説明

バイオセンサ若しくはバイオシステム用の磁気システム

バイオセンサ若しくはバイオシステム用の磁気システムであって、分子と反応する磁気粒子は、磁気的な引力若しくは析力を介して影響を受けるために、磁場内に至らされる。外部磁場は、センサ表面に向かう実効引力及びセンサ表面から離れる実効析力の間で磁力が切り替わることを可能とするために、少なくとも1つの磁石の磁極をセンサ若しくは少なくともその表面に対して機械的に移動させることによって可変される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサ用の磁気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ビーズの方向に基づくバイオセンサは、速度、感度、特定性、統合化、容易な使用及びコストの観点から、生体分子診断のための将来性のある特性を有する。
【0003】
バイオセンサにおける重要なアッセイステップは、いわゆるストリンジェンシー(stringency)ステップであり、このステップでは、弱い生化学結合に起因した信号と強い生化学結合に起因した信号との間の判別がなされる。かかるステップでは、次の説明でビーズと称される磁気粒子は、バイオセンサの生体的に活性なセンサ表面と粒子の間の生体結合の強度をテストするために応力下に置かれる。これは、センサ表面に特別に結合された磁気粒子と特別に結合されていない磁気粒子との間の区別を可能とする。
【0004】
特許文献1からは、結合部位に磁気的若しくは電気的活性粒子で標識された分子を引き付けるため及び/又はセンサ領域から未結合の標識された分子を取り除くために磁場若しくは電場を使用することが更に知られている。
【0005】
磁気バイオセンサにおける用途に対して、余分な磁気粒子が取り除かれる洗浄ステップのためにサンプルボリュームの外側に外部場生成手段(コイル)を使用することが提案されている。大きな磁場及び関連する大きな磁場勾配は、サンプルボリューム内の磁気粒子上に適度な力を生成するために必要とされ、また、特別な対策は、磁気センサの挙動に影響を与えないようにし且つ磁気粒子の集合、ビーズクラスタ化を防止するために講じられる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US2004/0219695A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電磁石は、高い透磁率を備える材料(例えばフェライト材料)のコアからなり、このコアまわりに多数のワイヤが巻回される。これは、次のような幾つかの利点がある。
・外部の(電)磁石は、比較的大きい反応範囲を有し、これにより、大きい反応室からビーズを集めることが可能となること、
・均一な場勾配は、外部磁石を備える構成で生成することができ、このことは、ストリンジェンシーステップを実行する上で重要であること。
【0008】
しかしながら、この構成は、次のような幾つかの明確な欠点がある。
・比較的低い磁場のみしか生成できない(3mmのコア径で約100回の巻き数で約5Aのピーク電流に対して約0.1Tのオーダー)。必要とされる高いピーク電流は、携帯型アプリケーション(例えば沿道用薬物濫用テスタ)において特に厄介である。
【0009】
本発明の目的は、コンパクトで効率的なバイオセンサ用磁気システムを達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、特許の請求項1の特徴によるバイオセンサ用磁気システムに対して達成される。
【0011】
本システムないし装置の更なる実施例は、従属項2−15に特徴付けられている。
【0012】
本発明の基本的な思想及び機能は、磁気ビーズが磁気的な引力若しくは析力を介して影響を受け、少なくとも1つの磁石の磁極がセンサ若しくはセンサ表面へと相対的な態様で機械的に移動されることができることである。
【0013】
本発明では、特別な磁気システムを使用することが提案され、当該システムでは、磁力は、センサ表面に向かう実効引力とセンサ表面から離れる実効析力との間で切り替えられることができる。
【0014】
第1の実施例では、少なくとも1つの磁石を含む機械的支持体は、センサ若しくはセンサチップに対して相対的に移動可能である。好ましい実施例では、可動の機械的支持体は、センサ及びカートリッジと共に共通の軸上に配置される2つの磁極を含む。機械的支持体の位置を変化させることによって、磁極のそれぞれに対するセンサ間の距離を変化させることができる。
【0015】
その他の実施例では、センサは、カートリッジに物理的に結合され、センサ及びカートリッジと共に共通の軸上に互いに近接して配置される2つの磁極間で線形的に移動可能である。
【0016】
更なる実施例は、2つの永久磁石の少なくとも1つが、当該共通の軸の外側から共通の軸に並ぶ位置へと又はその逆へと線形的にシフトされることを開示する。
【0017】
更なる代替実施例では、共通の軸の外側から前記共通の軸に並ぶ位置への移動又はその逆の移動は、1つ以上の磁石の回転移動により実現される。
【0018】
更なる実施例は、回転移動が効率的に実現される構成を開示する。磁石の回転移動は、磁石の軸に平行な回転軸を持つディスク上の偏心した位置上に少なくとも1つの磁石を配置することにより実現される。
【0019】
全ての代替的な上述の実施例では、永久磁石がセンサ位置の磁気軸の外にシフトされ回転されたとき、高磁気力の磁気バイパスが生じるだろう。この磁気バイパスは、永久磁石当たり1つのCリング形成磁石により実現され、この場合、永久磁石は、磁気軸の外に移動されたときにCリングの磁極間のスペース内に移動され、また、永久磁石は、磁気軸の位置の外に回転又はシフトされたときに、磁場をバイパスするために上述の磁気軸に平行に配置される。最後の実施例では、磁気バイパスは、2つのオープンスペースを備える対の磁石当たり1つのCリング形磁気回路により実現され、当該2つのオープンスペースには、永久磁石がセンサ位置の磁気軸から外に移動される時にシフトされ若しくは回転される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】機械的支持体に配置され、磁場を生成するセンサを備えるカートリッジに対して相対的に、センサを備えるカートリッジに移動可能な2つの磁石を備える磁気システムの概略断面視であり、磁石に対するセンサつきのカートリッジの2つの位置を示す図。
【図2】センサを備えるカートリッジに対して移動可能な単一のC字形の磁石を備える図1に類する磁気システムを示す図。
【図3】2つの電流間の電流強度の関係を変化させる2つの電流が通される2つの電磁石を備える図1に類する磁気システムを示す図。
【図4a】永久磁石がセンサの近傍の位置Aから、永久磁石とC字形磁石が実質的に閉じたリングを形成し閉じた磁気回路を形成するC字形磁石の位置Bまで移動する異なる実施例における磁気システムの概略側面図。
【図4b】永久磁石とC字形磁石が実質的に閉じたリングを形成し閉じた磁気回路を形成する位置Bにおける図4aによる磁気システムの概略側面図。
【図5】軸まわりを回転するディスクに配置された永久磁石を備える磁気システムの概略側面図、及び、回転可能なディスク状の平面視を示す図。
【図6】非結合の磁気粒子を取り除く磁石と共に、抗原に結合する取り付けられた抗体を備える磁気粒子及び搭載された抗原を備えるアッセイセットアップの2つの概略図。
【図7】磁石を備えるセンサの洗浄手順前に測定されたものを左に、センサの洗浄後に測定されたものを右に示すルミネッセンスのヒストグラムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な実施例は、図面に表示され、次の説明で開示される。
【0022】
本発明の異なる実施例は、図1乃至図5に示される。図6及び図7は、バイオセンサ若しくはバイオシステムに関連したアッセイステップ、及び、磁気システムにより得られる測定結果をそれぞれ示す。
【0023】
図1は、第1磁石1及び第2磁石2の双方が可動機械支持体9に配設された第1実施例を示す。図1でカートリッジ4の下側に示されているセンサ3を含むカートリッジ4は、機械支持体9の近傍に配置される。センサ3は、例えば流体内の抗体の量のような幾つかのパラメータの指標として磁気粒子15の濃度を測定するように設計される。センサ3は、それ故に、バイオセンサと称することができる。カートリッジ4は、とりわけ、ビーズとも称される溶解した磁気粒子15を備えて解析される流体を含む。磁気粒子15若しくはビーズをセンサ3の表面若しくはセンサチップに向けて引き付け若しくはビーズをセンサ3の表面若しくはセンサチップからビーズを反発させるために、磁場を生成する2つの磁石1,2は、可動のC字形機械支持体9に取り付けられる。図1に示すように、第1磁石1は、センサ3の下方に配置され、第2磁石2は、センサの上方に配置される。機械支持体9のz方向を変化させることによって、磁石1,2の一方の磁場がセンサ3の位置にて支配的になる。図1の左側に示す位置1では、磁気粒子15は、センサ3の下方の第1磁石1によりセンサ表面に向けて引き付けられる。位置1では、C字形機械支持体9は、両端矢印により定義されるように、方向zに関して高い位置にある。位置1では、センサ3は、第1磁石1に近く、第2磁石2から遠い。位置2では、U字形機械支持体9は、z方向に関して下方の位置にある。位置2では、磁気粒子15は、第2磁石2によりセンサ表面から引き離される。磁気粒子15をセンサ表面から取り除く処理は、洗浄(washing)とも称される。少なくとも1つの磁石1,2は、永久磁石13若しくは電磁石であってよい。更にいうと、図1,2,3では、センサ3が磁場のx及びyの勾配がゼロであるz軸に沿って移動するように配置されているので、平面内(x、y)の場成分は、常に最小である。
【0024】
図1による本実施例では、永久磁石及び電磁石の双方が使用できる。更なる代替実施例は、図2及び3に示される。
【0025】
図2に示す実施例では、単一のC字形磁石12が、図1で言及したような2つの磁石1,2に代えて使用される。C字形磁石12は、機械支持体9の外部に突出する端部を備えつつ機械支持体9に一体化される。機械支持体9に搭載される完全なC字形磁石12は、センサ3及びカートリッジ4に対して移動可能である。C字形磁石12に対するカートリッジ4の相対移動とは、カートリッジ4がz方向の上下に移動し、これにより、C字形磁石12は位置を維持することを意味し、若しくは、C字形磁石12が上下に移動し、これにより、センサ3を備えるカートリッジ4は位置を維持することを意味する。
【0026】
図3では、一実施例が示され、この実施例では、電磁石として設計される第1磁石1及び第2磁石2間の電流平衡を変化させることが、磁気粒子15をセンサ表面に向かう又はセンサ表面から離れる方向に力を働かす(移動させる)磁場を変化させる。磁石1,2を通る少なくとも一方の電流I1、I2の強度は制御可能である。位置1では、図3の左側に示すように、下方の第1磁石1での電流強度I1は、上方の第2磁石2での電流強度I2よりも高い。位置2では、図3の右側に示すように、下方の第1磁石1での電流強度I1は、上方の第2磁石2での電流強度I2よりも小さい。第1磁石1及び第2磁石2により生成される磁場は、第1磁石1及び第2磁石2の実質的に間の領域であって、検査される液体及び磁気粒子15を備えるカートリッジ4が収容される領域内に力を負荷する。これにより、カートリッジ4内の磁気粒子15は、位置1の場合にセンサ3に向けて引かれ、これにより、磁気粒子15は、図3の右側の位置2の場合は、センサから離れる方向に引かれる。
【0027】
図4a、図4bは、強い永久磁石13の使用に対する効果的な実施例を示し、一方の永久磁石13は、左側のC字形磁石12に関連し、他方の永久磁石13は、図4aの右側のC字形磁石12に関連する。C字形磁石12は、図2の実施例のC字形磁石12に類似する。図4a、図4bでは、C字形磁石12は、機械支持体9により指示されていないが、自身が支持体を形成する。2つのC字形磁石12間には、反応室及びカートリッジ4内の磁気粒子15の量を測定するセンサ3を備えるカートリッジ4が配設される。永久磁石13がセンサ3の近傍に有る図4aの位置Aでは、永久磁石13からの磁場は、センサ3若しくはセンサチップの上方のカートリッジ4の反応室内に作動を引き起こすだろう。これは、永久磁石13の極性に依存して、センサ3への方向の引力、即ち図4aの下方の方向の引力、若しくは、センサ3から離れる引張(洗浄)、センサ図4aの上方向の引張のいずれかを意味する。カートリッジ内の流体を解析する際の続くステップのために、永久磁石13の影響は除去されるべきである。永久磁石13の場合、これは、永久磁石13を取り除くことによりなされる。
【0028】
永久磁石13を取り除く際には、典型的には、2つの問題点が解決されるべきである。
a)強い永久磁石13を、センサ3から遠い位置に永久磁石13があるときに磁石からの漂遊磁界がセンサ3に影響するのを避けるために大きな距離に亘って移動させる必要がある。
b)機械的移動がリーダデバイスにおいて必要とされる。
【0029】
これらの問題の解決策は、永久磁石13が、図4bに示すように、位置Bと称されるセンサ3から大きな距離離れた位置にあると場合に、磁気的に閉じたループ内に永久磁石13を配置することである。永久磁石13は、カートリッジ4及びセンサ3に近い位置から、カートリッジ4及びセンサ3から遠い位置に移動し、これにより、後者の位置では、永久磁石13のそれぞれは、閉じた回路を実質的に生成するために磁極の間のC字形磁石12のスペースを実質的に閉じる。現実的には、永久磁石13の磁力線の全ては、C字形磁石12によりこの例では提供される磁気回路5を通ることになり、これは、磁気バイオセンサ若しくはセンサ3への影響を効率的に略ゼロにする。磁気システムの構成は、永久磁石13及びC字形磁石12間の縁部でのエアギャップができるだけ小さくこれらのエアギャップにより生ずる磁気フリンジ場が最小になるように、されるべきである。これが意味するところは、永久磁石13が使用されず若しくは作動状態であるべきでないとき、磁力線は、C字形磁石12のスペースを閉じる磁気回路のギャップ内に永久磁石13を移動させることによって、磁気バイパス内にもたられる。それぞれ磁気回路5を生成するC字形磁石12は、好ましくは、残留磁化を呈さない高い透磁性材料から作成される。
【0030】
それ故に、小型の強い永久磁石13(例えば、FeNdB;Iron Neodymium Bohr)を使用し、センサ3に近い位置Aからセンサ3から大きい距離の位置Bへの線形的若しくは回転による機械的移動でこれらの永久磁石13を移動させることが、提案される。
【0031】
外部の永久磁石13を使用する利点は、次のとおりである。
−永久磁石13は出力の散逸を起こさない。
−永久磁石13は、1−2テスラのオーダーでより大きな磁場(及び場勾配)を生成できる。
【0032】
更に、幾つかの機械的作動機構が可能である。1つの考えられる実質的には、図5に示され、この場合、永久磁石13は、回転可能なディスク7の中若しくは上に配置される。回転可能なディスク7は、ボルト8まわりに回転し、この回転により、位置Aと称されるセンサ3の近傍の位置と、位置Bと称される、C字形磁石12のスペースを閉じるセンサ3から遠い側の第2の位置に、取り付けられた永久磁石13をシフトさせる。好ましくは、作動機構は、2つの可能な位置A及びB内で双安定である(図4参照)。
【0033】
小型の弱い機械的作動のみが、位置Aから位置Bまで及びその逆に永久磁石13を移動させるために必要であるべきである。かかる構成は、例えば、ダブルリーダ若しくはダブルライトデバイスにおける光路にCD若しくはDVDレンズを移動させるために光記憶装置で知られている。この技術分野では、かかるアクチュエータは、しばしば、‘ポール−アクチュエーション(pole-actuation)’と称される。
【0034】
上述のセットアップを用いることによって、センサ3から磁気粒子15を洗浄して除くための流体を用いることなく、望ましくない磁気粒子15を除去する洗浄ステップを実現することが可能である。競争力のあるアッセイのため、井戸プレートを用いる試験は、結合面から上方(1.5mmまで)の永久磁石13(表面で1.2T未満)が、特定と非特定の結合磁気粒子15の間の良好に判別できることを証明した。
【0035】
図6は、非結合の磁気粒子15を取り除く磁石1と共に、抗原20に結合する取り付けられた抗体16を備える磁気粒子15及び搭載された抗原20を備えるアッセイセットアップの2つの概略図を示す。一般的に、アッセイセットアップは、磁気粒子15、抗体16及び抗原20が溶液内に溶解された検査対象の流体により管理される。アッセイセットアップは、井戸プレートで実現され、その場合、表面18は、抗原20により被覆され、抗原20には、抗体16で被覆された磁気粒子15が、表面18に到達すると結合されることができる。この結合プロセスは、表面18の下方の磁石(図示せず)を用いて促進することができる。図の右側では、磁石1は、溶液外に未結合の磁気粒子15を釣り上げるために表面18から一定距離上方に配置される。抗体16を介して表面18にて抗原20に結合されていない磁気粒子15は、図6の右側に示すように、磁石1へと移動させられる。この洗浄ステップの後、望ましくない磁気粒子15は、続く検出ステップにより検出されないように表面18から適切に遠くに離され、当該検出ステップでは、表面18に結合された磁気粒子15の量が測定される。規則的には、結合された磁気粒子15は、磁気粒子15に結合された抗体16の量に対する指標として検出される。続く検出ステップは、磁気的検検出、光学的検出、音響的検出若しくは他の検出技術に基づくことができる。
【0036】
図7は、ポジティブと称される、磁石1,2,12,13を備えるセンサ3の洗浄手順前に測定されたルミネッセンスの測定値のヒストグラムを左に、ブランと称される、センサの洗浄後に測定されたルミネッセンスの測定値のヒストグラムを右に示す。表面18上に残る磁気粒子15は、続発性抗体16がタグ標識されたホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)でラベル付けされる。HRPは、光学的に検出される光子を放つルミノールの転化に触媒作用を及ぼす酵素である。ルミノールは、図6に示すように、磁気粒子15への抗体16の結合に対応して、本例では磁気粒子15に結合されるので、ルミネッセンスは、表面18上の磁気粒子15の量に対する目安となるルミノールでのインキューベーション時に測定された。上述の磁気システムによりアッセイセットアップを処理する結果として、結合された磁気粒子15に由来する信号だけが測定され、左側のポジティブに依然として存在する未結合磁気粒子15は、除去され、光信号にもはや寄与しない。
【0037】
上述の詳細な実施例における要素及び特徴の特定の組み合わせは、模範的でしかない。即ち、これらの教示と他の教示との入れ替えや代替も特別に考えつく。当業者は、個々で説明されたものの変形例、改良例若しくは他の実現例が、クレームされた本発明の範囲や精神から逸脱することなく、当業者に生ずることができることを認識するだろう。従って、上述は、あくまで例示であり、限定的な意図はない。本発明の範囲は、続くクレームに定義されたもの及びその均等物である。更に、説明や原文クレームで使用される参照符号は、クレームされた本発明の範囲を限定するものでない。
【符号の説明】
【0038】
1 第1磁石
2 第2磁石
3 センサ
4 カートリッジ
5 磁気回路
7 回転可能なディスク
8 ボルト
9 機械支持体
12 C字形磁石
13 永久磁石
15 磁気粒子
16 抗体
18 表面
20 抗原

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオセンサ若しくはバイオシステム用の磁気システムであって、
磁気粒子は、磁気的な引力若しくは析力を介して影響を受けるために、磁場内に至らされ、
少なくとも1つの磁石は、センサの位置若しくは少なくともセンサ表面に対して相対的に機械的に移動される、磁気システム。
【請求項2】
前記センサは、解析されるバイオ材料を含むカートリッジに直接的に物理的に結合される、請求項1に記載の磁気システム。
【請求項3】
少なくとも2つの磁石は、機械的な支持体にて該少なくとも2つの磁石を配設することによって、前記センサ及び前記カートリッジに対して同時に移動されることができる、請求項1に記載の磁気システム。
【請求項4】
前記センサ及び前記カートリッジは、共通の軸内に互いに近接して配置される前記磁石の2つの磁極間で線形的に移動可能である、請求項2に記載の磁気システム。
【請求項5】
2つの永久磁石の少なくとも一方は、前記共通の軸の外側から前記共通の軸に並ぶ位置へと又はその逆に線形的にシフトされる、請求項4に記載の磁気システム。
【請求項6】
前記共通の軸の外側から前記共通の軸に並ぶ位置への移動又はその逆の移動は、永久磁石の少なくとも一方の回転移動により実現される、請求項4に記載の磁気システム。
【請求項7】
前記永久磁石の回転移動は、前記磁石の軸に平行な回転軸を持つ回転ディスク上の偏心した位置上に前記永久磁石を配置することにより実現される、請求項6に記載の磁気システム。
【請求項8】
1つのC字に形成された磁石は、永久磁石毎に配置され、前記永久磁石は、閉じた磁気回路を生成する磁場をバイパスするために、前記C字に形成された磁石の極間のスペース内に移動される、請求項5〜7のうちのいずれか1項に記載の磁気システム。
【請求項9】
永久磁石は、FeNdBのような高残留磁気を持つ材料から作成される、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の磁気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−512531(P2010−512531A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540919(P2009−540919)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054967
【国際公開番号】WO2008/072149
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】