説明

バックアップ画像ファイル一括消去機能付きデジタルカメラ

【課題】 複数記録媒体を挿入可能なデジタルカメラにおいて、撮影した画像ファイルをメインの記録媒体とバックアップ用の記録媒体に保存した場合、画像ファイルが安全に保存されていることを確認した後、バックアップ用の記録媒体内の不要な画像ファイルのみを選別しながら消去する行為は、ユーザにとって煩雑である。特に、複数の記録媒体のバックアップを1つの記録媒体で行う場合やバックアップ目的でない画像が同じ記録媒体に存在する場合は、煩雑となる。
【解決手段】 バックアップを行う撮影において、バックアップ画像をグループとして管理できるよう保存した後、ユーザにバックアップ用の画像をグループごとに表示し、グループ単位で一括削除させることで、デジタルカメラのユーザ操作性を向上する。また、グループと共にグループの特徴(サイズ、日付、メインの記録媒体のバックアップの有無)を表示することでユーザの画像の選別作業を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関し、特に、バックアップの目的で撮影した画像ファイルを簡単な操作で削除する場合の操作性の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影した画像情報を電子的に処理しメモリカードなどの記録媒体に画像ファイルとして保存することが可能なデジタルカメラが普及してきている。このようなデジタルカメラでは、画像を記録していた記録媒体が壊れてしまった場合、それまで撮影して記録した画像を復旧することができないというリスクがある。記録媒体はフラッシュメモリの高集積化、メモリカードサイズの磁気ディスク装置の開発などの技術発展により大容量化しており、1つの記録媒体で大量の画像を保持できるため、メモリカードが壊れてしまった場合のリスクも大きくなっていく傾向にある。そこで、1つのメモリカードだけでなく複数のメモリカードに1つの画像を記録すること(バックアップ)が可能なように、記録媒体を複数挿入できるデジタルカメラも考案されている。
【0003】
複数のスロットを持つデジタルカメラにおいて、1つの画像を複数の記録媒体に記録した場合、目的の画像が安全に記録されていることをユーザが確認したあとは、バックアップ目的で記録された画像は不要になる。しかし、記録媒体に、バックアップの目的で記録された画像だけでなく、必要な画像も記録されていた場合、従来のデジタルカメラでは、記録媒体内の画像に対してバックアップ目的で記録された画像とそうでない画像とを区別するには、ユーザが実際に画像を確認して行う必要があった。
【0004】
関連のある複数の画像ファイルの削除の操作を容易にする従来技術として、連続撮影、ブラケット撮影(段階露出撮影)、パノラマ撮影等で撮影された画像ファイルの1つを目視して削除する際に、関連のある画像ファイルと共に削除を行う操作を施したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−44601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、記録媒体の大容量化の傾向が顕著である。この傾向が進むにつれ、1つの記録媒体に記録される画像の個数が膨大になり、画像を逐一確認してバックアップ目的の画像を消去するのは、ユーザにとって煩雑な作業である。しかし、特許文献1に記載の電子カメラ装置においても、デジタルカメラに表示された画像をユーザが識別して削除を行わなければならないので、膨大な画像をチェックする必要があり問題である。
【0006】
また、ユーザはデジタルカメラで利用できる記録媒体で記録された画像の安全性を確保するために、より安全性の高いパソコンなどに付属した大容量の記録媒体に保存する場合、記録媒体の中の画像を一括して保存することが多い。従って、バックアップで利用されたメモリカードから画像を削除する場合に、特定の記録媒体のバックアップ画像ファイルが不必要となり、特定の記録媒体に対するバックアップ画像ファイル画像のみをメモリカードから削除することが望まれる。
【0007】
本発明では、上記の諸事情に鑑み、バックアップの目的で記録された画像を、簡単な操作で削除できることで、ユーザのデジタルカメラに対する利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明は以下のように構成する。
【0009】
[1]第1には、記録媒体を格納する少なくとも2つのカードスロットと、前記カードスロットに挿入された記録媒体とデータの入出力を行う少なくとも2つのカード入出力部と、前記記録媒体のうち主に利用する少なくとも1つの第1の記録媒体とバックアップとして利用する少なくとも1つの第2の記録媒体を選択させる記録媒体選択手段と、撮影レンズにより投影された被写体像を撮像素子により電気信号に変換し、映像信号として画像を出力し、撮影された画像を少なくとも2つの記録媒体に画像ファイルとして保存する撮影手段と、前記第2の記録媒体に撮影した前記画像ファイルを保存する際に、グループに分類する画像分類手段と、少なくとも1つの前記グループを表示する表示手段と、前記グループのうち少なくとも1つを指定させる指定手段とを具備し、前記指定手段によって指定された前記グループと前記グループに所属するすべての画像ファイルを、記録媒体から削除する削除手段を有することを特徴とする。
【0010】
本発明においては、バックアップの目的で記録された画像を自動的にグループとして判別できるように記録媒体に記録し、そのグループを表示し、ユーザの指示によってグループ内の画像を消去する所定の処理を施す。
【0011】
[2]第2には、本発明は、上記[1]項の構成において、前記グループに所属する画像ファイルからファイルの情報を獲得するファイル情報獲得手段と、前記ファイル情報獲得手段から獲得したファイル情報を集計するファイル情報集計手段と、前記ファイル情報集計手段で集計したグループ情報を前記グループと併せて表示するグループ情報表示手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、グループと併せてそのグループ内の撮影ファイルの特徴を集計し表示する所定の処理を施す。例えば、日付についてグループ内の最古の日付と最新の日付を集計して表示したり、また、ファイルサイズについてグループ内のファイルサイズの合計を集計して表示する。
【0013】
[3]第3には、本発明は、上記[1]項及び[2]項の構成において、記録媒体を識別する記録媒体識別情報を記録媒体から獲得する記録媒体識別情報獲得手段と、前記グループと前記記録媒体識別情報の組を保持する記録媒体識別情報保持手段と、前記グループと併せて表示する記録媒体識別情報表示手段とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明においては、記録媒体の識別情報とグループとの組を保持もしくは、記録媒体に記録し、現在挿入されている記録媒体でバックアップされたグループをユーザに明示するよう表示する。
【発明の効果】
【0015】
以上のようにすると、本発明によれば、[1]複数のスロットを持つデジタルカメラにおいて、バックアップの目的で、1つの画像を複数の記録媒体に記録した場合、その画像の安全性が保障された後の削除作業を、画像を確認しながら行うことを避けることができる。バックアップの目的でない画像とバックアップの目的の画像が1つ記録媒体に混在した場合、本発明によりバックアップグループを管理することで容易に削除作業を行うことができる。
【0016】
[2]また、バックアップのグループに対して画像ファイルより集計した、日付やサイズ等のグループの特徴を表示することにより、ユーザがバックアップのグループの特徴を認識することができ、ユーザのデジタルカメラに対する利便性を向上することができる。
【0017】
[3]また、1つの記録媒体に複数の記録媒体のバックアップを行った場合で、記録媒体ごとに画像の安全性が保障される場合には、バックアップグループと記録媒体の識別情報の組を管理することで、よりバックアップグループを管理することで容易に削除作業を行うことができる。
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、バックアップの目的で撮影された画像の消去作業を行う際に、ユーザのデジタルカメラに対する利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施例1)
以下、本発明の実施例の1つを、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図2において、100は被写体像の形成やその像を撮像する機能を有したカメラボディである。110は電源で、カメラボディ内の各回路に電源を供給する。121と122は、カードスロットで、脱着可能なカード123を差し込むことができ、差し込んだ結果、カード入出力部1(119)、およびカード入出力部2(120)とそれぞれ電気的に接続される。
【0021】
101〜103は、被写体像を形成する撮像光学系で、101は光軸方向の進退により焦点調節を行うフォーカシングレンズ、102は同じく光軸方向の進退により変倍を行うズーミングレンズである。103は撮像素子への光量を調節する絞りである。
【0022】
104〜108は、撮像光学系で形成された被写体像をデジタル化する光電変換系である。104は、撮像素子で、CCD、CMOS等で構成される光源変換手段であり、撮像光学系101〜103で形成された被写体像を光電変換し、画像信号を出力する。105は前処理回路で、CDS(相関二重サンプリング)、AGC(オートゲインコントロール)回路等を含み、撮像素子が正確な画像信号を出力するための制御を行う。106は、A/Dコンバータで、前処理回路105から出力されたアナログ画像信号をデジタルデータに変換する。107は、像信号処理ICで、デジタル化された画像信号に対してγ補正、AWB(オートホワイトバランス)等を施し、撮像素子104の特性に起因する画像濃度の非線形性や、光源に起因する画像色の偏りの補正を行う。108は、フレームメモリで、104〜107によって補正された、撮像素子の生データを一時的に保持するバッファメモリである。
【0023】
109はCPUで、電源110、不揮発性メモリ111、圧縮部112、RAMメモリ113、EVF制御114、メインスイッチ116、SW1(117)、SW2(118)、十字ボタン(124〜127)と設定ボタン128、カード入出力部1(119)、カード入出力部2(120)が接続され、それぞれを制御する。請求項5に記載の記録媒体識別情報獲得手段は、カード入出力部1(119)、カード入出力部2(120)が接続され、それぞれを制御することに相当する。CPU109は、撮像素子104の画像信号読み出しを制御するクロック信号を送出したり、104〜108の各素子の動作タイミングを制御したりする。不揮発性メモリ111は、EEPROM等で構成され、電源110がOFFされても、記録されたデータを失わない。圧縮部112は、圧縮回路で、取得した画像信号を圧縮して画像ファイルサイズを縮小する。RAMメモリ113は、CPU109が各種処理を行う際にデータを一時的に記憶させている。EVF制御114は、液晶素子等で構成されているEVF115を駆動および制御する。メインスイッチ116は、オンされるとCPU109は、撮影に関する所定のプログラムの実行を許可する。117(SW1)、118(SW2)はカメラのレリーズボタンの第1ストローク、第2ストロークの押下でオンとなる。十字ボタン(124〜127)は、上(124)下(126)左(125)右(127)を、それぞれボタンの押下でオンとなり、設定ボタン128についてもボタンの押下でオンとなる。カード入出力部1(119)は、カードスロット1(121)へ挿入されたカード123へコマンドを送信することができ、その結果データをメモリカード123へ読み書きすることができる。また、カード入出力部2(120)も、カードスロット2(122)へ挿入されたカード123へコマンドを送信することができ、その結果データをメモリカード123へ読み書きすることができる。メモリカード123は、圧縮した画像信号を記録・保存できる機能を持っており、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。本実施例における以上の説明は、請求項1の撮影手段に相当する。
【0024】
本実施例においては、メモリカード123は2枚挿入することができ、どちらか一方がメインメモリカードで、もう一方がバックアップメモリカードとなる。ユーザは、挿入されたメモリカードからメインメモリカードおよびバックアップメモリカードを指定することができる。図3にメインメモリカードの選択を行うフローチャートを示す。
【0025】
ステップ#101では、カードスロット1(121)及びカードスロット2(122)にメモリカード123が挿入されていることを検査し、メモリカードが挿入されていれば1、挿入されていなければ0を、カードスロット1(121)及びカードスロット2(122)それぞれに対し、不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存する。そして、カードスロット1(121)及びカードスロット2(122)両方ともメモリカードが挿入されていなければステップ#106でメインメモリカードの選択を終了し、カードスロット1(121)及びカードスロット2の何れかにメモリカードが挿入されていれば、ステップ#102を行う。ステップ#102では、ステップ#101で不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存されたメモリカードの有無の結果をEVF115に表示し、ステップ#103を行う。ステップ#103では、ユーザがステップ#102でEVF115に表示された結果から、カードスロットもしくはキャンセルを選択しステップ#104を行う。図4は、ステップ#102での表示例である。反転している文字が現在選択されているカードスロットである。キャンセルが選択されれば、キャンセルの文字も同様に反転する。十字ボタンの上124が押下されれば、現在選択されているカードスロットまたはキャンセルの1つ上のメモリカードが選択される。十字ボタンの上124が押下されても、1番上のカードスロットの場合何も起こらない。十字ボタンの下126が押下されれば、現在選択されているカードスロットの1つ下のカードスロットもしくはキャンセルが選択される。十字ボタンの下126が押下されても、キャンセルが選択されている場合、何も起こらない。さらにユーザが設定ボタン128を押下すると、現在選択されていたカードスロットの選択、もしくは、キャンセルが、ユーザの指定した要求として決定される。ただし、選択したカードスロットにメモリカードが挿入されていない場合選択できない。ステップ#104では、ステップ#103でキャンセルが選択された場合、ステップ#106でメインメモリカードの選択を終了し、カードスロットが選択された場合、ステップ#105を行う。ステップ#105では、ステップ#104で選択されたカードスロットに挿入されているメモリカードをメインメモリカードとして、不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存する。
【0026】
図5に、バックアップメモリカードの選択を行うフローチャートを示す。ステップ#201では、カードスロット1(121)及びカードスロット2(122)にメモリカード123が挿入されていることを検査し、メモリカードが挿入されていれば1、挿入されていなければ0を、カードスロット1(121)及びカードスロット2(122)それぞれに対し、不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存する。そして、カードスロット1(121)及びカードスロット2(122)両方ともメモリカードが挿入されていなければステップ#206でメインメモリカードの選択を終了し、カードスロット1(121)及びカードスロット2の何れかにメモリカードが挿入されていれば、ステップ#202を行う。ステップ#202では、ステップ#201で不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存されたメモリカードの有無の結果をEVF115に表示し、ステップ#203を行う。ステップ#203では、ユーザがステップ#202でEVF115に表示された結果から、カードスロットもしくはキャンセルを選択しステップ#204を行う。表示と操作例は、図4の説明と同様である。ステップ#204では、ステップ#203でキャンセルが選択された場合、ステップ#206でメインメモリカードの選択を終了し、カードスロットが選択された場合、ステップ#205を行う。ステップ#205では、ステップ#204で選択されたカードスロットに挿入されているメモリカードをメインメモリカードとして、不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存する。請求項1に記載の記録媒体選択手段は、以上で説明した本実施例の図3及び図5のフローチャート処理に相当する。
【0027】
また、撮影の種類として、バックアップ撮影と通常撮影とを指定することができる。ここで、バックアップ撮影とは、1回の撮影により作成した画像を2枚のメモリカード両方に保存することを指し、通常撮影とは、1回の撮影により作成した画像を1枚のメモリカード123に保存することを指す。ただし、前述のメインメモリカードとバックアップメモリカードが各々異なるメモリカードで選択される場合に限りバックアップ撮影を選択することができる。以下の説明では、パックアップ撮影が指定されることを想定しており、カメラがバックアップ撮影を行ったあと、不必要になったバックアップ画像を一括消去する動作を説明する。まず、図6に、バックアップ撮影を行うフローチャートを示す。ステップ#301では、メインメモリカードの空き容量を検査し、撮影に必要な容量があればステップ#302を行い、撮影に必要な容量がなければ、ステップ#308でバックアップ撮影を終了する。ステップ#302では、バックアップメモリカードの空き容量を検査し、撮影に必要な容量があればステップ#303を行い、撮影に必要な容量がなければ、ステップ#308でバックアップ撮影を終了する。ステップ#303では、フレームバッファに置かれた画像データを、Jpeg等の圧縮技術を用いて圧縮し、さらに撮影情報を加えてファイルデータを生成する。そして、ステップ#304を行う。ステップ#304では、不揮発メモリ111、もしくはRAMメモリ113上のあらかじめ用意しておいた領域に、バックアップディレクトリ名があれば、ステップ#306を行い、なければ(0であれば)、ステップ#305を行う。ここで、あらかじめ用意された不揮発メモリ111、もしくはRAMメモリ113上のバックアップディレクトリ名を保持する領域は、初期値として0をいれておく。また、通常撮影があった場合にも0に初期化する。従って、0であれば前回の撮影が通常撮影もしくは、初期状態であったことを示す。ステップ#305では、パックアップするための画像を記録するためのディレクトリ名を決定する。既存のディレクトリと同じにならないようユニークなディレクトリ名にするため、既存のディレクトリ名を検査し、決定する。ここでは、3桁の数字に“BAKUP”の5文字を結合した8文字をバックアップディレクトリ名にすると、既存のバックアップディレクトリ名で利用されている3桁の数字の中でもっとも大きい3桁の数字に1を加算した数字を、新たなバックアップディレクトリ名の3桁の数字としてディレクトリ名を決定する。例えば、バックアップメモリカードが図7のようなディレクトリ構造をしている場合、もっとも大きい数字は503なので、新たなバックアップディレクトリ名として“504BAKUP”を、不揮発メモリ111もしくは、RAMメモリ113上の領域に保存する。ステップ#306では、撮影した画像をメインメモリカードにユニークなファイル名で記録し、ステップ#307を行う。ステップ#307では、撮影した画像をバックアップメモリカードにユニークなファイル名で記録しステップ#308でバックアップ撮影を終了する。ステップ#307で、バックアップメモリカードに記録する際、ステップ#305で決定されたディレクトリに記録を行う。ここで、ステップ#306と#307は入れ替わってもよいし、各々記録完了を待たずに非同期に動作し、記録完了を待ってもよい。以上のようにバックアップ撮影ごとに、画像ファイルを保存するフォルダをまとめることで自動的にバックアップの目的で撮影した画像ファイルの分類を行っている。
【0028】
バックアップディレクトリ名を、RAMメモリ113に保持した場合、カメラの電源が切れると、バックアップディレクトリ名は消えてしまう。しかし、不揮発メモリ111に保持した場合、カメラの電源が切れても、バックアップディレクトリ名は消えることはない。従って、RAMメモリ113に保持した場合、バックアップ撮影期間は、ユーザがバックアップ撮影を開始してから通常撮影を行うかもしくは、カメラの電源を切るまでである。一方、不揮発メモリ111に保持した場合、バックアップ撮影期間は、ユーザがバックアップ撮影を開始してから通常撮影を行うまでである。請求項1に記載の画像分類手段は、以上で説明した図6のフローチャートに相当する。
【0029】
次に図8でバックアップ一括消去の動作をフローチャートで説明する。まず、後述のステップ#401で、バックアップメモリカード内のバックアップディレクトリを検査し、不揮発メモリ111、もしくはRAMメモリ113の領域上に、検査結果を記憶し、後述のステップ#402を行う。後述のステップ#402で、ユーザに一括消去可能なバックアップメモリ内のグループを表示し、ステップ#403を行う。ここで、一括消去可能なバックアップメモリ内のグループは、バックアップディレクトリを1つのグループとする。例えば、“500BAKUP”ディレクトリ、“501BAKUP” ディレクトリ、“503BAKUP” ディレクトリ、“504BAKUP” ディレクトリが存在するとすると、“500BAKUP”グループ、“501BAKUP”グループ、“503BAKUP”グループ、“504BAKUP”グループが存在する。図9は、カメラのEVF115上に、一括消去可能なバックアップメモリ内のグループを表示する例である。ステップ#403では、ユーザが一括消去したいバックアップグループの指定、もしくは、キャンセルを待ち、指定したらステップ#404を行う。図9では、反転している文字が現在選択されているグループである。キャンセルが選択されれば、キャンセルの文字も同様に反転する。十字ボタンの上124が押下されれば、現在選択されているグループまたはキャンセルの1つ上のグループが選択される。十字ボタンの上124が押下されても、1番上のグループの場合何も起こらない。十字ボタンの下126が押下されれば、現在選択されているグループの1つ下のグループもしくはキャンセルが選択される。十字ボタンの下126が押下されても、キャンセルが選択されている場合、何も起こらない。さらにユーザが設定ボタン128を押下すると、現在選択されていたグループの一括消去もしくは、一括消去選択画面のキャンセルが、ユーザの指定した要求として決定される。ステップ#404では、ユーザが指定した要求がキャンセルであれば、ステップ#406でバックアップ一括消去を終了し、ユーザが指定した要求がバックアップグループであれば、ステップ#405を行う。ステップ#405では、ユーザが指定したバックアップグループに関連する画像を一括消去する。ここで、バックアップディレクトリも消去してもかまわない。そして、不揮発メモリ111、もしくはRAMメモリ113の領域上のバックアップディレクトリのリストから消去したバックアップディレクトリを削除し、後述のステップ#402を行う。請求項1に記載の消去手段は、以上の説明の図8のステップ#405に相当する。また、請求項1に記載の指定手段は、以上の説明の図8のステップ#403に相当する。
【0030】
ステップ#401のバックアップディレクトリ検索ルーチンの説明を図10により行う。ステップ#501では、画像を記録するための複数のディレクトリを管理しているディレクトリのディレクトリ管理情報を獲得し、ステップ#502を行う。図7に示したディレクトリ構造で、さらに新しいバックアップディレクトリ“504BAKUP”ができたことを想定したディレクトリ管理情報を図11に示す。ステップ#502では、獲得したディレクトリ管理情報からディレクトリ名を1つ取り出し、ステップ#503を行う。ステップ#503では、ステップ#502でディレクトリ名が取り出せれば、ステップ#504を行い、取り出せなければ、ステップ#506でディレクトリ検索ルーチンを終了する。ステップ#504では、ステップ#502で取り出したディレクトリ名が、バックアップディレクトリであれば、ステップ#505を行い、バックアップディレクトリでなければ、ステップ#502を行う。ステップ#505では、バックアップディレクトリ名を、不揮発メモリ111もしくはRAMメモリ113にリストとして保存する。図7のディレクトリ情報からは図12のようにバックアップディレクトリのリストができる。
【0031】
ステップ#402のバックアップディレクトリ表示ルーチンの説明を図13により行う。ステップ#601では、ステップ#402のバックアップディレクトリ検索ルーチンの結果のリストの先頭のディレクトリ名を獲得し、ステップ#602を行う。ステップ#602では、前処理でディレクトリ名が獲得できていれば、ステップ#603を行い、獲得できていなければ、キャンセルの文字をEVF115に表示し、ステップ#605でバックアップディレクトリ表示ルーチンを終了する。ステップ#603では、獲得したディレクトリ名をEVF115に表示し、ステップ#604を行う。ステップ#604では、バックアップディレクトリ検索ルーチンの結果のリストから次のディレクトリ名を獲得し、ステップ#602を行う。図12のバックアップディレクトリ検索ルーチンの結果から本ルーチンでEVF115に表示すると図14のようになる。請求項1に記載の表示手段は、以上の説明の図8のステップ#401およびステップ#402と、図10と図13のフローチャートに相当する。
【0032】
以上の実施例によれば、バックアップの目的で複数のメモリカード123に記録を行う撮影を行い、その撮影の結果生成された画像が安全に記録されていることをユーザが確認した後、簡単な操作でバックアップ目的で記録された画像を消去することができる。特に、バックアップ目的の画像が、バックアップの目的でない画像を含んだメモリカード123に行われた場合、または、バックアップ後に通常の撮影を行った場合に、煩雑な操作なしに、通常の撮影画像を消去することなくバックアップ画像のみを消去することができる。従って、ユーザのデジタルカメラに対する利便性を向上することができる。
【0033】
(実施例2)
実施例2では、実施例1に加え、バックアップグループの情報をユーザに提供する。実施例2における一括消去可能なバックアップメモリ内のグループを表示するフローチャートを図15に示す。ステップ#701では、ステップ#402のバックアップディレクトリ検索ルーチンの結果であるリストの先頭のディレクトリ名を獲得し、ステップ#702を行う。ステップ#702では、前処理でディレクトリ名が獲得できていれば、ステップ#703を行い、獲得できていなければ、キャンセルの文字をEVF115に表示し、ステップ#706でバックアップディレクトリ表示ルーチンを終了する。ステップ#703では、獲得したディレクトリ名をEVF115に表示し、後述のステップ#704を行う。後述のステップ#704では、獲得したディレクトリの内部の画像ファイル情報を集計し、バックアップディレクトリの性質を表示し、ステップ#705を行う。ステップ#705では、バックアップディレクトリ検索ルーチンの結果のリストから次のディレクトリ名を獲得し、ステップ#702を行う。図12のバックアップディレクトリ検索ルーチンの結果から本ルーチンでEVF115に表示すると図16のようになる。請求項2に記載のファイル情報獲得手段は、以上の説明の図15のステップ#701に相当する。また、請求項2に記載のグループ情報表示手段は、図15のステップ#702、#703と図17のステップ#809に相当する。
【0034】
ステップ#704のバックアップファイル集計表示ルーチンの説明を図17により行う。ステップ#801では、バックアップファイル内のファイルサイズの合計を集計する領域を、RAMメモリ113に保持し、0で初期化を行う。また、最も古い日付と最も新しい日付を集計する領域を、RAMメモリ113に保持し、0で初期化を行い、ステップ#802を行う。ステップ#802では、バックアップファイル内のファイル管理情報を獲得し、ステップ#803を行う。ステップ#803では、獲得したファイル管理情報からファイル情報を1つ取り出し、ステップ#804を行う。ステップ#804では、ステップ#803でファイル情報が取り出せれば、ステップ#805を行い、取り出せなければ、ステップ#808を行う。ステップ#805では、ステップ#804で取り出したファイル情報のファイルが、画像ファイルであれば、ステップ#806を行い、画像ファイルでなければ、ステップ#803を行う。ステップ#806では、ファイル情報から獲得したファイルサイズを、ファイルサイズの合計を集計する領域の数値に加算し、同領域に保持し、ステップ#807を行う。ステップ#807では、保持した最も古い日付が0であれば、ファイル情報から獲得した撮影日付を、保持した最も古い日付と最も新しい日付に保持し、ステップ#803を行う。また、保持した最も古い日付が0でなければ、ファイル情報から獲得した撮影日付と比較し、保持していた最も古い日付より古い日付であれば、保持した最も古い日付を更新し、ステップ#803を行う。また、ファイル情報から獲得した撮影日時より保持していた最も古い日付の方が古ければ、保持した最も新しい日付とファイル情報から獲得した撮影日時とを比較し、ファイル情報から獲得した撮影日時の方が新しい日付であれば、保持した最も新しい日付を更新し、ステップ#803を行う。請求項2に記載のファイル情報集計手段は、以上の説明の図17のステップ#801〜ステップ#807に相当する。
【0035】
以上の実施例によれば、バックアップの目的で複数のメモリカード123に記録を行う撮影を行い、その撮影の結果生成された画像が安全に記録されていることを確認した後、バックアップ目的で記録された画像を消去する際に、ユーザはバックアップグループの性質を知ることができ、削除してよいバックアップグループであるか判断しやすくなる。従って、ユーザのデジタルカメラに対する利便性を向上することができる。
【0036】
(実施例3)
実施例3では、実施例1及び2に加え、バックアップ時の情報をファイルとしてバックアップ側のメモリカード123に記憶させる。本実施例でのバックアップ撮影においては、図6に示すフローチャートのステップ#305のバックアップメモリカードへのバックアップディレクトリ作成時に、メインメモリカードのメモリカード固体識別情報をファイルとしてバックアップメモリカードに保存する。メモリカード固体識別情報とは、メモリカード123の種別や製造元名や製品バージョンやシリアル番号などのカードを識別する情報を指す。図18に例を示す。図18では、1つのファイルにディレクトリ名とメモリカード識別情報の組を管理している。また、各ディレクトリに各々メモリカード識別情報のファイルを保存しても良い。請求項5に記載の記録媒体識別情報保持手段は、記録媒体識別情報とメモリカード識別情報をメモリカードに保存することに相当する。
【0037】
次に、本実施例でのバックアップディレクトリ表示においては、図13に示すフローチャートのステップ#603若しくは図15に示すフローチャート#703において、ディレクトリ情報を表示する際に、そのディレクトリと組になっているメモリカード識別情報と、メインメモリカードのメモリカード識別情報とを獲得する。そして2つのメモリカード識別情報を比較し同じであれば、その結果を表示する。図1は表示結果の例を示している。図1では、メインメモリカードの識別情報と同じ識別情報のバックアップディレクトリを表示する情報の1つとして、「同」文字のアイコンを表示している。同じ識別情報でないバックアップディレクトリをグレー表示して、目立たせなくしても良い。請求項5に記載の記録媒体識別情報表示手段は、以上で説明した、図13に示すフローチャートのステップ#603若しくは図15に示すフローチャート#703において、ディレクトリ情報を表示する際に、そのディレクトリと組になっているメモリカード識別情報と、メインメモリカードのメモリカード識別情報とを獲得し、2つのメモリカード識別情報を比較し同じであれば、その結果を表示することに相当する。
【0038】
以上の実施例によれば、バックアップの目的で複数のメモリカード123に記録を行う撮影を行い、その撮影の結果生成された画像が安全に記録されていることを確認した後、バックアップ目的で記録された画像を消去する際に、ユーザはバックアップグループが現在メインメモリカードとして使用しているメモリカード123のバックアップであることを知ることができ、削除してよいバックアップグループであるか判断しやすくなる。ユーザは、メモリカード123のバックアップはメモリカード123毎にまとめて行うことが多いため、メモリカード123別にバックアップグループが識別できると便利である。従って、ユーザのデジタルカメラに対する利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】バックアップディレクトリ表示結果例その1。
【図2】デジタルカメラ構成図。
【図3】メインメモリカード選択ルーチンのフローチャート図。
【図4】メインメモリカード選択表示結果例。
【図5】バックアップメモリカード選択ルーチンのフローチャート図。
【図6】バックアップ撮影ルーチンのフローチャート図。
【図7】バックアップカードメモリ内ディレクトリ構成例。
【図8】バックアップ削除ルーチンのフローチャート図。
【図9】バックアップディレクトリ表示結果例その2。
【図10】バックアップディレクトリ検索ルーチンのフローチャート図。
【図11】ディレクトリ検索結果例。
【図12】バックアップディレクトリ検索結果例。
【図13】バックアップディレクトリ表示ルーチンのフローチャート図その1。
【図14】バックアップディレクトリ表示結果例その3。
【図15】バックアップディレクトリ表示ルーチンのフローチャート図その2。
【図16】バックアップディレクトリ表示結果例その4。
【図17】バックアップファイル集計情報表示ルーチンのフローチャート図。
【図18】メモリカード識別情報検索結果例。
【符号の説明】
【0040】
100 デジタルカメラ本体
101 フォーカシングレンズ
102 ズーミングレンズ
103 絞り
104 撮像素子
105 CDS/AGC素子
106 A/D変換素子
107 像信号処理素子
108 フレームメモリ
109 CPU
110 電源
111 不揮発性メモリ
112 圧縮部
113 RAMメモリ
114 EVF制御
115 EVF
116 メインスイッチ
117 SW1
118 SW2
119 カード入出力部1
120 カード入出力部2
121 カードスロット1
122 カードスロット2
123 メモリカード
124 十字ボタン上
125 十字ボタン右
126 十字ボタン下
127 十字ボタン左
128 設定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を格納する少なくとも2つのカードスロットと、
前記カードスロットに挿入された記録媒体とデータの入出力を行う少なくとも2つのカード入出力部と、
前記記録媒体のうち主に利用する少なくとも1つの第1の記録媒体とバックアップとして利用する少なくとも1つの第2の記録媒体を選択させる記録媒体選択手段と、
撮影レンズにより投影された被写体像を撮像素子により電気信号に変換し、映像信号として画像を出力し、撮影された画像を少なくとも2つの記録媒体に画像ファイルとして保存する撮影手段と、
前記第2の記録媒体に撮影した前記画像ファイルを保存する際に、グループに分類する画像分類手段と、
少なくとも1つの前記グループを表示する表示手段と、
前記グループのうち少なくとも1つを指定させる指定手段とを具備し、
前記指定手段によって指定された前記グループと前記グループに所属するすべての画像ファイルを、記録媒体から削除する削除手段を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、前記グループに所属する画像ファイルからファイルの情報を獲得するファイル情報獲得手段と、
前記ファイル情報獲得手段から獲得したファイル情報を集計するファイル情報集計手段と、
前記ファイル情報集計手段で集計したグループ情報を前記グループと併せて表示するグループ情報表示手段とを有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、ファイル情報が日付であり、グループ情報が最古の日付と最新の日付であることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、ファイル情報がファイルサイズであり、グループ情報がファイルサイズの合計であることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項1〜4に記載のデジタルカメラにおいて、記録媒体を識別する記録媒体識別情報を記録媒体から獲得する記録媒体識別情報獲得手段と、
前記グループと前記記録媒体識別情報の組を保持する記録媒体識別情報保持手段と、
前記グループと併せて表示する記録媒体識別情報表示手段とを有することを特徴としたデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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