説明

バイオセンサ試験片の管理システム及び管理方法

【課題】 バイオセンサ試験片の有効期限管理システムを提供する。
【解決手段】 以下のステップからなる。
バイオセンサ試験片の1以上の初期設定データを入力し、入力設定データの時間、データ内容あるいはこれらを組み合わせてデータの種類に応じて期間経過のカウント条件を定めるカウント参考値を設定し、該カウント条件によるカウント結果によってバイオセンサ試験片の有効期限をモニタする。上記のデータ及びモニタ表示内容として、現在の日時、モニタしたバイオセンサ試験片の有効日時、試験片数量、開封日時或いは前記の組合せの表示を含む。
モニタ結果によりバイオセンサ試験片が既に有効日時を経過しているなどの場合には、イメージ、音声などにより警告してその不適切な使用を回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサ試験片の管理システム及び方法に関する。特に、バイオセンサ試験片の有効期限管理において、使用者が有効日時を過ぎたバイオセンサ試験片を使用し検査測定を行うことを回避するバイオセンサ試験片の管理システム及び方法に係る。
【背景技術】
【0002】
血液などの生体由来の液体中のある分析物質の濃度を測定する検査測定装置は広く応用されており、しかも検査測定に便利なバイオセンサ試験片も開発され、病院、臨床実験室、医療クリニック或いは家庭において隨時検査測定を行い健康状況を観察できるようになっている。生物検査測定装置は、生物体の血糖(glucose)、コレステロール(cholesterol)或いは尿酸(uric acid)等各種生理指数測定に応用され、通常は使い捨て式試験片を使用し、特殊な測定技術を適用して、検査測定目的の結果を得るものである。
一方、バイオセンサ試験片の品質は、検査測定の正確性に影響を及ぼす重要な素因の一つである。一般には試験片の製作完成後、製造者は試験片の化学特性及び物理特性に基づき、同一回試験片に校正データを与え、これによりより正確な分析結果を得ようとする。しかし、バイオセンサ試験片は環境の影響を受け、その化学特性及び物理特性は時間経過と共に変質しやすく、分析結果上の誤差或いは有効性を損なう結果となる。
バイオセンサ試験片は、その封入保存に注意する他に、「保存期限(shelf life)」と「開封有効期限(opening shelf life)」を定め、両者は共に使用者が自身で管理する。
「保存期限」は、試験片の製造時からカウントを開始し、「開封有効期限」のカウントの開始日は使用者が初めて開封使用した時により決まる。しかし、しばしば使用者の不注意により既に期限切れの試験片を無意識の内に適用し、分析結果の偏差を引き起こし、受診者の健康状況に影響を及ぼす事態を招いている。
巻明の便を図るため、本文中でいう「有効日時」は「保存期限」と「開封有効期限」の両者の内の最新日時を指す。
【特許文献1】特許第3725448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に示す有効期限管理に対するニーズに応えるため、本発明者は多年にわたる研究と実務経験に基づき、研究と研鑽を重ね、本発明のバイオセンサ試験片の管理システム及び方法を開発した。
本発明は上記構造の問題点を解決したバイオセンサ試験片の管理システム及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は下記のバイオセンサ試験片の管理システム及び方法を提供する。
バイオセンサ試験片の有効期限管理において、使用者が有効日時を過ぎたバイオセンサ試験片を使用し検査測定を行うことを回避するべく、
本発明のバイオセンサ試験片の管理方法は、試験片検査測定装置に適用する、少なくとも1個のバイオセンサ試験片を管理し、管理方法は以下のステップからなり、
1.バイオセンサ試験片の少なくとも1個の設定データを入力し、
2.設定データの設定時間、データ内容或いはこれらを組み合わせて、期間管理条件となる期間を定めるカウント参考値を設定し、
3.該カウント参考値のカウント結果により、バイオセンサ試験片の有効期限をモニターし、
さらに、
4.現在の日時、モニタしたバイオセンサ試験片の有効日時、試験片数量、開封日時或いは前記の組合せをディスプレイ或いは音声などにより表示し、
5.モニタしたバイオセンサ試験片が既にカウント参考値を超過している場合には、使用者にバイオセンサ試験片がカウント参考値を超過していることを知らせる。
さらに本発明は、上記の本発明のバイオセンサ試験片の管理方法を実行するバイオセンサ試験片の管理システムとして、少なくとも設定ユニット、管理ユニット及び執行ユニットからなり、該設定ユニットによりバイオセンサ試験片の少なくとも1個の設定データを入力し、該管理ユニットは設定データの設定時間、データ内容或いはこれらを組合わせて、期限管理条件となるカウント参考値を設定し、カウントを行い、該執行ユニットは該カウント参考値のカウントに対応してバイオセンサ試験片の有効期限をモニタする。
こうして有効日時を過ぎたバイオセンサ試験片を使用して検査測定を行うことを回避し、その有効期限を管理することを特徴とするバイオセンサ試験片の管理システム及び方法である。
【発明の効果】
【0005】
上記のように、本発明はバイオセンサ試験片の有効期限管理を提供し、使用者が有効日時を過ぎたバイオセンサ試験片を使用して検査測定を行わないよう管理を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明バイオセンサ試験片管理システムのブロックチャートである図1に示すように、管理システム1はバイオセンサ試験片検査測定装置に適用する、少なくとも1個のバイオセンサ試験片16を管理する。該管理システム1は少なくとも設定ユニット11、管理ユニット12及び執行ユニット13からなる。
該設定ユニット11は、該バイオセンサ試験片16の少なくとも1個の設定データ14を入力し、該管理ユニット12は該設定データ14の設定時間、データ内容或いはこれらを組合わせて、期間管理上の期限を定めるカウント参考値15を設定し、カウントを行う。該執行ユニット13は該カウント参考値15のカウントに基づき、該バイオセンサ試験片16の有効期限をモニタする。
【0007】
本発明の別種のバイオセンサ試験片管理システムのブロックチャートである図2に示すように、管理システム2はバイオセンサ試験片検査測定装置に適用する、少なくとも1個のバイオセンサ試験片16を管理する。該管理システム2は少なくとも設定ユニット11、管理ユニット12、執行ユニット13、表示ユニット21及び警告表示ユニット22からなる。
該設定ユニット11は、該バイオセンサ試験片16の少なくとも1個の設定データ14を入力し、該管理ユニット12は該設定データ14の設定時間、データ内容或いはこれらを組合わせて期間管理期限を定めるカウント参考値15を設定し、カウントを行う。該執行ユニット13は、該カウント参考値15のカウントに対応して該バイオセンサ試験片16の有効期限をモニタする。該表示ユニット21は、現在の日時、執行ユニット13がモニタするバイオセンサ試験片16の有効日時、試験片数量、開封日時或いは前記の組合せを表示する。該警告表示ユニット22は該執行ユニット13がモニタしたバイオセンサ試験片16が既にカウント参考値を超過している場合には、使用者に該バイオセンサ試験片16が該カウント参考値を超過したことを知らせる。
【0008】
上記の設定データ14は、バイオセンサ試験片の校正コード(calibration code)、校正データ、該回のバイオセンサ試験片の数量、開封日時、有効日時或いは上記の組合せを含むことが望ましい。
該カウント参考値15は、有効日時、日数、週数、或いはこれらを合わせたものが望ましい。
該設定データ14は、一般的にはバイオセンサ試験片16の校正コード(calibration code)、校正データ、バイオセンサ試験片16の数量、開封日時、有効日時或いは上記の組合せで、該校正コード或いは校正データは校正コードカード(code card)を挿入する方式で提供し、或いは使用者は校正コードの入力を選択後、試験片検査測定装置中において対応する校正データを取得し、該設定データ14入力時間を試験片開封日時とし、試験片の「開封有効期限」の起算を開始する。或いはさらに試験片使用数量の起算を開始し、使用試験片の数量が該設定データ14のカウント参考値15の試験片数量を超過した時には、該設定データ14の再設定を提示する。
該管理ユニット13は、さらにカウントユニットを備え、時間をカウントし、或いは数量をカウントする。
【0009】
本発明バイオセンサ試験片管理方法のフローチャートである図3に示すように、該管理方法は試験片検査測定装置に適用し、少なくとも1個のバイオセンサ試験片を管理するもので、以下のステップからなる。
ステップS31:バイオセンサ試験片16の設定データ14を入力する。
ステップS32:設定データ14の設定時間、データ内容、或いはこれらを組合わせて、期間管理上の期限となるカウント参考値15を設定する。
ステップS33:該カウント参考値15のカウントに対応し、該バイオセンサ試験片16の有効期限をモニタする。
ステップS34:現在の日時、モニタしたバイオセンサ試験片16の有効日時、試験片数量、開封日時或いは前記の組合せを表示する。
ステップS35:モニタしたバイオセンサ試験片16が既にカウント参考値を超過している場合には、使用者に該バイオセンサ試験片16がカウント参考値を超過したことを知らせる。
【0010】
上記のカウント参考値15は、有効日時、日数或いは週数有効日時、試験片数量或いは前記の結合を含むことが望ましい。
該設定データ14は、通常バイオセンサ試験片16の校正コード(calibration code)或いは校正データ、或いは使用者入力の該回のバイオセンサ試験片16数量、或いは使用者入力の開封日時或いは有効日時或いは上記の組合せを含む。該校正コードは、校正データ校正コードカード(code card)を挿入する方式で提供し、或いは使用者が校正コードの入力を選択後、試験片検査測定装置中において対応する校正データを取得する。該設定データ14は、入力時間を試験片開封日時とし、試験片の「開封有効期限」の起算を開始する。或いはさらに試験片使用数量の起算を開始し、使用試験片の数量が該設定データ14のカウント参考値15の試験片数量を超過した時には、該設定データ14の再設定を提示する。
該管理ユニット13はさらにカウントユニットを含み、時間をカウントし、或いは数量をカウントする。
【0011】
本発明バイオセンサ試験片管理方法の実施フローチャートである図4に示すように、該バイオセンサ試験片16を試験片検査測定装置に挿入する時、本発明管理方法のプロセスを執行する。この実施例中で基準とするカウント参考値15は、有効日時、日数或いは週数、或いはこれらの組合わせであることが望ましい。本プロセスは以下のステップからなる。
ステップS41:バイオセンサ試験片を挿入する。
ステップS42:現在の日時が有効日時、日数、週数或いはその結合を超過していないかどうかを判断する。もし、超過しているなら、ステップS45を執行し警告信号を発する。また、超過していないなら、ステップS43を執行する。
ステップS43:累積カウントの試験片個数がカウント試験片数量を超過していないかどうかを判断する。もし、超過しているなら、ステップS46を執行する。もし、超過していないなら、ステップS44を執行する。
ステップS44:試験片品質の正常検査測定を行う。
ステップS45:警告信号を発する。
ステップS46:設定データ再設定を提示し、設定後にステップS44を執行する。
上記の警告信号は、一般的にはイメージ、音声、光線、振動などの信号で、使用者にバイオセンサ試験片が有効日時を超過したことを警告する。
上記は本発明の実施例に過ぎず本発明に限定するものではない。当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明が掲示する技術内容に基づき、本発明の製品と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、したがって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明バイオセンサ試験片管理システムのブロックチャートである。
【図2】本発明別種のバイオセンサ試験片管理システムのブロックチャートである。
【図3】本発明バイオセンサ試験片管理方法のフローチャートである。
【図4】本発明バイオセンサ試験片管理方法の実施フローチャートである。
【符号の説明】
【0013】
1 バイオセンサ試験片の管理システム
11 設定ユニット
12 管理ユニット
13 執行ユニット
14 設定データ
15 カウント参考値
16 バイオセンサ試験片
2 バイオセンサ試験片の管理システム
21 表示ユニット
22 警告表示ユニット
S31〜S35 プロセスステップ
S41〜S46 プロセスステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査測定装置に適用するバイオセンサ試験片の該管理システムであって、少なくとも設定ユニット、管理ユニット、執行ユニットからなり、
該設定ユニットは、該各バイオセンサ試験片の少なくとも1個の設定データを入力し、
該管理ユニットは、該設定データの設定時間、データ内容或いはこれらを組合わせて期間管理上の期限となるカウント参考値を設定し、カウントを行い、
該執行ユニットは、該カウント参考値のカウントに対応して該各バイオセンサ試験片の有効期限をモニタすることを特徴とするバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項2】
前記設定データは、バイオセンサ試験片の校正コード(calibration code)、校正データ、該当するバイオセンサ試験片の数量、開封日時、有効日時或いは上記の組合せを含むことを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項3】
前記カウント参考値は、有効日時、日数、週数、或いはこれらを組合わせたものであることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項4】
前記管理ユニットは、カウントユニットを含み、時間、数量或いはこれらの組み合わせについてカウントすることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項5】
前記執行ユニットは、カウント参考値と最新時間情報とを比較して試験片の状態を判断することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項6】
前記バイオセンサ試験片の管理システムは、設定したバイオセンサ試験片の数量に基づき、累積使用の該バイオセンサ試験片の数量をカウントし、該試験片数量を超過した時、設定データの再設定を提示することを特徴とする請求項2記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項7】
前記管理システムは、さらに警告表示ユニットを含み、該執行ユニットがモニタした該バイオセンサ試験片が該カウント参考値を超えた時、該バイオセンサ試験片が該カウント参考値を超えたことを表示することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項8】
前記管理システムはさらに表示ユニットを含み、現在の日時、該執行ユニットがモニタした該バイオセンサ試験片の有効日時、試験片数量、開封日時或いはこれらの組合せを表示することを特徴とする請求項3記載のバイオセンサ試験片の管理システム。
【請求項9】
検査測定装置に適用するバイオセンサ試験片の該管理方法であって、
該各バイオセンサ試験片の少なくとも1個の設定データを入力し、
該各設定データの設定時間、データ内容或いはこれらの組み合わせについて期間管理上の期限を定めるカウント参考値を設定し、
該カウント参考値のカウントに対応して、該各バイオセンサ試験片の有効期限をモニタすることを特徴とするバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項10】
前記カウント参考値は、有効日時、日数或いは週数、或いはこれらの組合わせであることを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項11】
前記設定データは、バイオセンサ試験片の校正コード、校正データ、該バイオセンサ試験片の数量、開封日時、有効日時或いはこれらの組合せを含むことを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項12】
前記カウント参考値は、有効日時、日数、週数、或いはこれらの組合わせであることを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項13】
前記バイオセンサ試験片の管理方法においては、カウント時間、数量或いはこれらの組み合わせについて該各バイオセンサ試験片の有効期限をモニタすることを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項14】
前記バイオセンサ試験片の管理システムは、該カウント参考値と該最新時間情報を比較して、試験片の状態を判断することを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項15】
前記バイオセンサ試験片の管理システムは、設定したバイオセンサ試験片の数量に基づき、累積使用の該バイオセンサ試験片の数量をカウントし、該試験片数量を超過した時、該開封日時、該試験片数量或いは両者の組合せ設定データの再設定することを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項16】
前記管理方法は、モニタした該バイオセンサ試験片が該カウント参考値を超えた時、該バイオセンサ試験片が該カウント参考値を超えたことを表示することを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。
【請求項17】
前記管理方法は、さらに現在の日時、モニタした該バイオセンサ試験片の有効日時、試験片数量、開封日時或いはこれらの組合せた表示を行なうことを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ試験片の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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