説明

ハンドル付きバッグおよびその製造法

【課題】ハンドル付きバッグおよびその製法に関する。
【解決手段】バッグは内面および外面ならびに一対の貫通孔を有するパネルを含む。ハンドル部を有するハンドル細片はパネルの外面に隣接して設置され、かつ強化細片はハンドル細片から分離または延長し、パネルの内面に隣接して設置される。強化細片の領域は貫通孔のところでハンドル細片の領域に封止されかつパネルの内面へ封止される。バッグおよびハンドル装置を製造する方法において、複数の孔がバッグパネル用のウエブに形成され、ハンドル細片が孔へ挿通される端領域を有し、この端領域が折り畳まれ相互に対しかつウエブの反対面に対して封止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬ハンドル付きバッグおよびその製造方法に関する。本発明は、特に、プラスチックバッグに適応する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックバッグは、物を運搬する普遍的かつ実用的形態であり、かつバッグの特定機能に基づくかかるバッグの全体的形状および構造が存在する。多くのバッグは、ある種のハンドルを有する。かかるハンドルは、バッグの材料における単なる形成物であるか、またはバッグの主胴体に取り付けられかつ強度および便利さを追加する付加的要素を含む。
【0003】
米国特許出願第20060188178号は、容器壁に固定されたストラップハンドルを有するプラスチックフィルムで形成される包装容器を記載する。容器壁は内側を有しかつストラップハンドルは内側に設置される。容器壁はアクセス開口を有し、アクセス開口を介してストラップハンドルは容器の外部からアクセス可能である。プラスチックフィルムで形成された支持パッチ(patch)は容器壁に連結されかつ容器の内部に対するアクセス開口を閉鎖する。
【0004】
この構成は価値あるが、連結ハンドルを有するバッグの性能および製造可能性を改良するために更に改良が可能である。ハンドル付きバッグの設計および製造に対する従来の伝統的試みの限界および欠点は、本発明によるバッグ、およびハンドル構成もしくはハンドル装置と比較することにより当業者に明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第20060188178号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のごとく、本発明は、従来ハンドル付きバッグおよびその製法を改良することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態は、請求項1によるバッグを提供する。本発明の他の形態は、請求項14による方法を提供する。
【0008】
即ち、本発明によるバッグは、内面および外面ならびに一対の貫通孔を有するパネル、パネルの外面に隣接して設置されたハンドル部を有するハンドル細片、およびパネルの内面に隣接して設置された少なくとも一つの強化細片を含むバッグであって、前記ハンドル細片は前記貫通孔からそれぞれ突出する端に延長部を有し、かつ前記ハンドル細片の領域および少なくとも一つの強化細片の領域は前記貫通孔を介して一緒に封止されていることを特徴とする。
【0009】
好適形態において、前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片は各々が熱可塑性プラスチック材料により形成され、かつヒートシールにより共に封止されている。
【0010】
好適形態において、前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片は接着剤の層により共に封止されている。
【0011】
好適形態において、前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片の共に封止された領域は完全に前記貫通孔を閉鎖している。
【0012】
好適形態において、前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片は、ポリエチレン−ナイロン−ポリエチレンのサンドイッチ構造を含む複合層状材料により形成されている。
【0013】
好適形態において、各延長部は第一部および第二部を有し、各延長部の第二部は一対の強化細片を形成するためにそれぞれの延長部の第一部上に折り畳まれかつ封止されている。
【0014】
好適形態において、各延長部は第一部を有し、かつ延長部の一つは第二部を有し、第二部は一つの強化細片を形成するためにそれぞれの延長部の第一部上に折り畳まれかつ封止されている。
【0015】
好適形態において、少なくとも一つの強化細片は前記延長部間に延在し、延長部の少なくとも一部を被覆し、かつ延長部に封止された単一の強化細片を含む。
【0016】
好適形態において、各第一部の少なくとも一部は前記パネルの内面に封止されている。
【0017】
好適形態において、各第二部の少なくとも一部は前記パネルの内面に封止されている。
【0018】
好適形態において、前記ハンドル細片は、前記ハンドル細片がそれぞれの前記貫通孔から突出する場所で、縮小幅の部分を有し、前記ハンドル細片の縮小幅は前記貫通孔の幅に実質的同一である。
【0019】
好適形態において、前記貫通孔は所定の形状を有し、前記形状は円形、楕円形、スロット、三日月形、およびD形のいずれか一つである。
【0020】
好適形態において、前記ハンドル細片の材料、パネルの材料、ハンドル細片の領域、少なくとも一つの強化細片の領域、ハンドル細片の強化細片への封止の強度、およびハンドル細片および強化細片のバッグパネルの内面への封止の強度は、前記ハンドル上への所定重量または力テストにおいて、ハンドルがバッグ破裂前に切断するように構成されている。
【0021】
本発明によるバッグを製造する方法において、ハンドルを取り付ける方法が複数の孔をバッグウエブ材に形成し、バッグウエブ材の一面から前記孔へハンドル細片を運び、バッグウエブ材の反対面から前記孔へ強化細片を運び、かつハンドル細片を強化細片へ前記孔を介して封止することを含むことを特徴とする。
【0022】
好適なバッグ製造法によれば、ハンドル細片および強化細片を熱可塑性プラスチック材料で形成し、ハンドル細片を強化細片へヒートシールにより封止することを更に含む。
【0023】
好適なバッグ製造法によれば、強化細片を前記孔に隣接するパネルの内面に封止することを更に含む。
【0024】
好適なバッグ製造法によれば、複数の孔をバッグウエブ材に形成することが一対の孔を形成することを含み、バッグウエブ材の一面から前記孔へハンドル細片を運ぶことが、一対の孔のそれぞれを介してバッグウエブ材の一面から反対面へハンドル細片の両端で延長部を挿入することを含み、バッグウエブ材の反対面から前記孔へ強化細片を運ぶことが、延長部を折り畳み、それぞれの孔を被覆して各延長部の折り畳み部を形成することを含み、かつハンドル細片を強化細片へ前記孔を介して封止することが、折り畳み部を各延長部で相互に対しかつそのパネルの反対面へ封止して強化細片の離隔要素を形成することを含む。
【0025】
好適なバッグ製造法によれば、ハンドル細片を前記孔の幅と実質的同一の縮小幅の領域でハンドル細片を形成することを更に含む。
【0026】
好適なバッグ製造法によれば、所定形状で孔を形成することを更に含み、前記形状が円形、楕円形、スロット、三日月形、およびD形の一つである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態によるポーチバッグの上面図を示す。
【図2】本発明の実施形態によるポーチバッグの正面図を示す。
【図3】本発明の実施形態によるポーチバッグの底面図を示す。
【図4】本発明の実施形態によるバッグハンドル装置の長手断面図である。
【図5】図4のバッグハンドル装置の平面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるバッグハンドル装置の長手断面図である。
【図7】図6バッグハンドル装置の平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるバッグハンドル装置の長手断面図を示す。
【図9】図8のバッグハンドル装置の平面図である。
【図10】本発明の他の実施形態によるバッグハンドル装置の長手断面図を示す。
【図11】図10のバッグハンドル装置の平面図である。
【図12】本発明の実施形態によるバッグの製造に使用される熱可塑性プラスチックフィルムのウエブの一部を示す。
【図13】本発明の実施形態によるバッグおよびハンドルの製造に使用される熱可塑性プラスチックフィルムのウエブの一部を示す。
【図14】本発明の他の実施形態によるバッグおよびハンドルの製造に使用される熱可塑性プラスチックフィルムのウエブの一部を示す。
【図15】本発明の他の実施形態によるバッグおよびハンドルの製造法に使用される装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
解説の簡潔と明確のために、図面中に示された要素は通常スケールで示されていない。例えば、或る要素の寸法は、明確にするために他の要素に対して誇張されている。本発明の利点、機能および特徴、ならびに方法、構造の関連する要素の作用および機能、更に部品の組み合わせ、そして製造の経済性は、添付図面を参照する次の説明から明らかであり、図面の全てが明細書の一部を形成し、図面中の同様参照番号は対応する部分を示す。
【0029】
図1から3を参照すると、本発明の一実施形態によるバッグは、両端12,14、前後パネル16,17、および両側パネル20,22を有するポーチ形態を有する。バッグの端14は、プレスにより閉鎖するジッパー装置24を有し、このジッパー装置は、バッグが端12から充填される場合に製造時に選択的に封止できるが、端14の開閉を可能にする。プレスにより閉鎖するジッパー装置は選択的に他の形態、例えばスライド式ジッパー装置のような、閉鎖部材であってよい。端12は、開放されて、後の充填そして封止を可能にし、またはバッグが端14から充填される場合に製造時に封鎖される。側パネル20,22の各々は、26で示された長手に沿って折り畳まれることによりマチ領域を提供する。理解されるように、ポーチバッグは、本発明が具現化されるバッグ構造の一形態にすぎない。他の形状、閉鎖部材、折り畳み、強化、マチ、材料等を有するバッグの全てが本発明の原理を利用できる。
【0030】
側パネル20は、ブリーフケースまたはスーツケースのように片手で運べるように取り付けられたハンドル28を有する。図4および図5に示されたように、ハンドル28はハンドル細片30の一部を形成し、かつ側パネル20の外面32に隣接する。側パネル20は、一対の円形孔34を有し、その孔を通ってハンドル細片30の両端領域が突出し、両端領域の部分36は孔34を画定する側パネルの内面40の部分と接触する。図5に示されたように、ハンドル細片30は、縮小幅の場所42を有し、両端領域は孔34を貫通し、縮小幅におけるハンドル細片の幅は、円形孔34の幅に適合するように位置決めされる。両端領域は、孔34のところで折り畳まれ、かつそれぞれ部分36に対して封止された部分44を有する。更に、折り畳まれた部分44のマージン領域46は、孔34を画定する内面40の領域に対して接触封止される。この図面および続く図面において封止領域は、ハッチング断面で示されている。各孔における折り畳み部分36、44は局所的に相対的に厚くかつ強力な強化細片を有し、ハンドル細片は側パネル20と結合するように構成される。折り畳み部分は、更に、バッグの外部からの汚染の侵入、そしてバッグ内の収容物の落下に対して孔34を封鎖する作用をする。このことは、バッグが食料品を運ぶ場合に特に重要である。自明であるが、封止が重要でない場合には、ハンドルは、ハンドル固定領域の強化が犠牲にされないことを条件に、封鎖装置無しのバッグに取り付けられてよい。
【0031】
図6および7を参照すると、本発明の他の実施形態が図1から3と同様のポーチバッグを使用して示されている。図4に示されたように、ハンドル28はハンドル細片30の一部を形成しかつ側パネル20の外面32に隣接している。側パネルは一対の円形孔34を有し、そこへハンドル細片30の両端領域48が突出し、そのようにして両端領域は側パネルの内面40と接触する。図4および5の実施形態と対照的に、強化細片50は、ハンドル細片の延長部として形成されるのではなく、側パネル20の内側で完全に独立した要素として形成される。ハンドル細片の端領域の面積、および強化細片50の面積は、孔34を介して共に封鎖される。強化細片50はハンドル細片端領域よりも幅広く、かつ封止領域は孔34よりも大きく形成されて、ハンドル細片の端領域および強化細片のマージン領域は相互および内面40の領域に対して封鎖される。
【0032】
図8および9を参照すると、本発明の他の実施形態が図1から3と同様のポーチバッグを使用して示されている。この実施形態において、ハンドル細片はハンドル部および両端領域を有する。ハンドル細片は、外面32に隣接して側パネル20一側に完全に設置されている。強化細片51は、内面に隣接する側パネル20の他側に設置されている。図4の実施形態の場合と同様に、側パネル20は一対の円形孔を有し、円形孔はハンドル細片30および強化細片51の領域により被覆され、ハンドル細片および強化細片は共に円形孔を介して封止される。封止領域は円形孔よりも大きく形成され、そのようにして円形孔を取り囲む強化細片の領域は側パネル20の内面に封止される。
【0033】
図10および11を参照すると、本発明の他の実施形態が図1から3と同様のポーチバッグを使用して示されている。図5の実施形態の場合と同様に、バッグの側パネル20はハンドル28を有し、ハンドル28はハンドル細片30の一部を形成しかつ側パネル20の外面32に隣接している。側パネル20は一対の円形孔34を有し、そこを介してハンドル細片30の両端領域が突出し、それにより両端領域の部分36は円形孔34を画定する側パネルの内面の部分と接触する。図11に示されたように、ハンドル細片はV形切欠き41を側縁に有し、縮小幅の領域42を形成し、両端領域は円形孔34へ伸長し、縮小幅におけるハンドル細片の幅は円形孔34の幅に合致するように位置決めされる。ハンドル細片30は短い端領域31と長い端領域33を有する。製造時に、長い端領域33は折り畳まれ、かつそれぞれの円形孔34で部分35の各々に対して封止される。更に、折り畳まれた部分のマージン部46は、円形孔34を画定する内面40の領域と接触かつ封止し、その封止領域は図11の平面図にハッチング断面で示されている。図5の実施形態の場合のように、この構成は、折り畳まれた端領域が局所的に相対的に厚くかつ強力な強化細片を提供し、ハンドル細片がパネル20と結合するようになっている。折り畳まれた部分は、バッグの収容物の外部からの汚染の侵入に対して、またバッグ内からの収容物の落下に対して封鎖作用をする。
【0034】
本発明の実施形態の各々において、バッグ、ハンドル細片、および強化細片はヒートシール可能熱可塑性プラスチックフィルムから形成でき、封止はヒートシールにより効果的に行われる。かかる材料は、非制限例として、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ビニールポリマー等を含む。これらの材料は、低、中、高密度ポリマーであり、かつ単一または多数層複合材料であってよい。合成ラミネート材は接着剤層を含んでよい。接着剤または結合層として好適材料はMitsui PetrochemicalのADMER(登録商標)等の接着樹脂である。エチレンビニールアセテート等の封止樹脂が一定のポリマー層の封止を改良するために使用でき、かつかかる封止樹脂の使用は接着結合層の使用を不要にする。本発明は、ガスの伝達を概ね阻止するバリアを提供する、例えばEVOH(商品名)等のバリアシート(sheet)材を含むまたはそれで形成される熱可塑性プラスチックフィルムの使用を意図している。
【0035】
フィルム材料の厚みは、主として、バッグが運ばなければならない所望重量に基づいて選択され、概ね、約2から20mils(1mil=0.001インチ=0.00254cm)の範囲である。理想的には、バッグハンドルの強度およびハンドルとバッグの封止領域の強度は、過度に重い荷重または乱暴な使用による破損に対抗できる強いものである。しかしながら、食品または同様物用のバッグには、かかる重い荷重または乱暴な使用の場合に、ハンドルとバッグとの封止領域でバッグが破裂する前にハンドルが破断されることが好ましい。本発明の他の実施形態において、ハンドル細片およびバッグパネルの材料、封止領域の寸法および強度は、ハンドル上への所定重量または力テストにおいて、ハンドルがバッグ破裂前に破断するように形成される。このようにして、バッグハンドルが無くても、バッグが封止性格を保持し、バッグ内容物の損失または汚染の危険を減少する。
【0036】
熱可塑性プラスチックフィルムが構造材として好適であるが、本発明は硬質紙または厚紙等の他のシート状材料、他のシートまたはフォイル材により形成されるバッグに適用可能である。使用できる熱可塑性プラスチックまたは他のシート材のタイプはバッグに入れる目的に依存し、製造が容易であるか、印刷が容易であるか、耐水性であるか、引き裂きまたは膨張等に抵抗できる強度があるかに依存する。
【0037】
一例として、ハンドル細片および強化細片のフィルム材は、次のオーダーの熱可塑性プラスチックと接着剤の共押出交互層による二層の複合シートから形成される。1.75−1.9mils ポリエチレン、0.35−0.5mils接着剤ポリマー、0.5mils接着剤ポリマー、1.75−1.9milsポリエチレン。この複合シートは、Pliant Corporationを含む複数の押出会社から購入できる。ハンドルは、溶剤ベースまたは溶剤不要(即ち、100%固体)であってよい接着剤を使用して上述の二層の複合シートを共にラミネートすることにより作成できる。上述細片は、バッグ機能および製造可能性の観点からハンドルそして強化に必要とされる特別の性質に依存して他のフィルム材から形成できる。他の複合構造の熱可塑性プラスチックは、ポリエチレンの外層とナイロンのコア層を有する多重層状材料を有する。重合材料の選択および各材料による層の数はバッグに所望される特別の性質により選択される。従って、ポリエチレンは、良好なヒートシール特性および比較的高い強度を有する。高弾性成分を有するコポリマーポリエチレンが、ソフト・ハンドルが必要とされる場合に使用できる。ハンドル細片および強化細片の材料は、ハンドル細片がバッグパネルに設置される場合に必要とされる補強作用を達成するように選択される。例えば、熱可塑性プラスチックフィルムが使用でき、ハンドルのラインに沿ってまたは他の臨界的応力部位で特別の機械的強度を付与するように製造時に配向される。このような配向による強度は、既知のごとく、例えば、周囲温度で引っ張ることによりたまは押出時に溶融配向することにより付与される。
【0038】
シート材料による層のヒートシールおよびボンディングは、ヒートシールを実行する場所で所定時間所定温度および圧力を付与することにより達成される。特別の温度、圧力および時間がボンディング、即ち、結合されるシート材料の特別の性質に基づいて選択される。ボンディングは、典型例として、複数のボンディング・ステーションで行われ、結合された材料は続いて冷却される。ヒートシールできない硬質紙または厚紙等の材料について、接着剤がハンドル細片と強化細片間の接触領域で使用され、接着剤は、更に、強化細片とハンドル細片が、ハンドルが設置されるパネルの表面と接触する、ハンドル部以外の場所で使用され得る。
【0039】
理解されるように、本発明の原理を使用して種々の変更がバッグの設計およびハンドル構成に可能である。例えば、円形が孔34に使用されるが、この形状はバッグがハンドルにより持ち上げられるときにその孔の縁周りに力を分配する作用をすることによる。そのようにしてバッグまたはハンドル材の引き裂きの危険を減少する。しかしながら、他の形状が運搬または他の応力を減少して、ハンドル細片30と強化細片間のジョイントで所望特性を得るために、ジョイントが設けられるバッグパネルとジョイントとの関係により使用できる。従って、上記円形孔は楕円形、スロット、D形、三日月形、または他の適宜形状であってよく、波形マージンにより形成されたような、規則的または不規則な縁を有する。
【0040】
更に、好適実施形態は二つの離隔孔を有するが、二を超える数の孔が、その孔の幾つかまたは全部について、ハンドル細片および強化細片に使用できる。選択的に、多数の小さい穿孔がバッグパネルに形成され、ハンドル細片および強化細片が各接触部位でバッグパネルの格子または格子部を介して効果的に一緒に封止される。
【0041】
本発明の一実施形態によるバッグおよびハンドルの製造方法を次に説明する。本発明による製造法は図4および5に示されたバッグの形態に特に適用できる。図12に示されたように、熱可塑性プラスチックフィルム材によるバッグウエブ60はストックロールから巻き戻され、かつ数々の操作が実行される複数のステーションを介してローラ(図示せず)上に運ばれる。その操作には、(a)折り畳み、(b)切断、(c)パンチ、(d)マチ片の形成または付加、(e)強化領域の形成または付加、(f)接着剤塗布、(g)ヒートシール、(h)冷却、(i)プレスによる閉鎖または他の締結、等が含まれる。
【0042】
図示バッグウエブ60は図1から3に示された形態のポーチバッグを形成するのに適し、かつ破線で示されたようにバッグ前後パネルを形成する領域66、およびバッグの両側パネルを形成する領域68を有し、バッグ側パネルは完成バッグのマチ領域を形成する。代表例として、図4に示された種類のポーチバッグについて、マチ領域はポーチバッグの両側に形成され、一端は後の充填のために開放されるかたまは封止閉鎖され、かつ他端はプッシュ閉鎖等の閉鎖装置またはスライダ装置を具備する。かかる工程に関係する程度までの製造法の説明は、本発明の一部を形成しないしかつ詳細には説明していない。理解されるように、ポーチバッグは本発明による製造法により形成できるバッグの一形態である。他の形状、パネル、蓋、マチ、材料等を有するバッグがここに説明の本発明の方法により製造でき、形成されるバッグの特定形態により適宜変更が可能である。
【0043】
本発明の一実施形態によるハンドル装置付きバッグの製造において、かつ図12に示されたたように、連続バッグウエブ60がパンチステーションへ運ばれ、そこで一瞬停止し、かつ対の孔70がそこに穿孔される。図示されたように、孔は、側パネルマチとして機能することが意図されたバッグの部分に穿孔される。孔は円形であっても、上述のごとくハンドルに要求される、例えば強度、引き裂抵抗等の特性に依存して、異なる形状であってよい。
【0044】
図13および14を参照すると、ハンドル細片材料による連続ウエブ62は、同様に、ストックロールから巻き戻される。ハンドル細片材料によるウエブは、側運搬のために図13に外形(破線)が示され、かつ端運搬のために図14に矢印4で示されたように、一連のハンドル細片を形成するために使用される。ハンドル細片ウエブはローラ(図示せず)上からパンチステーションへ運ばれ、半円形または三角形切欠きがウエブに穿孔されて幅狭い複数の領域72が形成される。各領域72の幅はバッグウエブにおいて孔70の直径と同一に形成され、続く挿通し(threading)および自動位置決め工程を助ける。ハンドル細片は、他の形状が選択可能であるが、丸い端部を有する形態である。
【0045】
バッグウエブ60およびハンドル細片ウエブ62は、次に挿通ステーションへ給送され、そこでウエブは瞬間的に停止して、ハンドル細片30のハンドル細片ウエブ62からの分離、バッグウエブ60の懸垂部への取り付けが可能になる。一実施形態において、分離ハンドル細片は、図13に示されたように側から運ばれる。図15に示されたように、ハンドル細片62は、移送ヘッド76に対して曲折形態で載置される。ハンドル細片は移送ヘッド76で真空または他の一時的固定手段により所定位置に保持される。移送ヘッド76は、ハンドル細片の端領域76がカールして移送ヘッドから自由に突出するように形成されかつ採寸される。その製造加工時に、移送ヘッドは懸垂バッグウエブ60に向かって移動し、ハンドル細片端領域74が孔70へ挿入されるようにする。伸縮自在のグリップヘッド82はハンドルパターン片の両端部74が孔70へ挿入されるときに開放する。真空を解除する前に、各グリップヘッドは閉鎖し、かつハンドル細片のそれぞれの端領域を把持する。次に、グリップヘッドは後退して両端領域74を孔70かち引っ張りかつハンドルパターン片を引っ張り、その後にグリップヘッド82は開放する。ハンドル細片が引っ張られるにつれて、縮小幅領域72が自動的に孔79の中心に位置決めされるような位置に到達し、その後にグリップヘッド82は開放する。
【0046】
真空に代えてまたは真空に加えて、移送ヘッドの変形として、伸縮自在のコンタクト爪が移送ヘッドで使用され、ハンドル細片を移送ヘッドの指形部分に対して一時的に挟持する。その後に移送ヘッドはバッグウエブに閉鎖され、ハンドル細片端領域が孔へ挿通される。コンタクト爪は挿通運動の終了後に解放される。挿通ステーションの他の実施形態において、ハンドル細片ウエブは図14に示されたように端運搬される。異なる形態の移送ヘッドが使用され、ハンドル細片ウエブの自由端がバッグウエブの対の孔の一方へ挿通される。ハンドル細片は、そこで、ハンドル細片ウエブから取り外され、かつ移送ヘッドが取り外されたハンドル細片を曲折して、ハンドル細片の他端の対の孔の他方への挿通を可能にする。ハンドル細片のバッグウエブへの連結は真空かつ/または図15を参照して説明したものに類似のグリップヘッド装置の使用により効果的になる。
【0047】
ハンドル細片を所定位置に備えたバッグウエブは、次に、第一ヒートシールステーションへ給送される。第一ヒートシールステーションで、バッグウエブ60の下面に隣接しそこから突出する端領域74はバッグウエブに留め封止される。留め封止はバッグウエブおよびハンドル細片を続く工程のために適正配置するのに役立つ。折り畳み部を形成するために離隔孔70から突出するハンドル細片の各部において折り畳み操作が開始される。折り畳み部は、図4で要素36および44として完成形態で示されている。続くヒートシールステーションで、折り畳み部は、伸縮自在プレート装置により完全に折り畳まれ、かつ孔を封鎖かつ強化するために、孔70内に位置決めされたハンドル細片の部分に対してヒートシールされる。図4および5に示されたように、折り畳み部は、孔70に隣接して二部構成の強化細片を形成し、そこでバッグウエブに結合された細片のマージン部はその後にバッグの内側面になる。多段階ヒートシール操作は、周囲または急速冷却を伴い、強力結合を形成しかつ熱可塑性材料の劣化原因となる熱形成を制限するために使用される。図10の実施形態の場合に、離隔孔34から突出するハンドル細片部分は、相互に対して異なる長さを有する。この場合に、折り畳み装置は、封止前に相対的に長い突出部が孔34の両方を被覆する位置になるように、相対的に長い突出部のみを折り畳むように作動する。ヒートシール工程後に、単一折り畳み部が被覆する部分36と共に、孔の位置または孔の周り二重厚の封止領域を形成する。
【0048】
ヒートシール操作において、ヒートシール領域は、折り畳んだ材料の一部が自由にならないように、折り畳んだ領域の全領域上に広がるように形成される。ハンドル細片または強化細片材の自由部は、弱点源または空気および汚染侵入源となるので望ましくない。更に、ハンドル細片または強化細片材の自由部は、バッグ形成の後の工程でハンドルを含むパネルがマチ領域を形成するために折り畳まれる場合に特に望ましくない過度に嵩高い材料になり得る。
【0049】
全結合操作において、ヒートシールまたは接着剤によりチャンネル漏洩を回避することが重要である。チャンネル漏洩は、バッグ収容物がペットフード等の食料である場合に、後にバッグの収容物を攻撃しかつ品質を悪化させる昆虫、空気、湿気の侵入源になる。チャンネル漏洩源の一つは、結合される材料の皺である。熱可塑性プラスチックの場合に、皺およびチャンネル漏洩は、良好な熱流特性を有する熱可塑性プラスチック材料が確実に使用されることにより最小限になる。例えば、高い熱流は、ポリエチレン層の弾性ポリエチレン成分を増加することにより得られ、通常ポリエチレンおよび弾性ポリエチレンは適したコポリマーを形成する。しかしながら、弾性成分は最終材料の機械化に悪影響を与えるようには形成されない。弾性ポリエチレンの適当パーセンテージは23%である。
【0050】
図6から9のバッグおよびハンドル形態は、上述の加工工程に類似の加工工程を使用して形成されるが、当業者に理解されるように、バッグおよびハンドル装置の特別設計に仕立てられてよい。
【0051】
バッグに関する本発明による上述の実施形態において、ハンドルを取り付けるパネルはマチとして機能する。理解されるように、ハンドルはバッグのいずれかのパネルに取り付けられ得る。例えば、ハンドルは側パネル、端パネル、または下パネルにおいて図1から3の例示バッグの端12に位置決めされ得る。
【0052】
バッグおよびハンドル装置の種々の実施形態および製造法について説明したが、かかる装置および方法は従来技術から本発明を識別させる特徴を有する。バッグおよびここに開示の製法は色々な方法で変更可能であり、好適形態以外の多くの形態が含まれると仮定され得る。従って、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内で本発明の変更が含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0053】
20 側パネル
28 ハンドル
30 ハンドル細片
34 孔
36,44 折り畳まれた部分
50,51 強化細片
60 バッグウエブ
62 ハンドル細片ウエブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面および外面ならびに一対の貫通孔を有するパネル、
パネルの外面に隣接して設置されたハンドル部を有するハンドル細片、および
パネルの内面に隣接して設置された少なくとも一つの強化細片を含むバッグであって、
前記ハンドル細片は前記貫通孔からそれぞれ突出する端に延長部を有し、
前記ハンドル細片の領域および少なくとも一つの強化細片の領域は前記貫通孔を介して一緒に封止されているバッグ。
【請求項2】
前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片は各々が熱可塑性プラスチック材料により形成され、かつヒートシールにより共に封止されている、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片は接着剤の層により共に封止されている、請求項1に記載のバッグ。
【請求項4】
前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片の共に封止された領域は完全に前記貫通孔を閉鎖している、請求項1に記載のバッグ。
【請求項5】
前記ハンドル細片および少なくとも一つの強化細片は、ポリエチレン−ナイロン−ポリエチレンのサンドイッチ構造を含む複合層状材料により形成されている、請求項2に記載のバッグ。
【請求項6】
各延長部は第一部および第二部を有し、各延長部の第二部は一対の強化細片を形成するためにそれぞれの延長部の第一部上に折り畳まれかつ封止されている、請求項1に記載のバッグ。
【請求項7】
各延長部は第一部を有し、かつ延長部の一つは第二部を有し、第二部は一つの強化細片を形成するためにそれぞれの延長部の第一部上に折り畳まれかつ封止されている、請求項1に記載のバッグ。
【請求項8】
少なくとも一つの強化細片は前記延長部間に延在し、延長部の少なくとも一部を被覆し、かつ延長部に封止された単一の強化細片を含む、請求項1に記載のバッグ。
【請求項9】
各第一部の少なくとも一部は前記パネルの内面に封止されている、請求項6から8のいずれか一に記載のバッグ。
【請求項10】
各第二部の少なくとも一部は前記パネルの内面に封止されている、請求項6から9のいずれか一に記載のバッグ。
【請求項11】
前記ハンドル細片は、前記ハンドル細片がそれぞれの前記貫通孔から突出する場所で、縮小幅の部分を有し、前記ハンドル細片の縮小幅は前記貫通孔の幅に実質的同一である、請求項1から10のいずれか一に記載のバッグ。
【請求項12】
前記貫通孔は所定の形状を有し、前記形状は円形、楕円形、スロット、三日月形、およびD形の一つである、請求項1から11のいずれか一に記載のバッグ。
【請求項13】
前記ハンドル細片の材料、パネルの材料、ハンドル細片の領域、少なくとも一つの強化細片の領域、ハンドル細片の強化細片への封止の強度、およびハンドル細片および強化細片のバッグパネルの内面への封止の強度は、前記ハンドル上への所定重量または力テストにおいて、ハンドルがバッグ破裂前に切断するように構成されている、請求項1から12のいずれか一に記載のバッグ。
【請求項14】
バッグを製造する方法において、ハンドルを取り付ける方法が複数の孔をバッグウエブ材に形成し、バッグウエブ材の一面から前記孔へハンドル細片を運び、バッグウエブ材の反対面から前記孔へ強化細片を運び、かつハンドル細片を強化細片へ前記孔を介して封止することを含む、バッグ製造法。
【請求項15】
ハンドル細片および強化細片を熱可塑性プラスチック材料で形成し、ハンドル細片を強化細片へヒートシールにより封止することを更に含む、請求項14のバッグ製造法。
【請求項16】
強化細片を前記孔に隣接するパネルの内面に封止することを更に含む、請求項15のバッグ製造法。
【請求項17】
複数の孔をバッグウエブ材に形成することが一対の孔を形成することを含み、
バッグウエブ材の一面から前記孔へハンドル細片を運ぶことが、一対の孔のそれぞれを介してバッグウエブ材の一面から反対面へハンドル細片の両端で延長部を挿入することを含み、
バッグウエブ材の反対面から前記孔へ強化細片を運ぶことが、延長部を折り畳み、それぞれの孔を被覆して各延長部の折り畳み部を形成することを含み、かつ
ハンドル細片を強化細片へ前記孔を介して封止することが、折り畳み部を各延長部で相互に対しかつそのパネルの反対面へ封止して強化細片の離隔要素を形成することを含む、請求項14または15のバッグ製造法。
【請求項18】
ハンドル細片を前記孔の幅と実質的同一の縮小幅の領域でハンドル細片を形成することを更に含む、請求項14から17のいずれか一に記載のバッグ製造法。
【請求項19】
所定形状で孔を形成することを更に含み、前記形状が円形、楕円形、スロット、三日月形、およびD形の一つである、請求項14から18のいずれか一に記載のバッグ製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−63882(P2010−63882A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−203017(P2009−203017)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(509247397)ピール プラスチック プロダクツ リミティド (1)
【Fターム(参考)】