説明

バックライト式蓄光発光標示体

【課題】蓄光発光する自発光体に、LED発光体を被覆する通電保護スリーブ体の頭部を着脱自在に取付ける蓄光発光とLED発光の併用型標示体として、日没間際や照明灯の近くでも充分な視認効果が得られるようにしたバックライト式蓄光発光標示体を提供する。
【解決手段】LED発光体が通電保護スリーブ体に被覆されており、無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂製の蓄光発光する自発光体が前記通電保護スリーブ体の上部に着脱自在に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト式蓄光発光標示体の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来蓄光式光輝材付発光体として、特開平10−321916公開特許公報が開示されている。
【0003】
この公開特許公報の発光体aは、所定の厚さのリング状蓄光式光輝材4Aの内側に設けた中空状の嵌挿部に、光源(ダイオード)2を投入せしめるケース体1からなる発光体(LED)aを挿通し、前記発光体(LED)の頭部を前記リング状蓄光式光輝材4aより突出状に組立てたものである。
【0004】
そのため、前記蓄光式光輝材付発光体aを構成する光輝材4Aは、用途面として夜光反射チョッキを始め電光掲示板や交通標識などの発光体aとして使用することができるとされているが、ケース体1の頭部が蓄光式光輝材4Aより飛び出し部分が高いので、引掛り易く、しかも当りが強いと損傷するおそれもある。
【0005】
さらに前記発光体aを構成する蓄光式光輝材4Aは、電光掲示板や交通標識などに使用するに当り、前記掲示板等のパネルに開けた窓孔に嵌め込んだとしても、引掛り部分が構成されていないので、容易に離脱するおそれがある。
【0006】
さらに前記発光体aは、ケース体1内に投入の光源(ダイオード)が停電してしまうと、蓄光式光輝材4Aのみがリング状に光輝するだけで、光輝面を小さく、視認性能が劣ることが瀝然としている。
【0007】
また前記した従来開示の発光体aは、仮にも床面等に使用すると、蓄光式光輝材4Aを前記床面等の孔部と同一面として埋設した場合、ケース体1の光輝照射部3が前記床面より飛出部分が高くなっており、歩行時において障害物となるおそれがあるので、前記床面等への使用は不可能である。
【特許文献1】特開平10−321916公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、本発明は、蓄光発光する自発光体に、LED発光体を被覆する通電保護スリーブ体の頭部を着脱自在に取付ける蓄光発光とLED発光の併用型標示体として、日没間際や照明灯の近くでも充分な視認効果が得られるようにした。
【0009】
さらに本発明は、通電保護スリーブ体と嵌合している蓄光発光する自発光体と離脱できるようにして、LED発光体を構成している球の交換や点検を容易にした。
【0010】
また本発明は、LED発光体を前記自発光体によって被服しカバー状態にしてまぶしさを未然に防止した。
【0011】
さらに本発明は、蓄光発光する自発光体の外側面部にパネル引掛け部を形成せしめて、パネルに各種の文字、絵柄等を形成せしめるために開けた窓孔に嵌め込んでも、容易に離脱しないようにした。
【0012】
また本発明は、床面や壁面に埋め込んでも、前記自発光体が違和感を与えたりしない。
【0013】
さらに本発明は、建物の天井部に使用することによって、天井部の装飾効果を発揮せしめると共に、非常時の避難誘導効果が期待できる。
【0014】
また本発明は、LED発光色とされている5色のLED発光体を使用してロープや樹木等に吊下げて装飾用のツリーランプ、アプローチやガーデニングランプ等として使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決する手段として、請求項1記載のバックライト式蓄光発光標示体は、LED発光体が通電保護スリーブ体に被覆されており無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂製の蓄光発光する自発光体が前記通電保護スリーブ体の上部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とするバックライト式蓄光発光標示体である。
【0016】
請求項2記載のバックライト式蓄光発光標示体は、LED発光球部とLED発光部と口金部とからなるLED発光体を挿入し被覆せしめ、外周部にパッキン固定部とゴムパッキン部とネジ込み凸部とを形成し、且リード線とを付設せしめる通電保護スリーブ体と、前記通電保護スリーブ体の上方部が挿入し、前記LED発光部とLED発光球部と通電保護スリーブ体の上方部が嵌挿する中空部を有し、前記中空部の内側面部に前記ネジ込み凸部と嵌合するネジ込み凹部を形成し、且下方端部には開口部を有し、外周部にパネル引掛け部を設けた嵌挿部を形成し、前記嵌挿部の上方に蓄光発光部を有する無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂の蓄光発光する自発光体とを別設し、前記自発光体の嵌挿部の中空部内に、前記通電保護スリーブ体の上方部を嵌挿し、前記ネジ込み凹部とネジ込み凸部とを嵌合し、前記開口部をパッキン固定部によって係止されている前記ゴムパッキンに密着せしめ、自発光体と通電保護スリーブ体が着脱自在に取付けられていることを特徴とするバックライト式蓄光発光標示体である。
【0017】
請求項3記載のバックライト式蓄光発光標示体は、前記自発光体の蓄光発光部が、湾曲形状をしており、且前記蓄光発光部の外径が前記嵌挿部の外径よりも大であることを特徴とする請求項2記載のバックライト式蓄光発光標示体である。
【0018】
請求項4記載のバックライト式蓄光発光標示体は、前記自発光体の嵌挿部が、パネルもしくはタイル等の孔部への嵌挿時に前記蓄光発光部のみが前記パネルもしくはタイル等の表面より突出し、前記嵌挿部の中空部内に前記通電保護スリーブ体の上方部を嵌脱自在に取り付けることを特徴とする請求項1又は同2又は同3記載のバックライト式蓄光発光標示体である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載のバックライト式蓄光発光標示体は、LED発光体が通電保護スリーブ体に被覆されており無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂製の蓄光発光する自発光体が前記通電保護スリーブ体の上部に着脱自在に取り付けられているバックライト式蓄光発光標示体なので、日没間際の時間帯や照明灯の近くでも充分な視認効果が得られる。
【0020】
さらに本発明は、停電時においてもLEDの光を蓄光発光体が蓄えて自発光するので、いざという時の視認効果が期待できる利点がある。
【0021】
また本発明は、本発明を構成する標示体のLED発光体が半導体で作られている発光誘導体に加えられた電機エネルギーが変換して発光するしくみのため、発光色が極めて鮮明で、高い視認性を有している。
【0022】
さらに本発明は、ドット文字や絵柄等を標示するために設けた嵌挿用の窓孔に蓄光発光する自発光体を着脱自在に取付けると、前記自発光体に取り付けられたLED発光体がバックライトとして、まぶしくなく前記絵柄等を均質に標示せしめる利点がある。
【0023】
また本発明は、床面、トンネル、地下鉄、地下道路等の壁面、建物等の天井部等に前記自発光体の蓄光発光部のみを飛出させれば、LED発光体がバックライトとして前記蓄光発光部をより一層発光する。
【0024】
そのため、床面の場合夜間暗くなっても確実に視認できると共に、停電時等の避難その他暗部での歩行がしやすい利点がある。
【0025】
さらに本発明は、トンネル、地下鉄、地下道路等の壁面の場合、標示したドット文字や図柄を確実に視認できるので、停電等の緊急避難や、その他一般の歩行時において目印となって極めて有効である。
【0026】
また本発明は、天井等に吊下げると、自発光体がまぶしさのない灯りで発光して癒し効果が得られると共に、各種のデザインを施して装飾効果を発揮せしめたり、あるいは緊急避難の誘導用として役立たせることができる利点を有している。
【0027】
つぎに、請求項2記載のバックライト式蓄光発光標示体は、LED発光球部とLED発光部と口金部とからなるLED発光体を挿入し被覆せしめ、外周部にパッキン固定部とゴムパッキン部とネジ込み凸部とを形成し、且リード線とを付設せしめる通電保護スリーブ体と、前記通電保護スリーブ体の上方部が挿入し、前記LED発光部とLED発光球部と通電保護スリーブ体の上方部が嵌挿する中空部を有し、前記中空部の内側面部に前記ネジ込み凸部と嵌合するネジ込み凹部を形成し、且下方端部には開口部を有し、外周部にパネル引掛け部を設けた嵌挿部を形成し、前記嵌挿部の上方に蓄光発光部を有する無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂の蓄光発光する自発光体とを別設し、前記自発光体の嵌挿部の中空部内に、前記通電保護スリーブ体の上方部を嵌挿し、前記ネジ込み凹部とネジ込み凸部とを嵌合し、前記開口部をパッキン固定部によって係止されている前記ゴムパッキンに密着せしめ、自発光体と通電保護スリーブ体が着脱自在に取付けられているバックライト式蓄光発光標示体なので、パネル等の窓孔に嵌込むと容易に離脱しない。そのため所定の目的のために構成されているドット文字や目標等を長期にわたり蓄光と発光の効果を発揮できる利点を有している。
【0028】
さらに本発明は、ネジ込み凹部とネジ込み凸部とを嵌合させることによってLED発光体を被覆する通電保護スリーブ体と自発光体との着脱が極めて容易である。そのためLED発光体のメンテナンス作業が容易にできる利点がある。
【0029】
また本発明は、前記通電保護スリーブ体に設けたパッキン固定部によって係止されているゴムパッキンに、前記自発光体の開口部が密着するようにしたので、防雨効果を充分に発揮できる。
【0030】
さらに本発明は、前記した請求項1記載の発明と同じ効果を有している。
【0031】
さらに請求項3記載の発明は、前記自発光体の蓄光発光部が、湾曲形状をしており、且前記蓄光発光部の外径が前記嵌挿部の外径よりも大であるバックライト式蓄光発光標示体なので、パネル等の窓孔に一旦嵌め込むと蓄光発光部によってパネルに対し確実に引掛り、ぐらつくことがない利点を有している。
【0032】
さらに本発明は、蓄光発光部が湾曲形状をしているもので、何時もなめらかであり、手指が触れても違和感はない。また本発明の標示体が床面に埋没されたとしても、スリッパをはいて歩いたり、あるいは素足で歩いたりしても、引掛ることはない利点を有している。
【0033】
また本発明は、請求項2記載の発明と同じ効果を有している。
【0034】
請求項4記載の発明は、前記自発光体の嵌挿部が、パネルもしくはタイル等の孔部への嵌挿時に前記蓄光発光部のみが前記パネルもしくはタイル等の表面より突出し、前記嵌挿部の中空部内に前記通電保護スリーブ体の上方部を嵌脱自在に取り付けるバックライト式蓄光発光標示体なので、LED発光体のぎらぎらとした照明が前記自発光体によって遮断され、LED発光体の照明が発するまぶしさは全く存しない利点を有している。そのため前記自発光体の方向を直視しても眼の健康を損うことはない。
【0035】
さらに本発明は、請求項1又は同2又は同3記載の効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の請求項1〜4記載の発明の実施の形態は、共通するので一括して以下のとおり説明する。
【0037】
図においてAは、LED発光体aが被覆されている通電保護スリーブ体bと、このスリーブ体bが着脱自在に取り付けられている無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂製の蓄光発光する自発光体cとから構成されているバックライト式蓄光発光標示体である。
【0038】
前記LED発光体aの実施の形態につき説明すると以下のとおりである。
【0039】
このLED発光体aは、半導体で作られている発光誘導体に加えられた電機エネルギーが変換して発光するしくみのため、発光色が鮮明で高い視認性が得られる。
【0040】
さらに前記LED発光体aは、一般電球と異なり球切れはなく取替えは殆んどないため、メンテナンスの煩わしさがない。
【0041】
前記LED発光体aは、一般電球のように熱を持たず、約100,000時間の寿命と、一球当り20mA程度の定格電流のため電気使用料が僅かである。
【0042】
さらに前記LED発光体aは、一般電源(AC)が使用できることと、同一の保護スリーブソケットを使用してDC12Vの低電圧LED発光球1が使用できるため、電気使用料を更に押えることができる(但しAC低減アダプターが必要である。)。
【0043】
また前記LED発光体aは、太陽電池及び蓄電池使用により、電球の引けない場所においても効果が期待できる。
【0044】
さらに前記LED発光体aは、コントローラーにより連続点灯、同時点滅、交互点滅などに制御できるため、所定の演出効果が期待できる。
【0045】
前記LED発光体aの下方外側面部には口金部2が形成されている。
【0046】
以上のとおりLED発光体aは、LED発光球1と口金部2とが一体となって形成されている。
【0047】
つぎに通電保護スリーブ体bの実施の形態を説明する。
【0048】
前記通電保護スリーブ体bは、上方開口部3より前記LED発光体aの口金部2より嵌挿せしめ、LED発光球1が前記開口部3より僅かに飛出した状態となるように組立てる。
【0049】
さらに前記保護スリーブ体bの上方外周部4には、ネジ込み凸部5を突設する。そして前記ネジ込み凸部5の下方外周部6に、パッキン固定部7を突設する。
【0050】
また前記パッキン固定部7の上方にゴムパッキン8を嵌挿載置せしめる。
【0051】
9は前記保護スリーブ体bの下端部10に取り付けたリード線結束部である。11は前記リード線結束部9より分岐したリード線である。
【0052】
以上の構成が保護スリーブ体bである。
【0053】
さらに自発光体cの実施の形態につき説明すると以下のとおりである。
【0054】
前記自発光体cは、上方部が湾曲状もしくは半球状の蓄光発光部12と、前記蓄光発光部12の裏面部13より、前記蓄光発光部12の下方部の外周縁部14の径よりも径が小さく、且パネルdに開けた孔部16の径より小さい径を有する嵌挿部15を設ける。
【0055】
前記嵌挿部15の上方部には、パネル引掛け部17を形成する。
【0056】
さらに前記パネル引掛け部17は、前記嵌挿部15の径より大きい径にし、下方の底面部19は前記嵌挿部15の径より小さい径とする。そのため前記底面部19は図面図示のように傾斜状部20が形成される。
【0057】
前記嵌挿部15の内側部分は、図面図示のように中空部21を形成する。前記中空部21は、前記保護スリーブ体bの上方部が嵌挿可能な径を有している。
【0058】
さらに前記嵌挿部15の中空部21の内側面部21aに前記ネジ込み凸部5が挿入可能な対応型のネジ込み凹部22を内設する。
【0059】
また前記嵌挿部15の中空部21を構成する蓄光発光部12は、図面図示のとおり均一の厚さとし、蓄光発光部12の外側面部12aと比例する湾曲状もしくは球形状として、LED発光体aのLED発光球1が挿入しやすくする。
【0060】
そして前記ネジ込み凸部5と嵌合するネジ込み凹部22は、図面図示のとおり前記嵌挿部15と前記蓄光発光部12にかけて形成されている中空部21の内側面部21aに形成してもよい。
【0061】
本発明は前記自発光体cの実施の形態として、前記パネル引掛け部17の実施の形態を図1と異なり、図2に図示のとおり、前記底面部19に形成の傾斜状部20の上面部20aが、嵌挿部15の径より若干大きい径に拡径する。前記のように拡径されているので、パネルd等の孔部16に嵌り込むと前記傾斜状部20が前記孔部16より径が大きいので引掛り係止される。
【0062】
前記の構成からなる自発光体cは、蓄光発光させるために以下に示す合成樹脂製資材を使用するものである。
【0063】
使用する合成樹脂は、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチロール、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、ABS、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性ポリエステルのほか、ペットボトルの再生ペット等である。
【0064】
さらに上記の各種合成樹脂と、無機質蓄光顔料と、着色顔料と、オイル等の添加剤とより成る混合物である。蓄光顔料の割合は、合成樹脂100重量部に対して5〜100重量部の範囲内で構成されている。そして上記合成樹脂、無機質蛍光顔料、着色顔料と微量の添加物とをブレンダー等で混合してブレンド混合品を得た後、当該ブレンド品を加熱処理し、2本の混合ローラー上または混練押出機またはバンバリーミキサー等の通常プラスチック混練機を用いて、均質混練後に円筒状にペレット化する。
【0065】
また前記の混練したペレット組成物は、様々な成形方法で成形される。例えば、常圧成形、加圧成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形等の成形方法があり、その1種または2種以上の組み合わせによる実施が可能である。
【0066】
前記のように製造された前記蓄光発光体cは、着色顔料と蓄光顔料を含有することによって、日中の太陽光の紫外線をエネルギーとして蓄え、夜間の暗部で自発光して視認できる機能を発揮する。
【0067】
さらに、蓄光発光体cの蓄光輝度は、従来の蓄光顔料の残光時間の200分に対して10倍の2,000分の残光特性を有し、励起する光の波長が200〜400ナノメーターと広いため、一晩中光り輝く特性を有している。
【0068】
また蓄光顔料は、アルミン酸塩化合物を主成分に希土類元素の賦活剤を添加焼成しているため、従来の蓄光顔料の硫化亜鉛を主成分としたものは残光輝度が少ない上に、有害な放射性物質を有していたが、本発明に実施されている蓄光顔料は長残光特性のほか放射性物質や有害物質を全く含まないため、環境にやさしい特性が得られる。
【0069】
さらに本発明において実施される蓄光顔料は、アルミナを主成分とした酸化物であるため、光の吸収―発光―吸収―発光を半永久的に繰り返すことができ、自然界で安定した耐光性を発揮する。
【0070】
図は本発明において採用されるアルミン酸塩化合物蓄光発光体G300Mと従来夜光との残光特性を実験により比較したものである。
【0071】
本発明は、前記スリーブ体bに、前記LED発光体aを被覆して組立て一体にしたスリーブ体bの上方部を、前記自発光体cの中空部21に嵌挿せしめ、ネジ込み凸部5とネジ込み凹部22とを嵌合せしめると、自発光体cの底面部19が、前記ゴムパッキン8に接触し密着する。
【0072】
上記のように組み立てたバックライト式蓄光発光標示体Aの使用につき説明すると以下のとおりである。
【0073】
本発明の標示体Aは、以下のようにして使用する。
【0074】
パネルdに使用するには、例えば支柱部23の間に設けた懸架式パネルdの所定個所に孔部16を複数開ける。25は取付枠部である。
【0075】
前記孔部16に保護スリーブ体bを先頭にして嵌挿させてやると、前記自発光体cの傾斜状部20が傾斜状となっているので、孔部16へは挿入がスムーズとなって、自発光体cの嵌挿部15が前記孔部16に嵌り込み前記蓄光発光部12の裏面部13が前記孔部16の径より大であるため引掛り係止される。
【0076】
前記のようにパネルdに設けた複数の孔部16に対し、標示体Aを順次嵌め込んで所望する文字や絵柄を構成してやる。
【0077】
上記のようにパネルdの孔部16に嵌め込んだ標示体Aを構成する蓄光発光部12が、昼間は太陽光によって蓄光し、前記の文字や絵柄がまぶしさを感ずることなく、鮮明に標示される(図7、8)。
【0078】
つぎに本発明の標示体Aを天井部26に吊下げ使用するときは以下のようにする(図9)。
【0079】
天井部26に吊下げ金具27を介して懸架パネルdを吊下げる。
【0080】
前記の懸架パネルdも、前記パネルdと同様に所望する文字や絵柄を表示可能な孔部16を予め形成する。
【0081】
前記天井部26に吊下げたパネルdの孔部16に本発明の標示体Aを嵌め込む手法は、前記のパネルdの場合と全く同じなので、その具体的説明は省略する。
【0082】
さらに本発明の標示体Aを懸架タイルeに使用するときは、予め前記懸架タイルeに孔部28を形成しておくものである。
【0083】
そして前記孔部28に対し、本発明の標示体Aを嵌め込むには、保護スリーブ体bを先に挿入し、さらに自発光体cを挿し込むと図9、10のように孔部28に嵌り込んで係止される。
【0084】
前記タイルeが室外であれば太陽光によって蓄光し、暗くなれば発光する。
【0085】
また室内においては、蛍光灯の照明に反応して蓄光し、暗くなれば発光する。
【0086】
29は目地モルタル部である。
【0087】
さらに本発明の標示体Aをアプローチや歩道、道路の路肩部の縁石など、車道以外の部分に使用することもできる。
【0088】
30は据付モルタル部であり、同部に形成した円筒部30aに本発明の標示体Aを挿し込み使用する。さらに前記据付モルタル部30の表面部より飛出している自発光体cの蓄光発光部12の高さを低くするため、目地モルタル部31を塗りつける(図12、13)。
【0089】
32は樹木であり、この樹木32の枝部33に本発明の標示体Aを吊下げ使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】バックライト式蓄光発光標示体の蓄光発光体の縦断正面図である。
【0091】
【図2】蓄光発光体の第2実施例の縦断正面図である。
【0092】
【図3】同通電保護スリーブ体の縦断面図である。
【0093】
【図4】同バックライト式蓄光発光標示体の蓄光発光体の縦断正面図である。
【0094】
【図5】図4の標示体の平面図である。
【0095】
【図6】図3の標示体の底面図である。
【0096】
【図7】本発明の標示体をパネルに嵌挿し使用した状態の一部切欠正面図である。
【0097】
【図8】図6の標示体の一部切欠拡大右側面図である。
【0098】
【図9】本発明の標示体を天井部に吊下げて使用する場合の一部切欠縦断面図である。
【0099】
【図10】本発明の標示体を床面に使用したときの一部切欠平面図である。
【0100】
【図11】図9の使用状態の一部切欠縦断面図である。
【0101】
【図12】本発明の標示体を壁面及び縁石に埋込み使用した状態の一部切欠平面図である。
【0102】
【図13】図11の使用状態の一部切縦断面図である。
【0103】
【図14】本発明の標示体をタイルに使用した床面の平面図である。
【0104】
【図15】図13に床面が夜間になって発光したときの平面図である。
【0105】
【図16】本発明の標示体を樹木に吊下げたときの吊下げ状態を示す一部切欠平面図である。
【0106】
【図17】蓄光発光体の発光輝度と残光期間との関係を示すグラフである。
【0107】
【図18】蓄光発光体の発光強度と波長との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0108】
A 標示体
a LED発光体
b 保護スリーブ体
c 自発光体
d パネル
e タイル
1 LED発光球
2 口金部
3 上方開口部
4 上方外周部
5 ネジ込み凸部
6 下方外周部
7 パッキン固定部
8 ゴムパッキン
9 リード線結束部
10 下端部
11 リード線
12 蓄光発光部
12a 標示体の外側面部
13 裏面部
14 外周縁部
15 嵌挿部
16 孔部
17 パネル引掛部
19 底面部
20 傾斜状部
20a 上面部
21 中空部
21a 内側面部
22 ネジ込み凹部
23 支柱部
24 懸架パネル
25 取付枠部
26 天井部
27 吊下げ金具
28 孔部
29 目地モルタル部
30 据付モルタル部
30a 円筒部
31 目地モルタル部
32 樹木
33 枝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED発光体が通電保護スリーブ体に被覆されており、無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂製の蓄光発光する自発光体が前記通電保護スリーブ体の上部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とするバックライト式蓄光発光標示体。
【請求項2】
LED発光球部とLED発光部と口金部とからなるLED発光体を挿入し被覆せしめ、外周部にパッキン固定部とゴムパッキン部とネジ込み凸部とを形成し、且リード線とを付設せしめる通電保護スリーブ体と、前記通電保護スリーブ体の上方部が挿入し、前記LED発光部とLED発光球部と通電保護スリーブ体の上方部が嵌挿する中空部を有し、前記中空部の内側面部に前記ネジ込み凸部と嵌合するネジ込み凹部を形成し、且下方端部には開口部を有し、外周部にパネル引掛け部を設けた嵌挿部を形成し、前記嵌挿部の上方に蓄光発光部を有する無機質の着色顔料と蓄光顔料とを含有する合成樹脂の蓄光発光する自発光体とを別設し、前記自発光体の嵌挿部の中空部内に、前記通電保護スリーブ体の上方部を嵌挿し、前記ネジ込み凹部とネジ込み凸部とを嵌合し、前記開口部をパッキン固定部によって係止されている前記ゴムパッキンに密着せしめ、自発光体と通電保護スリーブ体が着脱自在に取付けられていることを特徴とするバックライト式蓄光発光標示体。
【請求項3】
前記自発光体の蓄光発光部が、湾曲形状をしており、且前記蓄光発光部の外径が前記嵌挿部の外径よりも大であることを特徴とする請求項2記載のバックライト式蓄光発光標示体。
【請求項4】
前記自発光体の嵌挿部が、パネルもしくはタイル等の孔部への嵌挿時に前記蓄光発光部のみが前記パネルもしくはタイル等の表面より突出し、前記嵌挿部の中空部内に前記通電保護スリーブ体の上方部を嵌脱自在に取り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のバックライト式蓄光発光標示体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−310268(P2007−310268A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141267(P2006−141267)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(591082661)有限会社日本エクステリア研究所 (3)
【Fターム(参考)】