説明

ハロゲン化マグネシウム・アルコール付加物、その調製および用途

本発明はハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法に関し、前記方法は、不活性液体媒体中においてハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物の溶融物を調製すること、前記ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物を高重力場において高速回転によって分散させハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物の分散体を得ること、および前記溶融物分散体を冷却させハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物の球状粒子類を形成させることを含む。さらに本発明は、本発明の方法によって調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類とオレフィン重合触媒調製におけるその用途に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2003年8月8日に優先権CN03153152.0を請求し、その全文を全ての目的のために参考として引用する。
【0002】
本発明は、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物の粒子類調製方法、前記方法によって調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類およびその用途に関し、さらに詳細には、高重力回転ベッドによってハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を調製する新規方法、前記方法によって調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類およびオレフィン重合触媒調製における前記粒子類の用途に関する。
【背景技術】
【0003】
二塩化マグネシウム/アルコール付加物およびオレフィン重合触媒調製における担体としての二塩化マグネシウム/アルコール付加物の粒子類用途については、当該技術で周知である。二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類調製のための公知の方法には、スプレードライプロセス、スプレー冷却プロセス、高圧押し出しプロセス、高速攪拌プロセス等が含まれる。
【0004】
例えば、特許文献1は、二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類調製のためのスプレードライプロセスを開示しており、このプロセスは、二塩化マグネシウムのエタノール溶液を調製すること、次に前記溶液を乾燥させ二塩化マグネシウム/アルコール付加物の球状粒子類を得ることを含む。このプロセスによって調製した二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子は比較的小さな粒子径で、90%を超える粒子が直径5乃至10μmを有している。溶液が必要なので大量のエタノールが必要となり、スプレードライのエネルギー消費は比較的高い。
【0005】
特許文献2〜5は全て、二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を調製するためのスプレー冷却プロセスを開示しており、マグネシウムに対するアルコールのモル比が3乃至6である二塩化マグネシウム/アルコール付加物溶融物をスプレー冷却し、二塩化マグネシウム/アルコール付加物の球状粒子を得ることを含んでいる。前記プロセスの欠点は、プロセス条件制御が難しいことである。
【0006】
特許文献6は、二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類調製のための高圧押し出し製法を開示しており、前記製法は、反応媒体として低粘度のケロセン、液体パラフィン、白色オイル等を用いており、前記反応システムを温度120−130℃に加熱しある時間保持する段階、反応容器内部の圧力を10−15atmに高めるために高純度窒素ガスを反応容器に入れる段階、次に二塩化マグネシウム/アルコール付加物の溶融混合物と反応媒体を長さ3−10mで内径1−2mmの出口管を介して冷却媒体中に排出する段階を含み、前記管中における前記混合物の流速は、約4乃至7m/sである。冷却後に形成された固体粒子を集め、洗浄乾燥し、二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を得る。前記製法では、前記装置に対して比較的高い必要条件が適用され、得られた二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の形状も余りよくない。
【0007】
特許文献7〜9は全て、二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を調製するための高速攪拌製法を開示しており、前記製法は、高速攪拌によりある粘度を有する不活性媒体中に液滴形状で溶融二塩化マグネシウム/アルコール付加物を分散させること、次にある流速で前記混合物を低温に事前に冷却した冷却媒体中に攪拌しながら排出させ前記溶融物を冷却によって固体としそれによって二塩化マグネシウム/アルコール付加物の球状粒子類を得ることを含む。この製法は単純であるが、それでもなお比較的粒子径が大きいことや二塩化マグネシウム/アルコール付加物の粒子径分布が広いという問題を抱えている。
【特許文献1】米国特許公開公報4,421、674号
【特許文献2】国際公開公報8707620号
【特許文献3】国際公開公報9311166号
【特許文献4】米国特許公開公報5,100、849号
【特許文献5】米国特許公開公報6,020、279号
【特許文献6】米国特許公開公報4,469、648号
【特許文献7】米国特許公開公報4,399、054号
【特許文献8】米国特許公開公報6,127、304号
【特許文献9】米国特許公開公報6,323、152号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の粒子径分布が狭くしかも粒子径が容易に制御できる二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を簡便にかつ容易に調製する製法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のひとつの目的は、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法を提供することである。
【0010】
さらに本発明の目的は、前記本発明の方法によって調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を提供することである。
【0011】
さらに本発明の目的は、オレフィン重合用触媒調製における本発明のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の用途を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は第1に、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法を提供し、前記方法は、
(1)不活性液体媒体中において、ハロゲン化マグネシウムをアルコールと接触させハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物の溶融物を調製すること;
(2)不活性液体媒体と段階(1)で調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類溶融物の混合物を高重力場において回転によって分散させ、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物の分散体を得ること;および
(3)段階(2)で調製した溶融物の分散体を冷却し、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類を形成させること、
の段階を含む。
【0013】
前記方法において、通常、ハロゲン化マグネシウムは攪拌器付き反応溶液中でアルコールと接触させ反応させる。適切なハロゲン化マグネシウム類は、Mg(OR12-mmの式によって表され,式中R1は、C1−C14ハイドロカルビルであり、好適には直鎖状、分枝状または環状アルキルであり、Xは、F,Cl,Brおよびその混合物類から構成される群から選択され、mは1または2である。ハロゲン化マグネシウムの例には、二塩化マグネシウム、二臭化マグネシウム、フェノキシマグネシウムクロリド、イソプロポキシマグネシウムクロリド、ブトキシマグネシウムクロリドが含まれるがこれらに限定されず、二塩化マグネシウムが好適である。これらのハロゲン化マグネシウム類は、単独でまたは併用して使用できる。
【0014】
適切なアルコール類は式R2OHにより表され、式中R2は、炭素原子1乃至12個を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリルである。これらのアルコール類は、単独でまたは併用して使用できる。好適なアルコールは、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、イソ−ペンタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、クロロエタノールおよびトリクロロエタノールから構成される群から選択される少なくともひとつである。
【0015】
通常、アルコールは、得られた付加物が室温で確実に固体状態にあるような量で使用される。ハロゲン化マグネシウムに対するアルコールのモル比は、通常、アルコールタイプにより変化する。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等をアルコール化合物として使用し二塩化マグネシウムをハロゲン化マグネシウムとして使用する時、二塩化マグネシウムに対するアルコールのモル比は2乃至6、好適には2.5乃至4の範囲にある。前記範囲のモル比により得られた付加物が室温で固体状態にあるが、例えば100乃至135℃の温度のような高温では溶融状態にあることになる。
【0016】
ハロゲン化マグネシウムを加熱条件下でアルコールと接触させ反応させる。最終反応温度は、前記ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物を溶融させるために十分に高くなければならない。前記最終反応温度は、典型的には、90乃至150℃,好適には110乃至140℃,さらに好適には120乃至130℃の範囲である。
【0017】
使用した前記不活性液体媒体は、典型的には、ケロセン、液体パラフィン、ワセリンオイル、白色オイル等のような液体の脂肪族炭化水素類の不活性溶媒であり、適宜、必要ならばいくつかの有機シリコン化合物類または界面活性剤類を含む。好適な不活性液体媒体は、白色オイルまたは白色オイルとシリコンオイルの混合物である。
【0018】
本発明によるハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物の調製方法において、前記ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物と前記不活性液体媒体の混合物を高重力場で高速で回転させ、その結果、前記付加物溶融物が分散され均一な液滴を形成する。前記方法は、主に、高重力場において反応物質間の非常に強力なマス移動という特徴を利用している。前記高重力場は、高重力回転デバイスによって発生させることができる。具体的には、不活性液体媒体とハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物の混合物を高重力回転ベッド中で高速回転により分散させることができる。前記高重力回転ベッドの基本的構造を図1に示し、関連する詳細については、本文でその全文を参考として引用する中国特許出願CN1428189A“高圧回転ベッド中における気体−液体マス移動と反応設備”で見出すことができる。
【0019】
図1に関して、不活性液体媒体とハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物の混合物が入口1から高重力回転ベッドに入り、ローテイターの中心にある静止液体分散器2により、高速で回転するパッキング3の内部端部に均一に噴霧される。供給ストリームは、高速で回転するパッキング3によりせん断され細かい液滴を形成し、前記付加物と不活性液体媒体が入念に混合されることになり、その結果、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物が均一に、液滴の形状で不活性液体媒体中に分散される。次に、前記物質が高速で回転するパッキング3により投げ出され、出口4から排出され、ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物溶融物の均一な分散体を得る。
【0020】
高重力回転ベッド中のパッキングは、平均孔径が0.1乃至8mm、90乃至99%の多孔度、100乃至3000m2/m3の比表面積および0.05乃至0.5mmのワイヤ直径を有するシュルツァー(Sulzer)パッキングであることができる。
【0021】
前記高重力回転ベッドの回転速度は、典型的には、100乃至3000rpm,好適には150乃至2500rpm、最も好適には500乃至2000rpmの範囲にある。前記分散効果は、回転速度を制御することによって容易に調節できる。
【0022】
高重力回転ベッドから得られた溶融物分散物を、本発明のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子を得るために冷却する。一般的には、高重力回転ベッドの出口4から排出されたストリームを、攪拌器を付けた冷却液体含有容器中に導入し、前記ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物を迅速に冷却しかつ形状を作り、球状固体粒子を得る。一般的には、前記固体粒子の平均粒子径(D50)は、10乃至150μm、好適には15乃至90μmの範囲である。本発明のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子調製方法において、得られた球状固体粒子の平均粒子径(D50)は、高重力回転ベッドの回転速度、ワイヤ直径および使用したパッキングの平均孔径を変化させることによって制御できる。
【0023】
前記冷却液体は低沸点の不活性炭化水素化合物であることができ、石油エーテル、ラフィネートオイル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等である。前記物質に接触させる前に、冷却液体を0乃至−60℃以下、典型的には−20乃至−40℃の温度に制御できる。
【0024】
最終的に、冷却した球状固体粒子をろ過し回収し、洗浄用液体で洗浄し次に乾燥して、前記製品ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子を得る。
【0025】
前記洗浄液体は低沸点の不活性炭化水素化合物であることができ、石油エーテル、ラフィネートオイル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等である。洗浄温度は、室温であることができる。
【0026】
本発明は第2に、前記方法によって調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子を提供する。前記球状固体粒子は、10乃至150μm、好適には15乃至90μmの範囲の平均粒子径(D50)を有しており、前記平均粒子径は容易に調節できる。前記粒子は均一で、狭い粒子径分布を有しており、オレフィン重合用触媒調製に使用できる。
【0027】
前記固体粒子の平均粒子径および粒子径分布を、レーザー粒度分析計によって測定できる。前記粒子径分布は、(D90−D10)/D50の比を特徴とする。本発明において、前記比は好適には、1.5未満であるかそれに等しく、さらに好適には1.2未満またはそれに等しい。ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子の粒子径分布は比較的狭いので、前記粒子を用いてオレフィン重合用触媒を調製する際、狭い粒子径分布を有する触媒類を得ることができ、このことは、狭い粒子径分布を有するポリマーを調製するために極めて有益である。
【0028】
本発明は従って第3の面において、オレフィン重合用触媒類の調製におけるハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物の前記粒子類の使用を提供する。オレフィン重合用触媒類を本発明のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子から中国特許出願番号00109216.2に開示された技術のような当該技術で公知の技術に従って調製できる。
【実施例】
【0029】
下記の実施例を、本発明を例示するために示したが、いかなる意味でも本発明の範囲を限定しない。
【0030】
試験方法
1.固体粒子の平均粒子径および粒子径分布を、Malvern Instruments社、Malvern、UK製造レーザー粒度分析計APA5002により測定した。
2.前記付加物中における二塩化マグネシウムに対するアルコールのモル比は、熱重量分析により測定し、使用した熱重量分析装置は、P−E社、USA製造PE−7である。
【0031】
実施例1
平均粒子径(D50)35μmの二塩化マグネシウム/アルコール付加物粒子を下記のようにして調製した。
(1)二塩化マグネシウム/アルコール付加物溶融物の調製
攪拌器を付けた150Lの反応容器中で、無水二塩化マグネシウム10kgとエタノール12.6kgを20℃で30cpsの粘度を有する白色オイル60Lに添加し、前記混合物を125℃で2時間反応させた。次に、溶融二塩化マグネシウム/アルコール付加物と白色オイルの混合物を、125℃にあらかじめ加温した20℃で粘度300cpsを有するメチルシリコンオイル120Lに移し、前記混合物を攪拌速度200rpmで20分間攪拌した。
(2)分散
上記混合物は入口1から高重力回転ベッド(図1に示した)に入り、ローテイターの中心にある静止液体分散器2により、高速で回転するパッキング3の内部端部に均一に噴霧された。供給ストリームが高速で回転するパッキングによりせん断分散された後、前記二塩化マグネシウム/アルコール付加物溶融物を前記不活性媒体中に微細な液滴形状で懸濁させ、出口4から排出させた。ローテイターの回転速度は1500rpmであり、前記パッキングはワイヤ直径0.2mm、多孔度97.8%、および比表面積852m2/m3を有するシュルツァーパッキングであった。
(3)迅速冷却による固体化
出口4から排出された混合物をヘキサン1200L中に導入し、それを攪拌しながら−35℃に前冷却した。分散液滴形状の溶融二塩化マグネシウム/アルコール付加物を冷却し固体とし、球状固体粒子を形成させた。
(4)ろ過、洗浄および乾燥
前記固体粒子を迅速冷却後得られた懸濁物からろ過により取り出し、室温で5回、ヘキサンにより洗浄した。使用したヘキサンの量は、1回につき100Lであった。洗浄した固体粒子を真空中で温度30乃至50℃で乾燥させ、二塩化マグネシウム/アルコール付加物の球状粒子を得た。
得られた二塩化マグネシウム/アルコール付加物は白色球状粒子で、二塩化マグネシウムに対するエタノールのモル比は、2.6であった。粒子径分散測定により、D10=18μm、D50=33μm、D90=50μmおよび(D90−D10)/D50=0.97であることがわかった。
【0032】
実施例2
実施例1に記載の操作を繰り返したが、ただし、高重力回転ベッドの回転速度を1200rpmに変更した。結果を表1に示した。
【0033】
実施例3
実施例1に記載の操作を繰り返したが、ただし、高重力回転ベッドの回転速度を2000rpmに変更した。結果を表1に示した。
【0034】
実施例4
実施例1に記載の操作を繰り返したが、ただし、高重力回転ベッドの回転速度を2500rpmに変更した。結果を表1に示した。
【0035】
実施例5
実施例1に記載の操作を繰り返したが、ただし、エタノール量を13.6kgに変更した。結果を表1に示した。
【0036】
実施例6
実施例1に記載の操作を繰り返したが、ただし、エタノール量を14.6kgに変更した。結果を表1に示した。
【0037】
実施例7
実施例3に記載の操作を繰り返したが、ただし、エタノール量を14.6kgに変更した。結果を表1に示した。
【0038】
実施例8
実施例4に記載の操作を繰り返したが、ただし、エタノール量を14.6kgに変更した。結果を表1に示した。
【0039】
比較例1
二塩化マグネシウム/アルコール付加物の粒子を中国特許出願CN1330086A(高速攪拌方法)の実施例に記載の操作により調製したが、段階(2)における攪拌速度は、2000rpmであった。結果を表1に示した。
【0040】
【表1】

【0041】

注意:スパン=(D(90)−D(10))/D(50)
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明において有用な高重力回転ベッドの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法であって、
(1)不活性液体媒体中において、ハロゲン化マグネシウムをアルコールと接触させハロ ゲン化マグネシウム/アルコール付加物の溶融物を調製する;
(2)前記不活性液体媒体と段階(1)で調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール 付加物溶融物の混合物を高重力場において回転によって分散させ、ハロゲン化マグ ネシウム/アルコール付加物溶融物の分散体を得る;および
(3)段階(2)で調製した溶融物の分散体を冷却し、ハロゲン化マグネシウム/アルコ ール付加物粒子類を形成させる、
段階を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法であって、前記ハロゲン化マグネシウムは、式Mg(OR12-mmによって表され,式中R1は、C1−C14ハイドロカルビルであり、Xは、F、Cl、Brおよびその混合物類から構成される群から選択され、およびmは1または2であり;かつ、前記アルコールが式R2OHにより表され、式中R2は、炭素原子1乃至12個を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリルである方法。
【請求項3】
前記ハロゲン化マグネシウムが二塩化マグネシウムであることを特徴とする、請求項1記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項4】
前記二塩化マグネシウムに対する前記アルコールのモル比が2乃至6であり、前記付加物が室温で固体状態であり高温では溶融できることを特徴とする、請求項3記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項5】
前記アルコールがメタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、イソ−ペンタノール、n−オクタノール、2−エチル−ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、クロロエタノールおよびトリクロロエタノールから構成される群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項6】
前記不活性液体媒体が、液体脂肪族炭化水素と適宜有機シリコン化合物または界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項7】
前記液体脂肪族炭化水素がケロセン、液体パラフィン、ワセリンオイル、白色オイルから構成される群から選択されることを特徴とする、請求項6記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項8】
段階(1)を加熱条件下で行い反応終点における反応温度がハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物を溶融させるために十分に高いことを特徴とする、請求項1記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項9】
段階(2)が100乃至3000rpmの回転速度で稼動する高重力回転ベッド反応容器中で行われることを特徴とする、請求項1記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項10】
前記高重力回転ベッド反応容器がシュルツァー(Sulzer)パッキングで充填されていることを特徴とする、請求項9記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項11】
前記シュルツァー(Sulzer)パッキングが、平均孔径0.1乃至8mm、多孔度90乃至99%、比表面積100乃至3000m2/m3およびワイヤ直径0.05乃至0.5mmを有することを特徴とする、請求項10記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項12】
請求項1−11のいずれか1項に記載の方法によって調製したハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類。
【請求項13】
前記粒子が、1.5未満かそれに等しい粒子径分布(D90−D10)/D50を有する、請求項12記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項14】
前記粒子が、1.2未満かそれに等しい粒子径分布(D90−D10)/D50を有する、請求項13記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の調製方法。
【請求項15】
オレフィン重合用触媒調製における請求項12記載のハロゲン化マグネシウム/アルコール付加物粒子類の使用。


【図1】
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【公表番号】特表2007−501767(P2007−501767A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522201(P2006−522201)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000917
【国際公開番号】WO2005/014662
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(506043457)
【出願人】(506043468)
【Fターム(参考)】