説明

バイオフィルム形成及びプランクトン様増殖の予防及び低減

本発明は、細菌株又は細菌混合物から選択される1又は複数を用いて、バイオフィルム形成及び/又はプランクトン様増殖を防止及び/又は低減するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面上のバイオフィルム及び/又は水性環境、特に家庭(domestic/household)及び工業環境におけるプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法及び組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
不所望微生物によるバイオフィルム形成及びプランクトン様増殖は、家庭及び工業環境において周知の現象である。例えば、便器には、表面上の及び溶液中の不所望細菌がひそんでおり、その便器の著しく不潔な外観の原因となり得る。さらに、便器中の不所望微生物の存在は、洗浄の際におけるエアロゾルの分散を引き起こすこともある。水系、例えば配管、ポンプ及び容器における、大量のバイオフィルム形成及びプランクトン様増殖は、健康管理リスク、腐食、及び審美的問題を引き起こすことが知られている。
【0003】
不所望微生物によるバイオフィルム形成及び/又はプランクトン様増殖の予防又は低減は、従来から、分散剤、界面活性剤、酵素、微小管、抗微生物剤、殺生物剤、煮沸処理、及び/又は化学物質の使用を必要としてきた。
【0004】
米国特許第5,171,591号は、ブデロビブリオ属の寄生虫細菌を用いる、特定の食物又は食物接触表面の中又は上の不所望細菌の制御又は除去に関する。
米国特許第5,242,593号は、単一形態で非固着微小管を循環水へ添加することにより、水循環系における粘液及び/又はフィルム積層を低減させるための方法に関する。
米国特許第5,360,517号は、スタフィロコッカス・カルノサス(Staphylococcus carnosus)種の細菌を有効な殺菌量を導入することを含んでなる、水性の製紙回路/過程の流れの中で、微生物/細胞叢の増殖を調節する過程を開示する。
米国特許第5,863,882号は、4つの病原性微生物を低減させることができる、殺菌組成物、生きたバチルス胞子、及び界面活性剤を含んでなる、液体の洗浄及び殺菌製剤に関する。
豪州特許第719544号は、非病原性グラム陽性細菌による、水中の病原性細菌の数を制御する方法に関する。
国際公開第2006/031554号は、表面を細菌由来のアルファ−アミラーゼと接触させることにより、表面上のバイオフィルムを予防、除去、低減又は崩壊させる方法を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不所望微生物のバイオフィルム形成及びプランクトン増殖を、低減及び予防する方法は当業界で既知であるが、なおそのための方法及び組成物の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水性環境におけるバイオフィルム形成及び/又はプランクトン様増殖の低減及び/又は予防のための、方法及び組成物に関する。
【0007】
本発明者等は、水性環境におけるバイオフィルム形成及び/又はプランクトン様増殖の低減能について、非常に多数の細菌株を単離及び試験した。彼らは、試験された少数のバチルス属は、不所望微生物、例えばシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・モンテリ(Pseudomonas montelli)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ビブリオ・ハルベイ(Vibrio harveyi)、ビブリオ・アルギノリティカス(Vibrio alginolyticus)、ビブリオ・フィシェリ(Vibrio fischerii)、及び/又はE.coli(Escherichia coli)と共培養する場合、バイオフィルム形成及び/又はプランクトン様増殖の低減及び/又は予防ができることを発見した。これは実施例において詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、異なるバチルス:シュードモナス比率での、バチルス混合物(Bacillus blend (6BB))存在下のシュードモナス群のプランクトン増殖の減少を示す。
【図2】図2は、異なるバチルス:シュードモナス比率での、バチルス混合物(6BB)存在下のシュードモナスバイオフィルム増殖の減少を示す。
【図3】図3は、異なるバチルス:シュードモナス比率での、バチルス混合物(6BB)存在下のプランクトン様シュードモナス増殖の減少を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
バイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法
第一の態様によれば、本発明は、表面上のバイオフィルム形成の防止及び/又は低減のための方法であって、当該表面を以下の、
受託番号NRRL B−50014を有する菌株、
受託番号NRRL B−50015を有する菌株、
受託番号NRRL B−50016を有する菌株、
受託番号NRRL B−50017を有する菌株、
受託番号NRRL B−50018を有する菌株、
受託番号PTA−7541を有する菌株、
受託番号PTA−7542を有する菌株、
受託番号PTA−7543を有する菌株、
受託番号PTA−7544を有する菌株、
受託番号PTA−7545を有する菌株、
受託番号PTA−7546を有する菌株、
受託番号PTA−7547を有する菌株、
受託番号PTA−7549を有する菌株、
受託番号PTA−7790を有する菌株、
受託番号PTA−7791を有する菌株、
受託番号PTA−7792を有する菌株、
受託番号PTA−7793を有する菌株、又は2以上の当該菌株の混合物、
からなる群から選択される1又は複数の細菌株に晒すことを含んでなる方法に関する。
【0010】
ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50014を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50015を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50016を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50017を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50018を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50019を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50019を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7541を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7542を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7543を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7544を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7545を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7546を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7547を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7549を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7550を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7789を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7790を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7791を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7792を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7793を有する菌株に、当該表面を晒すことを含んでなる、表面上のバイオフィルム形成の予防及び/又は低減のための方法に関する。
【0011】
ある実施態様によれば、細菌の混合物を本発明の方法により使用してもよい。混合物の例としては、以下の「細胞菌株及び細胞菌株の混合物」の節に示すものが挙げられる。
【0012】
「バイオフィルム形成」なる用語は、不所望微生物による表面上への粘液層又はフィルムの形成を意味する。バイオフィルム形成は、個々に又はコロニーで、表面に結合する不所望微生物の増殖の結果である。
【0013】
「表面」なる用語は、バイオフィルム形成及び微生物接着の傾向を有する可能性がある、任意の表面、好ましくは硬表面のことを言う。考慮される表面の例としては、1又は複数の以下の物質、金属、可塑物、ゴム、板、ガラス、木材、紙、コンクリート、岩、大理石、石膏、及びセラミック物質、例えばポーセレンから作製される硬表面があり、これは例えば塗料又はエナメルで任意に塗装される。軟表面の例としては、任意の種類の繊維(例えば、毛糸、織物、植物繊維、岩綿、及び髪)から作製される表面、又は任意の多孔質表面、皮膚(ヒト又は動物)、角質物質(例えば、爪)、及び内臓組織(例えば、肺)がある。
【0014】
硬表面は、例えばバスルームにおいて、例えば、取付品、流し台、バスタブ、便器、及びゆすぎ水貯蔵容器があり、冷却塔、水処理施設、貯水槽、乳製品食品加工施設等、化学もしくは製剤工程施設、又は医薬装置(例えば、カテーテル、矯正装置、及び移植片)において見られる。バイオフィルム傾向のある表面はまた、多孔質表面であってもよい。例えば多孔質表面は、フィルター、例えば薄膜フィルターに存在する。
【0015】
プランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法
第一の態様によれば、本発明は、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の防止及び/又は低減のための方法であって、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で以下の、
受託番号NRRL B−50014を有する菌株、
受託番号NRRL B−50015を有する菌株、
受託番号NRRL B−50016を有する菌株、
受託番号NRRL B−50017を有する菌株、
受託番号NRRL B−50018を有する菌株、
受託番号PTA−7541を有する菌株、
受託番号PTA−7542を有する菌株、
受託番号PTA−7543を有する菌株、
受託番号PTA−7544を有する菌株、
受託番号PTA−7545を有する菌株、
受託番号PTA−7546を有する菌株、
受託番号PTA−7547を有する菌株、
受託番号PTA−7549を有する菌株、
受託番号PTA−7790を有する菌株、
受託番号PTA−7791を有する菌株、
受託番号PTA−7792を有する菌株、
受託番号PTA−7793を有する菌株、又は2以上の当該菌株の混合物、
からなる群から選択される1又は複数の細菌株に晒すことを含んでなる方法に関する。
【0016】
ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50014を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50015を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50016を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50017を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50018を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号NRRL B−50019を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。
ある実施態様によれば、受託番号PTA−7541を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7542を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7543を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7544を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7545を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7546を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7547を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7549を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7550を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7789を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7790を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7791を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7792を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。ある実施態様によれば、受託番号PTA−7793を有する菌株に、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で晒すことを含んでなる、(1又は複数の)微生物のプランクトン様増殖の予防及び/又は低減のための方法に関する。
【0017】
ある実施態様によれば、細菌の混合物を本発明の方法により使用してもよい。混合物の例としては、以下の「細胞菌株及び細胞菌株の混合物」の節により明らかにできる。
【0018】
「プランクトン様増殖」なる用語は、水性環境中、例えば水中における、不所望微生物、好ましくは不所望細菌の増殖を意味する。当該不所望微生物は典型的には、水性環境中に自由に発生する。考慮される水性環境の例としては、便器のすすぎ水及び施設における循環冷却水がある。
【0019】
細胞菌株及び細胞菌株の混合物
本発明の方法に従って使用される細菌株は、上記寄託菌株の1つの培養物であってもよいが、上記の単離された寄託菌株と実質的に同一の特性を有する菌株の培養物であってもよいことは理解されるべきである。好ましい実施態様によれば、前記菌株は寄託菌株又はその子孫の1つである。
【0020】
(1又は複数の)細菌株は、活性及び/又は不活性な他の成分も含んでなる組成物における、(1又は複数の)有効成分であってもよい。
【0021】
本明細書中で「有効量」、「有効濃度」又は「有効用量」なる用語は、表面上の不所望微生物により引き起こされるバイオフィルム形成を低減及び/又は予防できる、及び/又は、水性環境中の不所望微生物のプランクトン様増殖を低減及び/又は予防できる、1又は複数の細菌株の、量、濃度又は用量として定義される。絶対数における実際の有効用量は、以下の要因、例えば問題の(1又は複数の)不所望微生物、予防又は低減の目的の有無、(1又は複数の)菌株間の接触時間又は(1又は複数の)菌株を含んでなる組成物、他の成分の存在、及び問題の当該表面又は水性環境等に依存する。ある実施態様によれば、細菌の、例えば以下に記載の6菌株のバチルス混合物の有効用量は、1〜1×108 cfu/mL、好ましくは50〜1×107 cfu/mLの範囲である。さらに、ある実施態様によれば、本明細書に関する細菌又は混合物と、問題の(1又は複数の)不所望微生物との間の比率は、1:100,000と100,000:1の間(菌株/混合物:不所望微生物)、好ましくは1:10,000〜10,000:1、より好ましくは1:1,000〜1,000:1、より好ましくは1:100〜100:1、さらにより好ましくは1:10〜10:1である。
【0022】
一般的に、不所望微生物及び栄養物の高負荷を受ける環境は、高用量の軽減する細菌株を必要とし、一方不所望生物が低負荷である環境は、低用量の軽減する細菌株を必要とする。さらに、例えば表面上のバイオフィルム形成の予防、又は水性環境中のプランクトン様形成の予防は、対応する表面上のバイオフィルム形成の低減、又は対応する水性環境中に既に存在する(1又は複数の)不所望微生物の数の低減よりも、関与する(1又は複数の)細菌株は、一般的により低用量を必要とする。
【0023】
結果的に、本発明の方法は、表面上に既存の又は水性環境中に既存の、1又は複数の不所望微生物、好ましくは細菌の増殖を阻害する(すなわち、バイオフィルム形成の低減を導く)ために使用できる。別の実施態様によれば、本発明は、本来清浄な表面(すなわち、本来不所望微生物のない表面)上のバイオフィルム形成、及び/又は本来清浄な水(すなわち、本来不所望微生物を含有しない水性環境)中のプランクトン様増殖の、予防及び/又は遅延に関する。言い換えれば、関与する(1又は複数の)細菌株は、(1又は複数の)不所望微生物のさらなる増殖に対し、当該表面及び/又は水性環境を保護する。本発明の方法は、既存の不所望微生物の低減又は排除/除去をもたらす。
【0024】
好ましい実施態様によれば、関与する(1又は複数の)細菌株は、周期的に、問題の表面に塗布され、及び/又は問題の水性環境中に添加されてもよい。「周期的」とは、本発明の方法が、ある時間周期にわたって、例えば、毎分、毎時間、毎日、毎週、毎月等で、繰り返され、又は反復されてもよいことを意味する。上記の通り、効果は長期間継続しなくてもよい。それは細菌株の再投与を必要としてもよい。例えば、表面及び水性環境が、それぞれ便器上及び便器中のすすぎ水である場合、再投与は(周期的に)洗浄ごとに行ってもよい。例えば関与する(1又は複数の)細菌株は、リムブロック(rim block)中に組み込んでもよい。
【0025】
本発明の方法はまた、(1又は複数の)細菌株、又は1又は複数の細菌株を含んでなる組成物(すなわち混合物)を、問題の表面に、手動式及び/又は機械式で晒すことにより実施してもよい。
【0026】
好ましい実施態様によれば、単独でも他の細菌との組み合わせで使用してもよい細菌は、NRRL B−50014である。好ましい実施態様によれば、単独でも他の細菌との組み合わせで使用してもよい細菌は、NRRL B−50015である。好ましい実施態様によれば、単独でも他の細菌との組み合わせで使用してもよい細菌は、NRRL B−50016である。好ましい実施態様によれば、単独でも他の細菌との組み合わせで使用してもよい細菌は、NRRL B−50017である。好ましい実施態様によれば、単独でも他の細菌との組み合わせで使用してもよい細菌は、NRRL B−50018である。
【0027】
好ましい実施態様によれば、細菌株は、2007年3月14日に寄託された、2、3、4、5又は6つの以下の寄託菌株の混合物である。NRRL B−50014、NRRL B−50015、NRRL B−50016、NRRL B−50017、NRRL B−50018及びNRRL B−50019。本発明の混合物は、本発明に関連する寄託されたもの以外の、他の菌株を含んでも含まなくてもよいことは理解されるべきである。本発明の混合物は、本発明に関連する寄託された菌株以外にも、他の菌株を含んでよいことは理解されるべきである。米国特許公報第2005/0036990号中に開示されたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)SB−3112(ATCC寄託番号PTA−3142)は1つの例である。ある実施態様によれば、当該混合物は、NRRL B−50014、NRRL B−50015、NRRL B−50016、NRRL B−50017、NRRL B−50018及びPTA−3142を含んでなる。
【0028】
不所望生物
本発明の文脈において、「不所望微生物」なる用語は、問題の表面上及び/又は問題の水性環境中、特に家庭又は工業環境中で、負と考えられる効果をもたらし得る微生物を意味する。当該負の効果の例としては、物質の臭気、腐食、孔食、又はその他の分解、感染、汚染又はその他の表面を審美的に不快な外観にすることが挙げられる。不所望微生物にはまた、病原性微生物、特に病原性細菌がある。
【0029】
本明細書に関する単離された細菌株の1又は複数を有効量で使用することにより、表面上のバイオフィルム及び/又は水性環境中のプランクトン様増殖を低減及び/又は予防することができる。
【0030】
好ましい実施態様によれば、バイオフィルム形成傾向のある問題の表面は、任意のバイオフィルム形成/積層の前に、予防措置として1又は複数の際菌株に晒してもよい。これはバイオフィルム形成の顕著な低減をもたらす。あるいは、バイオフィルムが既に形成されている、又はバイオフィルム積層の最初の兆候がある場合、本発明の方法を、さらなるバイオフィルム形成の低減のために使用してもよい。本発明の方法は、部分的又は完全なバイオフィルムの除去をもたらすことも可能である。
【0031】
不所望微生物の例としては、以下に開示のものがある。
【0032】
不所望微生物には、限定するものではないが、好気性細菌もしくは嫌気性細菌、グラム陽性及びグラム陰性、菌類(酵母又は糸状菌)、藻類、及び/又は原生動物がある。考慮される細菌には、シュードモナス属、例えばシュードモナス・シュードモナス・エルギノーサ、アゾトバクター・ビネランジー(Azotobacter vinelandii)、E.coli、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphteriae)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、ストレプトコッカス属、アセトバクター(Acetobacter)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ベタバクテリウム(Betabacterium)、肺炎球菌(Pneumococcus)、マイコバクテリウム・ツベルクロ(登録商標)ーシス(Mycobacterium tuberculosis)、エロモナス(Aeromonas)、バークホルデリア(Burkholderia)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、サルモネラ(Salmonella)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ビブリオ属、リステリア属、及びレジオネラ属がある。
【0033】
好ましい実施態様によれば、不所望微生物は好気性細菌である。より好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はエロモナス菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はバークホルデリア菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はフラボバクテリウム菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はマイクロバクテリウム(Microbacterium)菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はシュードモナス菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はサルモネラ菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はスタフィロコッカス菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌は腸内細菌(例えばE.coli等)である。
【0034】
最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はミクロバクテリウム・インペリアレ(Microbacterium imperiale)又はミクロバクテリウム・結核菌(Mycobacterium tuberculosis)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はシュードモナス・エルギノーサである。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はシュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はシュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はサルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記好気性細菌はスタフィロコッカス・エピデルミデス(Staphylococcus epidermidis)である。
【0035】
別の最も好ましい実施態様によれば、前記細菌はリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)である。
【0036】
別の最も好ましい実施態様によれば、前記細菌はレジオネラ・アデライデンシス(Legionella adelaidensis)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記細菌はレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記細菌はレジオネラ・フィーレイー(Legionella feeleii)である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記細菌はレジオネラ・モラビカ(Legionella moravica)である。
【0037】
別の実施態様によれば、前記細菌は、ビブリオ・ハルベイ、ビブリオ・フィシェリ及び/又はビブリオ・アルギノリティカスである。
【0038】
別の好ましい実施態様によれば、前記微生物は嫌気性細菌である。
別のより好ましい実施態様によれば、前記嫌気性細菌はデスルホビブリオ菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記嫌気性細菌はデスルホビブリオ・デスルフリカンス(Desulfovibrio desulfuricans)である。
【0039】
別の好ましい実施態様によれば、前記不所望部生物は菌類、例えば、酵母又は糸状菌である。別のより好ましい実施態様によれば、前記酵母はカンジダ(Candida)菌である。別の最も好ましい実施態様によれば、前記酵母はカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である。
【0040】
本発明の組成物
本発明はまた、1又は複数の本明細書に記載の寄託細菌株を含んでなる組成物に関する。本発明の組成物は単一の菌株として、又は2以上の菌株の混合物として、本明細書に関与する1又は複数の細菌株を含んでもよいが、他の細菌株及び/又は有効成分を含んでもよい。ある実施態様によれば、当該組成物は、以下に記載の界面活性剤又は1又は複数の他の成分をさらに含む。
【0041】
界面活性剤
界面活性剤は、非イオン性であってもよく、例えば準極性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は双性イオン性でもよい。(1又は複数の)界面活性剤は、当該細菌培養物の活性に対して可能な限り低害性である。
界面活性剤は、組成物中に0.01〜60質量%のレベルで存在してよい。
【0042】
含まれる場合、組成物は通常約0〜約40%で、アニオン性界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルファ−オレフィンスルフォネート、アルキルスルフェート(脂肪アルコールスルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、2級アルカンスルフォネート、アルファ−スルフォ脂肪酸メチルエステル、アルキルもしくはアルケニルコハク酸又はセッケンを含有する。
【0043】
含まれる場合、組成物は通常約0〜約40%で、非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノール、エトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミノオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミン、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミドのN−アシル N−アルキル誘導体(「グルカミド」)を含有する。
【0044】
他の成分
組成物は1又は複数の酵素を含んでもよい。考慮される酵素の例は、「酵素」の節に記載する。
他の成分には、限定するものではないが、分散剤、安定化剤、抗微生物剤、香料、色素、及び殺生物剤がある。
【0045】
酵素
本発明の組成物中には、1又は複数の酵素が存在してよい。特に、考慮される酵素には、プロテアーゼ、アルファ−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ、又はその混合物がある。
【0046】
プロテアーゼ
好適なプロテアーゼには、動物、植物又は微生物由来のものがある。微生物由来が好ましい。化学修飾又はタンパク質改変された変異体が含まれる。プロテアーゼはセリンプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼ、好ましくはアルカリ微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼでもよい。アルカリプロテアーゼの例としては、特にバチルス由来のもの、例えばサブチリシン・ノボ(subtilisin Novo)、サブチリシン・カールスバーグ(subtilisin Carlsberg)、サブチリシン309、サブチリシン147及びサブチリシン168(国際公開第89/06279号に記載)がある。トリプシン様プロテアーゼの例としては、国際公開第89/06270号及び国際公開第94/25583号に記載の、トリプシン及びフサリウムプロテアーゼがある。
【0047】
有用なプロテアーゼの例は、国際公開第92/19729号、国際公開第98/20115号、国際公開第98/20116号及び国際公開第98/34946号に記載の変異体、特に1又は複数の以下の点、27、36、57、76、87、97、101、104、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235及び274における置換を有する変異体がある。好ましい市販のプロテアーゼ酵素には、ALCALASE(商標)、SAVINASE(商標)、PRIMASE(商標)、DURALASE(商標)、DYRAZYM(商標)、DYRAZYM(商標)、EVERLASE(商標)、POLARZYME(商標)及びKANNASE(商標)、LIQUANASE(商標)(ノボザイム社(Novozyme A/S))、MAXATASE(商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、PROPERASE(商標)、PURAFECT(商標)、PURAFECT OxP(商標)、FN2(商標)、及びFN3(商標)(ジェネンコア・インターナショナル社(Genencor International Inc.))がある。
【0048】
リパーゼ
好適なリパーゼには細菌又は真菌由来のものがある。化学修飾又はタンパク質改変された変異体が含まれる。有用なリパーゼの例には、フミコラ(Humicola)(サーモマイシス(Thermomyce)の異名)由来のリパーゼ、例えば欧州特許第258 068号及び欧州特許第305 216号に記載のH.ラヌギノサ(lanuginosa)(T.ラヌギノサ)由来、又は国際公開第96/13580号に記載のH.インソレンス(insolens)由来、シュードモナスリパーゼ、例えばP.アルカリゲネス(alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(pseudoalcaligenes)(欧州特許第218 272号)、P.セピシア(cepacia)(欧州特許第331 376号)、P.スツトゼリ(stutzeri)(英国特許第1,372,034号)、P.フルオレッセンス(fluorescens)、シュードモナス属株SD705(国際公開第95/06720号及び国際公開第96/27002号)、P.ウィスコンシネンシス(wisconsinensis)(国際公開第96/12012号)由来のもの、バチルスリパーゼ、例えばB.サブチリス(subtilis)(Dartois et al., 1993, Biochemica et Biophysica Acta 1131: 253-360)、B.ステアロサーモフィルス(stearothermophilus)(特開昭64/744992号)又はB.プミルス(pumilus)(国際公開第91/16422号)由来のものがある。
【0049】
他の例は、リパーゼ変異体、例えば国際公開第92/05249号、国際公開第94/01541号、欧州特許第407 225号、欧州特許第260 105号、国際公開第95/35381号、国際公開第96/00292号、国際公開第95/30744号、国際公開第94/25578号、国際公開第95/14783号、国際公開第95/22615号、国際公開第97/04079号及び国際公開第97/07202号である。
好ましい市販のリパーゼ酵素には、LIPOLASE(商標)及びLIPOLASE ULTRA(商標)、LIPOZYME(商標)、並びにLIPEX(商標)(ノボザイム社)がある。
【0050】
クチナーゼ
本発明の方法は、EC 3.1.1.74に分類されるクチナーゼの存在下で実施してもよい。
本発明により使用されたクチナーゼは、任意の由来のものでよい。好ましいクチナーゼは微生物由来、特に細菌、真菌又は酵母由来のものである。
【0051】
クチナーゼは、クチンを消化できる酵素である。好ましい実施態様によれば、クチナーゼは、アスペルギルスの菌株由来、特にアスペルギルス・オリザエ(oryzae)、アルテルナリアの菌株、特にアルテルナリア・ブラシシオラ(brassiciola)、フサリウムの菌株、特にフサリウム・ソラニ・ピシ(solani pisi)、フサリウム・ロセウム・クルモルム(roseum culmorum)、又はフサリウム・ロセウム・サンブシウム(sambucium)、ヘルミントスポリウムの菌株、特にヘルミントスポリウム・サチバム(sativum)、フミコラの菌株、特にフミコラ・インソレンス、シュードモナスの菌株、特にシュードモナス・メンドシナ(mendocina)、又はシュードモナス・プチダ(putida)、リゾクトニアの菌株、特にリゾクトニア・ソラニ(solani)、ストレプトマイセスの菌株、特にストレプトマイセス・スカビース(scabies)、又はウロクラジウムの菌株、特にウロクラジウム・コンソルトアレ(consortiale)である。最も好ましい実施態様によれば、クチナーゼは、フミコラ・インソレンス菌株、特にフミコラ・インソレンスDSM1800由来である。フミコラ・インソレンスクチナーゼは、国際公開第96/13580号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。クチナーゼは変異体であってもよく、例えば国際公開第00/34450号及び国際公開第01/92502号に記載された変異体があり、これは本明細書に参照により組み込まれる。好ましいクチナーゼ変異体には、国際公開第01/92502号の実施例2に列挙された変異体があり、これは参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
好ましい市販のクチナーゼには、NOVOZYME(商標)51032(ノボザイム社、デンマークから入手可能)がある。
【0052】
本発明の方法は、EC 3.1.1.4及び/又はEC 3.1.1.32に分類される、ホスホリパーゼの存在下で実施してもよい。本明細書で使用される、ホスホリパーゼの用語は、リン脂質に対して活性を有する酵素である。リン脂質、例えばレクチン又はホスファチジルコリンは、外側(sn−1)及び中間(sn−2)位置が2つの脂肪酸でエステル化され、並びに第三の位置がリン酸でエステル化されている、グリセロールからなり、リン酸は順にアミノアルコールにエステル化されてもよい。リン脂質はリン脂質の加水分解に関与する酵素である。ホスホリパーゼ活性の複数の種類は識別可能であり、例えば脂肪酸アシル基を(sn−1及びsn−2それぞれの位置で)、リゾリン脂質、及びリゾリン脂質において維持する脂肪酸アシル基を加水分解できるリゾリン脂質(又はホスホリパーゼB)形態に加水分解する、ホスホリパーゼA1及びA2がある。ホスホリパーゼC及びホスホリパーゼD(ホスホジエステラーゼ)は、それぞれジアシルグリセロール又はホスファチジン酸を放出する。
【0053】
ホスホリパーゼなる用語は、ホスホリパーゼ活性、例えばホスホリパーゼA(A1又はA2)、ホスホリパーゼB活性、ホスホリパーゼC活性又はホスホリパーゼD活性を有する酵素を含む。本発明の酵素に関して本明細書で使用される「ホスホリパーゼA」なる用語は、ホスホリパーゼA1及び/又はホスホリパーゼA2活性を有する酵素を網羅する意図がある。ホスホリパーゼ活性は、他の活性を有する酵素により提供されてもよく、例えばホスホリパーゼ活性を有するリパーゼがある。ホスホリパーゼ活性は、例えばホスホリパーゼ副活性を有するリパーゼ由来であってもよい。本発明の他の実施態様によれば、ホスホリパーゼ酵素活性は本質的にホスホリパーゼ活性のみを有する酵素により提供され、且つここでホスホリパーゼ酵素活性は副活性ではない。
【0054】
ホスホリパーゼは任意の由来のものであってよく、例えば動物由来(例えば、哺乳類)、例えば膵臓(例えばウシ又はブタの膵臓)、又はヘビ毒もしくはハチ毒からのものがある。好ましくはホスホリパーゼは微生物由来のもであってよく、例えば糸状菌類、酵母又は細菌、例えば以下の属又は種、アスペルギルス、例えば、A.ニゲル(A. niger);ディクチオステリウム(Dictyostelium)、例えばD.ジスコイデュウム(D. discoideum);ムコール(Mucor)、例えばM.ジャバニカス(M. javanicus)、M.ムセド(M. mucedo)、M.サブチリシムス(M. subtilissimus);ニューロスポラ(Neurospora)、例えばN.クラッサ(N. crassa);リゾムコール(Rhizomucor)、例えばR.パシルス(R. pusillus);リゾブス(Rhizopus)、例えばR.アルヒズス(R. arrhizus)、R.ジャポニクス(R. japonicus)、R.ストロニフェル(R. stolonifer);スクレロティニア(Sclerotinia)、例えばS.リベルチアナ(S. libertiana);トリコフィトン、例えばT.ラブラム(T. rubrum);フェトゼリニア、例えばW.スクレロチオウラム(W. sclerotiorum);バチルス、例えばB.メガテリウム(B. megaterium)、B.サブチリス;シトロバクター(Citrobacter)、例えばC.フロインデイ(C. freundii);エンテロバクター(Enterobacter)、例えばE.エアロゲネス、E.クロアカエ(E. cloacae);エドワードジエラ、E.タルダ(E. tarda);エルウィニア(Erwinia)、例えばE.ヘルビコラ(E. herbicola);エシェリキア(Escherichia)、例えばE.coli;クレブシエラ、例えばK.ニューモニエ(K. pneumoniae);プロテウス(Proteus)、例えばP.ブルガリス(P. vulgaris);プロビデンシア、例えばP.スツアルティイ(P. stuartii);サルモネラ、例えばS.チフィリウム(S. typhimurium);セラチア、例えばS.リクファシエンス(S. liquefasciens)、S.マルセセンス(S. marcescens);シゲラ(Shigella)、例えばS.フレックスネリ(S. flexneri);ストレプトマイセス、例えばS.ヴィオレセオルバー(S. violeceoruber);エルシニア、例えばY.エンテロコリチカ(Y. enterocolitica)である。すなわち、ホスホリパーゼは、真菌、例えばピレノマイセテス(Pyrenomycetes)、例えば、フサリウム属、例えばF.クルモラム(F. culmorum)、F.ヘテロスポラム(F. heterosporum)、F.ソラニ(F. solani)の菌株、又はF.オキシスポラム(F. oxysporum)の菌株でもよい。ホスホリパーゼはまた、アスペルギルスに含まれる糸状真菌類、例えばアスペルギルス・アワモリ(awamori)、アスペルギルス・ホエチダス(foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(japonicus)、アスペルギルス・ニゲル又はアスペルギルス・オリザエ(oryzae)でもよい。
【0055】
好ましいホスホリパーゼはフミコラの菌株、特にフミコラ・ラヌギノサ由来のものである。ホスホリパーゼは変異体であってもよく、例えば国際公開第00/32758号に開示のものがあり、これは参照により本明細書に組み込まれる。好ましいホスホリパーゼ変異体には、国際公開第00/32758号の実施例5に列挙された変異体があり、これは参照により本明細書に具体的に組み込まれる。別の好ましい実施態様によれば、ホスホリパーゼは国際公開第04/111216号に記載されているものであり、特に実施例1の表に列挙された変異体である。
【0056】
別の好ましい実施態様によれば、ホスホリパーゼはフサリウムの菌株、特にフサリウム・オキシスポラム由来である。ホスホリパーゼは、フサリウム・オキシルポラムDSM2672、又はその変異体由来の、国際公開第98/026057号に関与するもので配列番号2に示すものでもよい。
【0057】
本発明の好ましい実施態様によれば、ホスホリパーゼはホスホリパーゼA1(EC. 3.1.1.32)である。本発明の別の好ましい実施態様によれば、ホスホリパーゼはホスホリパーゼA2(EC.3.1.1.4.)である。
【0058】
市販のホスホリパーゼの例には、LECITASE(商標)及びLECITASE(商標)ULTRA、YIELSMAX、又はLIPOPAN F(ノボザイム社、デンマークから入手可能)がある。
【0059】
アミラーゼ
好適なアミラーゼ(アルファ及び/又はベータ)には、細菌又は真菌由来のものがある。化学修飾又はタンパク質改変された変異体が含まれる。アミラーゼには、例えば、バチルス、例えば英国特許第1,296,839号により詳細に記載されるB.リケニフォルミスの特別種、又は国際公開第95/026397号もしくは国際公開第00/060060号に開示のバチルス種から得られるアルファ−アミラーゼがある。
有用なアミラーゼの例は、国際公開第94/02597号、国際公開第94/18314号、国際公開第96/23873号、国際公開第97/43424号、国際公開第01/066712号、国際公開第02/010355号、国際公開第02/031124号及び国際公開第2006/002643号(これらは全て参照により組み込まれる)に記載の変異体がある。
市販のアミラーゼは、DURAMYL(商標)、TERMAMYL(商標)、TERMAMYL ULTRA(商標)、NATALASE(商標)、STAINZAYME(商標)、STAINZAYME ULTRA(商標)、FUNGAMYL(商標)及びBAN(商標)(ノボザイム社)、RAPIDASE(商標)及びPURASTAR(商標)(ジェネンコア・インターナショナル社から)である。
【0060】
セルラーゼ
好適なセルラーゼには、細菌又は真菌由来のものがある。化学修飾又はタンパク質改変された変異体が含まれる。好適なセルラーゼには、バチルス属、シュードモナス属、フミコラ属、フサリウム属、チエラビア(Thielavia)属、アクレモニウム(Acremonium)属由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、米国特許第5,648,263号、米国特許第5,691,178号、米国特許第5,776,757号、国際公開第89/09259号、国際公開第96/029397号、及び国際公開第98/012307号に開示の、フミコラ・インソレンス、チエラビア・テレストリス(terrestris)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラムから産生された真菌セルラーゼがある。
特に好適なセルラーゼは、色素保護の点で有益である、アルカリ性又は中性セルラーゼである。当該セルラーゼの例は、欧州特許第0 495 257号、欧州特許第0 531 372号、国際公開第96/11262号、国際公開第96/29397号、国際公開第98/08940号に記載のセルラーゼである。他の例は、国際公開第94/07998号、欧州特許第0 531 315号、米国特許第5,457,046号、米国特許第5,686,593号、米国特許第5,763,254号、国際公開第95/24471号、国際公開第98/12307号及び国際公開第1999/001544号に記載のセルラーゼ変異体である。
市販のセルラーゼには、CELLUZYME(商標)、CELLCLAST(商標)、XAREZYME(商標)、ENDOLASE(商標)、RENOZYME(商標)(ノボザイム社)、CLAZINASE(商標)及びPURADAX HA(商標)、ACCELERASE(商標)1000(ジェネンコア・インターナショナル社)、及びKAC−500(B)(商標)(花王社)がある。
【0061】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ
好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼには、植物、細菌又は真菌由来のものがある。化学修飾又はタンパク質改変された変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例には、コプリナス(Coprinus)由来の、例えばC.シネレウス(C. cinereus)、及び国際公開第93/24618号、国際公開第95/10602号、及び国際公開第98/15257号に記載のその変異体由来のペルオキシダーゼがある。
市販のペルオキシダーゼには、Guardzyme(商標)及びNovozym(商標)51004(ノボザイム社)がある。
【0062】
ペクチン酸リアーゼ(ポリガラクツロ酸リアーゼとも呼ばれる)
ペクチン酸リアーゼの例には、異なる細菌種、例えばエルウィニア(Erwinia)、シュードモナス、クレブシエラ(Klebsiella)及びキサントモナス(Xanthomonas)、並びにバチルスYA−14(Kim et al., 1994, Biosci. Biotech. Biochem. 58: 947-949)からクローン化されたペクチン酸リアーゼがある。pH8〜10の範囲で最大活性を有する、バチルス・プミルス(Dave and Vaughn, 1971, J. Bacteriol. 108: 166-174)、B.ポリミキサ(B. polymyxa)(Nagel and Vaughn, 1961, Arch. Biochem. Biophys. 93: 344-352)、B.ステアロセーモフィルス(B. stearothermophilus)(Karbassi and Vaughn, 1980, Can. J. Microbiol. 26: 377-384)、バチルス種(Hasegawa and Nagel, 1966, J. Food Sci. 31: 838-845)及びバチルス種RK9(Kelly and Fogarty, 1978, Can. J. Microbiol. 24: 1164-1172)から産生されたペクチン酸リアーゼの精製も報告されている。任意の上記、及び二価のカチオン誘導性及び/又は熱安定性のペクチン酸リアーゼは、本発明の実施に使用してもよい。好ましい実施態様によれば、ペクチン酸リアーゼは、Heffron et al., 1995, Mol. Plant-Microbe Interact. 8: 331-334 及び Henrissat et al., 1995, Plant Physiol. 107: 963-976に開示のペクチン酸リアーゼのアミノ酸配列を含んでなる。具体的に考慮されるペクチン酸リアーゼは、国際公開第99/27083号及び国際公開第99/27084号に開示される。他の具体的に考慮される、バチルス・リケニフォルミスに由来するペクチン酸リアーゼは、米国特許第6,284,524号中の配列番号2(この書類は参照により本明細書に組み込まれる)で開示されている。具体的に考慮されるペクチン酸リアーゼの変異体は、国際公開第02/006442号に開示され、特に国際公開第02/006442号の実施例(この書類は参照により本明細書に組み込まれる)中に開示の変異体である。
市販のアルカリ性ペクチン酸リアーゼの例は、ノボザイム社(デンマーク)製のBIOPREP(商標)及びSCOURZYME(商標)Lである。
【0063】
マンナナーゼ
マンナナーゼ(EC 3.2.1.78)の例には、細菌及び真菌由来のマンナナーゼがある。具体的な実施態様によれば、マンナナーゼはアスペルギルス属の糸状真菌類、好ましくはアスペルギルス・ニゲル又はアスペルギルス・アクレアタス(aculeatus)(国際公開第94/25576号)由来のものである。国際公開第93/24622号は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)から単離されたマンナナーゼを開示している。マンナナーゼはまた、複数の細菌、例えばバチルス生物から単離される。例えば、Talbot et al., 1990, Appl. Environ. Microbiol. 56(11): 3505-3510は、バチルス・ステレオサーフィルス(stearothermophilus)由来のベータ−マンナナーゼを報告している。Mendoza et al., 1994, World J. Microbiol. Biotech. 10(5): 551-555はバチルス・サブチリス由来のベータ−マンナナーゼを報告している。特開2003−047076号公報では、バチルス種由来のベータ−マンナナーゼを開示している。特開昭63−056289号公報は、アルカリ性の熱安定なベータ−マンナナーゼの作製について報告している。特開昭63−036775号公報は、ベータ−マンナナーゼ及びベータ−マンノシダーゼを産生する、バチルス微生物FERM P−8856に関する。特開平08−051975号公報は好アルカリ性のバチルス種AM−001由来のアルカリベータ−マンナナーゼを開示している。バチルス・アミロリケファシエンス(amyloliquefaciens)からのマンナナーゼの精製は、国際公開第97/11164号に開示されている。国際公開第91/18974号は、ヘミセルラーゼ、例えばグルカナーゼ、キシラナーゼア又はマンナナーゼの活性について報告している。国際公開第99/64619号に開示の、バチルス・アガラドハエレンス(agaradhaerens)、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ハロデュランス(halodurans)、バチルス・クラウジイ、バチルス種及びフミコラ・インソレンス由来の、アルカリファミリー5及び26マンナナーゼが考慮される。特に、国際公開第99/64619号の実施例(この書類は参照により本明細書に組み込まれる)中に関するバチルス種マンナナーゼが考慮される。
市販のマンナナーゼの例には、ノボザイム社(デンマーク)から入手可能なMANNAWAY(商標)がある。
【0064】
原料と方法
バッファ及び試薬として使用される化学物質は、少なくとも試薬級(reagent grade)の製品であった。
プレートカウント培地(Plate Count Broth)(Difco 275120)
MacConkey寒天(Smith River Biologicals, Ferrum, VA カタログ番号11-00380)
Luria培地(Luria Broth (Difco 241420)
標準法寒天プレート(Standard Methods agar plates (SMA plates))(Smith River Biologicals, Ferrum, VA カタログ番号 11-00450)
【0065】
細菌株
バチルス混合物(6BB):
以下の寄託菌株からなる、6のバチルス種菌株の混合物:NRRL番号B−50014(30%)、B−50015(30%)、B−50016(10%)、B−50017(10%)、B−50018(10%)、B−50019(10%)。6BB混合物における菌株間の実際の比率は、括弧中に示す(x%)。
シュードモナス・エルギノーサ:
緑色蛍光タンパク質を発現するプラスミドを備える全ての実施例において使用されるシュードモナス・エルギノーサ菌株は、Nivens et al., 2001, J. Bacteriol. 183: 1047-1057の記載の通りに構造的に構築された。
シュードモナス・モンテリ(ATCC 700412)
シュードモナス・プチダ(ATCC 49451)
ビブリオ・ハルベイ(ATCC 25919)
ビブリオ・アルギノリティカス(ATCC 17749)
ビブリオ・フィシェリ(MJ−1):野生型菌株
【0066】
生物物質の寄託
生物物質は、ブダペスト条約の条項に従い、
米国培養細胞系統保存機関(ATCC)(10801 University Blvd., Manassas, VA 20108, USA.)及び
Microbial Genomics and Bioprocessing Research Unit (NRRL))(National Center for Agricultural Utilization Research 1815 N. University Street, Peoria, IL 61604, USA)
に寄託された。
【0067】
細菌株は以下の受託番号を与えられた。
【表1】

【0068】
菌株は、米国特許法施行規則第1.14項及び米国特許法第122項の下で、資格を有する特許局長により決定が成されるまで、本特許出願の係属中に培養物が利用可能であることを保証する条件の下で寄託された。寄託物は純粋培養物を表す。寄託物は、対象出願の対応出願又はその継続出願が提出される国において、外国法による要求にしたがって利用可能である。ただし、寄託物の利用可能性は、政府通知により付与された特許権を逸脱した、対象発明の実施許諾を構成しないことを理解すべきである。
【0069】
ATTCに寄託された細菌株は、単離された天然の細菌株由来である。全ての菌株は、2005年に米国で採取した。
【0070】
NRRLに寄託された細菌株のうち、2つは米国内の土壌から採取した(NRRL B−50017及びNRRL B−50018として寄託される)及び4つは培養細胞系統保存機関由来であった。我々の信じる限りでは、NRRL B−50014はATCC番号23842と同じであり、NRRL B−50015はATCC番号21415と同じであり、NRRL B−50016はNRRL B−4064と同じであり、NRRL B−50019=NRRL B3254である。
菌株は、休眠細菌胞子及び/又は生細菌からなるものでもよい。
【0071】
装置:
蛍光動力学的マイクロタイタープレートリーダー(Fluorescent kinetic microtiter plate reader)(BioTek Synergy HT-I)
ポリカーボネートホルダー(Polycarbonate holder)(Biosurfaces Technology, USA)
ポーセリンクーポン(Porcelain coupons) (Tyler Research Instruments Corp., Edmonton, Alberta, Canada)
広口試験管(Fisher カタログ番号NC9421998, Pittsburg, PA, USA)
【実施例1】
【0072】
バチルス混合物(6BB)−蛍光マイクロタイタープレート(FMP)存在下でのシュードモナスのプランクトン様増殖
96マイクロタイタープレートのウェルを200マイクロLのプレートカウント培地(Difco DF0751-17-2)で満たし、構造的に緑色蛍光タンパク質を発現するプラスミドを備えるシュードモナス・エルギノーサ菌株を植菌した。6のバチルス種の混合物(6BB)をウェルに添加した。シュードモナスの初回用量は、2.4×108 cfu/mLか4.8×108 cfu/mLのいずれかであり、一方バチルス種は6.8×108 cfu/mL〜1.0×107 cfu/mLであり、シュードモナス:バチルス比率は24:1及び70:1となった。マイクロタイタープレートは、21℃でのインキュベーション及び485/20 nm励起、580/20 nm発光で、20分毎に43時間の蛍光測定(fluorescent reads)の条件で、蛍光動力学的マイクロタイタープレートリーダー(BioTek Synergy HT-I)で追跡する。得られた蛍光動力学的曲線はバチルス用量依存的なgfp蛍光の抑制が観察された(すなわちシュードモナス群の抑制)(図1)。
【実施例2】
【0073】
バチルス混合物−試験管+クーポンバイオコントロール(Coupon Biocontrol) (TTCBC)の存在下でのバイオフィルム形成及びプランクトン様増殖の低減
3つのポーセリンクーポン(Tyler Research Instruments Corp., Edmonton, Alberta)を有するポリカーボネートホルダー(Biosurfaces Technology)を広口試験管(Fisher カタログ番号NC9421998)に挿入し、表示の指示書に従って作製した50 mLのプレートカウント培地(Difco DF0751-17-2)を添加しオートクレーブした。管にバチルス胞子の混合物を植菌し、穏やかに攪拌させながら28℃で一晩インキュベートし、発芽させた。バチルス胞子の初回用量は、2.6×102〜7.8×105 cfu/mLの範囲であった。
【0074】
翌日、gfp発現のあるシュードモナス・エルギノーサ菌株を70 cfu/mLの濃度で管に添加した結果、シュードモナス:バチルス初回植菌比率が1:3.5〜1:10,000の範囲となった。24及び48時間インキュベーション後、各クーポン(バイオフィルム細胞)を擦過することにより、リン酸緩衝化生理食塩水中に破壊的にサンプル採取し、懸濁物を均質化し、その後希釈し、MacConkey寒天 (Difco DF0075-17-1)にプレーティングし、シュードモナス細胞のみを数えた。その管(プランクトン様細胞)内の培地もサンプル採取し、希釈し、プレーティングした。バチルス種の存在下でのシュードモナス数を、バチルス種非存在下でのネガティブコントロールと比較し、バチルス種処理が、バイオフィルムにおけるシュードモナス群(図2)及びプランクトン様(図3)状態の低減に、顕著且つ大まかに依存をすることが明らかになった。
【実施例3】
【0075】
バチルス単離物−試験管+クーポンバイオコントロール(TTCBC)の存在下での、シュードモナスのバイオフィルム形成及びプランクトン様増殖の低減
3つのポーセリンクーポン(Tyler Research Instruments Corp., Edmonton, Alberta)を有するポリカーボネートホルダー(Biosurfaces Technology)を広口試験管(Fisher カタログ番号NC9421998)に挿入し、表示の指示書に従って作製した50 mLのプレートカウント培地(Difco DF0751-17-2)を添加しオートクレーブした。各管に、個々の対象バチルスの栄養細胞一晩培養物、及びgfpプラスミドを備えるシュードモナス・エルギノーサの一晩培養物を植菌した。管を、穏やかに攪拌させながら28℃で一晩インキュベートした。バチルス細胞の初回用量は、1×103〜8.2×105 cfu/mLの範囲であり、シュードモナスの初回用量はおよそ1×103〜1×105 であった。バチルスに対するシュードモナスの比率は1:2〜1:147の範囲であった。
【0076】
インキュベーションから24及び48時間の時点で、その管を、各クーポン(バイオフィルム細胞)を擦過することにより、リン酸緩衝化生理食塩水中に破壊的にサンプル採取し、懸濁物を均質化し、その後希釈し、MacConkey寒天 (Difco DF0075-17-1)にプレーティングし、シュードモナス細胞のみを数えた。その管(プランクトン様細胞)内の培地もサンプル採取し、希釈し、プレーティングした。バチルス種の存在下でのシュードモナス数を、バチルス種非存在下でのネガティブコントロールと比較し、24及び48時間の時点で、プランクトン様の接着細胞について、各対象バチルスに対するシュードモナスの対数的制御を計算した。
【0077】
【表2】

【実施例4】
【0078】
バチルス単離物−試験管+クーポンバイオコントロール(TTCBC)の存在下での、E.coliのバイオフィルム形成及びプランクトン様増殖の低減
3つのポーセリンクーポン(Tyler Research Instruments Corp., Edmonton, Alberta)を有するポリカーボネートホルダー(Biosurfaces Technology)を広口試験管(Fisher カタログ番号NC9421998)に挿入し、表示の指示書に従って作製した50 mLのプレートカウント培地(Difco DF0751-17-2)を添加しオートクレーブした。各管に、個々の対象バチルスの一晩培養物、及びE.coliの一晩培養物を植菌した。管を、穏やかに攪拌させながら28℃で一晩インキュベートした。バチルス細胞の初回用量は、1×103〜8.2×105 cfu/mLの範囲であり、E.coliの初回用量はおよそ1×103〜1×105 であった。バチルスに対するE.coliの比率は1:0.6〜1:32の範囲であった。
【0079】
インキュベーションから24及び48時間の時点で、その管を、各クーポン(バイオフィルム細胞)を擦過することにより、リン酸緩衝化生理食塩水中に破壊的にサンプル採取し、懸濁物を均質化し、その後希釈し、MacConkey寒天 (Difco DF0075-17-1)にプレーティングし、E.coli細胞のみを数えた。その管(プランクトン様細胞)内の培地もサンプル採取し、希釈し、プレーティングした。バチルス種の存在下でのE.coli数を、バチルス種非存在下でのネガティブコントロールと比較し、24及び48時間の時点で、プランクトン様の接着細胞について、各対象バチルスに対するE.coliの対数的制御を計算した。
【0080】
【表3】

【実施例5】
【0081】
ペトリ皿E.coli阻害域
対象バチルスを18〜24時間プレートカウント培地中で増殖させ、およそ107〜108 cfu/mL培養物にした。18〜24時間増殖させたE.coli(およそ108〜1010 cfu/mL)を標準法寒天プレート(SMAプレート)(Smith River Biologicals, Ferrum, VA)表面に菌叢を形成させるよう画線し、4つの5 mmの孔を滅菌ステンレス鋼管で寒天に対して穿孔した。50マイクロLの各バチルス培養液をその孔に移し(孔当たり1菌株)、プレートを18〜48時間、35℃で、寒天側を下にしてインキュベートした。孔に近接するインキュベートしたE.coli菌叢を、対象バチルスに対するポジティブコントロールとして点数化した。阻害域をミリメータ(mm)で測定し、コントロールの準定量的評価とした。1mmより大の識別可能な阻害をポジティブとして点数化した。
【0082】
【表4】

【実施例6】
【0083】
ペトリ皿シュードモナス・エルギノーサ阻害域
対象バチルスを18〜24時間プレートカウント培地中で増殖させ、およそ107〜108 cfu/mL培養物にした。18〜24時間増殖させたシュードモナス・エルギノーサ(およそ108〜1010 cfu/mL)を標準法寒天プレート(Smith River Biologicals, Ferrum, VA)表面に菌叢を形成させるよう画線し、4つの5 mmの孔を滅菌ステンレス鋼管で寒天に対して穿孔した。50マイクロLの各バチルス培養液をその孔に移し(孔当たり1菌株)、プレートを18〜48時間、35℃で、寒天側を下にしてインキュベートした。孔に近接するインキュベートしたシュードモナス・エルギノーサ菌叢を、対象バチルスに対するポジティブコントロールとして点数化した。阻害域をミリメータ(mm)で測定し、コントロールの準定量的評価とした。0.5mmより大の識別可能な阻害をポジティブとして点数化した。
【0084】
【表5】

【実施例7】
【0085】
ペトリ皿シュードモナス・モンテリ及びプチダ阻害域
対象バチルスNRRL B−50014を18〜24時間プレートカウント培地中で増殖させ、およそ107〜108 cfu/mL培養物にした。18〜24時間増殖させた(およそ108〜1010 cfu/mL)シュードモナス・モンテリ(ATCC 700412)及びPs.プチダ(ATCC 49451)を標準法寒天プレート(Smith River Biologicals, Ferrum, VA)表面に菌叢を形成させるよう画線し、4つの5 mmの孔を滅菌ステンレス鋼管で寒天に対して穿孔した。50マイクロLのバチルス培養液をその孔に移し(孔当たり1菌株)、プレートを18〜48時間、35℃で、寒天側を下にしてインキュベートした。阻害された孔に近接するインキュベートしたシュードモナス菌叢を、対象バチルスに対するポジティブバイオコントロールとして点数化した。阻害域をミリメータ(mm)で測定し、コントロールの準定量的評価とした。1 mmより大の識別可能な阻害をポジティブとして点数化した。
【0086】
【表6】

【実施例8】
【0087】
クオラムセンシング阻害
セラチア・ルビダエア(ATCC 27593)は、その色素沈着が無処置のクオラムセンシング経路に依存する細菌指標として使用した。クオラムセンシング化合物は、細菌を「情報交換」させ、表現型、例えば色素沈着、遊走性、病原性及びバイオフィルム形成に作用する。すなわちクオラムセンシング阻害はバイオフィルム制御の作用状態である。
対象バチルスを18〜24時間、35℃で、プレートカウント培地中で増殖させ、およそ107 cfu/mLの密度にした。バチルスで標準法寒天プレート(SMAプレート)(Smith River Biologicals, Ferrum, VA)に染みをつけ(10マイクロL)、18〜24時間、26℃でインキュベートし、当該時間後に、コロニーが可視化した。セラチア培養物(5マイクロL)(Luria培地、18〜24時間、26℃で、およそ107 cfu/mL)を、5 mLの0.5%溶融LB寒天(Luria培地、30.5 g/L 及び 0.5%不活性寒天(noble agar)に添加し、よく混合し、成熟対象バチルスコロニーを有するプレート上に注いだ。寒天準備の後、プレートを18〜24時間、26℃でインキュベートした。阻害された色素沈着域は、それ自体が阻害されたセラチア増殖ではないが、QSIに対するポジティブとして点数化し、準定量的結果のためにその全直径にわたって測定した。
【0088】
【表7】

【実施例9】
【0089】
CDCバイオフィルムリアクター中での対象バチルス存在下での、シュードモナスのバイオフィルム及びプランクトン様細胞増殖の制御
ポーセリンクーポン(Tyler Research Instruments Corp., Edmonton, Alberta)を有するCDCバイオフィルムリアクター(Biosurfaces Technologies, Bozeman, MT, カタログ番号CBR90-2)に400 mLのプレートカウント培地を満たし、オートクレーブした。PTA−7546胞子を2つのリアクターの冷却した媒体に添加し、シュードモナス傷害の前に、攪拌棒を60rpmに設定し、室温で24時間の色素沈着時間インキュベーションした(リアクター中の初回用量=4.5x105 cfu/mL)。2つの追加のリアクターをバチルス植菌なしのコントロールとして処理した。シュードモナス・エルギノーサをプレートカウント培地中で一晩増殖させ、その後20マイクロLの1:100希釈シュードモナス培養物を全4つのリアクターに添加し、得られた共培養比率は1シュードモナス:127バチルスであった。24時間の増殖後、媒体再投与を、速度3mL/分で、希釈プレートカウント培地(1 g/L濃度)で開始した。攪拌を60rpmに設定した。
1日後(共培養開始から2日後)、液サンプルを各リアクターから採取し、希釈し、Maconkey agar上にプレートし、およそ18時間35℃でインキュベートし、グラム陰性(=シュードモナス=不所望生物)カウントを得る。同様に、couponを滅菌木製塗布棒で擦過し、擦過物を滅菌リン酸化バッファに懸濁させ、均一化し、希釈し、MacConkey寒天上にプレーティングし、これを18時間35℃でインキュベートする。処理対未処理のリアクター中で、シュードモナスカウントの比較により、「バチルスリアクター中の対数的制御」の計算ができる。
【0090】
【表8】

【実施例10】
【0091】
バチルス胞子再投与を伴うCDCバイオフィルムリアクター中での対象バチルス存在下での、シュードモナスのバイオフィルム及びプランクトン様細胞増殖の制御
ポーセリンクーポン(Tyler Research Instruments Corp., Edmonton, Alberta)を有するCDCバイオフィルムリアクター(Biosurfaces Technologies, Bozeman, MT, カタログ番号CBR90-2)に400 mLのプレートカウント培地(完全強度)を満たし、オートクレーブした。PTA−7546(試行1)及びNRRL B−50017(試行2)の胞子を2つのリアクターの冷却した媒体に添加し、シュードモナス傷害の前に、攪拌棒を60rpmに設定し、室温で24時間の色素沈着時間インキュベーションした(リアクター中の初回バチルス用量=試行1で1.3x105 cfu/ml、試行2で1012 cfu/ml)。2つの追加のリアクターをバチルス植菌なしのコントロールとして処理した。シュードモナス・エルギノーサをプレートカウント培地中で一晩増殖させ、その後20マイクロLの1:100希釈シュードモナス培養物を全4つのリアクターに添加し(試行1が127 cfu/ml、試行2が1x105 cfu/ml)、得られた共培養比率は、試行1が1シュードモナス:104バチルス、試行2が1:0.1であった。24時間の増殖後、媒体再投与を、速度90 mL/15分で1時間に15分間、希釈プレートカウント培地(1 g/L濃度)で開始した。処理したリアクターについて、バチルス胞子を、2.7時間で1.5 mLの速さで投与し、終濃度が、試行1が1.1x108 cfu バチルス胞子/日、試行2が1.8x107 cfu バチルス胞子/日であった。攪拌は60rpmに設定した。
1日後(共培養開始から2日後)、液サンプルを各リアクターから採取し、希釈し、Maconkey agar上にプレートし、およそ18時間35℃でインキュベートし、グラム陰性(=不所望生物)カウントを得る。同様に、couponを滅菌木製塗布棒で擦過し、擦過物を滅菌リン酸化バッファに懸濁させ、均一化し、希釈し、MacConkey寒天上にプレーティングし、これを18時間35℃でインキュベートする。処理対未処理のリアクター中で、シュードモナスカウントの比較により、「バチルスリアクター中の対数的制御」の計算ができる。
【0092】
【表9】

【実施例11】
【0093】
ペトリ皿ビブリオ・ハルベイ阻害域
対象バチルスを栄養培地(3 g/Lビーフ抽出物、5 g/Lペプトン)中、35℃で18〜24時間増殖させた。V.ハルベイATCC 25919を1.5%NaCl添加の栄養培地中、28℃で18〜24時間で増殖させた。1.5%NaCl添加の栄養寒天(1.5% 寒天)を25 mL分割量でオートクレーブした。250マイクロLのビブリオ一晩培養物を、溶融寒天の各分割量に添加し、寒天中およそ1×106 cfu/mLビブリオとなった。寒天を固化させた後、4つの孔を、滅菌ステンレス鋼管を用いて各プレートに穿孔した。50マイクロLの各バチルス一晩培養液を各ウェルに移した。プレートを28℃で18〜24時間、寒天側を下にしてインキュベートした。阻害ビブリオ菌叢域を測定した。0.5 mmより大の識別可能な阻害をポジティブとして点数化した。
【0094】
【表10】

【実施例12】
【0095】
ペトリ皿ビブリオ・アルギノリティカス阻害域
対象バチルスを栄養培地(3 g/Lビーフ抽出物、5 g/Lペプトン)中、35℃で18〜24時間増殖させた。V. アルギノリティカスATCC 17749を1.5%NaCl添加の栄養培地中、28℃で18〜24時間で増殖させた。1.5%NaCl添加の栄養寒天(1.5% 寒天)を25 mL分割量でオートクレーブした。250マイクロLのビブリオ一晩培養物を、溶融寒天の各分割量に添加し、寒天中およそ1×106 cfu/mLビブリオとなった。寒天を固化させた後、4つの孔を、滅菌ステンレス鋼管を用いて各プレートに穿孔した。50マイクロLの各バチルス一晩培養液を各ウェルに移した。プレートを28℃で18〜24時間、寒天側を下にしてインキュベートした。阻害ビブリオ菌叢域を測定した。0.5 mmより大の識別可能な阻害をポジティブとして点数化した。
【0096】
【表11】

【実施例13】
【0097】
ペトリ皿ビブリオ・フィシェリ阻害域
対象バチルスを栄養培地(3 g/Lビーフ抽出物、5 g/Lペプトン)中、35℃で18〜24時間増殖させた。V. フィシェリを1.5%NaCl添加の栄養培地中、28℃で18〜24時間で増殖させた。1.5%NaCl添加の栄養寒天(1.5% 寒天)を25 mL分割量でオートクレーブした。250マイクロLのビブリオ一晩培養物を、溶融寒天の各分割量に添加し、寒天中およそ1×106 cfu/mLビブリオとなった。寒天を固化させた後、4つの孔を、滅菌ステンレス鋼管を用いて各プレートに穿孔した。50マイクロLの各バチルス一晩培養液を各ウェルに移した。プレートを28℃で18〜24時間、寒天側を下にしてインキュベートした。阻害ビブリオ菌叢域を測定した。0.5 mmより大の識別可能な阻害をポジティブとして点数化した。
【0098】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上のバイオフィルム形成の防止及び/又は低減のための方法であって、当該表面を以下の、
受託番号NRRL B−50014を有する菌株、
受託番号NRRL B−50015を有する菌株、
受託番号NRRL B−50016を有する菌株、
受託番号NRRL B−50017を有する菌株、
受託番号NRRL B−50018を有する菌株、
受託番号PTA−7541を有する菌株、
受託番号PTA−7542を有する菌株、
受託番号PTA−7543を有する菌株、
受託番号PTA−7544を有する菌株、
受託番号PTA−7545を有する菌株、
受託番号PTA−7546を有する菌株、
受託番号PTA−7547を有する菌株、
受託番号PTA−7549を有する菌株、
受託番号PTA−7790を有する菌株、
受託番号PTA−7791を有する菌株、
受託番号PTA−7792を有する菌株、
受託番号PTA−7793を有する菌株、又は2以上の当該菌株の混合物、
からなる群から選択される1又は複数の細菌株に晒すことを含んでなる方法。
【請求項2】
前記(1又は複数の)菌株が、寄託菌株の1つ、又は2以上のその混合物と実質的に同一の特性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面が、硬表面、好ましくは、金属、可塑物、ゴム、板、ガラス、木材、紙、コンクリート、岩、大理石、石膏、及びセラミック物質、例えばポーセレンからなる群から選択される1又は複数の物質からなる硬表面であるか、又は軟表面、好ましくは、繊維、例えば毛糸、織物、植物繊維、岩綿、髪、皮膚、角質物質、及び内臓組織、例えば肺からなる群から選択される1又は複数の物質からなる軟表面であるか、又は多孔質表面である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記硬表面が、便器、トイレ用貯水容器、冷却塔、水処理施設、貯水槽、乳製品食品加工施設、化学もしくは医薬製造施設、又は医療機器である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記バイオフィルム形成が、1又は複数の不所望微生物、好ましくは細菌、例えば病原性細菌により引き起こされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記不所望微生物、好ましくは細菌が、問題の物質の腐食、孔食、分解、感染、汚染又はその他の表面を審美的に不快な外観にする原因となる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が周期的に反復される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記表面を、酵素に、好ましくはプロテアーゼ、アルファ−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ、又はその混合物からなる群から選択される酵素に晒すことをさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記表面を、分散剤、界面活性剤、抗微生物剤、及び殺生物剤からなる群から選択される1又は複数に晒すことをさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
微生物のプランクトン様増殖の防止及び/又は低減のための方法であって、当該(1又は複数の)微生物を水溶液中で、以下の、
受託番号NRRL B−50014を有する菌株、
受託番号NRRL B−50015を有する菌株、
受託番号NRRL B−50016を有する菌株、
受託番号NRRL B−50017を有する菌株、
受託番号NRRL B−50018を有する菌株、
受託番号PTA−7541を有する菌株、
受託番号PTA−7542を有する菌株、
受託番号PTA−7543を有する菌株、
受託番号PTA−7544を有する菌株、
受託番号PTA−7545を有する菌株、
受託番号PTA−7546を有する菌株、
受託番号PTA−7547を有する菌株、
受託番号PTA−7549を有する菌株、
受託番号PTA−7790を有する菌株、
受託番号PTA−7791を有する菌株、
受託番号PTA−7792を有する菌株、
受託番号PTA−7793を有する菌株、又は2以上の当該菌株の混合物、
からなる群から選択される1又は複数の細菌株に晒すことを含んでなる方法。
【請求項11】
前記菌株が、寄託菌株の1つ、又は2以上のその混合物と実質的に同一の特性を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プランクトン様増殖が、1又は複数の不所望微生物、好ましくは細菌、例えば病原性細菌により引き起こされる、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が周期的に反復される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
酵素、分散剤、界面活性剤、抗微生物剤、及び殺生物剤からなる群から選択される1又は複数の剤がさらに存在する、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記細菌性細胞数が、1〜1×108 cfu/mL、好ましくは50〜1×107 cfu/mLである、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の1又は複数の培養物を含んでなる組成物。
【請求項17】
界面活性剤をさらに含んでなる、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
1又は複数の酵素をさらに含んでなる、請求項16又は17に記載の組成物。
【請求項19】
酵素が、プロテアーゼ、アルファ−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ、又はその混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
分散剤、安定化剤、抗微生物剤、香料、色素、及び殺生物剤からなる群から選択される1又は複数の成分をさらに含んでなる、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−522205(P2010−522205A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554741(P2009−554741)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/057670
【国際公開番号】WO2008/118749
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(507121116)ノボザイムス バイオロジカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】