説明

バター水分制御方法、又はチャーニングシリンダー回転数制御方法及びその装置

【課 題】 個人差無く一定品質のバターを連続的に製造することができる、バター水分制御方法、又は連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法及びその装置の提供。
【解決手段】 連続式バター製造におけるチャーニングシリンダー回転数を制御する方法であって、クリーム成分である全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中のクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の夫々の数値と、目標とするバター水分値を入力値として、ニューラルネットワークを用いて、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数を出力値として得て、チャーニングシリンダー回転数を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続式バター製造におけるバター水分制御方法、又は連続式バター製造機におけるチャーニングシリンダー回転数制御方法及び該方法に使用する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バター製造の主な工程は、生乳からのクリームの分離、殺菌、冷却、エージング(熟成)、チャーニング、バターミルク排出、水洗い、ワーキングからなる。全固形分、水分、乳脂肪分などのクリームの成分組成、クリームの冷却工程やエージング工程における乳脂肪分の結晶化制御、バター製造時のクリーム温度、クリーム供給量、チャーニングシリンダー回転数などの連続式バター製造機の操作条件は、相互に複雑に関係し合って、バターの水分値、硬さ、色、組織の緻密性、水滴分散度などの物性及び結果としての美味しさなどの製品品質に大きく影響することが知られている。
しかし、これらの因子の関係は、一定の関係式で表せるものではなく、その関係は非線形で、互いに関係し合っている複雑なものである。そこで、従来は完成品の品質を測定し、その状況に応じて、品質に影響する上記諸因子を、製造者の経験に基づいて変更し、再度品質を確認するという、いわゆるフィードバック方式での操業管理が行われていた。
この方式により目標とする高品質のバターを得ようとすると、製造者個人の経験と試行錯誤によるために精度が悪く、目標値に到達するまでにかなりの時間を要し、市場の需要に応じて毎日の生産量を増減させる現状の製造現場において、生産コストを下げる場合などに大きな問題点となっていた。
【0003】
上述するようなフィードバック方式ではなく、フィードフォワード方式で連続式バター製造の管理ができることが、生産効率上、極めて望ましいことではあるが、連続式バター製造においては、そのような方法は未だ知られていない。
しかし、従来、連続式バター製造の方法ではないが、一般的に一定の関係式で表せない、互いに非線形に関係する多くの因子を用いて目標とする値を得る手段として、ニューラルネットワークを用いることは、下記特許文献にあるように公知である。
【0004】
【特許文献1】特許第2902801号公報
【特許文献2】特開2004-105047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ニューラルネットワークは、その関係が一定の式で表わせない多数の因子を扱うことができ、一般的には、因子を多数取り、多数の階層の中間層を設ければ、精度良く目標とする出力値を得ることができると考えられている。しかし、因子数や中間層の数を増やすことは、計算の必要量を増大させ、計算結果を得るまでに長時間を要し、計算手段に膨大な費用が必要になり、実際の製造工程の制御手段として用いることは容易ではない。
このような状況を鑑み、本発明は、実際の連続式バター製造の工程で使用することができる、ニューラルネットワークを用いた、連続式バター製造における制御方法及び制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、実際の製造工程で制御に使用し得るニューラルネットワークにおいて、どのような因子を入力値とし、どのような因子を出力値とすれば、時間及びコスト的に実用に足るものが得られるかについて研究を重ねた。その結果、バターの品質項目としてバター水分を選び、バター水分を直接管理する因子として、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数又はせん断速度をニューラルネットワークの出力値とし、バター水分値と、クリーム成分のうち、全固形分、水分、乳脂肪分のいずれか1つの数値と、そして、クリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量のそれぞれを入力値とすることにより、実用可能なニューラルネットワークを構築できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本件の第1の発明(請求項1の発明)は、連続式バター製造におけるバター水分を制御する方法であって、クリーム成分のうち、全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中でのクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の夫々の数値に基づいて、ニューラルネットワークを用いて、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数、又はせん断速度を予測することにより、バター水分値を安定化することを特徴とするバター水分制御方法である。
【0008】
本件の第2の発明(請求項2の発明)は、連続式バター製造機におけるチャーニングシリンダー回転数を制御する方法であって、クリーム成分のうち、全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中でのクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の夫々の数値と、目標とするバター水分値を入力値として、ニューラルネットワークを用いて、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数を出力値として得て、チャーニングシリンダー回転数を設定することを特徴とする連続式バター製造における連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法である。
【0009】
本件の第3の発明(請求項3の発明)は、ニューラルネットワークが入力層と中間層と出力層からなり、中間層のユニット数が1であることを特徴とする請求項2記載の連続式バター製造における連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法である。
本件の第4の発明(請求項4の発明)は、ニューラルネットワークが入力層と中間層と出力層からなり、中間層のユニット数が4であることを特徴とする請求項2記載の連続式バター製造における連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法である。
【0010】
本件の第5の発明(請求項5の発明)は、バター水分値を検出するセンサーと、前記センサーからの入力値、クリーム成分である全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中でのクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の学習用データに基づいて、ニューラルネットワークを形成し、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数、又はせん断速度を予測するニューロユニットから構成されることを特徴とするバター水分制御装置である。
本件の第6の発明(請求項6の発明)は、クリームの水分又は乳脂肪分の計量手段と、クリーム冷却器に設けたクリーム温度検出センサーと、クリーム熟成時間の計測タイマーと、熟成終了後のクリーム温度検出センサーと、ワーキング後のバター水分値の計量手段と、過去のデータを用いて作成されたニューラルネットワークモデルを収納した記憶装置と、ニューロユニットを組み込んだ計算装置と、チャーニングシリンダー制御部を備え、これら計量手段及び検出センサーから得られる値を計算装置のニューロユニットに入力し、これら入力値と記憶装置のニューラルネットワークモデルとから得られる計算装置による計算結果を、チャーニングシリンダー制御部の入力値としてチャーニングシリンダー回転数を制御することを特徴とするチャーニングシリンダー回転数制御装置である。
【0011】
本件の第7の発明(請求項7の発明)は、ニューロユニットが、入力層と、ユニット数が1の中間層と、出力層から成ることを特徴とする請求項6記載のチャーニングシリンダー回転数制御装置である。
本件の第8の発明(請求項8の発明)は、ニューロユニットが、入力層と、ユニット数が4の中間層と、出力層から成ることを特徴とする請求項6記載のチャーニングシリンダー回転数制御装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クリームの成分値と連続式バター製造の工程条件の値とから、連続式バター製造において目標とするバター水分値を得ることができる最適なチャーニングシリンダー回転数又はせん断速度を求めることができるようになり、連続式バター製造の自動化を促し、迅速で、個人差をなくした連続式バター製造が可能となる。さらに、バター水分値をはじめとするバター品質の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
連続式バター製造機における連続式バター製造は、先ず原料乳からクリームと脱脂乳を分離し、その後、クリームを殺菌・冷却し、貯乳タンクにて乳脂肪の結晶化を調整するエージング(熟成)を行う。エージング後、クリームを連続式バター製造機に送液し、連続式バター製造機内のチャーニング部でチャーニングシリンダーを高速回転させることにより、クリームを水中油型から油中水型に転相させ、バター粒子を形成させる。その後、バターミルク排出、水洗を行い、必要に応じ加塩又は加水を行いワーキング工程にて練圧することによりバターの組織を均一にする。バター水分値はワーキング工程以降に測定する。
【0014】
バターの品質は、一般に風味、展延性や硬さ、保存性などから判断される。
風味は、原料乳、及び原料乳から製造されたクリームの組成により大きく影響されるが、その後の製造工程における、脂肪球の大きさや分布、酸度や水分含量にも影響される。展延性や硬さも同様である。脂肪球の大きさや分布は、チャーニングとワーキングによって大きく変動する。またチャーニングとワーキングの条件によりバター水分値も変動する。
【0015】
これら諸条件のうち、バター水分値は、風味、口どけ、硬さなどに影響を及ぼすだけでなく、製造における歩留まり、つまりコストにも影響し、しかも乳等省令により17%以下に確実に制御しなければならない重要な因子である。
本発明者らは、これら多くの非線形に関係する因子について、検討を重ねた結果、クリームと連続式バター製造機が与えられた場合、最終製品である所望のバター水分値と、その水分値が得られるようにチャーニングシリンダーの運転条件を制御することにより、安定したバターの連続製造ができることを見いだした。
【0016】
連続式バター製造において、ニューラルネットワークを用いる場合、バターの品質に影響を及ぼす全ての因子の数値をニューラルネットワークの入力値とすれば良い精度が得られるのではなく、最適な因子を選んだ場合に予測値と実測値との間に最も良好な関係が得られることが分かった。また、入力因子を過度に増やした場合、逆に精度が低下することも分かった。
また、ニューラルネットワークが非線形の関係にある多因子の数値を入力して、一つの値を出力して得ることは良く知られているとはいえ、実際には、出力層と入力層とを関係させる中間層を何層とするかにより、計算量が大きくなる。
【0017】
さらに、中間層を多数設けてもニューラルネットワークの精度は高くなるが、或る中間層数以上ではその精度が漸近してくる。そのため、ニューラルネットワークによる制御のための演算時間を可能な限り短縮化するためには、必要十分な精度が得られる中間層数で十分である。
これらの制約条件下で実製造に使用することができる、ニューラルネットワークに入力する因子と、ニューラルネットワークの中間層のユニット数について検討を進めた。
【0018】
その結果、中間層のユニット数を1とした場合でも、入力層に入力する因子として、クリーム成分(X)と、工程中でのクリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)を採用すれば良いことを見いだし、本発明を完成した。
クリーム成分(X)としては、全固形分、水分、乳脂肪分があるが、これらの中の一つを実際の入力値として使用すれば良いことが分かった。
【0019】
ここで、図1は、本発明で使用されるニューラルネットワークの構造図である。
ニューラルネットワークは、実験又は実際の製造から、所望のバター水分値と、クリーム成分(X)と、製造条件であるクリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)、及びチャーニングシリンダー回転数(R)の数値セットからなる学習用データを準備し、クリーム成分(X)、クリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)の数値をニューラルネットワークの入力層に入力し、出力値であるチャーニングシリンダー回転数(R)が得られるように、中間層の結合の重みを繰り返し調整する。
【0020】
上記調整が終わったら、別に用意した、上記と同様のデータセットで、評価する。評価が適正であれば、実際の生産に適用することになる。所望のバター水分値が変更された場合、製造装置が変更された場合、特に連続式バター製造機の種類や能力が変更された場合は、再度学習用データと評価用データを取り直して、ニューラルネットワークを再構築することになる。
図2は、本発明を実施する手順を示したものである。
【実施例1】
【0021】
実際に連続式バター製造機でバターを製造している工場で、約1ヶ月間、クリーム成分として乳脂肪分(X)、クリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)、チャーニングシリンダー回転数(R)、及びその時製造されたバターの水分値(W)についてデータを集積した。これらのデータのうち、バター水分値が15.4〜15.6%の間にあったクリーム成分(X)、クリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)及びチャーニングシリンダー回転数(R)のデータセットを60組用意した。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
表1は、60組のデータセットのうち、ニューラルネットワークのモデルを形成するための30組の学習用データセットであり、表2は、形成したニューラルネットワークを評価するための残り30組の評価用データセットである。
これらのデータは、ニューラルネットワークへの入力用に、0と1の間の数値になるように最小値と最大値の間で比例変換し、標準化したものである。
実施例では、入力層1、中間層1、出力層1の3階層型のニューラルネットワークをモデリングに使用した。ニューラルネットワークの形成には、典型的なアルゴリズムの一つであるバックプロパゲーション(逆誤差伝搬)アルゴリズムを採用した。また、このニューラルネットワークは最急降下法によりネットワークの結合荷重を調節するデルタ則に基づいている。
また、中間層のユニット数は4とした。
ユニット数を変えることにより、ニューラルネットワークによる予測値と実測値の間の相関(精度)が変化するが、本発明の場合は、中間層のユニット数を4とすることで、実用的な精度と計算時間が得られるものとなった。
【0025】
図に示された構成のニューラルネットワークに対し、表1の30個の学習用データセットを入力し、中間層の結合強度を変えてRMS誤差を計算し、これを繰り返すことでRMS誤差が最も小さくなる結合強度を決定して、ニューラルネットワークモデルを形成した。得られたモデルによる出力値(チャーニングシリンダー回転数)と、モデル形成に使用したチャーニングシリンダー回転数の、RMS誤差と相関係数は表3に示したとおりである。
【0026】
【表3】

【0027】
RMS誤差とは、残差平均平方誤差の略であり、回帰分析においてRMS誤差が小さいほど予測値と実測値の差が小さく、ニューラルネットワークによるモデルの精度が良いことを示している。また、相関係数は使用者などが直感的にモデルの精度を理解するために算出した。
【0028】
ついで、上記で形成したモデルに、表2の評価用データのクリーム成分(X)、クリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)を入力し、チャーニングシリンダー回転数(R)を出力値として得た。
その結果を、図3に示した。評価用データに対する予測値と実測値の相関係数は0.970、予測値と実測値の回転数差は最大で40rpmであり、精度良くチャーニングシリンダー回転数を予測することができた。
また、表4に、評価用データのチャーニングシリンダー回転数と、ニューラルネットワークモデルで計算した回転数のRMS誤差と相関係数を示した。
【0029】
【表4】

【実施例2】
【0030】
図4は、チャーンニングシリンダー回転数を制御するためのブロック図である。クリーム成分(X)である水分、乳脂肪分、全固形分は、近赤外線、赤外線、マイクロ波などを利用した分析機器による方法や、直接乾燥法、バブコック法、レーゼゴットリーブ法などの主に重量変化により水分、乳脂肪分を測定する方法などにより分析され、場合によっては、手動により、入力装置に入力する。また、近赤外線などを応用した分析機器によりこれらを連続的に測定する場合、クリーム成分(X)は自動的に入力装置に入力される。
【0031】
クリーム冷却温度(T1)、製造時クリーム温度(T2)は熱電対、測温抵抗体などの温度センサーで、クリーム熟成時間(t)はタイマー、クリーム供給量(F)は超音波流量計、質量流量計、電磁流量計などで連続計測される。これらの計測値は自動的に送信され、入力装置に入力される。
連続式バター製造機のワーキング部には、マイクロ波、赤外線、近赤外線などを応用した市販の水分計が設置され、測定データは逐次インターフェースを通じてニューロユニットに送られる。
記憶装置に蓄積された過去のデータを用いて作成したニューラルネットワークモデルを用い、その時のバター水分値、クリーム成分(X)、クリーム冷却温度(T1)、クリーム熟成時間(t)、製造時クリーム温度(T2)、クリーム供給量(F)のデータセットから目標水分値に合致した最適チャーニングシリンダー回転数を計算する。この予測値は制御ユニットに送信され、モータ駆動部でチャーニングシリンダー回転数を制御する。このように、連続式バター製造は本発明を用いることにより、熟練者、非熟練者に関係なく、迅速にしかも安定して自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ニューラルネットワークの構造図
【図2】ニューラルネットワークの構成手順の説明
【図3】評価用データを用いたチャーニングシリンダー回転数の予測値と実測値の関係を示すグラフ
【図4】チャーニングシリンダー回転数を制御するためのブロック図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続式バター製造におけるバター水分を制御する方法であって、クリーム成分のうち、全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中でのクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の夫々の数値に基づいて、ニューラルネットワークを用いて、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数、又はせん断速度を予測することにより、バター水分値を安定化することを特徴とするバター水分制御方法。
【請求項2】
連続式バター製造機におけるチャーニングシリンダー回転数を制御する方法であって、クリーム成分のうち、全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中でのクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の夫々の数値と、目標とするバター水分値を入力値として、ニューラルネットワークを用いて、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数を出力値として得て、チャーニングシリンダー回転数を設定することを特徴とする連続式バター製造における連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法。
【請求項3】
ニューラルネットワークが入力層と中間層と出力層からなり、中間層のユニット数が1であることを特徴とする請求項2記載の連続式バター製造における連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法。
【請求項4】
ニューラルネットワークが入力層と中間層と出力層からなり、中間層のユニット数が4であることを特徴とする請求項2記載の連続式バター製造における連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数制御方法。
【請求項5】
バター水分値を検出するセンサーと、前記センサーからの入力値、クリーム成分である全固形分、水分、乳脂肪分の少なくともいずれか1つの数値と、工程中でのクリーム冷却温度、クリーム熟成時間、製造時クリーム温度、クリーム供給量の学習用データに基づいて、ニューラルネットワークを形成し、連続式バター製造機のチャーニングシリンダー回転数、又はせん断速度を予測するニューロユニットから構成されることを特徴とするバター水分制御装置。
【請求項6】
クリームの水分又は乳脂肪分の計量手段と、クリーム冷却器に設けたクリーム温度検出センサーと、クリーム熟成時間の計測タイマーと、熟成終了後のクリーム温度検出センサーと、ワーキング後のバター水分値の計量手段と、過去のデータを用いて作成されたニューラルネットワークモデルを収納した記憶装置と、ニューロユニットを組み込んだ計算装置と、チャーニングシリンダー制御部を備え、これら計量手段及び検出センサーから得られる値を計算装置のニューロユニットに入力し、これら入力値と記憶装置のニューラルネットワークモデルとから得られる計算装置による計算結果を、チャーニングシリンダー制御部の入力値としてチャーニングシリンダー回転数を制御することを特徴とするチャーニングシリンダー回転数制御装置。
【請求項7】
ニューロユニットが、入力層と、ユニット数が1の中間層と、出力層から成ることを特徴とする請求項6記載のチャーニングシリンダー回転数制御装置。
【請求項8】
ニューロユニットが、入力層と、ユニット数が4の中間層と、出力層から成ることを特徴とする請求項6記載のチャーニングシリンダー回転数制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−262850(P2006−262850A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89096(P2005−89096)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000006699)雪印乳業株式会社 (155)
【Fターム(参考)】