説明

バックライトモジュールを有する温度制御システム

【課題】 本発明はバックライトモジュールを有する温度制御システムに関するものである。
【解決手段】 バックライトユニットの光源量を直接増加して液晶表示装置の輝度を引き上げるバックライトモジュールに使用し、制御回路は少なくとも一つのサーミスターの抵抗値の測定を通じて、パルス幅変調と組み合わせ、適宜発光モジュールの発光輝度を低く調整して、バックライトユニットの温度上昇速度を緩慢にして、発光モジュールから生じる熱量が引続きこもることで、関連電子素子全体が正常作動できなくなったり、耐用年数が短縮したりしないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバックライトモジュールを有する温度制御システムに関し、特にサーミスターの抵抗値の測定を通じて、制御回路により適宜バックライトモジュールの発光輝度を低く調整する温度制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶は固体と液体との中間にある有機化合物であって、また規格性のある分子配列をした化合物でもあり、これを一定の温度以上に加熱すると透明な液体となり、また一定の温度以下に冷却すると結晶した混濁状態となり、こうした特性から液晶と呼ばれる。液晶の基本的特性により、液晶表示装置の基本原理は液晶をガラスボックスに密封して、電界を加えると液晶分子の方向が変わり、この方向変化が光学の性質を変え、偏光子によってその光透過性を変えて、明滅効果を達成することができる。
【0003】
然しながら、液晶表示装置は陽光や外部環境における明るい光線という環境において、看板表示を例に取ると、反射光や散乱光が強過ぎるために表示色が薄くなり、さらにははっきり見えなかったり、画面判読不能になったりさえするのは、表示装置本体に輝度が不足しているために、画面映像が外界の反射光や散乱光に遮られてしまうからであり、少なくとも液晶表示装置の輝度を1000cd/m2以上にまで引き上げないと画面が環境光源に遮られるという問題は改善できない。
【0004】
液晶表示装置の輝度を上げるにはバックライトユニットの光源量を増加するのが最も直接的な方法であり、同時に効果の 高い反射板、明るさを高めるプリズムシート及び開口率の高い液晶パネルと組み合わせることができると、光の利用率を高めることができ、こうして高輝度の効果が達成される。
【0005】
ところが、発光する際には光源自体に熱量が発生し、光源量が多いほど総発生熱量も高くなり、バックライトユニットの点灯時間が伸びるにつれて、液晶表示モジュール(Liquid Crystal Display Module, LCM)全体の温度もますます上昇して、製品が過熱したり表示コントラストが低下したりして、さらには電子素子が過熱して作業が行えなくなってダウンしてしまう問題さえも引き起こす虞がある。
【0006】
現在、液晶表示装置には高温のために処理不能となる要因があることにより、市場の液晶表示装置製品の輝度はその多くが300cd/m2前後であり、半反射の設計方法と組み合わせるか、バックライトユニットを使用しないで単純に全反射液晶表示装置の方式でもって外界光源の反射という問題を克服しているのは注意すべきである。しかし、これらの方式でも半反射液晶表示装置画面の色彩数が減少して、色純度が落ち、画面の品質に影響を与えてしまい、また全反射製品は光線不足の箇所には表示できない等の問題が発生している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで上記の欠点の根本的解決を図るために、本発明の主な目的は発光源の数を増やしてバックライトモジュールの輝度を大幅に引き上げる際、発光源の発光輝度を調整することによって、発光源熱量が引続きこもらないようにし、関連部材や電子素子が過熱により効力が低減したり寿命が短縮したりしないようにして、液晶モジュールの耐用年数を延ばすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的に基づいて、本発明ではバックライトモジュールを有する温度制御システムを提案し、直接バックライトユニットの光源量を増加して液晶表示装置の輝度を引き上げるバックライトモジュールに使用し、それは少なくともバックライトモジュールの輝度を提供するための発光モジュールと、バックライトモジュールの温度を検知するための少なくとも一つのサーミスター及び制御回路からなり、制御回路は前記サーミスターの抵抗値変化の信号を受信して、発光モジュールの輝度出力を制御することにより、バックライトモジュールの温度発生を調整し、温度上昇速度を緩慢にすると共に徐々に下降させる。
【0009】
前記発光モジュールは複数個の発光ダイオード又は複数個の冷陰極管から構成され、且つ前記制御回路はパルス幅変調方式によって発光モジュールの輝度を制御する。
【0010】
前記制御回路が基準値より低い前記サーミスターの抵抗値を受信した場合、前記発光モジュールの発光輝度を低く調整し、前記制御回路が基準値より高い前記サーミスターの抵抗値を受信した場合、前記発光モジュールの発光輝度は調整せずに、前記発光モジュールに必要な電力を供給して、前記発光モジュールに必要な発光輝度を維持する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、バックライトユニットの光源量を増加させて液晶表示装置の輝度を引き上げるバックライトモジュール構造に関して、サーミスターの抵抗値の測定を通じて制御回路のパルス幅変調と組み合わせ、適宜発光モジュールの発光輝度を低く調整して、バックライトモジュールの温度上昇速度を緩慢にすると共に徐々に下降させることにある。そして、発光モジュールから生じる熱量が引続きこもり、液晶表示モジュール全体の温度が絶え間なく上昇して正常作動できなくならない様にすることができると同時に、関連部材や電子素子が過熱により効力が低下したり寿命が短縮したりしないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る詳細内容及び技術的説明は実施例でさらに説明するが、前記実施例は例示説明に過ぎず、本発明の実施制限と解釈すべきではない旨了解されたい。
【実施例】
【0013】
液晶表示モジュールの輝度を引き上げるために、バックライトユニットの光源量を増やすことが最も直接な方法であることから、バックライトユニットに数多くの発光源を内蔵して液晶表示モジュール(LCM)の輝度を大幅に引き上げるのだが、総発生熱量が高いほど、特に発光源で生じる熱量は、バックライトユニットの点灯時間が延びるにつれて、液晶表示モジュール全体の温度もますます上昇して、製品が過熱したり表示コントラストが低下したりして、さらには電子素子が過熱して作業が行えなくなってダウンしてしまう問題さえも引き起こす虞がある。
【0014】
図1に示すように、本発明ではバックライトモジュールを有する温度制御システムを提案し、直接光源量を増加して液晶表示装置の輝度を引き上げるバックライトモジュールに使用し、それは少なくともパルス幅変調(PWM)方式により発光モジュール12を制御するための制御回路10を含み、前記発光モジュール12は複数個の発光ダイオード又は複数個の冷陰極管から構成されて、バックライトモジュールの輝度を提供する。そしてバックライトモジュールの温度を検知するための少なくとも一つのサーミスター11をも含み、且つ前記サーミスター11は抵抗値変化の信号を前記制御回路10に伝送し、前記制御回路10が発行モジュールの輝度出力を調整制御することにより、バックライトモジュールの温度変化を調整し、温度上昇速度を緩慢にすると共に徐々に下降させる。
【0015】
バックライトモジュールの表面輝度は前記発光モジュール12上の発光源の数の増減によって変動する。例えば、バックライトモジュールには64個の発光ダイオード(LED)発光チップを内蔵して発光源とした場合、バックライトモジュールの表面輝度は30,780cd/m2であり、前記輝度が液晶パネルを通過すると液晶表示モジュール(LCM)の表面輝度を3,388cd/m2まで高めることができ、こうして高い輝度は陽光又は外部環境の明るい光線という環境において、看板表示として表示画面が環境光源に遮られるという問題を改善することができる。
【0016】
図2では前記発光モジュール12上の発光源の点灯時間が延びると、前記発光モジュール12から生じる熱量も絶え間なくこもり、バックライトモジュールの温度が次第に上昇して、液晶表示モジュール(LCM)の温度もこれにつれて上昇する。このとき前記サーミスター11の抵抗値を測定することで、抵抗値を前記制御回路10へ伝送し、前記サーミスター11の抵抗値が予め設定した基準値より低い場合、バックライトモジュールの温後が既に高すぎることを示しており、前記制御回路10はパルス幅変調方式によって、前記発光モジュール12の発光輝度を引き下げ調整して、前記発光モジュール12の熱量を下げ、バックライトユニットの温度上昇速度を緩慢にすると共に徐々に下降させる。このようして、前記発光モジュール12から生じる熱量が引き続きこもることで、液晶表示モジュール(LCM)の温度が絶え間なく上昇して、正常作動不能とならないようにすると同時に、関連部材や電子素子が過熱により効力が低下したり寿命が短縮したりしないようにする。
【0017】
しかし、前記制御回路10が予め設定した基準値より高い前記サーミスター11の抵抗値信号を受信した場合、バックライトモジュールの温度はまだ高過ぎないか或いは既に合理的範囲まで下がっているかを示しており、前記制御回路10は必要なパルス幅を維持し、前記発光モジュール12に必要な出力電力を供給して、前記発光モジュール12に必要な発光輝度を維持し、前記発光モジュール12の発光輝度は調整しない。
【0018】
バックライトユニットの発光源量を増加させて液晶表示モジュール(LCM)の表面輝度を引き上げる装置に関して、光源量が多いほど、総発生熱量も高くなるという問題に対して、本発明ではサーミスターの抵抗値の測定を通じて制御回路のパルス幅変調と組み合わせ、適宜発光モジュールの発光輝度を低く調整して、バックライトユニットの温度上昇速度を緩慢にすると共に徐々に下降させることができ、また、発光モジュールから生じる熱量が引続きこもり、液晶表示モジュールが正常作動不能に陥らないようにして、液晶モジュールの耐用年数を延ばすと同時に、関連部材や電子素子が過熱により効力が低下したり寿命が短縮したりしないようにすることができる。
【0019】
上記内容は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではないため、本発明の特許請求の範囲に基づいて行った等価変更若しくは修飾は、全て本発明の特許の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本願実施例の温度制御システムの概略図である。
【図2】本願実施例の制御回路で抵抗値に関する判断フローチャートである。
【符号の説明】
【0021】
10 制御回路
11 サーミスター
12 発光モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトモジュールの輝度を提供するための発光モジュールと、
バックライトモジュールの温度変化を検知するための少なくとも一つのサーミスターと、
パルス幅変調(pulse width modulation,PWM)の方式により前記発光モジュールの輝度を制御するための制御回路を少なくとも含み、
前記制御回路は前記サーミスターの抵抗値変化の信号を受信して、前記発光モジュールの輝度出力を制御することにより、バックライトモジュールの温度を調整することを特徴とするバックライトモジュールを有する温度制御システム。
【請求項2】
前記発光モジュールは複数個の発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)と複数個の冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp, CCFL)の何れか一つから構成されることを特徴とする請求項1に記載するバックライトモジュールを有する温度制御システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−199745(P2009−199745A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37082(P2008−37082)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(500409884)光聯科技股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】