説明

ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ、及びその組立方法

ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリは、前記ディスクの表面近くに位置して情報を記録/再生する磁気ヘッドが搭載された複数のサスペンションと、前記ディスク上で回動可能に設置させるためのピボットホールが中央に形成され、一端に前記複数のサスペンションが設置されるヘッドジンバル本体と、前記ヘッドジンバル本体の他端に設けられ、前記ピボットホールを中心に前記ヘッドジンバル本体を回動させるコイル回転子と、1つ以上のレーザダイオード、及び1つ以上のウェーブガイドを有するレーザアセンブリとを含み、前記レーザダイオードのいずれかから発生される光は、前記ウェーブガイドによって前記磁気ヘッドまで案内される。本発明によれば、磁気ディスクのデータ記録密度を向上させるために用いられるレーザダイオードを、サスペンションではなく、ヘッドジンバルアセンブリの支持部の役割を果たすヘッドジンバル本体に固定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ、及びその組立方法に関し、より詳しくは、大容量の情報を、熱的補助装置を有する磁気ディスク記録媒体に高密度で記録するために、レーザダイオードを適用したハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ、及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンピュータは、主記憶装置の補助手段として補助記憶装置を備えており、大量のデータを補助記憶装置に記録している。このような補助記憶装置としては、磁気ディスク、磁気テープ、プロッピーディスク、及び光ディスクなどが使用されている。パーソナルコンピュータの場合には、少なくとも1枚の磁気ディスクを有するハードディスクドライブが、補助記憶装置として広く使われている。
【0003】
図1は、従来のハードディスクドライブを示す概略斜視図である。
【0004】
図1を参照すると、従来のハードディスクドライブは、ハウジング10と、該ハウジング部10内に設けられる記録媒体としての磁気ディスク(以下、「ディスク」という)20と、ハウジングのベースプレート11上に設置されディスク20を回転させるスピンドルモータ30と、データの記録/再生用磁気ヘッド41を有するヘッドジンバルアセンブリ40とを含んでいる。
【0005】
前記ハウジング10は、コンピュータの本体内に設けられるものであって、スピンドルモータ30と、ヘッドジンバルアセンブリ40を支持するベースプレート11と、ベースプレート11の上部に取り付けられディスクなどを覆って保護するカバープレート12とから構成される。
【0006】
ディスク20は、データを記録するための記録媒体であって、1枚または複数枚が所定の間隔で離隔しており、スピンドルモータ30によって回転されるように設置される。
【0007】
ヘッドジンバルアセンブリ40は、ベースプレート11上に設けられた回動軸35を中心として回動可能に設置されたヘッドジンバル本体と、ディスク20に対してデータを記録/再生するための磁気ヘッド41が搭載されたサスペンション43とを含み、ヘッドジンバル本体の一端にはサスペンション43が固定され、ヘッドジンバル本体の他端にはヘッドジンバル本体を回動させるコイル回転子47が設けられている。
【0008】
従来のハードディスクドライブにおいて、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ40は、ピボットホール45を中心に回動する磁気ヘッド41と、スピンドルモータ30によって回転するディスク20との間の空気力学的な作用によって磁気ヘッド41が浮上しながら、回転するディスク20の表面上を移動する。
【0009】
従来のハードディスクドライブには、1枚または複数枚のディスクが設けられる。具体的には、データの記憶容量を増加させるためにハードディスクドライブに複数枚のディスクが設けられたが、最近では、ディスクの記録密度を急激に増加させて少ない数のディスクで十分な容量のデータを格納することが可能な方法が提案された。
【0010】
例えば特許文献1、又は特許文献2には、レーザダイオードを用いてデータを記録/再生する磁気ヘッドに熱を供給することにより、ディスクに高密度でデータを記録する方法が開示されている。
【0011】
前述したように、レーザダイオードから発生する光エネルギーを用いて、ディスクに対して高密度でデータを記録する方法が開示されたが、前記方法は、レーザダイオード、レンズなどの光学的構成部品をさらに必要とし、例えば、サスペンションなどに固定されたレーザダイオードから発生する熱によってレーザダイオードの性能が低下する、或いはレーザダイオードが損傷するという問題点を含む。
【0012】
また、サスペンションに追加された光学的構成部品によって、磁気ヘッドが円滑に浮上できなくなり、ハードディスクに対してデータを記録/再生する速度が低下するという問題点を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5199090号明細書
【特許文献2】米国特許第6404706号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで本発明は、前述した従来の技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、磁気ディスクのデータ記録密度を向上させるために使用されるレーザダイオードから発生する熱によって、レーザダイオードの性能が低下することを防止し、磁気ヘッドを円滑に浮上させることにより、高密度でのデータ記録/再生が可能なハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、前記ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリを容易に組み立てることができる、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、1枚以上のディスクに情報を記録するために使用されるものであって、前記ディスクの表面近くに位置して、情報を記録/再生する磁気ヘッドを搭載した複数のサスペンションと、前記ディスク上で回動可能に設置させるためのピボットホールが中央に形成され、一端に前記複数のサスペンションが設置されるヘッドジンバル本体と、前記ヘッドジンバル本体の他端に設けられ、前記ピボットホールを中心に前記ヘッドジンバル本体を回動させるコイル回転子と、1つ以上のレーザダイオード、及び1つ以上のウェーブガイドを有するレーザアセンブリとを含み、前記レーザダイオードから発生する光は前記ウェーブガイドによって前記磁気ヘッドまで案内されることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記ヘッドジンバル本体の材質はアルミニウム、又はアルミニウム合金であることを特徴とし、前記レーザダイオードの1つから発生する光は、前記ウェーブガイドによって2枚以上の前記ディスクの表面に伝達されることを特徴とする。
【0018】
前記レーザアセンブリは、前記レーザダイオードから発生する光の方向を調節するための方向性結合器を含み、前記方向性結合器は、光電子材料であるニオブ酸リチウム(LiNbO)材質の基板に形成されることを特徴とする。
【0019】
前記ウェーブガイドは、第1ウェーブガイド、及び第2ウェーブガイドを整列させることにより形成され、前記第1ウェーブガイドは、ニオブ酸リチウム材質の基板で、チタニウムから形成されることを特徴とする。
【0020】
前記第2ウェーブガイドは、シリコン、又はポリマー基板に形成されることを特徴とする。前記ヘッドジンバルアセンブリは、ウェーブガイドと共に形成され、前記レーザダイオードの出力を検査するモニタ用フォトダイオードをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の別の特徴によれば、金属材質のヘッドジンバル本体を形成する段階と、互いに異なる基板に方向性結合器及びウェーブガイドをそれぞれ形成する段階と、前記方向性結合器及び前記ウェーブガイドが形成された基板を、前記ヘッドジンバル本体の形態に応じてダイシングする段階と、前記ヘッドジンバル本体にレーザダイオードと共に前記方向性結合器、及び前記ウェーブガイドを整列して組み立てる段階とを含む、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法を提供する。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、前記方向性結合器は、光電子材料であるニオブ酸リチウム(LiNbO)材質の基板に形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明の前記及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照すると共に以降の詳細な説明によって、より明確になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリは、磁気ディスクのデータ記録密度を向上させるために使用されるレーザダイオードを、サスペンションではなく、ヘッドジンバルアセンブリの支持部の役割を果たす、ヘッドジンバル本体に固定させることにより、ヘッドジンバルアセンブリから発生する熱を効果的に冷却させるうえ、サスペンション周囲の光学的構成部品を減少させることにより、磁気ヘッドを円滑に浮上させて、データ記録/再生を高密度で効果的に行うことができる。
【0025】
また、本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリは、レーザダイオードから磁気ヘッドまで延伸する光経路を分岐するため、必要なレーザダイオードの数を減少させてコストを節減することができる。
【0026】
また、本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法において、レーザダイオードから発生する光を、容易に磁気ヘッドまで供給する光経路を、容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のハードディスクドライブを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの斜視図である。
【図3】図2のヘッドジンバル本体に取り付けられたレーザアセンブリからディスクまで、ウェーブガイドが形成された実施形態を示す構成図である。
【図4】図2のヘッドジンバル本体に取り付けられたレーザアセンブリからディスクまで、ウェーブガイドが形成された実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法を示す順序図である。
【図6】図5の過程中のウェーブガイド部分を示す図である。
【図7】図5の過程中のウェーブガイド部分を示す図である。
【図8】本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリのように、ヘッドジンバル本体にレーザダイオードを固定させる場合のヘッドジンバルアセンブリの温度変化を模擬実験によって確認した結果を示す図である。
【図9】従来のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリのように、レーザダイオードをサスペンションに固定させた場合の温度変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0029】
図2は本発明の実施形態に係るハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの斜視図であり、図3及び図4は、図2のヘッドジンバル本体に取り付けられたレーザアセンブリからディスクまで、ウェーブガイドが形成された実施形態を示す構成図である。
【0030】
図2〜図4に示すように、ハードディスクで1枚以上の磁気ディスクに情報を格納するために使用される、本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ(アクチュエータ)100は、複数のサスペンション120、ヘッドジンバル本体140、コイル回転子160、及びレーザアセンブリ170を含む。この際、ヘッドジンバル本体140に固定されたレーザダイオード200から発生される光は、ウェーブガイド220、230によって、複数のサスペンション120に搭載された磁気ヘッド110まで伝達される。
【0031】
複数のサスペンション120は、その一端に磁気ヘッド110を搭載し、磁気ヘッド110を弾性によって支持し、高速で回転するディスクの表面近くに位置してディスクに対して情報を記録/再生する磁気ヘッド110は、サスペンション120によって支持されてディスク表面上で浮上しながら位置を移動する。この際、ハードディスクドライブに収容されるディスクの枚数によってサスペンション120の数が定められるが、例えば、1枚のディスクに2つのサスペンションが使用される。
【0032】
ヘッドジンバル本体140は、中央にピボットホール150を有し、ハードディスクドライブのベースプレートに固定された回動軸(図1参照)と結合するピボットホール150を中心として回動運動を行う。ヘッドジンバル本体140の中心から、複数のサスペンション120まで延伸するヘッドスタックアセンブリ130は、その間に前記ディスクを収容するため、収容されるディスクの枚数によってヘッドスタックアセンブリ130の形態が定められるが、例えば、2枚のディスクが収容される場合、英文字Eの形態を持つ(Eブロックとも呼ぶ)。
【0033】
ヘッドジンバル本体140は、一端に複数のサスペンション120が延伸する、ヘッドジンバルアセンブリにおける支持部の役割を果たすとともに、回動軸を中心に回転運動を磁気ヘッドに伝達する。
【0034】
コイル回転子160は、ヘッドジンバル本体140の他端に形成され、磁場を有する導体に電流を流して発生する力によって、前記ヘッドジンバル本体140を回動させる駆動モータの役割を果たす。
【0035】
レーザアセンブリ170は、ヘッドジンバル本体140に取り付けられるレーザダイオード200と、レーザダイオード200を固定し、レーザダイオード200から発生する光を伝達するウェーブガイド220、230とを含む。
【0036】
図3及び図4を参照して詳細に説明すると、レーザダイオード200から発生する光は、ウェーブガイド220、230、及びサスペンション120に形成された他のウェーブガイド240によって伝達される。この際、サスペンション120からディスクの表面までレーザダイオードの光が伝達される経路は、サスペンション上にレーザダイオードが固定された従来のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリで適用されたものであって、ヘッドジンバル本体に形成されたウェーブガイド220、230によって整列され、それぞれのディスク300の表面までレーザダイオードの光を照射する。
【0037】
レーザダイオードが動作する間、レーザダイオード200から発生する熱を効果的に減少させるために、レーザダイオード200が固定されるヘッドジンバル本体140の材質は、熱伝導特性がステンレス鋼より優れたアルミニウム、又はアルミニウム合金が使用されることが好ましい。
【0038】
また、レーザダイオード220の数を減少させるために、1つのレーザダイオードから発生する光が、ウェーブガイド220、230によって2枚以上の相異なるディスクの表面まで伝達されるように、ウェーブガイド220、230は分岐されて設置されることが好ましい。この際、レーザダイオードから発生する光の方向を分岐するための方向性結合器210はレーザアセンブリ170に形成され、方向性結合器210は光電子材料であるニオブ酸リチウム(LiNbO)材質の基板に形成されることが好ましい。
【0039】
レーザダイオード200から発生した光は、方向性結合器210の電極に加えられた電圧によって屈折率が変更され、モードカップリング現象によって選択されたウェーブガイド220、230の経路に沿って伝達されるため、1つのレーザダイオードを用いて選択的に所望のサスペンション方向に光を伝達させることができる。この際、ニオブ酸リチウム材質の基板に形成された第1ウェーブガイド220は、ニオブ酸リチウム基板250内にチタニウムを拡散させて形成されることが好ましい。
【0040】
このように選択された第1ウェーブガイド220へ伝達された光は、シリコン基板260、又はポリマー基板に形成された第2ウェーブガイド230によってサスペンションの他のウェーブガイド240まで伝達されることが好ましい。レーザダイオード200から発生する光の経路を他のウェーブガイド240まで変更するためには、第1ウェーブガイド220及び第2ウェーブガイド240に分けて光の経路を変更し、ヘッドジンバル本体の構造および形態に応じてウェーブガイド220、230を形成することが好ましい。これは、レーザダイオード200から発生した光の経路を一挙に変えることよりは、漸次変更することの方が容易だからである。
【0041】
また、レーザダイオードの出力を検査するモニタ用フォトダイオード(図示せず)は、方向性結合器、又はウェーブガイドと共に同一の基板に形成されることがさらに好ましい。
【0042】
ウェーブガイドと共に形成された方向性結合器を用いて電圧を調節する光経路変更方式、又はウェーブガイドの間を整列して光が伝達することは、光通信などに用いられる光信号伝達技術を利用したものであって、このような技術を適用することは、一つのレーザダイオードから発生する光を、サスペンションを介して複数枚のディスクの表面まで容易に伝達させるという利点がある。
【0043】
本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリは、従来とは異なり、金属部分の寸法が大きいヘッドジンバル本体部分にレーザダイオードを固定させることにより、レーザダイオードから発生する熱を迅速に除去してレーザダイオードの特性低下を防止する。
【0044】
また、磁気ヘッドを支持するサスペンションに取り付けられる光学的構成部品を最小限に抑えるという利点、及び磁気ヘッドの浮上を円滑にするという利点もある。
【0045】
以下、本発明のハードディスク用ジンバルアセンブリの組立方法について説明する。
【0046】
図5は本発明の実施形態に係るハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法を示す順序図であり、図6及び図7は、図5の過程中のウェーブガイド部分を示す図である。この際、使用された図面において、図3及び図4と実質的に同一の構成および機能を持つ構成要素については、同一の参照符号を付した。
【0047】
図5、図6、及び図7に示すように、本発明に係るハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法において、金属材質のヘッドジンバル本体が先に形成される(S110)。所望の形態を持つ金属材質のヘッドジンバル本体は、従来のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリを製造する方法と同様に形成することが可能である。この際、ヘッドジンバル本体をアルミニウム、又はアルミニウム合金から形成して、熱伝導率を高めることが好ましい。
【0048】
このようにヘッドジンバル本体が準備されると、これとは別途に、前記ヘッドジンバル本体に組み立てる方向性結合器210及びウェーブガイド220、230を、それぞれ相異なる基板250、260に形成することが好ましい(S120)。この際、方向性結合器210及びウェーブガイド220、230を、相異なる基板250、260に、例えば半導体製造方法によって形成させることが、コストを節減しながら、均一な性能を有する方向性結合器とウェーブガイドを大量生産することに有利である。
【0049】
レーザダイオードの出力を検査するモニタ用フォトダイオード(図示せず)は、方向性結合器210、又はウェーブガイド220、230と共に同一の基板に形成されることが好ましい。方向性結合器210は、光電子材料であるニオブ酸リチウム(LiNbO)材質の基板に形成されることが好ましい。
【0050】
このように相異なる基板に形成された方向性結合器210及びウェーブガイド220、230は、ヘッドジンバル本体の形態に応じて相異なる基板でダイシングされて、所定の大きさに分けられる(S130)。
【0051】
次いで、ヘッドジンバル本体に、レーザダイオード200と共に方向性結合器210及びウェーブガイド220、230が形成されたダイを整列して組み立てる(S140)。この際、レーザダイオード200、方向性結合器210、及びウェーブガイド220、230などは、レーザダイオードを動作させ、整列した状態を確認しながら整列し、或いは各ダイに整列マークを表示して組み立てることが好ましい。
【0052】
本発明に係るハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの温度特性を確認するための模擬実験を実施したところ、次の結果を得た。
【0053】
図8は本発明のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリのように、ヘッドジンバル本体にレーザダイオードを固定させる場合のヘッドジンバルアセンブリの温度変化を模擬実験によって確認した結果を示す図であり、図9は従来のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリのように、レーザダイオードをサスペンションに固定させた場合の温度変化を示す図である。
【0054】
図示した模擬実験は、商用ソフトウェアであるIcepak V4.2を用いて実施されたが、実験結果のデータより、レーザダイオードがサスペンションに固定される場合には、レーザダイオードの温度は50℃〜75℃まで増加し、サスペンションの端部は28℃〜32℃まで増加した結果を示した。これに対し、本発明のハードディスク用ヘッドジンバル本体にレーザダイオードが固定される場合には、レーザダイオード及びサスペンションの端部はいずれも最大12℃以下であって、ほぼ温度変化を示さない結果を得た。
【0055】
したがって、本発明に係るハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリを使用する場合、レーザダイオードから発生する熱が、アルミニウム材質のヘッドジンバル本体によって効果的に伝達されて除去されるという利点があり、これによりレーザダイオードの特性が低下しないという利点がある。
【0056】
以上、本発明の幾つかの好適な実施形態について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な修正、追加、又は置換を加え得ることを理解するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、大容量の情報を、熱的補助装置を有する磁気ディスク記録媒体に高密度で記録するために、レーザダイオードを適用したハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ及びその組立方法に係り、磁気ディスクのデータ記録密度を向上させるために用いられるレーザダイオードを、サスペンションではなく、ヘッドジンバルアセンブリの支持部の役割を果たすヘッドジンバル本体に固定させることにより、ヘッドジンバルアセンブリから発生する熱を効果的に冷却させるうえ、サスペンション周囲の光学的構成部品を減少させることにより、磁気ヘッドの浮上を円滑にして、データ記録/再生を高密度で効果的に行うことができる。
【符号の説明】
【0058】
10 ハウジング
100 ハードジンバルアセンブリ
11 ベースプレート
110 磁気ヘッド
12 カバープレート
120 サスペンション
130 ヘッドスタックアセンブリ
140 ヘッドジンバル本体
150 ピボットホール
160 コイル回転子
170 レーザアセンブリ
20 磁気ディスク
200 レーザダイオード
210 方向性結合器
220、230 ウェーブガイド
240 他のウェーブガイド
250、260 基板
30 スピンドルモータ
300 ディスク
35 回動軸
40 ハードジンバルアセンブリ 41 記録/再生磁気ヘッド
43 サスペンション
45 ピボットホール
47 コイル回転子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚以上のディスクに情報を記録するために使用されるハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリであって、
前記ディスクの表面近くに位置して、情報を記録/再生する磁気ヘッドが搭載された複数のサスペンションと、
前記ディスク上で回動可能に設置させるためのピボットホールが中央に形成され、一端に前記複数のサスペンションが設置されるヘッドジンバル本体と、
前記ヘッドジンバル本体の他端に設けられ、前記ピボットホールを中心に前記ヘッドジンバル本体を回動させるコイル回転子と、
1つ以上のレーザダイオード、及び1つ以上のウェーブガイドを有するレーザアセンブリとを含み、
前記レーザダイオードのいずれかから発生する光は、前記ウェーブガイドによって前記磁気ヘッドまで案内されることを特徴とする、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記ヘッドジンバル本体は、アルミニウム、又はアルミニウム合金から形成されることを特徴とする、請求項1に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項3】
1つの前記レーザダイオードから発生する光は、前記ウェーブガイドによって2枚以上の前記ディスクの表面に伝達されることを特徴とする、請求項1に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項4】
前記レーザアセンブリは、前記レーザダイオードから発生する光の方向を調節するための方向性結合器を含むことを特徴とする、請求項3に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項5】
前記方向性結合器は、光電子材料であるニオブ酸リチウム材質の基板に形成されることを特徴とする、請求項4に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項6】
前記ウェーブガイドは、第1ウェーブガイド、及び第2ウェーブガイドを整列することにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項7】
前記第1ウェーブガイドは、ニオブ酸リチウム材質の基板で、チタニウムから形成されることを特徴とする、請求項6に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項8】
前記第2ウェーブガイドは、シリコン、又はポリマー基板に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項9】
前記ウェーブガイドと共に形成され、前記レーザダイオードの出力を検査するモニタ用フォトダイオードをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項10】
金属材質のヘッドジンバル本体を形成する段階と、
互いに異なる基板に方向性結合器とウェーブガイドをそれぞれ形成する段階と、
前記方向性結合器及び前記ウェーブガイドが形成された基板を、前記ヘッドジンバル本体の形態に応じてダイシングする段階と、
前記ヘッドジンバル本体に、レーザダイオードと共に前記方向性結合器、及び前記ウェーブガイドを整列して組み立てる段階とを含むことを特徴とする、ハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法。
【請求項11】
前記方向性結合器は、光電子材料であるニオブ酸リチウム材質の基板に形成されることを特徴とする、請求項10に記載のハードディスク用ヘッドジンバルアセンブリの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−540484(P2009−540484A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515292(P2009−515292)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/KR2007/000539
【国際公開番号】WO2007/145415
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】