説明

ハンドガン型の充填器具

【課題】建造物の補修作業をする場合等に、充填剤があふれ出ないような微調整を行え、安全に作業を行うことが出来るコンパクトな充填器具の実現。
【解決手段】ハンドガン型の充填器具は、カートリッジ11の充填剤113の吐出量を調整する可動式のコントロールバー12と、コントロールバー12を連動させる送り機構を動作させるための引き金を備えた器具本体部13とを備え、充填剤113が収容された筒形状のカートリッジ11をはめ込み使用するハンドガン型の充填器具であって、器具本体部13の引き金を引くことにより、コントロールバー送り機構を介し、コントロールバー12の先端が、はめ込んだカートリッジ11の内部の押子112に圧力をかけ、充填剤113がはめ込んだカートリッジ11の吐出口から吐出され、引いた引き金を戻すことにより、コントロールバー送り機構を介し、コントロールバー12が、引き金を引く前の位置に戻る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション、ビルやホテル、港湾施設、防波堤、橋脚、などの各種の建造物の壁面等に発生した、亀裂やモルタルの浮き部分等に、補修用の充填剤を充填するのに用いられる携帯型の充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンション、ビルやホテル、港湾施設、防波堤、橋脚、などの各種の建造物の壁面等には、経年劣化によって、「モルタルの浮き」や「躯体のひび割れ」等が発生し、これらは、「モルタルの剥落」や「酸性雨水による躯体コンクリートの中性化」等の原因となっている。そのため、建造物の管理者は、建造物の経済的価値を保つために、建造物の劣化状態を定期的に調査し、適切な時期に補修工事を行う必要がある。
【0003】
例えば、「モルタルの浮き」が見つかった場合には、コンクリートとモルタルとの隙間に充填剤を注入して「モルタルの剥落」を防止する必要がある。他にも、「躯体のひび割れ」が見つかった場合には、ひび割れ部分に充填剤を注入することにより、「酸性雨による水の浸入」を防止する必要がある。
【0004】
このため、従来では、図5に示すようなガン型の充填器具51を用いて、充填剤のカートリッジ52内に収容された充填剤を建造物の壁面等の充填箇所Aへ注入し、補修工事を行っていた。
【0005】
このような建造物の壁面等の補修工事の多くは、狭い足場の上での施工となるため、充填器具は、取扱いが簡単で、かつ持運びに便利なものでなければならない。
【0006】
しかし、従来の充填器具51では、建造物の壁面等の補修工事における充填剤のカートリッジ52の交換が非常に面倒であるため、一般的に、充填剤のカートリッジ52の充填剤容量が400ml〜1000ml程度と、多めの量に設定されていた。よって、手動で引き金53を引く動作によってコントロールバー54を前方に動かし、充填剤のカートリッジ52から充填剤を押し出すようにする、充填剤の注入作業には、大きな圧力をかけるため過大な力を必要とし、取扱いが難しかった。
【0007】
さらに、手動で引き金53を引く動作による充填剤のカートリッジ52からの充填剤を押し出す作業は、充填剤の微調整が難しく、過大な充填剤を注入してしまうことによる、充填剤のロスが生じていた。
これに加え、充填剤を押し出すための大きな圧力を生み出すため、引き金53が大きくなりがちであり、取扱いや使用に不便な面があった。
【0008】
そして、一般的な従来の充填器具51では、充填剤を押し出すための圧力への反発を防ぐために、手動で引き金53を引いてコントロールバー54を前方に動かした後に、引き金53を戻す際のコントロールバー54の後退動作を防ぐ後退防止機構55を採用しなければならなかった。しかし、この後退防止機構55により、充填剤の微調整を困難にする弊害が生じていた。
【0009】
また、充填剤カートリッジ52の充填剤の容量が多いこととの関係上、従来の充填器具51の横の長さは、一般的に、40cm〜60cmもあり、重量も、充填剤のカートリッジ52を含めた全体の重さが1キログラム前後あるものが多く、何かに引っ掛けたり、重さに耐えられず落とす可能性もある。例えば、10m以上の高所での建造物の壁面等の補修工事において、もし、従来の充填器具51を落下させてしまうことがあると、通行人等に甚大な被害が生じる可能性があるという問題もあった。
【0010】
さらに、以下の特許文献に示されるような充填器具も存在するが、やはり、充填剤のカートリッジから充填剤を押し出すに際しての微調整は難しく、小型化、軽量化、という観点で困難が伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−113405号公報
【特許文献2】特許4020722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本願に係る発明の課題は、ビル等の高所や身動きが取りにくい狭い所で、建造物の亀裂や浮きモルタルなどに樹脂を注入して補修作業をする場合や、壁材の目地に樹脂を充填する場合であっても、隙間やひび割れの奥まで十分に適量の充填剤を注入し、充填剤があふれ出ないような微調整を行え、安全に補修作業を行うことが出来るコンパクトな充填器具の実現である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1、
【0014】
(1)
そこで、本発明に係るハンドガン型の充填器具は、
カートリッジの充填剤の吐出量を調整する可動式のコントロールバーと、
前記コントロールバーを連動させる送り機構を動作させるための引き金を備えた器具本体部と、
を備えた、充填剤が収容された筒形状の前記カートリッジをはめ込み使用するハンドガン型の充填器具であって、

前記コントロールバーは、
前記器具本体部の少なくとも2箇所を貫通しており、

前記器具本体部は、
前記器具本体部の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分に、コントロールバーを連動させる前記送り機構を備え、
前記器具本体部の引き金を戻す際の前記コントロールバーの後退動作を防ぐ後退防止機構を採用しておらず、

前記器具本体部の引き金を引くことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーの先端が、前記はめ込んだカートリッジの内部の押子に圧力をかけ、前記充填剤が当該はめ込んだカートリッジの吐出口から吐出され、
当該引いた引き金を戻すことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーが、引き金を引く前の位置に戻ること、

を特徴とする前記カートリッジをはめ込み使用するハンドガン型の充填器具である。
【0015】
(2)
「充填剤」の例として、弾性のエポキシ樹脂、が考えられる。
「器具本体部の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分に、コントロールバーを連動させる送り機構」とは、例えば、当該コントロールバー部分について、器具本体部の引き金と連動する送り機構板を貫通させるとともに、当該送り機構板の動作を安定させるスプリングを通すことが考えられる。
これにより、器具本体部の引き金を引くことにより、送り機構板が前方に可動し、器具本体部の引き金を戻すことにより、送り機構板が後方に可動することにより、コントロールバーを前後に動作させる機構になっており、コントロールバーの先端が、カートリッジの押子に圧力をかけ、充填剤が吐出口から吐出されることになる。
「器具本体部の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分」とは、コントロールバーが器具本体部の少なくとも2箇所を貫通しているため、その貫通箇所のうち、いずれかの2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分、という意味である。
【0016】
(3)
本発明により、ビル等の高所や身動きが取りにくい狭い所で、建造物の亀裂や浮きモルタルなどに樹脂を注入して補修作業をする場合や、壁材の目地に樹脂を充填する場合であっても、隙間やひび割れの奥まで十分に適量の充填剤を注入し、充填剤があふれ出ないような微調整を行え、安全に補修作業を行うことが出来るコンパクトな充填器具の実現ができる。
充填剤が収容された筒形状のカートリッジを、充填器具本体部に、はめ込み使用する点や、コントロールバーの後退動作を防ぐ後退防止機構を採用していない点は、小型でコンパクトな携帯型の充填器具に適しており、例えば、充填剤のカートリッジの充填剤容量が45ml程度、コントロールバーや充填器具の横の長さは20cm前後、重量が充填剤のカートリッジを含めた全体の重さが300グラム前後、のように、従来の充填器具に比べ、格段に小型化が可能である。
充填剤が収容された筒形状のカートリッジの交換も容易であり、充填器具の重さが軽いため、落下した場合の危険度もかなり軽減でき、落下させてしまうリスクも大幅に減らすことができる。また、従来よりも軽量であるので、充填器具の利用者の疲労の蓄積も抑えることができる。
【0017】
2、
【0018】
(1)
また、他の発明に係るハンドガン型の充填器具は、
充填剤が収容された筒形状のカートリッジと、
前記カートリッジの充填剤の吐出量を調整する可動式のコントロールバーと、
前記コントロールバーを連動させる送り機構を動作させるための引き金を備えた器具本体部と、
を備えた、ハンドガン型の充填器具であって、

前記カートリッジには、
前記筒形状の一方の端部に、前記充填剤を吐出する吐出口が形成され、
前記筒形状の内部に、前記コントロールバーの先端からの圧力を受けて前記充填剤を押出すための可動式の押子が形成され、
当該吐出口と当該可動式の押子の間の空間に前記充填剤が収容されており、

前記カートリッジの吐出口とは反対の端部と、前記器具本体部とは、
はめ込んで固定できるように構成されており、

前記コントロールバーは、
前記器具本体部の少なくとも2箇所を貫通しており、

前記器具本体部は、
前記器具本体部の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分に、コントロールバーを連動させる前記送り機構を備え、
前記器具本体部の引き金を戻す際の前記コントロールバーの後退動作を防ぐ後退防止機構を採用しておらず、

前記器具本体部の引き金を引くことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーの先端が、前記カートリッジの押子に圧力をかけ、前記充填剤が前記吐出口から吐出され、
当該引いた引き金を戻すことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーが、引き金を引く前の位置に戻ること、

を特徴とするハンドガン型の充填器具である。
【0019】
3、
【0020】
(1)
また、他の発明に係るハンドガン型の充填器具は、
前記カートリッジと、前記器具本体部とを、はめ込み固定した後に、
当該固定部分を、係止部材で係止したことを特徴とする。
【0021】
(2)
「係止」とは、係わり合って止まることを意味する。
「カートリッジと、器具本体部とを、はめ込み固定した後に、当該固定部分を、係止する係止部材」の具体例として、締め付けの力が強い輪形状のゴムを採用することが考えられる。
【0022】
(3)
本発明により、カートリッジと、器具本体部との固定が強化されるため、ビル等の高所での作業中に、カートリッジが外れて落下してしまう、というトラブルを未然に防ぐ事ができるため、安全に補修作業を行うことが出来る。さらに、カートリッジに収容された充填剤が無くなってしまった場合も、係止部材と、はめ込みを外せば、カートリッジの交換に手間がかからないため、作業時間のロスにも繋がらない。
【0023】
4、
【0024】
(1)
また、他の発明に係るハンドガン型の充填器具は、
前記器具本体部に、充填器具の利用者の衣服に係止するための係止具を備えていることを特徴とする。
【0025】
(2)
「器具本体部に備えている、充填器具の利用者の衣服に係止するための係止具」の具体例として、固定電話の受話機のコードのような、「スプリングケーブル」あるいは「カールコード」の先端に、利用者の衣服のベルトロープに係止できる「ベルトフック」を採用したもの、が該当する。
【0026】
(3)
本発明により、ハンドガン型の充填器具の利用を妨げない態様で利用者の衣服に充填器具を係止しているため、ビル等の高所での作業中に、利用者がハンドガン型の充填器具カートリッジを、手元を誤り落下させてしまう、というトラブルを未然に防ぐ事ができるため、安全に補修作業を行うことが出来る。
【0027】
5、
【0028】
(1)
また、他の発明に係るハンドガン型の充填器具は、
前記カートリッジの吐出口に、吐出する充填剤を平らに均すための均し部材を備えていることを特徴とする。
【0029】
(2)
「カートリッジの吐出口に備えている、吐出する充填剤を平らに均すための均し部材」の具体例として、カートリッジの吐出口から吐出された充填剤を外部に吐出する穴を設けた円柱形のシリコンチップ、が該当する。
【0030】
(3)
本発明により、充填剤があふれ出ないような微調整を行え、吐出する充填剤を平らに均すことができ、充填剤の有効利用や補修後の美観性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本願に係る発明により、ビル等の高所や身動きが取りにくい狭い所で、建造物の亀裂や浮きモルタルなどに樹脂を注入して補修作業をする場合や、壁材の目地に樹脂を充填する場合であっても、隙間やひび割れの奥まで十分に適量の充填剤を注入し、充填剤があふれ出ないような微調整を行え、安全に補修作業を行うことが出来るコンパクトな充填器具の実現ができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本願に係るハンドガン型の充填器具の一実施例の外観図である。
【図2】図1のハンドガン型の充填器具から、本体カバーを取り外した図である。
【図3】図2のハンドガン型の充填器具において、器具本体部の引き金を引き、コントロールバーを動かした図である。
【図4】(a)は、図3のハンドガン型の充填器具に、本体カバーをかぶせ、器具本体部の引き金を戻し、コントロールバーが元の位置に戻った図である。 (b)は、図3のハンドガン型の充填器具に、本体カバーをかぶせ、コントロールバーの後退動作を防ぐ後退防止機構を別途備え付けた場合に、器具本体部の引き金を戻した状態の図である。
【図5】従来の充填器具の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】

1、 図1は、本願に係るハンドガン型の充填器具1の一実施例の外観図である。

【0034】
同図に示すように、充填剤が収容された筒形状のカートリッジ11と、カートリッジ11の充填剤の吐出量を調整する可動式のコントロールバー12と、コントロールバー12を連動させる送り機構を動作させるための引き金を備えた器具本体部13と、を備えている。
【0035】
カートリッジ11には、筒形状の一方の端部に、充填剤を吐出する吐出口111が形成され、筒形状の内部に、コントロールバーの先端からの圧力を受けて充填剤を押出すための可動式の押子112が形成され、当該吐出口111と当該可動式の押子112の間の空間に充填剤113が収容されている。
また、カートリッジの吐出口111に、吐出する充填剤を平らに均すための均し部材114を備えている。図1では、「吐出する充填剤を平らに均すための均し部材」の具体例として、カートリッジの吐出口から吐出された充填剤を外部に吐出する穴を設けた円柱形のシリコンチップ、を採用している。
【0036】
カートリッジの吐出口111とは反対の端部と、器具本体部13とは、はめ込んで固定できるように構成されている。
さらに、カートリッジ11と、器具本体部13とを、はめ込み固定した後に、当該固定部分を、係止部材14で係止している。図1では、「係止部材14」として、締め付けの力が強い輪形状のゴムを採用している。
【0037】
また、図1のハンドガン型の充填器具1では、器具本体部13に、充填器具の利用者の衣服に係止するための係止具15を備えている。図1では、「係止具15」として、固定電話の受話機のコードのような、「スプリングケーブル」あるいは「カールコード」の先端に、利用者の衣服のベルトロープに係止できる「ベルトフック」を採用したもの、を利用している。
【0038】
図1のハンドガン型の充填器具1では、器具本体部13の引き金131を戻す際のコントロールバー12の後退動作を防ぐ後退防止機構を採用していない。
なお、図4(b)、及び図5では、後退防止機構(4又は55)を採用している充填器具を図示している。
【0039】

2、 図2は、図1のハンドガン型の充填器具1から、本体カバー132を取り外した図である。

【0040】
同図に示すように、コントロールバー12は、器具本体部13の2箇所を貫通しており、図2のハンドガン型の充填器具1においては、器具本体部13の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分に、コントロールバー12を連動させる送り機構133を備えている。
【0041】
図2では、「コントロールバーを連動させる送り機構133」として、当該コントロールバー部分について、器具本体部の引き金131と連動する送り機構板134を貫通させるとともに、当該送り機構板の動作を安定させるスプリング135を通している。
これにより、器具本体部の引き金131を引くことにより、送り機構板134が前方に可動し、器具本体部の引き金を戻すことにより、送り機構板134が後方に可動することにより、コントロールバー12を前後に動作させる機構になっており、コントロールバー12の先端が、カートリッジの押子112に圧力をかけ、充填剤113が吐出口111から吐出されることになる。
【0042】

3、 図3は、図2のハンドガン型の充填器具1において、器具本体部の引き金131を引き、コントロールバー12を動かした図である。

【0043】
器具本体部の引き金131を引くことにより、コントロールバー送り機構133を介し、コントロールバー12の先端が、カートリッジの押子112に圧力をかけ、充填剤113が吐出口111から吐出される。
そして、当該引いた引き金131を戻すことにより、コントロールバー送り機構133を介し、コントロールバー12が、引き金131を引く前の位置に戻る。
【0044】

4、 図4(a)は、図3のハンドガン型の充填器具1に、本体カバー132をかぶせ、器具本体部の引き金131を戻し、コントロールバー12が元の位置(図2の位置)に戻った図である。

【0045】
コントロールバー12の後退動作を防ぐ後退防止機構を採用していないため、器具本体部の引き金131の微調整により、充填剤の吐出の微調整が可能となる。
器具本体部の引き金131を強く握りすぎてしまった場合であっても、引き金131をすぐ戻せば、充填剤が出すぎるのを防ぐことができるため、充填剤の吐出の微調整が容易である。
あるいは、器具本体部の引き金131を、段階的に徐々に握っていく、という、充填剤の吐出の微調整も可能である。
【0046】
一方、図4(b)は、図3のハンドガン型の充填器具1に、本体カバー132をかぶせ、コントロールバー12の後退動作を防ぐ後退防止機構4を別途備え付けた場合に、器具本体部の引き金131を戻した状態の図である。
コントロールバー12の後退動作を防ぐ後退防止機構4を採用しているため、器具本体部の引き金131を引いてしまうと、一定量の充填剤の吐出がなされ、引き金を強く握りすぎてしまった場合に、充填剤を微調整することが困難となってしまう。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本願に係るハンドガン型の充填器具を製造、販売することにより、産業の発達に寄与することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジの充填剤の吐出量を調整する可動式のコントロールバーと、
前記コントロールバーを連動させる送り機構を動作させるための引き金を備えた器具本体部と、
を備えた、充填剤が収容された筒形状の前記カートリッジをはめ込み使用するハンドガン型の充填器具であって、

前記コントロールバーは、
前記器具本体部の少なくとも2箇所を貫通しており、

前記器具本体部は、
前記器具本体部の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分に、コントロールバーを連動させる前記送り機構を備え、
前記器具本体部の引き金を戻す際の前記コントロールバーの後退動作を防ぐ後退防止機構を採用しておらず、

前記器具本体部の引き金を引くことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーの先端が、前記はめ込んだカートリッジの内部の押子に圧力をかけ、前記充填剤が当該はめ込んだカートリッジの吐出口から吐出され、
当該引いた引き金を戻すことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーが、引き金を引く前の位置に戻ること、

を特徴とする前記カートリッジをはめ込み使用するハンドガン型の充填器具。

【請求項2】
充填剤が収容された筒形状のカートリッジと、
前記カートリッジの充填剤の吐出量を調整する可動式のコントロールバーと、
前記コントロールバーを連動させる送り機構を動作させるための引き金を備えた器具本体部と、
を備えた、ハンドガン型の充填器具であって、

前記カートリッジには、
前記筒形状の一方の端部に、前記充填剤を吐出する吐出口が形成され、
前記筒形状の内部に、前記コントロールバーの先端からの圧力を受けて前記充填剤を押出すための可動式の押子が形成され、
当該吐出口と当該可動式の押子の間の空間に前記充填剤が収容されており、

前記カートリッジの吐出口とは反対の端部と、前記器具本体部とは、
はめ込んで固定できるように構成されており、

前記コントロールバーは、
前記器具本体部の少なくとも2箇所を貫通しており、

前記器具本体部は、
前記器具本体部の2箇所の貫通部の間のコントロールバー部分に、コントロールバーを連動させる前記送り機構を備え、
前記器具本体部の引き金を戻す際の前記コントロールバーの後退動作を防ぐ後退防止機構を採用しておらず、

前記器具本体部の引き金を引くことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーの先端が、前記カートリッジの押子に圧力をかけ、前記充填剤が前記吐出口から吐出され、
当該引いた引き金を戻すことにより、前記コントロールバー送り機構を介し、前記コントロールバーが、引き金を引く前の位置に戻ること、

を特徴とするハンドガン型の充填器具。

【請求項3】
前記カートリッジと、前記器具本体部とを、はめ込み固定した後に、
当該固定部分を、係止部材で係止したことを特徴とする、請求項1又は2記載のハンドガン型の充填器具。

【請求項4】
前記器具本体部に、充填器具の利用者の衣服に係止するための係止具を備えていることを特徴とする、請求項1又は2記載のハンドガン型の充填器具。

【請求項5】
前記カートリッジの吐出口に、吐出する充填剤を平らに均すための均し部材を備えていることを特徴とする、請求項2記載のハンドガン型の充填器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−190596(P2011−190596A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56812(P2010−56812)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(500472187)パル・ユニット株式会社 (2)
【Fターム(参考)】