOUTの壁面SRFOUTがセル壁WIOの平面側となる。
平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の最小値をt(mg/mm
)、曲面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の平均値をt(mg/mm
)、平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の最大値をt(mg/m
)とした場合に、本実施形態においても、t≦t≦tの関係を満足している。
触媒の担持量をこの範囲に設定することにより、排出セルCLOUTの水力直径を小さ
くすることなく、PMの堆積抑制に必要な触媒担持量を確保できるので、圧力損失を小さ
くできる。
【0031】
図4を参照して、本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタの他の変形例1b
、1cについて説明する。
ハニカムフィルタ1bでは、図4(a)に示すように、六角形からなる仮想単位格子L
TCVRの等価水力直径Dh、セル隔壁肉厚最小値tに対して、捕集セルCLINの等
価水力直径Dhを(Dh−t)の断面六角形に形成し、排出セルCLOUTの等価水
力直径φDhをφ(Dh−t)の断面円形に形成してある。このような構成とするこ
とによって、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとの間を区画する隔壁WIOの一部
に厚肉部WTKを設けて、圧力損失の増加を抑制しつつ、熱容量の増加とアイソスタティ
ック強度の増加とを同時に実現できる。本実施形態において、触媒を担持せしめた場合に
も、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、ハニカムフィルタ1cでは、図4(b)に示すように、六角形からなる仮想単位
格子LTCVRの等価水力直径Dh、セル隔壁肉厚最小値tに対して、捕集セルCL
の等価水力直径φDhをφ(Dh−t)の断面円形に形成し、排出セルCLOUT
の等価水力直径Dhを(Dh−t)の断面六角形に形成してある。このような構成と
することによって、捕集セルCLINと排出セルCLOUTとの間を区画する隔壁WIO
の一部に厚肉部WTKを設けて、圧力損失の増加を抑制しつつ、熱容量の増加とアイソス
タティック強度の増加とを同時に実現できる。本実施形態において、触媒を担持せしめた
場合にも、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
【0032】
本発明の第1の実施形態におけるハニカムフィルタ1の製造方法の概要を示す。
先ず、焼成によりコーディエライト(2MgO・3Al・5SiO)組成とな
る原料、即ち、タルク(3MgO・4SiO・HO)、マグネシア(MgO)、シリ
カ(SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、アルミナ(Al
)、ベーマイト(AlOOH)、水酸化アルミニウム(Al(OH))等から適宜選
択されたセラミック原料粉末を所定の配合比で調合し、粉砕、混合、ミリング等により所
定の粒度分布を有する調合原料に調整する。
また、触媒を担持すべくイットリア(Y)、チタニア(TiO)や、タングス
テン(W)、白金(PT)等の遷移金属等を添加しても良い。
【0033】
次いで、結合剤、可塑剤、分散剤、潤滑剤、邂逅剤、界面活性剤、造孔剤等の助剤とし
て、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルア
ルコール(PVA)、デンプン糊、ポリアルキレン誘導体、グリセリン、ゼラチン、ワッ
クスエマルジョン、カーボン、おがくず等から適宜必要な材料を選択して、上記調合原料
と混練してセラミック坏土とし、さらに、セラミック坏土を所定の流動特性となるよう含
水率や粘度の調整を行う。 本実施形態においては、例えば、重量比でシリカ原料を19
%、タルク原料を36%、アルミナ原料を45%の割合で混合し、これを100として、
造孔剤21.6%、バインダ13.5%、水34%を加えたものを用いた。
【0034】
本発明のセラミックハニカム構造体を形成するセラミックハニカム構造体成形工程では
、粘度調整されたセラミック坏土を、プランジャ式押出成形機やスクリュ式押出成形機を
用いて所定の格子溝を設けた金型から押出、所望の断面形状を持つ略筒状のセルが多数区
画されたセラミックハニカム構造体を形成する。
得られたセラミックハニカム構造体の入り口側と出口側との両端面において、所定のセ
ルに封止剤を充填し、入り口側が開口し出口側が閉鎖した捕集セルCLINと、入り口側
が開口し出口側が開口した排出セルCLOUTとを設ける。
本実施形態においては、図5(a)、(b)に示すような、各辺が直線のみからなる多
角形状のブロックBRK1と曲線からなる円形状のブロックBRK2とによって形成され
たスリット溝SLを設けた金型50を用いた。スリット溝SLの底部には、セラミック杯
土の通過する下孔UHが設けられている。下孔UHの数を多くしたり、下孔UHの内径を
大きくしたりすることによって、スリット溝SLをから押し出されるセラミック杯土の押
出速度を均一化することができる。
【0035】
目封止方法としては、以下のような公知の方法を適宜用いることができる。即ち、ハニ
カム構造体の端面を樹脂フィルム等で覆い、封止剤を充填するセルを覆う部位の樹脂フィ
ルムを加熱等により除去し、所望の目封止形成パターンを有するマスキングを施す。
次いで、マスキングを施したハニカム構造体の端面をスラリー状に調整した充填剤中に
浸漬し、マスキングを除去したセル内に充填剤を充填し、乾燥する。
入り口側端面と出口側端面とのそれぞれに、所望のパターンで封止剤を充填し目封止栓
STPIN、STPOUTを形成した後、乾燥後、樹脂フィルムの除去と同時に焼成を行
う。この時、充填剤も同持に焼成される。コーディエライトの場合には、例えば、140
0℃で焼成される。
以上により、多角形の断面形状を有する捕集セルCLINと円形の断面形状を有する排
出セルCLOUTとで構成されたハニカムフィルタ1が形成できる。
なお、充填剤としては、ハニカム構造体を形成するセラミック原料と同質のものを主成
分とし、水等の分散媒によってスラリー状にしたものを用いるのが望ましい。また、封止
栓STPIN、STPOUTは燃焼排気の通過を阻止すべく、隔壁よりも緻密な微構造と
するのが望ましく、封止剤に造孔剤を添加する必要はない。
【0036】
図6に本発明のハニカムフィルタ1をDPFとして用いた燃焼排気浄化システムの例に
ついて説明する。
ハニカムフィルタ1は、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関20の燃焼排気流路に
設けられ、燃焼排気中のPMを捕集する。
内燃機関20は、高圧ポンプPによって高圧に昇圧された高圧燃料を蓄圧する各気筒2
00に共通のコモンレールRと、該コモンレールRに連結されて各気筒200の燃焼室に
それぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁INJを有し、内燃機関20の吸気マニホール
ド210は、吸気管218に連結しており、連結部に設けられる吸気スロットル214に
よって、吸気流量が調整されるようになっている。
【0037】
内燃機関20の排気マニホールド220は、排気管224に連結しており、排気管22
4の経路には、本発明のハニカムフィルタ1が設置されている。
内燃機関20からの排出ガスは、入り口側が開口している捕集セルCからDPF1内
に入り、多孔性の隔壁WIOを通過する際にPMが捕集される。
排気と接触するDPF1内の隔壁WIOの表面に、PMの酸化を促進するための触媒を
担持させることもできる。また、DPF1の上流側に酸化触媒110を設けた構成として
も良い。さらに、DPF1の下流側には、図略の尿素SCR装置を設けて、DPF1によ
ってPMを除去された排気中のNOxの除去処理を行う構成としても良い。
【0038】
排気管224のDPF1の上流側223には、遠心過給機のタービン221が設けられ
、吸気管218に設けられるコンプレッサ216とタービン軸222を介して連結されて
いる。これにより、排気の熱エネルギを利用してタービン221を駆動するとともに、タ
ービン軸222を介してコンプレッサ216を駆動し、吸気管218から吸気フィルタ2
17を介して導入された吸気をコンプレッサ216内で圧縮する。吸気スロットル214
の上流には、インタクーラ215が設けられ、コンプレッサ216で圧縮されて高温とな
った吸気が冷却される。
【0039】
排気マニホールド220は、EGR通路212によって、吸気マニホールド210と連
結されており、排気の一部が、EGR通路212を経て吸気に戻されるようになっている
。EGR通路212の、吸気マニホールド210への出口部には、EGR弁211が設け
られ、その開度を調節することにより吸気へ還流される排気の量を調整できるようになっ
ている。EGR通路212の途中には、還流されるEGRガスを冷却するためのEGRク
ーラ213が設けられる。
【0040】
排気管223、224には、DPF1にて捕集されたPM捕集量を知るために、DPF
1の前後差圧を検出する差圧センサ100が設けられる。差圧センサ100の一端側はD
PF1上流の排気管223に、他端側はDPF1下流の排気管224にそれぞれ圧力導入
管を介して接続されており、DPF1の前後差圧に応じた信号を出力するようになってい
る。
また、DPF1の出口部には、DPF温度TEXを検出する排気温センサTSENと、
DPF1下流の酸素濃度λを検出する酸素濃度検出手段としての空燃比センサλSEN
設置されている。これらセンサからの信号は、いずれも制御手段であるECU30に入力
される。
【0041】
ECU30には、さらに、吸気スロットル214の開度OPIN、EGR弁211の弁
開度OPEGR、エンジン回転数NE、車速SP、アクセル開度AC、冷却水温TW、ク
ランク位置CA、燃料圧PCYL等を検出する各種センサから信号が入力されて、内燃機
関20の運転状態を検出するようになっている。ECU20は、運転状態に応じた最適な
燃料噴射量、EGR量を算出して、吸気スロットル214、燃料噴射弁INJ、EGR弁
211等をフィードバック制御する。ECU30は、また、吸気管218に導入される吸
気量を検出する吸気量センサARSENと排気温センサTSENの検出値から算出される
排ガス流量(体積流量)と、差圧センサ100にて検出されるDPF1の前後差圧を基に
、PM捕集量を演算して、DPF1の再生を制御することもできる。一般に、ある排気流
量に対して、PM捕集量の増加に伴い差圧が増加することから、この関係を利用してPM
捕集量を算出することができる。そして、算出されたPM捕集量が所定値を越えたときに
、DPF1を昇温させて、PMを燃焼、除去する再生処理を行う。
【0042】
DPF1の再生手段として、具体的には、燃料噴射弁INJから燃焼室に燃料を噴射す
る際に、ポスト噴射や噴射時期の遅角を行う、あるいは、吸気スロットル214を通常よ
り閉じ側とする等により排気を昇温させる方法が採用できる。例えば、ポスト噴射や遅角
を行うと、着火時期の遅れ等により、エネルギの一部が動力に返還されずに排気の熱エネ
ルギになるために、通常噴射の場合の排気温度(150〜400)に対し、高温(300
〜700)の排気がDPF1内に導入される。吸気スロットル214を閉じ側とした場合
も同様で、吸気量が減少し、内燃機関20の燃焼室内に流入するガスの熱容量が減少する
ために、排気温度が上昇する。この高温の排気により、DPF1内に付着したPMを燃焼
させ、捕集能力を回復させることができる。運転状態に応じて、複数の再生手段を使い分
けたり、再生手段として、バーナやヒータといった加熱装置を用いたりすることもできる

【符号の説明】
【0043】
1 ハニカムフィルタ(DPF)
CLIN 捕集セル
CLOUT 排出セル
Dh 仮想単位格子等価水力直径
Dh 捕集セル水力直径
Dh 排出セル水力直径
IO 捕集セル排出セル間隔壁
II 捕集セル同士間隔壁
TK 厚肉部
SRFIN 入口側壁面
SRFOUT 出口側壁面
STPIN 入口側封止栓
STPOUT 出口側封止栓
捕集セルの単位断面積あたりの個数
排出セルの単位断面積あたりの個数
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】国際公開2004/024295号パンフレット
【特許文献2】特開2005−270969号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質セラミックスからなる隔壁によって被処理流体の流路となる略筒状に区画したセ
ルを多数設けてハニカム状となし、上記セルの一方の端部を被処理流体の導入される入り
口側に開口せしめ他方の端部を閉塞せしめた捕集セルとし、上記セルの一方の端部を閉塞
せしめ他方の端部を被処理流体の排出される出口側に開口せしめた排出セルとし、該捕集
セルと該排出セルとを所定の位置に配設せしめて、被処理流体を上記捕集セルと上記排出
セルとの間を区画する隔壁を透過させて、被処理流体中の被捕集物を該隔壁に捕集せしめ
るハニカムフィルタにおいて、
上記捕集セルと上記排出セルとの間を区画する隔壁は、上記捕集セル又は上記排出セル
のいずれか一方に対向する側を平面とし、他方に対向する側を凹面状に湾曲せしめた曲面
として、当該隔壁の一部に厚肉部を設けるとともに、
上記略筒状のセルの長手方向に対する垂直断面における上記捕集セルの単位断面積あた
りの個数をN(個/inch)、略筒状のセルの長手方向に対する垂直断面における
上記排出セルの単位断面積あたりの個数をN(個/inch)とした場合に、N
の関係を満足せしめたことを特徴とするハニカムフィルタ。
【請求項2】
上記捕集セルと上記排出セルとの流路長手方向に垂直な断面の形状は、いずれか一方を
多角形に形成し、他方を円形に形成することを特徴とする請求項1に記載のハニカムフィ
ルタ。
【請求項3】
上記捕集セルと上記排出セルとに触媒を担持せしめたハニカムフィルタにおいて、上記
セル壁の平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の最小値をt(mg/
mm)、上記セル壁の曲面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担持質量の平均値
をt(mg/mm)、上記セル壁の平面側に担持せしめた単位表面積あたりの触媒担
持質量の最大値をt(mg/mm)とした場合に、
≦t≦tの関係を満足せしめたことを特徴とする請求項1又は2に記載のハニ
カムフィルタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハニカムフィルタの製造方法において、各辺
が直線のみからなる多角形状のブロックと曲線からなる円形状のブロックとによって形成
されたスリット溝を設けた金型からセラミック坏土を押し出してセラミックハニカム構造
体を形成するセラミックハニカム構造体成形工程を備えたハニカムフィルタ製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−131586(P2010−131586A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219620(P2009−219620)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】