バルブ制御システムおよびバルブ制御方法
【課題】設計、維持等を容易としつつ安全規格に対応可能なバルブ制御システム、およびその制御方法を提供する。
【解決手段】バルブ制御システム50は、流体を流すための配管1に設けられた汎用バルブ11,12と、センサ13,14と、安全コントローラ20とを備える。汎用バルブ11,12は電気信号によって開閉可能なバルブであり、たとえばソレノイドバルブである。センサ13,14は、対応するバルブからの流体の流出状況を検出するセンサであり、たとえば圧力スイッチにより構成される。安全コントローラ20は、安全規格を満たすように構成されるとともに、センサ13からの信号in1およびセンサからの信号in2にに基づいて、バルブ11,12を制御するための信号out1,out2を出力する。
【解決手段】バルブ制御システム50は、流体を流すための配管1に設けられた汎用バルブ11,12と、センサ13,14と、安全コントローラ20とを備える。汎用バルブ11,12は電気信号によって開閉可能なバルブであり、たとえばソレノイドバルブである。センサ13,14は、対応するバルブからの流体の流出状況を検出するセンサであり、たとえば圧力スイッチにより構成される。安全コントローラ20は、安全規格を満たすように構成されるとともに、センサ13からの信号in1およびセンサからの信号in2にに基づいて、バルブ11,12を制御するための信号out1,out2を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ制御システムおよびバルブ制御方法に関し、特に安全規格に適合可能なバルブ制御システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来の汎用バルブの一例を説明するための図である。図13を参照して、バルブ101は、流体(たとえば空気、水、油等)の流れる配管1に設けられる。バルブ101は電気信号によって開閉可能なバルブであり、具体的にはソレノイドバルブである。
【0003】
スプリング104がスプール102を押すことにより、通常ではバルブ101は閉じている。ソレノイド103が電気信号によってオンすることで、ソレノイド103がスプール102を動かす。これによってバルブ101が開状態となる。一方、ソレノイド103がオフしたときには、スプリング104の力によってスプール102が元の位置に戻される。これによりバルブ101は閉状態となる。
【0004】
上記のような汎用バルブだけでなく、安全規格に対応したバルブも提供されている(非特許文献1参照)。図14は、安全規格に対応したバルブの一例を説明するための図である。
【0005】
図14において、図13に示した汎用バルブと同一または対応する要素には同一の符号が付されている。安全規格(たとえばISO13849−1)に対応したバルブ110には、当該バルブ110の開閉を検知するためのリミットスイッチ115が設けられる。
【0006】
ソレノイド103のオン時には、スプール102によってリミットスイッチ115がオンされる。一方、ソレノイド103のオフ時には、スプリング104によってスプール102が戻されるため、リミットスイッチ115がオフされる。図14に示した構成によれば、バルブ110の開状態および閉状態をリミットスイッチによって検出することが可能となる。
【0007】
図15は、安全規格に適合した従来の制御システムの構成例を説明するための図である。図15を参照して、バルブ制御システム150は、バルブ110A,110Bと、安全コントローラ120とを備える。
【0008】
バルブ110A,110Bは安全規格対応バルブであり、配管1に直列に配置される。バルブ110A,110Bの各々の構造は、図14に示したバルブ110の構造と同じである。バルブ110Aの開閉はリミットスイッチ115Aで検知され、バルブ110Bの開閉はリミットスイッチ115Bで検知される。
【0009】
安全コントローラ120は、リミットスイッチ115Aからの信号in1およびリミットスイッチ115Bからの信号in2を受けて、ソレノイド103Aを制御するための信号out1、およびソレノイド103Bを制御するための信号out2を出力する。
【0010】
安全コントローラ120は以下のようにバルブ110A,110Bを制御する。まず安全コントローラ120は、信号out1,out2を同時にオン状態とする。これによりソレノイド103A,103Bがそれぞれオンする。
【0011】
次に安全コントローラ120は、信号in1,in2がともにオン状態であることを確認する。信号in1,in2がともにオン状態であれば、バルブ110A,110Bの両方が開状態になっている。したがって安全コントローラ120は、信号out1,out2のオン状態を継続する。
【0012】
バルブ110A,110B、リミットスイッチ115A,115Bおよび安全コントローラ120は、安全規格を満たす構成部品である。図15に示したバルブ制御システム150は、所定の安全規格を満たすことが可能となる。
【0013】
上記安全規格は、たとえばISO13849−1である。図15に示した構成は、ISO13849−1に定められたカテゴリ4に適合可能な構成である。
【0014】
従来、機械のリスクを低減する方策の中で安全防護を考えるときに、リスクの大きさの見積もりと、それに応じた安全システムの性能基準については、欧州規格EN954−1、あるいは、それをベースとした国際規格ISO13849−1:1999の「カテゴリ」で表現するのが一般的であった。「カテゴリ」とは、安全制御システムのアーキテクチャ(構造)であり、これまで培われてきたスイッチやリレーの接点技術に代表されるような電気機構部品による、いわば確定的な技術に立脚したものであった。
【0015】
図16は、ISO13849−1:1999で定義されたカテゴリを説明する図である。図16を参照して、ISO13849−1:1999では「B」、「1」、「2」、「3」、「4」の5段階のカテゴリが規定されている。カテゴリが「B]から「4」へと進むにしたがって、性能基準の達成レベルが高くなる。
【0016】
ISO13849−1の改訂版では、安全制御システムの評価の指標として、「PL(パフォーマンスレベル)」と呼ばれる「a」から「e」の5段階の指標が定義される。PLとは、従来の「カテゴリ」の概念に「信頼性」、「品質」の概念を取り入れたものであり、平均危険側故障時間(MTTFd)、DCavg(Average Diagnostic Coverage)、共通原因故障(CCF)が評価される。PLによって、実際の使用状況に沿って安全制御システムを定量的に評価することができる。
【0017】
なお、ISO13849−1の改訂版の正式名称は、「ISO13849-1(Second edition 2006-11-01) Safety of machinery Safety-related parts of control systems, Part 1:General principles for design:機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第1部:設計のための一般原則)」である。以下では、便宜上、ISO13849−1の改訂版を「ISO13849−1:2006」と記載することにする。
【0018】
ISO13849−1:2006では、各カテゴリに求められる安全制御システムの要件は、ISO13849−1:1999あるいはEN954−1の内容と代わらない。ただし、それぞれの安全制御システムを、I(入力機器)、L(論理演算機器)、O(出力機器)の3部分を軸にして、それぞれの特徴が分かりやすく図式化されている。
【0019】
図17は、ISO13849−1:2006によって示された、各カテゴリに求められる安全制御システムの要件を説明するためのブロック図である。
【0020】
図17を参照して、カテゴリB、カテゴリ1に適用される構造は、I,L,Oによって実現可能である。カテゴリ2に適用される構造は、上記I、L、OにTE(点検機器)を加えることによって実現可能である。カテゴリ3、4に適用される構造は、上記I、L、Oを二重化することによって実現可能である。カテゴリ4は、カテゴリ3よりも高い検出能力が要求される点においてカテゴリ3と異なるものの、構造の点ではカテゴリ3と同じである。
【0021】
図18は、パフォーマンスレベルの評価方法を説明するためのグラフである。図18を参照して、PLを評価するためにはカテゴリ(図18中に「Cat」と示す)、MTTFd、DCavgおよびCCFの4つのパラメータが用いられる。
【0022】
図18に示されるように、たとえばパフォーマンスレベル「c」を達成可能なパラメータの組み合わせは複数存在する。言い換えれば上記4つのパラメータの適切な組み合わせによって、所望のパフォーマンスレベルを達成可能である。したがってISO13849−1:2006によれば、従来のISO13849−1:1999よりも安全システムを構築する際の自由度が高くなるといえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】"ISO valves in accordance with 5599-1 with position sensing of the piston spool"、"Safety engineering guidelines"、p62、[online]、FESTO、[2009年11月12日検索]、インターネット <URL:http://www.festo.com/net/fi_fi/downloads/Download.ashx?lnk=29273/HB_Safety_en.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
図13に示した汎用バルブは、たとえば工場内の設備(システム)に多数適用されている。従来は、既存のシステムを安全規格(たとえば上記のISO13849−1のカテゴリ3または4)に適合するように構成するためには、安全規格対応バルブをシステムに追加するだけでなく、その安全規格対応バルブを二重化しなければならなかった。
【0025】
しかしながら、図13および図14の比較から分かるように、安全規格対応バルブは汎用バルブとは構造の異なる特殊品である。このため、既存のシステムに安全規格対応バルブを導入して安全規格対応のシステムを構築する場合には、たとえば以下のような課題が発生する。
【0026】
まず、既存のシステムに、特殊品である安全規格対応バルブを追加するので、システムの設計が複雑化する。また、システムの運用のために汎用バルブだけでなく安全規格対応バルブの在庫を管理する必要が生じるので、在庫管理が複雑になるとともにシステムの維持のための管理が複雑化する。
【0027】
さらに安全規格対応バルブは特殊品であるため、汎用バルブに比較してその選択肢が少ない。このため、システムの設計に制約が生じる。また、安全規格対応バルブの値段が汎用バルブの値段よりも高くなりやすいので、システムの構築および維持のためのコストが増大する可能性がある。
【0028】
さらに、安全規格対応バルブは、その開閉を検出するためのスイッチを有しているため汎用バルブに比較して大型となる。既存のシステムに安全規格対応バルブを導入した場合、システムが大規模化する可能性がある。したがって、安全規格対応バルブの配置がシステムの設計における大きな制約事項となる。すなわち、システムの設計の自由度が安全規格対応バルブによって制約される。
【0029】
さらに、安全規格対応バルブの場合、スプールのストロークとリミットスイッチのストロークとを一致させることにより完全な開状態および完全な閉状態を確認できる。しかしこのような構成のため、完全な開状態と完全な閉状態との間の状態(たとえば少しだけバルブが開いた状態)は検出できないという課題がある。
【0030】
このように、安全規格に適合した従来のバルブ制御システムの場合、安全規格対応バルブの構成、仕様によって、システムの仕様が限定されるという課題がある。
【0031】
本発明の目的は、設計、維持等を容易としつつ安全規格に対応可能なバルブ制御システム、およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明のある局面に係るバルブ制御システムは、第1のバルブと、第2のバルブと、第1のセンサと、第2のセンサと、制御装置とを備える。第1のバルブは、流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第2のバルブは、流路において第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第1のセンサは、流路において第1および第2のバルブの間に設けられて、第1のバルブからの流体の流出状況を検出する。第2のセンサは、流路において第2のバルブの下流側に設けられて、第2のバルブからの流体の流出状況を検出する。制御装置は、安全規格を満たすように構成され、かつ、第1のセンサの検出結果および第2のセンサの検出結果に基づいて、第1および第2のバルブを制御する。
【0033】
好ましくは、制御装置は、第1のセンサの検出結果が、流体が第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していないことを示すことを確認し、第1のセンサの検出結果と第2のセンサの検出結果が確認された後に、第1のバルブを開くための第1の制御を実行し、第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における第1のセンサの検出結果が、第1のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認し、第1のセンサの検出結果が変化したことによって、第2のバルブを開くための第2の制御を実行し、第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の第2のセンサの検出結果が、第2のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認し、第1および第2のバルブを開状態に維持するように構成される。
【0034】
好ましくは、制御装置は、第1の制御が実行されていないにもかかわらず、流体が第1のバルブから流出していることを第1のセンサの検出結果が示す場合には、第1および第2の制御を実行することなく第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0035】
好ましくは、制御装置は、第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していることを示す場合に、第1および第2の制御を実行することなく第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0036】
好ましくは、制御装置は、第1の制御が実行されたにもかかわらず、第1の期間の経過後の第1のセンサの検出結果が変化しない場合には、第1のバルブを閉状態に制御し、かつ、第2の制御を実行しないことによって第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0037】
好ましくは、制御装置は、第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、流体が第2のバルブから流出していることを第2のセンサの検出結果が示す場合には、第1のバルブを閉状態に制御することによって、第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0038】
好ましくは、制御装置は、第2の制御が実行されたにもかかわらず、第2の期間の経過後の第2のセンサの検出結果が変化しない場合には、第1および第2のバルブを閉状態に制御することによって第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0039】
好ましくは、第1および第2のセンサの各々は、流体が流路を流れることによって作動するスイッチを含む。
【0040】
好ましくは、スイッチは、流体の圧力によって作動する圧力スイッチである。
本発明の他の局面に係るバルブ制御方法は、バルブ制御システムによるバルブ制御方法である。バルブ制御システムは、第1のバルブと、第2のバルブと、第1のセンサと、第2のセンサと、制御装置とを備える。第1のバルブは、流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第2のバルブは、流路において第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第1のセンサは、流路において第1および第2のバルブの間に設けられて、第1のバルブからの流体の流出状況を検出する。第2のセンサは、流路において第2のバルブの下流側に設けられて、第2のバルブからの流体の流出状況を検出する。制御装置は、安全規格を満たすように構成され、かつ、第1のセンサの検出結果および第2のセンサの検出結果に基づいて、第1および第2のバルブを制御する。バルブ制御方法は、第1のセンサの検出結果が、流体が第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していないことを示すことを確認するステップと、第1のセンサの検出結果と第2のセンサの検出結果が確認された後に、第1のバルブを開くための第1の制御を実行するステップと、第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における第1のセンサの検出結果が、第1のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認するステップと、第1のセンサの検出結果が変化した後に、第2のバルブを開くための第2の制御を実行するステップと、第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の第2のセンサの検出結果が、第2のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認するステップとを備える。
【0041】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1の制御が実行されていないにもかかわらず、流体が第1のバルブから流出していることを第1のセンサの検出結果が示す場合に、第2のバルブを閉状態に維持するステップをさらに備える。
【0042】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していることを示す場合に、第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【0043】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1の制御が実行されたにもかかわらず、第1の期間の経過後の第1のセンサの検出結果が変化しない場合に、第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【0044】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、流体が第2のバルブから流出していることを第2のセンサの検出結果が示す場合に、第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【0045】
好ましくは、バルブ制御方法は、第2の制御が実行されたにもかかわらず、第2の期間の経過後の第2のセンサの検出結果が変化しない場合に、第1および第2のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、設計、維持面の管理を容易としつつ安全規格に対応可能なバルブ制御システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に従うバルブ制御システムの構成図である。
【図2】図1に示した汎用バルブの構成例を説明するための図である。
【図3】図1に示した安全コントローラの構成例を示したブロック図である。
【図4】図1に示した安全コントローラの安全I/Oデータの演算処理を説明するための図である。
【図5】図1に示した安全コントローラによるバルブ制御の流れを説明するためのフローチャートである。
【図6】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第1のタイムチャートである。
【図7】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第2のタイムチャートである。
【図8】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第3のタイムチャートである。
【図9】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第4のタイムチャートである。
【図10】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第5のタイムチャートである。
【図11】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第6のタイムチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るバルブ制御システムと対比される、バルブ制御システムの構成例を示した図である。
【図13】従来の汎用バルブの一例を説明するための図である。
【図14】安全規格に対応したバルブの一例を説明するための図である。
【図15】安全規格に適合した従来の制御システムの構成例を説明するための図である。
【図16】ISO13849−1:1999で定義されたカテゴリを説明する図である。
【図17】ISO13849−1:2006によって示された、各カテゴリに求められる安全制御システムの要件を説明するためのブロック図である。
【図18】パフォーマンスレベルの評価方法を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態に従うバルブ制御システムの構成図である。図1を参照して、バルブ制御システム50は、バルブ11,12と、センサ13,14と、安全コントローラ20とを備える。バルブ制御システム50は、たとえば工場の設備(システム)に導入される。
【0050】
バルブ11,12は、流体の流れる流路としての配管(パイプ)1に設けられる。バルブ12は、バルブ11に対して配管1の下流側に配置される。配管1を流れる流体は、気体でもよいし液体でもよい。さらに流体の具体的な種類も特に限定されない。また、配管1の材質、断面形状等も特に限定されるものではない。
【0051】
バルブ11,12は電気信号によって開閉可能なバルブである。具体的には、バルブ11,12は汎用のソレノイドバルブであり、電気信号によりオンオフされるソレノイド3A,3Bをそれぞれ備えている。
【0052】
図2に示すように、バルブ11,12の各々は、スプール2、ソレノイド(3Aまたは3B)およびスプリング4を備える。ソレノイド3Aのオフ時には、スプリング4がスプール2を押すことにより、バルブ11(12)が閉じている。ソレノイド3A(3B)がオンすることで、ソレノイド3A(3B)がスプール2を動かす。これによってバルブ11(12)が開状態となる。一方、ソレノイド3A(3B)がオフしたときには、スプリング4の力によってスプール2が押し戻される。これによりバルブ11(12)が閉状態となる。
【0053】
図1に戻り、センサ13は、配管1におけるバルブ11,12の間に配置され、バルブ11からの流体の流出状況を検出する。センサ14は、配管1においてバルブ12の下流側に配置され、バルブ12からの流体の流出状況を検出する。各センサは、その検出結果を示す信号を出力する。
【0054】
バルブ11から流体が流出している場合、センサ13は信号in1をオン状態にする一方、バルブ11からの流体の流出が停止している場合には、センサ13は信号in1をオフ状態にする。同様に、バルブ12から流体が流出している場合には、センサ14は、信号in2をオン状態にする一方、バルブ12からの流体の流出が停止している場合には、センサ14は信号in2をオフ状態にする。
【0055】
この実施の形態では、汎用的な圧力スイッチがセンサ13,14として適用される。この圧力スイッチは、流体が流路を流れることによって作動するスイッチの一種である。具体的には、流体が配管1を流れることにより配管1の内部の圧力が上昇すると圧力スイッチがオンする。一方、流体の流れが停止することによって配管1の内部の圧力が低下すると圧力スイッチがオフする。圧力スイッチをオンオフさせるための圧力値は予め調整されている。なお、汎用的な圧力スイッチの構成は公知であるので、その構成についての説明はここでは繰返さない。
【0056】
安全コントローラ20は、センサ13,14の検出結果に基づいてバルブ11,12を制御する。具体的には、安全コントローラ20は、センサ13からの信号in1およびセンサ14からの信号in2に基づいて、ソレノイド3Aを制御するための信号out1をソレノイド3Aに対して出力するとともに、ソレノイド3Bを制御するための信号out2をソレノイド3Bに対して出力する。
【0057】
安全コントローラ20は、ソレノイド3Aをオンするために信号out1をオン状態にする一方で、ソレノイド3Aをオフするために信号out1をオフ状態にする。同様に、安全コントローラ20は、ソレノイド3Bをオンするために信号out2をオン状態にする一方で、ソレノイド3Bをオフするために信号out2をオフ状態にする。
【0058】
安全コントローラ20は、たとえばPLC(Programmable logic controller)であり、所定の安全規格を満たすように構成される。この実施の形態では、安全コントローラ20は、たとえば上記「ISO13849−1:2006」のカテゴリ4相当の安全システムで使用可能なように構成される。
【0059】
図3は、図1に示した安全コントローラの構成例を示したブロック図である。図3を参照して、安全コントローラ20は、入力回路、出力回路、論理演算回路、および記憶回路が二重化された構成を有する。具体的には、安全コントローラ20は、入力回路21A,21Bと、マイコン回路22A,22Bと、メモリ23A,23Bと、出力回路24A,24Bとを有する。マイコン回路22A,22Bは上記の論理演算回路に対応する。
【0060】
このハードウェア(安全コントローラ20)で発生する故障モードが予め想定されており、それを検出するための適切な自己診断が、マイコン回路22A,22Bに割り当てられて周期的に実行される。故障が検出された場合には、安全コントローラ20は、設計によって予め定義された安全状態に遷移する。これによって、ハードウェア故障に起因する非安全な状態の発生を回避できる。
【0061】
図4は、図1に示した安全コントローラの安全I/Oデータの演算処理を説明するための図である。図4を参照して、マイコン回路22A,22Bの各々は、監視機能および制御機能を有する。具体的には、マイコン回路22A,22Bの各々は、入力回路21A,21B、出力回路24A,24Bを監視する。さらにマイコン回路22A,22Bは、互いを監視しあう。
【0062】
診断済みの安全I/Oデータがマイコン回路22A,22Bによって冗長演算される。マイコン回路22A,22Bは、2つの演算結果を比較するとともにそれらが一致していることを確認する。
【0063】
図3および図4に示されるように、安全コントローラ20は、入力回路(I)、論理演算回路(L)、および出力回路(O)が二重化された構成を有している。さらに、安全コントローラ20は診断機能を有しており、安全機能の喪失を防ぐためにある時間以内に故障を検出する。したがって安全コントローラ20は、ISO13849−1:2006のカテゴリ4(図16参照)相当の安全システムで使用可能な構成を有している。
【0064】
図5は、図1に示した安全コントローラによるバルブ制御の流れを説明するためのフローチャートである。図5を参照して処理が開始されると、ステップS10において、安全コントローラ20は、信号in1,in2がともにオフ状態であるか否かを判定する。信号in1,in2がともにオフ状態であると判定された場合(ステップS10においてYES)、処理はステップS20に進む。
【0065】
ステップS20において、安全コントローラ20は信号out1をオンする。この制御は、バルブ11を開くための第1の制御に相当する。バルブ11が正常である場合には、信号out1がオンすることによってバルブ11が開状態となる。
【0066】
ステップS30において、安全コントローラ20は、信号out1がオンしたときから所定時間(t1)後の信号in1の状態がオン状態であるか否かを判定する。たとえば安全コントローラ20は、信号out1がオンした時点から所定時間(t1)が経過したときに、信号in1がオン状態か否かを判定する。ただし、安全コントローラ20は、信号out1がオンした時点から定期的に信号out1がオン状態か否かを判定してもよい。所定時間t1は、本発明での「第1の期間」に対応する。
【0067】
信号in1がオン状態であると判定された場合(ステップS30においてYES)、処理はステップS40に進む。ステップS40において、安全コントローラ20は、所定時間(t2)の間待機する。
【0068】
ステップS50において、安全コントローラ20は、信号in2がオフ状態であるか否かを判定する。信号in2がオフ状態であると判定された場合(ステップS50においてYES)、処理はステップS60に進む。
【0069】
ステップS60において、安全コントローラ20は、信号out2をオンする。この制御は、バルブ12を開くための第2の制御に相当する。バルブ12が正常である場合には、信号out2がオンすることによってバルブ12が開状態となる。
【0070】
ステップS70において、安全コントローラ20は、信号out2がオンしたときから所定時間(t3)後の信号in2の状態がオン状態であるか否かを判定する。ステップS30での処理と同じく、たとえば安全コントローラ20は、信号out2がオンした時点から所定時間(t3)が経過したときに、信号in2がオン状態か否かを判定する。なお、所定時間t3は、本発明での「第2の期間」に対応する。
【0071】
ステップS70の処理が終了すると、全体の処理が終了する。上記のフローは、バルブ11,12およびセンサ13,14が正常である場合におけるバルブ11,12の制御フローである。
【0072】
一方、ステップS10において、信号in1,in2の少なくとも1つがオン状態であると判定された場合(ステップS10においてNO)、処理はステップS80に進む。ステップS80において、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフする。
【0073】
たとえば第1の制御が実行されていないにもかかわらず信号in1がオン状態である場合には、バルブ11のオープン故障あるいはセンサ13のオン故障が生じている可能性がある。また、第1の制御が実行されていないにもかかわらず信号in2がオン状態である場合には、センサ14のオン故障が考えられる。これらの場合には、信号out1,out2がともにオフされることで、少なくともバルブ12を閉状態に保つことができる。
【0074】
また、ステップS30において、信号in1の状態がオフ状態であると判定された場合(ステップS30においてNO)、処理はステップS90に進む。ステップS90において、安全コントローラ20は、信号out1をオフする。
【0075】
信号out1がオフ状態になることによってバルブ11が閉じる。信号out1がオンしたときから時間t1が経過したにもかかわらず信号in1の状態がオフ状態である場合には、センサ13のオフ故障またはバルブ11が開かない故障が生じた可能性がある。この場合には、信号out1がオフされることによって、バルブ11が閉状態に制御される。また、信号out2はオフ状態のままであるので、バルブ12も閉状態に制御される。
【0076】
同様に、ステップS50において、信号in2がオン状態であると判定された場合(ステップS50においてNO)、処理はステップS90に進む。第2の制御が実行される前に信号in1,in2がともにオン状態になった場合、原因としてバルブ12のオン故障が考えられる。したがってこの場合にも、信号out1がオフされることによって、バルブ11,12がともに閉状態に制御される。
【0077】
また、ステップS70において、信号out2がオンしたときから時間t4後の信号in2の状態がオフ状態であると判定された場合(ステップS70においてNO)、処理はステップS100に進む。ステップS100において、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフする。信号out2がオンしたにもかかわらず信号in2がオフ状態である場合には、センサ14のオフ故障またはバルブが開かない故障が生じた可能性がある。この場合にも、信号out1,out2がオフされることによって、バルブ11,12が閉状態に制御される。ステップS80〜S100のいずれかの処理が実行された後にも全体の処理は終了する。
【0078】
図6は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第1のタイムチャートである。図6は、バルブ11,12およびセンサ13,14の正常時におけるバルブ11,12の制御を示している。
【0079】
図6を参照して、時刻ts以前において、安全コントローラ20は、バルブ11から流体が流出していないことを信号in1が示し、かつ、バルブ12から流体が流出していないことを信号in2が示すことを確認する。具体的には、安全コントローラ20は、信号in1,in2がともにオフ状態であることを確認する(ステップS10)。
【0080】
安全コントローラ20は、時刻tsにおいてバルブ11,12の制御を開始する。まず時刻tsにおいて、安全コントローラ20は、信号out1をオンする(ステップS20)。すなわち第1の制御が実行される。
【0081】
安全コントローラ20は、信号out1がオンした時点から時間t1が経過した後に信号in1がオン状態であることを確認する(ステップS30)。安全コントローラ20は、信号in1がオン状態であることを確認した後、所定時間t2待機する(ステップS40)。所定時間t2が経過した後に、安全コントローラ20は信号in2がオフ状態であることを確認する(ステップS50)。
【0082】
安全コントローラ20は、信号in2がオフ状態であることを確認した後に信号out2をオンする(ステップS60)。すなわち第2の制御が実行される。安全コントローラ20は、信号out2がオンした時点から時間t3が経過した後に信号in2がオン状態であることを確認する(ステップS70)。この場合には、バルブ11,12が開状態に維持される。したがって最終出力(バルブ12から流体が出力されること)が生じる。
【0083】
なお、図14に示した安全規格対応バルブでは、スプールの位置がリミットスイッチによって検出される。このため、本実施の形態のように、所定期間(t1,t2,t3)の経過を監視する必要がない。
【0084】
一方、本実施の形態では、圧力スイッチによってバルブからの流体の流出状況が検出されることにより、バルブが開いたか否かが検出される。このため、汎用バルブが正常に動作しているか否か(たとえばスプールに異物が混入したことによるスプールの固着が生じていないかどうか)を検出するためには、信号out1(またはout2)がオンになってからある程度の時間が必要となる。図5あるいは図6に示した手順に従って信号out1,out2がオンすることによって、安全規格対応バルブに設けられたリミットスイッチと同様に、バルブが開状態および閉状態のいずれであるかを圧力スイッチによって検出することが可能となる。
【0085】
図7は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第2のタイムチャートである。図7は、バルブ11のオープン故障の場合、または、バルブ11に対応するセンサ13のオン故障の場合のバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS10のNO判定時の処理に対応する。
【0086】
図7を参照して、時刻ts以前において、信号in1がオン状態であることが安全コントローラ20により検出される。この場合(ステップS10においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフ状態に維持し(ステップS80)、全体の制御を終了させる。すなわち第1の制御(ステップS20の処理)および第2の制御(ステップS60の処理)が実行されることなく全体の制御が終了する。したがって少なくともバルブ12が閉状態に維持されるので、最終出力は発生しない。
【0087】
図8は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第3のタイムチャートである。図8は、バルブ12に対応するセンサ14のオン故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御も、図5に示されたステップS10のNO判定時の処理に対応する。
【0088】
図8を参照して、時刻ts以前において、信号in2がオン状態であることが安全コントローラ20により検出される。この場合(ステップS10においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフ状態に維持(ステップS80)し、全体の制御を終了させる。この場合にも最終出力は発生しない。
【0089】
図9は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第4のタイムチャートである。図9は、センサ13のオフ故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS30のNO判定時の処理に対応する。
【0090】
図9を参照して、時刻ts以前において信号in1,in2がともにオフ状態である。したがって安全コントローラ20は、時刻tsにおいて信号out1をオンする(ステップS20)。しかしながら時刻tsからt1が経過した後においても信号in1がオフ状態のままである。信号in1がオフ状態であることを安全コントローラ20が検出した場合(ステップS30においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1をオフする(ステップS90)とともに全体の処理を終了させる。この場合、信号out2がオフ状態に維持されるので最終出力は発生しない。
【0091】
図10は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第5のタイムチャートである。図10は、バルブ12のオープン故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS50のNO判定時の処理に対応する。
【0092】
図10を参照して、時刻ts以前において信号in1,in2がともにオフ状態である。したがって安全コントローラ20は、時刻tsにおいて信号out1をオンする(ステップS20)。時刻tsからt1が経過した後において信号in1がオン状態である。したがって安全コントローラ20は所定時間t2の間待機する。
【0093】
バルブ12のオープン故障のため、バルブ11、12がともに開状態となり、流体がバルブ12から流出する。センサ14は、バルブ12から流体が流出していることを検出するとともに、信号in2をオンする。
【0094】
安全コントローラ20は、信号in2がオン状態であることを検出する(ステップS50においてNO)。この場合、安全コントローラ20は、信号out1をオフする(ステップS90)とともに全体の処理を終了させる。なお信号out2はオフ状態に維持される。最終出力は信号out1のオン期間中にのみ発生する。
【0095】
図11は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第6のタイムチャートである。図11は、センサ14のオフ故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS70のNO判定時の処理に対応する。
【0096】
図11を参照して、時刻ts以前において信号in1,in2がともにオフ状態である。したがって安全コントローラ20は、時刻tsにおいて信号out1をオンする。時刻tsからt1が経過した後において信号in1がオン状態である。したがって安全コントローラ20は、時間t2が経過した後に信号out2をオンする。
【0097】
信号out2がオンしてから所定時間t3が経過したにもかかわらず信号in2がオフ状態のままである。所定時間t3が経過後の信号in2がオフ状態であることを安全コントローラ20が検出した場合(ステップS70においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフする(ステップS100)とともに全体の処理を終了させる。信号out1,out2がともにオン状態である期間のみ最終出力が発生するものの、信号out1,out2がともにオフした後には、最終出力が発生しない。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態に係るバルブ制御システムと対比される、バルブ制御システムの構成例を示した図である。図12を参照して、このシステムは、バルブ11(汎用バルブ)と、センサ13(汎用の圧力スイッチ)と、汎用コントローラ20Aとを備える。なお、図12では、汎用バルブおよび対応するセンサの1セットのみ示しているが、たとえば工場の設備には、汎用バルブおよびセンサのセットが多数導入されている。
【0099】
汎用バルブ、汎用センサおよび汎用コントローラのいずれも安全規格に適合した製品ではないため、図12に示した構成では安全規格に対応できない。従来の手法では、図12に示した構成を安全規格、たとえば上記のISO13849−1:1999のカテゴリ3または4に適合させるためには、配管1に安全規格対応バルブを設置するだけでなく、その安全規格対応バルブを二重化させなければならない。さらにバルブを制御するためのコントローラを汎用コントローラから安全コントローラに置き換える必要もある。
【0100】
しかしながら、安全規格対応バルブは汎用バルブと構造が異なる特殊品であるため、既存のシステムに安全規格対応バルブを導入して安全規格に適合したシステムを構築する場合、システムの設計が複雑となる。また、システムの運用のために、汎用バルブと安全規格対応バルブとの両方の在庫を管理しなければならないので、在庫管理が複雑となる。
【0101】
さらに、安全規格対応バルブは特殊品であるため、汎用バルブに比較してその選択肢が少ない。このため、システムの設計に制約が生じる。また、安全規格対応バルブの値段が汎用バルブの値段よりも高くなりやすいので、システムの構築および維持のためのコストが増大する可能性がある。上記のように、例えば工場の設備には、汎用バルブおよびセンサのセットが多数導入されている。したがって多数の汎用バルブを安全規格対応バルブに置き換えた場合、安全規格に適合したシステムを構築するためのコストが大幅に上昇する可能性が高くなる。
【0102】
さらに、安全規格対応バルブは、スプールの位置を直接的に検出するためのリミットスイッチを有しているので、汎用バルブに比較してそのサイズが大きくなりやすい。汎用バルブよりも大きなバルブを設備に導入することによって、設備が大規模化することが懸念される。すなわち安全規格対応バルブが大型であるために、そのバルブの物理的配置が設計上の大きな制約となる。
【0103】
また、安全規格対応バルブの場合、スプールのストロークとリミットスイッチのストロークとを一致させることにより完全な開状態および完全な閉状態を確認できる。しかしこのような構成のため、完全な開状態と完全な閉状態との間の状態(たとえば少しだけバルブが開いた状態)は検出できない。
【0104】
これに対して本発明の実施の形態では、汎用バルブと、汎用センサと、安全規格(たとえばISO13849−1:2006のカテゴリ4)を満たすように構成された安全コントローラによってバルブ制御システムが構成される。図18に示されるように、ISO13849−1:2006に規定されたパフォーマンスレベルは、複数のパラメータの組み合わせによって達成可能である。したがって本実施の形態によれば、各構成要素のMTTFd,DCavg等のパラメータを適切に設定することによって、ISO13849−1:2006のパフォーマンスレベルc〜eを達成することが可能となる。
【0105】
さらに本発明の実施の形態によれば、汎用バルブと汎用センサとの組み合わせによって、安全規格に対応したシステムを構築できる。したがって、安全規格対応バルブのような特殊品が不要であるので、安全規格に適合したシステムの設計およびバルブの在庫管理が複雑化することを回避できる。
【0106】
さらに、本発明の実施の形態によれば、特殊なバルブを既存のシステムに追加する必要がないので、多種の汎用バルブの中から、システムに適合したバルブを選択することができる。
【0107】
さらに、本発明の実施の形態によれば、既存の構成(図12参照)から安全規格に適合した構成への変更が容易である。具体的には、配管1に汎用バルブおよび汎用センサの1セットを追加すればよい。したがって、本発明の実施の形態によれば、既存の設備の大型化を抑制することができる。加えて、既に稼動している設備の安全レベルを容易に高めることができる。
【0108】
以上のように本発明の実施の形態によれば、特殊なバルブを用いることなく安全規格に対応したシステムを構築可能であるため、システムを構築するためのコストを大幅に低減することができる。
【0109】
さらに、圧力スイッチ等の汎用のセンサでは、監視値すなわちスイッチをオンオフさせるための値を容易に調整できる。したがってバルブの開閉状態をより細かく確認することができる。たとえば、少しだけバルブが開いた状態もセンサによって検出できる。
【0110】
なお、上記の実施の形態では、流体が流路を流れることによって作動するスイッチとして圧力スイッチが採用される。ただし、このようなスイッチは圧力スイッチに限定されるものではない。たとえば、流体の流量が監視値を上回る場合にオン状態となる流量スイッチも本発明に適用可能である。
【0111】
また、センサは、流体が流路を流れたか否かということを検出するものと限定されず、圧力値あるいは流量値を検出するものでもよい。さらに、その検出値は、デジタル信号およびアナログ信号のいずれの形式でセンサから出力されてもよい。たとえば検出値を表わす信号としてアナログ信号がセンサから出力される場合には、安全コントローラは、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログ−デジタル変換機能を有するように構成されればよい。このような構成の場合、安全コントローラは、その検出値と基準値とを比較することによって、バルブから流体が流出したことを検出できる。
【0112】
また、上記の実施の形態では、電気信号により開閉可能なバルブとして、開状態と閉状態との2つの状態のみ有する電磁切換弁(オンオフ弁とも呼ばれる)が適用される。ただし電気信号により開閉可能なバルブは上記電磁切換弁に限定されず、たとえば入力される信号に応じて開度を制御可能な比例弁であってもよい。
【0113】
また、本実施の形態では、安全規格として、ISO13849−1:2006を例示したが、本発明によるバルブ制御システムが適合可能な安全規格はこれに限定されるものではない。本発明によるバルブ制御システムが適合可能な安全規格は、国際規格、業界標準規格、国または地域の規格等、特に限定されない。本発明が適合可能な安全規格の一例として、以下の規格を挙げることができる。
【0114】
1.SEMI S2(半導体製造装置の環境、健康、安全に関するガイドライン)
2.CSA Z432-04 Safety of machinery
3.IEC62061 Safety machinery-Functional safety of safety-related electrical, electronic and programmable electronic control systems(機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全)
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 配管、2,102 スプール、3A,3A,103,103A,103B ソレノイド、4,104 スプリング、11,12,101,110,110A,110B バルブ、13,14 センサ、20,120 安全コントローラ、20A 汎用コントローラ、21A,21B 入力回路、22A,22B マイコン回路、23A,23B メモリ、24A,24B 出力回路、50,150 制御システム、115,115A,115B リミットスイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ制御システムおよびバルブ制御方法に関し、特に安全規格に適合可能なバルブ制御システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来の汎用バルブの一例を説明するための図である。図13を参照して、バルブ101は、流体(たとえば空気、水、油等)の流れる配管1に設けられる。バルブ101は電気信号によって開閉可能なバルブであり、具体的にはソレノイドバルブである。
【0003】
スプリング104がスプール102を押すことにより、通常ではバルブ101は閉じている。ソレノイド103が電気信号によってオンすることで、ソレノイド103がスプール102を動かす。これによってバルブ101が開状態となる。一方、ソレノイド103がオフしたときには、スプリング104の力によってスプール102が元の位置に戻される。これによりバルブ101は閉状態となる。
【0004】
上記のような汎用バルブだけでなく、安全規格に対応したバルブも提供されている(非特許文献1参照)。図14は、安全規格に対応したバルブの一例を説明するための図である。
【0005】
図14において、図13に示した汎用バルブと同一または対応する要素には同一の符号が付されている。安全規格(たとえばISO13849−1)に対応したバルブ110には、当該バルブ110の開閉を検知するためのリミットスイッチ115が設けられる。
【0006】
ソレノイド103のオン時には、スプール102によってリミットスイッチ115がオンされる。一方、ソレノイド103のオフ時には、スプリング104によってスプール102が戻されるため、リミットスイッチ115がオフされる。図14に示した構成によれば、バルブ110の開状態および閉状態をリミットスイッチによって検出することが可能となる。
【0007】
図15は、安全規格に適合した従来の制御システムの構成例を説明するための図である。図15を参照して、バルブ制御システム150は、バルブ110A,110Bと、安全コントローラ120とを備える。
【0008】
バルブ110A,110Bは安全規格対応バルブであり、配管1に直列に配置される。バルブ110A,110Bの各々の構造は、図14に示したバルブ110の構造と同じである。バルブ110Aの開閉はリミットスイッチ115Aで検知され、バルブ110Bの開閉はリミットスイッチ115Bで検知される。
【0009】
安全コントローラ120は、リミットスイッチ115Aからの信号in1およびリミットスイッチ115Bからの信号in2を受けて、ソレノイド103Aを制御するための信号out1、およびソレノイド103Bを制御するための信号out2を出力する。
【0010】
安全コントローラ120は以下のようにバルブ110A,110Bを制御する。まず安全コントローラ120は、信号out1,out2を同時にオン状態とする。これによりソレノイド103A,103Bがそれぞれオンする。
【0011】
次に安全コントローラ120は、信号in1,in2がともにオン状態であることを確認する。信号in1,in2がともにオン状態であれば、バルブ110A,110Bの両方が開状態になっている。したがって安全コントローラ120は、信号out1,out2のオン状態を継続する。
【0012】
バルブ110A,110B、リミットスイッチ115A,115Bおよび安全コントローラ120は、安全規格を満たす構成部品である。図15に示したバルブ制御システム150は、所定の安全規格を満たすことが可能となる。
【0013】
上記安全規格は、たとえばISO13849−1である。図15に示した構成は、ISO13849−1に定められたカテゴリ4に適合可能な構成である。
【0014】
従来、機械のリスクを低減する方策の中で安全防護を考えるときに、リスクの大きさの見積もりと、それに応じた安全システムの性能基準については、欧州規格EN954−1、あるいは、それをベースとした国際規格ISO13849−1:1999の「カテゴリ」で表現するのが一般的であった。「カテゴリ」とは、安全制御システムのアーキテクチャ(構造)であり、これまで培われてきたスイッチやリレーの接点技術に代表されるような電気機構部品による、いわば確定的な技術に立脚したものであった。
【0015】
図16は、ISO13849−1:1999で定義されたカテゴリを説明する図である。図16を参照して、ISO13849−1:1999では「B」、「1」、「2」、「3」、「4」の5段階のカテゴリが規定されている。カテゴリが「B]から「4」へと進むにしたがって、性能基準の達成レベルが高くなる。
【0016】
ISO13849−1の改訂版では、安全制御システムの評価の指標として、「PL(パフォーマンスレベル)」と呼ばれる「a」から「e」の5段階の指標が定義される。PLとは、従来の「カテゴリ」の概念に「信頼性」、「品質」の概念を取り入れたものであり、平均危険側故障時間(MTTFd)、DCavg(Average Diagnostic Coverage)、共通原因故障(CCF)が評価される。PLによって、実際の使用状況に沿って安全制御システムを定量的に評価することができる。
【0017】
なお、ISO13849−1の改訂版の正式名称は、「ISO13849-1(Second edition 2006-11-01) Safety of machinery Safety-related parts of control systems, Part 1:General principles for design:機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第1部:設計のための一般原則)」である。以下では、便宜上、ISO13849−1の改訂版を「ISO13849−1:2006」と記載することにする。
【0018】
ISO13849−1:2006では、各カテゴリに求められる安全制御システムの要件は、ISO13849−1:1999あるいはEN954−1の内容と代わらない。ただし、それぞれの安全制御システムを、I(入力機器)、L(論理演算機器)、O(出力機器)の3部分を軸にして、それぞれの特徴が分かりやすく図式化されている。
【0019】
図17は、ISO13849−1:2006によって示された、各カテゴリに求められる安全制御システムの要件を説明するためのブロック図である。
【0020】
図17を参照して、カテゴリB、カテゴリ1に適用される構造は、I,L,Oによって実現可能である。カテゴリ2に適用される構造は、上記I、L、OにTE(点検機器)を加えることによって実現可能である。カテゴリ3、4に適用される構造は、上記I、L、Oを二重化することによって実現可能である。カテゴリ4は、カテゴリ3よりも高い検出能力が要求される点においてカテゴリ3と異なるものの、構造の点ではカテゴリ3と同じである。
【0021】
図18は、パフォーマンスレベルの評価方法を説明するためのグラフである。図18を参照して、PLを評価するためにはカテゴリ(図18中に「Cat」と示す)、MTTFd、DCavgおよびCCFの4つのパラメータが用いられる。
【0022】
図18に示されるように、たとえばパフォーマンスレベル「c」を達成可能なパラメータの組み合わせは複数存在する。言い換えれば上記4つのパラメータの適切な組み合わせによって、所望のパフォーマンスレベルを達成可能である。したがってISO13849−1:2006によれば、従来のISO13849−1:1999よりも安全システムを構築する際の自由度が高くなるといえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】"ISO valves in accordance with 5599-1 with position sensing of the piston spool"、"Safety engineering guidelines"、p62、[online]、FESTO、[2009年11月12日検索]、インターネット <URL:http://www.festo.com/net/fi_fi/downloads/Download.ashx?lnk=29273/HB_Safety_en.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
図13に示した汎用バルブは、たとえば工場内の設備(システム)に多数適用されている。従来は、既存のシステムを安全規格(たとえば上記のISO13849−1のカテゴリ3または4)に適合するように構成するためには、安全規格対応バルブをシステムに追加するだけでなく、その安全規格対応バルブを二重化しなければならなかった。
【0025】
しかしながら、図13および図14の比較から分かるように、安全規格対応バルブは汎用バルブとは構造の異なる特殊品である。このため、既存のシステムに安全規格対応バルブを導入して安全規格対応のシステムを構築する場合には、たとえば以下のような課題が発生する。
【0026】
まず、既存のシステムに、特殊品である安全規格対応バルブを追加するので、システムの設計が複雑化する。また、システムの運用のために汎用バルブだけでなく安全規格対応バルブの在庫を管理する必要が生じるので、在庫管理が複雑になるとともにシステムの維持のための管理が複雑化する。
【0027】
さらに安全規格対応バルブは特殊品であるため、汎用バルブに比較してその選択肢が少ない。このため、システムの設計に制約が生じる。また、安全規格対応バルブの値段が汎用バルブの値段よりも高くなりやすいので、システムの構築および維持のためのコストが増大する可能性がある。
【0028】
さらに、安全規格対応バルブは、その開閉を検出するためのスイッチを有しているため汎用バルブに比較して大型となる。既存のシステムに安全規格対応バルブを導入した場合、システムが大規模化する可能性がある。したがって、安全規格対応バルブの配置がシステムの設計における大きな制約事項となる。すなわち、システムの設計の自由度が安全規格対応バルブによって制約される。
【0029】
さらに、安全規格対応バルブの場合、スプールのストロークとリミットスイッチのストロークとを一致させることにより完全な開状態および完全な閉状態を確認できる。しかしこのような構成のため、完全な開状態と完全な閉状態との間の状態(たとえば少しだけバルブが開いた状態)は検出できないという課題がある。
【0030】
このように、安全規格に適合した従来のバルブ制御システムの場合、安全規格対応バルブの構成、仕様によって、システムの仕様が限定されるという課題がある。
【0031】
本発明の目的は、設計、維持等を容易としつつ安全規格に対応可能なバルブ制御システム、およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明のある局面に係るバルブ制御システムは、第1のバルブと、第2のバルブと、第1のセンサと、第2のセンサと、制御装置とを備える。第1のバルブは、流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第2のバルブは、流路において第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第1のセンサは、流路において第1および第2のバルブの間に設けられて、第1のバルブからの流体の流出状況を検出する。第2のセンサは、流路において第2のバルブの下流側に設けられて、第2のバルブからの流体の流出状況を検出する。制御装置は、安全規格を満たすように構成され、かつ、第1のセンサの検出結果および第2のセンサの検出結果に基づいて、第1および第2のバルブを制御する。
【0033】
好ましくは、制御装置は、第1のセンサの検出結果が、流体が第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していないことを示すことを確認し、第1のセンサの検出結果と第2のセンサの検出結果が確認された後に、第1のバルブを開くための第1の制御を実行し、第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における第1のセンサの検出結果が、第1のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認し、第1のセンサの検出結果が変化したことによって、第2のバルブを開くための第2の制御を実行し、第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の第2のセンサの検出結果が、第2のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認し、第1および第2のバルブを開状態に維持するように構成される。
【0034】
好ましくは、制御装置は、第1の制御が実行されていないにもかかわらず、流体が第1のバルブから流出していることを第1のセンサの検出結果が示す場合には、第1および第2の制御を実行することなく第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0035】
好ましくは、制御装置は、第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していることを示す場合に、第1および第2の制御を実行することなく第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0036】
好ましくは、制御装置は、第1の制御が実行されたにもかかわらず、第1の期間の経過後の第1のセンサの検出結果が変化しない場合には、第1のバルブを閉状態に制御し、かつ、第2の制御を実行しないことによって第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0037】
好ましくは、制御装置は、第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、流体が第2のバルブから流出していることを第2のセンサの検出結果が示す場合には、第1のバルブを閉状態に制御することによって、第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0038】
好ましくは、制御装置は、第2の制御が実行されたにもかかわらず、第2の期間の経過後の第2のセンサの検出結果が変化しない場合には、第1および第2のバルブを閉状態に制御することによって第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される。
【0039】
好ましくは、第1および第2のセンサの各々は、流体が流路を流れることによって作動するスイッチを含む。
【0040】
好ましくは、スイッチは、流体の圧力によって作動する圧力スイッチである。
本発明の他の局面に係るバルブ制御方法は、バルブ制御システムによるバルブ制御方法である。バルブ制御システムは、第1のバルブと、第2のバルブと、第1のセンサと、第2のセンサと、制御装置とを備える。第1のバルブは、流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第2のバルブは、流路において第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能である。第1のセンサは、流路において第1および第2のバルブの間に設けられて、第1のバルブからの流体の流出状況を検出する。第2のセンサは、流路において第2のバルブの下流側に設けられて、第2のバルブからの流体の流出状況を検出する。制御装置は、安全規格を満たすように構成され、かつ、第1のセンサの検出結果および第2のセンサの検出結果に基づいて、第1および第2のバルブを制御する。バルブ制御方法は、第1のセンサの検出結果が、流体が第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していないことを示すことを確認するステップと、第1のセンサの検出結果と第2のセンサの検出結果が確認された後に、第1のバルブを開くための第1の制御を実行するステップと、第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における第1のセンサの検出結果が、第1のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認するステップと、第1のセンサの検出結果が変化した後に、第2のバルブを開くための第2の制御を実行するステップと、第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の第2のセンサの検出結果が、第2のバルブから流体が流出されていることを示すことを確認するステップとを備える。
【0041】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1の制御が実行されていないにもかかわらず、流体が第1のバルブから流出していることを第1のセンサの検出結果が示す場合に、第2のバルブを閉状態に維持するステップをさらに備える。
【0042】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、第2のセンサの検出結果が、流体が第2のバルブから流出していることを示す場合に、第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【0043】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1の制御が実行されたにもかかわらず、第1の期間の経過後の第1のセンサの検出結果が変化しない場合に、第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【0044】
好ましくは、バルブ制御方法は、第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、流体が第2のバルブから流出していることを第2のセンサの検出結果が示す場合に、第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【0045】
好ましくは、バルブ制御方法は、第2の制御が実行されたにもかかわらず、第2の期間の経過後の第2のセンサの検出結果が変化しない場合に、第1および第2のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、設計、維持面の管理を容易としつつ安全規格に対応可能なバルブ制御システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に従うバルブ制御システムの構成図である。
【図2】図1に示した汎用バルブの構成例を説明するための図である。
【図3】図1に示した安全コントローラの構成例を示したブロック図である。
【図4】図1に示した安全コントローラの安全I/Oデータの演算処理を説明するための図である。
【図5】図1に示した安全コントローラによるバルブ制御の流れを説明するためのフローチャートである。
【図6】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第1のタイムチャートである。
【図7】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第2のタイムチャートである。
【図8】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第3のタイムチャートである。
【図9】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第4のタイムチャートである。
【図10】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第5のタイムチャートである。
【図11】安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第6のタイムチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るバルブ制御システムと対比される、バルブ制御システムの構成例を示した図である。
【図13】従来の汎用バルブの一例を説明するための図である。
【図14】安全規格に対応したバルブの一例を説明するための図である。
【図15】安全規格に適合した従来の制御システムの構成例を説明するための図である。
【図16】ISO13849−1:1999で定義されたカテゴリを説明する図である。
【図17】ISO13849−1:2006によって示された、各カテゴリに求められる安全制御システムの要件を説明するためのブロック図である。
【図18】パフォーマンスレベルの評価方法を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態に従うバルブ制御システムの構成図である。図1を参照して、バルブ制御システム50は、バルブ11,12と、センサ13,14と、安全コントローラ20とを備える。バルブ制御システム50は、たとえば工場の設備(システム)に導入される。
【0050】
バルブ11,12は、流体の流れる流路としての配管(パイプ)1に設けられる。バルブ12は、バルブ11に対して配管1の下流側に配置される。配管1を流れる流体は、気体でもよいし液体でもよい。さらに流体の具体的な種類も特に限定されない。また、配管1の材質、断面形状等も特に限定されるものではない。
【0051】
バルブ11,12は電気信号によって開閉可能なバルブである。具体的には、バルブ11,12は汎用のソレノイドバルブであり、電気信号によりオンオフされるソレノイド3A,3Bをそれぞれ備えている。
【0052】
図2に示すように、バルブ11,12の各々は、スプール2、ソレノイド(3Aまたは3B)およびスプリング4を備える。ソレノイド3Aのオフ時には、スプリング4がスプール2を押すことにより、バルブ11(12)が閉じている。ソレノイド3A(3B)がオンすることで、ソレノイド3A(3B)がスプール2を動かす。これによってバルブ11(12)が開状態となる。一方、ソレノイド3A(3B)がオフしたときには、スプリング4の力によってスプール2が押し戻される。これによりバルブ11(12)が閉状態となる。
【0053】
図1に戻り、センサ13は、配管1におけるバルブ11,12の間に配置され、バルブ11からの流体の流出状況を検出する。センサ14は、配管1においてバルブ12の下流側に配置され、バルブ12からの流体の流出状況を検出する。各センサは、その検出結果を示す信号を出力する。
【0054】
バルブ11から流体が流出している場合、センサ13は信号in1をオン状態にする一方、バルブ11からの流体の流出が停止している場合には、センサ13は信号in1をオフ状態にする。同様に、バルブ12から流体が流出している場合には、センサ14は、信号in2をオン状態にする一方、バルブ12からの流体の流出が停止している場合には、センサ14は信号in2をオフ状態にする。
【0055】
この実施の形態では、汎用的な圧力スイッチがセンサ13,14として適用される。この圧力スイッチは、流体が流路を流れることによって作動するスイッチの一種である。具体的には、流体が配管1を流れることにより配管1の内部の圧力が上昇すると圧力スイッチがオンする。一方、流体の流れが停止することによって配管1の内部の圧力が低下すると圧力スイッチがオフする。圧力スイッチをオンオフさせるための圧力値は予め調整されている。なお、汎用的な圧力スイッチの構成は公知であるので、その構成についての説明はここでは繰返さない。
【0056】
安全コントローラ20は、センサ13,14の検出結果に基づいてバルブ11,12を制御する。具体的には、安全コントローラ20は、センサ13からの信号in1およびセンサ14からの信号in2に基づいて、ソレノイド3Aを制御するための信号out1をソレノイド3Aに対して出力するとともに、ソレノイド3Bを制御するための信号out2をソレノイド3Bに対して出力する。
【0057】
安全コントローラ20は、ソレノイド3Aをオンするために信号out1をオン状態にする一方で、ソレノイド3Aをオフするために信号out1をオフ状態にする。同様に、安全コントローラ20は、ソレノイド3Bをオンするために信号out2をオン状態にする一方で、ソレノイド3Bをオフするために信号out2をオフ状態にする。
【0058】
安全コントローラ20は、たとえばPLC(Programmable logic controller)であり、所定の安全規格を満たすように構成される。この実施の形態では、安全コントローラ20は、たとえば上記「ISO13849−1:2006」のカテゴリ4相当の安全システムで使用可能なように構成される。
【0059】
図3は、図1に示した安全コントローラの構成例を示したブロック図である。図3を参照して、安全コントローラ20は、入力回路、出力回路、論理演算回路、および記憶回路が二重化された構成を有する。具体的には、安全コントローラ20は、入力回路21A,21Bと、マイコン回路22A,22Bと、メモリ23A,23Bと、出力回路24A,24Bとを有する。マイコン回路22A,22Bは上記の論理演算回路に対応する。
【0060】
このハードウェア(安全コントローラ20)で発生する故障モードが予め想定されており、それを検出するための適切な自己診断が、マイコン回路22A,22Bに割り当てられて周期的に実行される。故障が検出された場合には、安全コントローラ20は、設計によって予め定義された安全状態に遷移する。これによって、ハードウェア故障に起因する非安全な状態の発生を回避できる。
【0061】
図4は、図1に示した安全コントローラの安全I/Oデータの演算処理を説明するための図である。図4を参照して、マイコン回路22A,22Bの各々は、監視機能および制御機能を有する。具体的には、マイコン回路22A,22Bの各々は、入力回路21A,21B、出力回路24A,24Bを監視する。さらにマイコン回路22A,22Bは、互いを監視しあう。
【0062】
診断済みの安全I/Oデータがマイコン回路22A,22Bによって冗長演算される。マイコン回路22A,22Bは、2つの演算結果を比較するとともにそれらが一致していることを確認する。
【0063】
図3および図4に示されるように、安全コントローラ20は、入力回路(I)、論理演算回路(L)、および出力回路(O)が二重化された構成を有している。さらに、安全コントローラ20は診断機能を有しており、安全機能の喪失を防ぐためにある時間以内に故障を検出する。したがって安全コントローラ20は、ISO13849−1:2006のカテゴリ4(図16参照)相当の安全システムで使用可能な構成を有している。
【0064】
図5は、図1に示した安全コントローラによるバルブ制御の流れを説明するためのフローチャートである。図5を参照して処理が開始されると、ステップS10において、安全コントローラ20は、信号in1,in2がともにオフ状態であるか否かを判定する。信号in1,in2がともにオフ状態であると判定された場合(ステップS10においてYES)、処理はステップS20に進む。
【0065】
ステップS20において、安全コントローラ20は信号out1をオンする。この制御は、バルブ11を開くための第1の制御に相当する。バルブ11が正常である場合には、信号out1がオンすることによってバルブ11が開状態となる。
【0066】
ステップS30において、安全コントローラ20は、信号out1がオンしたときから所定時間(t1)後の信号in1の状態がオン状態であるか否かを判定する。たとえば安全コントローラ20は、信号out1がオンした時点から所定時間(t1)が経過したときに、信号in1がオン状態か否かを判定する。ただし、安全コントローラ20は、信号out1がオンした時点から定期的に信号out1がオン状態か否かを判定してもよい。所定時間t1は、本発明での「第1の期間」に対応する。
【0067】
信号in1がオン状態であると判定された場合(ステップS30においてYES)、処理はステップS40に進む。ステップS40において、安全コントローラ20は、所定時間(t2)の間待機する。
【0068】
ステップS50において、安全コントローラ20は、信号in2がオフ状態であるか否かを判定する。信号in2がオフ状態であると判定された場合(ステップS50においてYES)、処理はステップS60に進む。
【0069】
ステップS60において、安全コントローラ20は、信号out2をオンする。この制御は、バルブ12を開くための第2の制御に相当する。バルブ12が正常である場合には、信号out2がオンすることによってバルブ12が開状態となる。
【0070】
ステップS70において、安全コントローラ20は、信号out2がオンしたときから所定時間(t3)後の信号in2の状態がオン状態であるか否かを判定する。ステップS30での処理と同じく、たとえば安全コントローラ20は、信号out2がオンした時点から所定時間(t3)が経過したときに、信号in2がオン状態か否かを判定する。なお、所定時間t3は、本発明での「第2の期間」に対応する。
【0071】
ステップS70の処理が終了すると、全体の処理が終了する。上記のフローは、バルブ11,12およびセンサ13,14が正常である場合におけるバルブ11,12の制御フローである。
【0072】
一方、ステップS10において、信号in1,in2の少なくとも1つがオン状態であると判定された場合(ステップS10においてNO)、処理はステップS80に進む。ステップS80において、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフする。
【0073】
たとえば第1の制御が実行されていないにもかかわらず信号in1がオン状態である場合には、バルブ11のオープン故障あるいはセンサ13のオン故障が生じている可能性がある。また、第1の制御が実行されていないにもかかわらず信号in2がオン状態である場合には、センサ14のオン故障が考えられる。これらの場合には、信号out1,out2がともにオフされることで、少なくともバルブ12を閉状態に保つことができる。
【0074】
また、ステップS30において、信号in1の状態がオフ状態であると判定された場合(ステップS30においてNO)、処理はステップS90に進む。ステップS90において、安全コントローラ20は、信号out1をオフする。
【0075】
信号out1がオフ状態になることによってバルブ11が閉じる。信号out1がオンしたときから時間t1が経過したにもかかわらず信号in1の状態がオフ状態である場合には、センサ13のオフ故障またはバルブ11が開かない故障が生じた可能性がある。この場合には、信号out1がオフされることによって、バルブ11が閉状態に制御される。また、信号out2はオフ状態のままであるので、バルブ12も閉状態に制御される。
【0076】
同様に、ステップS50において、信号in2がオン状態であると判定された場合(ステップS50においてNO)、処理はステップS90に進む。第2の制御が実行される前に信号in1,in2がともにオン状態になった場合、原因としてバルブ12のオン故障が考えられる。したがってこの場合にも、信号out1がオフされることによって、バルブ11,12がともに閉状態に制御される。
【0077】
また、ステップS70において、信号out2がオンしたときから時間t4後の信号in2の状態がオフ状態であると判定された場合(ステップS70においてNO)、処理はステップS100に進む。ステップS100において、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフする。信号out2がオンしたにもかかわらず信号in2がオフ状態である場合には、センサ14のオフ故障またはバルブが開かない故障が生じた可能性がある。この場合にも、信号out1,out2がオフされることによって、バルブ11,12が閉状態に制御される。ステップS80〜S100のいずれかの処理が実行された後にも全体の処理は終了する。
【0078】
図6は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第1のタイムチャートである。図6は、バルブ11,12およびセンサ13,14の正常時におけるバルブ11,12の制御を示している。
【0079】
図6を参照して、時刻ts以前において、安全コントローラ20は、バルブ11から流体が流出していないことを信号in1が示し、かつ、バルブ12から流体が流出していないことを信号in2が示すことを確認する。具体的には、安全コントローラ20は、信号in1,in2がともにオフ状態であることを確認する(ステップS10)。
【0080】
安全コントローラ20は、時刻tsにおいてバルブ11,12の制御を開始する。まず時刻tsにおいて、安全コントローラ20は、信号out1をオンする(ステップS20)。すなわち第1の制御が実行される。
【0081】
安全コントローラ20は、信号out1がオンした時点から時間t1が経過した後に信号in1がオン状態であることを確認する(ステップS30)。安全コントローラ20は、信号in1がオン状態であることを確認した後、所定時間t2待機する(ステップS40)。所定時間t2が経過した後に、安全コントローラ20は信号in2がオフ状態であることを確認する(ステップS50)。
【0082】
安全コントローラ20は、信号in2がオフ状態であることを確認した後に信号out2をオンする(ステップS60)。すなわち第2の制御が実行される。安全コントローラ20は、信号out2がオンした時点から時間t3が経過した後に信号in2がオン状態であることを確認する(ステップS70)。この場合には、バルブ11,12が開状態に維持される。したがって最終出力(バルブ12から流体が出力されること)が生じる。
【0083】
なお、図14に示した安全規格対応バルブでは、スプールの位置がリミットスイッチによって検出される。このため、本実施の形態のように、所定期間(t1,t2,t3)の経過を監視する必要がない。
【0084】
一方、本実施の形態では、圧力スイッチによってバルブからの流体の流出状況が検出されることにより、バルブが開いたか否かが検出される。このため、汎用バルブが正常に動作しているか否か(たとえばスプールに異物が混入したことによるスプールの固着が生じていないかどうか)を検出するためには、信号out1(またはout2)がオンになってからある程度の時間が必要となる。図5あるいは図6に示した手順に従って信号out1,out2がオンすることによって、安全規格対応バルブに設けられたリミットスイッチと同様に、バルブが開状態および閉状態のいずれであるかを圧力スイッチによって検出することが可能となる。
【0085】
図7は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第2のタイムチャートである。図7は、バルブ11のオープン故障の場合、または、バルブ11に対応するセンサ13のオン故障の場合のバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS10のNO判定時の処理に対応する。
【0086】
図7を参照して、時刻ts以前において、信号in1がオン状態であることが安全コントローラ20により検出される。この場合(ステップS10においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフ状態に維持し(ステップS80)、全体の制御を終了させる。すなわち第1の制御(ステップS20の処理)および第2の制御(ステップS60の処理)が実行されることなく全体の制御が終了する。したがって少なくともバルブ12が閉状態に維持されるので、最終出力は発生しない。
【0087】
図8は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第3のタイムチャートである。図8は、バルブ12に対応するセンサ14のオン故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御も、図5に示されたステップS10のNO判定時の処理に対応する。
【0088】
図8を参照して、時刻ts以前において、信号in2がオン状態であることが安全コントローラ20により検出される。この場合(ステップS10においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフ状態に維持(ステップS80)し、全体の制御を終了させる。この場合にも最終出力は発生しない。
【0089】
図9は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第4のタイムチャートである。図9は、センサ13のオフ故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS30のNO判定時の処理に対応する。
【0090】
図9を参照して、時刻ts以前において信号in1,in2がともにオフ状態である。したがって安全コントローラ20は、時刻tsにおいて信号out1をオンする(ステップS20)。しかしながら時刻tsからt1が経過した後においても信号in1がオフ状態のままである。信号in1がオフ状態であることを安全コントローラ20が検出した場合(ステップS30においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1をオフする(ステップS90)とともに全体の処理を終了させる。この場合、信号out2がオフ状態に維持されるので最終出力は発生しない。
【0091】
図10は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第5のタイムチャートである。図10は、バルブ12のオープン故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS50のNO判定時の処理に対応する。
【0092】
図10を参照して、時刻ts以前において信号in1,in2がともにオフ状態である。したがって安全コントローラ20は、時刻tsにおいて信号out1をオンする(ステップS20)。時刻tsからt1が経過した後において信号in1がオン状態である。したがって安全コントローラ20は所定時間t2の間待機する。
【0093】
バルブ12のオープン故障のため、バルブ11、12がともに開状態となり、流体がバルブ12から流出する。センサ14は、バルブ12から流体が流出していることを検出するとともに、信号in2をオンする。
【0094】
安全コントローラ20は、信号in2がオン状態であることを検出する(ステップS50においてNO)。この場合、安全コントローラ20は、信号out1をオフする(ステップS90)とともに全体の処理を終了させる。なお信号out2はオフ状態に維持される。最終出力は信号out1のオン期間中にのみ発生する。
【0095】
図11は、安全コントローラによるバルブの制御を説明するための第6のタイムチャートである。図11は、センサ14のオフ故障の場合におけるバルブ11,12の制御を示している。この制御は、図5に示されたステップS70のNO判定時の処理に対応する。
【0096】
図11を参照して、時刻ts以前において信号in1,in2がともにオフ状態である。したがって安全コントローラ20は、時刻tsにおいて信号out1をオンする。時刻tsからt1が経過した後において信号in1がオン状態である。したがって安全コントローラ20は、時間t2が経過した後に信号out2をオンする。
【0097】
信号out2がオンしてから所定時間t3が経過したにもかかわらず信号in2がオフ状態のままである。所定時間t3が経過後の信号in2がオフ状態であることを安全コントローラ20が検出した場合(ステップS70においてNO)、安全コントローラ20は、信号out1,out2をともにオフする(ステップS100)とともに全体の処理を終了させる。信号out1,out2がともにオン状態である期間のみ最終出力が発生するものの、信号out1,out2がともにオフした後には、最終出力が発生しない。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態に係るバルブ制御システムと対比される、バルブ制御システムの構成例を示した図である。図12を参照して、このシステムは、バルブ11(汎用バルブ)と、センサ13(汎用の圧力スイッチ)と、汎用コントローラ20Aとを備える。なお、図12では、汎用バルブおよび対応するセンサの1セットのみ示しているが、たとえば工場の設備には、汎用バルブおよびセンサのセットが多数導入されている。
【0099】
汎用バルブ、汎用センサおよび汎用コントローラのいずれも安全規格に適合した製品ではないため、図12に示した構成では安全規格に対応できない。従来の手法では、図12に示した構成を安全規格、たとえば上記のISO13849−1:1999のカテゴリ3または4に適合させるためには、配管1に安全規格対応バルブを設置するだけでなく、その安全規格対応バルブを二重化させなければならない。さらにバルブを制御するためのコントローラを汎用コントローラから安全コントローラに置き換える必要もある。
【0100】
しかしながら、安全規格対応バルブは汎用バルブと構造が異なる特殊品であるため、既存のシステムに安全規格対応バルブを導入して安全規格に適合したシステムを構築する場合、システムの設計が複雑となる。また、システムの運用のために、汎用バルブと安全規格対応バルブとの両方の在庫を管理しなければならないので、在庫管理が複雑となる。
【0101】
さらに、安全規格対応バルブは特殊品であるため、汎用バルブに比較してその選択肢が少ない。このため、システムの設計に制約が生じる。また、安全規格対応バルブの値段が汎用バルブの値段よりも高くなりやすいので、システムの構築および維持のためのコストが増大する可能性がある。上記のように、例えば工場の設備には、汎用バルブおよびセンサのセットが多数導入されている。したがって多数の汎用バルブを安全規格対応バルブに置き換えた場合、安全規格に適合したシステムを構築するためのコストが大幅に上昇する可能性が高くなる。
【0102】
さらに、安全規格対応バルブは、スプールの位置を直接的に検出するためのリミットスイッチを有しているので、汎用バルブに比較してそのサイズが大きくなりやすい。汎用バルブよりも大きなバルブを設備に導入することによって、設備が大規模化することが懸念される。すなわち安全規格対応バルブが大型であるために、そのバルブの物理的配置が設計上の大きな制約となる。
【0103】
また、安全規格対応バルブの場合、スプールのストロークとリミットスイッチのストロークとを一致させることにより完全な開状態および完全な閉状態を確認できる。しかしこのような構成のため、完全な開状態と完全な閉状態との間の状態(たとえば少しだけバルブが開いた状態)は検出できない。
【0104】
これに対して本発明の実施の形態では、汎用バルブと、汎用センサと、安全規格(たとえばISO13849−1:2006のカテゴリ4)を満たすように構成された安全コントローラによってバルブ制御システムが構成される。図18に示されるように、ISO13849−1:2006に規定されたパフォーマンスレベルは、複数のパラメータの組み合わせによって達成可能である。したがって本実施の形態によれば、各構成要素のMTTFd,DCavg等のパラメータを適切に設定することによって、ISO13849−1:2006のパフォーマンスレベルc〜eを達成することが可能となる。
【0105】
さらに本発明の実施の形態によれば、汎用バルブと汎用センサとの組み合わせによって、安全規格に対応したシステムを構築できる。したがって、安全規格対応バルブのような特殊品が不要であるので、安全規格に適合したシステムの設計およびバルブの在庫管理が複雑化することを回避できる。
【0106】
さらに、本発明の実施の形態によれば、特殊なバルブを既存のシステムに追加する必要がないので、多種の汎用バルブの中から、システムに適合したバルブを選択することができる。
【0107】
さらに、本発明の実施の形態によれば、既存の構成(図12参照)から安全規格に適合した構成への変更が容易である。具体的には、配管1に汎用バルブおよび汎用センサの1セットを追加すればよい。したがって、本発明の実施の形態によれば、既存の設備の大型化を抑制することができる。加えて、既に稼動している設備の安全レベルを容易に高めることができる。
【0108】
以上のように本発明の実施の形態によれば、特殊なバルブを用いることなく安全規格に対応したシステムを構築可能であるため、システムを構築するためのコストを大幅に低減することができる。
【0109】
さらに、圧力スイッチ等の汎用のセンサでは、監視値すなわちスイッチをオンオフさせるための値を容易に調整できる。したがってバルブの開閉状態をより細かく確認することができる。たとえば、少しだけバルブが開いた状態もセンサによって検出できる。
【0110】
なお、上記の実施の形態では、流体が流路を流れることによって作動するスイッチとして圧力スイッチが採用される。ただし、このようなスイッチは圧力スイッチに限定されるものではない。たとえば、流体の流量が監視値を上回る場合にオン状態となる流量スイッチも本発明に適用可能である。
【0111】
また、センサは、流体が流路を流れたか否かということを検出するものと限定されず、圧力値あるいは流量値を検出するものでもよい。さらに、その検出値は、デジタル信号およびアナログ信号のいずれの形式でセンサから出力されてもよい。たとえば検出値を表わす信号としてアナログ信号がセンサから出力される場合には、安全コントローラは、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログ−デジタル変換機能を有するように構成されればよい。このような構成の場合、安全コントローラは、その検出値と基準値とを比較することによって、バルブから流体が流出したことを検出できる。
【0112】
また、上記の実施の形態では、電気信号により開閉可能なバルブとして、開状態と閉状態との2つの状態のみ有する電磁切換弁(オンオフ弁とも呼ばれる)が適用される。ただし電気信号により開閉可能なバルブは上記電磁切換弁に限定されず、たとえば入力される信号に応じて開度を制御可能な比例弁であってもよい。
【0113】
また、本実施の形態では、安全規格として、ISO13849−1:2006を例示したが、本発明によるバルブ制御システムが適合可能な安全規格はこれに限定されるものではない。本発明によるバルブ制御システムが適合可能な安全規格は、国際規格、業界標準規格、国または地域の規格等、特に限定されない。本発明が適合可能な安全規格の一例として、以下の規格を挙げることができる。
【0114】
1.SEMI S2(半導体製造装置の環境、健康、安全に関するガイドライン)
2.CSA Z432-04 Safety of machinery
3.IEC62061 Safety machinery-Functional safety of safety-related electrical, electronic and programmable electronic control systems(機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全)
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 配管、2,102 スプール、3A,3A,103,103A,103B ソレノイド、4,104 スプリング、11,12,101,110,110A,110B バルブ、13,14 センサ、20,120 安全コントローラ、20A 汎用コントローラ、21A,21B 入力回路、22A,22B マイコン回路、23A,23B メモリ、24A,24B 出力回路、50,150 制御システム、115,115A,115B リミットスイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能な第1のバルブと、
前記流路において前記第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能な第2のバルブと、
前記流路において前記第1および第2のバルブの間に設けられて、前記第1のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第1のセンサと、
前記流路において前記第2のバルブの下流側に設けられて、前記第2のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第2のセンサと、
安全規格を満たすように構成され、かつ、前記第1のセンサの検出結果および前記第2のセンサの検出結果に基づいて、前記第1および第2のバルブを制御するための制御装置とを備える、バルブ制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1のセンサの検出結果が、前記流体が前記第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していないことを示すことを確認し、
前記第1のセンサの検出結果と前記第2のセンサの検出結果が確認された後に、前記第1のバルブを開くための第1の制御を実行し、
前記第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における前記第1のセンサの検出結果が、前記第1のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認し、
前記第1のセンサの検出結果が変化したことによって、前記第2のバルブを開くための第2の制御を実行し、
前記第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の前記第2のセンサの検出結果が、前記第2のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認し、
前記第1および第2のバルブを開状態に維持するように構成される、請求項1に記載のバルブ制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第1の制御が実行されていないにもかかわらず、前記流体が前記第1のバルブから流出していることを前記第1のセンサの検出結果が示す場合には、前記第1および第2の制御を実行することなく前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを示す場合に、前記第1および第2の制御を実行することなく前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第1の制御が実行されたにもかかわらず、前記第1の期間の経過後の前記第1のセンサの検出結果が変化しない場合には、前記第1のバルブを閉状態に制御し、かつ、前記第2の制御を実行しないことによって前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを前記第2のセンサの検出結果が示す場合には、前記第1のバルブを閉状態に制御することによって、前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記第2の制御が実行されたにもかかわらず、前記第2の期間の経過後の前記第2のセンサの検出結果が変化しない場合には、前記第1および第2のバルブを閉状態に制御することによって前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項8】
前記第1および第2のセンサの各々は、前記流体が前記流路を流れることによって作動するスイッチを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のバルブ制御システム。
【請求項9】
前記スイッチは、前記流体の圧力によって作動する圧力スイッチである、請求項8に記載のバルブ制御システム。
【請求項10】
バルブ制御システムによるバルブ制御方法であって、
前記バルブ制御システムは、
流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能な第1のバルブと、
前記流路において前記第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能な第2のバルブと、
前記流路において前記第1および第2のバルブの間に設けられて、前記第1のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第1のセンサと、
前記流路において前記第2のバルブの下流側に設けられて、前記第2のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第2のセンサと、
安全規格を満たすように構成され、かつ、前記第1のセンサの検出結果および前記第2のセンサの検出結果に基づいて、前記第1および第2のバルブを制御するための制御装置とを備え、
前記バルブ制御方法は、
前記第1のセンサの検出結果が、前記流体が前記第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していないことを示すことを確認するステップと、
前記第1のセンサの検出結果と前記第2のセンサの検出結果が確認された後に、前記第1のバルブを開くための第1の制御を実行するステップと、
前記第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における前記第1のセンサの検出結果が、前記第1のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認するステップと、
前記第1のセンサの検出結果が変化した後に、前記第2のバルブを開くための第2の制御を実行するステップと、
前記第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の前記第2のセンサの検出結果が、前記第2のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認するステップとを備える、バルブ制御方法。
【請求項11】
前記第1の制御が実行されていないにもかかわらず、前記流体が前記第1のバルブから流出していることを前記第1のセンサの検出結果が示す場合に、前記第2のバルブを閉状態に維持するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項12】
前記第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを示す場合に、前記第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項13】
前記第1の制御が実行されたにもかかわらず、前記第1の期間の経過後の前記第1のセンサの検出結果が変化しない場合に、前記第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項14】
前記第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを前記第2のセンサの検出結果が示す場合に、前記第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項15】
前記第2の制御が実行されたにもかかわらず、前記第2の期間の経過後の前記第2のセンサの検出結果が変化しない場合に、前記第1および第2のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項1】
流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能な第1のバルブと、
前記流路において前記第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能な第2のバルブと、
前記流路において前記第1および第2のバルブの間に設けられて、前記第1のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第1のセンサと、
前記流路において前記第2のバルブの下流側に設けられて、前記第2のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第2のセンサと、
安全規格を満たすように構成され、かつ、前記第1のセンサの検出結果および前記第2のセンサの検出結果に基づいて、前記第1および第2のバルブを制御するための制御装置とを備える、バルブ制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1のセンサの検出結果が、前記流体が前記第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していないことを示すことを確認し、
前記第1のセンサの検出結果と前記第2のセンサの検出結果が確認された後に、前記第1のバルブを開くための第1の制御を実行し、
前記第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における前記第1のセンサの検出結果が、前記第1のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認し、
前記第1のセンサの検出結果が変化したことによって、前記第2のバルブを開くための第2の制御を実行し、
前記第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の前記第2のセンサの検出結果が、前記第2のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認し、
前記第1および第2のバルブを開状態に維持するように構成される、請求項1に記載のバルブ制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第1の制御が実行されていないにもかかわらず、前記流体が前記第1のバルブから流出していることを前記第1のセンサの検出結果が示す場合には、前記第1および第2の制御を実行することなく前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを示す場合に、前記第1および第2の制御を実行することなく前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第1の制御が実行されたにもかかわらず、前記第1の期間の経過後の前記第1のセンサの検出結果が変化しない場合には、前記第1のバルブを閉状態に制御し、かつ、前記第2の制御を実行しないことによって前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを前記第2のセンサの検出結果が示す場合には、前記第1のバルブを閉状態に制御することによって、前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記第2の制御が実行されたにもかかわらず、前記第2の期間の経過後の前記第2のセンサの検出結果が変化しない場合には、前記第1および第2のバルブを閉状態に制御することによって前記第1および第2のバルブの制御を終了するように構成される、請求項2に記載のバルブ制御システム。
【請求項8】
前記第1および第2のセンサの各々は、前記流体が前記流路を流れることによって作動するスイッチを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のバルブ制御システム。
【請求項9】
前記スイッチは、前記流体の圧力によって作動する圧力スイッチである、請求項8に記載のバルブ制御システム。
【請求項10】
バルブ制御システムによるバルブ制御方法であって、
前記バルブ制御システムは、
流体を流すための流路に設けられて、電気信号によって開閉可能な第1のバルブと、
前記流路において前記第1のバルブの下流側に設けられて、電気信号によって開閉可能な第2のバルブと、
前記流路において前記第1および第2のバルブの間に設けられて、前記第1のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第1のセンサと、
前記流路において前記第2のバルブの下流側に設けられて、前記第2のバルブからの前記流体の流出状況を検出するための第2のセンサと、
安全規格を満たすように構成され、かつ、前記第1のセンサの検出結果および前記第2のセンサの検出結果に基づいて、前記第1および第2のバルブを制御するための制御装置とを備え、
前記バルブ制御方法は、
前記第1のセンサの検出結果が、前記流体が前記第1のバルブから流出していないことを示し、かつ、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していないことを示すことを確認するステップと、
前記第1のセンサの検出結果と前記第2のセンサの検出結果が確認された後に、前記第1のバルブを開くための第1の制御を実行するステップと、
前記第1の制御が実行されたときから第1の期間が経過した後における前記第1のセンサの検出結果が、前記第1のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認するステップと、
前記第1のセンサの検出結果が変化した後に、前記第2のバルブを開くための第2の制御を実行するステップと、
前記第2の制御が実行されたときから第2の期間が経過した後の前記第2のセンサの検出結果が、前記第2のバルブから前記流体が流出されていることを示すことを確認するステップとを備える、バルブ制御方法。
【請求項11】
前記第1の制御が実行されていないにもかかわらず、前記流体が前記第1のバルブから流出していることを前記第1のセンサの検出結果が示す場合に、前記第2のバルブを閉状態に維持するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項12】
前記第1および第2の制御が実行されていないにもかかわらず、前記第2のセンサの検出結果が、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを示す場合に、前記第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項13】
前記第1の制御が実行されたにもかかわらず、前記第1の期間の経過後の前記第1のセンサの検出結果が変化しない場合に、前記第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項14】
前記第1の制御が実行されかつ第2の制御が実行されていない段階で、前記流体が前記第2のバルブから流出していることを前記第2のセンサの検出結果が示す場合に、前記第1のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【請求項15】
前記第2の制御が実行されたにもかかわらず、前記第2の期間の経過後の前記第2のセンサの検出結果が変化しない場合に、前記第1および第2のバルブを閉状態に制御するステップをさらに備える、請求項10に記載のバルブ制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−186528(P2011−186528A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47931(P2010−47931)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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