説明

ハードディスクドライブ内のシャットダウン中のパルス電力

【課題】ハードディスクドライブ内のシャットダウン中のパルス電力を提供する。
【解決手段】動作電圧範囲内で動作するように構成された書き込み構成要素と、充電キャパシタを備えた充電回路とを含むHDD。充電キャパシタは、充電時、動作電圧範囲よりも高い電圧を含む。HDDは、書き込み構成要素の被制御シャットダウン中に、残りのデータセクタビットが書き込まれるように、被制御シャットダウン中に動作電圧範囲内で電力を充電回路から書き込み構成要素にパルスするように構成されたパルス回路も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブ内のシャットダウン中のパルス電力に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)には、データが磁気ヘッドにより、回転する磁気ディスク上に書き込まれる。ユーザデータは、512バイトの個々のセクタの単位で磁気ディスク上に書き込まれる。通常、HDDは、ホスト装置からの5Vの電源電圧が供給されることにより動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
場合によっては、HDDへの電源電圧が遮断されることがある。電源電圧が遮断した場合、ユーザデータ(または残りのユーザデータ)を書き込むための時間は限られる。特に、ハードウェアがリセットする前に(不十分な電圧により)、ユーザデータ(または残りのユーザデータ)を個々のセクタに書き込むために十分な時間がない場合がある。したがって、ユーザデータが損失または破損する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のハードディスクドライブは、動作電圧範囲内で動作するように構成された書き込み構成要素と、充電キャパシタを備えた充電回路であって、前記充電キャパシタは、充電時、前記動作電圧範囲よりも高い電圧を備える、充電回路と、前記書き込み構成要素のシャットダウン制御(被制御シャットダウン)中に残りのデータセクタビットが書き込まれるように、前記シャットダウン制御中に前記動作電圧範囲内で電力を前記充電回路から前記書き込み構成要素にパルスするように構成されたパルス回路と、を備える。
【発明の効果】
【0005】
上記本発明によると、ユーザデータの損失または破損を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態によるHDDの一例を示す。
【図2A】従来の技術を示す。
【図2B】従来の技術を示す。
【図3】本発明の実施形態による回路を示す。
【図4】本発明の実施形態による、シャットダウン中にパルス電力を提供するアルゴリズムの一例を示す。
【図5】本発明の実施形態によるHDDの信号を示す。
【図6】本発明の実施形態による、シャットダウン中にパルス電力を提供する方法のフローチャートの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本説明において参照される図面は、特記される場合を除き、一定の縮尺で描かれているものとして理解されるべきではない。
【0008】
これより、例を添付図面に示して本技術の実施形態を詳細に述べる。本技術について様々な実施形態と併せて説明するが、本技術をこれら実施形態に限定することが意図されないことが理解されよう。逆に、本技術は、添付の特許請求の範囲により定義される様々な実施形態の主旨および範囲内に含まれ得る代替、変更、および均等物の包含が意図される。
【0009】
さらに、以下の実施形態の説明において、本技術の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記される。しかし、本技術は、これら特定の詳細なしで実施してもよい。場合によっては、本実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように、周知の方法、手順、構成要素、および回路については詳細に説明しなかった。
【0010】
これより図1を参照して、コンピュータシステムの磁気ハードディスクファイルまたはHDD100を含む情報記憶システムの一実施形態の概略図を示すが、1つのみのヘッドおよび1枚のみのディスク表面の組み合わせを示す。1つのヘッド−ディスク組み合わせに関してここで説明することは、複数のヘッド−ディスク組み合わせに対しても当てはまることである。換言すれば、本技術はヘッド−ディスク組み合わせの数とは無関係である。別の実施形態では、HDD100は2.5インチ小型磁気ドライブである。さらなる実施形態では、HDD100はシリアルATA(SATA:Serial Advanced Technology Attachment)ハードドライブである。
【0011】
一般に、HDD100は、内部ベースプレート113と、内部カバー(図示せず)とを有する。一実施形態では、内部筐体113が、少なくとも1つの媒体または磁気ディスク138を有するディスクパックを含む。ディスクパック(ディスク138で表される)は、回転軸、およびディスクパックが回転可能な軸に対する半径方向を定義する。
【0012】
中心駆動ハブ130を有するスピンドルモータ組立体が、軸として動作し、ディスクパックのうちのディスク138または複数のディスクを内部ベースプレート113に対して半径方向に回転させる。アクチュエータ組立体115は、1つまたは複数のアクチュエータアーム116を含む。いくつかのアクチュエータアーム116が存在する場合、それらアクチュエータアーム116は通常、櫛形状を呈し、ベース/筐体113に移動可能または旋回可能に取り付けられる。コントローラ150も内部ベースプレート113に取り付けられて、アクチュエータアーム116をディスク138に対して選択的に移動させる。アクチュエータ組立体115は、可撓性ケーブル等のコネクタ組立体に結合して、アーム電子回路と、HDD100が存在するコンピュータ等のホストシステムとの間でデータを伝送し得る。
【0013】
一実施形態では、各アクチュエータアーム116は、各アクチュエータアーム116から延びるカンチレバー式の少なくとも1つの一体型リードサスペンション(ILS:integrated lead suspension)120を有する。ILS120は、データアクセス記憶装置内で使用できる任意の形態のリードサスペンションであり得る。スライダ121、ILS120、および読み取り/書き込みヘッドを含むこのレベルの一体性は、ヘッドジンバル組立体(HGA)と呼ばれる。
【0014】
ILS120は、スライダ121のエアベアリング面(ABS)をディスク138に対して付勢または押して、スライダ121をディスク138から正確な距離上に浮上させる、バネのような性質を有する。ILS120は、バネのような性質を提供するヒンジエリアと、トレースの読み書きおよびヒンジエリアを通しての電気接続をサポートする可撓性ケーブル型の相互接続とを有する。ボイスコイル112は、従来のボイスコイルモータ磁石組立体内を自由に移動でき、ヘッドジンバル組立体の逆側においてアクチュエータアーム116に取り付けられる。コントローラ150によるアクチュエータ組立体115の移動により、ヘッドジンバル組立体を半径方向弧に沿ってディスク138の表面上のトラックを横切って移動させる。
【0015】
ディスク138は複数のセクタを含む。様々な実施形態では、各セクタは4キロバイト(Kバイト)である。換言すれば、セクタ毎のユーザデータは4Kバイトである。逆に、従来のシステムはセクタ毎に512バイトを含む。
【0016】
HDD100により利用されるシステムデータ(ユーザデータとは異なり、サーボ情報等である)が、セクタ間に追加される。ユーザデータのセクタ数は、記録密度の増大に伴って増大する。その結果、セクタ間のシステムデータ量が大きくなる。セクタ間のシステムデータ量が、HDD100全体の記憶容量の増大に直接関連しないことを理解されたい。しかし、セクタ毎のデータ量を4Kバイトに増大させる(512バイトから)ことにより、システムデータの量は圧縮され、結果として得られる記録密度の改良を、記録容量の増大として効率的に利用することができる。
【0017】
セクタ毎のデータ量は4Kバイトであるが、供給電圧が遮断した場合に必要とされる動作は通常、変わらない。例えば、図2Aおよび図2Bに示されるように、電力の損失に応答して、512バイトセクタを備えた従来のシステムは、1セクタ分のユーザデータの書き込みに14μ秒を必要とし得る。しかし、従来のシステムで必要とされる14μ秒は、4Kバイトセクタを備えたシステムでは不十分である。
【0018】
図2Aでは、故障信号(FAULTZ)後、かつシステムリセット前に、1データブロックの書き込みが完了する。図2Bでは(簡潔かつ明確にするために、サーボパターンが図示されない)、システムリセットまでに、データをデータブロックに書き込むために適切な電力がある。したがって、システムリセット時に書き込まれるべき残りのいかなるデータも書き込むことができず、それらデータは続けて、失われるか、または破損する。
【0019】
図3は、本発明の実施形態によるHDD100の回路300を示す。回路300は、充電回路310およびパルス回路320を含む。充電回路310は、コンボ回路またはコンボドライバと呼ぶこともできる。パルス回路320は、緊急電力オフ(EPO)回路と呼ぶこともできる。様々な実施形態において、回路300は、HDD100を駆動するシステムオンチップ(SoC)または集積チップを含む。一実施形態では、SoCは、集積読み書きチャネル、ハードディスクドライブコントローラ(HDC)、およびモータドライブを含む。
【0020】
充電回路310は、(1)スピンドルモータおよび(2)ボイスコイルモータの両方を駆動するように構成される。充電回路310は、電源電圧(Vcc)330を常にまたは連続して監視し、電圧が第1の閾値(例えば、4.3V)まで降下した場合、故障信号を出力するようにさらに構成される。さらに、電圧が第2の閾値(例えば、4.1V)まで降下した場合、充電回路310はハードウェアリセット信号を出力し、HDD100の動作を停止させる。
【0021】
さらに、充電回路310は、充電時、書き込み構成要素の動作電圧範囲よりも高い電圧を含む。例えば、充電回路の電圧は11.25Vであり、その一方で、書き込み構成要素の電圧範囲のうちの最大は4.42Vである。様々な実施形態では、充電回路の電圧レベルは、11V〜12Vである(11V、12Vを含む)。一実施形態では、充電回路310の電圧は、書き込み構成要素の動作電圧範囲の最高レベル(例えば、4.42V)の少なくとも2倍である。別の実施形態では、充電回路310の電圧は、書き込み構成要素の動作電圧範囲の最低レベル(例えば、4.2V)の少なくとも2倍である。
【0022】
充電回路310は、充電キャパシタ312(例えば、キャパシタC2)および充電電源314(例えば、Vs2)を含む。
【0023】
一実施形態では、充電キャパシタ312は、充電時、書き込み構成要素の動作電圧範囲よりも高い電圧で機能する。別の実施形態では、充電キャパシタ312は少なくとも8マイクロファラドである。
【0024】
一実施形態では、充電電源314は、HDD100に給電する少なくとも2つの電圧線のうちの高いほうの電圧線である。例えば、11.75V Vs2電源は、15ピンSATA電力コネクタ内のSATA V12信号である。別の実施形態では、充電電源314は、コンボドライバからのブースト電圧である。
【0025】
特に、何等かの理由により、磁気ディスク138へのユーザデータ書き込み中に電源電圧330が遮断した場合、第1の閾値(例えば、4.3V)が検出されたとき、充電回路310は故障信号(例えば、電力損失信号)を出力する。故障信号に応答して、HDD100は、ユーザデータセクタを磁気ディスクに書き込む。電源電圧330が降下し続け、第2の閾値に達した場合(例えば、電圧が4.1Vまで降下した場合)、コンボ回路310はシステムリセット信号(例えば、即時シャットダウン信号)を出力する。システムリセット信号に応答して、HDD100は、アクチュエータを磁気ディスク138から離れた場所に退避させ、アクチュエータをその位置に保持し、それにより、HDD100の動作を中断する。
【0026】
充電回路310に関して(ゲート制御信号として利用される11.75Vは別にして)、3.3Vまたは2.5Vの電圧も生成され、他の集積チップの駆動に利用される。
【0027】
パルス回路320は、緊急電源遮断に対処するように構成される。特に、パルス回路320は、書き込み構成要素の被制御シャットダウン中に残りのデータセクタビットが書き込まれるように、被制御シャットダウン中、電力を動作電圧範囲内で充電回路310から書き込み構成要素にパルスするように構成され、これについて詳細に後述する。さらに、パルス回路320は、被制御シャットダウン中、サーボコントローラに電力をパルスする。不必要な電子構成要素(例えば、サーボコントローラ、読み取りヘッド、ボイスコイルモータ、および/またはスピンドルモータ)を被制御シャットダウン中にシャットダウンできることを理解されたい。
【0028】
パルス回路320は、受動構成要素(例えば、キャパシタ、トランジスタ、および抵抗器)を備える。パルス回路320は、パルスキャパシタ322(例えば、キャパシタC1)と、パルスキャパシタ322からの放電を制御するスイッチとして機能する2つの電界効果トランジスタ(FET)(例えば、FET Q1およびQ2)とを備える。
【0029】
パルスキャパシタ322は、充電キャパシタ312からエネルギーを蓄え、書き込み電子回路の動作電圧範囲を維持するように構成される。一実施形態では、動作電圧範囲は、0.25V以下である。例えば、4.42V〜4.3Vの動作電圧範囲は0.12Vであり、これは0.25V未満である。
【0030】
パルスキャパシタ322は、HDD100の通常動作中に電荷で充電される。例えば、充電回路310内で生成された11.75Vの電圧がパルスキャパシタ322に利用される。一実施形態では、パルスキャパシタ322の静電容量は10マイクロファラド(μF)である。別の実施形態では、パルスキャパシタ322の静電容量は、充電キャパシタ312の静電容量よりも大きい。さらなる実施形態では、パルスキャパシタ322の静電容量は、充電キャパシタ312の静電容量の少なくとも3倍である。
【0031】
使用中、故障信号が、パルスキャパシタ322を放電するスイッチをアクティブ化する。換言すれば、故障信号線は、充電キャパシタ312からパルスキャパシタ322への電力のパルスを制御する。特に、電源電圧330が第1の閾値(例えば、4.3V)まで降下した場合、スイッチがオンになり、パルスキャパシタ322に蓄積されてきた電荷を放電させる。電源電圧330が回復した(例えば、4.42V)場合、電圧が第1の閾値に再び降下するまで、スイッチはオフになり、パルスキャパシタ322が充電される。
【0032】
電圧が再び第1の閾値まで降下した場合、スイッチはオンになり、パルスキャパシタ322に蓄積されてきた電荷を放電させる。しかし、電荷量は、時間の経過に伴って低減する。したがって、電圧回復は十分には実行されない。その結果、電圧は最終的には、第2の閾値(例えば、4.1V)まで降下し、ハードウェアリセット信号が出力される。その場合、HDD100の動作は停止する。
【0033】
上述したように、従来のシステムと比較して、電圧が第1の閾値から第2の閾値まで降下するために必要な時間は、パルスキャパシタ322のこの繰り返しの充電および放電により、さらに延長することができる。したがって、4Kバイトのユーザデータを4Kバイトのデータブロックに書き込むことを安全にすることができ、緊急状況下でのデータ損失を回避することができる。
【0034】
換言すれば、書き込みスプライス(write splicing)が回避される。一般に、書き込みスプライスは、データがメモリキャッシュから磁気ディスク138に書き込み中であり、電力が急になくなった場合に発生する。その結果、ユーザデータが損失または破損する。一実施形態では、データ書き込みに必要な時間は約80μ秒である。別の実施形態では、電圧が4.3Vから4.1Vまで降下する時間は、電源遮断の場合、217μ秒である。
【0035】
図4は、本発明の実施形態による、シャットダウン中にパルス電力を提供するアルゴリズム400の一例を示す。
【0036】
410において、電圧が監視される。例えば、電源が、緊急状態により遮断した場合、最初に5V降下する。
【0037】
420において、Vccが4.1V未満の場合、425において、ハードウェアリセット信号が生成される。Vccが4.1Vよりも大きい場合、430において、Vccが4.3V未満であるか否かが判断される。
【0038】
430において、Vccが4.3Vよりも大きい場合、アルゴリズム400は410において再び開始する。Vccが4.3V未満である場合、440において、故障信号が生成される。例えば、充電回路310は、電圧が4.3Vまで降下した場合、故障信号をハイにする。
【0039】
450において、パルス回路320のスイッチがオンになる。その結果、460において、電荷が蓄積されたパルスキャパシタ322が放電して、供給電圧を補足する。電圧が4.42Vに回復した場合、充電回路310は故障信号をローにする。故障信号がローになった場合、パルス回路320のスイッチがオフになる。その結果、パルスキャパシタ322は充電される。電圧Vccは、パルスキャパシタ322の放電が停止したため、再び降下する。
【0040】
470において、Vccが4.42Vよりも大きいか否かが判断される。Vccが4.42V未満に下がった場合(例えば、4.3V)、440において、故障信号が再びハイになり、上述したように、パルスキャパシタ322が再び放電する。様々な実施形態において、ステップ440〜460が複数回行われ得る。しかし、ある時間期間後では、充電キャパシタ312の充電が不十分な場合がある。電圧が4.42V未満に降下し、続けて4.1Vに降下した場合、充電回路310は、425において、ハードウェアリセット信号を出力し、HDD100は動作を停止する。
【0041】
図5は、HDD100がアルゴリズム400に応答して動作中の信号を示す。例えば、上述したように、Vccが4.3V未満の場合、故障信号(例えば、FAULTZ)が生成され、Vccが4.1V未満の場合、リセット信号(例えば、RSTZ)が生成される。
【0042】
特に、書き込みゲートテストピンを介する書き込みゲート信号(例えば、WG)は、データビットが、故障信号の最初のインスタンスからリセット信号まで書き込まれていることを示す。その結果、故障信号の最初のインスタンスからリセット信号までの時間(例えば、217μ秒)にわたり、残りのデータセクタビットを4Kバイトのデータブロックに書き込むことができる。
【0043】
図6は、本発明の実施形態による、HDDシャットダウン中に電力をパルスする方法600を示す。一実施形態では、方法600は、コンピュータ可読かつコンピュータ実行可能な命令の制御下にあるプロセッサおよび電気構成要素により実行される。コンピュータ可読かつコンピュータ実行可能な命令は、例えば、コンピュータが使用可能な揮発性または不揮発性メモリ等のデータ記憶媒体に存在する。しかし、コンピュータ可読かつコンピュータ実行可能な命令は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶媒体に存在し得る。いくつかの実施形態では、方法600は、少なくとも、図1において説明されるHDD100により実行される。
【0044】
610において、書き込み構成要素を動作電圧内で動作させる。一実施形態では、615において、書き込み構成要素は、0.25V以下の動作電圧範囲内で動作する。
【0045】
620において、充電キャパシタが充電される。充電キャパシタは、充電時、動作電圧範囲よりも高い電圧を含む。一実施形態では、625において、充電キャパシタは、ハードディスクドライブを給電する少なくとも2つの電圧線のうちの高いほうの電圧線を使用して充電される。
【0046】
630において、書き込み構成要素の被制御シャットダウン中、電力が動作電圧範囲内で充電キャパシタから書き込み構成要素にパルスされる。
【0047】
640において、被制御シャットダウン中、残りのデータセクタビットが書き込まれる。一実施形態では、645において、残りのデータセクタビットは4キロバイトのデータブロックに書き込まれる。
【0048】
一実施形態では、650において、1つまたは複数の不必要な電子構成要素が、被制御シャットダウン中にシャットダウンされる。別の実施形態では、660において、故障信号が充電回路により生成される。さらなる実施形態では、670において、リセット信号が充電回路により生成される。さらに別の実施形態では、680において、エネルギーが充電キャパシタからパルスキャパシタに蓄えられる。
【0049】
このようにして、本発明の様々な実施形態を説明した。本発明を特定の実施形態において説明したが、本発明をそのような実施形態により限定されるものと解釈すべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲に従って解釈されるべきであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0050】
100 HDD
112 ボイスコイル
113 内部ベースプレート
115 アクチュエータ組立体
116 アクチュエータアーム
120 一体型リードサスペンション
121 スライダ
130 中心駆動ハブ
138 磁気ディスク
150 コントローラ
300 回路
310 充電回路
312 充電キャパシタ
314 充電電源
320 パルス回路
322 パルスキャパシタ
330 電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作電圧範囲内で動作するように構成された書き込み構成要素と、
充電キャパシタを備えた充電回路であって、前記充電キャパシタは、充電時、前記動作電圧範囲よりも高い電圧を備える、充電回路と、
前記書き込み構成要素のシャットダウン制御中に残りのデータセクタビットが書き込まれるように、前記シャットダウン制御中に前記動作電圧範囲内で電力を前記充電回路から前記書き込み構成要素にパルスするように構成されたパルス回路と、
を備える、ハードディスクドライブ。
【請求項2】
前記充電回路は電源を備える、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項3】
前記電源は、前記ハードディスクドライブに給電する少なくとも2つの電圧線のうちの電圧が高いほうの電圧線である、
請求項2に記載のハードディスクドライブ。
【請求項4】
前記高いほうの電圧は、前記書き込み構成要素の前記動作電圧範囲の最高レベルの少なくとも2倍である、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項5】
前記パルス回路は、前記充電キャパシタからのエネルギーを蓄えるように構成されたパルスキャパシタを備える、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項6】
前記パルスキャパシタは、前記充電キャパシタよりも大きな静電容量である、
請求項5に記載のハードディスクドライブ。
【請求項7】
前記パルスキャパシタは、前記充電キャパシタの静電容量の少なくとも3倍である、
請求項5に記載のハードディスクドライブ。
【請求項8】
前記充電キャパシタから前記パルスキャパシタへの前記電力のパルスを制御する故障信号線を備える、
請求項5に記載のハードディスクドライブ。
【請求項9】
前記動作電圧範囲は0.25V以下である、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項10】
4キロバイトのデータブロックを備えたディスクを備える、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項11】
1つまたは複数の不必要な電子構成要素が、前記シャットダウン制御中にシャットダウンされる、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項12】
前記パルス回路は、前記シャットダウン制御中、サーボコントローラへの電力もパルスする、
請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項13】
ハードディスクドライブ内のシャットダウン中に電力をパルスする方法であって、
書き込み構成要素を動作電圧範囲内で動作させること、
充電キャパシタを充電することであって、前記充電キャパシタは、充電時、前記動作電圧範囲よりも高い電圧を備えること、
前記書き込み構成要素のシャットダウン制御中、前記動作電圧範囲内で電力を前記充電キャパシタから前記書き込み構成要素にパルスすること、および
前記シャットダウン制御中に残りのデータセクタビットを書き込むこと
を含む、方法。
【請求項14】
前記充電キャパシタを充電することは、前記ハードディスクドライブに給電する少なくとも2つの電圧線のうちの電圧が高いほうの電圧線を使用して、前記充電キャパシタを充電することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シャットダウン制御中、不必要な構成夜素をシャットダウンすることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記書き込み構成要素を動作電圧範囲内で動作させることは、前記書き込み構成要素を0.25V以下の動作電圧範囲内で動作させることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
充電回路により故障信号を生成することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記故障信号は、前記充電キャパシタから前記パルスキャパシタへの前記電力のパルスを制御する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
充電回路によりリセット信号を生成することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記充電キャパシタからのエネルギーをパルスキャパシタに蓄えることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記シャットダウン制御中、残りのデータセクタビットを書き込むことは、前記残りのデータセクタビットを4キロバイトのデータブロックに書き込むことを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記シャットダウン制御中、1つまたは複数の不必要な電子構成要素をシャットダウンすることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記シャットダウン制御中、前記充電キャパシタから電力をサーボコントローラにパルスすることを含む、
請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−84217(P2012−84217A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200564(P2011−200564)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】