説明

バイオセンサ

少なくとも1つの試薬が、作用電極の一部、作用電極から作用電極と結合している電気接点にまで至る導電性トラック、または作用電極と結合している電気接点を形成している、バイオセンサ。例えば、バイオセンサは、メディエータ、または酵素または双方を作用電極自体に含ませることが可能である。他の試薬を、電極自体に対して直接に、または、メッシュや膜などの基質に酵素をしみ込ませて、次に含浸したメッシュや膜を電極上に置くことによって、施すことが可能である。代替例では、バイオセンサはメディエータ、または酵素または双方を、作用電極から作用電極と結合している電気接点に至る導電性トラックに含ませることが可能である。別の代替例では、バイオセンサは、メディエータ、または酵素または双方を、作用電極自体と結合している電気接点に含ませることが可能である。さらに、バイオセンサは、メディエータ、または酵素または双方を、バイオセンサの前述の少なくとも2つの成分に含ませることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気化学センサに関し、より詳しくは液体サンプル中の検体の濃度を決定する電気化学センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セルは、互いに電気的に接続されている作用電極と対向電極を備えたデバイスである。使用する際には、これら各々の電極で発生する電気化学反応によって、電子がこれら電極間を流れ、それによって電流が発生する。電気化学セルは、例えばバッテリという形態中で生成された電流を利用するように設定することも可能であるし、印加された電流や電圧によって引き起こされた電気化学反応を検出するように設定することも可能である。
【0003】
バイオセンサは電気化学セルの一種であって、その電極構成として、作用電極と基準電極と対向電極(または基準電極と対向電極の代わりに、基準電極と対向電極の双方として機能する電極)を備えている。検定されるサンプル中の検体による電気化学反応が発生すると測定可能な信号を生成するために必要とされる試薬、例えば酵素とメディエータが作用電極上に置かれ、これによって、試薬が作用電極の表面の少なくとも一部を覆うようにする。
【0004】
別の場合では、バイオセンサは、例えば、銀と塩化銀の混合物を含む基準電極を含む。試薬は少なくとも作用電極上に置かれる。しかしながら、試薬を基準電極上に置いても、作用電極における電気化学的測定に影響することはない。例えば、キノンメディエータを含有する試薬は、銀/塩化銀混合物とは反応しないであろう。このタイプのメディエータを有するバイオセンサによると、試薬との相対的なレジストレーションが不正確な作用電極上にも、試薬を付着させることが可能である。
【0005】
さらに別の事例では、基準電極に付着された物質からバイオセンサの試薬を隔離して、メディエータとこの基準電極に付着された物質との間の相互作用を防止する必要がある。このような場合、作用電極上で試薬を正確にレジストレーションする必要がある場合がある。
【0006】
別の場合では、試薬と1つの不活性電極(炭素、パラジウム、金など)がバイオセンサの作用電極として動作し、試薬と別の不活性電極がバイオセンサの二重目的の基準/対向電極として動作する。このような状況では、試薬は双方の電極上に置く必要があるが、その理由は、このような不活性電極は、いかなる化学反応にも容易には関与し得ないからである。例えば、フェリシアン化物は、メディエータとして用いると、グルコースの存在下で還元されてフェロシアン化物になる。フェリシアン化物/フェロシアン化物系は、不活性電極の表面で基準電位となるが、この基準電位は、ほんの短い持続時間しか必要としない検定にとっては十分に安定したものである。
【0007】
さらに別の事例では、酵素、メディエータまたは双方が作用電極の表面上で固定化され、電極間で試薬が拡散したり移動したりすることを防止する。固定化は、例えば酵素などの対象となる分子を電極の表面に化学的に結合することによって達成することが可能である。一部の事例では、酵素とメディエータを、ガラス管にパッキングされた炭素ペースト電極中に含ませる。ガラス管中に形成されている炭素ペースト電極は、炭素を含有するインクを基体(substrate)の上にプリントすることによって、基体に付着しないようにする。
【0008】
様々なタイプのバイオセンサ間の相違は、所望される化学反応によって異なる。当業者は、所与のバイオセンサを、所望の化学反応を実行することが可能となるように容易に修正することが可能であろう。
【0009】
従来は、試薬は、導電性材料の層を炭素電極上にプリントすることによって、作用電極上に堆積させる。電気化学反応性の種が拡散するため、追加の層をプリントするためにレジストレーションする必要があることに加えて、電極を配置する際には、同じ基体上に電極を置くようにすることが望ましい。しかしながら、電極を同じ基体上に置く、特に隣り合わせに置くためには、所与の化学反応を実行するために接触しなければならない電極の全てに液体サンプル接が触することが可能であるように、液体サンプルを比較的多量にバイオセンサが消費しなければならないことがしばしばある。必要とされるサンプルの容積を減少させる1つの方法として、薄いスペース層で分離された互いに対向する基体上に電極を置く方法がある。必要とされるサンプルの容積を減少させる別の方法として、電極のサイズを減少させる方法がある。レジストレーションのトレランスがあるため、前にプリントされた電極の頂部に別の層をプリントしなければならない場合では、電極サイズを減少しようとしても限りがある。
【0010】
国際公開第2002/054055号明細書には、サンプルを付着させる特性と測定する特性を改善したと主張されるバイオセンサが記載されている。このバイオセンサは、サンプルを付着して反応させるチャンバを有し、このチャンバによって、毛細管流動によるサンプル付着の速度と均一性が促進される。このバイオセンサは、検定上の一貫性と正確性を改善させるものと主張される複数の回路を有する。
【0011】
米国特許第5,229,282号明細書には、主として炭素を含有する電極系を絶縁用基剤プレート上に形成することと、この電極系の表面を有機溶媒で処理することと、反応層を電極系上に配置して一体化エレメントとすることとを含む、バイオセンサを作成する方法が記載されている。この反応層は、酵素、電子受容体および親水性重合体を含有している。有機溶媒で処理することによって、電極系に対する反応層の付着性が向上する。電極系は、作用電極と対向電極を含んでいる。電極系は、樹脂結合剤を含有する炭素ペーストから形成される。
【0012】
米国特許第5,185,256号明細書には、絶縁基剤と、この基剤上に形成され、主として炭素から成る電極系と、酵素および電子受容体を有し、この電極系と一体に合成された穴あき素地と含み、これによって、生物学的液体サンプルの特定の成分の濃度を、液体サンプルを添加する手順によって電気化学的に迅速にそして正確に測定することが可能なバイオセンサが記載されている。
【0013】
欧州特許第0390390号明細書には、1つ以上の選択成分の存在を検出してその分量を測定する、諸成分の液体混合物中で用いられる電気化学酵素バイオセンサが記載されている。酵素電極は、酵素と、フレキシブルな重合体バックボーンに共有結合した人工のレドックス化合物と、電子コレクタを含んでいる。1つの例では、炭素ペーストは、黒鉛の粉末に重合体を含有しているフェロセンを混合することによって構成されたが、後者はクロロフォルム中に溶解された。溶媒が蒸発した後、グルコースオキシダーゼとパラフィン油が添加され、結果として得られた混合物をブレンドしてペーストにした。このペーストはガラス製電極ホルダの基剤の窪みにパッキングされた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
液体サンプルの容積を減少させる技法では一般に、電極同士が非常に近接して置かれる必要がある。しかしながら、電極をこのように位置付けると、その結果、しばしば試薬が一方の電極から他方の電極に移動して、その結果、バックグラウンド信号が高くなる。バックグラウンド信号が高いと、その結果、しばしば検体の濃度の測定が不正確なものとなる。(a)対向電極または二重目的基準/対向電極と、(b)作用電極との間で、メディエータが拡散する結果生じる電気化学的フィードバックを減少させる電極配置体を有する、バイオセンサを提供することが望ましい。また、作用電極の酵素および他の成分を、プリントによってではなく、落下コーティング、吹き付けコーティングおよび漬けコーティングなどによって付着し、これによって電極の面積を減少させて、サンプルの容積をさらに減少させることを可能とすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1つの態様では、本発明は、少なくとも1つの試薬が、作用電極の少なくとも1部分、作用電極から作用電極と結合している電気接点に至る導電性トラックの少なくとも1部分、または作用電極と結合している電気接点の少なくとも1部分、またはこれらの成分の少なくとも2つの各々の成分の少なくとも1部分を構成する、バイオセンサを提供する。例えば、バイオセンサは、作用電極自体に含まれたメディエータ、または酵素または双方を有することが可能である。他の試薬は、電極自体の上に直接に、または、メッシュまたは膜などの基質に酵素を含浸させて次に、含浸されたメッシュまたは膜を作用電極上に置くことによって、施すことが可能である。代替例では、バイオセンサは、作用電極から作用電極と結合している電気接点に至る導電性トラックに含まれたメディエータ、または酵素または双方を有することが可能である。別の代替例では、バイオセンサは作用電極自体と結合している電気接点に含まれたメディエータ、または酵素または双方を有することが可能である。さらに、バイオセンサは、バイオセンサの前述の成分の少なくとも2つに含まれたメディエータ、または酵素または双方を有することが可能である。
【0016】
別の態様では、酵素、またはメディエータまたは酵素とメディエータの双方を、作用電極と、作用電極から作用電極と結合している電気接点に至る導電性トラックとを形成するために用いられる、導電性インクに含ませることが可能である。作用電極をプリントするために用いられるインクは酵素に対して悪影響を及ぼす場合があるため、調合を適切に修正して、インク中での酵素の安定性を向上させることが可能である。例えば、ポリエチレングリコールをインクに添加すると、インク中に親水性のドメインが導入されて、酵素の構成が余り変化していない媒質となる。
【0017】
前述したように試薬を位置付けると、メディエータから作用電極のバルクにまで電子を効率的に転送することが可能となるが、その理由は、メディエータが作用電極と直接に接触しているからである。メディエータが電極表面上に付着されると、電極/メディエータ境界面のところに存在するメディエータの部分だけが電極と反応して、メディエータの残余の部分は電極から拡散していく。本発明においては、メディエータの全ての部分を、作用電極の導電性の部分と直接に接触するように位置付けすることが可能である。試薬を、作用電極と、作用電極から作用電極と結合している接点に至る導電性トラックとに含ませると、試薬の酵素成分を正確に位置付けする必要性なく、電極配置体中に酵素を容易に含ませることが可能となる。メディエータは、作用電極に含ませることが可能であるので、作用電極から拡散して出ることは無く、その結果、作用電極と二重目的基準/対向電極(または3電極式の実施形態における対向電極)間でメディエータが移動して、その結果、作用電極と二重目的基準/対向電極(または3電極式の実施形態における対向電極)を、測定の際に互いに干渉したりする恐れなく、平面配置(隣り合った配置)でまたは対向配置(向かい合わせ配置)で、近接して位置付けすることが可能である。電極をこのように位置付けすると、好ましくは1マイクロリットルを超えない小容積のサンプルで動作可能なバイオセンサを製造することが可能となる。
【0018】
本発明によるバイオセンサによって、メディエータから作用電極に対して電子を効率的に転送することが可能となる。メディエータは電極に近接しており、これで、酵素から作用電極に電子が効率的に中継される。
【0019】
メディエータが1つの電極から別の電極に移動することを防止することが可能であることは、プリント動作に対する制約が緩和されることとあいまって、バイオセンサのサイズを極限まで減少させることを可能とするものである。作用電極と対向電極(または二重目的基準/対向電極)は、平面配置でまたは対向配置で十分に近接して位置付けすることが可能であり、液体サンプルの必要とされる容積をかなり減少させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本明細書で用いる場合、「試薬」という用語は、検体と相互作用する、または、測定可能信号を生成するために検体と相互作用する試薬と相互作用するために必要とされる物質を意味する。グルコース、ラクテート、ケトン体などの濃度を測定する場合、試薬は酵素およびメディエータならびに任意で補酵素を含む。
【0021】
「配置(arrangement)」という用語は、電極が互いに対して位置付けされる仕方を意味する。例えば、平面配置では、作用電極と二重目的基準/対向電極は絶縁基体の同じ表面上に置かれ、これによって、電極は隣り合った関係となる。対向配置では、2つの基体が対面関係となって、一方の電極が2つの基体のうちの一方の上にあり、他方の電極が2つの基体のうちの他方の上にあり、これによって、電極が対面関係となる。
【0022】
本明細書で用いられる場合、「電極」という用語は目的とする検体を含有している液体サンプルに暴露される、導電性トラックの部分のことであり、「導電性トラック」という表現とは、電極を電気接点に接続する十分に電気抵抗の低いリードのことであり、「接点」という用語は、電気的値を測定している間に測定装置との取り外し可能な接続を形成することが可能な、導電性トラックの部分のことである。
【0023】
「作用電極」という用語は、目的とする反応が発生する電極を意味する。電流は、作用電極における検体、例えば、グルコースの濃度に比例する。「基準電極」という表現は、作用電極とサンプルとの境界面における電位を可能な限り正確に測定する電極のことであり、「対向電極」とは、基準電極と作用電極間に正しい電位差が印加されることを保証する電極のことであり、「二重目的基準/対向電極」とは、対向電極としてだけではなく基準電極としても動作する電極である。理想的な基準電極では、基準電極には電流は全く流れない。
【0024】
作用電極と基準電極間の電位差は、作用電極における所望の電位と同じものであると仮定される。作用電極において測定された電位が作用電極において所望される電位ではない場合、対向電極と作用電極との間に印加される電位は変更される、すなわち、電位は増減される。対向電極における反応は、作用電極において発生する電荷転送反応と反対方向に等しい、すなわち、作用電極において酸化反応が発生している場合には、対向電極では還元反応が発生し、これによってサンプルは電気的に中性のまま留まることが可能となる。理想的な基準電極では電流は流れることはなく、このような電極では定常電流が維持されるが、二重目的基準/対向電極には電流が流れるため、二重目的基準/対向電極では、測定中に定常電位が維持されることはない。
【0025】
電流が低い場合および/または測定持続時間が短い場合、電位の変移は十分少なく、このため、作用電極での反応があまり影響されることは無く、したがって、その二重目的基準/対向電極は二重目的基準/対向電極に指定される。二重目的基準/対向電極はそれでも自身の対向電極としての機能を実行するが、二重目的基準/対向電極の場合、二重目的基準/対向電極と作用電極との間に印加される電位を、作用電極での電位の変動を埋め合わせるために変更することは不可能である。
【0026】
本明細書で用いられる場合、「導電性」という用語は、電気的導電性を意味する。「絶縁」という用語は電気的絶縁を意味する。「反応ゾーン」という表現は、バイオセンサ内で、酸化還元反応が発生する位置を意味する。「サンプル付着ゾーン」という表現は、液体サンプルがバイオセンサに付着される位置を意味する。
【0027】
本発明に適するバイオセンサ細片を図1から図6に示す。図1から図3を参照すると、バイオセンサ細片10は電極サポート12を備えているが、このサポートは、好ましくは炭素を含む導電性インクから形成されるのが好ましい2つの導電性トラック14aと14bを支持する、重合体材料(例えば、塩化ポリビニル、ポリカーボネート、ポリエステルなど)から成る細長い細片であるのが好ましい。これらのトラック14aと14bは、電気接点16aおよび16bと、二重目的基準/対向電極18と、作用電極20との位置を決定する。電気接点16aと16bは、電流測定用の適当な測定装置(図示せず)中に挿入することが可能である。試薬を含有する層を参照符号22で示す。作用電極20に、所与の検定にとって必要とされる試薬が欠けている場合、試薬は層22によってバイオセンサに供給することが可能である。作用電極20が検定を実行するのに必要な全ての試薬を含有していれば、層22は削除可能である。好ましくは疎水性の絶縁体である絶縁体の層26が、さらにトラック14aと14bの上に存在する。電気接点16aと16bの位置は絶縁体層26によって覆われていない。この絶縁体層26は短絡を防止する働きをする。この絶縁体が疎水性であれば、親水性液体サンプルを暴露されている電極だけに行き渡らせることが可能である。「POLYPLAST」(英国ケント州ブロードステアズ市のSericol社製)などの好ましい絶縁体が市販されている。絶縁体層26は、テープ層28を絶縁体層26に接着させる接着剤層27を有している。テープ層28と接着剤層27は任意である。小さいアパーチュア32が層28に開いていて、これが抜け穴として機能し、これによって、液体サンプルがサンプル付着ゾーンから電極まで容易に流れることが可能である。
【0028】
ここで図4から図6を参照すると、バイオセンサ細片10’は、第1の基体12a’と、第2の基体12b’と、炭素を含むのが好ましい導電性インクから形成されるのが好ましい電気化学的用途のための導電性トラック14a’および14b’とを含んでいる。導電性トラック14a’と14b’は、電気接点16a’および16b’と、二重目的基準/対向電極18’と、作用電極20’との位置を決定する。電気接点16a’及び16b’は、電流測定用の適当な測定装置(図示せず)中に挿入可能である。試薬を含んでいる層を参照符号22’で示す。作用電極20’が、所与の検定に必要とされる試薬を欠いている場合、試薬を層22’によってバイオセンサに供給することが可能である。作用電極20’が検定を実行するに必要な全ての試薬を含んでいれば、層22’は削除可能である。バイオセンサ10’は、二重目的基準/対向電極18’と作用電極20’を含む指定されたセンサ領域を画定し、また、スペース層として働いて流れチャネル34’の幅と深さを指定するために、疎水性絶縁体であるのが好ましい絶縁体の層26’をさらに含んでいる。第2の基体12b’は流れチャネル34’を画定する助けとなる。サンプルは、毛細管引力によって流れチャネル34’中に流し込まれる。流れチャネル34’は、バイオセンサ細片が、毛細管引力によって液体サンプルを引き上げるような寸法を有する。参照により本明細書に組み込まれる、2002年2月1日に発行された米国特許出願第10/062,313号明細書を参照されたい。二重目的基準/対向電極18’に存在する小さいアパーチュア36’と、第2の基体12b’に存在する小さいアパーチュア38’とが、抜け穴として機能し、液体サンプルがサンプル付着ゾーンから電極まで容易に流れていけるようになっている。
【0029】
任意には、どちらの実施形態においても、トリガ電極を二重目的基準/対向電極の下流に置くことが可能である。トリガ電極を用いると、サンプルが細片にいつ付着されたかを判定し、これによって検定プロトコルを起動するようにすることが可能である。参照により本明細書に組み込まれる、2000年6月7日に出願された米国特許出願第09/529,617号明細書を参照されたい。トリガ電極によって、適切な分量のサンプルが反応ゾーンを満たすまで検定が始まらないようにする。2電極系については、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,509,410号明細書に、より完全に記載されている。
【0030】
代替実施形態(図示せず)では、バイオセンサ細片中の二重目的基準/対向電極の代わりに、基準電極と対向電極の2つの電極を用いることが可能である。作用電極と、基準電極と、基準電極から分離している対向電極とを含んでいるバイオセンサが、参照により本明細書に組み込まれる、2003年8月7日に公開された米国特許出願公開第2003−0146110号に示されている。この代替実施形態は、検定シーケンスを開始させるトリガ電極として働く第4の電極をさらに含むことが可能である。任意のトリガ電極がない場合には、対向電極を、検定シーケンスを開始させるトリガ電極として働くように、作用電極の下流に位置付けすることが可能である。
【0031】
任意には、どちらの実施形態においても、導電性トラック14a、14b、14a’および14b’の細長部分の各々の上に、銀の粒子と塩化銀の粒子を含む混合物から成るのが好ましい導電性材料のトラックをかぶせることが可能である(図示せず)。
【0032】
任意には、どちらの実施形態においても、メッシュの少なくとも1つの層と少なくとも第2の絶縁層を、試薬層22と22’に近接して置き、これで、液体サンプルが、化学的支援ウィッキングによってサンプル付着ゾーンを満たすことが可能となる。メッシュの層を、絶縁層(「POLYPLAST」)または接着剤層の支援によって、しかるべき位置に保持することが可能である。接着剤層を用いる場合、接着剤は、テープの層をしかるべき位置に保持するという二重目的を果たすことが可能である。電極が対面して配置されている配置体においては、メッシュの層は2つの電極間に、しかも電極の近傍に置くことが可能である。追加の絶縁層はどれでも内部に開口部が形成されており、付着されたサンプルがメッシュの基礎層にまで及ぶことが可能となっている。
【0033】
本発明によれば、少なくとも1つの試薬を、作用電極と、作用電極から作用電極と結合している電気接点にまでいたる導電性トラックと、作用電極と結合している電気接点とのうちの、少なくとも1つに含ませることが可能である。次に示す表に、バイオセンサの成分に含ませることが可能な、試薬のクラスの代表的な例の一部とその相対的分量とを示す。
【表1】

【0034】
バイオセンサIにおいて、酵素と、任意には補酵素とが、層22または層22’によって供給される。バイオセンサIIにおいて、酵素は層22または層22’によって供給される。バイオセンサIIIにおいて、メディエータと、任意には補酵素とが、層22または層22’によって供給される。バイオセンサIVにおいて、メディエータが層22または層22’によって供給される。バイオセンサVにおいて、層22または層22’は不必要であり、削除可能である。
【0035】
試薬含有層22と22’は、これらを用いる場合には、作用インクから形成することが可能であるが、このインクは作用電極20と20’の導電性材料の層にプリントされる。作用インクの層は、作用電極20と20’に付着されるだけではなく、所望される場合は、固定長を有する離散的領域として他の電極のうちのいずれかに付着させることが可能である。作用インクは、酸化還元メディエータ、酵素、補酵素または導電性材料のうちの、少なくとも1つを含む。例えば、測定される検体が血中のグルコースであれば、層22または層22’中に存在し得る酵素はグルコースデヒドロゲナーゼであるのが好ましく、層22または層22’中に存在し得る酸化還元メディエータは1,10−フェナントロリン−5,6−ジオンであるのが好ましい。一代替例では、層22または層22’の場合、プリント用インクは、測定される検体が酵素である場合、酵素の代わりに基質を含むことが可能である。もちろん、基質は触媒として酵素と反応する。
【0036】
目的とされる一般的な検体としては、例えば、グルコースやケトン体がある。一般的な非反応性の導電性材料には、例えば、炭素、プラチナ、パラジウムおよび金がある。インジウムをドープした薄い酸化物などの半導体材料を、非反応性導電性材料として用いることが可能である。本発明によるバイオセンサ細片においては、試薬は、粒子状材料を含有し、結合剤を有するインクという形態で付着させ、したがって、サンプルに暴露されても急速には溶解しないようにするのが好ましい。この特徴に鑑みて、酸化還元反応は、作用電極20および20’とサンプルとの境界面で発生する。グルコースの分子は、作用電極20と20’の表面にまで拡散して、酵素とメディエータの混合物と反応する。
【0037】
電極サポート12と基体層12a’および12b’とは、不活性重合体材料から構成されるのが好ましい。サンプルが流れる電極サポート12および基体層12a’と12b’の部分は、親水性であったり、親水性コーティング材料によって親水性とされていたりするのが好ましい。電極サポート12および基体層12a’と12b’のこのタイプの材料、または電極サポート12および基体層12a’と12b’のコーティング材料は、親水性液体を含有しているサンプルに用いるのに適している。サンプルが疎水性液体を含有している場合、サンプルが流れる電極サポート12および基体層12a’と12b’の部分は、疎水性であったり、疎水性コーティング材料によって疎水性とされていたりするのが好ましい。電極サポート12および基体層12a’と12b’を形成するために用いることが可能な代表的な材料には、これらに限られないが、ポリ(塩化ビニル)、ポリカーボネート、およびポリエステル、例えば親水性コーティングを有するポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエステル、例えばコロナ処理もしくは界面活性剤処理を受けるポリ(エチレンテレフタレート)、およびコロナ処理もしくは界面活性剤処理を受けるポリ(塩化ビニル)がある。電極サポート12および基体層12a’と12b’の寸法は決定的なものではないが、一般的な層12、12a’または12b’の長さは、約20mmから約40mmであり、その幅は約3mmから約10mm、その厚さは約0.5mmから約1mmである。基体12a’と12b’を製造するのに適している材料の代表的な例としては、3M9971親水性PETフィルムと三菱4FOGがあるが、双方ともポリ(エチレンテレフタレート)から形成されている。親水性材料の層によって、サンプルは基体12a’と12b’の表面を濡らすことが可能となり、これによって、サンプルが流れチャネル34’を流れやすくなる。サンプルの流れは、サンプルが流れチャネル34’から除去されるか、または流れチャネル34’から全サンプルがなくなるまで続く。
【0038】
導電性トラック14a、14b、14a’および14b’は、導電性材料から作られている。導電性トラック14a、14b、14a’および14b’を形成するために用いることが可能な代表的な材料には、これらに限られないが、炭素、プラチナ、パラジウム、金および銀と塩化銀の混合物がある。トラック14a、14b、14a’および14b’によって、それぞれ電気接点16a、16b、16a’および16b’の位置と、電極18、20、18’および20’の位置とが決まる。電気接点は適切な測定装置(図示せず)に挿入可能である。適切な測定装置は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,377,894号明細書に記載されている。
【0039】
作用電極20または20’の機能は、作用電極20または20’の近傍で発生する反応、例えば、グルコースとグルコースオキシダーゼ、もしくはグルコースデヒドロゲナーゼとの反応を監視することである。基準電極(図示せず)の機能は、作用電極において所望の電位を維持することである。対向電極(図示せず)の機能は、作用電極20または20’において必要な電流を流すことである。この系においては、対向電極(図示せず)はトリガ電極という二次的な機能を有することが可能である、すなわち、適量のサンプルが作用電極20または20’の近傍の容積を満たすまで検定が始まらないようにする。
【0040】
作用電極20または20’で発生する反応は、監視して制御する必要がある反応、例えば、グルコースとグルコースオキシダーゼもしくはグルコースデヒドロゲナーゼとの反応である。基準電極(図示せず)と対向電極(図示せず)の機能は、作用電極20または20’が実際に所望の状態となる、すなわち正しい電位となることを保証することである。作用電極20または20’と基準電極(図示せず)との間の電位差は、作用電極20または20’における所望の電位と同じである。
【0041】
電極18、20、18’および20’は導電性材料から作られる。電極18、20、18’および20’を形成するために用いることが可能な代表的な材料には、これらに限られないが、炭素、プラチナ、パラジウムおよび金がある。二重目的基準/対向電極18と18’は、任意には、銀と塩化銀の混合物を含む層を含有することが可能である。電極18、20、18’および20’の寸法は決定的ではないが、一般的な作用電極の面積は、約0.5mmから約5mm、一般的な基準電極の面積は、約0.2mmから約2mm、一般的な対向電極の面積は、約0.2mmから約2mmである。
【0042】
電極は、二重目的基準/対向電極18と18’および作用電極20と20’(または代替実施形態では、作用電極、基準電極および対向電極)を、サンプルによってカバーすることが不可能となるほどに互いに離すことは不可能である。サンプルが横断する経路(すなわちサンプル経路)の長さは、必要とされるサンプル容積を最小化するためにできる限り短くすることが好ましい。サンプル経路の最大長は、バイオセンサ細片の長さと同じ長さまで大きくすることが可能である。しかしながら、それに対応してサンプルの抵抗が増すため、サンプルの経路の長さは、必要な反応電流を発生させることを可能とする距離が限度となる。作用電極と二重目的基準/対向電極間(または代替実施形態では、作用電極と基準電極との間もしくは作用電極と対向電極との間)の距離は、約200マイクロメートルを超えないのが好ましい。
【0043】
導電性トラック14a、14b、14a’および14b’の細長部分の上に、任意には、銀粒子と塩化銀粒子を含む混合物から作られるのが好ましい導電性材料のトラックを置くことが可能である。この任意の上置きトラックがあるおかげで抵抗が低くなり、その結果、導電率が増す。絶縁体層26がさらにトラック14aと14bの上に存在する。二重目的基準/対向電極18を用いている実施形態では、絶縁体層26は、二重目的基準/対向電極18と、作用電極20と、任意の第3の電極と、電気接点16aおよび16bとの位置を覆うことはない。作用電極と、基準電極と、対向電極(図示せず)を用いている実施形態では、絶縁体層は、基準電極と、作用電極と、対向電極と、電気接点との位置を覆うことはない。この絶縁体層26は、短絡を防ぐ働きをする。この絶縁体が疎水性であれば、親水性の液体サンプルを暴露されている電極にしか行き渡らないようにすることが可能である。「POLYPLAST」(英国ケント州ブロードステアズ市のSericol社製)などの好ましい絶縁体が市販されている。
【0044】
試薬は一般的に、酵素(例えば、グルコース検定用のグルコースデヒドロゲナーゼまたはグルコースオキシダーゼ)と、酸化還元メディエータ(例えばフェナントロリンキノンなどの有機化合物、例えばフェロセンやフェロセン誘導体などの有機金属化合物、例えばフェリシアニドなどの配位錯体)と、導電性充填材料(例えば、炭素)もしくは非導電性充填材料(例えば、シリカ)との組み合わせを含む。代替例では、作用電極は、酵素の代わりに、測定される酵素と触媒として反応する基質を含有することが可能である。用いることが可能な酵素系には、これらに限られないが、以下のものがある。
I.例えば、グルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼなどのオキシダーゼ
II.例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド依存グルコースデヒドロゲナーゼまたはピロロキノリンキノン依存グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、β−ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼなどのデヒドロゲナーゼ
【0045】
本発明で使用可能なメディエータ系には、これらに限られないが、フェロセンなどの有機金属化合物、キノンなどの有機化合物、フェリシアニドもしくはルテニウムビピリジル錯体などの無機もしくは有機リガンドを持つ配位化合物がある。
【0046】
図4から図6に示す実施形態では、スペース層26’は、基体12a’の第1の主要表面32a’にプリントされた導電性層14a’と、基体12b’の第1の主要表面32b’にプリントされた導電性層14b’とに結合する、または結合させることが可能な、実質的に均一な厚さを持つ材料を含んでいる。一実施形態では、スペース層26’は、基体12b’の第1の主要表面32b’にプリントされた導電性層14b’上にプリントして、基体12a’の第1の主要表面32a’にプリントされた導電性層14a’に対して、接着剤層27’によって結合することが可能である。スペース層26’は、接着性材料をその両方の主要表面にコーティングしたバッキングを含むことが可能である。スペース層26’を形成するのに適したバッキングと接着剤との例は、参照により本明細書に組み込まれる、John Wiley&Sons(1988年)の「重合体の科学と工学のエンサイクロペディア(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」の第13巻の345ページから368ページに見受けられる。代替例では、スペース層26’は、それぞれ基体12a’と12b’にプリントされた導電性層14a’と14b’とに、接着剤をプリントすることによって形成することが可能である。スペース層26’を作成するのに適した接着剤は、バイオセンサ細片10’が外部の圧力にさらされてもスペース層26’の深さが維持されるように、外部からの圧力に十分耐えるものであるべきである。
【0047】
スペース層26’はいくつかある方法のうちのいずれかで作成可能である。1つの実施形態では、スペース層26’は、両面接着テープ、すなわち、双方の主要表面に接着剤の層を有するバッキング層から作成可能である。別の実施形態では、スペース層26’は、それぞれ水溶性キャリアから、または有機キャリアから基体12a’と12b’にプリントされた、導電性層14a’と14b’にコーティングされた接着剤から形成することが可能である。さらに別の実施形態では、スペース層26’は放射線硬化性接着剤、好ましくは、それぞれ基体12a’と12b’にプリントされた導電性層14a’と14b’にコーティングすることが可能な紫外線硬化性接着剤から形成することが可能である。スペース層26’の寸法は決定的ではないが、スペース層26’は一般的に、その長さが、約3mmから約30mmで、厚さが約50μmから約200μmである。スペース層26’は流れチャネル34’の側壁を形成している。流れチャネル34’の一般的な幅は約2mmから約5mmである。
【0048】
スペース層26’は、それぞれ基体12a’と12b’にプリントされた導電性層14a’と14b’の双方に接着させて、バイオセンサ細片10’を統合体として維持するようにしなければならない。スペース層26’は、それぞれ基体12a’と基体12b’にプリントされた導電性層14a’と14b’に対して、接着剤によって結合させることが可能である。スペース層26’の実施形態は、双方の主要表面に接着剤層を有するバッキングを含んでいる。接着剤は、水性接着剤、溶媒性接着剤または、紫外線硬化性接着剤(以降「UV硬化性接着剤」とする)であるのが好ましい照射線硬化性接着剤であったりする。水性接着剤、溶媒性接着剤およびUV硬化性接着剤は、スペース層26’の必要な設計が、基体12a’にプリントされた導電性層14a’、または基体12b’にプリントされた導電性層14b’にプリントされるように、スクリーンプリントするのが好ましい。必要とされる設計はUV硬化性接着剤から作成するのが好ましいが、その理由は、UV硬化性接着剤の未硬化層を硬化させた結果得られるスペース層の厚さは、UV硬化性接着剤の未硬化層の厚さに厳密に対応するからであり、それによって、正確に定められた深さを有する流れチャネル34’が製造されることが保証される。
【0049】
双方の主要表面に接着剤の層を有するバッキングを含んでいる市販の製品には、TESA4972(ノースカロライナ州、シャーロット市、TESAテープ社製)などの材料がある。このような製品は、基体12a’に付着する前に予め切込みを入れておくのが好ましい。米国特許第6,207,000号明細書には、スペース層(両面接着剤)がキャリア層上に積層され、続いて、チャネルの形状を決める輪郭がスペース層から除去されるプロセスが開示されている。
【0050】
本発明で用いるのに適した水性の接着剤の代表的な例には、アクリル系のKiwoPrintDシリーズ接着剤(テキサス州、シーブルック市、Kiwo社製)などの材料がある。水性の接着剤の1つの利点は、プリントする環境の湿度を所望のレベルに維持して、接着剤が早く乾燥しすぎるのを防ぐことが可能であるという点である。水性接着剤の1つの欠点は、水溶性のキャリアが蒸発すると、流れチャネル34’の深さがかなり減少するという点である。加えて、水性接着剤の機械的強度は、外部から印加された圧力にさらされても変形しないほどには十分ではない。
【0051】
本発明で用いられるのに適した溶媒性接着剤の代表的な例には、アクリル系のKiwoPrint Lシリーズ接着剤とTCシリーズ接着剤(テキサス州、シーブルック市、Kiwo社製)などの材料がある。溶媒性接着剤は水性接着剤より使用しにくいが、その理由は、溶媒は水より蒸発しやすいからである。加えて、溶媒が除去されると、それに続いて、流れチャネル34’の深さがかなり減少する。
【0052】
本発明で用いられるのに適したUV硬化性接着剤の代表的な例には、アクリル酸、ベンゾフェノン、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、工業所有権付きの光開始剤、並びに工業所有権付きのアクリルオリジマ(oligimer)、およびポリエステルを含む、KiwoUV3295VP(テキサス州、シーブルック市、Kiwo社製)などの材料がある。UV硬化性接着剤の利点として、周辺条件(すなわち、重合化を開始するには外部から紫外線を放射する必要がある)の下で乾燥に耐え、また、硬化プロセス全体を通じてプリントの直後に層の厚さを維持する能力がある。上に述べたように、水性接着剤と溶媒性接着剤の厚さから導き出した流れチャネル34’の深さは、硬化すると減少する(流れチャネル34’の深さは、約40%から約70%の範囲で減少する)。UV硬化性接着剤の粘度は、オリジナルの調合から、ヒュームドシリカ(マサチューセッツ州、ボストン、Cabot社製のCab−O−Sil M5)を含ませることによって修正可能である。ヒュームドシリカを添加する(最大で3重量%であることが好ましい)ことによって、硬化した接着剤の結合特徴に悪影響を及ぼすことなく粘度を修正することが可能である。インクの粘度が増すと、プリントされてから硬化するまでの時間にインクが広がる度合いが減少して、流れチャネル34’の壁の画定性が向上する。スペース層の厚さは、このような接着剤をプリントするのに用いられるスクリーンのメッシュ数と、そのスレッド厚さとを適切に選択することによって、制御可能である。代替例では、接着剤は、所望の厚さを持つステンシルスクリーンによってスクリーンプリントすることが可能である。
【0053】
プリント方法によって付着されるスペース層26’のレジストレーションのトレランスは、細片形態を有するセンサの迅速な製造には好適なものである。特に、スペース層26’を形成するための材料は、便利に位置付けられたプリント台において単純にプリントすることが可能である。シートからカッティングされたテープによってスペース層26’を付着させる場合、シートからカットされたテープの位置をセンサの規定のところに決めて、接着剤が、露出したままとして留まるべきどの領域をも覆わないようにすることが必要である。同様に、スペース層26’を接着剤をプリントすることによって付着させる場合、接着剤をセンサの規定の領域にプリントして、接着剤が、露出したまま留まるべきいかなる領域をも覆わないようにする必要がある。
【0054】
本発明のバイオセンサの電極と、導電性トラックと、電気接点とは、スクリーンプリント技法によって作成することが可能である。検体またはその濃度を測定する際に反応する試薬は、ポリエチレングリコール(1%)と共に導電性インクと混合することが可能である。試薬、例えば酵素、メディエータまたは双方をどれぐらい増量するかは、酵素とメディエータの性質によって異なる。
【0055】
表1に記載したようなプリント用インクは、適切な基体や電極サポートに付着させて、電極を形成することが可能である。プリント用インクは、例えば、1つ以上の多糖類(例えば、グアーガム、アルギナート、セルロースもしくはセルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース)、1つ以上の加水分解されたゼラチン、1つ以上の酵素安定剤(例えば、グルタミン酸塩もしくはトレハロース)、1つ以上の薄膜形成重合体(例えば、ポリビニルアルコール)、1つ以上の導電性充填剤(例えば炭素)もしくは非導電性充填剤(例えばシリカ)、1つ以上の消泡剤(英国、リーズ市、Henkel−Nopco社、Clerol(登録商標))、1つ以上の緩衝剤、1つ以上の塩またはこれらの組み合わせなどの非反応性成分を、(補酵素と共に、またはこれなしで)さらに含むことが可能である。
【0056】
図1から図3に示す実施形態では、作用電極20と接触している導電性トラック14aは、少なくとも1つの試薬、できればメディエータを含有するのが好ましい。この導電性トラック14aは、スクリーンプリント技法によって絶縁性基体12上に堆積することが可能である。二重目的基準/対向電極18と接触している導電性トラック14bは、スクリーンプリント技法によって第2のトラックとしてプリントすることが可能であるが、プリントに用いられるインクは銀とハロゲン化銀の混合物を含んでいる。絶縁体層26は、2つの導電性トラック14aと14bの上にプリントして、電極18と20、すなわち反応ゾーンと、電気接点16aおよび16bとを画定するようにするのが望ましい。メッシュ層を反応ゾーンに置いて、化学的支援ウィッキングによって反応ゾーンをサンプルで充填するのを支援することが可能であり、また、バイオセンサを、絶縁体層26の上に存在するテープ層28で密閉することが可能である。メッシュ層を用いない場合、図1に示すように、毛細管引力によって充填可能なバイオセンサは、反応ゾーンをスペース層26とテープ28で囲い込むことによって形成することが可能である。酵素は、それが作用電極の一部を形成しない場合、メッシュまたは他の多孔質膜を吹き付けコーティング、落下コーティングまたは含浸し、これらを作用電極に配置することによって、作用電極の表面上の層に付着させることが可能である。
【0057】
図1から図3に示す実施形態を作成するため、有機ビヒクル中に炭素とメディエータを含有している導電性インクが、好ましくはスクリーンプリントによって電極サポート12にプリントして、1対の細長で実質的に平行な導電性トラック14aと14bを形成する。これらトラック14aと14bはそれぞれ、(a)バイオセンサを測定装置に接続できるように、電気接点16aおよび16bが備えられており、また、(b)サンプル付着ゾーンが備えられており、このゾーンに、測定される検体を含有しているサンプルが付着される。銀と塩化銀の混合物などの基準電極用の材料は、導電性トラックのうちの一方のトラックのある部分に堆積されて、二重目的基準/対向電極18を形成する。任意には、銀と塩化銀の混合物を含む層を、電気接点16aもしくは16bとサンプル付着ゾーンとの間で導電性トラック14aもしくは14b上に堆積して、導電性トラック14aまたは14bの導電率を増すことが可能である。酵素を含む溶液を、反応が発生する場所に付着させて空気乾燥させる。バイオセンサは、任意には、界面活性剤をコーティングしたメッシュの層を含み、これで、サンプルをサンプル付着ゾーンに均一に分散させることが可能である。バイオセンサは、メッシュ層に付着されたテープの層をさらに含み、サンプルの容積を指定することが可能である。サンプルの容積は、1マイクロリットルを超えないのが好ましい。
【0058】
図4から図6に示す実施形態を作成するため、炭素とメディエータを有機ビヒクルに含有している導電性インクを第1の基体12a’の主要表面32a’のうちの一方に堆積して、作用電極20’を形成し、有機ビヒクル中に炭素を含有するがメディエータは含有しない導電性インクを第2の基体12b’の主要表面32b’のうちの一方に堆積して、二重目的基準/対向電極18’を形成する。2つの基体12a’と12b’の表面32a’と32b’は対面して配置され、2つの基体12a’と12b’は接着剤層27’と絶縁層26’によって一緒に固定され、2つの電極18’と20’は互いに対面するようになる。図4から図6に示すように、絶縁層26’は、基体12b’の表面32b’上にプリントされている導電性トラック14b’上にプリントされる。接着剤層27’と絶縁層26’は切り抜き部分を有しており、これで、(a)電極20’と18’双方用の電気接点16a’と16b’と(b)サンプル付着ゾーンとを画定している。酵素を含んでいる溶液を、反応が発生する場所に付着させて空気乾燥させる。サンプルは、毛細管引力によって電極18’と20’に導入することが可能である。任意には、メッシュ層を2つの基体12a’と12b’間に介在させ、サンプルを化学的支援ウィッキングによって電極18’と20’に引き寄せることが可能となる。本実施形態で用いられるサンプルの容積は1マイクロリットルを超えないのが好ましい。
【0059】
別の変更例では、酵素とメディエータの双方を導電性トラック中に含ませることが可能である。
【0060】
補酵素を酵素と共に用いる場合、補酵素はまた、導電性インクにも含ませることが可能である。他の変更例では、補酵素を、電極として機能する導電性トラックの部分の上の層に酵素と共に付着させることが可能である。
【0061】
メディエータが酵素と相互作用することが周知である状況下では、メディエータと酵素はインクの製造中は互いに分離しておかなければならない。例えば、キノンはグルコースデヒドロゲナーゼ酵素と反応することが知られているが、低電圧を用いて測定できるため、キノンメディエータが好ましい。したがって、検定を開始する前にこれらのキノンメディエータを酵素から物理的に分離させるのが望ましい。本発明によって、例えば、フェナントロリンキノン(PQ)メディエータ、例えば、4,7−フェナントロリン−5,6−ジオンを、キノプロテイン酵素、例えば、ピロロキノリンキノンと共に、補酵素として用いることが可能である。溶液中では、キノプロテイン酵素はPQメディエータと相互作用して、その結果、酵素が不活性化される。PQメディエータを導電性トラックに埋め込むと、キノプロテイン酵素とPQメディエータの合成物をグルコースなどの検体の測定に用いることが可能となる。従来のバイオセンサでは、この酵素とメディエータの合成物を用いると、酵素をメディエータから隔離するステップを実行しない限り、酵素が不活性化される。
【0062】
(動作)
本発明で用いるのに適した測定装置として、作用電極と二重目的基準/対向電極を有する電気化学セルを収容可能であれば、どのような市販の検体モニタでもよい。代替例では、作用電極と、基準電極と、対向電極とを有する電気化学セルを収容可能な検体モニタを用いることが可能である。このような検体モニタを用いると、例えば、グルコースとケトン体などの検体を監視することが可能である。一般に、このようなモニタは、作用電極、基準電極および対向電極と電気的に接続されている電源を有していなければならない。モニタは、作用電極と基準電極間に、還元されたメディエータを電気化学的に酸化させるに十分な大きさの電位差を供給可能でなければならない。モニタは、作用電極から対向電極に電子が流れやすくするに十分な大きさの電位差を、基準電極と対向電極間に供給可能でなければならない。加えて、モニタは、還元されたメディエータを作用電極において酸化することによって発生する電流を測定可能でなければならない。
【0063】
本発明による電気化学セルを用いる測定においては、一定電圧を作用電極に印加して電流を時間の関数として測定する。この技法はクロノアンペロメトリとして知られている。印加される電圧は、還元されたメディエータを酸化するために必要とされる電圧以上であるべきである。このように、必要とされる最小電圧はしたがってメディエータの関数である。
【0064】
サンプルは液抵抗の原因となるものである。液抵抗によって電子の流れが抑圧される。測定に対する液抵抗の影響は、本発明によって最小化される。電極を互いに一緒に近づけて配置すると、明らかに液抵抗の影響が最小となるが、その理由は、液抵抗が電極同士間の間隔の関数であるからである。異なった電極に電流を流すことによって、作用電極に対する液抵抗の影響を最小化することが可能である。
【0065】
アンペロメトリ測定においては、電流は次のコットレル方程式にしたがって減衰するはずである。
【数1】

ここで、
=時点tにおける電流
n=電子の数
F=ファラデー定数
A=電極の面積
=電気化学的に活性な種のバルク濃度
=電気化学的に活性な種の拡散係数
したがって、i1/2は一定であるはずである。
【0066】
アンペロメトリ測定においては、基準電極を基準として一定電圧が作用電極に印加されて、作用電極と対向電極間の電流が測定される。電気化学セルの反応は2つの成分、すなわち触媒的成分(グルコース反応成分)とファラデー成分(液抵抗成分)を有している。溶液の抵抗が最小化されると、任意の時点における電気化学セルの反応は、液抵抗成分と比較して実質的に高いグルコース反応成分を有する。したがって、検定時間が1秒などの短い場合でさえも、電気化学セルの反応からグルコースの濃度との良好な相関関係を得ることが可能である。溶液の抵抗が高い場合、作用電極で観察される電圧は印加電圧よりかなり遅れる。この遅れは、3電極系と比較すると2電極系の場合かなり高い。2電極系の場合、作用電極と基準電極間でのiRの値は、3電極系よりかなり高い。3電極系では、作用電極と基準電極間には電流は流れず、したがって、電圧降下は低い。したがって、ひとたび充電電流(ファラデー電流)が最小値まで(2ミリ秒から3ミリ秒以内に)減衰すると、観察される電流は全てが接触電流である。2電極系では、充電電流は、作用電極の電圧が定常状態に達する(印加電圧に達する)までは減少しない。したがって、2電極系では、反応のプロフィールが減衰するのが遅い。
【0067】
好ましい実施形態では、バイオセンサは、液体サンプル中の検体とバイオセンサ中の試薬との反応によって発生した電流、または反応の一部の有用な電気的特徴を測定する、装置中に挿入される。これで、バイオセンサのサンプル付着ゾーンを、多くの方法のうちのいずれかによって液体サンプルで充填することが可能となる。充填動作は、例えば、毛細管引力、化学的支援ウィッキングまたは真空によって実行可能である。通常の当業者は、液体サンプルをサンプル付着ゾーンに導入し、サンプルがバイオセンサの電極を濡らすことを可能にするために好ましい、アパーチュアのタイプを指定することが可能であろう。これで、電流または他の電気的特徴を測定して、好ましくは記録することが可能である。図7は、血液中のグルコースの濃度の関数としてのバイオセンサの電流反応を示すグラフである。グラフの記号一覧では、1,10−PQは1,10−フェナントロリンキノンを表し、4,7−PQは4,7−フェナントロリンキノンを表し、1,10−PQ/FE/PF6は1,10−フェナントロリンキノンの鉄錯体を表し、1,10−PQ/Mn/Clは1,10−フェナントロリンキノンのマンガン錯体を表している。
【0068】
以下の非制限的例によってさらに本発明を解説する。
【0069】
(例)
(例1)
この例は、どのようにすればメディエータをバイオセンサの導電性トラックに含ませることが可能であるかを解説する。有機ビヒクル中の炭素含有インクに2%(w/w)のフェロシンを混合した。インクを用いて2つのトラックを絶縁性基体にプリントした。銀と塩化銀の混合物を、トラックのうちの一方を完全に覆うようにプリントして二重目的基準/対向電極を形成し、また、部分的に他方のトラックを覆って作用電極を形成した。作用電極は、それ自体と銀/塩化銀コーティングとのギャップが小さく、これで、銀が作用電極の反応ゾーンを汚染しないようになっていた。穴あき材料、すなわち界面活性剤(3M社から市販されているFC170)でコーティングされたメッシュ(米国のシーファー社製のNY64)が、双方の電極のある部分に堆積された。絶縁層である「POLYPLAST」を導電性層上にプリントして、測定装置の取り外し可能接点となる領域と、液体サンプルをバイオセンサに付着させる領域とが、露出するようにした。2単位の酵素を含有しているグルコースオキシダーゼの溶液が、液体サンプルを付着させる領域上に施された。酵素の溶液を空気乾燥させて、次にバイオセンサを用いてグルコース反応を測定した。
【0070】
(例2)
この例は、用いられたメディエータがトリス(1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン)塩化マンガン(II)であり、使用された酵素がピロロキノリンキノン依存グルコースデヒドロゲナーゼであることを別とすれば、例1と同じである。
【0071】
(例3)
この例は、メディエータが炭素含有インクに添加されたことを別とすれば、例2と同じである。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド依存グルコースデヒドロゲナーゼと、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド[2.5%(w/w)]が作用領域に堆積された。
【0072】
(例4)
この例は、メディエータとニコチンアミドアデニンジヌクレオチド[2.5%(w/w)]が炭素含有インクに添加されたことを別にすれば、例2と同じである。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド依存グルコースデヒドロゲナーゼが酵素として使用された。
【0073】
(例5)
この例は、作用電極と二重目的基準/対向電極とが対面関係である電極配置体を解説するものである。有機ビヒクル中で炭素を含有するインクに、トリス(1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン)塩化マンガン(II)[2%(w/w)]とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド[2.5%(w/w)]を混合した。このインクを用いて、導電性トラックを絶縁性基体の1つの主要表面上にプリントした。銀と塩化銀の混合物を含む電極が、第2の絶縁性基体の1つの主要表面上にプリントされた。メッシュの層が炭素含有層上に置かれて、絶縁層がメッシュの層上に堆積されて、電気接点とサンプル付着ゾーンとを画定した。2単位の酵素を含有するニコチンアミドアデニンジヌクレオチド依存グルコースデヒドロゲナーゼの溶液が、サンプルを付着させる領域に施された。酵素の溶液が空気乾燥されて、次にバイオセンサを用いてグルコース反応を測定した。
【0074】
本発明の範囲と精神から逸脱することのない本発明の様々な修正例と変更例が、当業者には明らかであろうし、また本発明が、本明細書に記載する例示的な実施形態に極度に限定されるものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】作用電極と二重目的基準/対向電極が1つの基体上に配置された、本発明によるバイオセンサの一実施形態の分解斜視図である。
【図2】図1のバイオセンサの立面側面図である。
【図3】図1のバイオセンサの立面端面図である。
【図4】作用電極と二重目的基準/対向電極が互いに異なった2つの基体上に配置された、本発明によるバイオセンサの一実施形態の分解斜視図である。
【図5】図4のバイオセンサの立面側面図である。
【図6】図4のバイオセンサの立面端面図である。
【図7】バイオセンサの電流反応を、血液中のグルコースの濃度の関数として示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)電極サポートと、
(b)電極サポート上に配列され、少なくとも作用電極と少なくとも第2の電極とを含む、配置体と、
(c)作用電極から作用電極と結合した電気接点に至る導電性トラックおよび、第2の電極から少なくとも第2の電極と結合した電気接点に至る導電性トラックと、
(d)作用電極と、作用電極から作用電極と結合した電気接点に至る導電性トラックと、作用電極と結合した電気接点とのうちの少なくとも1つに含まれた、少なくとも1つの試薬と、
を有する、バイオセンサ。
【請求項2】
少なくとも1つの試薬が、少なくとも1つの酵素、または少なくとも1つのメディエータ、または少なくとも1つの補酵素、または、酵素、メディエータまたは補酵素のうちの少なくとも2つを含む、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項3】
メディエータが、有機金属化合物と、有機化合物と、無機もしくは有機リガンドとの配位化合物から成るグループから選択される、請求項2に記載のバイオセンサ。
【請求項4】
酵素が、オキシダーゼとデヒドロゲナーゼから成るグループから選択される、請求項2に記載のバイオセンサ。
【請求項5】
作用電極から続いている導電性トラック上にある少なくとも1つの試薬含有層をさらに含む、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項6】
バイオセンサが電気化学反応をトリガするために必要とするサンプル容積が小さい、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項7】
作用電極と少なくとも第2の電極間の間隔が、約200マイクロメートルを超えない、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項8】
作用電極の面積が約0.5mmから約5mmである、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項9】
電極配置体がトリガ電極をさらに含む、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項10】
電極配置体が第3の電極をさらに含む、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項11】
電極配置体が第4の電極をさらに含み、前記第4の電極がトリガ電極の機能を有する、請求項10に記載のバイオセンサ。
【請求項12】
前記電極配置体と前記導電性トラックとの上にある絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項13】
メッシュの層が電極配置体と絶縁層の間に置かれる、請求項12に記載のバイオセンサ。
【請求項14】
毛細管が電極配置体と絶縁層との間に置かれる、請求項12に記載のバイオセンサ。
【請求項15】
前記電極配置体と前記導電性トラックとの上にあるテープの層をさらに含む、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項16】
(a)2つの主要表面を有する第1の基体と、
(b)2つの主要表面を有する第2の基体と、
(c)第1の基体の一方の主要表面上に置かれた作用電極と、
(d)第2の基体の一方の主要表面上に置かれた少なくとも第2の電極と、
(e)作用電極から作用電極と結合した電気接点に至る導電性トラックおよび、第2の電極から少なくとも第2の電極と結合した電気接点に至る導電性トラックと、
(f)作用電極と、作用電極から作用電極と結合した電気接点に至る導電性トラック、または作用電極と結合した電気接点とのうちの少なくとも1つに含まれた、少なくとも1つの試薬と、
(g)前記作用電極と前記少なくとも第2の電極との間に置かれた絶縁層と、
(h)少なくとも第2の電極を支える主要表面に対面している作用電極を支える、主要表面と、
を有する、バイオセンサ。
【請求項17】
少なくとも1つの試薬が、少なくとも1つの酵素、または少なくとも1つのメディエータ、または少なくとも1つの補酵素、または、酵素、メディエータまたは補酵素のうちの少なくとも2つを含む、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項18】
メディエータが、有機金属化合物と、有機化合物と、無機もしくは有機リガンドとの配位化合物から成るグループから選択される、請求項17に記載のバイオセンサ。
【請求項19】
酵素が、オキシダーゼとデヒドロゲナーゼから成るグループから選択される、請求項17に記載のバイオセンサ。
【請求項20】
作用電極から続いている導電性トラック上にある少なくとも1つの試薬含有層をさらに含む、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項21】
バイオセンサが電気化学反応をトリガするために必要とするサンプル容積が小さい、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項22】
作用電極と少なくとも1つの他の電極との間の間隔が、約200マイクロメートルを超えない、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項23】
作用電極の面積が約0.5mmから約5mmである、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項24】
電極配置体がトリガ電極をさらに含む、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項25】
電極配置体が第3の電極をさらに含む、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項26】
電極配置体が第4の電極をさらに含み、前記第4の電極がトリガ電極の機能を有する、請求項25に記載のバイオセンサ。
【請求項27】
メッシュの層が作用電極と絶縁層の間に置かれる、請求項16に記載のバイオセンサ。
【請求項28】
毛細管が作用電極と絶縁層間に置かれる、請求項16に記載のバイオセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−507711(P2007−507711A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533943(P2006−533943)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/030835
【国際公開番号】WO2005/033698
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】