説明

バッテリ予備充電回路

【課題】バッテリ電圧が低すぎるまたはゼロのとき、バッテリに予備充電するために、予備充電スイッチをオンする予備充電回路を提供する。
【解決手段】予備充電回路は、予備充電パスと、予備充電スイッチと、低電圧予備充電回路とを有する。予備充電パスは、充電器からバッテリに予備充電電流を供給するために、充電器とバッテリとの間に接続されている。予備充電スイッチは、予備充電パスの導通性を管理するために、予備充電パスに接続されている。低電圧予備充電回路は、予備充電スイッチを制御するために、予備充電スイッチに接続されている。低電圧予備充電回路は、バッテリのバッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、予備充電スイッチをオンにするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ保護回路に関するものであり、特にバッテリ予備充電(pre-charging)回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
典型的な大電力バッテリ保護回路では、充電ループおよび放電ループを制御するために、充電スイッチおよび放電スイッチがそれぞれ使用される。さらに、外部抵抗および予備充電スイッチは、予備充電の目的で使用される。
【0003】
従来技術の図1は、従来技術によって、予備充電が実行できる典型的なバッテリ保護回路100を示している。放電スイッチ112は放電ループを制御し、充電スイッチ110は充電ループを制御する。予備充電スイッチ214は、予備充電ループを制御する。
【0004】
予備充電の間、制御装置102は、スイッチ116をオンにするために、PCHGピンを介して電流を流す。したがって、予備充電スイッチのゲートは、バッテリの正端子に接続されている。そこで、バッテリを予備充電するために、予備充電スイッチ214はオンにされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バッテリ電圧が低すぎるとき、前記制御装置は動作できず、スイッチ116をオンにするための電流を十分に流すことができない。換言すれば、バッテリ電圧が低すぎるまたはゼロのとき、バッテリに予備充電するために予備充電スイッチをオンすることができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バッテリ予備充電回路を提供する。本発明の一実施形態によれば、予備充電回路は、予備充電パスと、予備充電スイッチと、低電圧予備充電回路とを有する。前記予備充電パスは、充電器からバッテリに予備充電電流を供給するために、充電器とバッテリとの間に接続されている。前記予備充電スイッチは、予備充電パスの導通を管理するために、予備充電パスに接続されている。前記低電圧予備充電回路は、予備充電スイッチを制御するために、予備充電スイッチに接続されている。前記低電圧予備充電回路は、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、前記予備充電スイッチをオンにするように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
特許請求の範囲に記載された対象の実施形態の特徴及び利点は、以下の詳細な説明および図面を参照して明らかとなる。図面では、同一部品に同一番号が付されている。
【0008】
ここで、本発明の実施形態について説明する。本発明を好ましい実施態様に関して説明するが、無論、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨および範囲内に含まれる代替手段、変更および均等物の内容を含むものとする。
【0009】
さらに、下記の本発明の詳細な説明では、本発明を完全に理解するために、多くの具体例の詳細が記載されている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細が無くても実施できることは、当業者には明らかである。また、良く知られている方法、手順、成分および回路は、本発明の態様を不必要に混乱させない様に、詳細には説明していない。
【0010】
図2は、本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路200の回路図を示している。予備充電回路200は、バッテリ101と、バッテリ101に接続された充電器104と、充電器104からバッテリ101に予備充電電流を供給するために充電器104とバッテリ101との間に接続された予備充電パスと、予備充電パスを流れる電流を管理するために予備充電パスに接続された予備充電スイッチ214と、低電圧予備充電回路202とを有する。
【0011】
前記低電圧予備充電回路202は、予備充電スイッチ214を制御するために、予備充電スイッチ214に接続されている。より詳細には、低電圧予備充電回路202は、前記バッテリのバッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、予備充電スイッチ214をオンにするように構成されている。
【0012】
さらに、予備充電回路200は、通常(normal)予備充電回路201を有する。また、通常予備充電回路201は、予備充電スイッチ214を制御するために、予備充電スイッチ214に接続されている。より詳細には、通常予備充電回路201は、前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、予備充電スイッチ214をオンにするように構成されている。
【0013】
一実施形態として、前記予備充電パスは、放電スイッチ112のボディダイオード212と、予備充電スイッチ214とを有する。予備充電スイッチ214がオンにされたとき、前記予備充電電流は、充電器104と、バッテリ101と、ボディダイオード212と、予備充電スイッチ214とを介して予備充電のためにバッテリ101に流れる。
【0014】
さらに、予備充電回路200は、前記制御装置102が動作可能であるとき、前記通常予備充電回路201を導通させるために、前記通常予備充電回路201に接続された制御装置102を有する。また、前記制御装置102が充電スイッチ112および放電スイッチ110を制御することに使用される点に、留意すべきである。
【0015】
バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて4.5V)以上であるときに、制御装置102は動作可能である。換言すれば、前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、通常予備充電回路201が電流を流す。
【0016】
制御装置102は、バッテリ101によって供給された電源電圧を持つ電源端子VD33を有する。バッテリ101が制御装置201の電源端子VD33に十分な電力を供給するときに、制御装置102は動作可能である。一実施形態として、前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、バッテリ101は制御装置102に十分な電力を供給することができる。したがって、制御装置102はスイッチ116をオンさせるのに十分な電流を流すことができるとともに、通常予備充電回路201は電流を流す。しかしながら、前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧以下であるときは、制御装置102は動作可能ではない。そのようなものとして、制御装置102はスイッチ116をオンするために十分な電流を流すことができない。
【0017】
効果として、前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、前記低電圧予備充電回路202は電流を流す。
【0018】
前記低電圧予備充電回路202は、前記低電圧予備充電回路202の導通性を制御するために、グランドに接続された第1制御スイッチ220を有する。一実施形態として、第1制御スイッチ220がオンにされたとき、電流がグランドからスイッチ220、ダイオード230、抵抗240、ノードN2に流れる。したがって、前記第1制御スイッチ220がオンにされたとき、前記低電圧予備充電回路202が導通状態となる。その結果、前記予備充電スイッチ214はオンにされる。
【0019】
さらに、前記低電圧予備充電回路202は、第1制御スイッチ220を制御するために、第1制御スイッチ220に接続された第2制御スイッチ222を有する。一実施形態として、前記第2制御スイッチ222がオフにされたとき、前記第1制御スイッチ220はオンにされる。
【0020】
上述のように、前記制御装置102は、電源端子VD33を有する。電源端子VD33は、第2制御スイッチ222を制御するために、低電圧予備充電回路202に接続されている。
【0021】
一実施形態として、前記第2制御スイッチ222はPチャネルMOSFETである。前記端子VD33での電源電圧が第2制御スイッチ222の閾値電圧(例えば、2.5V)以下であるとき、第2制御スイッチ222はオフのままでいる。上述のように、端子VD33での電源電圧は、バッテリ101によって供給される。そのようなものの一実施形態として、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて3.5V)以下であるとき、前記端子VD33での電源電圧は第2制御スイッチ222の閾値電圧(例えば、2.5V)以下である。したがって、一実施形態として、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧以下であるとき、前記第2制御スイッチ222がオフにされる。
【0022】
上述のように、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧以下であるとき(すなわち、前記端子VD33での電源電圧が第2制御スイッチ222の閾値電圧以下であるとき)、前記第2制御スイッチ222はオフにされる。したがって、ノードN1での電圧はグランドに対して負である。一実施形態として、第1制御スイッチ220は、PチャネルMOSFETである。結果として、第1制御スイッチ220はオンにされる。したがって、一実施形態として、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧以下であるときに、第1制御スイッチ220はオンにされる。
【0023】
一実施形態として、前記予備充電スイッチ214は、NチャネルMOSFETである。前記第1制御スイッチ220がオンにされたとき、充電器104の負端子CHG−での電圧は、ノードN2での電圧に対して負である。したがって、予備充電スイッチ214は、前記予備充電パスを導通させるために、オンにされる。
【0024】
動作において、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧以上であるとき、前記通常予備充電回路201は前記予備充電スイッチ制御するための電流を流す。前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、前記低電圧予備充電回路202は、予備充電スイッチを制御するための電流を流す。
【0025】
通常、前記端子VD33での電源電圧が電源電圧閾値(例えば、3.3V)以上であるとき、前記制御装置102は動作可能である。前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて4.5V)以上である限り、前記制御装置102は、端子VD33での電源電圧を電源電圧閾値(例えば、3.3V)以上に維持することができる。したがって、制御装置102は、通常予備充電回路201のなかのスイッチ116をオンにするために、端子PCHGにおいて十分な電流を流す。一旦、スイッチ115がオンにされると、予備充電スイッチ214はオンにされる。前記予備充電パスは、前記ボディダイオード212および前記予備充電スイッチ214を介して導通する。したがって、前記バッテリ101は、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧以上であるとき、前記予備充電回路201によって予備充電(pre-charged)される。
【0026】
その一方、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて4.5V)以下であるとき、端子VD33での電源電圧は電源電圧閾値(例えば3.3V)以下となる。端子VD33での電源電圧が前記電源電圧閾値(例えば3.3V)以下であるとき、制御装置102は動作可能ではない。したがって、制御装置102が動作可能ではないので、バッテリ101は、通常予備充電回路201によって予備充電されることはできない。
【0027】
上述のように、バッテリ電圧が低すぎるとき、制御装置102が動作可能ではないとともに、バッテリ101が通常予備充電回路201によって予備充電されることはできない。しかしながら、一実施形態において、前記バッテリ電圧が第1電源電圧以下である限り、バッテリ101は低電圧予備充電回路202によって予備充電されることができる。
【0028】
より詳細には、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて3.5V)以下であるとき、端子VD33での電源電圧は第2制御スイッチの閾値電圧(例えば2.5V)以下である。一実施形態として、第2制御スイッチ222は、PチャネルMOSFETである。この場合、そのゲート・ソース電圧がその閾値電圧よりも低いので、第2制御スイッチ222はオフにされる。したがって、ノードN1での電圧はグランドに対して負であるとともに、第1制御スイッチ(PチャネルMOSFET)220はオンにされる。
【0029】
さらに、充電器104の端末CHG−での電圧は、ノードN2での電圧に対して負である。したがって、予備充電スイッチ(NチャネルMOSFET)214は、予備充電パスを導通させるために、オンにされる。予備充電パスは、ボディダイオード212および予備充電スイッチ214を介して導通する。したがって、前記バッテリ101は、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧以下であるときに、低電圧プリチャージ回路202によってプリチャージされる。
【0030】
一実施形態の効果として、前記バッテリ電圧がゼロまで下がったときに、前記低電圧予備充電回路202は、前記バッテリ101を予備充電するために、予備充電スイッチ214をオンにすることが依然として可能である。
【0031】
図2においては、バッテリ充電ループがいかなる時でも完全にオフにされることがない。いつも充電器102から充電電流が流れ、バッテリ101、抵抗250、抵抗252、ダイオード232を通って、充電器102に戻る。さらに、充電器104が存在しているとき、端子VD33からスイッチ222および抵抗252を通ってグランドまでへの直流パスがある。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路300の回路図を示している。バッテリ・予備充電回路300は、図2にしめされているように、抵抗250が取り外されている。その他のすべての要素および構成は、図2に示されているものと同一である。したがって、図2におけるものと同様の機能を持つ要素は、同一の符号を付けてあるとともに、簡素化および明確化のために、ここでは説明を繰り返さない。さらに、図3は、通常予備充電回路301および低電圧予備充電回路302のみを示している。充電および放電ループは、簡素化および明確化のために、ここでは省略されている。
【0033】
図3を参照すると、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、端子VD33での電源電圧は、第2制御スイッチ(PチャネルMOSFET)222の閾値電圧以下となる。したがって、一実施形態として、第2制御スイッチ222はオフにされ、さらに第1制御スイッチ(NチャネルMOSFET)220はオンにされる。予備充電スイッチ214は、バッテリ101への予備充電を許可するために、オンにされる。したがって、低電圧予備充電回路302は、前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、予備充電スイッチ214をオンにする。通常予備充電回路301の動作は図2における通常予備充電回路201のものと同様であるので、簡素化および明確化のために、重複した説明はここでは省略されている。
【0034】
効果として、図2に示されている抵抗250を取り除くことで、図3におけるバッテリ・プリチャージ回路300は、図2に示すようなオフにすることができない充電ループを取り除いている。
【0035】
しかしながら、図3では、第2制御スイッチ222がオフにされたとき、第1制御スイッチ220のゲート・ソース電圧が高くなる。さらに、充電器104が存在しているとき、端子VD33からスイッチ222および抵抗252を通ってグランドまでの直流パスが依然としてある。本発明の他の実施形態が図4および図5に示されている。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路400の回路図を示している。図2および図3におけるものと同様の機能を持つ要素は、同一の符号を付けてあるとともに、簡素化および明確化のために、ここでは説明を繰り返さない。
【0037】
図4を参照すると、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、端子VD33での電源電圧は第2制御スイッチ222の閾値電圧以下となる。したがって、第2制御スイッチ222はオフである。そうすると、第1制御スイッチ220のゲートが抵抗252と、ダイオード232と、抵抗240と、抵抗443とを介して充電器104の負端子CHG−に接続される。第1制御スイッチ220は、オンにされる。したがって、予備充電スイッチ214は、バッテリ101への予備充電を許可するために、オンにされる。したがって、低電圧予備充電回路402は、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、予備充電スイッチ214をオンにする。通常予備充電回路401の動作は図2における通常予備充電回路201のものと同様であるので、簡素化および明確化のために、反復した説明はここでは省略されている。
【0038】
一実施形態の効果として、図4における第1制御スイッチ220のゲート・ソース電圧は、抵抗240および抵抗443に渡る電圧降下のために、図3における第1制御スイッチ220のゲート・ソース電圧よりも低い。その結果、図4における第1制御スイッチ220の破損を回避することができる。
【0039】
さらに、充電器104が存在しているとき、また、端子VD33からスイッチ222と、抵抗252と、抵抗240と、抵抗443を通ってグランドまでの直流パスがある。図2および図3の両方に戻って参照すると、充電器104が存在しているときに、端子VD33からスイッチ222および抵抗252を通ってグランドまでの直流パスがある。効果として、図4において端子VD33からスイッチ222と、抵抗252と、抵抗240と、抵抗443とを通ってグランドまで流れている直流電流は、図2および図3において端子VD33からスイッチ222および抵抗252を通ってグランドまで流れている直流電流よりもはるかに小さい。したがって、図4での消費電力は低減される。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路5001の回路図を示している。図2、図3および図4におけるものと同様の機能を持つ要素は、同一の符号を付けてあるとともに、簡素化および明確化のために、ここでは説明を繰り返さない。
【0041】
図5を参照すると、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、端子VD33での電源電圧は、第2制御スイッチ(PチャネルMOSFET)222の閾値電圧以下である。したがって、第2制御スイッチ222はオフである。そうすると、第1制御スイッチのゲートは、充電器104の負端子CGH−に、抵抗252と、ダイオード232と、抵抗240と、抵抗443とを介して接続されている。前記第1制御スイッチ(NチャネルMOSFET)220はオンにされる。したがって、予備充電スイッチ214は、バッテリ101への予備充電を許可するために、オンにされる。そうすると、低電圧予備充電回路502は、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、レチャージ・スイッチ214をオンにする。通常予備充電回路501の動作は図2の通常予備充電回路のものと同様であるので、簡素化および明確化のために、重複した説明はここでは省略する。
【0042】
図5を再び参照すると、図5における端子VD33から充電器の負端子CGH−までの直流パスは、図4の直流パスと比較して、さらに一つの抵抗542を有する。効果として、図5の実施形態は、さらに消費電力を低減する。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路600の回路図を示している。図2、図3、図4および図5におけるものと同様の機能を持つ要素は、同一の符号を付けてあるとともに、簡素化および明確化のために、ここでは説明を繰り返さない。
【0044】
図6を参照すると、バッテリ・予備充電回路600は、バッテリ101と、バッテリ101に接続された充電器104と、充電器104からバッテリ101に予備充電電流を供給するために充電器104とバッテリ101との間に接続された予備充電パスと、予備充電パスを流れる電流を管理するために予備充電パスに接続された予備充電スイッチ214と、バッテリ101に接続された制御装置102と、低電圧予備充電回路602と、通常予備充電回路601とを有する。
【0045】
低電圧予備充電回路602は、予備充電スイッチ214を制御するために、バッテリ101と予備充電スイッチ214との間に接続されている。より詳細には、低電圧予備充電回路602は、バッテリ電圧が第1電圧レベル以下であるときに、予備充電スイッチ214をオンにするように構成されている。
【0046】
通常予備充電回路601は、予備充電スイッチ214を制御するために、制御装置102と予備充電スイッチ214との間に接続されている。より詳細には、通常予備充電回路601は、バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、予備充電スイッチ214をオンにするように構成されている。
【0047】
制御装置102は、通常予備充電回路601の導通性(conductance)を制御するために、前記通常予備充電回路601に接続されている。また、制御装置102は、充電スイッチ112および放電スイッチ110の制御に使用されることに、留意すべきである。充電および放電制御の詳細な動作は、簡素化および明確化のために、ここでは省略される。
【0048】
図2を参照して説明されているように、制御装置102は、バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて4.5V)以上であるときに、動作可能である。換言すれば、バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、通常予備充電回路601は導通する。
【0049】
バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、低電圧予備充電回路602は導通する。
【0050】
低電圧予備充電回路602は、低電圧予備充電回路601の導通性を制御するための制御スイッチ620を有する。制御スイッチ620は、バッテリ電圧が第1電圧レベル以下であるときに、オンにされる。したがって、予備充電スイッチ214は、バッテリ101を予備充電(pre-charge)するために、予備充電パスで電流を流すために、オンにされる。
【0051】
一実施形態として、制御スイッチ620は、NチャネルMOSFETである。充電電圧Vpackとバッテリ電圧Vbattとの間の差が抵抗240,542,442およびダイオード230に渡る電圧と、制御スイッチ620の閾値電圧Vthとの合計よりも大きい限り、制御スイッチ620はオンにされる。換言すれば、一実施形態として、バッテリ電圧Vbattが第1電圧レベル以下であるとき、制御スイッチ620はオンにされる。
【0052】
一実施形態として、予備充電スイッチ214は、NチャネルMOSFETである。制御スイッチ620がオンにされたとき、充電器104の負端子CHG−での電圧は、NチャネルMOSFET620のゲートでの電圧に対して負である。したがって、予備充電スイッチ214は、予備充電パスを導通させるために、オンにされる。
【0053】
効果として、一実施形態としては、図6における抵抗240,542,443の抵抗およびスイッチ116の内部抵抗を調整することによって、前記第1バッテリ電圧レベルが第2バッテリ電圧レベルよりも高くなることができる。したがって、低電圧予備充電回路602と通常予備充電回路601の両方が予備充電スイッチ214をオンにする動作をする一定期間がある。これは、低電圧予備充電動作と通常予備充電動作との間をスムーズに移行することを導く。
【0054】
動作において、バッテリ電圧が第2バッテリ電圧以上であるとき、通常予備充電回路601は、前記予備充電スイッチを制御する電流を流す。バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、低電圧予備充電回路602は、前記予備充電スイッチを制御する電流を流す。
【0055】
上述のように、端子VD33での電源電圧が例えば3.3Vの電源電圧閾値以上であるときに、制御装置102は動作可能である。バッテリ電圧が第2バッテリ電圧(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて4.5V)以上である限り、制御装置102は、端子VD33での電源電圧を電源電圧閾値(例えば、3.3V)以上に維持することができる。したがって、制御装置102は、通常予備充電回路601のなかのスイッチ116をオンにするために、端子PCHGにおいて十分な電流を流す。一旦、スイッチ116がオンにされると、予備充電スイッチ214はオンにされる。前記予備充電パスは、前記ボディダイオード212および前記予備充電スイッチ214を介して導通する。したがって、バッテリ101は、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧以上であるとき、前記通常予備充電回路601によって予備充電される。
【0056】
その一方、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧(例えば、リチウム・イオン・バッテリパックについて4.5V)以下であるとき、端子VD33での電源電圧は電源電圧閾値(例えば3.3V)以下となる。端子VD33での電源電圧が前記電源電圧閾値(例えば3.3V)以下であるとき、制御装置102は動作可能ではない。したがって、制御装置102が動作可能ではないので、バッテリ101は、通常予備充電回路601によって予備充電されることはできない。
【0057】
上述のように、バッテリ電圧が低すぎるとき、制御装置102は動作可能ではないとともに、バッテリ101を通常予備充電回路601によって予備充電することができない。しかしながら、バッテリ電圧が第1電源電圧以下である限り、バッテリ101は低電圧予備充電回路602によって充電されることができる。
【0058】
さらに詳細には、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧(例えばVpack −V240−V542−V443−V230−Vth)以下であるとき、制御スイッチ620はオンにされる。一実施形態として、予備充電スイッチ214は、NチャネルMOSFETである。制御スイッチ620がオンにされたとき、充電器104の負端子CHG−での電圧は、制御スイッチ620のゲートでの電圧に対して負である。したがって、予備充電スイッチ214は、予備充電パスを導通させるために、オンにされる。したがって、バッテリ101は、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧以下であるとき、前記低電圧予備充電回路601によって予備充電される。
【0059】
効果として、一実施形態としては、バッテリ電圧がゼロに下がったとき、低電圧予備充電回路502は、バッテリ101を予備充電するために、依然として、予備充電スイッチ214をオンにすることができる。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態に係る電子装置700の回路図を示している。電子装置700は、負荷710と、負荷710に電力を供給するために負荷710に接続されたバッテリ101と、バッテリ101に接続された充電器104と、バッテリ101に充電電流を供給するためにバッテリ101に接続された充電回路720と、バッテリ101に放電電流を流させるためにバッテリ101に接続された放電回路730と、バッテリ101に予備充電電流を供給するためにバッテリ101に接続された予備充電回路740とを有する。
【0061】
さらに、前記予備充電回路740は、一実施形態として、図2,図3,図4,図5および図6に示されているような予備充電回路に類似している。例えば、一実施形態として、図7の予備充電回路740は、充電器104からバッテリ101に予備充電電流を供給するために充電器104とバッテリ101との間に接続された予備充電パスと、予備充電パスを流れる電流を管理するために予備充電パスに接続された予備充電スイッチ214と、図2に示すような低電圧予備充電回路202とを有するものとしてもよい。さらに、予備充電回路740は、図2に示すような通常予備充電回路201を有するものとしてもよい。図2の予備充電回路についての詳細な説明は、簡素化および明確化のために、重複した説明がないように記載されている。
【0062】
したがって、本発明は、バッテリ電圧が低いまたは平均ゼロのときに、予備充電(pre-charge)を実行できるバッテリ・予備充電(予備充電)回路を提供する。そこで、本発明は、バッテリ電圧が低いときにバッテリに低電圧で予備充電し、制御装置が動作可能であるときに普通に予備充電する。
【0063】
以上の詳細な説明および図面は、本発明の好適実施形態を示しており、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の技術思想の趣旨および範囲から逸脱しない範囲で、そこに様々な追加、変更および置換が可能であると理解されるべきである。本発明は、本発明の技術思想から逸脱しないことを条件として、形式、構成、処理、比率、材質、要素および構成部品並びにその他のについて、多くの変更をすることができ、それらを本発明の実施において使用することができ、特定の環境で特に使用され動作することが可能であると、当業者は理解する。したがって、ここで開示された実施形態は、あらゆる点で一例であって、添付の特許請求の範囲によって示されている本発明の範囲およびそれらの適法な均等物について、限定的なものではなく、以上の詳細な説明に制限されないことに配慮される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来技術に係る予備充電を実行できる典型的なバッテリ保護回路を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路の回路図を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路の他の回路図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路の他の回路図を示す。
【図5】本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路の他の回路図を示す。
【図6】本発明の一実施形態に係るバッテリ・予備充電回路の他の回路図を示す。
【図7】本発明の一実施形態に係る電子装置の回路図を示す。
【符号の説明】
【0065】
101 バッテリ
102 制御装置
104 充電器
200 予備充電回路
201 通常予備充電回路
202 低電圧予備充電回路
214 予備充電スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器からバッテリに予備充電電流を供給するために、前記充電器と前記バッテリとの間に接続された予備充電パスと、
前記予備充電パスに電流を流すために、前記予備充電パスに接続された予備充電スイッチと、
前記予備充電スイッチを制御するために前記予備充電スイッチに接続された低電圧予備充電回路とを有し、
前記低電圧予備充電回路は、前記バッテリのバッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下のときに、前記予備充電スイッチをオンにするように構成されていることを特徴とする予備充電回路。
【請求項2】
前記予備充電スイッチを制御するために前記予備充電スイッチに接続された通常予備充電回路をさらに有し、
前記通常予備充電回路は、前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上のときに、前記予備充電スイッチをオンにするように構成されている請求項1に記載の予備充電回路。
【請求項3】
前記通常予備充電回路に接続された制御装置をさらに有し、
前記制御装置は、該制御装置が動作可能なときに、前記通常予備充電回路を動作させるためのものであり、
さらに前記制御装置は、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧レベル以上のときに、動作可能となるものである請求項2に記載の予備充電回路。
【請求項4】
前記低電圧予備充電回路は、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下のときに、動作するものである請求項3に記載の予備充電回路。
【請求項5】
前記低電圧予備充電回路は、該低電圧予備充電回路の導通性を制御する第1制御スイッチを有する請求項4に記載の予備充電回路。
【請求項6】
前記低電圧予備充電回路は、前記第1制御スイッチを制御するために、前記第1制御スイッチに接続された第2制御スイッチをさらに有する請求項5に記載の予備充電回路。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第2制御スイッチを制御するために、前記第2制御スイッチに接続された電源端子を有し、
前記電源端子からの供給電力は、前記バッテリによって供給される請求項6に記載の予備充電回路。
【請求項8】
前記第1制御スイッチは、前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧以下であるとき、オンにされる請求項5に記載の予備充電回路。
【請求項9】
前記第2制御スイッチは、前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧以下であるとき、オフにされる請求項7に記載の予備充電回路。
【請求項10】
充電器からバッテリに予備充電電流を供給するために、前記充電器と前記バッテリとの間に接続された予備充電パスと、
前記予備充電パスに電流を流すために、前記予備充電パスに接続された予備充電スイッチと、
前記予備充電スイッチを制御するために、前記バッテリと前記予備充電スイッチとの間に接続された低電圧予備充電回路と、
前記予備充電スイッチを制御するために、制御装置と前記予備充電スイッチとの間に接続された通常予備充電回路と、
前記通常予備充電回路に接続された制御装置とを有し、
前記低電圧予備充電回路は、前記バッテリのバッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、前記予備充電スイッチをオンにするように構成されており、
前記通常予備充電回路は、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧レベル以上のときに、前記予備充電スイッチをオンにするように構成されており、
前記制御装置は、該制御装置が動作可能なときに、前記通常予備充電回路を動作させるものであり、
さらに前記制御装置は、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、動作可能となるものであることを特徴とする予備充電回路。
【請求項11】
前記第1バッテリ電圧レベルは、前記第2バッテリ電圧レベルよりも高い請求項10に記載の予備充電回路。
【請求項12】
前記低電圧予備充電回路は、前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧よりも低いときに、動作する請求項11に記載の予備充電回路。
【請求項13】
前記低電圧予備充電回路は、該低電圧予備充電回路の導通を制御するための制御スイッチを有する請求項12に記載の予備充電回路。
【請求項14】
前記制御スイッチは、前記バッテリ電圧が前記第2バッテリ電圧レベルよりも低いとき、オンにされる請求項13に記載の予備充電回路。
【請求項15】
バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、予備充電スイッチを制御するために、低電圧予備充電回路から電流を流すステップと、
前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧以上であるとき、前記予備充電スイッチを制御するために、通常予備充電回路から電流を流すステップと、
予備充電パスにおける前記予備充電スイッチをオンにするステップと、
予備充電電流をバッテリに供給するために、前記予備充電パスにおいて電流を流すステップとを有する予備充電方法。
【請求項16】
前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧レベル以下であるときに、前記低電圧予備充電回路に導通性を生じさせるために、前記低電圧予備充電回路における第1制御スイッチをオンにするステップをさらに有する請求項17に記載の方法。
【請求項17】
前記バッテリ電圧が前記第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、前記第1制御スイッチに導通性を生じさせるために、前記低電圧予備充電回路における第2制御スイッチをオフにするステップをさらに有する請求項19に記載の方法。
【請求項18】
負荷と、
前記負荷に電力を供給するために、前記負荷に接続されたバッテリと、
前記バッテリに接続された充電器と、
前記バッテリに充電電流を供給するために、前記バッテリに接続された充電回路と、
前記バッテリに放電電流を生じさせるために、前記バッテリに接続された放電回路と、
予備充電電流を前記バッテリに供給するために、前記バッテリに接続された予備充電回路とを有し、
前記予備充電回路は、
前記充電器から前記バッテリに予備充電電流を供給するために、前記充電器と前記バッテリとの間に接続された予備充電パスと、
前記予備充電パスを管理するために、前記予備充電パスに接続された予備充電スイッチと、
前記予備充電スイッチを制御するために、前記予備充電スイッチに接続された低電圧予備充電回路とを有し、
前記低電圧予備充電回路は、前記バッテリ電圧が第1バッテリ電圧レベル以下であるとき、前記予備充電スイッチをオンさせる構成となっていることを特徴とする電子装置。
【請求項19】
前記予備充電回路は、前記予備充電スイッチを制御するために、前記予備充電スイッチに接続された通常予備充電回路をさらに有し、
前記通常予備充電回路は、前記バッテリ電圧が第2バッテリ電圧レベル以上であるときに、前記予備充電スイッチをオンにするように構成されている請求項18に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−161034(P2008−161034A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108609(P2007−108609)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】