説明

ハニカム構造体

【課題】 自動車排ガス浄化触媒として車両に搭載しても機能を発揮できる強度を備え、小型、軽量で浄化性能を効率的に発揮できるハニカム構造体の提供。
【解決手段】 ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の気孔率をY(単位:%)としたとき、下記の式(1)及び式(2)
40X+20≦Y≦40X+30・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴とするハニカム構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車排ガスの浄化に関しては、多くの技術が開発されているが、交通量の増大もあって、まだ十分な排ガス対策がとられているとは言い難い。日本国内においても、世界的にも自動車排ガス規制は、さらに強化されていく方向にある。その中でも、ディーゼル排ガス中のNOx規制については、非常に厳しくなってきている。従来は、エンジンの燃焼システムの制御によってNOx低減を図ってきたが、それだけでは対応しきれなくなってきた。このような課題に対応するディーゼルNOx浄化システムとして、アンモニアを還元剤として用いるNOx還元システム(SCRシステムと呼ばれている。)が提案されている。
【0003】
このようなシステムに用いられる触媒担体として、ハニカム構造体が知られている。特許文献1に開示されているハニカム構造体は、γアルミナ、セリア、ジルコニア、ゼオライトなどと、無機繊維と無機バインダとを混合して、ハニカム形状に成形して焼成したハニカムユニットからなるハニカム構造体が開示されている。
【0004】
特許文献2には、貫通孔の相当直径が1.5〜5mm、セル壁の肉厚が0.3〜0.9mmであり、細孔容積に占める特定の細孔範囲の細孔容積が40%以上であるハニカム(型)触媒を用いて、ディーゼルエンジン排ガス中のNOxをアンモニアにより還元するNOx浄化方法が開示されている。このハニカム(型)触媒は、強度とNOx浄化性能が十分に発揮できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/063653号パンフレット
【特許文献2】特許第2675321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているようなハニカム構造体において、主原料としてゼオライトを用いて成形、焼成してハニカムユニットを作製した場合、特にゼオライトを増加させるとハニカムユニットの強度が十分に保てなくなることがある。この為、このハニカムユニットから作製したハニカム構造体は、SCRシステムにおいて、自動車排ガス用のNOx浄化触媒としての機能を維持することができない場合があるという問題があった。
【0007】
特許文献2に開示されているようなハニカム触媒においては、ハニカムのセル壁の厚さを0.3mm以上と厚めにして強度を保持している。しかし、セル壁が厚くなってくると、排ガス中のNOxガスがセル壁の内部にまで十分に浸透しなくなり、排ガス浄化反応において、セル壁全体が有効に利用できない場合がある。このため、同じ自動車排ガスに対して、所望の浄化性能を得ようと思えば、有効に利用される触媒領域を増やすため、ハニカム触媒を大きくする必要が生じてしまい、軽量化、小型化を要求される自動車排ガス用のNOx浄化触媒に使用するには課題があった。
【0008】
本発明においては、上述の問題点に鑑み、自動車排ガス浄化触媒として車両に搭載しても機能を発揮できる強度を備え、小型、軽量で浄化性能を効率的に発揮できるハニカム構造体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題を解決するための手段を以下に記す。
本発明は、ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の気孔率をY(単位:%)としたとき、下記の式(1)及び式(2)
40X+20≦Y≦40X+30・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴とするハニカム構造体である。
【0010】
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が、270g/L以下であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0011】
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットの開口率が、50〜65%であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0012】
好ましい本発明は、前記ゼオライトが、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、又はゼオライトLのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0013】
好ましい本発明は、前記ゼオライトが、シリカとアルミナのモル比(シリカ/アルミナ比)が30〜50であることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0014】
好ましい本発明は、前記ゼオライトが、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、又はVのうち少なくともいずれかひとつでイオン交換されていることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0015】
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットが、アルミナ粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、及びこれらの前駆体のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0016】
好ましい本発明は、前記無機バインダが、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトゾル、及びアタパルジャイトゾルのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0017】
好ましい本発明は、前記ハニカムユニットが、無機繊維含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0018】
好ましい本発明は、前記無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、及びホウ酸アルミニウム繊維のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【0019】
好ましい本発明は、複数の前記ハニカムユニットが、接着材を介して結合されていることを特徴とする前記ハニカム構造体である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、自動車排ガス浄化触媒として車両に搭載しても機能を発揮できる強度を備え、小型、軽量で浄化性能を効率的に発揮できるハニカム構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のハニカム構造体の斜視図であり、(a)は複数のハニカムユニットからなるハニカム構造体であり、(b)は一つのハニカムユニットからなるハニカム構造体である。
【図2】図1(a)のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの斜視図である。
【図3】実施例及び比較例のハニカムユニットのセル壁の厚さと気孔率の関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のハニカム構造体は、ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の気孔率をY(単位:%)としたとき、下記の式(1)及び式(2)
40X+20≦Y≦40X+30・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴とする。
【0023】
本発明のハニカム構造体は、長手方向に沿って、一方の端面から対向する他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状の焼成体であるハニカムユニットを、ひとつ又は複数備えている。ハニカム構造体の一例を図1(a)の斜視図に示す。図1(a)に示したハニカム構造体1は、複数のハニカムユニット2が接着材5により結合されて配置されている。それぞれのハニカムユニット2は、セル3の長手方向が平行に配列されるように形成されている。なお、ハニカム構造体1の側面(セルの長手方向と平行な面)は、強度を保つためコーティング材層6で覆われていることが好ましい。ハニカム構造体1を構成するハニカムユニット2は、図2の斜視図に例示すように、長手方向に伸びる複数のセル3を有し、セル3同士を区画するセル壁4がセル3及びハニカムユニット2を構成している。
【0024】
そして、本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であることが好ましく、270g/L以下であることがさらに好ましく、245〜270g/Lであることが特に好ましい。ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が、230g/L未満では、NOx浄化性能が低下する。また、ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が270g/Lを超えると、ハニカムユニットの強度、ひいてはハニカム構造体の強度が保てなくなることがある。
【0025】
本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、セル壁の厚さをX(単位:mm)、セル壁の気孔率をY(単位:%)としたとき、式(1) 40X+20≦Y≦40X+30 、及び式(2) 0.15≦X≦0.35 を満たすことを特徴としている。
【0026】
一般に、ハニカム構造体を用いた自動車用排ガスNOx浄化触媒は、小型、軽量で、自動車走行時の振動や応力に対応できる強度を持ち、十分なNOx浄化性能を有する必要がある。
【0027】
本発明者らは、ゼオライトの含有量と、セル壁の厚さと、セル壁の気孔率が、ハニカム構造体の基本単位であるハニカムユニットの強度と触媒性能に及ぼす影響を検討した。ハニカムユニットの強度の向上には、ゼオライトの含有量を低下させ、セル壁を厚くし、セル壁の気孔率を小さくすればよいと考えられる。しかし、触媒作用を有するセル壁そのものの触媒性能の向上には、ゼオライトの含有量を増加する必要がある。また、小型、軽量なハニカムユニット(ハニカム構造体)とするためには、セル壁全体を効率よく触媒として利用できるよう、セル壁を薄くし、セル壁の気孔率を大きくすることが求められる。本発明者らは、上述のパラメータの関係を定量的に検討し、ディーゼル排ガス中のNOx浄化用の車載用触媒としての好適なハニカムユニットから得られるハニカム構造体が、上述の式(1)の関係を有することを見いだした。
【0028】
ハニカムユニットのセル壁の厚さXは、0.15mm以上0.35mm以下が好ましく、0.15mm以上0.27mm以下がより好ましい。セル壁の厚さXが0.15mm未満であると、ハニカムユニットの強度が保てなくなることがある。特に、セル壁の厚さXが薄くなりすぎると、ハニカムユニット全体の曲げ強度よりも、セル壁そのものの破壊強度が低下する。また、セル壁の厚さXが0.35mmを超えると、セル壁の内部にまで排ガスが浸透し難くなる場合があり、NOx浄化が低下することがある。
【0029】
本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットが、図3のグラフに示すように、式(1)、及び式(2)の両条件を満足する領域にあるときに、好適な強度及びNOx浄化性能が得られることが分かる。
【0030】
以下に、具体的な本発明のハニカム構造体について説明する。
(ハニカムユニット)
本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットは、図2に示すように、平行な貫通孔であるセル3を多数有した、所謂ハニカム構造をしている。ハニカムユニット中の個々のセル3の断面形状は、特に限定されるものではない。図2には、正方形のセル3の断面形状を有する例を示したが、セル3の断面形状を略三角形や略六角形、略円形、又は略四角形と略八角形の組合せなどとしてもよい。
【0031】
ハニカムユニットのセルの長手方向に垂直な断面(多数のセルが開口している面)における開口部の面積比率である開口率は、50〜65%とすることが好ましい。ハニカムユニットの開口率は、浄化用排ガスの圧力損失を大きくしないためには50%以上が好ましく、浄化作用を発揮するセル壁の量の確保の点から65%以下とすることが好ましい。
【0032】
ハニカムユニットは、ゼオライトと、無機バインダとを含んでおり、さらにゼオライト以外の無機粒子や無機繊維を含んでいてもよい。
【0033】
(ゼオライト)
ハニカムユニット中のゼオライトは、ゼオライト粒子が無機バインダにより結合されている。ゼオライトとしては、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、及びゼオライトL等が挙げられる。これらのゼオライトは、1種類でも複数種類でも使用できる。
【0034】
ゼオライトとしては、シリカとアルミナのモル比(シリカ/アルミナ比)が30〜50であることが好ましい。
【0035】
また、上述のゼオライトをイオン交換した、イオン交換ゼオライトを含んでいることが好ましい。イオン交換ゼオライトは、あらかじめイオン交換されたゼオライトを使用してハニカムユニットを形成してもよく、ハニカムユニットを形成した後にゼオライトをイオン交換してもよい。イオン交換ゼオライトとしては、例えば、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、及びVのうち少なくとも1つの金属種でイオン交換されたゼオライトが好ましく用いられる。これらのイオン交換ゼオライトは、金属種を1種類でも複数種類でも使用してよい。
【0036】
ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライトの含有量は、230〜270g/Lであることが好ましい。別の面から見れば、ハニカムユニット中におけるゼオライトの含有率(組成比率)が、60〜80質量%であることが好ましい。ゼオライトは、NOx浄化に寄与するので、ハニカムユニット中の含有量が多い方が好ましい。しかし、ゼオライト含有量のみを増加させると、他の構成物質(例えば無機繊維や無機バインダ)の含有量を減らさねばならず、ハニカムユニットの強度が低下する。また、ゼオライトの含有量を増やすために開口率を小さくしすぎれば、NOx浄化反応において排ガスの流通抵抗が大きくなりすぎる。
【0037】
ゼオライトは、二次粒子を含み、ゼオライトの二次粒子の平均粒子径は、0.5〜10μmであることが好ましい。なお、二次粒子の平均粒子径は、ハニカムユニットとして焼成する前の、二次粒子を形成している粒子状の原料であるゼオライト粒子を用いて測定すればよい。
【0038】
(無機粒子)
本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニットはゼオライト粒子以外の無機粒子を含んでいてもよい。ゼオライト粒子以外の無機粒子は、ハニカムユニットの強度向上の機能を有している。本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、セリア粒子、ムライト粒子、及びこれらの前駆体を挙げることができ、アルミナ粒子又はジルコニア粒子が望ましく、γアルミナやベーマイトが好適に用いられる。なお、これらのゼオライト粒子以外の無機粒子は、1種又は2種以上を含んでもよい。
【0039】
本発明のハニカム構造体のハニカムユニットにおけるゼオライト粒子以外の無機粒子は、焼成前のゼオライト粒子以外の原料無機粒子の段階では水酸基が存在しており、工業的に利用できる大多数の無機化合物粒子がそうであるように、本発明のハニカム構造体のハニカムユニットにおける焼成前のゼオライト粒子以外の原料無機粒子にも、原料ゼオライト粒子にも水酸基が存在している。これらの水酸基は、ハニカムユニットとして焼成する際に脱水縮合反応を起こして、粒子間の結合を強化する作用を持っている。特に、アルミナ粒子をはじめとするゼオライト粒子以外の原料無機粒子は、焼成時の脱水縮合反応により強固に結合する。
【0040】
本発明のハニカム構造体のハニカムユニットにおいて、原料として使用するゼオライト粒子以外の無機粒子は二次粒子の平均粒子径がゼオライトの二次粒子の平均粒子径以下であることが好ましい。特に、ゼオライト粒子以外の無機粒子の平均粒子径は、ゼオライトの平均粒子径の1/10〜1/1であることが好ましい。このようにすると、平均粒径が小さなゼオライト粒子以外の無機粒子の結合力によってハニカムユニットの強度が向上する。
【0041】
ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子の含有量は、3〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子の含有量が3質量%未満では、強度向上の寄与が小さくなる。ハニカムユニットに含まれるゼオライト粒子以外の無機粒子の含有量が30質量%を超えると、NOx浄化に寄与するゼオライトの含有量が相対的に少なくなるため、NOx浄化性能が悪くなる。
【0042】
(無機バインダ)
ハニカムユニット中には、無機バインダ中の水分等が蒸散して固形分のみが残っているが、ハニカムユニット中の無機バインダと言うときは、この無機バインダ中の固形分のことを言う。原料段階の無機バインダとしては、例えば無機ゾルや粘土系バインダなどが挙げられる。このうち、無機ゾルとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、セピオライトゾル、アタパルジャイトゾル及び水ガラスなどが挙げられる。粘土系バインダとしては、例えば白土、カオリン、モンモリロナイト、複鎖構造型粘土(セピオライト、アタパルジャイト)などが挙げられる。これらの無機ゾルや粘土系バインダは、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ハニカムユニット中の無機バインダの量は、固形分として、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。無機バインダの固形分としての含有量が5〜30質量%の範囲を外れると、ハニカムユニット形成時の成型性が悪くなることがある。
【0043】
(無機繊維)
本発明のハニカム構造体において、ハニカムユニット中に無機繊維を含んでいてもよい。ハニカムユニットに含まれる無機繊維としては、特に限定されるものではないが、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維及びホウ酸アルミニウム繊維から選ばれる1種又は2種以上の無機繊維が挙げられる。これらの無機繊維は、原料段階でゼオライトや無機バインダを混合して、ハニカムユニットを成形、焼成すればよい。無機繊維は、ハニカムユニットの強度を向上に寄与する。なお、無機繊維としては、長繊維だけでなく、ウィスカのような短繊維であってもよい。
【0044】
無機繊維は、大きなアスペクト比(繊維長/繊維径)をもつ無機材料であり、曲げ強度向上に特に有効である。無機繊維のアスペクト比は、2〜1000であることが好ましく、5〜800であることがより好ましく、10〜500であることが特に好ましい。無機繊維のアスペクト比が2未満では、ハニカム構造体の強度向上の寄与が小さく、1000を超えるとハニカムユニットの成型時に成型用金型に目詰まりなどを起こしやすくなり成型性が悪くなることがある。また、ハニカムユニットの押出成形などの成型時に無機繊維が折れ、長さにばらつきが生じハニカムユニットの強度が低下してしまうことがある。ここで、無機繊維のアスペクト比に分布があるときには、その平均値として表現している。
【0045】
ハニカムユニットに含まれる無機繊維の含有量は、3〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。ハニカムユニットに含まれる無機繊維の含有量が3質量%未満ではハニカム構造体の強度向上への寄与が小さく、50質量%を超えるとNOxの浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体のNOx浄化性能が悪くなる。
【0046】
(触媒成分)
本発明のハニカム構造体のハニカムユニットのセル壁には、触媒成分をさらに担持してもよい。触媒成分としては、特に限定されるものではないが、貴金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などであってもよい。貴金属としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、アルカリ金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウムなどから選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられ、アルカリ土類金属化合物としては、例えば、バリウムなどの化合物が挙げられる。
【0047】
(ハニカムユニットの製造)
上述した本発明のハニカム構造体におけるハニカムユニットの製造方法の一例について説明する。まず、上述したゼオライト及び無機バインダを主成分として含む原料ペーストを作製して、これを押出成形等によりハニカムユニット成形体とする。原料ペーストには、これらのほかに、上述の無機繊維、無機粒子、有機バインダ、造孔材、分散媒及び成形助剤などを適宜加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂などから選ばれる1種又は2種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、原料全体の固形分の合計100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。造孔材としては、アクリル酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂粉末が使用できる。有機バインダや造孔材は、押出性形成やハニカムユニットの気孔率の調整に重要であり、所望の気孔率に対応して造孔材を増減するとよい。分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(トルエンなど)及びアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸及びポリアルコールなどを挙げることができる。
【0048】
原料ペーストは、特に限定されるものではないが、混合・混練することが好ましく、例えば、ミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、ニーダーなどで十分に混練してもよい。原料ペーストを成形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出成形などによって所定のセル密度や開口率を有する形状に成形することが好ましい。
【0049】
次に、得られたハニカムユニット成形体を乾燥する。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機及び凍結乾燥機などが挙げられる。乾燥した成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、ハニカムユニット成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、400℃で2時間程度で脱脂することが好ましい。
【0050】
更に、乾燥、脱脂されたハニカムユニット成形体は焼成される。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃で2時間程度が好ましく、600〜1000℃で2時間程度がより好ましい。焼成温度が600℃未満では焼結が進行せず、ハニカムユニットとしての強度が上がらないことがある。焼成温度が1200℃を超えると、ゼオライト結晶が崩壊したり、焼結が進行しすぎて、適度な気孔率を有する多孔質なハニカムユニットが作製できなくなることがある。
【0051】
(ハニカム構造体)
本発明のハニカム構造体は、ハニカムユニットを、ひとつ又は複数備えている。複数のハニカムユニットを備えたハニカム構造体は、それぞれのハニカムユニット中のセルの貫通孔が同じ方向を向くように積み重ねて配置されている。本発明のハニカム構造体の例を図1(a),1(b)の斜視図に示す。図1(a)に示したハニカム構造体1は、複数のハニカムユニット2が接着材5により結合されて配置されている。それぞれのハニカムユニット2は、セル3の長手方向が平行に配列されるように形成されている。図1(b)に示したハニカム構造体1は、1つのハニカムユニット2から構成されている例である。このように、ハニカム構造体1は、一つのハニカムユニット2から構成されていてもよいし、複数のハニカムユニット2から構成されていてもよい。なお、ハニカム構造体1の側面(セルの長手方向に平行な面。単に側面ということがある。以下同じ。)は、強度を保つためのコーティング材層6で覆われていることが好ましい。
【0052】
図1(a)、1(b)に示したハニカム構造体は、断面が円形をしているが、本発明のハニカム構造体においては、断面が正方形や長方形や六角形や扇型などどのような形であってもよい。ハニカム構造体の断面は、使用形態に合わせて決定すればよいが、長手方向に対しては、同じ断面積とすることが好ましい。また、ハニカム構造体の外周が切削加工されていてもよいし、切削加工されていなくてもよい。
【0053】
(ハニカム構造体の製造)
第1に、図1(a)に示すような、複数のハニカムユニットからなるハニカム構造体の製造方法について説明する。上記のようにして得られたハニカムユニットの側面に、接着材を塗布して順次結合する。結合したハニカムユニットの接合体を乾燥し、固化させて、所定の大きさのハニカムユニット接合体を作製する。ハニカムユニット接合体の側面を切削加工して所望の形とする。
【0054】
接着材としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機バインダに無機粒子を混ぜたものや、無機バインダに無機繊維を混ぜたものや、無機バインダに無機粒子及び無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらの接着材に有機バインダを加えたものとしてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種又は2種以上の有機バインダが挙げられる。
【0055】
複数のハニカムユニットを接合させる接着材層の厚さは、0.5〜2.0mmが好ましい。接合させるハニカムユニットの数は、ハニカム構造体の大きさに合わせて適宜決めればよい。また、ハニカムユニットを接着材によって接合したハニカム接合体はハニカム構造体の形状にあわせて、適宜切削・研磨などをしてもよい。
【0056】
ハニカム構造体の貫通孔が開口していない外周面(側面)にコーティング材を塗布して乾燥固化して、コーティング材層を形成する。こうすれば、ハニカム構造体の外周面を保護して強度を高めることができる。コーティング材は、特に限定されなく、接着材と同じ材料からなるものであっても、異なる材料からなるものであってもよい。また、コーティング材は、接着材と同じ配合比としてもよく、異なる配合比としてもよい。コーティング材層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜2.0mmであることが好ましい。コーティング材層は形成されていてもよく、形成されていなくてもよい。
【0057】
複数のハニカムユニットを接着材によって接合した後に、加熱処理することが好ましい。コーティング材層を設けた場合は、接着材層及びコーティング材層を形成した後に、脱脂することが好ましい。脱脂により、接着材層やコーティング材層に有機バインダが含まれている場合などには、有機バインダを脱脂除去することができる。脱脂条件は、含まれる有機物の種類や量によって適宜決めてもよいが、おおよそ700℃で2時間程度が好ましい。
【0058】
ハニカム構造体の一例として、セル3の長手方向に垂直な断面が正方形で直方体のハニカムユニット2を複数接合させ、外形を円柱状としたハニカム構造体1の概念図を図1(a)に示す。このハニカム構造体1は、接着材5によりハニカムユニット2を結合し、外周部を円柱状に切削したのちにコーティング材によってコーティング材層6を形成した。なお、例えば、断面が扇形の形状や断面が正方形の形状にハニカムユニットを作製し、これらを接合して所定のハニカム構造体の形状になるようにして、切削・研磨工程を省略してもよい。
【0059】
第2に、図1(b)に示すような、一つのハニカムユニットからなるハニカム構造体の製造方法について説明する。図1(b)のハニカム構造体は、ハニカムユニットから構成されている以外は図1(a)のハニカム構造体と同様にして作製することができる。上述の複数のハニカムユニットからなるハニカム構造体の製造方法で説明したと同様にして、必要に応じてハニカムユニットを円柱状に切削・研磨等により形成し、その外周部に上述と同じ接着材でコーティング材層を形成し、脱脂する。このようにして、図1(b)に示すような一つのハニカムユニットからなるハニカム構造体が製造できる。
【0060】
[実施例]
以下には、種々の条件で作製したハニカム構造体の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されることはない。
【0061】
(実施例1)
(ハニカムユニットの作製)
Feゼオライト粒子(3質量%Feイオン交換β型ゼオライト、シリカ/アルミナ比40、比表面積110m/g、平均粒径2μm(平均粒径は二次粒子の平均粒径である。以下同じ))2300質量部、γアルミナ(平均粒径2μm)680質量部、アルミナ繊維(平均繊維径6μm、平均繊維長100μm)680質量部、アルミナゾル(固体濃度20質量%)2600質量部、有機バインダとしてメチルセルロース410質量部を添加し混合した。さらに、可塑剤、界面活性剤及び潤滑剤を少量添加し、水を加えて粘度を調整しながら混合・混練して成形用混合組成物を得た。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形し生のハニカム成形体を得た。なお、Feイオン交換型ゼオライトは、ゼオライト粒子を硝酸鉄アンモニウム溶液に含浸させFeイオン交換を行ったものを用いた。イオン交換量は、ICPS−8100(島津製作所製)を用いてIPC発光分析により求めた。
【0062】
得られた生のハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて十分乾燥させ、400℃で2時間脱脂した。その後、700℃で2時間保持して焼成を行い、角柱状(断面35mm×35mm×長さ150mm)、セルの壁厚Xが0.15mm、セル密度が160個/cm、気孔率Yが28%、開口率が60%、ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量が250g/L、セル形状が四角形(正方形)のハニカムユニットを作製した。なお、ハニカムユニットのセル壁の気孔率は、水銀圧入法で測定した。
【0063】
表1には、実施例1のハニカムユニット作製に使用したゼオライト粒子等の成形原料配合量、及びハニカムユニットのセルの壁厚X、セル密度、気孔率Y、開口率、式(1)におけるY値の上下限、ゼオライト含有量等を示した。
【0064】
【表1】

(ハニカム構造体の作製)
作製したハニカムユニットの側面に、接着材をペーストとして接着材層の厚さが1mmとなるように塗布して、120℃で乾燥固化を行い、ハニカムユニットを4段、4列に接合したほぼ直方体のハニカム接合体を作製した。接着材ペーストは、アルミナ粒子(平均粒径2μm)29質量%、アルミナ繊維(平均繊維径6μm、平均繊維長100μm)7質量%、アルミナゾル(固体濃度20質量%)34質量%、カルボキシメチルセルロース5質量%及び水25質量%を混合して作製した。作製したハニカム接合体の側面を、円柱状になるようにダイヤモンドカッターを用いて切削し、円柱状になった側面部分の外表面に上述の接着材ペーストを0.5mm厚となるようにコーティング材(接着材とおなじもの)をペーストとして塗布し、図1(a)に示すハニカム構造体と同じ形状の円柱状ハニカム接合体を作製した。この円柱状ハニカム接合体を、120℃で乾燥固化した後、700℃で2hr保持して接着材層及びコーティング材の脱脂を行い、円柱状(直径144mm×長さ150mm)のハニカム構造体を作製した。
【0065】
(実施例2〜6、比較例1〜7)
実施例1における原料配合のうち、Feゼオライト、アルミナ繊維、及び造孔材としてアクリル樹脂粉末(粒径0.2μm)の配合量、並びにセル構造(セル壁厚さ、セル密度)を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6、比較例1〜7のハニカムユニット及びハニカム構造体を作製した。実施例2〜6、比較例1〜7のハニカムユニットにおいて、変更した原料の配合量、及びハニカムユニットの壁厚、セル密度、気孔率、式(1)におけるY値の上下限、ゼオライト含有量を表1に示した。
【0066】
(ハニカム構造体の性能評価)
実施例1〜6、比較例1〜7において作製したハニカムユニットの曲げ強度、及びハニカム構造体のNOx浄化率の測定結果を表1に示した。
【0067】
(曲げ強度の測定)
ハニカム構造体の曲げ強度は、実施例1〜6及び比較例1〜7で作製したそれぞれのハニカムユニット(35mm×35mm×150mmの直方体)を用いて、ハニカムユニットの3点曲げ試験JIS−R1601に準じて測定した結果である。具体的には、測定装置はインストロン社製5582を用い、スパンL=135mmとし、クロスヘッド速度1mm/minでハニカム構造体に垂直方向に破壊荷重Wをかけた。曲げ強度σの算出は、セルの空洞部分のモーメントを差し引いて断面2次モーメントZを計算しておき、
式(σ=WL/4Z)により算出した。
【0068】
(NOx浄化率の測定)
実施例及び比較例のハニカムユニットから直径30mm、長さ50mmの円柱状ハニカムを削り出して、評価用サンプルとした。得られた評価用サンプルを700℃で48時間加熱して模擬的にエージングをした後、300℃に維持して、表2に示すような組成の自動車排ガスの模擬ガスを300℃に加熱して、SV(Space Verocity 空間速度)35000hr−1で導入し、評価用サンプル前後の模擬ガス中のNO成分の減少率(%)をNOx浄化率(%)とした。
【0069】
【表2】

表1に示す結果から判るように、実施例1〜6のハニカム構造体は、ハニカムユニットの曲げ強度が2.2〜4.0MPaと比較的高い値で揃っているのに対し、式(1)の上限値を超える比較例2、4、6のハニカムユニットの曲げ強度は、それぞれ1.9、1.9、0.8MPaと低かった。
【0070】
また、実施例1〜6に示すハニカムユニットのNOx浄化率は、89〜96%と高いのに対し、式(1)の下限値未満の比較例1、3、5、及びセル壁の厚さが式(2)の上限値0.35mmを超える比較例7のNOx浄化率は、80%未満と低かった。
【0071】
実施例1〜6及び比較例1〜7に示すハニカムユニットのセル壁厚Xと気孔率Yとの関係を図3のグラフに示した。なお、図3のグラフにおいて、横軸はハニカムユニットのセル壁の厚さX、縦軸はハニカムユニットの気孔率Yを表し、実施例を○、比較例を△で示し、○及び△の番号は、それぞれ実施例及び比較例の番号を表す。図3のグラフから分かるように、実施例1〜6に示すハニカム構造体のハニカムユニットは、式(1)及び式(2)に囲まれる領域内に存在し、比較例1〜7に示すハニカム構造体のハニカムユニットは、式(1)及び式(2)に囲まれる領域外にある。このように、実験式である式(1)及び式(2)に囲まれる領域内に存在することが、ハニカムユニットの曲げ強度、ハニカム構造体のNOx浄化率とも自動車排ガス浄化用に好適なハニカム構造体であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のハニカム構造体は、強度が高く、NOx浄化率が高いので、小型軽量化を必要とする自動車排ガス浄化用の触媒として使用することができる。特に、ゼオライトを用いるSCRシステム(例えば、アンモニアを用いるディーゼル排ガス浄化システム)用のNOx浄化触媒として好適である。
【符号の説明】
【0073】
1:ハニカム構造体
2:ハニカムユニット
3:セル
4:セル壁
5:接着材
6:コーティング材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライトと、無機バインダを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された形状のハニカムユニットを備えたハニカム構造体であって、
前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、230g/L以上であり、
前記セル壁の厚さをX(単位:mm)、前記セル壁の気孔率をY(単位:%)としたとき、
下記の式(1)及び式(2)
40X+20≦Y≦40X+30・・・式(1)
0.15≦X≦0.35・・・式(2)
を満たすことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項2】
前記ハニカムユニットの見かけの単位体積当たりのゼオライト含有量は、270g/L以下であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記ハニカムユニットの開口率は、50〜65%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記ゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、又はゼオライトLのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記ゼオライトは、シリカとアルミナのモル比(シリカ/アルミナ比)が30〜50であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記ゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、又はVのうち少なくともいずれかひとつでイオン交換されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記ハニカムユニットは、アルミナ粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、及びこれらの前駆体のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項8】
前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトゾル、及びアタパルジャイトゾルのうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項9】
前記ハニカムユニットは、無機繊維含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項10】
前記無機繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、及びホウ酸アルミニウム繊維のうち少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項9に記載のハニカム構造体。
【請求項11】
複数の前記ハニカムユニットが、接着材を介して結合されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−62575(P2011−62575A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39166(P2009−39166)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】