説明

バルブのシール構造

【課題】バルブの開閉作動に合わせて一対のシール要素が互いに接離する構造のバルブのシール構造において、シール要素にゴムパッキンのようなへたりを生じにくく、もって弁開時に形成される流路幅を高精度に設定することが可能なバルブのシール構造を提供する。
【解決手段】他方のシール要素に接離自在に当接する一方のシール要素は、予め平板を立体構造に加工した形状を有して圧縮時にバネ性を発揮可能な板バネ部材16よりなり、この板バネ部材16の当接部16cにシールゴム17aが被着されている。板バネ部材16は、取付部16aに一体成形された斜面部16bを有しており、この斜面部16bは、弁閉時に流体圧力を受けてシールゴム17aを一方のシール要素に押し付ける形状を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブの開閉作動に合わせて一対のシール要素が互いに接離する構造のバルブのシール構造に関するものである。本発明のシール構造は例えば、燃料電池用高圧ガスバルブの開閉作動部に用いられる。
【背景技術】
【0002】
図7に示す従来のバルブ装置51においてはその閉弁作動時、他方のシール要素であるバルブボディ側の弁座面52に対して、一方のシール要素である弁体側のゴムパッキン53が接離自在に当接するように構成されており、ゴムパッキン53は当接時、所定のつぶし代をもって弁座面52に押し付けられる(尚、図上矢印Aは、弁開時における流体(ガス)の流れ方向を示している)。
【0003】
しかしながら近年、流体流量制御の高精度化を実現するため、弁開時に弁座面52およびゴムパッキン53間に形成される流路幅Cの寸法を高精度に設定することが求められており、この点、ゴムパッキン53ではその材質上へたりを生じ易いことから、この要求に対して充分に応えることができない。また、ゴムの加工については金属の加工ほどに加工精度が出せないことからも、流路幅Cに誤差が生じ易くなっている。
【0004】
尚、本願出願人は先に、板バネを用いるバルブとして、下記特許文献1または2に掲載されたバルブ構造を提案しているが、これらの先行技術は何れもバルブ本体をバルブハウジングに装着するために板バネを用いるものであって、本発明のように直接のシール要素として板バネ部材を用いるものではない。
【0005】
【特許文献1】特開2006−156868号公報
【特許文献2】特開2003−197483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に鑑みて、シール要素にゴムパッキンのようなへたりを生じにくく、もって弁開時に形成される流路幅を高精度に設定することが可能なバルブのシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるシール構造は、バルブの開閉作動に合わせて一対のシール要素が互いに接離する構造のバルブのシール構造において、他方のシール要素に接離自在に当接する一方のシール要素は、予め平板を立体構造に加工した形状を有して圧縮時にバネ性を発揮可能な板バネ部材よりなり、前記板バネ部材の当接部にはシールゴムが被着されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2によるシール構造は、上記した請求項1記載のシール構造において、板バネ部材は、断面略コ字状またはU字状に成形されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3によるシール構造は、上記した請求項1記載のシール構造において、板バネ部材は、保持部材に取り付けられる取付部に一体成形された斜面部を有し、前記斜面部は、弁閉時に流体圧力を受けてシールゴムを他方のシール要素に押し付ける形状を有していることを特徴とする。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項1によるシール構造のように、他方のシール要素と組み合わされる一方のシール要素として従来のゴムパッキンに代えて、予め平板を立体構造として圧縮時にバネ性を発揮する板バネ部材を使用すると、この板バネ部材が材質上へたりを生じにくく、また加工精度を出し易いものであることから、弁開時における流路幅を高精度に設定することが可能となる。板バネ部材は、圧縮時に弾性変形してバネ性を発揮するよう予め立体構造のものとして製作されており、その構造例としては、一部に弾性リップ片を有する、断面略コ字状またはU字状のもの(請求項2)や、取付部に斜面部を一体成形したもの(請求項3)などが好適である。
【0011】
またこれに加えて、請求項3に記載したように、板バネ部材が取付部に一体成形された斜面部を有し、この斜面部が弁閉時に流体圧力を受けてシールゴムを他方のシール要素に押し付ける形状とされていると、弁閉時に板バネ部材のバネ性に加えて流体圧力によってシールゴムが一方のシール要素に強く押し付けられることになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0013】
すなわち、本発明の各請求項によるシール構造においては上記したように、他方のシール要素と組み合わされる一方のシール要素として、予め平板を立体構造に加工した形状を有して圧縮時にバネ性を発揮可能な板バネ部材が使用され、この板バネ部材が材質上へたりを生じにくく、また加工精度を出し易いものであることから、弁開時における流路幅を高精度に設定することが可能とされている。したがって本発明所期の目的どおり、シール要素にへたりを生じにくく、もって弁開時に形成される流路幅を高精度に設定可能で、流量制御の高精度化に寄与することができるバルブのシール構造を提供することができる。
【0014】
また、板バネ部材の当接部にはシールゴムが被着されているので、弁閉時に微少漏れが発生することはない。また、板バネ部材の当接部に被着されるシールゴムは従来のゴムパッキンと比較して充分に薄いので、そのへたりが問題化することもない。
【0015】
またこれに加えて、本発明の請求項3によるシール構造においては、板バネ部材の斜面部が弁閉時に流体圧力を受けてシールゴムを他方のシール要素に押し付けることにより、弁閉時におけるシール性を一層増大させることが可能とされている。したがって、シール要素にへたりを生じにくく、弁開時に形成される流路幅を高精度に設定可能で、流量制御の高精度化に寄与することができ、しかも弁閉時のシール性に優れたバルブのシール構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
【0017】
すなわち、板バネを使用することによって安定したシール反力を出しつつ、ゴムのへたり等による経時変化等の影響をなくす。そして、接触面にゴムを焼き付けることにより微もれを防ぎ、シール性を確保する。
【実施例】
【0018】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0019】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るバルブのシール構造を示している。当該第一実施例ならびに後記する第二および第三実施例は請求項1および請求項2についての実施例である。
【0020】
当該第一実施例に係るシール構造は、バルブの開閉作動に合わせて一対のシール要素が互いに接離するものであって、この一対のシール要素が、金属等の剛性部品よりなるバルブボディ1側の弁座面2と、この弁座面2に接離自在に当接する弁体4側の板バネ部材6との組み合わせにより構成されている。
【0021】
板バネ部材6は、金属板等の剛板によって環状に成形され、保持部材である弁体4の端面に設けた環状の装着溝5に装着され、弁閉時、弁座面2に当接してバルブボディ1側の弁孔3を閉塞するものであって、更に以下のように構成されている。
【0022】
すなわち、この板バネ部材6は、予め平板(金属平板)を立体構造に加工した形状を有して圧縮時にバネ性を発揮することが可能とされており、具体的には図示するように内径側(低圧側)を開放した断面略コ字状の環状体として成形されており、装着溝5の底面5a側に配置される固定部(固定板部)6aと、軸方向の立ち上がり部(立ち上がり板部)6bと、弁座面2側に配置される当接部(当接板部)6cとを一体に有している。上記コの字はバルブの内径側が開放されているが、これに代えてバルブの外径側(高圧側)が開放されていても良く、すなわち径方向の何れか一方が開放されていれば良い。当接部6cは当該板バネ部材6の弾性リップ片をなすもので、少なくともその先端部位は装着溝5の外部へ突出するよう配置され、その外側端面(図では上面)に環状のシールゴム7aが被着(接着)され、このシールゴム7aが弁座面2に接離自在に密接する構成とされている。
【0023】
シールゴム7aは、金属製の板バネ部材6の外面に被着したゴム状弾性体7の一部としてリップ状に設けられている。ゴム状弾性体7にはシールゴム7aのほかに、固定部6aの外側端面(図では下面)に被着されて、固定部6aと装着溝5の底面5aとの間をシールする第二シールゴム7b、および立ち上がり部6bの外周面に被着されて、立ち上がり部6bと装着溝5の側面5bとの間をシールする第三シールゴム7cが一体に設けられている。
【0024】
ゴム状弾性体7を被着した板バネ部材6は、図示するように弁体4に設けた装着溝5に装着される。図は弁開状態を示しており、移送流体である高圧ガスは矢印A方向に流れている。この弁開状態からソレノイドへの励磁等により閉弁作動が開始されて弁体4が弁座面2に近付く方向へストロークすると、板バネ部材6の当接部6cに被着したシールゴム7aが弁座面2に当接し、圧縮され、次いで板バネ部材6にも閉弁力が作用し、板バネ部材6はコの字の開口幅を狭めるよう弾性変形し、その反力によってシールゴム7aを弁座面2に強く押し付け、弁閉状態が実現される。
【0025】
金属板により成形された板バネ部材6は、繰り返し弾性変形してもへたりを生じにくいものである。また金属板により成形された板バネ部材6は、その製作時に加工精度を出し易いものである。したがって、弁開時に弁座面2およびシールゴム7a間に形成される流路幅Cを長期間に亙って高精度に設定・維持することが可能とされている。
【0026】
また、板バネ部材6の当接部6cにシールゴム7aが被着されてこのシールゴム7aが弁座面2に密接するよう構成されているために、弁閉時にいわゆるメタルタッチは発生せず、よってメタルタッチを原因とする微少漏れが発生するのを防止することが可能とされている。
【0027】
また、シールゴム7aはゴム材であるのでそのへたりが懸念されるが、充分に薄く設定されているので、そのへたりが問題化することはない。
【0028】
第二実施例・・・
尚、上記第一実施例では、シールゴム7aをゴム状弾性体7の一部として第二および第三シールゴム7b,7cとともに一体成形したが、これに代えて図2に示すように、板バネ部材6の当接部6cの外側端面にワンポイントで被着するようにしても良い。この場合、板バネ部材6と弁体4との間のシール性が懸念されるときは、両者4,6を溶接部8にて環状に溶接固定する。
【0029】
第三実施例・・・
また、溶接に代えて、図3に示すように板バネ部材6の固定部6aの外側端面にワンポイントで第二シールゴム7bを被着することにより両者4,6間をシールすることにしても良い。
【0030】
また、板バネ部材6の断面形状は、コ字状に代えて、図2または図3に示すように略U字状であっても良い。図示するUの字はその内径側(低圧側)が開放されているが、これに代えてその外径側(高圧側)が開放されていても良く、すなわち径方向の何れかが開放されていれば良い。
【0031】
第四実施例・・・
図4は、本発明の第四実施例に係るバルブのシール構造を示している。当該第四実施例ならびに後記する第五および第六実施例は請求項1および請求項3についての実施例である。
【0032】
当該第四実施例に係るシール構造は、バルブの開閉作動に合わせて一対のシール要素が互いに接離するものであって、この一対のシール要素が、金属等の剛性部品よりなるバルブボディ11側の弁座面12と、この弁座面12に接離自在に当接する弁体14側の板バネ部材16との組み合わせにより構成されている。
【0033】
板バネ部材16は、金属板等の剛板によって略皿状に成形され、保持部材である弁体14の端面に止めネジ19で固定され、弁閉時、弁座面12に当接してバルブボディ11側の弁孔13を閉塞するものであって、更に以下のように構成されている。
【0034】
すなわち、この板バネ部材16は、予め平板(金属平板)を立体構造に加工した形状を有して圧縮時にバネ性を発揮することが可能とされており、具体的には図示するように皿状(円板状)に成形されており、弁体14の端面に止めネジ19およびワッシャ20で固定される平板円板状の取付部16a(止めネジ19の差込み孔あり)と、この取付部16aの外周端部から径方向斜め外方(径方向外方であってかつ弁座面12に近付く方向)へ向けて一体成形された環状の斜面部16bと、この斜面部16bの外周端部に一体成形された環状の当接部16cとを一体に有している。当接部16cは斜面部16bの外周端部から径方向外方へ向けて平板環状に成形されているが、斜面部16bの先端部位をもって当接部16cとしても良く、この場合には当接部16cも傾斜したものとなる。また当接部16cは斜面部16bとは異なる傾斜角度をもつ斜面状に成形されたものであっても良い。
【0035】
斜面部16bおよび当接部16cは、当該板バネ部材16の弾性リップ片をなすもので、それぞれ保持部材である弁体14の端面よりも軸方向一方(弁座面12側)に変位した位置に配置され、径方向についても、その外径寸法を弁体14の外径寸法よりも大きく設定されて弁体14の外周面よりも径方向外方へ突出するように配置されている。また当接部16cの外側端面(図では上面)には環状のシールゴム17aが被着され、このシールゴム17aが弁座面12に接離自在に密接する構成とされている。
【0036】
板バネ部材16と弁体14との間をシールするため、両者14,16の間に環状の第二シールゴム17bが設けられており、この第二シールゴム17bは板バネ部材16の取付部16aの一面に被着され、弁体14の端面に設けた環状の凹部14aに挿入された状態で弁体14に密接している。
【0037】
シールゴム17a,17bを被着した板バネ部材16は、図示するように弁体14の端面に止めネジ19およびワッシャ20にて固定される。図は弁開状態を示しており、移送流体である高圧ガスは矢印A方向に流れている。この弁開状態からソレノイドへの励磁等により閉弁作動が開始されて弁体14が弁座面12に近付く方向へストロークすると、板バネ部材16の当接部16cに被着したシールゴム17aが弁座面12に当接し、圧縮され、次いで板バネ部材16にも閉弁力が作用し、板バネ部材16は斜面部16bの傾斜角度を小さくするよう弾性変形し、その反力によってシールゴム17aを弁座面12に強く押し付け、弁閉状態が実現される。
【0038】
上記の構成において、金属板により成形された板バネ部材16は、繰り返し弾性変形してもへたりを生じにくいものである。また、金属板により成形された板バネ部材16は、その製作時に加工精度を出し易いものである。したがって、弁開時に弁座面12およびシールゴム17a間に形成される流路幅Cを長期間に亙って高精度に設定・維持することが可能とされている。
【0039】
また、板バネ部材16の当接部16cにシールゴム17aが被着されてこのシールゴム17aが弁座面12に密接するよう構成されているために、弁閉時にいわゆるメタルタッチは発生せず、よってメタルタッチを原因とする微少漏れが発生するのを防止することが可能とされている。
【0040】
また、シールゴム17aはゴム材であるのでそのへたりが懸念されるが、充分に薄く設定されているので、そのへたりが問題化することはない。
【0041】
更にまた、上記構成のシール構造においては、板バネ部材16の斜面部16bおよび当接部16cが弁閉時に流体圧力を受けてシールゴム17aを他方のシール要素である弁座面12に押し付ける形状とされている。
【0042】
すなわち弁閉時、弁座面12にシールゴム17aが密接しているとき、板バネ部材16の斜面部16bの一面(図では下面)には閉弁により流れを堰き止められた流体圧力が作用することから、斜面部16bが流体圧力を受けてシールゴム17aを弁座面12に強く押し付ける。また同様に、板バネ部材16の当接部16cの一面(図では下面)にも流体圧力が作用することから、当接部16cが流体圧力を受けてシールゴム17aを弁座面12に強く押し付ける。したがって、シールゴム17aは板バネ部材16のバネ性のみならず流体圧力によっても弁座面12に押し付けられることから弁座面12に対して強く押し付けられることになる。したがって、このように流体圧力を有効に利用することによりシールゴム17aの密接力を大きく設定し、これにより弁閉時のシール性を向上させることができる。
【0043】
第五実施例・・・
尚、上記第四実施例では、板バネ部材16を止めネジ19を用いて保持部材である弁体14に固定したが、これに代えて図5に示すように、両者14,16を溶接部18にて溶接固定するようにしても良い。この場合、両者14,16の径方向の位置決め精度が懸念されるときには、両者14,16に互いに係合する位置決め手段を設定する。図では、板バネ部材16に設けた係合孔部16dが弁体14に設けた係合凸部14bに嵌合し、これにより径方向の位置決めがなされている。
【0044】
第六実施例・・・
また、上記第四実施例では、板バネ部材16を略皿状に設定したが、これに代えて図6に示すように、環状に設定しても良く、この場合には、取付部16aの外周側のみならず内周側にも斜面部16eを設けることが考えられる。
【0045】
すなわちこの図6において、板バネ部材16は、全体として環状に成形されており、弁体14の端面に止めネジ19およびワッシャ20で固定される平板環状の取付部16a(止めネジ19の差込み孔あり)と、この取付部16aの外周端部から径方向斜め外方(径方向外方であってかつ弁座面12に近付く方向)へ向けて一体成形された環状の斜面部16bと、この斜面部16bの外周端部に一体成形された環状の当接部16cとを一体に有し、更に取付部16aの内周端部から径方向斜め内方(径方向内方であってかつ弁座面12に近付く方向)へ向けて一体成形された環状の斜面部16eと、この斜面部16eの内周端部に一体成形された環状の当接部16fとを一体に有している。内外両当接部16c,16fの外側端面(図では上面)にはそれぞれ環状のシールゴム17a,17cが被着され、このシールゴム17a,17cが弁座面12に接離自在に密接する構成とされている。このような構成であると、二重のシール構造となることからシール性が一層向上するほか、弁孔13側から図上B方向へ流体が流れるタイプのバルブについても対応することが可能となる。
【0046】
更にまた、上記各実施例において、閉弁作動時に板バネ部材6,16が潰れ過ぎることがないように、板バネ部材6,16の弾性変形を一定量までに制限するストッパを設けることが考えられ、このようにストッパを追加すると板バネ部材6,16の耐久性を向上させることが可能となる。
【0047】
例えば上記第四実施例では、図4に示すようにワッシャ20の弁座面12側にストッパ21を重ね合わせて止めネジ19で固定する。ストッパ21は環状平板状に形成されてその外径寸法dを弁孔13の内径寸法dよりも大きく設定されているので、閉弁作動時、バルブボディ11の弁座面12に当接し、弁体14のストロークを停止させ、板バネ部材16の弾性変形を一定量までに制限する。
【0048】
上記第五実施例では、図5に示すように板バネ部材16の径方向位置決め用に設けた係合凸部14bをストッパ21として兼用する。ストッパ21は円筒状の外周面を有してその外径寸法dを弁孔13の内径寸法dよりも大きく設定されているので、閉弁作動時にバルブボディ11の弁座面12に当接し、弁体14のストロークを停止させ、板バネ部材16の弾性変形を一定量までに制限する。
【0049】
上記第六実施例では、図6に示すように上記第五実施例((図5)と同様、弁体14の端面に凸部状のストッパ21を一体成形する。ストッパ21は円筒状の外周面を有してその外径寸法dを弁孔13の内径寸法dよりも大きく設定されているので、閉弁作動時にバルブボディ11の弁座面12に当接し、弁体14のストロークを停止させ、板バネ部材16の弾性変形を一定量までに制限する。
【0050】
また上記各実施例では、板バネ部材6,16が弁体4,14側に配置されているが、反対に弁座面2,12側に配置されても良く、この場合には弁体4,14側のシール要素が板バネ部材6,16へ向けて進退することになる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第一実施例に係るシール構造の要部断面図
【図2】本発明の第二実施例に係るシール構造の要部断面図
【図3】本発明の第三実施例に係るシール構造の要部断面図
【図4】本発明の第四実施例に係るシール構造の要部断面図
【図5】本発明の第五実施例に係るシール構造の要部断面図
【図6】本発明の第六実施例に係るシール構造の要部断面図
【図7】従来例に係るシール構造の要部断面図
【0052】
1,11 バルブボディ
2,12 弁座面
3,13 弁孔
4,14 弁体
5 装着溝
5a 底面
5b 側面
6,16 板バネ部材
6a 固定部
6b 立ち上がり部
6c,16c,16f 当接部
7 ゴム状弾性体
7a,7b,7c,17a,17b,17c シールゴム
8,18 溶接部
14a 凹部
14b 係合凸部
16a 取付部
16b,16e 斜面部
16d 係合孔部
19 止めネジ
20 ワッシャ
21 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブの開閉作動に合わせて一対のシール要素が互いに接離する構造のバルブのシール構造において、
他方のシール要素に接離自在に当接する一方のシール要素は、予め平板を立体構造に加工した形状を有して圧縮時にバネ性を発揮可能な板バネ部材よりなり、前記板バネ部材の当接部にはシールゴムが被着されていることを特徴とするバルブのシール構造。
【請求項2】
請求項1記載のシール構造において、
板バネ部材は、断面略コ字状またはU字状に成形されていることを特徴とするバルブのシール構造。
【請求項3】
請求項1記載のシール構造において、
板バネ部材は、保持部材に取り付けられる取付部に一体成形された斜面部を有し、前記斜面部は、弁閉時に流体圧力を受けてシールゴムを他方のシール要素に押し付ける形状を有していることを特徴とするバルブのシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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