説明

ハンマグラブ式の掘削装置

【課題】簡易な構造で確実に排土を把み得るハンマグラブ式の掘削装置を提供する。
【解決手段】スライドブロック14を第2位置に保持することが可能で、かつ、落下衝突した際にグラブバケットが地盤内に侵入した場合に、スライドブロック14が第1位置に移動するのを許容するブロック動作制御機構30を設け、落下衝突した際にグラブバケットが排土を把んだ場合にグラブバケットが閉じ、一方、落下衝突した際にグラブバケットが排土を把んでいない場合にグラブバケットの開状態を保持できるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンマグラブ式の掘削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、立坑掘削の際に使用されるハンマグラブやクラムシェルバケットなどが提案されている。
【特許文献1】特開2006−348469(要約書)
【特許文献2】特開2008−31803(要約書)
【特許文献3】特開平7−217357(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1および2に示すハンマグラブは、図6Bに示すように、開閉機構5を備えている。開閉機構5によりグラブバケット3が二点鎖線で示す開状態に保持され地盤に落下衝突される。前記落下衝突の際に第1吊り具11が緩んだ後、第1吊り具11を引き上げることにより、前記開閉機構5によって実線で示すようにグラブバケット3が閉状態に移行し排土を把む。
【0004】
しかし、固い岩盤やコンクリートなどの層では、グラブバケット3が地盤やコンクリート層に食い込み難い場合がある。かかる場合には、グラブバケット3が排土を把むことなくハンマグラブ1が地上に引き上げられる。そのため、一旦引き上げた空のハンマグラブ1を再び開状態に移行させた後、再度、地中に下ろすことを繰り返すことになるので、作業効率が著しく低下する。特に、深く掘削を行っている場合には、ハンマグラブ1の上げ下ろしに時間が掛かり作業効率が大きく低下する。
【0005】
一方、特許文献3のクラムシェルバケットは、ケーシングチューブ内に配置されている。ケーシングチューブには、該ケーシングチューブを押し込むための押込機構が設けられている。クラムシェルバケットは、伸縮可能な柱の先端側に一組のクラムシェルを開閉可能に設けられている。
前記クラムシェルバケットを地中に降ろした後、前記押込機構によりケーシングチューブが地中に向って押し込まれると、ケーシングチューブによって柱の後端側が押されて該柱が縮小し、クラムシェルが閉じて排土を把む。
しかし、前記ケーシングチューブにクラムシェルバケットを係合させる機構や、伸縮可能な柱などを設ける必要があり装置が複雑になる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、簡易な構造で確実に排土を把み得るハンマグラブ式の掘削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記主目的を達成するために、本発明のハンマグラブ式の掘削装置は、一対のグラブが開閉するグラブバケットと、前記グラブバケットの上方で前記グラブバケットを開閉可能に支持するハンマヘッドと、前記ハンマヘッドに対し上下に摺動可能なスライドブロックと、前記ブロックの上部に嵌合するクラウンと、前記クラウンおよびスライドブロックを貫通し前記グラブバケットを開閉する開閉機構に連結された可撓性の第1吊り具と、前記クラウンを吊持する第2吊り具と、前記スライドブロックを下方の第1位置に付勢するスライドスプリングと、前記ハンマヘッドに設けられ前記スライドブロックを上方の第2位置に保持するヘッドラッチと、前記クラウンに設けられ前記第2吊り具で前記クラウンを引き上げる際に前記スライドブロックに係合するクラウンラッチと、前記第1吊り具に固定され前記ヘッドラッチに係脱する掛金とを備え、前記第1吊り具に前記開閉機構を介して前記グラブバケットが負荷されて前記スライドブロックが第2位置に保持された状態では前記グラブバケットが開状態に保持され、これにより、前記開状態のグラブバケットを地盤に落下衝突させることが可能で、前記落下衝突した際に前記第1吊り具が緩んで前記スライドブロックが第1位置となり前記グラブバケットが閉じ排土を把むことが可能で、前記クラウンの前記クラウンラッチを前記スライドブロックに係合させて、前記第2吊り具を介して前記開状態を保持しながらグラブバケットを移動することが可能で、かつ、前記第1吊り具に前記開閉機構を介して前記グラブバケットが負荷されて前記スライドブロックが再び前記第2位置に保持されることで、前記排土を保持したグラブバケットを開放させることが可能なハンマグラブ式の掘削装置において、前記スライドブロックを前記第2位置に保持することが可能で、かつ、前記落下衝突した際に前記グラブバケットが地盤内に侵入した場合に、前記スライドブロックが前記第1位置に移動するのを許容するブロック動作制御機構を設け、前記落下衝突した際に前記グラブバケットが排土を把んだ場合に前記グラブバケットが閉じ、一方、前記落下衝突した際に前記グラブバケットが排土を把んでいない場合に前記グラブバケットの開状態を保持できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、落下衝突した際に前記グラブバケットが排土を把んでいない場合に前記グラブバケットの開状態を保持できるようにしたので、グラブバケットが排土を把むまで何度もハンマグラブを落下衝突させることが可能である。そのため、グラブバケットが確実に排土を把んだ状態で引き上げることができるので、作業効率が大幅に向上する。
また、ケーシングチューブにクラムシェルバケットを係合させる機構や、伸縮可能な柱などを設ける必要がないので、構造が簡単になり安価に製造することができる。
【0009】
本発明の好適な実施例では、前記ブロック動作制御機構は、前記スライドブロックを上方の第2位置で保持するための保持具と、前記グラブバケットが排土を把んだ場合に、当該排土からの力を受けて前記保持具の保持を解放し、前記スライドブロックを下方の第1位置に移動可能とするトリガ部とを備えている。
本態様によれば、一般的なハンマグラブ式の掘削装置に保持具とトリガ部を設けることにより生産効率が向上すると共に、安価に生産可能である。
【実施例】
【0010】
まず、一般的なハンマグラブ式の掘削装置および掘削方法について説明する。
図7に示すように、ハンマグラブ式の掘削装置(ハンマグラブ)1は、略円筒形のグラブ本体2と、該グラブ本体2の下端部に取り付けられた一対のグラブ3aが開閉するグラブバケット3を備えている。グラブ本体2の下部には、排土が侵入する排土侵入部2aが形成されている。
【0011】
ハンマグラブ1は、図7に示すように、グラブ3aが互いに開いた開状態で落下され、グラブバケット3を地盤に衝突させてグラブ3aにより地盤を掘削した後、図8Aに示すように、グラブ3aを互いに近接した閉状態に移行させて排土を保持した状態で地上に持ち上げ、再びグラブ3aを開状態に移行させてグラブバケット3を開放させ、該排土を地上に排出する。
【0012】
以下、ハンマグラブ1の各部について説明する。
開閉機構5:
前記グラブバケット3は、開閉機構5を介して、図7に示す前記開状態と、図8Aに示す前記閉状態とに移行される。
前記開閉機構5は、たとえば、図7に示すリンク機構40、図示しない滑車およびスプリングなどを備えている。グラブバケット3は、前記スプリングにより図7に示す開状態に付勢されている。
【0013】
図6Bに示すように、開閉機構5には、たとえばワイヤーロープからなる第1吊り具11が接続されている。後述するように、第1吊り具11を引き上げると、図8Aに示すリンク機構40および前記滑車を介してグラブバケット3が閉状態に移行する。
前記開閉機構としては、たとえば、特開2008−31803に記載のハンマグラブの開閉機構を用いることができる。
【0014】
ハンマヘッド10:
グラブ本体2の上部には、グラブバケット3を開閉可能に支持するハンマヘッド10が接合されている。ハンマヘッド10には、以下に説明するように、前記グラブバケット3を開状態または閉状態に移行させると共に、各状態を保持するための機構が設けられている。
【0015】
図1Aに示すように、ハンマヘッド10内には、該ハンマヘッド10に対し上下方向Zに摺動可能な略円筒形のスライドブロック14が設けられている。前記第1吊り具11は、スライドブロック14を貫通して前記開閉機構5(図6B)に連結されている。
【0016】
ハンマヘッド10とスライドブロック14との間にはスライドスプリング18が設けられている。前記スライドスプリング18は、ハンマヘッド10の下端部と、前記スライドブロック14の下端部に形成された鍔部14dとの間に係止されている。
【0017】
図1Bに示すように、スライドスプリング18が伸張した場合には、ハンマヘッド10の上端部10aに、スライドブロック14の周囲に形成された係止部14aが接触し、スライドブロック14が第1位置に相対移動される。
一方、図1Aに示すように、スライドスプリング18が収縮された場合には、ハンマヘッド10の下端と前記スライドブロック14の鍔部14dとの間でスライドスプリング18が収縮し、スライドブロック14が第2位置に相対移動される。
【0018】
図1Aおよび図1Bに示すように、ハンマヘッド10には、複数のヘッドラッチ16が設けられている。各ヘッドラッチ16は、ヘッドラッチピン17を中心に回動自在にそれぞれ設けられている。一方、第1吊り具11には、前記ヘッドラッチ16に係脱する掛金12が固定されている。
【0019】
図1Aに示すように、スライドブロック14が前記第2位置に移行した場合には、ヘッドラッチ16の先端部分がスライドブロック14内に突出し、該ヘッドラッチ16に掛金12が係合することにより、スライドブロック14に対する第1吊り具11の上昇が規制される。スライドブロック14が前記第2位置に保持されることにより、図7に示すように、開閉機構5によりグラブバケット3が開状態に保持される。
【0020】
一方、図1Bに示すように、スライドブロック14が前記第1位置に移行すると、ヘッドラッチ16が回動し、ヘッドラッチ16の先端部分のスライドブロック14内への突出が解除されることにより、図2Aに示すように、掛金12の上昇が許容される。掛金12の上昇が許容されることより、スライドブロック14に対して第1吊り具11が引き上げられ、図8Aに示すように、前記開閉機構5によりグラブバケット3が閉状態に保持される。
【0021】
したがって、前記スライドブロック14が第2位置に保持された状態では、グラブバケット3は図7に示す開状態に保持されている。第1吊り具11を急激に緩めると、ハンマグラブ1が下降して開状態のグラブバケット3が地盤に落下衝突し、グラブ3aが該地盤内に侵入する。
【0022】
前記グラブバケット3が地盤に落下衝突した際には、第1吊り具11が緩み、スライドブロック14が、図1Bに示す前記第1位置に移行する。その後、図2Aに示すように第1吊り具11を引き上げると、図8Aに示すリンク機構40および前記滑車を介してグラブバケット3が前記閉状態に移行すると共に、グラブバケット3が当該閉状態に保持されたままハンマグラブ1が地上に引き上げられる。
したがって、開状態のグラブバケット3を地盤に落下衝突させた後、グラブバケット3を閉じてグラブバケット3および排土侵入部2a内に排土を把んだ状態でハンマグラブ1を上昇させることにより、地盤の掘削を行うことができる。
【0023】
クラウン20:
前記閉状態のグラブバケット3を再び開状態に移行させて、グラブバケット3および排土侵入部2a内の排土を排出するにはクラウン20を用いる。
前記排土の排出を行うには、図2Bに示すように、スライドブロック14の上方に、該スライドブロック14の上部に係合するクラウン20を降ろす。
【0024】
略円筒形のクラウン20の上部には、支持部26が形成されている。前記支持部26には、クラウン20を吊持するための一対の第2吊り具22が係止されている。第2吊り具22としては、たとえば、ワイヤーロープやチェーンなどを用いることができる。
一方、前記第1吊り具11は、クラウン20およびスライドブロック14を貫通し、グラブバケット3を開閉する開閉機構5(図6B)に連結されている。
【0025】
クラウン20には複数のクラウンラッチ24が設けられている。前記各クラウンラッチ24はクラウンラッチピン25を中心にそれぞれ回動可能に設定されている。一方、クラウン本体21の下部の周囲には、クラウンラッチ24の径方向(クラウン20の外周方向)の端部に係合する錘23が上下方向Zに摺動可能に設けられている。
【0026】
スライドブロック14が前記第1位置の状態において、前記クラウンラッチ24の径方向の端部が、錘23に形成された係合孔27の上部に係合することにより、錘23の重さによりクラウンラッチ24が図2Bに示すように開き、スライドブロック14の先端部分14cがクラウン20内を通過するのを許容する。
【0027】
前記クラウン20を下降させて、図3Aに示すように、クラウン20の錘23の底部がハンマヘッド10のヘッド本体13に接触すると、錘23が上方Z2に相対移動し、クラウンラッチ24の径方向の端部が錘23の係合孔27の下部に接触することで、クラウンラッチ24がクラウンラッチピン25を中心に回動し、クラウンラッチ24の先端部がクラウン20内に突出する。
【0028】
その後、図3Bに示すように、第2吊り具22を引き上げるとスライドブロック14の上部に形成された係合部14bとクラウンラッチ24の先端部とが係合する。
【0029】
図4Aに示すように、前記クラウン20がスライドブロック14に係合した状態で、第1吊り具11を若干緩めると、スライドブロック14がクラウン20に支持される。スライドブロック14がクラウン20に支持されることにより、グラブ本体2に接合されたハンマヘッド10に該グラブ本体2の重量が掛かり、ハンマヘッド10がスライドブロック14に対して下降し、該スライドブロック14が前記第2位置に移動される。スライドブロック14が前記第2位置に移動することにより、クラウン20の下端部とハンマヘッド10の上端部との間に隙間が生じる。
前記ハンマヘッド10の下降により、ヘッドラッチ16が回動し、スライドブロック14内に該ヘッドラッチ16の先端部が突出する。なお、ヘッドラッチピン17は前記第2状態において、図4Bに示すヘッドラッチピン17の先端部が突出した状態になるように、偏心した位置に設定されている。
【0030】
図4Bに示すように、さらに、第1吊り具11を緩めると、掛金12がヘッドラッチ16を二点鎖線で示すように回動させて第1吊り具11が下方に移動する。第1吊り具11の下降により、図7に示すグラブ本体2の前記スプリングが伸張し、グラブバケット3が開状態に移行され、グラブバケット3および排土侵入部2a内の排土が排出される。
【0031】
その後、第1吊り具11を引き上げると、図5Aに示すように、ヘッドラッチピン17の先端部に掛金12が係合し、前記グラブバケット3の開状態が保持される。
【0032】
再びハンマグラブ1による掘削を行うために、クラウン20とスライドブロック14との係合を解き、ハンマグラブ1からクラウン20を外す。
図5Aに示すように、スライドブロック14が前記第2位置の状態において、第1吊り具11を引き上げると、クラウン20に対してスライドブロック14が上昇し、スライドブロック14の係合部14bとクラウンラッチピン25との係合が外れる。その後、図5Bに示すように、グラブ本体2を第1吊り具11によって支持した状態で第2吊り具22を若干上昇させると、錘23に対してクラウン本体21が上昇し、クラウンラッチ24の径方向の端部が前記係合孔27の上部に係合することにより、クラウンラッチ24の径方向の端部が押されて、該クラウンラッチ24が回動され、クラウンラッチ24が開く。
図6Aに示すように、更にクラウン20を上昇させると、係合部14bがクラウンラッチ24に係合することなくハンマヘッド10からクラウン20を外すことができる。
【0033】
その後、再び、図1aに示す開状態のグラブバケット3を地盤に落下衝突させて地盤の掘削を行う。
【0034】
ブロック動作制御機構30:
つぎに、本発明の要部について説明する。
図7に示すように、グラブ本体2にはブロック動作制御機構30が設けられている。
前記ブロック動作制御機構30は、保持具35、ワイヤ32、スプリング33およびトリガ部34を備えている。
【0035】
図9Aに示す保持具35は、回動中心31を中心に回動可能に設けられており、そのスライドブロック14の鍔部14d側の先端部には、該鍔部14dに係合する係止部35aが設けられていると共に、その後端部35bには前記ワイヤ32が取り付けられている。
前記ワイヤ32は、図7に示すトリガ部34の上端部に固定されている。
前記トリガ部34は、その下部がグラブ本体2の排土侵入部2a内に突出して設けられている。トリガ部34は、その上端部が前記スプリング33によって下方向Z1に向って付勢されている。
なお、ワイヤ32は、保護パイプ36内を摺動自在に設けられている。
その他の構成は、前述した一般的なハンマグラブ1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
ハンマグラブ1が地盤に落下衝突し、排土侵入部2a内に排土が侵入すると、図8Aに示すように、該排土によってトリガ部34が上昇しワイヤ32が緩む。
【0037】
前記ワイヤ32の緩みにより、図9Bに示すように、保持具35が回動中心31を中心に回動し、鍔部14dとの係合が解け、スライドブロック14が前記第1位置に移行する。
前記スライドブロック14の移行により、ヘッドラッチ16が回動し、ヘッドラッチ16の先端部分のスライドブロック14内への突出が解除されることにより、掛金12の上昇が許容される。したがって、第1吊り具11が引き上げられ、図8Aに示すように、前記開閉機構5によりグラブバケット3が閉状態に保持される。
【0038】
一方、地盤が硬く、前記排土侵入部2a内に排土が侵入していない場合には、図7のトリガ部34が上昇しないので、図9Aのスライドブロック14が第2位置に保持されたままになる。そのため、排土侵入部2a内に排土が侵入するまで、グラブバケット3を開状態を維持したまま、第1吊り具11の上昇と下降とを繰り返して、何度も地盤にハンマグラブ1を衝突落下させることができる。
したがって、グラブバケット3が排土を十分に把むまで、図7のグラブバケット3が開状態を維持されるので、該グラブバケット3が確実に排土を把むことができる。
【0039】
その後、前記グラブバケット3が排土を把んで引き上げられ、該排土を破棄するためにグラブバケット3が開状態に移行されると、前記スプリング33によって、図8Aのトリガ部34が上昇した状態から、図7のトリガ部34が下降した状態に移行する。該トリガ部34の移行により、図9Aに示すように、保持具35の係止部35aがスライドブロック14の鍔部14dを下方から支持する位置に戻り、スライドブロック14が前記第2位置に保持される。
【0040】
なお、ブロック動作制御機構としては、グラブバケット3が排土を把んだ場合に該グラブバケット3が閉じ、一方、落下衝突した回動中心31にグラブバケット3が排土を把んでいない場合にグラブバケット3の開状態を保持できる機構であればよく、前述した機構の他に種々の機構を採用することができる。
たとえば、図8Bに示すような油圧機構を採用してもよい。
図8Bに示すように、保持具35には、該保持具35を回動するためのバー38が接続されている。前記バー38とトリガ部34には、それぞれ油圧シリンダ37が設けられている。両油圧シリンダ37,37間は油圧パイプ36により互いに接続されている。
ハンマグラブ1が地盤に落下衝突し、侵入部2a(図8A)内に排土が侵入すると、トリガ部34が上昇し、油圧シリンダ37および油圧パイプ36からなる油圧機構を介してバー38が上昇することにより、保持具35が回転される。保持具35の回転によりグラブバケット3が閉状態に移行する。
なお、グラブバケット3が再び開状態に移行し、保持具35を初期状態に移行させるには、スプリング(図示せず)をバー38側またはトリガ部34側に設け、該スプリングの伸張によりトリガ部34を下降させ、保持具35を初期状態まで回動させる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明はハンマグラブ式の掘削装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】一般的なハンマグラブ式の掘削装置のハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図である。
【図2】同ハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図である。
【図3】同ハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図である。
【図4】同ハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図である。
【図5】同ハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図である。
【図6】図6Aはハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図、図6Bは一般的なハンマグラブ式の掘削装置を示す概略側面図である。
【図7】本発明のハンマグラブ式の掘削装置を示す概略側面図である。
【図8】図8Aは同掘削装置を示す概略側面図、図8Bはブロック動作制御機構の変形例を示す概略側面図である。
【図9】同ハンマヘッド部分の動作を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1:ハンマグラブ
3:グラブバケット
3a:グラブ
5:開閉機構
10:ハンマヘッド
11:第1吊り具
12:掛金
14:スライドブロック
16:ヘッドラッチ
18:スライドスプリング
20:クラウン
22:第2吊り具
24:クラウンラッチ
30:ブロック動作制御機構
34:トリガ部
35:保持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のグラブが開閉するグラブバケットと、
前記グラブバケットの上方で前記グラブバケットを開閉可能に支持するハンマヘッドと、
前記ハンマヘッドに対し上下に摺動可能なスライドブロックと、
前記ブロックの上部に嵌合するクラウンと、
前記クラウンおよびスライドブロックを貫通し前記グラブバケットを開閉する開閉機構に連結された可撓性の第1吊り具と、
前記クラウンを吊持する第2吊り具と、
前記スライドブロックを下方の第1位置に付勢するスライドスプリングと、
前記ハンマヘッドに設けられ前記スライドブロックを上方の第2位置に保持するヘッドラッチと、
前記クラウンに設けられ前記第2吊り具で前記クラウンを引き上げる際に前記スライドブロックに係合するクラウンラッチと、
前記第1吊り具に固定され前記ヘッドラッチに係脱する掛金とを備え、
前記第1吊り具に前記開閉機構を介して前記グラブバケットが負荷されて前記スライドブロックが第2位置に保持された状態では前記グラブバケットが開状態に保持され、これにより、前記開状態のグラブバケットを地盤に落下衝突させることが可能で、
前記落下衝突した際に前記第1吊り具が緩んで前記スライドブロックが第1位置となり前記グラブバケットが閉じ排土を把むことが可能で、
前記クラウンの前記クラウンラッチを前記スライドブロックに係合させて、前記第2吊り具を介して前記開状態を保持しながらグラブバケットを移動することが可能で、かつ、
前記第1吊り具に前記開閉機構を介して前記グラブバケットが負荷されて前記スライドブロックが再び前記第2位置に保持されることで、前記排土を保持したグラブバケットを開放させることが可能なハンマグラブ式の掘削装置において、
前記スライドブロックを前記第2位置に保持することが可能で、かつ、前記落下衝突した際に前記グラブバケットが地盤内に侵入した場合に、前記スライドブロックが前記第1位置に移動するのを許容するブロック動作制御機構を設け、
前記落下衝突した際に前記グラブバケットが排土を把んだ場合に前記グラブバケットが閉じ、一方、前記落下衝突した際に前記グラブバケットが排土を把んでいない場合に前記グラブバケットの開状態を保持できるようにしたことを特徴とするハンマグラブ式の掘削装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ブロック動作制御機構は、
前記スライドブロックを上方の第2位置で保持するための保持具と、
前記グラブバケットが排土を把んだ場合に、当該排土からの力を受けて前記保持具の保持を解放し、前記スライドブロックを下方の第1位置に移動可能とするトリガ部とを備えたハンマグラブ式の掘削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−287367(P2009−287367A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144377(P2008−144377)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(306017612)株式会社坂本建機 (1)
【出願人】(507213868)
【Fターム(参考)】