バイオチップ製造器具の画像アライメント方法
【課題】ディスペンサーの位置決めの精度を向上し、各ディスペンサーの生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射して、マイクロアレイバイオチップ製造プロセスの歩留りの増加および効率を向上させることができるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を提供する。
【解決手段】搬送装置および複数のディスペンサーを備えるバイオチップ製造器具に用いられる画像アライメント装置であって、撮像装置と複数のディスペンサー調整装置とからなり、前記撮像装置が前記搬送装置上に設置されており、該搬送装置が前記撮像装置を前記ディスペンサーと対応する位置に搬送したのち、これらの前記ディスペンサーの画像を撮影するとともに、前記撮像装置の画像信号を根拠として、前記複数のディスペンサー調整装置に対応する前記ディスペンサーの方向と位置を調整する。
【解決手段】搬送装置および複数のディスペンサーを備えるバイオチップ製造器具に用いられる画像アライメント装置であって、撮像装置と複数のディスペンサー調整装置とからなり、前記撮像装置が前記搬送装置上に設置されており、該搬送装置が前記撮像装置を前記ディスペンサーと対応する位置に搬送したのち、これらの前記ディスペンサーの画像を撮影するとともに、前記撮像装置の画像信号を根拠として、前記複数のディスペンサー調整装置に対応する前記ディスペンサーの方向と位置を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオチップ製造器具の画像アライメント方法に関する。とくにマイクロアレイ(micro array)バイオチップ製造プロセスの効率を向上させることができるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット技術はマイクロアレイバイオチップを製造する方法の1工程として用いられており、各種生物試薬をディスペンサー内に満たしたのち、試薬を微小滴の方式により、正確にマイクロアレイバイオチップ基板上の特定位置に噴射し、マイクロアレイバイオチップを製造している。しかしながら、マイクロアレイバイオチップを製造するにあたり必要とされる試薬の種類は非常に多い。このため、その製造に必要とするすべての試薬を注入するために多くのディスペンサーを使用しなければならない。各ディスペンサーは、前もって位置決めしておいた特定の対応方向、位置および距離に配列されることで、個別のインク噴射ポイントとして設定される。そしてマイクロアレイバイオチップの基板は工程・バイ・工程方式で各インクポイントへインクを送り届けてディスペンサー下部でインク噴射を行ない、マイクロアレイバイオチップの密度を次第に増加させ、そのインクポイントを数多く経過したのち、高密度のマイクロアレイバイオチップの製作が完成される。
【0003】
マイクロアレイバイオチップの基板上に噴射された試薬液滴は、その双方間に必ず特定の対応方向、位置および距離がなくてはならず、しかも液を噴射するプロセスの中で、ディスペンサーは予め固定されており動かない。それゆえ、装置上に置かれた各ディスペンサーのわずかな差異は、生物試薬がマイクロアレイバイオチップに噴射される位置に非常に大きな影響を与えるので、すべてのディスペンサーは特定の装置により方向と位置を調整する必要がある。
【0004】
また、一般的なカラーインクジェット印刷システムでは、プリントアウトされる色を特定する方式を採用しており、使用者が印刷された色に最も近いと見られる色の設定を行ない、それをパソコンに入力し、ソフトウェアによって各色ディスペンサーのインクの噴射時間の差を調整し、また各色の彩色誤差も補う。しかし、直接インクジェット後の結果を調整および校正の根拠とするのは、その中にすでに含まれている噴射方向性および安定性の累積誤差により、正確に位置を測定することができないため不充分である。
【0005】
さらに、カラーインクジェット印刷システムでは、単独の色は独立したインクジェットのカートリッジを有し、複数のインクジェットカートリッジ間の相互の位置は、光学測定カートリッジとカートリッジのノズルの対応位置であり、その印刷方法はインクジェットカートリッジの左右移動、ならびにソフトウェアがインクジェットの時間差の補正をコントロールすることによって、カラープリントの正確な彩色という要求にこたえることができる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5837722号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる方法は生物学(biological)の領域には応用されず、よって直接的にバイオチップ製造装置の中に応用することは不可能である。詳細に述べると、この方法のインクジェットプロセス中では、そのディスペンサーは移動している状態にあり、しかしバイオチップ製造装置のディスペンサーはインクジェットプロセスにおいては固定され動くことのない状況にある。よって、この方法はバイオチップ製造装置に直接応用することはできない。
【0008】
本発明は、ディスペンサーの位置決めの精度を向上し、各ディスペンサーの生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射して、マイクロアレイバイオチップ製造プロセスの歩留りの増加および効率を向上させることができるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置および該製造器具の画像アライメント方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のバイオチップ製造器具の画像アライメント方法は、搬送装置と複数のディスペンサを備えるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法であって、
(a)テスト基板を提供する工程と、
(b)前記テスト基板を前記搬送装置上に設置し、前記ディスペンサーの1つと対応する場所に位置させる工程と、
(c)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板上に液滴を噴射させる工程と、
(d)前記搬送装置を利用して前記テスト基板をもう1つのディスペンサーと対応する場所に位置させる工程と、
(e)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板に液滴を噴射させ、テスト基板上に噴射された液滴の位置を根拠として、前記ディスペンサーの位置を調整する工程および
(f)すべてのディスペンサー間の位置関係が一定の基準に符合するまで(d)から(e)までの工程を重複して行なう工程からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ディスペンサーの位置合わせの精度を向上し、各ディスペンサーの生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射させることにより、マイクロアレイバイオチップ製造プロセスの歩留りの増加および効率の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明では、バイオチップ製造器具の画像アライメント方法が提供されており、このうちバイオチップ製造器具は搬送装置と複数のディスペンサーを備えており、画像アライメント方法は、(a)テスト基板を提供し、(b)テスト基板を搬送装置上に置き、それを1個のディスペンサーと対応する場所に位置させる。(c)対応したディスペンサーから試薬をテスト基板上に噴射させる。(d)搬送装置を利用して撮像装置をもう1つのディスペンサー対応位置に搬送する。(e)対応したディスペンサーから試薬をテスト基板上に噴射させ、テスト基板上の液滴の位置を根拠として、ディスペンサーの位置を調整する。(f)すべてのディスペンサー間の位置関係が一定の基準と符合するまで(d)から(e)までの工程を重複して行なう。
【0012】
本発明では、生物試薬を微小滴の形式を利用しマイクロアレイバイオチップの基板に噴射する前に、まず画像アライメント方式を利用して各ディスペンサーを調整して位置決めを行ない、そののち、各ディスペンサー内の生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上にある特定の位置に噴射し、マイクロアレイバイオチップの製造を完成する。
【0013】
以下、添付図面に基づいて、本発明の目的、特徴および長所が一層理解されるように実施例を説明する。
【0014】
第1参考例
図1は第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図1に示され画像アライメント装置(image pickup unit)100は、バイオチップ製造装置に適用され、バイオチップ製造器具は、図1に示されるように、搬送装置(conveying device)1、複数のディスペンサー2a、2b、2c、2dおよびバイオチップ固定治具3を備えている。
【0015】
画像アライメント装置100は撮像装置110と複数のディスペンサー調整装置120から構成されており、そのうち各ディスペンサー調整装置120はディスペンサー2a、2b、2cおよび2dとそれぞれ連結しており、撮像装置110の画像信号を根拠としてディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの方向と位置を調整する。
【0016】
アライメントプロセスの中で、撮像装置110はバイオチップ固定治具3により、搬送装置1上に設置されており、この搬送装置1は撮像装置110をディスペンサー2a、2b、2cおよび2dと対応する位置に送り、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影する。なお、撮像装置110は撮影装置111、ディスプレイ装置112および定位装置113から構成されており、そのうちディスプレイ装置112は撮影装置111が撮影した画像を表示し、かつその上に定位標示1121が設置されているため、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の特定位置との位置合わせを行なうことができる。また定位装置113は撮影装置111の位置を調整および固定することができる。本参考例では、定位標示1121が十字型をしている。
【0017】
前記撮影装置111はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の画像を撮影するものであり、かつ本実施例においては、カメラ1111と画像処理ユニット1112を含んでおり、その中のカメラ1111はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の画像を撮影し、画像処理ユニット1112がカメラ1111が撮影した画像を計算し、当該画像信号を定位装置113とディスペンサー調整装置120の位置決めの根拠とする。
【0018】
本参考例では、撮像装置110は直接ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上のノズル21の画像を撮影することができるが、アライメントをより正確にするため、各ノズル21のあいだには第1マーカー22を設置し、撮像装置110がディスペンサー2上の第1マーカー22の画像を撮影することによって、位置合わせができるようにする。第1マーカー22としては、たとえば円形、十字型、数字または種々の図形(各種の方向性を有する図形)を用いることができる。
【0019】
詳しくは、図2に示されるように、第1マーカー22の実施例として、第1マーカー22は第1図案221、第2図案222および第3図案223から構成することができる。第1図案221は中心点を備えており、図2に示されるように、たとえば多数の円または矩形を定位標示1121の外周に沿って連続的に設けることによって得られる形状であるのが比較的好ましく、撮像装置110上の定位標示1121の位置合わせのために用いられる。第2図案222は第1図案221付近に位置し、各ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dを区分し、図2において、第2図案222は少なくとも2個の輪が1組となって構成されるもので、各第1マーカー22内とその付近に配置されるが、各組の第2図案222の配列方式はいずれも異なっている。予め設定することによって、位置合わせすべきディスペンサーを判別することが可能となる。第3図案223は第1図案221を包囲するような形で設定される。これにより、第1図案221を第3図案223の中に位置させることにより、撮像装置110による位置合わせがより便利になる。すなわち第3図案223は撮像装置110が第1図案221に対する位置合わせを行なうときの補助となる。
【0020】
実際使用時には、図3〜4に示されるように、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上には第1マーカー22だけが設けられている。ここで、第1マーカー22は各ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の対応位置とは同じではなく、各ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの液を噴射するノズル21の位置とはそれぞれ離されている。
【0021】
本参考例の画像アライメント装置100の構成は前述したとおりであり、以下、図1および図5〜7を参照して本実施例のバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を説明する。
【0022】
まず、撮像装置110は、第1ディスペンサー2aと対応する場所に位置させるように、バイオチップ固定治具3により搬送装置1上に設置される。ついで図1に示されるように、撮像装置110を利用して対応しているディスペンサー2aの画像を撮影する。これにより、ディスプレイ装置112により定位標示1121とディスペンサー2a上の第1マーカー22との位置関係の観察が可能になる。ついで撮像装置110の画像信号を根拠として、定位装置113が撮像装置110の位置を調整することによりディスプレイ装置112上の定位標示1121をディスペンサー2a上の第1マーカー22に位置させる。そののち図5に示されるように、搬送装置1が方向Mに沿って移動するのを利用して、撮像装置110をバイオチップ固定治具3とともに2個目のディスペンサー2bとの対応位置に搬送し、ついで撮像装置110を利用して対応しているディスペンサー2bの画像を撮影し、撮像装置110の画像信号を根拠としてディスペンサー調整装置120が対応するディスペンサー2bの位置を調整する。ついで図6〜7に示されるように、前記撮像装置110がディスペンサー2cおよび2dの画像の撮影を行ない、ディスペンサー2cおよび2dの位置を調整するなどの工程を繰り返す。そして、すべてのディスペンサー2a、2b、2cおよび2d間の位置関係が一定の基準と符合するまでこれらの工程を重複して行なう。
【0023】
本参考例では、前記説明中で、撮像装置110はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の第1マーカー22の画像を撮影して位置合わせを行なうようにしているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、撮像装置110がディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上のノズル21の画像を撮影することで位置合わせを行なうこともできる。
【0024】
また、本参考例では、前記説明中に、第1個目のディスペンサー2aの位置にあるときに、撮像装置110の位置を調整し、そののち各ディスペンサー2b、2cおよび2dがこの撮像装置110を根拠として調整を行なっているが、位置合わせの方法は、これに限られるものではなく、たとえば第1個目のディスペンサー2aに位置にあるときの撮像装置を基準とし、ディスペンサー2aの位置を調整することもできる。
【0025】
その他本参考例では、順序通りに移動方向Mに沿って調整を行なっている。撮像装置110は1つのディスペンサーを適切に選択し、それを基準とし、そののち他のディスペンサーを調整することもできる。
【0026】
本参考例の画像アライメント装置および方法は、アライメントプロセスにおいて、ディスペンサーが、液滴の噴射をディスペンサーの方向と位置の調整の根拠とするのではなく、ディスペンサー上のノズルまたはマーカーの位置を検知することにより、現在のディスペンサーの方向と位置を調整している。したがって、ディスペンサーが試薬を噴射する方向が異なることにより発生する各ポイントのディスペンサーの位置決めの誤差を防ぐことができる。そして各生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射させることができるため、生産の安定性も高められ、マイクロアレイバイオチップの製造プロセスの歩留りを向上させることができる。
【0027】
また、ディスペンサーは、調整に際し、液滴を噴射する必要がないため、生物試薬の浪費を防ぐことができ、かつ画像装置により、各ディスペンサーの位置を測定する速度、および操作の便利性も増加する。
【0028】
第2参考例
図8は第2参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図8に示されるように、画像アライメント装置100aは撮像装置110、複数のディスペンサー調整装置120および一対のアライメントメンバ130から構成されており、そのうち撮像装置110およびディスペンサー調整装置120は第1実施例と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0029】
アライメントメンバ130はアライメントプロセスの中で、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dと撮像装置110とのあいだに設置され、図8に示されるように、バイオチップ固定治具3上に設置され、撮像装置110の上面に位置している。またアライメントメンバ130は図9に示されるように、その上には複数の第2マーカー131を備えており、撮像装置110がディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影するのを補助している。その中のアライメントメンバ130の第2マーカー131はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の第1マーカー22と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0030】
本参考例の画像アライメント方法と第1参考例の方法は大体において同じであるが、異なる点は、撮像装置110がアライメントメンバ130を利用してディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影するという点である。
【0031】
本参考例において、撮像装置110は第1マーカー22を用いて調整したのち、アライメントメンバ130を利用してディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影し、それによって位置合わせの精度をより高めることができる。
【0032】
第3実施例
図10は第3参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図10に示されるように、画像アライメント装置110bは撮像装置110b、複数のディスペンサー調整装置120および一対のアライメントメンバ130から構成されており、そのうちディスペンサー調整装置120およびアライメントメンバ130は第2参考例と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
撮像装置110bは第2参考例の撮像装置110と異なる点は、その撮影装置111bが2機のカメラ1111a、1111bを含んでいるという点である。
【0034】
本参考例の画像アライメント方法も第2参考例での方法と大体において同じであるが、異なる点は、2機のカメラ1111a、1111bを備えていることによって、アライメントプロセスの中で、同時に同じディスペンサー上の2つのマーカーを撮影する。すなわち1つのディスペンサー上に2つのマーカーを設置することが必要となる。
【0035】
本参考例では、2機のカメラ1111a、1111bがディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの位置合わせを行なう。加えてアライメントメンバ130を設置しているので、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの底面を、アライメントメンバ130を介して2機のカメラ1111a、1111bに平行にしておくことにより、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの設置位置をより正確にすることができる。
【0036】
第4参考例
図11は第4参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図11に示されるように、画像アライメント装置100cは撮像装置110bおよび複数のディスペンサー調整装置120から構成されており、そのうち撮像装置110bおよびディスペンサー調整装置120は第3参考例と同じ構成なので、ここでは説明を省略する。
【0037】
画像アライメント装置100cは第3参考例と大体において同じであるが、異なる点は、本参考例中においてはアライメントメンバを含んでいない点である。
【0038】
本参考例の画像アライメント方法は第3参考例の方法と大体において同じであるが、異なる点は、撮像装置110bが第3実施例と同じように、アライメントメンバ130によってディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影する工程を必要としないという点である。
【0039】
本参考例において、撮像装置110は第3参考例のように、アライメントメンバ130によりディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の画像を撮影する必要はなく、それにより位置合わせにかかる時間を短縮させることができる。
【0040】
実施例1
図12〜13は本発明の実施例1にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を説明する図である。
【0041】
本実施例中において、まず図12に示されるように、テスト基板140を提供し、そのテスト基板140を搬送装置1上に設置し、それを1個目のディスペンサー2aと対応した場所に位置させる。ついでその対応しているディスペンサー2aからテスト基板140上に液滴を噴射させたのち、図13に示されるように、搬送装置1を利用してテスト基板140をつぎのディスペンサー2bと対応している位置に搬送する。ついでその対応しているディスペンサー2bからテスト基板140上に液滴を噴射させ、ついでテスト基板140上に噴射された位置を根拠として、ディスペンサー2bの位置を調整し、最後に前記テスト基板140の搬送、液滴の噴射およびディスペンサー位置の調整などの工程をすべてのディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの位置関係が一定の基準に符合するまで重複して行なう。
【0042】
本実施例のバイオチップ製造器具の画像アライメント方法は、前記参考例のような撮像装置の利用を必要としておらず、コストを比較的低くすることができるが、正確性に関しては劣る点があり、初歩段階においてのアライメントに適している。
【0043】
以上、本発明では、好ましい実施の形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の技術思想の範囲において、各種の変更や修正を加えることができる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で規定された内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図2】図1の第1マーカーの例を示す図である。
【図3】図1の第1マーカーの位置を示す図である。
【図4】図1の第1マーカーの他の位置を示す図である。
【図5】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図6】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図7】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図8】第2参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図9】図8のアライメントメンバを示す図である。
【図10】第3参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図11】第4参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図12】実施例1にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図13】実施例1にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 搬送装置
2a、2b、2c、2d ディスペンサー
21 ノズル
22 第1マーカー
221 第1図案
222 第2図案
223 第3図案
3 バイオチップ固定治具
100、100a、100b 画像アライメント装置
110 撮像装置
111 撮影装置
1111、1111a、1111b カメラ
1112 画像処理ユニット
112 ディスプレイ装置
1121 定位標示
113 定位装置
120 ディスペンサー調整装置
130 アライメントメンバ
131 第2マーカー
140 テスト基板
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオチップ製造器具の画像アライメント方法に関する。とくにマイクロアレイ(micro array)バイオチップ製造プロセスの効率を向上させることができるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット技術はマイクロアレイバイオチップを製造する方法の1工程として用いられており、各種生物試薬をディスペンサー内に満たしたのち、試薬を微小滴の方式により、正確にマイクロアレイバイオチップ基板上の特定位置に噴射し、マイクロアレイバイオチップを製造している。しかしながら、マイクロアレイバイオチップを製造するにあたり必要とされる試薬の種類は非常に多い。このため、その製造に必要とするすべての試薬を注入するために多くのディスペンサーを使用しなければならない。各ディスペンサーは、前もって位置決めしておいた特定の対応方向、位置および距離に配列されることで、個別のインク噴射ポイントとして設定される。そしてマイクロアレイバイオチップの基板は工程・バイ・工程方式で各インクポイントへインクを送り届けてディスペンサー下部でインク噴射を行ない、マイクロアレイバイオチップの密度を次第に増加させ、そのインクポイントを数多く経過したのち、高密度のマイクロアレイバイオチップの製作が完成される。
【0003】
マイクロアレイバイオチップの基板上に噴射された試薬液滴は、その双方間に必ず特定の対応方向、位置および距離がなくてはならず、しかも液を噴射するプロセスの中で、ディスペンサーは予め固定されており動かない。それゆえ、装置上に置かれた各ディスペンサーのわずかな差異は、生物試薬がマイクロアレイバイオチップに噴射される位置に非常に大きな影響を与えるので、すべてのディスペンサーは特定の装置により方向と位置を調整する必要がある。
【0004】
また、一般的なカラーインクジェット印刷システムでは、プリントアウトされる色を特定する方式を採用しており、使用者が印刷された色に最も近いと見られる色の設定を行ない、それをパソコンに入力し、ソフトウェアによって各色ディスペンサーのインクの噴射時間の差を調整し、また各色の彩色誤差も補う。しかし、直接インクジェット後の結果を調整および校正の根拠とするのは、その中にすでに含まれている噴射方向性および安定性の累積誤差により、正確に位置を測定することができないため不充分である。
【0005】
さらに、カラーインクジェット印刷システムでは、単独の色は独立したインクジェットのカートリッジを有し、複数のインクジェットカートリッジ間の相互の位置は、光学測定カートリッジとカートリッジのノズルの対応位置であり、その印刷方法はインクジェットカートリッジの左右移動、ならびにソフトウェアがインクジェットの時間差の補正をコントロールすることによって、カラープリントの正確な彩色という要求にこたえることができる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5837722号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる方法は生物学(biological)の領域には応用されず、よって直接的にバイオチップ製造装置の中に応用することは不可能である。詳細に述べると、この方法のインクジェットプロセス中では、そのディスペンサーは移動している状態にあり、しかしバイオチップ製造装置のディスペンサーはインクジェットプロセスにおいては固定され動くことのない状況にある。よって、この方法はバイオチップ製造装置に直接応用することはできない。
【0008】
本発明は、ディスペンサーの位置決めの精度を向上し、各ディスペンサーの生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射して、マイクロアレイバイオチップ製造プロセスの歩留りの増加および効率を向上させることができるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置および該製造器具の画像アライメント方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のバイオチップ製造器具の画像アライメント方法は、搬送装置と複数のディスペンサを備えるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法であって、
(a)テスト基板を提供する工程と、
(b)前記テスト基板を前記搬送装置上に設置し、前記ディスペンサーの1つと対応する場所に位置させる工程と、
(c)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板上に液滴を噴射させる工程と、
(d)前記搬送装置を利用して前記テスト基板をもう1つのディスペンサーと対応する場所に位置させる工程と、
(e)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板に液滴を噴射させ、テスト基板上に噴射された液滴の位置を根拠として、前記ディスペンサーの位置を調整する工程および
(f)すべてのディスペンサー間の位置関係が一定の基準に符合するまで(d)から(e)までの工程を重複して行なう工程からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ディスペンサーの位置合わせの精度を向上し、各ディスペンサーの生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射させることにより、マイクロアレイバイオチップ製造プロセスの歩留りの増加および効率の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明では、バイオチップ製造器具の画像アライメント方法が提供されており、このうちバイオチップ製造器具は搬送装置と複数のディスペンサーを備えており、画像アライメント方法は、(a)テスト基板を提供し、(b)テスト基板を搬送装置上に置き、それを1個のディスペンサーと対応する場所に位置させる。(c)対応したディスペンサーから試薬をテスト基板上に噴射させる。(d)搬送装置を利用して撮像装置をもう1つのディスペンサー対応位置に搬送する。(e)対応したディスペンサーから試薬をテスト基板上に噴射させ、テスト基板上の液滴の位置を根拠として、ディスペンサーの位置を調整する。(f)すべてのディスペンサー間の位置関係が一定の基準と符合するまで(d)から(e)までの工程を重複して行なう。
【0012】
本発明では、生物試薬を微小滴の形式を利用しマイクロアレイバイオチップの基板に噴射する前に、まず画像アライメント方式を利用して各ディスペンサーを調整して位置決めを行ない、そののち、各ディスペンサー内の生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上にある特定の位置に噴射し、マイクロアレイバイオチップの製造を完成する。
【0013】
以下、添付図面に基づいて、本発明の目的、特徴および長所が一層理解されるように実施例を説明する。
【0014】
第1参考例
図1は第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図1に示され画像アライメント装置(image pickup unit)100は、バイオチップ製造装置に適用され、バイオチップ製造器具は、図1に示されるように、搬送装置(conveying device)1、複数のディスペンサー2a、2b、2c、2dおよびバイオチップ固定治具3を備えている。
【0015】
画像アライメント装置100は撮像装置110と複数のディスペンサー調整装置120から構成されており、そのうち各ディスペンサー調整装置120はディスペンサー2a、2b、2cおよび2dとそれぞれ連結しており、撮像装置110の画像信号を根拠としてディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの方向と位置を調整する。
【0016】
アライメントプロセスの中で、撮像装置110はバイオチップ固定治具3により、搬送装置1上に設置されており、この搬送装置1は撮像装置110をディスペンサー2a、2b、2cおよび2dと対応する位置に送り、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影する。なお、撮像装置110は撮影装置111、ディスプレイ装置112および定位装置113から構成されており、そのうちディスプレイ装置112は撮影装置111が撮影した画像を表示し、かつその上に定位標示1121が設置されているため、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の特定位置との位置合わせを行なうことができる。また定位装置113は撮影装置111の位置を調整および固定することができる。本参考例では、定位標示1121が十字型をしている。
【0017】
前記撮影装置111はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の画像を撮影するものであり、かつ本実施例においては、カメラ1111と画像処理ユニット1112を含んでおり、その中のカメラ1111はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の画像を撮影し、画像処理ユニット1112がカメラ1111が撮影した画像を計算し、当該画像信号を定位装置113とディスペンサー調整装置120の位置決めの根拠とする。
【0018】
本参考例では、撮像装置110は直接ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上のノズル21の画像を撮影することができるが、アライメントをより正確にするため、各ノズル21のあいだには第1マーカー22を設置し、撮像装置110がディスペンサー2上の第1マーカー22の画像を撮影することによって、位置合わせができるようにする。第1マーカー22としては、たとえば円形、十字型、数字または種々の図形(各種の方向性を有する図形)を用いることができる。
【0019】
詳しくは、図2に示されるように、第1マーカー22の実施例として、第1マーカー22は第1図案221、第2図案222および第3図案223から構成することができる。第1図案221は中心点を備えており、図2に示されるように、たとえば多数の円または矩形を定位標示1121の外周に沿って連続的に設けることによって得られる形状であるのが比較的好ましく、撮像装置110上の定位標示1121の位置合わせのために用いられる。第2図案222は第1図案221付近に位置し、各ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dを区分し、図2において、第2図案222は少なくとも2個の輪が1組となって構成されるもので、各第1マーカー22内とその付近に配置されるが、各組の第2図案222の配列方式はいずれも異なっている。予め設定することによって、位置合わせすべきディスペンサーを判別することが可能となる。第3図案223は第1図案221を包囲するような形で設定される。これにより、第1図案221を第3図案223の中に位置させることにより、撮像装置110による位置合わせがより便利になる。すなわち第3図案223は撮像装置110が第1図案221に対する位置合わせを行なうときの補助となる。
【0020】
実際使用時には、図3〜4に示されるように、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上には第1マーカー22だけが設けられている。ここで、第1マーカー22は各ディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の対応位置とは同じではなく、各ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの液を噴射するノズル21の位置とはそれぞれ離されている。
【0021】
本参考例の画像アライメント装置100の構成は前述したとおりであり、以下、図1および図5〜7を参照して本実施例のバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を説明する。
【0022】
まず、撮像装置110は、第1ディスペンサー2aと対応する場所に位置させるように、バイオチップ固定治具3により搬送装置1上に設置される。ついで図1に示されるように、撮像装置110を利用して対応しているディスペンサー2aの画像を撮影する。これにより、ディスプレイ装置112により定位標示1121とディスペンサー2a上の第1マーカー22との位置関係の観察が可能になる。ついで撮像装置110の画像信号を根拠として、定位装置113が撮像装置110の位置を調整することによりディスプレイ装置112上の定位標示1121をディスペンサー2a上の第1マーカー22に位置させる。そののち図5に示されるように、搬送装置1が方向Mに沿って移動するのを利用して、撮像装置110をバイオチップ固定治具3とともに2個目のディスペンサー2bとの対応位置に搬送し、ついで撮像装置110を利用して対応しているディスペンサー2bの画像を撮影し、撮像装置110の画像信号を根拠としてディスペンサー調整装置120が対応するディスペンサー2bの位置を調整する。ついで図6〜7に示されるように、前記撮像装置110がディスペンサー2cおよび2dの画像の撮影を行ない、ディスペンサー2cおよび2dの位置を調整するなどの工程を繰り返す。そして、すべてのディスペンサー2a、2b、2cおよび2d間の位置関係が一定の基準と符合するまでこれらの工程を重複して行なう。
【0023】
本参考例では、前記説明中で、撮像装置110はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の第1マーカー22の画像を撮影して位置合わせを行なうようにしているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、撮像装置110がディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上のノズル21の画像を撮影することで位置合わせを行なうこともできる。
【0024】
また、本参考例では、前記説明中に、第1個目のディスペンサー2aの位置にあるときに、撮像装置110の位置を調整し、そののち各ディスペンサー2b、2cおよび2dがこの撮像装置110を根拠として調整を行なっているが、位置合わせの方法は、これに限られるものではなく、たとえば第1個目のディスペンサー2aに位置にあるときの撮像装置を基準とし、ディスペンサー2aの位置を調整することもできる。
【0025】
その他本参考例では、順序通りに移動方向Mに沿って調整を行なっている。撮像装置110は1つのディスペンサーを適切に選択し、それを基準とし、そののち他のディスペンサーを調整することもできる。
【0026】
本参考例の画像アライメント装置および方法は、アライメントプロセスにおいて、ディスペンサーが、液滴の噴射をディスペンサーの方向と位置の調整の根拠とするのではなく、ディスペンサー上のノズルまたはマーカーの位置を検知することにより、現在のディスペンサーの方向と位置を調整している。したがって、ディスペンサーが試薬を噴射する方向が異なることにより発生する各ポイントのディスペンサーの位置決めの誤差を防ぐことができる。そして各生物試薬をマイクロアレイバイオチップの基板上に正確に噴射させることができるため、生産の安定性も高められ、マイクロアレイバイオチップの製造プロセスの歩留りを向上させることができる。
【0027】
また、ディスペンサーは、調整に際し、液滴を噴射する必要がないため、生物試薬の浪費を防ぐことができ、かつ画像装置により、各ディスペンサーの位置を測定する速度、および操作の便利性も増加する。
【0028】
第2参考例
図8は第2参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図8に示されるように、画像アライメント装置100aは撮像装置110、複数のディスペンサー調整装置120および一対のアライメントメンバ130から構成されており、そのうち撮像装置110およびディスペンサー調整装置120は第1実施例と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0029】
アライメントメンバ130はアライメントプロセスの中で、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dと撮像装置110とのあいだに設置され、図8に示されるように、バイオチップ固定治具3上に設置され、撮像装置110の上面に位置している。またアライメントメンバ130は図9に示されるように、その上には複数の第2マーカー131を備えており、撮像装置110がディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影するのを補助している。その中のアライメントメンバ130の第2マーカー131はディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の第1マーカー22と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0030】
本参考例の画像アライメント方法と第1参考例の方法は大体において同じであるが、異なる点は、撮像装置110がアライメントメンバ130を利用してディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影するという点である。
【0031】
本参考例において、撮像装置110は第1マーカー22を用いて調整したのち、アライメントメンバ130を利用してディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影し、それによって位置合わせの精度をより高めることができる。
【0032】
第3実施例
図10は第3参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図10に示されるように、画像アライメント装置110bは撮像装置110b、複数のディスペンサー調整装置120および一対のアライメントメンバ130から構成されており、そのうちディスペンサー調整装置120およびアライメントメンバ130は第2参考例と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
撮像装置110bは第2参考例の撮像装置110と異なる点は、その撮影装置111bが2機のカメラ1111a、1111bを含んでいるという点である。
【0034】
本参考例の画像アライメント方法も第2参考例での方法と大体において同じであるが、異なる点は、2機のカメラ1111a、1111bを備えていることによって、アライメントプロセスの中で、同時に同じディスペンサー上の2つのマーカーを撮影する。すなわち1つのディスペンサー上に2つのマーカーを設置することが必要となる。
【0035】
本参考例では、2機のカメラ1111a、1111bがディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの位置合わせを行なう。加えてアライメントメンバ130を設置しているので、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの底面を、アライメントメンバ130を介して2機のカメラ1111a、1111bに平行にしておくことにより、ディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの設置位置をより正確にすることができる。
【0036】
第4参考例
図11は第4参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。図11に示されるように、画像アライメント装置100cは撮像装置110bおよび複数のディスペンサー調整装置120から構成されており、そのうち撮像装置110bおよびディスペンサー調整装置120は第3参考例と同じ構成なので、ここでは説明を省略する。
【0037】
画像アライメント装置100cは第3参考例と大体において同じであるが、異なる点は、本参考例中においてはアライメントメンバを含んでいない点である。
【0038】
本参考例の画像アライメント方法は第3参考例の方法と大体において同じであるが、異なる点は、撮像装置110bが第3実施例と同じように、アライメントメンバ130によってディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの画像を撮影する工程を必要としないという点である。
【0039】
本参考例において、撮像装置110は第3参考例のように、アライメントメンバ130によりディスペンサー2a、2b、2cおよび2d上の画像を撮影する必要はなく、それにより位置合わせにかかる時間を短縮させることができる。
【0040】
実施例1
図12〜13は本発明の実施例1にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を説明する図である。
【0041】
本実施例中において、まず図12に示されるように、テスト基板140を提供し、そのテスト基板140を搬送装置1上に設置し、それを1個目のディスペンサー2aと対応した場所に位置させる。ついでその対応しているディスペンサー2aからテスト基板140上に液滴を噴射させたのち、図13に示されるように、搬送装置1を利用してテスト基板140をつぎのディスペンサー2bと対応している位置に搬送する。ついでその対応しているディスペンサー2bからテスト基板140上に液滴を噴射させ、ついでテスト基板140上に噴射された位置を根拠として、ディスペンサー2bの位置を調整し、最後に前記テスト基板140の搬送、液滴の噴射およびディスペンサー位置の調整などの工程をすべてのディスペンサー2a、2b、2cおよび2dの位置関係が一定の基準に符合するまで重複して行なう。
【0042】
本実施例のバイオチップ製造器具の画像アライメント方法は、前記参考例のような撮像装置の利用を必要としておらず、コストを比較的低くすることができるが、正確性に関しては劣る点があり、初歩段階においてのアライメントに適している。
【0043】
以上、本発明では、好ましい実施の形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の技術思想の範囲において、各種の変更や修正を加えることができる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で規定された内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図2】図1の第1マーカーの例を示す図である。
【図3】図1の第1マーカーの位置を示す図である。
【図4】図1の第1マーカーの他の位置を示す図である。
【図5】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図6】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図7】第1参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図8】第2参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図9】図8のアライメントメンバを示す図である。
【図10】第3参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図11】第4参考例にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント装置を示す図である。
【図12】実施例1にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【図13】実施例1にかかわるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 搬送装置
2a、2b、2c、2d ディスペンサー
21 ノズル
22 第1マーカー
221 第1図案
222 第2図案
223 第3図案
3 バイオチップ固定治具
100、100a、100b 画像アライメント装置
110 撮像装置
111 撮影装置
1111、1111a、1111b カメラ
1112 画像処理ユニット
112 ディスプレイ装置
1121 定位標示
113 定位装置
120 ディスペンサー調整装置
130 アライメントメンバ
131 第2マーカー
140 テスト基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置と複数のディスペンサを備えるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法であって、
(a)テスト基板を提供する工程と、
(b)前記テスト基板を前記搬送装置上に設置し、前記ディスペンサーの1つと対応する場所に位置させる工程と、
(c)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板上に液滴を噴射させる工程と、
(d)前記搬送装置を利用して前記テスト基板をもう1つのディスペンサーと対応する場所に位置させる工程と、
(e)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板に液滴を噴射させ、テスト基板上に噴射された液滴の位置を根拠として、前記ディスペンサーの位置を調整する工程および
(f)すべてのディスペンサー間の位置関係が一定の基準に符合するまで前記(d)から(e)までの工程を重複して行なう工程からなるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法。
【請求項1】
搬送装置と複数のディスペンサを備えるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法であって、
(a)テスト基板を提供する工程と、
(b)前記テスト基板を前記搬送装置上に設置し、前記ディスペンサーの1つと対応する場所に位置させる工程と、
(c)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板上に液滴を噴射させる工程と、
(d)前記搬送装置を利用して前記テスト基板をもう1つのディスペンサーと対応する場所に位置させる工程と、
(e)前記対応するディスペンサーから前記テスト基板に液滴を噴射させ、テスト基板上に噴射された液滴の位置を根拠として、前記ディスペンサーの位置を調整する工程および
(f)すべてのディスペンサー間の位置関係が一定の基準に符合するまで前記(d)から(e)までの工程を重複して行なう工程からなるバイオチップ製造器具の画像アライメント方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−177982(P2006−177982A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86258(P2006−86258)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【分割の表示】特願2003−295477(P2003−295477)の分割
【原出願日】平成15年8月19日(2003.8.19)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【分割の表示】特願2003−295477(P2003−295477)の分割
【原出願日】平成15年8月19日(2003.8.19)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
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