ハンドヘルド色測定装置
【課題】ハンドヘルド色測定装置を、構成をシンプルで軽量としながら、別個の補助装置なしに、様々な測定作業に用いることができるようにする。
【解決手段】ハンドヘルド色測定装置は、測定光を測定窓15を通して受光して測定信号に変換する測定部を備えるハウジングHを有している。ブラケットBが、ハウジングH上に配置され、拡散器が組み込まれた中間部9を有している。ブラケットBの2つのサイドアーム7,8が、ブラケットBをモニタ位置から周辺光位置まで180°回転させることができるように、ハウジングHに回転可能に取り付けられ、拡散器は、周辺光位置では測定窓15の前に位置し、モニタ位置ではハウジングHの、前壁1と反対側の後壁2の所に位置する。保持手段が、ハウジングHとブラケットBの2つのサイドアーム7,8とに設けられ、モニタ位置または周辺光位置のそれぞれに、ブラケットBを固定する。
【解決手段】ハンドヘルド色測定装置は、測定光を測定窓15を通して受光して測定信号に変換する測定部を備えるハウジングHを有している。ブラケットBが、ハウジングH上に配置され、拡散器が組み込まれた中間部9を有している。ブラケットBの2つのサイドアーム7,8が、ブラケットBをモニタ位置から周辺光位置まで180°回転させることができるように、ハウジングHに回転可能に取り付けられ、拡散器は、周辺光位置では測定窓15の前に位置し、モニタ位置ではハウジングHの、前壁1と反対側の後壁2の所に位置する。保持手段が、ハウジングHとブラケットBの2つのサイドアーム7,8とに設けられ、モニタ位置または周辺光位置のそれぞれに、ブラケットBを固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンドヘルド色測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用タイプのハンドヘルド色測定装置は、数多くの形態で市販されている。そのようなハンドヘルド色測定装置は、どのような測定技術に基づくこともできる。ハンドヘルド色測定装置は、例えばフィルタ測定装置またはスペクトル測定装置として構成することができ、後者は、スペクトル測定値が、実際に目的とする他の変数(例えば、色値、色濃度値等)を導き出すのに用いることができることが知られているので、最も汎用的なものである。また、ハンドヘルド色測定装置は、自律型装置として、または、測定データを評価する制御コンピュータと共に用いられる周辺測定装置として構成することができる。自律型のハンドヘルド色測定装置は、測定操作に必要な操作部材および表示部材の全て、さらに自身の電源を含み、また、多くの場合、コンピュータと通信するためのインタフェースも備えられており、測定データと制御データの両方をコンピュータと交換することができる。周辺測定装置として構成されたハンドヘルド色測定装置は、一般的に、自身の操作部材および表示部材を持っておらず、他の任意の周辺コンピュータ装置のような上位のコンピュータによって制御される。コンピュータとの通信のために、より最近のハンドヘルド色測定装置は、例えばいわゆるUSB(ユニバーサルシリアルバス)インタフェースが備えられていることが多く、多くの場合、これを介して(付属のコンピュータから)同時に電源を供給することも可能である。測定装置のそのような構成は、例えば特許文献1(≒特許文献2)に記載されている。
【0003】
汎用タイプのハンドヘルド色測定装置は、その構成および補助装置に応じて、数多くの測定作業に使用することができる。そのようなハンドヘルド色測定装置を使用する具体的な分野の1つは、モニタ上での測定の分野であり、具体的には、カラープロファイルの校正および作成のために使用され、この際、ハンドヘルド色計測装置は測定対象のモニタ上に手動で配置され、モニタに接触するか、またはモニタからわずかな距離(好ましくは20cm未満)をおいて配置される。他の用途の機能では、ハンドヘルド色測定装置は、周辺光を測定するため、あるいは、場合によっては、例えば電子プロジェクタ(ビデオプロジェクタ)によって照らされている投影領域の(遠隔)計測に用いられる場合もある。これらの点は、同様に、例えば特許文献1(≒特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7671991号明細書
【特許文献2】欧州特許第1845350号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、汎用タイプのハンドヘルド色測定装置を、このタイプの既知の装置よりも構成をシンプルで軽量としながら、別個の補助装置なしに、様々な測定作業、特にモニタ上での計測や投影領域の計測、および周辺光の計測に用いることができるように改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この好適な目的は、ハウジングを備え、ハウジング内に光電子測定部が配置され、光電子測定部は、測定対象から放射された測定光をハウジングの前壁の測定窓を通して受光し、測定光を対応する電気的な測定信号に変換し、測定信号を処理して測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、デジタル測定データを通信インタフェースを介して提供するものであり、ほぼU字型のブラケットが、ハウジング上に配置され、ほぼ平行な2つのサイドアームと中間部を有し、中間部は、2つのサイドアームを連結しており、光学的な拡散器を設けられており、ブラケットをモニタ位置から周辺光位置までほぼ180°だけ回転させることができ、そしてさらにまたは逆方向にモニタ位置まで回転させることができるように、2つのサイドアームは、ハウジングの互いに反対側の壁に回転可能に取り付けられており、ブラケットが周辺光位置にある時には、ブラケットの中間部に配置された拡散器がハウジングの前壁の測定窓の前に位置し、ブラケットがモニタ位置にある時には、拡散器はハウジングの、前壁と反対側の後壁の所に位置しており、相互に協働する保持手段がハウジングとブラケットの2つのサイドアームに設けられ、ブラケットのモニタ位置または周辺光位置のそれぞれにブラケットを解除可能に固定する、本発明に係るハンドヘルド色測定装置によって達成される。
【0007】
本発明に係るハンドヘルド色測定装置の有利な実施態様および展開が、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明の本質は以下の通りである。ハンドヘルド色測定装置はハウジングを備え、ハウジング内に光電子測定部が配置され、光電子測定部は、測定対象から放射された測定光をハウジングの前壁の測定窓を通して受光し、測定光を対応する電気的な測定信号に変換し、測定信号を処理して測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、デジタル測定データを通信インタフェースを介して提供する。ほぼU字型のブラケットが、ハウジング上に配置され、ほぼ平行な2つのサイドアームと中間部を有し、中間部は、2つのサイドアームを連結しており、光学的な拡散器を設けられている。ブラケットをモニタ位置から周辺光位置までほぼ180°だけ回転させることができ、そしてさらにまたは逆方向にモニタ位置まで回転させることができるように、2つのサイドアームは、ハウジングの互いに反対側の壁に回転可能に取り付けられており、ブラケットが周辺光位置にある時には、ブラケットの中間部に配置された拡散器がハウジングの前壁の測定窓の前に位置し、ブラケットがモニタ位置にある時には、拡散器はハウジングの、前壁と反対側の後壁の所に位置している。相互に協働する保持手段がハウジングとブラケットの2つのサイドアームに設けられ、ブラケットのモニタ位置または周辺光位置のそれぞれにブラケットを解除可能に固定する。
【0009】
1つの有利な実施態様によると、ブラケットが各回転位置で固定され、制御されることなく調整されないように、相互に協働する制動手段が、ハウジングおよびブラケットのサイドアームの少なくとも1つに設けられ、ハウジングに対するブラケットの回転運動を規定の回転抵抗で抑制する。
【0010】
別の有利な実施態様によると、ブラケットの中間部は支持底面として構成され、ブラケットは、ハウジングが、ほぼ垂直な面内で回転できるように取り付けられている一体的な装置台を形成している。この実施態様は、投影領域の測定に特に有利である。
【0011】
ブラケットは、そのサイドアームの長手方向に平行に(わずかに)付加的に動かすことができるようハウジングに取り付けられているのが有利である。これにより、ブラケットの中間部を、モニタ位置と周辺光位置において、それぞれ、ハウジングの後壁または前壁のより近くに位置させることが可能になり、この際、ブラケットがそのモニタ位置から外れて回転運動する間に、ブラケットの中間部が同時にハウジングの後壁から一時的に持ち上げられもするように、またブラケットがモニタ位置へと回転運動する間に、ブラケットの中間部が同時にハウジングの後壁に向かって動かされもするように、ブラケットがハウジングに取り付けられ可動に案内されるのが好ましく、この際、ハウジングの中間部に配置された拡散器がハウジングの前壁の測定窓の前に位置させられる回転位置で、ブラケットをそのサイドアームの長手方向にハウジングの前壁に向かって周辺光位置へと移動させることができ、すると、ブラケットが保持手段によって周辺光位置に固定されるように、また、ブラケットをその2つのサイドアームの長手方向にハウジングの前壁から離し、周辺光位置から外すように保持手段の固定力に逆らって移動させることができるように、ブラケットがハウジングに取り付けられ可動に案内されると有利である。このために、案内リンクがハウジングに設けられているのが好適であり、また案内リンクに係合するリンク従動部がブラケットのサイドアームに設けられているのが好適である。
【0012】
また、少なくともブラケットの周辺光位置を検知する位置センサが設けられていると有利である。
【0013】
1つの好ましい実施態様によると、ハンドヘルド色測定装置は、通信インタフェースに取り付けられ、ブラケットの2つのサイドアームのうちの1つを、実質的にその回転軸線の領域で通ってハウジングの外に案内されているケーブルを有している。
【0014】
ハンドヘルド色測定装置がそのケーブルによって自由に吊り下げられハンドヘルド色測定装置のブラケットがモニタ位置にされた場合に、ハウジングの前壁が垂直線に対し小さな傾斜角度だけケーブルの方に傾くように、ハンドヘルド色測定装置がその重量についてバランスをとられていると有利である。その傾斜角度は、最大で約10°であるのが有利であり、約1から2°、特に、約1.4°であるのが有利である。ケーブルで吊り下げられている際の装置のこの傾斜は、モニタ上での計測時に、ハウジングが、垂直面に対するその傾斜とはほとんど独立して、常にモニタの表面に平坦に位置することを意味している。
【0015】
モニタ上に色測定装置を簡単に位置させるために、ケーブルに、好ましくはその長手方向に調整できるようにケーブルに取り付けられた、色測定装置の重量とほぼ同じ重量の重り部材が設けられているのが有利である。
【0016】
1つの有利な実施態様によると、ハウジングの後壁は支持底面として構成され、および/またはスタンドのための接続部、特に、ねじ式ソケットを備えている。
【0017】
また、ブラケットの2つのサイドアームのうちの1つが、色測定装置の支持底面として構成されていると有利である。代わりに、または追加で、2つのサイドアームのうちの1つに接続部、特に、スタンドに固定するためのねじ式ソケットを設けることもできる。
【0018】
特に有利な実施態様によると、光軸を形成する光電子測定部は、測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の、好ましくは非球面の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、直径が入力レンズよりも典型的には小さいセンサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、開口部は実質的に入力レンズの焦点面に位置し、光学的な拡散器は開口部のすぐ隣で、実質的にセンサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、フィルタとセンサは光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、フィルタ、センサ、および拡散器は、センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている。フィルタのスペクトルの結果としての、色チャンネルの分光感度、使用されるセンサの分光感度、および光学機器の他の全ての要素、すなわちレンズおよび拡散器の分光透過率は、CIEによる三刺激色値XYZの分光特性に対して、実質的に、センサにより生成される電気測定信号が実質的にCIEによる三刺激色値XYZを示すように構成されている。また、このXYZ特性の代わりに、個々の色チャンネルおよび/または分光感度は、三刺激色値XYZの線形結合を持つことも可能である。
【0019】
これらのセンサは、センサレンズから、実質的にセンサレンズの焦点距離に対応する距離の位置に配置されているのが有利である。
【0020】
また、開口部が入射角範囲を±4から6°に制限すると有利である。
【0021】
これら3つの光電センサに加えて、上流のカラーフィルタを持たない第4のセンサが設けられているのが好ましい。
【0022】
光学的な拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ多数の散乱中心を有する分子的な散材料、特に、ポリオキシメチレンから成っているのが有利である。光学的な拡散器は、板厚0.3から0.5mm、特に約0.4mmの薄板として構成されているのが有利である。光学的な拡散器は、少なくとも25%の、好ましくは少なくとも50%の半透明性を有するのが有利である。また、光学的な拡散器は、これを通過する光の少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%の偏光を解消すると有利である。
【0023】
入力レンズは、好ましくは20から30mm、特に24から26mmの焦点距離を有するのが好ましい。
【0024】
入力レンズは、平行な光を一点に投影するように最適化されているのが有利であり、また、センサレンズは、光学的な拡散器から発散するように放射された光を無限遠に投影するように最適化されているのが有利である。
【0025】
開口部は、開口直径が3から5mm、特に約4mmであるのが好ましい。
【0026】
カラーフィルタは、誘電体積層構造を持つ透過フィルタとして構成されているのが有利である。カラーフィルタは、カラーフィルタとセンサを互いに密封し、これらが外部からの光および逆散乱光に曝されないように保護するインサートおよび/またはフィルタホルダ内に配置され固定されているのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ブラケットがその周辺光位置にある、本発明によるハンドヘルド色測定装置の斜視図である。
【図2】ブラケットが周辺光位置とモニタ位置の間の回転位置にある、図1のハンドヘルド色測定装置の斜視図である。
【図3】ブラケットが周辺光位置にある状態の、図1のハンドヘルド色測定装置の軸方向の断面図である。
【図4】ブラケットがモニタ位置にある状態の、図1のハンドヘルド色測定装置の軸方向の断面図である。
【図5a】図3のV−V線に沿ったハンドヘルド色測定装置の断面図である。
【図5b】ブラケットが図5aとは異なる位置にある、図3のV−V線に沿ったハンドヘルド色測定装置の断面図である。
【図6a】図5a,5bと同様の断面図であるが、ブラケットの別の回転位置を示す図である。
【図6b】図5a,5bと同様の2つの断面図であるが、ブラケットのさらに別の回転位置を示す図である。
【図7】図4のほぼVII−VII線に沿ったブラケットの部分断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】ハンドヘルド色測定装置の、そのケーブルによって吊り下げられたときの側面図である。
【図10】モニタ上での計測に実際に使用されているハンドヘルド色測定装置を示す図である。
【図11】ハンドヘルド色測定装置の光電子測定部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面に示す一例の実施形態に基づき、本発明を詳細に述べる。
【0029】
次の約束事を、以下の図の記載に適用する。個々の参照記号が図に示されていない場合、その点については、残りの図および明細書の対応する箇所を参照するものとする。「測定対象」は、ハンドヘルド色測定器を用いて測定しようとしている任意のタイプの光源、特に、モニタ、プロジェクタで照らされた投影領域、および周辺光を意味する。
【0030】
本発明に係るハンドヘルド色測定装置の外形は、図1および2から最もよく分かる。この装置は、全体をHで示されたハウジング、および、全体をBで示されまだ説明していない方法でハウジングに可動に取り付けられたほぼU字型のブラケットを有している。ハウジングHは、ほぼ平面状の前壁1、前壁1に平行で、同様にほぼ平面状の後壁2(図3)、ほぼ平面状の下壁3、下壁3に平行で、同様にほぼ平面状の上壁4(図3)、および外側にわずかに湾曲した2つの側壁5および6を有している。
【0031】
ハウジングHの後壁2は、支持底面として構成され、接続部を備えられており、この接続部は、この場合、スタンド用のねじ式ソケット2a(図3)によって形成されている。これにより、ハンドヘルド色測定装置を、図1に示すように、スタンドに対して位置させ、または取り付けることができる。
【0032】
ブラケットBは、2つの平行なサイドアーム7および8、およびこれらを連結し外側に丸みを帯びた中間部9を有している。窓10がブラケットBの中間部9に設けられ、窓10内に光学的な拡散器11が挿入され、その縁部でアンダーカットラッチング塊12(図3および4)によって固定されている。
【0033】
ブラケットBの中間部9は支持底面として構成されて、ブラケットBが、ハンドヘルド色測定装置の一体的な装置台としてある程度機能することができるようになっており、この装置台にハウジングHが(垂直面内で)回転させることができるように取り付けられるようになっている。これについては、後で詳しく説明する。
【0034】
ブラケットBのサイドアーム7は、外側がほぼ平面状になるように構成され、ハンドヘルド色測定装置の(もう1つの)台として機能する。代わりに、または追加で、サイドアーム7に、ハウジングHの後壁2と同様に、接続部(図示せず)、特に、スタンド用のねじ式ソケットを設けることも可能である。
【0035】
全体をMで示された光電子測定部が、ハウジングH内に収容されている(図3および4)。測定窓15がハウジングHの前壁1に設けられており、測定光がこの測定窓15を通って測定部Mに進入することができる。光電子測定部は、測定対象から放射された測定光を受け取って対応する電気測定信号に変換し、これらの測定信号を処理して測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、この測定データを通信インタフェースを介して提供する。測定部Mは、様々な光学部品を有する管20、およびプリント基板30を含み、このプリント基板30上に、光学部品を介して測定光に曝され、測定光を対応する電気測定信号に変換する光電センサが配置されている。このセンサと協働する、プリント基板上の測定電子機器が、このセンサを制御しその測定信号をデジタル形式で通信インタフェース33の所で提供する。
【0036】
図11は、光電子測定部Mの特に有利な実施形態を模式的に示している。
【0037】
管20は、入力レンズ21、開口部22、拡散器23、およびセンサレンズ24を含んでいる。また、測定部Mは、カラーフィルタ25、プリント基板30上の光電子センサ31、およびデジタル測定電子機器32を有し、デジタル測定電子機器32はその一部に上記の通信インタフェース33を有している。
【0038】
開口部22は、入力レンズ21の焦点面に配置され、入射角範囲を典型的には約±4から6°に制限する。拡散器23は、開口部22上に直接配置され、測定光の偏光を解消する。拡散器23はセンサレンズ24の焦点面に配置されている。カラーフィルタ25が、そして次にこれに割り当てられたセンサ31がほぼ垂直にこの光に曝されるように、2次光源としての拡散器23から放射された光が、センサレンズ24によって無限遠に投影される。カラーフィルタ25およびセンサ31は、測定光束の経路の光軸27の近くに、光軸27を囲むように配置されている。センサ31は全部で4つ設けられ、その内の3つは、3つのカラーフィルタによって互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を与えられている。4つ目のセンサはフィルタを通さない光を受け取る。カラーフィルタ25、センサ31、拡散器23、および2つのレンズ21と24のスペクトル特性は、センサ31によって生成される測定信号が三刺激色値XYZまたはこれらの線形結合に直接対応するように構成され、および/または、相互に調整されている。
【0039】
センサ31が、電子測定部32、および通信インタフェース33で提供されるデジタル測定データによって制御される方法は、(例えば、冒頭に述べた特許文献1に記載されているように)それ自体は従来のものであり、従って、さらに詳しく述べる必要はない。
【0040】
デジタル化された測定データは、処理および/または評価のために、それ自体は周知の方法で通信インタフェース33を介して、外部装置、特に、外部のコンピュータに送ることができる。そのために、ケーブル34が、通信インタフェース33に取り付けられ、ハウジングHの上壁4を通って外に案内されている(図3および4)。通信インタフェース33は、例えば、いわゆるUSBインタフェースとして構成することができ、また同時にそれ自体は周知の方法でハンドヘルド色測定装置に電力を供給する働きをすることができる。
【0041】
また、当然ながら、光電子測定部Mは、異なる構成にし、例えば、冒頭に述べた特許文献1に記載されているように広く構成することも可能である。
【0042】
ブラケットBの互いに平行なサイドアーム7と8は、ハウジングHの下壁3および上壁4に回転可能に接合され、ハウジングHの周りを回るように回転させることができ、この際、2つの回転位置が特徴的な位置とされ、以下で周辺光位置と呼ぶ1つの回転位置では、拡散器11がハウジングHの測定窓15の正確に正面に位置するように、ブラケットBの中間部9がハウジングHの前壁1の中心に位置させられる。ブラケットBの周辺光位置は、図3で見ることができる。同様に図11は、それぞれ、拡散器11が測定窓の前に位置させられ、入力レンズ21が測定窓の後に位置させられているのを示している。以下でモニタ位置と呼ぶブラケットBの回転位置は、ハウジングHに対して周辺光位置と正反対になっている。周辺光位置とモニタ位置の間でブラケットの180°の回転運動が行われる。ブラケットBがモニタ位置にあるとき、拡散器11を含む中間部9は、ハウジングHの後壁2の中心に位置させられる。
【0043】
ブラケットBをハウジングHに回転可能に取り付けることにより、ブラケットBをモニタ位置から周辺光位置に、および周辺光位置から元のモニタ位置に回転させることができ、示している実施形態では、両方向に回転させることが可能である。モニタ位置において、および、周辺光位置において、まだ説明していない保持手段によって、ブラケットBがそれぞれの位置に(解除可能に)固定されるのが保証される。
【0044】
上記の保持手段によって既に固定されているブラケットBがそのモニタ位置と周辺光位置の間で制御されることなく動くことがないようにするため、ハンドヘルド色測定装置は、規定の回転抵抗でブラケットの回転運動を抑制する制動手段を備えている。この制動手段は、実質的に、ブラケットBの下側のサイドアーム7のための軸受スリーブ41の特別な構成である。軸受スリーブ41は、環状に並んだ複数の歯41aを有するように、軸方向に平行な複数のスリットを付けられるように構成されている。歯41aは、軸受開口43の内壁を弾性的に外側に押し、それによって、ブラケットの回転運動をある程度制動する一種のブレーキシューを形成している。また当然ながら、同様の制動手段をハンドヘルド色測定装置の上側に設けることも可能である。
【0045】
ブラケットBは、その中間部9に配置された拡散器11と共に、ハンドヘルド色測定装置を互いに異なる測定機能間で切り替える働きをする。ブラケットBがモニタ位置にある状態では、ハンドヘルド色測定装置はモニタ上での測定に使用され、測定光が、変更されることなく測定窓15を通過して光電子測定部Mに直接入る。ブラケットBが周辺光位置にあるときには、拡散器11が測定窓15の前に位置させられる。この位置では、ハンドヘルド色測定装置は周辺光の計測に使用される。
【0046】
ブラケットBがモニタ位置にあるとき、原理的には、ハンドヘルド色測定装置を、例えばプロジェクタによって照らされている投影領域の測定に使用することも可能である。しかしながらこのためには、ハンドヘルド色測定装置を図2に示すように位置させるのが、はるかに実用的であり、より有利であり、この場合、入力窓および/または測定部Mを、測定しようとする投影領域と一直線にそろえるために、垂直面内で回転させることができるようにハウジングHが取り付けられた一体的な装置台としてブラケットBが働き、この場合、ハウジングHに対するブラケットの位置は、モニタ位置と周辺光位置との間にある。前述の制動手段により、ブラケットBとハウジングHの間の相対的な回転位置は、意図せずに変更されることがないことが保証され、この際、重さに関係する回転モーメントができるだけ小さくなり、これに対応して制動手段の制動力をあまり大きくする必要がなくて済むように、ハウジングHの重心がブラケットBの回転軸線のできるだけ近くに位置することが重要な特徴である。
【0047】
ハンドヘルド色測定装置の誤った取り扱いを防ぐために、ブラケットの少なくとも周辺光位置を検出する位置センサを設けるのが有利である。そのような位置センサは、ハウジング内でその上壁または下壁の近くに配置されブラケットのサイドアームの1つに埋め込まれた磁石と協働するホールセンサによって形成するのが有利である。ハンドヘルド色測定装置用の外部の制御装置により、位置センサを評価することができ、また、例えば、ブラケットの位置に適していない測定機能をブロックすることができる。
【0048】
本発明の別の重要な態様によると、ブラケットBは、回転できるようにだけではなく、以下でさらに詳細に述べる理由により、ハウジングの前壁1および/または後壁2に垂直な方向にある程度並進運動させることができるようにハウジングHに取り付けられている。ブラケットBのピボット軸受は、第一に、ブラケットBのこの並進運動を可能にするように特別に構成されている。固定された軸受スリーブ41または42がそれぞれ、ハウジングHの下壁3および上壁4のそれぞれに合体され、および/または成形され、ブラケットBの2つのサイドアーム7および8は、これらの軸受スリーブを中心として回転することができる。細長い軸受開口43または44がそれぞれ、2つのサイドアーム7および8のそれぞれの内側に設けられ、2つの軸受スリーブの1つが軸受開口のそれぞれに係合している(図3および4)。軸受開口43および44の幅は、実質的に軸受スリーブ41および42の外径に対応し、サイドアーム7および8の長手方向に測った2つの軸受開口の長さは、これよりわずかに大きい。軸受開口43と共にサイドアーム7を内側から見て示した図7で、軸受開口の形状を最もよく見ることができる。サイドアーム7における軸受開口43は止まり穴であり、一方、サイドアーム8における軸受開口44は両側に開いており、すなわち、とぎれていない。容易に分かるように、軸受開口43および44の長さと幅の差により、ブラケットBが自由に並進運動できる最大量が決まる。
【0049】
ケーブルスリーブ35が、ハウジングHの上壁4の軸受スリーブ42、およびブラケットBのサイドアーム8の軸受開口44を通って延び、ハウジングHの上壁4にとりつけられている。ケーブル34は、ケーブルスリーブ35を通って外部に案内され、また同時にケーブルスリーブ35によって歪みを和らげられている。このため、ケーブルスリーブ35は、ブラケットBの回転軸線の領域に配置されている。
【0050】
モニタ上での計測では、測定窓がモニタの照明される領域の所に直接位置させられるように、ハンドヘルド色測定装置を適切な保持装置によりモニタに取り付けるのが普通である。本発明に係るハンドヘルド色測定装置の場合、これはケーブル34によってモニタ上にハンドヘルド色測定装置を吊り下げることにより特に簡単に可能とされる。このために、ハンドヘルド色測定装置が、対象としているモニタの照明される領域上の測定位置に吊り下げられるように、ケーブル34が図10に示すようにモニタ100の上縁上に引っ掛けて配置される。モニタ100の後側に吊り下がったケーブル部分には、ハウジングHおよび、ハウジングH内、およびハウジングH上に位置する構成部品に対する釣り合い重りを形成する重り部材36が設けられている。これによりハウジングの位置は安定し、この際、重り部材36は、様々なモニタサイズに適応するために、ケーブル34に長さ調整可能に取り付けられている。重り部材36は、このために、例えば手動で解除できるクランプを備えている。
【0051】
既に述べたように、モニタ上で計測する場合、測定窓15を有するハンドヘルド色測定装置の前壁1が、モニタの照明される領域に対してべったり横たわるように位置するように意図されている。これを、モニタおよび/またはモニタの照明される領域の傾斜に(ある程度まで)関わらず、可能にするために、ハンドヘルド色測定装置のハウジングは、その中に収容された構成部品、および、それに取り付けられている構成部品と共に、本発明の別の重要な態様による重りにより、特別にバランスを取られる。このバランス取りは、色測定装置がケーブル34によって自由に吊り下げられブラケットBがモニタ位置にされている時に、ハウジングHの前壁1が、図9に示すように、垂直線Vに対して傾斜角度αだけケーブル34の方に傾くように選択されている。前壁1のケーブル34側へ向かって上方へのこの後方への傾斜により、モニタがわずかに張り出して傾斜していても、なおも前壁1がモニタの照明される領域に平坦に位置する。傾斜角度αは、最大で約10°、好ましくは約1から2°、特に、約1.4°である。
【0052】
ハンドヘルド色測定装置のコンパクトな構成と好ましい外部形状を実現するために、ブラケットBの中間部9が、ブラケットのモニタ位置と周辺光位置の両方において、ハウジングHの後壁2または前壁1にそれぞれできるだけ近くに位置し、好ましくは後壁または前壁にそれぞれ直接接することが重要である。このために、既に述べたように、ブラケットBは、回転させることができるだけではなく、さらにハウジングの前壁1および/または後壁2に垂直な方向にある程度並進運動させることができるようにハウジングHに取り付けられている。ブラケットBのモニタ位置と周辺光位置とに関連して、並進運動がブラケットBの2つのサイドアーム7および8の長手方向に平行に行われる。ブラケットの回転運動および並進運動について、図5a、5b、6a、および6bに基づき以下に述べる。
【0053】
図5aでは、ブラケットBはモニタ位置にされている。図5bは、ブラケットBがどのようにモニタ位置から(周辺光位置の方に)回転させられるかを示しており、同時にブラケットの中間部9がハウジングの後壁2から少し離れるように動かされているのが示されている。これは、以下でさらに詳しく説明する特別なリンクガイドによって実現されている。ブラケットBがさらに180°回転すると、図6aに示すように、中間部9がハウジングの前壁1の前にある距離をおいて位置する回転位置になる。そこでブラケットBは、中間部9が前壁1に接触するまで、この回転位置から前壁の方に並進運動させられる。ブラケットの、図6bに示すこの位置が、周辺光位置である。
【0054】
ブラケットBをモニタ位置に戻すには、ブラケットが、まず図6aに示す位置まで前壁から離れるように並進運動させられる。そして、ブラケットは(一方の方向または他方の方向に)回転させられる。ブラケットは、モニタ位置に達する直前に、さらに回転させられた時にハウジングHの後壁2と側壁5および6の一方または他方との間のハウジングの縁部に引っかからないように(図5b)、後壁から十分に離される。ブラケットは、さらにモニタ位置に回転させられると、特別なリンクガイドによって再び後壁2の近くへと引っ張られる(図5a)。
【0055】
上記のリンクガイドは、ハウジングHの下壁3および上壁4のそれぞれの外側の案内リンク50、およびトラニオンの形態のリンク従動部51を有し、このリンク従動部51は、ブラケットBの2つのサイドアーム7および8の内側に配置され、および/または成形され、それぞれ案内リンク50と係合している。ブラケットBが回転させられると、リンク従動部51が案内リンク50内を案内リンク50に沿って動き、ブラケットBの対応する動きを生じさせる。
【0056】
案内リンク50は、大部分がほぼ環状に延びている。しかし、ハウジングHの後壁2に面する側に、案内リンク50は、後壁2から急に離れているくぼみ50aを有しており、そのため、ほぼハート形またはさくらんぼ形の形状になっている。くぼみ50aは、ブラケットのモニタ位置への回転運動時に、ブラケットBの中間部9がハウジングHの後壁2上へと案内され、逆に、モニタ位置からの回転運動時に、後壁から一時的に離れるように動かされることを示している。リンクガイド50は、くぼみ50aの領域でわずかに狭くなるよう構成され、これによりトラニオンの形態のリンク従動部51が挟まれる。これにより、モニタ位置にブラケットBが(解除可能に)固定される(図5a)。このようにして、くぼみ50aは、わずかに弾性のある支持要素52およびリンク従動部51と共に、ブラケットBのための保持手段を形成している。
【0057】
前壁1に面する側で、開いている案内溝53aを有する案内要素53が、案内リンク50のそれぞれに設けられている。案内要素53および/またはそれらの案内溝53aは、案内リンク50から半径方向で内向きに、前壁1に垂直に延びている。ブラケットBが、図6aに示す回転位置に動かされると、リンク従動部51が案内要素53上に軽く固定される(図6a)。そしてブラケットBが周辺光位置へと前壁1上へと押されると、リンク従動部51は案内溝53a内にスライドし、案内溝53aをわずかに広げる(図6b)。これによりブラケットBが周辺光位置に(解除可能に)固定され、すなわち、案内要素53も、リンク従動部51と共にブラケットBのための保持手段を形成している。
【技術分野】
【0001】
本発明はハンドヘルド色測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用タイプのハンドヘルド色測定装置は、数多くの形態で市販されている。そのようなハンドヘルド色測定装置は、どのような測定技術に基づくこともできる。ハンドヘルド色測定装置は、例えばフィルタ測定装置またはスペクトル測定装置として構成することができ、後者は、スペクトル測定値が、実際に目的とする他の変数(例えば、色値、色濃度値等)を導き出すのに用いることができることが知られているので、最も汎用的なものである。また、ハンドヘルド色測定装置は、自律型装置として、または、測定データを評価する制御コンピュータと共に用いられる周辺測定装置として構成することができる。自律型のハンドヘルド色測定装置は、測定操作に必要な操作部材および表示部材の全て、さらに自身の電源を含み、また、多くの場合、コンピュータと通信するためのインタフェースも備えられており、測定データと制御データの両方をコンピュータと交換することができる。周辺測定装置として構成されたハンドヘルド色測定装置は、一般的に、自身の操作部材および表示部材を持っておらず、他の任意の周辺コンピュータ装置のような上位のコンピュータによって制御される。コンピュータとの通信のために、より最近のハンドヘルド色測定装置は、例えばいわゆるUSB(ユニバーサルシリアルバス)インタフェースが備えられていることが多く、多くの場合、これを介して(付属のコンピュータから)同時に電源を供給することも可能である。測定装置のそのような構成は、例えば特許文献1(≒特許文献2)に記載されている。
【0003】
汎用タイプのハンドヘルド色測定装置は、その構成および補助装置に応じて、数多くの測定作業に使用することができる。そのようなハンドヘルド色測定装置を使用する具体的な分野の1つは、モニタ上での測定の分野であり、具体的には、カラープロファイルの校正および作成のために使用され、この際、ハンドヘルド色計測装置は測定対象のモニタ上に手動で配置され、モニタに接触するか、またはモニタからわずかな距離(好ましくは20cm未満)をおいて配置される。他の用途の機能では、ハンドヘルド色測定装置は、周辺光を測定するため、あるいは、場合によっては、例えば電子プロジェクタ(ビデオプロジェクタ)によって照らされている投影領域の(遠隔)計測に用いられる場合もある。これらの点は、同様に、例えば特許文献1(≒特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7671991号明細書
【特許文献2】欧州特許第1845350号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、汎用タイプのハンドヘルド色測定装置を、このタイプの既知の装置よりも構成をシンプルで軽量としながら、別個の補助装置なしに、様々な測定作業、特にモニタ上での計測や投影領域の計測、および周辺光の計測に用いることができるように改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この好適な目的は、ハウジングを備え、ハウジング内に光電子測定部が配置され、光電子測定部は、測定対象から放射された測定光をハウジングの前壁の測定窓を通して受光し、測定光を対応する電気的な測定信号に変換し、測定信号を処理して測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、デジタル測定データを通信インタフェースを介して提供するものであり、ほぼU字型のブラケットが、ハウジング上に配置され、ほぼ平行な2つのサイドアームと中間部を有し、中間部は、2つのサイドアームを連結しており、光学的な拡散器を設けられており、ブラケットをモニタ位置から周辺光位置までほぼ180°だけ回転させることができ、そしてさらにまたは逆方向にモニタ位置まで回転させることができるように、2つのサイドアームは、ハウジングの互いに反対側の壁に回転可能に取り付けられており、ブラケットが周辺光位置にある時には、ブラケットの中間部に配置された拡散器がハウジングの前壁の測定窓の前に位置し、ブラケットがモニタ位置にある時には、拡散器はハウジングの、前壁と反対側の後壁の所に位置しており、相互に協働する保持手段がハウジングとブラケットの2つのサイドアームに設けられ、ブラケットのモニタ位置または周辺光位置のそれぞれにブラケットを解除可能に固定する、本発明に係るハンドヘルド色測定装置によって達成される。
【0007】
本発明に係るハンドヘルド色測定装置の有利な実施態様および展開が、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明の本質は以下の通りである。ハンドヘルド色測定装置はハウジングを備え、ハウジング内に光電子測定部が配置され、光電子測定部は、測定対象から放射された測定光をハウジングの前壁の測定窓を通して受光し、測定光を対応する電気的な測定信号に変換し、測定信号を処理して測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、デジタル測定データを通信インタフェースを介して提供する。ほぼU字型のブラケットが、ハウジング上に配置され、ほぼ平行な2つのサイドアームと中間部を有し、中間部は、2つのサイドアームを連結しており、光学的な拡散器を設けられている。ブラケットをモニタ位置から周辺光位置までほぼ180°だけ回転させることができ、そしてさらにまたは逆方向にモニタ位置まで回転させることができるように、2つのサイドアームは、ハウジングの互いに反対側の壁に回転可能に取り付けられており、ブラケットが周辺光位置にある時には、ブラケットの中間部に配置された拡散器がハウジングの前壁の測定窓の前に位置し、ブラケットがモニタ位置にある時には、拡散器はハウジングの、前壁と反対側の後壁の所に位置している。相互に協働する保持手段がハウジングとブラケットの2つのサイドアームに設けられ、ブラケットのモニタ位置または周辺光位置のそれぞれにブラケットを解除可能に固定する。
【0009】
1つの有利な実施態様によると、ブラケットが各回転位置で固定され、制御されることなく調整されないように、相互に協働する制動手段が、ハウジングおよびブラケットのサイドアームの少なくとも1つに設けられ、ハウジングに対するブラケットの回転運動を規定の回転抵抗で抑制する。
【0010】
別の有利な実施態様によると、ブラケットの中間部は支持底面として構成され、ブラケットは、ハウジングが、ほぼ垂直な面内で回転できるように取り付けられている一体的な装置台を形成している。この実施態様は、投影領域の測定に特に有利である。
【0011】
ブラケットは、そのサイドアームの長手方向に平行に(わずかに)付加的に動かすことができるようハウジングに取り付けられているのが有利である。これにより、ブラケットの中間部を、モニタ位置と周辺光位置において、それぞれ、ハウジングの後壁または前壁のより近くに位置させることが可能になり、この際、ブラケットがそのモニタ位置から外れて回転運動する間に、ブラケットの中間部が同時にハウジングの後壁から一時的に持ち上げられもするように、またブラケットがモニタ位置へと回転運動する間に、ブラケットの中間部が同時にハウジングの後壁に向かって動かされもするように、ブラケットがハウジングに取り付けられ可動に案内されるのが好ましく、この際、ハウジングの中間部に配置された拡散器がハウジングの前壁の測定窓の前に位置させられる回転位置で、ブラケットをそのサイドアームの長手方向にハウジングの前壁に向かって周辺光位置へと移動させることができ、すると、ブラケットが保持手段によって周辺光位置に固定されるように、また、ブラケットをその2つのサイドアームの長手方向にハウジングの前壁から離し、周辺光位置から外すように保持手段の固定力に逆らって移動させることができるように、ブラケットがハウジングに取り付けられ可動に案内されると有利である。このために、案内リンクがハウジングに設けられているのが好適であり、また案内リンクに係合するリンク従動部がブラケットのサイドアームに設けられているのが好適である。
【0012】
また、少なくともブラケットの周辺光位置を検知する位置センサが設けられていると有利である。
【0013】
1つの好ましい実施態様によると、ハンドヘルド色測定装置は、通信インタフェースに取り付けられ、ブラケットの2つのサイドアームのうちの1つを、実質的にその回転軸線の領域で通ってハウジングの外に案内されているケーブルを有している。
【0014】
ハンドヘルド色測定装置がそのケーブルによって自由に吊り下げられハンドヘルド色測定装置のブラケットがモニタ位置にされた場合に、ハウジングの前壁が垂直線に対し小さな傾斜角度だけケーブルの方に傾くように、ハンドヘルド色測定装置がその重量についてバランスをとられていると有利である。その傾斜角度は、最大で約10°であるのが有利であり、約1から2°、特に、約1.4°であるのが有利である。ケーブルで吊り下げられている際の装置のこの傾斜は、モニタ上での計測時に、ハウジングが、垂直面に対するその傾斜とはほとんど独立して、常にモニタの表面に平坦に位置することを意味している。
【0015】
モニタ上に色測定装置を簡単に位置させるために、ケーブルに、好ましくはその長手方向に調整できるようにケーブルに取り付けられた、色測定装置の重量とほぼ同じ重量の重り部材が設けられているのが有利である。
【0016】
1つの有利な実施態様によると、ハウジングの後壁は支持底面として構成され、および/またはスタンドのための接続部、特に、ねじ式ソケットを備えている。
【0017】
また、ブラケットの2つのサイドアームのうちの1つが、色測定装置の支持底面として構成されていると有利である。代わりに、または追加で、2つのサイドアームのうちの1つに接続部、特に、スタンドに固定するためのねじ式ソケットを設けることもできる。
【0018】
特に有利な実施態様によると、光軸を形成する光電子測定部は、測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の、好ましくは非球面の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、直径が入力レンズよりも典型的には小さいセンサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、開口部は実質的に入力レンズの焦点面に位置し、光学的な拡散器は開口部のすぐ隣で、実質的にセンサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、フィルタとセンサは光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、フィルタ、センサ、および拡散器は、センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている。フィルタのスペクトルの結果としての、色チャンネルの分光感度、使用されるセンサの分光感度、および光学機器の他の全ての要素、すなわちレンズおよび拡散器の分光透過率は、CIEによる三刺激色値XYZの分光特性に対して、実質的に、センサにより生成される電気測定信号が実質的にCIEによる三刺激色値XYZを示すように構成されている。また、このXYZ特性の代わりに、個々の色チャンネルおよび/または分光感度は、三刺激色値XYZの線形結合を持つことも可能である。
【0019】
これらのセンサは、センサレンズから、実質的にセンサレンズの焦点距離に対応する距離の位置に配置されているのが有利である。
【0020】
また、開口部が入射角範囲を±4から6°に制限すると有利である。
【0021】
これら3つの光電センサに加えて、上流のカラーフィルタを持たない第4のセンサが設けられているのが好ましい。
【0022】
光学的な拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ多数の散乱中心を有する分子的な散材料、特に、ポリオキシメチレンから成っているのが有利である。光学的な拡散器は、板厚0.3から0.5mm、特に約0.4mmの薄板として構成されているのが有利である。光学的な拡散器は、少なくとも25%の、好ましくは少なくとも50%の半透明性を有するのが有利である。また、光学的な拡散器は、これを通過する光の少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%の偏光を解消すると有利である。
【0023】
入力レンズは、好ましくは20から30mm、特に24から26mmの焦点距離を有するのが好ましい。
【0024】
入力レンズは、平行な光を一点に投影するように最適化されているのが有利であり、また、センサレンズは、光学的な拡散器から発散するように放射された光を無限遠に投影するように最適化されているのが有利である。
【0025】
開口部は、開口直径が3から5mm、特に約4mmであるのが好ましい。
【0026】
カラーフィルタは、誘電体積層構造を持つ透過フィルタとして構成されているのが有利である。カラーフィルタは、カラーフィルタとセンサを互いに密封し、これらが外部からの光および逆散乱光に曝されないように保護するインサートおよび/またはフィルタホルダ内に配置され固定されているのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ブラケットがその周辺光位置にある、本発明によるハンドヘルド色測定装置の斜視図である。
【図2】ブラケットが周辺光位置とモニタ位置の間の回転位置にある、図1のハンドヘルド色測定装置の斜視図である。
【図3】ブラケットが周辺光位置にある状態の、図1のハンドヘルド色測定装置の軸方向の断面図である。
【図4】ブラケットがモニタ位置にある状態の、図1のハンドヘルド色測定装置の軸方向の断面図である。
【図5a】図3のV−V線に沿ったハンドヘルド色測定装置の断面図である。
【図5b】ブラケットが図5aとは異なる位置にある、図3のV−V線に沿ったハンドヘルド色測定装置の断面図である。
【図6a】図5a,5bと同様の断面図であるが、ブラケットの別の回転位置を示す図である。
【図6b】図5a,5bと同様の2つの断面図であるが、ブラケットのさらに別の回転位置を示す図である。
【図7】図4のほぼVII−VII線に沿ったブラケットの部分断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】ハンドヘルド色測定装置の、そのケーブルによって吊り下げられたときの側面図である。
【図10】モニタ上での計測に実際に使用されているハンドヘルド色測定装置を示す図である。
【図11】ハンドヘルド色測定装置の光電子測定部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面に示す一例の実施形態に基づき、本発明を詳細に述べる。
【0029】
次の約束事を、以下の図の記載に適用する。個々の参照記号が図に示されていない場合、その点については、残りの図および明細書の対応する箇所を参照するものとする。「測定対象」は、ハンドヘルド色測定器を用いて測定しようとしている任意のタイプの光源、特に、モニタ、プロジェクタで照らされた投影領域、および周辺光を意味する。
【0030】
本発明に係るハンドヘルド色測定装置の外形は、図1および2から最もよく分かる。この装置は、全体をHで示されたハウジング、および、全体をBで示されまだ説明していない方法でハウジングに可動に取り付けられたほぼU字型のブラケットを有している。ハウジングHは、ほぼ平面状の前壁1、前壁1に平行で、同様にほぼ平面状の後壁2(図3)、ほぼ平面状の下壁3、下壁3に平行で、同様にほぼ平面状の上壁4(図3)、および外側にわずかに湾曲した2つの側壁5および6を有している。
【0031】
ハウジングHの後壁2は、支持底面として構成され、接続部を備えられており、この接続部は、この場合、スタンド用のねじ式ソケット2a(図3)によって形成されている。これにより、ハンドヘルド色測定装置を、図1に示すように、スタンドに対して位置させ、または取り付けることができる。
【0032】
ブラケットBは、2つの平行なサイドアーム7および8、およびこれらを連結し外側に丸みを帯びた中間部9を有している。窓10がブラケットBの中間部9に設けられ、窓10内に光学的な拡散器11が挿入され、その縁部でアンダーカットラッチング塊12(図3および4)によって固定されている。
【0033】
ブラケットBの中間部9は支持底面として構成されて、ブラケットBが、ハンドヘルド色測定装置の一体的な装置台としてある程度機能することができるようになっており、この装置台にハウジングHが(垂直面内で)回転させることができるように取り付けられるようになっている。これについては、後で詳しく説明する。
【0034】
ブラケットBのサイドアーム7は、外側がほぼ平面状になるように構成され、ハンドヘルド色測定装置の(もう1つの)台として機能する。代わりに、または追加で、サイドアーム7に、ハウジングHの後壁2と同様に、接続部(図示せず)、特に、スタンド用のねじ式ソケットを設けることも可能である。
【0035】
全体をMで示された光電子測定部が、ハウジングH内に収容されている(図3および4)。測定窓15がハウジングHの前壁1に設けられており、測定光がこの測定窓15を通って測定部Mに進入することができる。光電子測定部は、測定対象から放射された測定光を受け取って対応する電気測定信号に変換し、これらの測定信号を処理して測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、この測定データを通信インタフェースを介して提供する。測定部Mは、様々な光学部品を有する管20、およびプリント基板30を含み、このプリント基板30上に、光学部品を介して測定光に曝され、測定光を対応する電気測定信号に変換する光電センサが配置されている。このセンサと協働する、プリント基板上の測定電子機器が、このセンサを制御しその測定信号をデジタル形式で通信インタフェース33の所で提供する。
【0036】
図11は、光電子測定部Mの特に有利な実施形態を模式的に示している。
【0037】
管20は、入力レンズ21、開口部22、拡散器23、およびセンサレンズ24を含んでいる。また、測定部Mは、カラーフィルタ25、プリント基板30上の光電子センサ31、およびデジタル測定電子機器32を有し、デジタル測定電子機器32はその一部に上記の通信インタフェース33を有している。
【0038】
開口部22は、入力レンズ21の焦点面に配置され、入射角範囲を典型的には約±4から6°に制限する。拡散器23は、開口部22上に直接配置され、測定光の偏光を解消する。拡散器23はセンサレンズ24の焦点面に配置されている。カラーフィルタ25が、そして次にこれに割り当てられたセンサ31がほぼ垂直にこの光に曝されるように、2次光源としての拡散器23から放射された光が、センサレンズ24によって無限遠に投影される。カラーフィルタ25およびセンサ31は、測定光束の経路の光軸27の近くに、光軸27を囲むように配置されている。センサ31は全部で4つ設けられ、その内の3つは、3つのカラーフィルタによって互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を与えられている。4つ目のセンサはフィルタを通さない光を受け取る。カラーフィルタ25、センサ31、拡散器23、および2つのレンズ21と24のスペクトル特性は、センサ31によって生成される測定信号が三刺激色値XYZまたはこれらの線形結合に直接対応するように構成され、および/または、相互に調整されている。
【0039】
センサ31が、電子測定部32、および通信インタフェース33で提供されるデジタル測定データによって制御される方法は、(例えば、冒頭に述べた特許文献1に記載されているように)それ自体は従来のものであり、従って、さらに詳しく述べる必要はない。
【0040】
デジタル化された測定データは、処理および/または評価のために、それ自体は周知の方法で通信インタフェース33を介して、外部装置、特に、外部のコンピュータに送ることができる。そのために、ケーブル34が、通信インタフェース33に取り付けられ、ハウジングHの上壁4を通って外に案内されている(図3および4)。通信インタフェース33は、例えば、いわゆるUSBインタフェースとして構成することができ、また同時にそれ自体は周知の方法でハンドヘルド色測定装置に電力を供給する働きをすることができる。
【0041】
また、当然ながら、光電子測定部Mは、異なる構成にし、例えば、冒頭に述べた特許文献1に記載されているように広く構成することも可能である。
【0042】
ブラケットBの互いに平行なサイドアーム7と8は、ハウジングHの下壁3および上壁4に回転可能に接合され、ハウジングHの周りを回るように回転させることができ、この際、2つの回転位置が特徴的な位置とされ、以下で周辺光位置と呼ぶ1つの回転位置では、拡散器11がハウジングHの測定窓15の正確に正面に位置するように、ブラケットBの中間部9がハウジングHの前壁1の中心に位置させられる。ブラケットBの周辺光位置は、図3で見ることができる。同様に図11は、それぞれ、拡散器11が測定窓の前に位置させられ、入力レンズ21が測定窓の後に位置させられているのを示している。以下でモニタ位置と呼ぶブラケットBの回転位置は、ハウジングHに対して周辺光位置と正反対になっている。周辺光位置とモニタ位置の間でブラケットの180°の回転運動が行われる。ブラケットBがモニタ位置にあるとき、拡散器11を含む中間部9は、ハウジングHの後壁2の中心に位置させられる。
【0043】
ブラケットBをハウジングHに回転可能に取り付けることにより、ブラケットBをモニタ位置から周辺光位置に、および周辺光位置から元のモニタ位置に回転させることができ、示している実施形態では、両方向に回転させることが可能である。モニタ位置において、および、周辺光位置において、まだ説明していない保持手段によって、ブラケットBがそれぞれの位置に(解除可能に)固定されるのが保証される。
【0044】
上記の保持手段によって既に固定されているブラケットBがそのモニタ位置と周辺光位置の間で制御されることなく動くことがないようにするため、ハンドヘルド色測定装置は、規定の回転抵抗でブラケットの回転運動を抑制する制動手段を備えている。この制動手段は、実質的に、ブラケットBの下側のサイドアーム7のための軸受スリーブ41の特別な構成である。軸受スリーブ41は、環状に並んだ複数の歯41aを有するように、軸方向に平行な複数のスリットを付けられるように構成されている。歯41aは、軸受開口43の内壁を弾性的に外側に押し、それによって、ブラケットの回転運動をある程度制動する一種のブレーキシューを形成している。また当然ながら、同様の制動手段をハンドヘルド色測定装置の上側に設けることも可能である。
【0045】
ブラケットBは、その中間部9に配置された拡散器11と共に、ハンドヘルド色測定装置を互いに異なる測定機能間で切り替える働きをする。ブラケットBがモニタ位置にある状態では、ハンドヘルド色測定装置はモニタ上での測定に使用され、測定光が、変更されることなく測定窓15を通過して光電子測定部Mに直接入る。ブラケットBが周辺光位置にあるときには、拡散器11が測定窓15の前に位置させられる。この位置では、ハンドヘルド色測定装置は周辺光の計測に使用される。
【0046】
ブラケットBがモニタ位置にあるとき、原理的には、ハンドヘルド色測定装置を、例えばプロジェクタによって照らされている投影領域の測定に使用することも可能である。しかしながらこのためには、ハンドヘルド色測定装置を図2に示すように位置させるのが、はるかに実用的であり、より有利であり、この場合、入力窓および/または測定部Mを、測定しようとする投影領域と一直線にそろえるために、垂直面内で回転させることができるようにハウジングHが取り付けられた一体的な装置台としてブラケットBが働き、この場合、ハウジングHに対するブラケットの位置は、モニタ位置と周辺光位置との間にある。前述の制動手段により、ブラケットBとハウジングHの間の相対的な回転位置は、意図せずに変更されることがないことが保証され、この際、重さに関係する回転モーメントができるだけ小さくなり、これに対応して制動手段の制動力をあまり大きくする必要がなくて済むように、ハウジングHの重心がブラケットBの回転軸線のできるだけ近くに位置することが重要な特徴である。
【0047】
ハンドヘルド色測定装置の誤った取り扱いを防ぐために、ブラケットの少なくとも周辺光位置を検出する位置センサを設けるのが有利である。そのような位置センサは、ハウジング内でその上壁または下壁の近くに配置されブラケットのサイドアームの1つに埋め込まれた磁石と協働するホールセンサによって形成するのが有利である。ハンドヘルド色測定装置用の外部の制御装置により、位置センサを評価することができ、また、例えば、ブラケットの位置に適していない測定機能をブロックすることができる。
【0048】
本発明の別の重要な態様によると、ブラケットBは、回転できるようにだけではなく、以下でさらに詳細に述べる理由により、ハウジングの前壁1および/または後壁2に垂直な方向にある程度並進運動させることができるようにハウジングHに取り付けられている。ブラケットBのピボット軸受は、第一に、ブラケットBのこの並進運動を可能にするように特別に構成されている。固定された軸受スリーブ41または42がそれぞれ、ハウジングHの下壁3および上壁4のそれぞれに合体され、および/または成形され、ブラケットBの2つのサイドアーム7および8は、これらの軸受スリーブを中心として回転することができる。細長い軸受開口43または44がそれぞれ、2つのサイドアーム7および8のそれぞれの内側に設けられ、2つの軸受スリーブの1つが軸受開口のそれぞれに係合している(図3および4)。軸受開口43および44の幅は、実質的に軸受スリーブ41および42の外径に対応し、サイドアーム7および8の長手方向に測った2つの軸受開口の長さは、これよりわずかに大きい。軸受開口43と共にサイドアーム7を内側から見て示した図7で、軸受開口の形状を最もよく見ることができる。サイドアーム7における軸受開口43は止まり穴であり、一方、サイドアーム8における軸受開口44は両側に開いており、すなわち、とぎれていない。容易に分かるように、軸受開口43および44の長さと幅の差により、ブラケットBが自由に並進運動できる最大量が決まる。
【0049】
ケーブルスリーブ35が、ハウジングHの上壁4の軸受スリーブ42、およびブラケットBのサイドアーム8の軸受開口44を通って延び、ハウジングHの上壁4にとりつけられている。ケーブル34は、ケーブルスリーブ35を通って外部に案内され、また同時にケーブルスリーブ35によって歪みを和らげられている。このため、ケーブルスリーブ35は、ブラケットBの回転軸線の領域に配置されている。
【0050】
モニタ上での計測では、測定窓がモニタの照明される領域の所に直接位置させられるように、ハンドヘルド色測定装置を適切な保持装置によりモニタに取り付けるのが普通である。本発明に係るハンドヘルド色測定装置の場合、これはケーブル34によってモニタ上にハンドヘルド色測定装置を吊り下げることにより特に簡単に可能とされる。このために、ハンドヘルド色測定装置が、対象としているモニタの照明される領域上の測定位置に吊り下げられるように、ケーブル34が図10に示すようにモニタ100の上縁上に引っ掛けて配置される。モニタ100の後側に吊り下がったケーブル部分には、ハウジングHおよび、ハウジングH内、およびハウジングH上に位置する構成部品に対する釣り合い重りを形成する重り部材36が設けられている。これによりハウジングの位置は安定し、この際、重り部材36は、様々なモニタサイズに適応するために、ケーブル34に長さ調整可能に取り付けられている。重り部材36は、このために、例えば手動で解除できるクランプを備えている。
【0051】
既に述べたように、モニタ上で計測する場合、測定窓15を有するハンドヘルド色測定装置の前壁1が、モニタの照明される領域に対してべったり横たわるように位置するように意図されている。これを、モニタおよび/またはモニタの照明される領域の傾斜に(ある程度まで)関わらず、可能にするために、ハンドヘルド色測定装置のハウジングは、その中に収容された構成部品、および、それに取り付けられている構成部品と共に、本発明の別の重要な態様による重りにより、特別にバランスを取られる。このバランス取りは、色測定装置がケーブル34によって自由に吊り下げられブラケットBがモニタ位置にされている時に、ハウジングHの前壁1が、図9に示すように、垂直線Vに対して傾斜角度αだけケーブル34の方に傾くように選択されている。前壁1のケーブル34側へ向かって上方へのこの後方への傾斜により、モニタがわずかに張り出して傾斜していても、なおも前壁1がモニタの照明される領域に平坦に位置する。傾斜角度αは、最大で約10°、好ましくは約1から2°、特に、約1.4°である。
【0052】
ハンドヘルド色測定装置のコンパクトな構成と好ましい外部形状を実現するために、ブラケットBの中間部9が、ブラケットのモニタ位置と周辺光位置の両方において、ハウジングHの後壁2または前壁1にそれぞれできるだけ近くに位置し、好ましくは後壁または前壁にそれぞれ直接接することが重要である。このために、既に述べたように、ブラケットBは、回転させることができるだけではなく、さらにハウジングの前壁1および/または後壁2に垂直な方向にある程度並進運動させることができるようにハウジングHに取り付けられている。ブラケットBのモニタ位置と周辺光位置とに関連して、並進運動がブラケットBの2つのサイドアーム7および8の長手方向に平行に行われる。ブラケットの回転運動および並進運動について、図5a、5b、6a、および6bに基づき以下に述べる。
【0053】
図5aでは、ブラケットBはモニタ位置にされている。図5bは、ブラケットBがどのようにモニタ位置から(周辺光位置の方に)回転させられるかを示しており、同時にブラケットの中間部9がハウジングの後壁2から少し離れるように動かされているのが示されている。これは、以下でさらに詳しく説明する特別なリンクガイドによって実現されている。ブラケットBがさらに180°回転すると、図6aに示すように、中間部9がハウジングの前壁1の前にある距離をおいて位置する回転位置になる。そこでブラケットBは、中間部9が前壁1に接触するまで、この回転位置から前壁の方に並進運動させられる。ブラケットの、図6bに示すこの位置が、周辺光位置である。
【0054】
ブラケットBをモニタ位置に戻すには、ブラケットが、まず図6aに示す位置まで前壁から離れるように並進運動させられる。そして、ブラケットは(一方の方向または他方の方向に)回転させられる。ブラケットは、モニタ位置に達する直前に、さらに回転させられた時にハウジングHの後壁2と側壁5および6の一方または他方との間のハウジングの縁部に引っかからないように(図5b)、後壁から十分に離される。ブラケットは、さらにモニタ位置に回転させられると、特別なリンクガイドによって再び後壁2の近くへと引っ張られる(図5a)。
【0055】
上記のリンクガイドは、ハウジングHの下壁3および上壁4のそれぞれの外側の案内リンク50、およびトラニオンの形態のリンク従動部51を有し、このリンク従動部51は、ブラケットBの2つのサイドアーム7および8の内側に配置され、および/または成形され、それぞれ案内リンク50と係合している。ブラケットBが回転させられると、リンク従動部51が案内リンク50内を案内リンク50に沿って動き、ブラケットBの対応する動きを生じさせる。
【0056】
案内リンク50は、大部分がほぼ環状に延びている。しかし、ハウジングHの後壁2に面する側に、案内リンク50は、後壁2から急に離れているくぼみ50aを有しており、そのため、ほぼハート形またはさくらんぼ形の形状になっている。くぼみ50aは、ブラケットのモニタ位置への回転運動時に、ブラケットBの中間部9がハウジングHの後壁2上へと案内され、逆に、モニタ位置からの回転運動時に、後壁から一時的に離れるように動かされることを示している。リンクガイド50は、くぼみ50aの領域でわずかに狭くなるよう構成され、これによりトラニオンの形態のリンク従動部51が挟まれる。これにより、モニタ位置にブラケットBが(解除可能に)固定される(図5a)。このようにして、くぼみ50aは、わずかに弾性のある支持要素52およびリンク従動部51と共に、ブラケットBのための保持手段を形成している。
【0057】
前壁1に面する側で、開いている案内溝53aを有する案内要素53が、案内リンク50のそれぞれに設けられている。案内要素53および/またはそれらの案内溝53aは、案内リンク50から半径方向で内向きに、前壁1に垂直に延びている。ブラケットBが、図6aに示す回転位置に動かされると、リンク従動部51が案内要素53上に軽く固定される(図6a)。そしてブラケットBが周辺光位置へと前壁1上へと押されると、リンク従動部51は案内溝53a内にスライドし、案内溝53aをわずかに広げる(図6b)。これによりブラケットBが周辺光位置に(解除可能に)固定され、すなわち、案内要素53も、リンク従動部51と共にブラケットBのための保持手段を形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを備え、該ハウジング内に光電子測定部が配置され、該光電子測定部は、測定対象から放射された測定光を前記ハウジングの前壁の測定窓を通して受光し、前記測定光を対応する電気的な測定信号に変換し、該測定信号を処理して前記測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、該デジタル測定データを通信インタフェースを介して提供するものであり、ほぼU字型のブラケットが、前記ハウジング上に配置され、ほぼ平行な2つのサイドアームと中間部を有し、前記中間部は、前記2つのサイドアームを連結しており、光学的な拡散器を設けられており、前記ブラケットをモニタ位置から周辺光位置までほぼ180°だけ回転させることができ、そしてさらにまたは逆方向に前記モニタ位置まで回転させることができるように、前記2つのサイドアームは、前記ハウジングの互いに反対側の壁に回転可能に取り付けられており、前記ブラケットが前記周辺光位置にある時には、前記ブラケットの前記中間部に配置された前記拡散器が前記ハウジングの前記前壁の前記測定窓の前に位置し、前記ブラケットが前記モニタ位置にある時には、前記拡散器は前記ハウジングの、前記前壁と反対側の後壁の所に位置しており、相互に協働する保持手段が前記ハウジングと前記ブラケットの前記2つのサイドアームに設けられ、前記ブラケットの前記モニタ位置または前記周辺光位置のそれぞれに前記ブラケットを解除可能に固定する、ハンドヘルド色測定装置。
【請求項2】
相互に協働する制動手段が、前記ハウジングおよび前記ブラケットの前記サイドアームの少なくとも1つに設けられ、前記ハウジングに対する前記ブラケットの回転運動を規定の回転抵抗で抑制する、請求項1に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項3】
前記ブラケットの前記中間部は支持底面として構成され、前記ブラケットは、前記ハウジングが、ほぼ垂直な面内で回転できるように取り付けられている一体的な装置台を形成している、請求項1または2に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項4】
前記ブラケットは、該ブラケットの前記サイドアームの長手方向に平行に限られた範囲で付加的に動かせるように前記ハウジングに取り付けられている、請求項1から3のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項5】
前記ブラケットが該ブラケットの前記モニタ位置から外れて回転運動する間に、前記ブラケットの前記中間部が同時に前記ハウジング(H)の前記後壁から一時的に持ち上げられもするように、また前記ブラケットが前記モニタ位置へと回転運動する間に、前記ブラケットの前記中間部が同時に前記ハウジングの前記後壁に向かって動かされもするように、前記ブラケットは前記ハウジングに取り付けられ可動に案内される、請求項4に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項6】
前記ハウジングの前記中間部に配置された前記拡散器が前記ハウジングの前記前壁の前記測定窓の前に離れて位置させられる回転位置で、前記ブラケットを該ブラケットの前記サイドアームの長手方向に前記ハウジングの前記前壁に向かって前記周辺光位置へと移動させることができ、すると、前記ブラケットが前記保持手段によって前記周辺光位置に固定されるように、また、前記ブラケットを該ブラケットの前記2つのサイドアームの長手方向に前記ハウジングの前記前壁から離し、前記周辺光位置から外すように前記保持手段の固定力に逆らって移動させることができるように、前記ブラケットは前記ハウジングに取り付けられ可動に案内される、請求項4に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項7】
案内リンクが前記ハウジングに設けられ、前記案内リンクに係合するリンク従動部が前記ブラケットの前記サイドアームに設けられている、請求項4から6のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項8】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルを有する、請求項1から7のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項9】
ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスをとられている、請求項8に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項10】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルを含んでいる、請求項3に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項11】
ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスがとられている、請求項10に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項12】
前記ケーブルは、該ケーブルの長手方向に調整できるように該ケーブルに取り付けられている重り部材を設けられている、請求項8に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項13】
前記ハウジングの前記後壁は、支持底面として構成され、および/またはスタンドのための接続部、特に、ねじ式ソケットを有する、請求項1から12のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項14】
前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つが台として構成されている、請求項1から13のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項15】
前記台は、スタンドと協働するよう構成されている接続部を含む、請求項14に記載のハンドヘルド色測定装置
【請求項16】
光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項1から15のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項17】
光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項3に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項18】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルをさらに備え、ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスがとられており、光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項1から17のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項19】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルをさらに備え、ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスがとられており、光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項3に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項20】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ多数の散乱中心を有する分子的な散乱材料、特に、ポリオキシメチレンから成り、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項16に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項21】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ分子的な散乱材料から成り、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項17に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項22】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ分子的な散乱材料から成り、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項18に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項23】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ分子的な散乱材料を含み、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項19に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項1】
ハウジングを備え、該ハウジング内に光電子測定部が配置され、該光電子測定部は、測定対象から放射された測定光を前記ハウジングの前壁の測定窓を通して受光し、前記測定光を対応する電気的な測定信号に変換し、該測定信号を処理して前記測定対象の色を特徴付けるデジタル測定データを生成し、該デジタル測定データを通信インタフェースを介して提供するものであり、ほぼU字型のブラケットが、前記ハウジング上に配置され、ほぼ平行な2つのサイドアームと中間部を有し、前記中間部は、前記2つのサイドアームを連結しており、光学的な拡散器を設けられており、前記ブラケットをモニタ位置から周辺光位置までほぼ180°だけ回転させることができ、そしてさらにまたは逆方向に前記モニタ位置まで回転させることができるように、前記2つのサイドアームは、前記ハウジングの互いに反対側の壁に回転可能に取り付けられており、前記ブラケットが前記周辺光位置にある時には、前記ブラケットの前記中間部に配置された前記拡散器が前記ハウジングの前記前壁の前記測定窓の前に位置し、前記ブラケットが前記モニタ位置にある時には、前記拡散器は前記ハウジングの、前記前壁と反対側の後壁の所に位置しており、相互に協働する保持手段が前記ハウジングと前記ブラケットの前記2つのサイドアームに設けられ、前記ブラケットの前記モニタ位置または前記周辺光位置のそれぞれに前記ブラケットを解除可能に固定する、ハンドヘルド色測定装置。
【請求項2】
相互に協働する制動手段が、前記ハウジングおよび前記ブラケットの前記サイドアームの少なくとも1つに設けられ、前記ハウジングに対する前記ブラケットの回転運動を規定の回転抵抗で抑制する、請求項1に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項3】
前記ブラケットの前記中間部は支持底面として構成され、前記ブラケットは、前記ハウジングが、ほぼ垂直な面内で回転できるように取り付けられている一体的な装置台を形成している、請求項1または2に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項4】
前記ブラケットは、該ブラケットの前記サイドアームの長手方向に平行に限られた範囲で付加的に動かせるように前記ハウジングに取り付けられている、請求項1から3のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項5】
前記ブラケットが該ブラケットの前記モニタ位置から外れて回転運動する間に、前記ブラケットの前記中間部が同時に前記ハウジング(H)の前記後壁から一時的に持ち上げられもするように、また前記ブラケットが前記モニタ位置へと回転運動する間に、前記ブラケットの前記中間部が同時に前記ハウジングの前記後壁に向かって動かされもするように、前記ブラケットは前記ハウジングに取り付けられ可動に案内される、請求項4に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項6】
前記ハウジングの前記中間部に配置された前記拡散器が前記ハウジングの前記前壁の前記測定窓の前に離れて位置させられる回転位置で、前記ブラケットを該ブラケットの前記サイドアームの長手方向に前記ハウジングの前記前壁に向かって前記周辺光位置へと移動させることができ、すると、前記ブラケットが前記保持手段によって前記周辺光位置に固定されるように、また、前記ブラケットを該ブラケットの前記2つのサイドアームの長手方向に前記ハウジングの前記前壁から離し、前記周辺光位置から外すように前記保持手段の固定力に逆らって移動させることができるように、前記ブラケットは前記ハウジングに取り付けられ可動に案内される、請求項4に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項7】
案内リンクが前記ハウジングに設けられ、前記案内リンクに係合するリンク従動部が前記ブラケットの前記サイドアームに設けられている、請求項4から6のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項8】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルを有する、請求項1から7のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項9】
ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスをとられている、請求項8に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項10】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルを含んでいる、請求項3に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項11】
ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスがとられている、請求項10に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項12】
前記ケーブルは、該ケーブルの長手方向に調整できるように該ケーブルに取り付けられている重り部材を設けられている、請求項8に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項13】
前記ハウジングの前記後壁は、支持底面として構成され、および/またはスタンドのための接続部、特に、ねじ式ソケットを有する、請求項1から12のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項14】
前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つが台として構成されている、請求項1から13のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項15】
前記台は、スタンドと協働するよう構成されている接続部を含む、請求項14に記載のハンドヘルド色測定装置
【請求項16】
光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項1から15のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項17】
光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項3に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項18】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルをさらに備え、ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスがとられており、光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項1から17のいずれか1つに記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項19】
前記通信インタフェースに取り付けられ前記ハウジングの上壁を通り前記ブラケットの前記2つのサイドアームのうちの1つを、実質的に当該サイドアームの回転軸線の領域で通って前記ハウジングの外に案内されているケーブルをさらに備え、ハンドヘルド色測定装置が当該ハンドヘルド色測定装置の前記ケーブルによって自由に吊り下げられ当該ハンドヘルド色測定装置の前記ブラケットが前記モニタ位置にされた場合に、前記ハウジングの前記前壁が垂直線に対し最大で約10°の傾斜角度だけ前記ケーブルの方に傾くように、当該ハンドヘルド色測定装置は当該ハンドヘルド色測定装置の重量についてバランスがとられており、光軸を形成する前記光電子測定部は、前記測定窓の領域に配置され比較的大きい直径を持つ凸状の入力レンズ、入射角の範囲を±2から10°に制限する開口部、偏光を解消する効果を持つ光学的な拡散器、センサレンズ、および、カラーフィルタを用いて互いに異なるスペクトル範囲に対して感受性を持つ少なくとも3つの光電センサから構成され、前記開口部は実質的に前記入力レンズの焦点面に位置し、前記光学的な拡散器は前記開口部のすぐ隣で、実質的に前記センサレンズの焦点面で光束の経路に配置され、前記フィルタと前記センサは前記光軸の近くに配置され実質的に平行な測定光に曝され、また、前記フィルタ、前記センサ、および前記拡散器は、前記センサにより生成される電気測定信号がCIEによる三刺激色値XYZまたはこれら三刺激色値XYZの線形結合を実質的に示すように構成されている、請求項3に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項20】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ多数の散乱中心を有する分子的な散乱材料、特に、ポリオキシメチレンから成り、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項16に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項21】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ分子的な散乱材料から成り、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項17に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項22】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ分子的な散乱材料から成り、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項18に記載のハンドヘルド色測定装置。
【請求項23】
前記拡散器は、非常に小さい散乱角を持つ分子的な散乱材料を含み、板厚0.3から0.5mmの薄板として構成され、少なくとも25%の半透明性を示し、当該拡散器を通過する光の少なくとも95%の偏光を解消する、請求項19に記載のハンドヘルド色測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−215572(P2012−215572A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−68193(P2012−68193)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(508045251)エックス−ライト ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】X−Rite Europe GmbH
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(508045251)エックス−ライト ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】X−Rite Europe GmbH
【Fターム(参考)】
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