説明

バックリット(字光式)ナンバープレート作成のための半透明の再帰反射シート及びその使用

本発明は、再帰反射面(16)及び反対側の背面(17)を有する半透明の再帰反射材料、透明及び不透明な領域の規則的な又は不規則な二次元のパターンを有する再帰反射材料、透明な微小球(20)の層及び前記透明な微小球の層の後ろに機能的に置かれた反射層を含む前記再帰反射の材料、隣接する金属の金属領域(11)及び実質的に金属を含まないオープン領域(12)の規則正しい又は不規則な二次元パターンを含む前記反射層を提供し、前記反射層のオープン領域(12)が前記再帰反射材料の透明領域に対応し、前記反射層の金属領域(11)が前記再帰反射材料の不透明領域に対応し、前記透明な微小球(20)が前記透明及び不透明領域に存在し、並びに前記透明領域が前記再帰反射面(16)上の前記再帰反射の材料の表面全体の少なくとも5%を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半透明の再帰反射材料に関し、特に本発明は背面から照らすことのできるナンバープレートの製造に適した半透明の再帰反射材料に関する。本発明は背面から照らすことのできるナンバープレートに更に関する。本発明はナンバープレート及び光源を含むナンバープレート組立体、並びにナンバープレート組立体を含む自動車又はトレーラーに更に関する。なお更に、本発明は背面から照らすことのできるナンバープレートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車、バス、トラック及びトレーラーのような道路で使用される車両に一般に使用されるナンバープレートは通常、暗い時、前面から照らされる。特に。ナンバープレートは通常、適切な国家当局が発行したナンバープレートのナンバーを示す表示を再帰反射の背景上にある。この再帰反射性は、日中の条件で、及びまた夜間の条件で、他の自動車の光又は街灯がナンバープレートの前面にあたった場合、プレートの可視性を高める。しかし規制条件を満たすためには、ナンバープレートはまた自動車の上に配列された光で照らされる必要がある。それゆえに、通常、光は、ナンバープレートの前面を照らすためにナンバープレートの脇に配置される。
【0003】
そのような配置には、自動車製造業者のデザインの可能性を制限するという欠点がある。特に、灯火類はデザインにおける妨害要素に見えることがよくあるため、ナンバープレートの1つ以上の面に沿って配置する必要のある灯火類は、自動車製造業者がより魅力的にデザインするのを妨げることがある。更に、そのような前面照射型ナンバープレートはナンバープレートの照明の非均一性という問題をもたらす可能性がある。通常また、ナンバープレートを前側から照らすのにより強力な光源が必要となり、そのために電力消費がより大きくなる場合がある。
【0004】
この問題を克服するために、DE29712954は背面から照らされるナンバープレートの配置を開示している。特に、このドイツの新案特許はナンバープレートのナンバーがそこで不透明な表示として描かれる、硬い透明なプラスチックプレートを開示している。その硬いプラスチックプレートは、支持フレームにより電子発光ホイルの前側で支えられる。電子発光ホイルは、通電されると、プラスチックプレートを背面から照らす。そのような配置は、多くの国の規制当局の必要条件である、再帰反射性が提供されないという欠点がある。更に後面照射型ナンバープレートは、US5,692,327で開示されている。
【0005】
EU1262373はまた、再帰反射性を提供する、後面照射型電子発光ナンバープレートの配置について述べている。特に、この欧州出願は、配置の全ての層がお互いにしっかりと保持されるように、所定の順に(後ろから前へ)電子発光ホイル、透明な再帰反射シート、粗い表面を有する高度に透明なフィルムのような粗面層、更にハウジングの前側開口部を閉じる透明なカバーが配置されたハウジングを開示している。透明な前側カバー及び再帰反射シート間で別な方法で形成するニュートンリングの形成を粗面層が克服することが教示されている。ナンバープレートの表示は、透明な再帰反射シートと透明なカバー間の透明なカバー又は透明なフィルム上に直接提供されることができる。このナンバープレートの製造はいくぶん複雑で、高価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
WO04/048155は、透明な再帰反射シート、特に立方体の角部要素を含む透明な再帰反射シートを含む更なる後面照射型電子発光のナンバープレートを開示している。ナンバープレートの再帰反射性を地方の規制条件に適用させるために、シートの再帰反射層の一部を破棄することが教示されている。1つの実施形態では、再帰反射シートに穴を切り取るか又は穴を開け、その結果、そこで再帰反射性が破棄される領域を設けることが教示されている。但し、そのような方法は、再帰反射シートが再帰反射のシートの層内に水又は汚れを浸透しがちになることにつながる可能性がある。そのため、例えば再帰反射シートをプラスチックの保護シートで保護すること、又は密閉されたハウジング内にナンバープレートを入れるというナンバープレートのコストが上がることが一般に要求される。更に、ナンバープレートの外観もまた問題を抱える可能性がある。
【0007】
ここで、後面照射型ナンバープレートを獲得する更なる方法を提供することが望ましい。特に、簡単に、コスト効率よく製造できる後面照射型ナンバープレートを提供することが望ましい。ナンバープレートが優れた耐候特性を有し、特にナンバープレートが、温度の変動及び湿度を含む様々な天候条件の下、再帰反射性と照明の優れた特質を保持することが更に望ましい。電力消費を最小化するよう設計できる後面照射型ナンバープレートを提供することが更に望ましい。また、地方の様々な法律規制、例えば照明の均一性やナンバープレート背景並びに表示の再帰反射性及び色に関する事項、に従うようナンバープレートを設計できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様に従い、本発明は、再帰反射面及び反対側の背面を有する半透明の再帰反射材料、透明及び不透明領域の規則的又は不規則な二次元パターンを有する再帰反射材料、透明な微小球の前記層の後ろに機能的に置かれた透明な微小球の層と反射層を含む前記再帰反射材料、接触する金属領域及び実質的に金属を有さないオープン領域の規則的又は不規則な二次元パターンの金属領域を含む前記反射層を提供し、前記反射層のオープン領域が前記再帰反射材料の透明領域に対応し、前記反射層の金属領域が前記再帰反射材料の不透明領域に対応し、前記透明な微小球が前記透明領域及び不透明領域内に存在し、前記透明領域は前記再帰反射面上の前記再帰反射材料の表面全体の少なくとも5%を含む。
【0009】
半透明の再帰反射の材料は、背面から照らすことができるナンバープレートを提供するのに特に適している。それ故に、更なる態様では、ディスプレイ面及び反対側の背面を有するナンバープレート、ナンバープレートのナンバーを定める表示を表示するディスプレイ面、背面から照らされるように適用されている前記ナンバープレートが提供され、前記ナンバープレートが上述のような半透明の再帰反射材料を含み、半透明の再帰反射材料が、前記ナンバープレートのディスプレイ面を再帰反射にするような方法で配置される。
【0010】
半透明の再帰反射シートで作ることができるナンバープレートは、地方の法律要件を簡単に満たすことができる均一な照明及び再帰反射性条件を一般に有するという利点を提供できる。更に、該ナンバープレートは、反射層の金属領域内の金属の存在にもかかわらず、ナンバープレートの背景が規制条件に従った色(一般に白)を達成できるように無色であるという利点を提供できる。更に、該ナンバープレートは一般にナンバープレートの照明のための電力消費を最小化できるという利点を提供する。本発明は、該ナンバープレートが、照明及び再帰反射性の広範囲の条件に従って設計又は製造できるという利点を更に提供できる。更に、該ナンバープレートは一般に、比較的ナンバープレートに近い距離でも、見る者に対し均一の外観を有する。また一般に該ナンバープレートは、一般に既存ナンバープレート製造装置で簡単にコスト効率よく製造できる。
【0011】
更なる態様では、本発明はナンバープレートの製造方法、すなわち、(i)上述の半透明の再帰反射材料の提供、(ii)前記半透明の再帰反射材料を所要の寸法に切ること及びナンバープレートのナンバーを明示する表示を加えること、を含む前記方法を提供する。
【0012】
更に別の態様では、前記ナンバープレートがナンバープレートの背面からの光源によって照らされることができるように、光源上に配置された、上述の光源及びナンバープレートを含むナンバープレート組立体が提供される。
【0013】
本発明では、使用される以下の用語は、特に指示がない限りはこれから説明する意味を持つものとする。
【0014】
「透明な」という言葉は可視光線に対して透明性であることを意味し、明らかな透明性並びに透光性の両方を含む。一般に、その材料を照らす可視光線の少なくとも50%、一般に少なくとも60%又は少なくとも80%が材料を通過できる場合、材料は透明であるとみなされる。
【0015】
本発明に関連する「不透明な」という言葉は、可視光線がほぼ吸収又は反射されること、すなわち、少なくとも光の90%が吸収又は反射される、通常可視光線の少なくとも95%が吸収又は反射されることを意味することを意図している。
【0016】
「再帰反射」という言葉は、関連する物品が、それが発した方向とほぼ同じ方向に光を反射することを示すのに使われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
半透明の再帰反射材料
本発明に従う半透明の再帰反射材料は、その後ろに反射層が機能的に配置された、透明な微小球の層を含む。透明な微小球は大抵、最も均一で効率的な再帰反射を提供するために一般に球状の微小球である。微小球はまた、光の吸収を最小化するために、好ましくはほぼ透明であり、それにより入射光線の大部分が再帰反射される。微小球は多くの場合ほぼ無色であるが、いくつかの他の方法では薄い色を付けられたり、着色される場合がある。微小球はガラス、非ガラス質のセラミック組成物、又は合成樹脂から作られてよい。一般に、ガラスの微小球が好ましいが、それはそれらが合成樹脂から作られた微小球よりもより安価で、より硬く、さらにより長持ちする傾向があるためである。本発明において有用な可能性のある微小球の例は、次の米国特許で開示されている。
【0018】
第51,175,224号、第2,461,011号、第2,726,161号、第2,842,446号、第2,853,393号、第2,870,030号、第2,939,797号、第2,965,921号、第2,992,122号、第3,468,681号、第3,946,130号、第4,192,576号、第4,367,919号、第4,564,556号、第4,758,469号、第4,772,511号、及び第4,931,414号である。透明な微小球は通常、約30〜200マイクロメートルの範囲の平均寸法を有する。使用される微小球は通常、約1.7〜約3.0の屈折率を有する。
【0019】
微小球は結合剤マトリックス内に保持され、それは透明か又は着色されていてもよい。結合剤マトリックスは通常、可撓性高分子材料を含み、さらにまた安定剤(例えば、熱安定剤及び加水分解安定剤)、酸化防止剤、難燃剤及び流動性改良剤(例えば、界面活性剤)、粘度調整剤(例えば、有機溶媒)、レオロジー変性剤(例えば、増粘剤)、並びに凝集剤、可塑剤、粘着付与剤などの任意の添加物も含んでもよい。一般に、結合剤マトリックスは、効果的な量の任意の添加物である残留物を含む高分子材料の約50重量パーセントから最高約99重量パーセントを含む。結合剤マトリックスの高分子材料は、エラストマーを含むがこれに限らない、ポリマーであってもよい。本発明の目的として、エラストマーは、元の長さの少なくとも2倍まで伸び、放たれるとその元の長さとほぼ同じ長さまで縮まる能力のあるポリマーとして定義される(R.J.ルイス卿(R.J. Lewis Sr.)著、「ハーレイの要約化学辞典(Hawley’s Condensed Chemical Dictionary)第12版」、(ニューヨーク州ニューヨーク(New York):ヴァンノストランドレインホルド社(Van Nostrand Reinhold Co.)、1993))から抜粋された定義)。結合剤マトリックス内に使用してもよい実例となるポリマーの例は次のものを含む。ポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリ塩化ビニル、天然及び合成ゴム、並びにこれらの組み合わせ。
【0020】
有用な結合剤マトリックス材料の特定の例は、米国特許番号第5,200,262号及び第5,283,101号に開示されている。米国特許番号第5,200,262号では、結合剤マトリックスは、架橋されたウレタンベースのポリマー(例えば、イソシアネート硬化ポリエステル又は二成分型ポリウレタンの1つ)及び1つ以上のイソシアネート−機能的シランカップリング剤のような、活性水素の機能性を有する1つ以上の可撓性ポリマーを含む。米国特許番号第5,283,101号では、結合剤マトリックスは以下から成る群から選択される電子ビーム硬化ポリマーを含む。クロロスルホン化ポリエチレン、少なくとも約70重量パーセントのポリエチレンを含むエチレン共重合体、及びポリ(エチレン−コ−プロピレン−コジエン)ポリマー。
【0021】
結合剤マトリックスに使用してもよい市販製品のポリマーの例には、次のものが挙げられる。オハイオ州アクロン(Akron)にあるグッドイヤータイヤアンドラバー社(Goodyear Tire and Rubber Company)から入手できるヴィテル(Vitel(商標))VPE5545及びVPE5833ポリエステル、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)にあるロームアンドハース社(Rohm and Haas)から入手できるロプレックス(Rhoplex(商標))HA−8及びNW−1845アクリル樹脂、ニュージャージー州ウェストパターソン(West Patterson)にあるサイテックインダストリーズ・オブ・アメリカシアナミド社(Cytec Industries of American Cyanamide)から入手できるポリウレタンであるサイドロタン(Cydrothane(商標))、オハイオ州クリーブランド(Cleveland)にあるB.F.グッドリッチ社(B.F. Goodrich)から入手できるエスタン(Estane(商標))5703及び5715、及びイリノイ州ローリング・メドウズ(Rolling Meadows)にあるゼオンケミカル社(Zeon Chemicals, Inc.)から入手できるニポラ(Nipola)3000。
【0022】
微小球は、結合剤マトリックスから飛び出し、部分的に大気に曝されるように、結合剤マトリックス材料内に部分的に埋め込まれてもよい。或いは、本発明において一般に好ましいのは、微小球が結合剤マトリックス内に完全に含まれているか、又は埋め込まれていることである。一般に結合剤マトリックスは、異なる高分子材料を含む、及び/又は異なる化学的組成を有する可能性がある1つを超える層からなってもよい。結合剤マトリックスの厚さは、一般に40〜250マイクロメートルで、典型的な範囲は50〜200マイクロメートルである。
【0023】
微小球の層の後ろに機能的に配置されるのは反射層である。「機能的に背後で支持される」は、反射層の金属領域が微小球とともに光を再帰反射するような方法で、反射層が微小球の後ろに供給されることを意味する。通常、これは、反射層の金属領域が微小球上に直接提供されるか、又は微小球の焦点に適合させるために微小球から空間の層を通してわずかに離れて間隔をあけられることを意味する。本発明に関連して、反射層が金属領域及びオープン領域の二次元パターンとして提供される。「二次元の」は、金属領域及びオープン領域が再帰反射材の幅と長さに沿って交互することを意味する。そのパターンは規則的でも不規則的であってもよい。図1に示される1つの実施形態では、金属領域とオープン領域のパターンは個々の不連続な金属領域50として提供されてもよく、その領域間でオープン領域が規定される。すなわち、オープン領域はお互いつながっており、個々の金属領域間の連続的なオープン領域51を規定する。或いは、オープン領域間に連続的な金属領域を定義するため、その間でお互いにつながった金属領域が規定される、不連続なオープン領域に反転したパターンが提供されてもよい。更なる実施形態では、パターンは、オープン領域又は金属領域の連続的な領域を規定するために、つながっていない場合のある複数の個々の金属領域及び複数の個々のオープン領域からなってもよい。そのようなパターンの例は、チェック模様であってもよい。
【0024】
個々のオープン領域及び/又は金属領域の形と大きさは、特に重要ではなく、広範囲に渡って異なってもよい。例えば、金属領域及び/又はオープン領域は長方形、正方形、円形又は楕円形であってもよく、若しくは不規則な形又は多角形であってもよい。個々の不連続なオープン領域又は個々の不連続な金属領域の大きさは、0.01mm〜20mm、典型的には約0.05mm〜15mm、例えば1mm〜7mmであってもよい。本発明に関連した特定の実施形態では、オープン領域及び/又は金属領域の一部は、類似の形及び/又は大きさである。そのため例えば、特定の実施形態に従い、個々のオープン領域は実質的にすべて同じ大きさ及び/又は形であってもよい。別の実施形態では、金属領域は同じ大きさと形を有する。さらなる実施形態では、個々のオープン領域及び金属領域は同じ形(例えば、長方形)である。
【0025】
金属領域は連続的な金属を含み、すなわち、金属領域は通常蒸着した金属からなる。反射層の金属領域を提供するために様々な金属が使用されてよい。これらには、その元素形態で、アルミニウム、銀、クロム、ニッケル、マグネシウム、金、及びそれらの合金を含む。アルミニウム及び銀は、反射層内での使用に好ましい金属である。金属領域は通常、反射層が金属領域を含む領域内で、再帰反射材料を不透明にするのに十分な厚さを持つべきである。一般に、金属領域の厚さは少なくとも0.1μm、例えば少なくとも0.2μmである。
【0026】
反射層のオープン領域は一般に金属を含まないか、若しくはわずかな量の金属を含み、通常そのためにオープン領域は反射層内に透明領域を提供する。反射層のオープン領域は通常、結合剤マトリックスの高分子材料、又は再帰反射材料に含まれる別の層の材料で満たされる。
【0027】
本発明に関連する1つの実施形態では、半透明の再帰反射の材料は誘電体反射鏡を規定する1つ以上の層を含んでよい。そのような層は微小球層と反射層の間に提供されてもよく、又は反射層の上に提供されてもよい。誘電体反射鏡は、米国特許番号第3,700,305号及び第4,763,985号で開示されている既知の誘電体反射鏡に類似していてもよい。微小球を含む誘電体反射鏡を使用する際は、微小球は通常屈折率nを有し、その上に配置された、屈折率nを有する透明な材料の層を有する。屈折率nを有する透明な材料の反対側の面は、屈折率nを有する材料に接触している。nとnは共に、少なくとも0.1の屈折率を有し、好ましくは少なくとも0.3で、nよりも高いか又は低い。透明な材料は通常光学的厚さを有する層であり、約380〜約1,000ナノメートルの波長範囲内の約4分の1の光の波長奇数の倍数に対応する(すなわち、1、3、5、7...)。このように、n>n<n又はn<n>n、及び透明な層の何れかの面上の材料は、屈折率がnよりも両方とも高いか、又は両方とも低い。nはn及びn両方より高く、nは好ましくは1.7〜4.9の範囲内であり、n及びnは好ましくは1.2〜2.5の範囲内である。逆に、nがn及びn両方より低い場合、nは好ましくは1.2〜1.7の範囲内であり、n及びnは好ましくは1.7〜4.9の範囲内である。誘電体反射鏡は好ましくは材料の隣接する配列を含み、少なくとも1つが層の形をしており、交互の一連の屈折率を有する。1つの実施形態では、隣接する配列は1〜7層を有し、例えば2、3、4又は5つの層を有する。望ましくは、光吸収を最小化し光透過を最大化するために、すべては光透過性材料であり、透明か又は本質的に無色である。
【0028】
望ましい屈折率範囲内で透明な材料を提供するのに使用してもよい多数の化合物の中には次のものがある。CdS、CeO、CsI、GaAs、Ge、InAs、InP、InSb、ZrO、Bi、ZnSe、ZnS、WO、PbS、PbSe、PbTe、RbI、Si、Ta、Te、TiOなどの高指数材料、SiO、Al、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaCl、NaAlF、ThOFのような低指数材料、ペルフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデンなどのエラストマーの共重合体。他の材料は、K.L.チョプラ(K. L. Chopra)著「薄膜現象(Thin Film Phenomena)(750頁)」ニューヨーク:マックグローヒルブック社(McGraw−Hill Book Company)、1969年で報告されている。好ましいこれに続く層は、氷晶石(NaAlF)及び硫化亜鉛を含む。誘電体反射鏡又は類似の多層反射コーティングがまた、例えばJP06−347622、US6,172,810、US6,224,219、US6,243,201及びUS6,350,034に開示されている、立方体の角部シーティングと組み合わせて使用できる。
【0029】
半透明の再帰反射シートと関連する透明な誘電体反射鏡の使用は、反射層のオープン領域内で相当な量の再帰反射性を提供するという長所を提供する場合もある。これは照明及び再帰反射性に関する規制条件に適合する付加的な柔軟性を提供する。更に、必要な量の再帰反射性を達成しながら、ナンバープレートを照らすのに必要な電力消費を最適化することができる。
【0030】
半透明の再帰反射材料の反射層の金属領域は通常、蒸着した金属によって得られる。反射層内のオープン領域及び金属領域の望ましいパターンを達成するために、いくつかの手法を使うことができる。1つの実施形態に従い、マスクが微小球の層の上(若しくは空間の層、又は微小球と反射層間の中間体層として望まれるその他の層の上)に提供されてもよく、金属はそれからマスクを通して蒸着してもよい。マスクを通した蒸着は例えばEP759179に開示されている。特定の実施形態では、マスクは、例えば穴をあけられたプラスチックシート(例えば、円形の穴)のような規則的な二次元パターンからなってもよい。そのようなマスクの使用は、穴の形と大きさに対応して微小球層の上に金属領域をもたらす。別の実施形態では、不織布ウェブが、不規則なパターンの蒸着した金属領域及び蒸着した金属を有さない対応する領域をもたらす場合のあるマスクとして使用されてもよい。一般に、マスクを、微小球層、空間の層又はその上に提供される中間層へ一時的に接着することが好ましい。これは一般に、より鋭利で明確な縁を有する金属領域及びオープン領域を提供する。マスクは、金属の蒸着段階の後にマスクをきれいに除去することができる感圧接着剤によって接着されてもよい。
【0031】
或いは、例えば米国特許第5,264,063号、第4,801,193号、及び1994年1月13日に出願された米国特許出願第081181,619号に開示されているように、金属は微小球の表面全体の上で蒸着され、それから選択的にエッチング処理を行われてもよい。
【0032】
半透明の再帰反射材料は、透明及び不透明な領域の、二次元の規則的又は不規則なパターンを含む。一般にこれは、透明な(澄んだ又は半透明の)層として半透明の再帰反射材料を構成する層を提供することによって達成される。反射層のパターンはそれから、不透明領域として提供される反射層の金属領域の結果として、透明領域及び不透明領域の二次元パターンをもたらす。便利ではあるが、透明領域及び不透明領域のパターンが反射層内の金属領域及びオープン領域のパターンに1対1で対応する必要はない。例えば、更なるパターン化された層が、例えば反射層の後ろなどに提供されてもよく、それにより前記パターン化された層が、反射材料のオープン領域の一部分で半透明の再帰反射材料を不透明にする。
【0033】
半透明の再帰反射材料の表面の全体量に対する、透明な領域の表面全体は、その再帰反射面で、少なくとも5%、例えば少なくとも10%及び都合の良いことには少なくとも15又は20%であるべきである。規制条件によって、透明な領域は半透明の再帰反射材料の表面の全体量の最高70%を占めてもよい。典型的な範囲は15〜70%であってもよい。別の実施形態では、範囲は20〜60%又は25〜55%であってもよい。
【0034】
図2では、本発明に従った半透明の再帰反射シートの実施形態の断面面の概略図が示されている。再帰反射シート10は、再帰反射面16上の表面を規定する最上層21を含む結合剤マトリックス内に埋め込まれた微小球20の層、反射層23と微小球層間の空間層22、及び背面17を規定する最下層30を含む。反射層は金属領域11を含み、その領域間には金属を含ない、又はほぼ金属を含まないオープン領域12が存在する。再帰反射シート10の結合剤マトリックスは透明な結合剤マトリックスとして提供されるため、再帰反射シートは反射層のオープン領域12に対応する領域内で透明になる。
【0035】
ナンバープレート
半透明の再帰反射シートが、ナンバープレートを作成するのに都合良く使用される。十分な強さと剛性を持つナンバープレートを提供するために、半透明の再帰反射シートは通常、例えば透明な接着剤を使って透明な高分子支持体シートとラミネート加工される。透明な高分子支持体シートは通常硬い高分子支持体シートである。すなわち、透明な高分子支持体シートはいくらか曲げてもよいが、被膜や金属の薄片で可能性のある、折れ目やしわができないような十分な剛性を有する。そのため、支持体シートは通常、そのような望ましい剛性を提供するために厚さを有する。通常、透明な支持体シートは0.2〜5mm、好ましくは0.3〜3mm及び最も好ましくは0.5mm〜1.5mmの厚さを有する。透明な高分子支持体シートは単一のポリマー層からなってもよく、若しくは同じ又は異なる組成物のいくつかのポリマー層からなってもよい。
【0036】
高分子支持体シートの層は熱可塑性のポリマー層であってもよく、又は架橋されたポリマー層であってもよい。また、熱可塑性ポリマー層と架橋されたポリマー層の混合物が使用されてもよい。
【0037】
透明な高分子支持体シート内に使用してもよい高分子材料は、ポリカーボネートのような熱可塑性ポリマー、ポリメチルメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル及びアクリロニトリル、スチレン及びブタジエンの共重合体のようなポリエステルを含む。透明な高分子支持体は、架橋された材料の1つ以上の層を更に含んでよい。
【0038】
特定の実施形態では、透明な高分子支持体シートは冷間成型可能である。本発明に関連して「冷間成型可能」とは、隆起した表示が、室温(20〜35℃)で、例えばエンボス加工又は深絞りを通して透明な高分子支持体シート内で形成でき、並びにそのような隆起した表示が、例えば、自動車が日向に駐車されている時などにナンバープレートが曝される可能性のある高温で維持されることを意味する。これは通常、高分子支持体が十分な熱安定性を有することを必要とし、すなわち高分子支持体シートが通常60℃〜85℃までの温度で熱安定性を保つべきである。十分な熱の安定性がなければ、ナンバープレートの番号は時間とともに薄くなるか、又は変形する可能性がある。これは特に、エンボス加工中に高分子支持体シート内で作られた圧力のために、表示がエンボス加工を通して冷間成型された場合に起こる。冷間成型可能な透明な高分子支持体シートの例には、ポリカーボネートを含む高分子支持体シートがある。また、冷間成型可能な高分子支持体シートは、上に列挙した1つ以上の熱可塑性ポリマー及び1つ以上の架橋可能な材料の層を含む多層構造から得ることもできる。高分子支持体シート内の表示を冷間成型する際、架橋可能な材料は重合体の架橋された材料へ架橋されてもよい。このように、高分子の架橋された材料の1つ以上の層は望ましい熱安定性を提供するが、それは架橋された材料が、多層シートの熱可塑性層が、冷間成型された表示を消滅させる、流れを防ぐためである。更に、冷間成型可能な高分子支持体シートは、架橋可能な熱可塑性ポリマー組成物を含む1つ以上の層を含んでよい。架橋されていない状態では、高分子支持体シートは、その中に表示を提供するためにすぐに冷間成型されてもよい。表示の生成後、架橋可能な熱可塑性ポリマー組成物は架橋されることができ、そのため層はその熱可塑性特性を失い、十分な熱安定性がその結果提供されてもよい。
【0039】
使用できる架橋可能な材料は、熱架橋される、可視光線及び紫外線を含む光によって架橋される、電子ビーム又はガンマ線照射によって架橋されることのできる材料を含む。架橋可能な材料は、架橋可能な単量体の又は低分子量構成要素、架橋可能なポリマー構成要素並びにそれらの混合物を基本とする組成物であってもよい。使用できる適した架橋可能な材料は、例えばUS4,889,895に開示される電子ビーム硬化性塩化ビニル−アクリレートコポリマー、US4,631,229に開示される放射線硬化性ポリ塩化ビニル、接着剤層内での使用のための、後述のエポキシベースの硬化性組成物を含む。
【0040】
透明な高分子支持体シートは半透明の再帰反射材料の背面にラミネート加工されてもよく、若しくは反射面上にラミネート加工されてもよい。
【0041】
1つ以上の接着剤層が透明な高分子支持体シートを再帰反射材料へラミネート加工される、又は固着されるのに使用される場合、接着剤層(単数又は複数)は透明であるべきである。好ましくは接着剤層(単数又は複数)は少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、可視光線に対し透過性をもつ。接着剤層は好ましくは、優れた耐候性特質を示し、優れた熱安定性を有し、さらに耐湿性である。接着剤層は更に、ナンバープレートが剥離できないように高い固着力を有するべきである。十分な固着力とは通常、高分子支持体シート及び再帰反射材料がお互いから剥離するのに必要な剥離力が少なくとも2N/cm、好ましくは少なくとも4N/cmであることを意味する。接着剤層は、感圧接着剤、加熱によって活性化される接着剤、すなわち、結合又は架橋可能な接着を発現させるため熱による活性化を必要とする接着剤、を含んでもよい。接着剤の例にはアクリルポリマー、シリコーン、又はポリオレフィンをベースとする感圧接着剤(PSA)が含まれ、これはD.サタス、Ed.サタスと提携者(D.Satas, Ed. Satas and Associates)著、「感圧接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)(第三版)」、ワーウィックRI/USA(Warwick RI/USA)、1989年、444〜514頁、550〜556頁及び423〜442頁)にそれぞれ開示されている。ポリオレフィン又はポリカーボネートのような表面エネルギーの低い基材類の固着に使用してもよい接着剤としては、例えばEP1318181に開示されているような、例えばアクリル又はメタクリル酸及びビニルエステルの1つ以上のアルキルエステルのアクリルコポリマーをベースとする感圧接着剤又は、(i)アクリル又はメタクリル酸の1つ以上のアルキルエステルを含む前駆体組成物から得られる反応生成物、ルイス塩基官能性を有する1つ以上の共重合可能なモノマー及び所望により1つ以上の架橋剤、及び(ii)1つ以上の粘着付与樹脂を含有する感圧接着剤組成物を開示するEP1245656に開示されているような感圧接着剤が挙げられる。特にポリカーボネート基材に対して強い固着を与えるのに使用できる更なる感圧接着剤としては、US4,181,752、US4,418,120及びWO95/13331で開示されるものが挙げられる。これらの参照は、それらの感圧接着剤特性をいかにしても失わずに架橋されるアクリルポリマーをベースとするPSAを教示する。更に使用しても良い接着剤層組成物としては、硬化の際にシート間に強力な付着力のある接着状態を与える硬化性組成物をベースとするものが挙げられる。使用してもよい適した硬化性組成物には、放射線硬化性エポキシ組成物がある。そのような組成物は、シート間でその硬化されない(又は部分的に硬化された)状態で適用されてもよい。放射線、例えば、紫外線又は電子ビーム照射を通した積層体の硬化の際、安定した耐久性のある固着が与えられることができる。エポキシ系の硬化性組成物の例は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル及び所望により光開始剤を含む紫外線又は電子ビーム硬化性エポキシ組成物を開示しているEP1026218及びEP620259で見ることができる。更なるエポキシベースの接着剤組成物は、US4,622,349、US4,812,488、US4,920,182、US4,256,828及びEP276716に開示されている。更に、本発明の特定の実施形態によると、エポキシベースの感圧熱硬化性接着剤はUS5,086,088で開示されているように使用できる。この米国特許は、アクリル酸エステル及び極性重合可能なモノマーを含有する約30重量%〜約80重量%の光重合可能な前重合シロップ又は単量体シロップ剤、約20重量%〜約60%重量のエポキシ樹脂又は光重合可能な基を含まないエポキシ樹脂の混合物、約0.5重量%〜約10重量%の、熱によって活性化されるエポキシ樹脂のための硬化剤、約0.01%〜約5%の光開始剤、及び0%〜約5%の光架橋剤を含む感圧性熱硬化性接着剤を開示している。
【0042】
ナンバープレートは通常、関連する規制条件に準拠した形及び寸法を有する。また、ナンバープレートは、関連する当局が発行する場合のあるナンバープレートのナンバーを示す表示を含む。ナンバープレートのナンバーを示す表示に加え、ナンバープレートは、例えばその国の文字を示す表示又はナンバープレートの製造元を示す表示及び/又はナンバープレートの発行日などの更なる表示を含んでもよい。これらの後者の表示のいくつかは、例えばバーコードの形のような機械読取可能な形態であってもよい。ナンバープレートの表示は、ナンバープレート製造に使用される任意の技術によって形成されてよい。例えば、表示、特にナンバープレートのナンバーを示すものは、例えば熱転写印刷又はインクジェット印刷によって印刷されてもよく、又は表示は着色された接着剤被膜に切り取られ、プレート上に接着されてもよい。表示はナンバープレートの前面に印刷されるか又は接着されてもよく、若しくはナンバープレートの中に埋め込まれてもよい。印刷された表示に加え、表示は隆起させることもできる。隆起した表示とは、表示がナンバープレートの前面から浮き出ていることを意味する。通常表示はナンバープレートの背景に対し0.3〜20mm、好ましくは0.5〜15mm隆起できる。隆起した表示は深絞りによって得られてもよいが、好ましくは透明な高分子支持体シート及び半透明の再帰反射材料のシートの薄層をエンボス加工することにより作られる。好ましくは隆起した表示の表面は、表示を不透明にするため、又は少なくともナンバープレートの背景よりも透明さを減らすために着色される。通常隆起した表面は、箔押し又はインクを使ったロールコーティングによって着色されてもよい。
【0043】
該ナンバープレートは、従来のフロントリットのナンバープレートを製造するのに通常使用される装置と技術によって製造できる。従って、1つの実施形態によると、ナンバープレートは透明な高分子支持体シート及び半透明の再帰反射シートをひとつに接着し、その後要望通り得られたラミネートの寸法、形を調整することによって得られる。しかし、その代わりに、ラミネートを形成する各シートは、共に接着される前に寸法、形の調整をされてもよい。また、ナンバープレートは、取り外し可能なように光源へ実装するように適合させるために、寸法、形の調整を行ってもよい。例えば、縁はナンバープレートの1つ以上の面に沿って提供されてよい。そのような縁はそれから光源に対しナンバープレートを固定するために使用してもよい。或いは、そのような縁は光源上の1つ以上の対応する溝と共に置かれてもよく、それによりナンバープレートはこれらの溝の中へ入ることができる。ナンバープレートの更なる部分はナンバープレートの1つ以上の面に沿ってナンバープレートの所要の寸法を超えて突き出てもよく、これらはそれからプレートを光源へ固定するのに使用されてよい。
【0044】
ラミネートはそれから隆起した表示を提供するためにエンボス加工されてもよい。そのようなエンボス加工は好ましくは室温で、ナンバープレート上の表示の表示を有する金属製又は熱硬化性重合体の型板(テンプレート)を圧迫することにより実施される。この操作の後、表示の隆起した表面は、その上に着色されたワックスリボンを置いた熱間鍛造によって着色されてもよい。それ故に、この方法はエンボス加工の金属製のナンバープレートを製造するのに通常使われる装置を使って後面照射型ナンバープレートを製造するのを可能にする。或いは、隆起した表示はラミネート上の表示を示す型板を圧迫している間に、ラミネートを熱へさらすことにより熱成型されてもよい。
【0045】
表示が例えば熱転写プリンター又はインクジェットプリンターによって印刷される後面照射型ナンバープレートは、既存の製造装置を使って同様に製造することができる。例えば、そのように印刷されたナンバープレートは英国で使われている。このように、印刷された表示を有する後面照射型ナンバープレートを製造するには、高分子支持体シートのラミネート及び半透明の再帰反射材料のシートが表示の付いた前面上に印刷されてもよい。或いは表示は、支持体シートにラミネート加工される前に半透明の再帰反射シート上にまず印刷されてもよい。更に支持体シートが、ナンバープレートの前面を規定する場合、それは半透明の再帰反射シートとラミネート加工される前に裏刷されてもよい。さらに、付加的な透明な被膜が、印刷された表示と共に提供される場合のあるラミネート内に含まれてもよい。このように、同じラミネートが様々な既存のナンバープレート製造方法に使用できる。
【0046】
図3は、当局によって発行されたようなナンバープレートのナンバーを規定する表示210を含むナンバープレート200を示している。ナンバープレート200は、その製造元などのナンバープレートに関する付加的情報を示す場合のあるバーコード220を更に示している。
【0047】
図4は本発明に関連したナンバープレートの特定の実施形態を示す図3内の線Aに沿った横断面を示している。図4に示されるナンバープレート300は、透明な接着剤層120によって透明な高分子支持体シート130へ接着された半透明の再帰反射シーティング320を使用している。再帰反射シーティング320は、最下層320e及びトップコート320aを含む結合剤マトリックス内に部分的に埋め込まれたガラス又はセラミックの微小球320bを含む。微小球320bの後ろに機能的に存在するのは反射層320cである。反射層320cは、金属領域321及びオープン領域322のパターンを含む。微小球と反射層320cの間に、上述の空間層(図示されず)を提供してもよい。微小球がナンバープレートの表示面側に存在するように、再帰反射シート320が配置される。ナンバープレートの表示140は隆起しており、箔押し150によって不透明にされる。背面には、隆起した表示に対応する凹部160が、隆起した表示を得るためにラミネートをエンボス加工した結果として存在する。
【0048】
ナンバープレート組立体
該ナンバープレートは好ましくは、背面照明を提供するのに使用できる様々な光源に取り外し可能なように実装することができる。「取り外し可能なように実装」とは、ナンバープレートが光源上に実装でき、そこから取り外すことができ、好ましくは光源へ再度実装できることを意味する。一般に、ナンバープレートを光源に実装することは単純で簡単であり、車のユーザー又は所有者によって実行できる。例えば、該ナンバープレートは、従来のナンバープレートの実装方法と同じ方法で、ねじを使って光源へ実装できる。或いは、該ナンバープレートは光源上に提供された手段で光源へ固定してもよく、又はナンバープレートはフレームを用いて光源へ実装してもよい。
【0049】
前述のように、該ナンバープレートは背面照明ナンバープレートのために使用され、開示されている様々な光源と共に使用できる。例えば、光源は電気的活性化の際に光を放つ、電気的に活性化される層又は被膜を含んでもよい。それらの例としては、例えば電子発光被膜で照らされる広告看板のような再帰反射の表示について述べているWO98/20375で開示されているような電子発光被膜が挙げられる。一般に、電子発光層又は被膜は、そこで電子発光材料が分散される高分子接着剤を含む。そのような電子発光材料は所望の発色によって選択でき、異なる電子発光材料の混合が使用できる。通常、電子発光材料は無機物質である。しかし、有機電子発光材料も知られており、使用することもできる。有機電子発光材料は、当該技術分野において有機発光ダイオード(OLED)として既知である。OLEDは通常、1つの基材、2つの電極間の1つ以上の有機層を含む。有機層は電極をつけて電気的に作動でき、その結果それは光を放ち始める。有機層によって光が生じる物理的原理は「注入電界発光」として知られる。このように、有機発光ダイオード(OLED)は通常、2つの電極間に配置された有機発光層を含み、有機発光層は、電気が電極間を流れる時冷光を発する。OLEDは例えばUS6,608,333及びUS6,501,218に述べられている。ナンバープレート組立体での使用のための光源はまた、従来の発光ダイオード(LED)を備えてもよい。
【0050】
さらに、特定の実施形態では、光源は(i)ナンバープレートが取り外し可能なように実装された前面を有する光導体、反対側の背面、1つ以上の側面、及び(ii)側面の少なくとも1つの少なくとも一部分に沿って配置された光導体を照らすための光源、光がそこからもれないようにするための一般に閉じられたその他の側面を含んでもよい。光導体の縁の照明に使用される光源は通常細長い光源である。細長い光源は実質的に、その長手方向に沿って光を放ち、光の管のような細長い発光体を含む。例えば、蛍光灯、又はお互い間隔をあけられ光源の長手方向に沿ってお互いに隣接して配置されたいくつかの個々の発光体(複数)などである。それ故に、細長い光源は個々の発光要素の線状の配列を含んでもよい。
【0051】
光導体内では、光は、光線が光導体の前面から光が伝達される角度で前面及び光透過性の再帰反射被膜に影響を与えるまで、背面及び前面ですべての内部反射によって伝達される。光導体は中空又は固体の光導体であってもよい。
【0052】
光導体の前面から得られた光の量は、光導体の透明な材料へ加えられた光散乱粒子によって増加させることができる。さらに、背部反射体は、光導体の背面に配置できる。反射体はまた、光導体の側面に配置できる。背部の反射体及び側面の反射体は好ましくは、拡散反射、正反射、又は高反射効率を持つ錯乱反射被膜である。光導体の背面及び側面に沿って反射体、特に高い拡散反射、正反射又は錯乱反射被膜を配置することは、そこで光が排他的に前面を通って逃げることができる光導体を提供し、それにより光源の光のほとんどがナンバープレートを照らすのに使われる。それ故に、そのような設計は、所要の輝度、さらに照明、並びに電力消費に関して、多いに効率的である。
【0053】
さらに、他の光抽出機構、皮膜又は塗料(前述の反射体に加え、又はその代替物として)が光導体と共に使用できる。また光導体の表面に印刷された光抽出要素(例えば、異なるサイズの点、形及び密度)が使用できる。そのような配置は、例えば、US−A−5,736,686、5,649,754、5,600,462、5,377,084、5,363,294、5,289,351、5,262,928、5,667,289、及び3,241,256に述べられている。他の実施できる光抽出の配置は、US−A−5,618,096、WO−A−92/05535、並びにWO−A−01/71248に述べられている。
【0054】
前述の実施形態で述べられた、光導体と組み合わせた光装置の使用は、ナンバープレートのディスプレイ面上の所定の望ましい光熱出力のための光装置の電力の要件を最小化するのに特に有用である。任意の理論によって拘束されることを意図せずに、ナンバープレートの再帰反射シートが不透明である領域の光導体から抽出された光は、反射層内のオープン領域へ出ることができるまで、反射層の光導体と金属領域の間を何度も反射する可能性があると考えられている。それ故、放たれた光はより効果的に使用できる。実際に、光導体を有する光装置を使ってナンバープレートの前部で抽出される光は、半透明の再帰反射材料の透明領域の比率に基づいて予測される量よりも大きいことが注目されている。
【0055】
ナンバープレートの光源は、自動車又はトレーラーの車体へ取り外し可能なように実装できる装置として提供されてもよく、又は自動車の車体又はトレーラーの一体となった部分として提供されてもよい。
【0056】
図5は、本発明に従ったナンバープレート組立体を示している。ナンバープレート組立体100は、その側面の1つから光導体を照らす光導体102及び細長い光源101から構成される光源を含む。光導体の前面上には、ナンバープレート300が配置される。ナンバープレート300は光源へ、ナンバープレート組立体100内のフレーム103内にそれを固定することによって取り外し可能なように実装されている。
【0057】
以下の実施例にて、本発明を更に説明する。
【実施例】
【0058】
再帰反射性の測定
シーティングの再帰反射、R’の係数は、ドイツ工業規格(Deutsche Industrie Norm)/DIN67520のパート1に従い、光電セル及び角度計を使って測定された。観測角(α)は0.33度だった。2つの入口角(β)の値が求められ、それぞれ5度と30度であった。
【0059】
透過の測定
シーティングの光透過の特性は、ドイツ工業規格(Deutsche Industrie Norm(DIN))5063のパート3の5.6項、「拡散照明下の透過性測定τdif」に従い測定された。
【0060】
実施例
ガラスの微小球の層を含むシートが、US2,407,680(パルムキスト(Palmquist))及びUS2,407,680の図1に示される一般に述べられている方法によって作成された。まず、50μmの厚さを有する透明なポリマー層が高分子フィルム支持体上へ配置された。2.26の屈折率及び平均直径71μmを有するガラスの微小球層がそれから追加され、そのため微小球は部分的に透明なポリマーの第一層へ埋め込まれた。約22μmの厚さを有する透明なポリマーの第二の層がそれから、埋め込まれた微小球上へ配置され、スペーサ層を形成した。
【0061】
米国ミネソタ州セントポール(St. Paul)にある3M社(3M Company)から、スコッチカル(Scotchcal)(商標)フィルム#8173として市販されている規則的に穿孔されており、1層の取り外し可能な加圧で接着する接着剤(PSA)を片側の面に有する可撓性の高分子フィルムを含むウィンドウマーキングフィルムが、マスクを形成するために、上述のシーティングへ接着された。マスク接着剤層が、スペーサ層を有するシーティングの面に接触するように置かれた。接着されたマスクを有するシーティングはその後、アルミニウム蒸着重合された。
【0062】
蒸着したアルミニウムは、直径1.5mmの規則的に配置された点のパターンにされた。このようにシーティング上に蒸着されたアルミニウムの点の各列は、図1に示された幾何学的配置に示されるように、隣の点と関連しながら交互に配置された。蒸着重合プロセス中に使用されたPSAコーティングマスクはそれからシーティングから除去された。
【0063】
上記方法によって作成された再帰反射シーティングの再帰反射係数、R’が測定され、「試験方法」で上述されている方法によって、5度の入口角βで34.1cd/(mlx)、30度の入口角βで17.1cd/(mlx)であった。
【0064】
再帰反射シーティングの光透過が、「試験方法」で上述されている方法によって測定された。透過された光の絶対値は、620cd/mだったが、これは57%の透過(τdif)に相当する。
【0065】
周辺光の状態下でのシートの外観は規則的で均一だった。反射率及び光透過の明確な領域は、周辺日光の状態下で約2メートルの距離から見た際は、肉眼ではすぐに認識できなかった。試験結果は表1に要約されている。
【0066】
アクリル感圧性接着剤(PSA)の40μm厚さの層が、上に述べたように作成されたシートの蒸着重合された面へ、取り外し可能なライナー上で支えられたアクリルの転写テープを使って付けられた。微小球ベースのシーティングの準備のためのベースとして最初に使用されたフィルム支持体がその後除去された。接着剤でコーティングされた再帰反射シートが、それから(接着剤層を介して)1mm厚さの透明なポリカーボネートのシートへ接着され、自己支持型のほぼ剛性な無地のナンバープレートがもたらされた。
【0067】
ナンバープレートはさらに、室温で実施されるエンボスプロセスによってエンボス加工され、アルファベットや数字の形での隆起した領域が作られた。エンボス加工は、隆起した領域がポリカーボネートのシートの反対側のプレート面上に現れるように行われた。エンボス加工された領域の上面はそれから、熱間鍛造被膜を使って、黒く隆起した表示を提供するよう、黒くされた。
【0068】
このように作成されたナンバープレートが、光導体の平面の前部へ取り付けられた。ナンバープレートは、透明なポリカーボネートのシートが観察者から見て逆に向き、光導体の方へ向くように向けられた。ガラスの微小球を有するナンバープレートの反対側の面が観察者の方へ向けられた。光導体はそれから発光ダイオード(LED)で、側面から照らされた。LEDが点灯すると、光は光導体を通り抜け、観察者に向かってナンバープレートの背面を通って向けられた。アルミニウムが蒸着していない領域では、夕方や暗闇に相当する低周辺光の状態下で、光はナンバープレートを通り抜けプレートを観察者にとって可視にする。アルミニウムの層がある領域では、シーティングは再帰反射した。
【0069】
このように、実施例による照明されたナンバープレートは、車両のナンバープレートに指定されている適度な再帰反射性(再帰反射での観察条件下での夜の可視性)、並びに透明性(他の暗い観察条件下での暗視性を提供するため後方の照明を必要とされる)との望ましい組み合わせを示した。
【0070】
比較実施例
蒸着重合プロセス中にマスクを使用しなかったことを除く上記実施例によって、ナンバープレートが作成された。結果として作成された再帰反射シートは、連続的なアルミニウムの蒸着重合層を有した。
【0071】
このように作成された再帰反射シートを使って作成されたナンバープレートは、上記実施例のナンバープレートよりも多くの再帰反射性を有した。それは、5度の入口角βで76.2cd/(mlx)、30度の入口角βで41.7cd/(mlx)の再帰反射性の測定値を示した。再帰反射シートの領域全体に渡るガラスの微小球の後ろの不透明なアルミニウム層の存在によって、比較実施例のナンバープレートは光透過性ではなく、背後からの照明には適していなかった。
【0072】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明の説明に関連して、本発明をそこへ制限する意図なしに以下の図面に対する参照が行われる。また図面は純粋に概略図面であり、そこで示される特徴の様々な寸法は誇張されており、図面に示される様々な特徴の寸法の相対的比率は概略図面によって示される実際の実施形態内の比率には一般に対応しない場合がある。
【図1】本発明に関連した、半透明の再帰反射材料の反射層内の金属領域及びオープン領域の二次元のパターンを示す平面視。
【図2】本発明の実施形態に従った半透明の再帰反射材料の断面図。
【図3】ナンバープレートの平面視。
【図4】図3の線Aに沿った断面図であり、本発明に関連したナンバープレートの実施形態を示している。
【図5】本発明に従ったナンバープレート組立体の実施形態を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再帰反射面(16)及び反対側の後面(17)を有する半透明の再帰反射材料であって、該再帰反射材料は、透明領域及び不透明領域の規則的又は不規則な二次元のパターンを有し、前記再帰反射材料は、透明な微小球(20)の層及び透明な微小球の前記層の後ろに機能的に置かれた反射層を含み、前記反射層は、隣接する金属の金属領域(11)及び実質的に金属を有さないオープン領域(12)の規則的又は不規則な二次元のパターンを含み、前記反射層のオープン領域(12)は、前記再帰反射材料の透明領域に対応し、前記反射層の金属領域(11)は、前記再帰反射材料の不透明領域に対応し、前記透明な微小球(20)が前記透明及び不透明領域内に存在し、並びに前記透明領域が、前記再帰反射面(16)上の前記再帰反射材料の表面全体の少なくとも5%を構成する半透明の再帰反射材料。
【請求項2】
透明な領域が前記再帰反射面上の再帰反射材料の表面全体の15〜70%である、請求項1に記載の半透明の再帰反射材料。
【請求項3】
オープン領域及び/又は金属の領域の少なくとも一部が類似の大きさと形を有する、請求項1または2に記載の半透明の再帰反射材料。
【請求項4】
透明な微小球がガラスの球体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半透明の再帰反射材料。
【請求項5】
透明な微小球の前記層及び前記反射層の間に位置する、又は前記再帰反射層の上に提供された誘電体反射鏡を更に含む、半透明の再帰反射材料。
【請求項6】
ナンバープレートのナンバーを定める表示(210)を表示するディスプレイ面及び反対側の背面を有するナンバープレートであって、前記ナンバープレートは、背面から光が当たるように適応され、請求項1〜5のいずれか一項に記載されているように、前記ナンバープレートは半透明の再帰反射材料(320)を含み、半透明の再帰反射材料(320)は前記ナンバープレートのディスプレイ面を再帰反射するような方法で配置される、ナンバープレート。
【請求項7】
透明な高分子支持体を更に含む、請求項6に記載のナンバープレート。
【請求項8】
前記半透明の再帰反射材料が透明な接着剤層を介して前記透明な高分子支持体へ接着され、並びに透明な高分子支持体がナンバープレートの背面にある、請求項7に記載のナンバープレート。
【請求項9】
前記表示が隆起構造を含み、そして、不透明又はナンバープレートの背景領域と比較して減少した透明度を有する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のナンバープレート。
【請求項10】
前記表示が前記ナンバープレートのナンバーを表示する面の表面上に露出している、又は前記ナンバープレートのナンバーを表示する面上に埋められた、印刷された表示を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載のナンバープレート。
【請求項11】
前記ナンバープレートをナンバープレートの背面から光源によって照らすことができるように前記光源上に配列された、請求項6〜8のいずれか一項に記載の、光源(101、102)及びナンバープレート(300)を含むナンバープレート組立体。
【請求項12】
前記組立体が、前記ナンバープレートを取り付けることができる前面を有する光導体、その反対側の後面、及び1つ以上の側面を更に含み、前記光導体を照らすための1つ以上の光源が、少なくとも1つの前記側面の少なくとも一部に沿って配列される、請求項11に記載のナンバープレート組立体。
【請求項13】
前記光源が1つ以上のLED装置を含む、請求項12に記載のナンバープレート組立体。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか一項に記載のナンバープレート組立体を含む自動車またはトレーラー。
【請求項15】
請求項6〜10のいずれか一項に記載のナンバープレートの製造方法であって、前記方法は、(i)請求項1〜5のいずれか一項に記載の半透明の再帰反射材料を提供すること、(ii)前記半透明の再帰反射材料を所要の寸法に切ること、及びナンバープレートのナンバーを規定する表示を加えること、を含む方法。
【請求項16】
半透明の再帰反射材料を透明な高分子支持体へラミネート加工し、そのように得られたラミネートを前記表示へ加えるためのエンボス加工工程を更に含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−521720(P2009−521720A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547375(P2008−547375)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/048147
【国際公開番号】WO2007/075518
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】