説明

バルーン取付治具、及び、バルーン取付方法

【課題】内視鏡の挿入部又は挿入補助具にバルーンを簡単に取り付けることができるバルーン取付治具を提供する。
【解決手段】、二つの筒部と前記筒部と筒部の間に設けられたバルーン本体とを含むバルーンを、内視鏡の挿入部又は前記内視鏡の挿入部の体腔内への挿入を補助する挿入補助具に取り付けるためのバルーン取付治具において、重ね合わせられ、かつ、二つ折りされた状態で前記筒部に挿入され、前記筒部内に位置させられた後、前記二つ折りされる前の状態に戻される第1及び第2ガイド片を備えており、前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が挿入されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバルーン取付治具及びバルーン取付方法に係り、特に内視鏡の挿入部又は挿入部を体腔内に挿入する際のガイドとなる挿入補助具にバルーンを取り付けるためのバルーン取付治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの筒部と前記筒部と筒部の間に設けられたバルーン本体とを含むバルーンを、内視鏡の挿入部又は前記内視鏡の挿入部の体腔内への挿入を補助する挿入補助具に取り付けるためのバルーン取付治具が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のバルーン取付治具は、弾性部材により構成された一対の爪部材を備えており、この爪部材を弾性変形させながらバルーンの筒部に挿入した後、この一対の爪部材の間に、内視鏡の挿入部又は挿入補助具を挿入するというものである。
【特許文献1】特許第3794405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のバルーン取付治具においては、爪部材の幅がバルーンの固定部の開口径よりも大きい状態のままで爪部材をバルーン固定部に挿入するため、爪部材をバルーン固定部の開口部に挿入するのが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡の挿入部又は挿入補助具にバルーンを簡単に取り付けることができるバルーン取付治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、二つの筒部と前記筒部と筒部の間に設けられたバルーン本体とを含むバルーンを、内視鏡の挿入部又は前記内視鏡の挿入部の体腔内への挿入を補助する挿入補助具に取り付けるためのバルーン取付治具において、重ね合わせられ、かつ、二つ折りされた状態で前記筒部に挿入され、前記筒部内に位置させられた後、前記二つ折りされる前の状態に戻される第1及び第2ガイド片を備えており、前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が挿入されることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、第1及び第2ガイド片(従来の爪部材に相当)は二つ折りされた状態(例えば二つ折りされ第1及び第2ガイド片の幅が、バルーンの筒部内径よりも短くなった状態又はバルーンの筒部内径と略同じになった状態)でバルーン筒部に挿入されるので、第1及び第2ガイド片が筒部内壁に接触することが殆どなく、第1及び第2ガイド片のバルーン筒部への挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1及び第2ガイド片には、前記二つ折りするための折れ線が予め形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第2ガイド片には、二つ折りするための折れ線が予め形成されているので、第1及び第2ガイド片を折れ線に沿って容易に二つ折りすることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、重ね合わせられる第1及び第2リング片により構成されるリング体をさらに備えており、前記第1リング片の縁部には、前記第1ガイド片が形成されており、前記第2リング片の縁部には、前記第2ガイド片が形成されており、前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記第1リング片と前記第2リング片の間に挿入された前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が挿入されることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、内視鏡の挿入部又は挿入補助具は、まず、リング体(第1リング片と第2リング片の間)に挿入され、次いで、リング体に設けられた第1ガイド片と第2ガイド片の間に挿入されるので、第1ガイド片と第2ガイド片の間への内視鏡の挿入部又は挿入補助具の挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記リング体には、作業者の指を掛けることができる指掛け部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、リング体には、作業者の指を掛けることができる指掛け部が設けられているので、内視鏡の挿入部又は挿入補助具へのバルーンの取り付け及び取り付けた後の本取付治具の抜去を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記第1リング片の前記第1ガイド片が形成された縁部とは反対側の縁部には、第1導入片が形成されており、前記第2リング片の前記第2ガイド片が形成された縁部とは反対側の縁部には、前記第1導入片に重ね合わせられる第2導入片が形成されており、前記第2導入片は、前記第1導入片よりも延長されており、かつ、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が当接することによりめくり上げられる延長部分を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、第2導入片の延長部分が内視鏡の挿入部が当接することによりめくり上げられ、内視鏡の挿入部は、このめくり上げられた第2導入片と第1導入片の間に挿入され、次いで、リング体(第1リング片と第2リング片の間)に挿入され、次いで、リング体に設けられた第1ガイド片と第2ガイド片の間に挿入されるので、第1ガイド片と第2ガイド片の間への内視鏡の挿入部又は挿入補助具の挿入をさらに容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記二つ折りされた状態の前記第1及び第2ガイド片の幅は、自然状態の前記バルーンの前記筒部内径よりも短いことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、第1及び第2ガイド片は二つ折りされ幅がバルーンの筒部内径よりも短くなった状態でバルーン筒部に挿入されるので、第1及び第2ガイド片が筒部内壁に接触することが殆どなく、第1及び第2ガイド片のバルーン筒部への挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、二つの筒部と前記筒部と筒部の間に設けられたバルーン本体とを含むバルーンを、内視鏡の挿入部又は前記内視鏡の挿入部の体腔内への挿入を補助する挿入補助具に取り付けるためのバルーン取付方法において、重ね合わせられ、かつ、二つ折りされた状態の第1及び第2ガイド片を、前記筒部に挿入し、前記筒部内に位置させた後、前記二つ折りされる前の状態に戻し、前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具を挿入することを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、第1及び第2ガイド片(従来の爪部材に相当)は二つ折りされた状態(例えば二つ折りされ第1及び第2ガイド片の幅が、バルーンの筒部内径よりも短くなった状態又はバルーンの筒部内径と略同じになった状態)でバルーン筒部に挿入されるので、第1及び第2ガイド片が筒部内壁に接触することが殆どなく、第1及び第2ガイド片のバルーン筒部への挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、内視鏡の挿入部又は挿入補助具にバルーンを簡単に取り付けることができるバルーン取付治具を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態であるバルーン取付治具について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、内視鏡の挿入部100、バルーン200、及び、本実施形態のバルーン取付治具300の斜視図である。
【0023】
バルーン200は、二つのバルーン筒部210、220、及び、一方のバルーン筒部210と他方のバルーン筒部220の間に設けられたバルーン本体230(膨張部ともいう)を有しており、例えば、ゴム等の弾性体により一体的に形成されている。
【0024】
各バルーン筒部210、220の内径は、内視鏡の挿入部100の外径よりも小さくなっている。従って、図1に示すように、各バルーン筒部210、220に内視鏡の挿入部100を挿入すると、バルーン200は、各バルーン筒部210、220の弾性力により内視鏡の挿入部100に略密着固定される。
【0025】
図2は、本実施形態のバルーン取付治具300の斜視図である。図3は、バルーン取付治具300を構成するためのシートSの平面図である。
【0026】
バルーン取付治具300は、バルーン200を内視鏡の挿入部100に取り付けるための治具であり、例えば、図3に示すシートS(例えば、ケント紙等の所定の剛性を有する一枚のシート)を境界線A1に沿って二つ折りし、第1リング片311と第2リング片312を重ね合わせ、さらに境界線A2に沿って二つ折りされた糊代片330と第2リング片312とを接着することにより構成されるリング体310を備えている(図2等参照)。
【0027】
図2、図3に示すように、リング体310は、第1リング片311の縁部略中央に形成された第1導入片321、及び、第2リング片312の縁部略中央に形成されており、第1導入片321に重ね合わされる第2導入片322を備えている。
【0028】
第2導入片322は、第1導入片321よりも延長された延長部分322aを有しており、図6に示すように、この延長部分322aに内視鏡の挿入部100を当接させてめくり上げることが可能となっている。内視鏡の挿入部100は、このめくり上げた第2導入片322と第1導入片321の間に挿入され、次いで、リング体310(第1リング片311と第2リング片312の間)に挿入され、次いで、リング体310に設けられた第1ガイド片331と第2ガイド片332の間に挿入されるので(図7参照)、第1ガイド片331と第2ガイド片332の間への内視鏡の挿入部100の挿入を容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となっている。
【0029】
図6に示すように、第1及び第2導入片321、322の幅H1は、内視鏡の挿入部100の径H2よりも長くなっている。従って、内視鏡の挿入部100を延長部分322aに当接させやすくなっている(すなわち、延長部分322aをラフに狙っても当接させやすくなっている)。また、第1及び第2導入片321、322の幅H1は、リング体310の幅H3よりも短くなっている。従って、第1及び第2導入片321、322の幅H1がリング体310の幅H3と同じ場合と比較すると、延長部分322aの剛性が弱まるので、延長部分322aを比較的弱い力でめくり上げることが可能となっている。
【0030】
図2、図3に示すように、リング体310は、第1導入片321が形成された縁部とは反対側の第1リング片311の縁部略中央に形成された第1ガイド片331、及び、第2導入片322が形成された第2リング片312の縁部とは反対側の縁部略中央に形成されており第1ガイド片331に重ね合わされる第2ガイド片332を備えている。
【0031】
図2に示すように、第1及び第2ガイド片331、332が隣接するリング体310の縁部313は、術者等の作業者の指を掛けることができる程度の長さH4(例えば指の太さ)に設定されている。すなわち、この縁部313は、指掛け部として機能する。
【0032】
第1及び第2ガイド片331、332は、図2に示すように重ね合わせられ、かつ、図4に示すように中心線A3に沿って二つ折りされた状態で自然状態のバルーン筒部210に挿入される。第1及び第2ガイド片331、332は二つ折りされ幅H6がバルーンの筒部210内径H7よりも短くなった状態(図4参照)でバルーン筒部210に挿入されるので、第1及び第2ガイド片331、332がバルーン筒部210内壁に接触することが殆どなく、第1及び第2ガイド片331、332のバルーン筒部210への挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となっている。
【0033】
第1及び第2ガイド片331、332(第1及び第2リング片311、312、第1及び第2導入片321、322も同様)には中心線A3に沿って予め折れ線が形成されている(例えば中心線A3に沿って凹部が形成されている、あるいは、中心線A3に沿ってミシン目が形成されている)。従って、第1及び第2ガイド片331、332(第1及び第2リング片311、312、第1及び第2導入片321、322も同様)を中心線A3に沿って容易に二つ折りすることが可能となっている。
【0034】
図2に示すように、第1及び第2ガイド片331、332の先端にはテーパTが形成されている。従って、第1及び第2ガイド片331、332を重ね合わせ、中心線A3に沿って二つ折りすると、図4に示すように先端片側のみが傾斜した形状となる。従って、第1及び第2ガイド片331、332のバルーン筒部210への挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となっている。
【0035】
図5に示すように、第1及び第2ガイド片331、332は、バルーン筒部210内に位置させられた後、二つ折りされる前の状態に戻される。
【0036】
第1及び第2ガイド片331、332は、二つ折りされる前の幅H5が自然状態のバルーン筒部210内周の円周長さ(内径H6×π)の1/2よりも長くなっている(又は一方の筒部内周の円周長さの1/2と略同じになっている)。従って、第1及び第2ガイド片331、332を二つ折りする前の元の状態に戻すと、バルーン筒部210は、第1及び第2ガイド片331、332により押し広げられ、その弾性力により第1及び第2ガイド片331、332に密着する。
【0037】
次に、上記構成のバルーン取付治具300を用いてバルーン200を内視鏡の挿入部100に取り付ける動作について説明する。
【0038】
まず、図2に示すように、第1リング片311(第1導入片321、第1ガイド片も331同様)と第2リング片312(第2導入片322、第2ガイド片332も同様)を重ね合わせ、さらに、図4に示すように中心線A3に沿って二つ折りする。第1及び第2リング片311、312(第1及び第2導入片321、322、第1及び第2ガイド片331、332も同様)には中心線A3に沿って予め折れ線が形成されている(例えば中心線に沿って凹部が形成されている、あるいは、中心線に沿ってミシン目が形成されている)ので、中心線A3に沿って容易に二つ折りすることが可能となっている。
【0039】
次に、図4に示すように二つ折りされた状態の第1及び第2ガイド片331、332を自然状態のバルーン筒部210に挿入する。第1及び第2ガイド片331、332は二つ折りされた幅H6がバルーン筒部210内径H7よりも短くなった状態(図4参照)でバルーン筒部210に挿入されるので、第1及び第2ガイド片331、332がバルーン筒部210内壁に接触することが殆どなく、第1及び第2ガイド片331、332のバルーン筒部210への挿入を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となっている。
【0040】
次に、図5に示すように、バルーン筒部210内に位置させられた第1及び第2ガイド片331、332を二つ折りされる前の状態に戻す。第1及び第2ガイド片331、332は、二つ折りされる前の幅H5が自然状態のバルーン筒部210内周の円周長さ(内径H6×π)の1/2よりも長くなっている(又は筒部210内周の円周長さの1/2と略同じになっている)。従って、第1及び第2ガイド片331、332を二つ折りする前の元の状態に戻すと、バルーン筒部210は、第1及び第2ガイド片331、332により押し広げられ、その弾性力により第1及び第2ガイド片331、332に密着する。
【0041】
次に、図6に示すように、第2導入片322の延長部分322aに内視鏡の挿入部100を当接させてめくり上げる。これにより、内視鏡の挿入部100を、このめくり上げた第2導入片322と第1導入片321の間に、次いで、リング体310(第1リング片311と第2リング片312の間)に、次いで、リング体310に設けられた第1ガイド片331と第2ガイド片332の間に(図7参照)、順次挿入することが可能となっている。
【0042】
この挿入に際しては、第1及び第2ガイド片331、332が隣接するリング体310の縁部313(指掛け部。図2等参照)に、術者等の作業者の指を掛けることができるので、内視鏡の挿入部100へのバルーン200の取り付け及び取り付けた後の本取付治具の抜去を極めて容易に(スムースかつ迅速に)行うことが可能となっている。
【0043】
なお、図6に示すように、第1及び第2導入片321、322の幅H1は、内視鏡の挿入部100の径H2よりも長くなっている。従って、内視鏡の挿入部100を延長部分322aに当接させやすくなっている(すなわち、延長部分322aをラフに狙っても当接させやすくなっている)。また、第1及び第2導入片321、322の幅H1は、リング体310の幅H3よりも短くなっている。従って、第1及び第2導入片321、322の幅H1がリング体310の幅H3と同じ場合と比較すると、延長部分322aの剛性が弱まるので、延長部分322aを比較的弱い力でめくり上げることが可能となっている。
【0044】
第1及び第2ガイド片331、332は、バルーン筒部210よりも摩擦係数の小さいシートSにより形成されている。また、図8に示すように、第1及び第2ガイド片331、332は、中心線A3に沿って折れ曲がり、内視鏡の挿入部100外周面と線接触する。さらに、図7、図8に示すように第1ガイド片331と第2ガイド片332の間(すなわちバルーン筒部210)に内視鏡の挿入部100を挿入した状態で、バルーン筒部210と内視鏡の挿入部100の間に間隔H8が形成される。従って、内視鏡の挿入部100を第1ガイド片331と第2ガイド片332の間(すなわちバルーン筒部210)にスムースに(内視鏡の挿入部100がバルーン筒部210に接触することなく)挿入することが可能となっている。
【0045】
次に、指掛け部313に術者等の作業者の指を掛けてバルーン取付治具300(及びバルーン200)を図7中の矢印方向に移動させ、例えば、図1に示す所定取付位置にバルーン取付治具300(及びバルーン200)を位置させる。そして、バルーン筒部210と内視鏡の挿入部100の間からバルーン取付治具300(すなわち第1及び第2ガイド片331、332)を抜き取る。これにより、内視鏡の挿入部100へのバルーン200の取付が完了する。
【0046】
なお、上記のように第1ガイド片331と第2ガイド片332の間に内視鏡の挿入部100を挿入すると、第1及び第2ガイド片331、332との間隔(バルーン筒部210)がさらに押し広げられ、バルーン筒部210の弾性力により、第1及び第2ガイド片331、332とバルーン筒部210はさらに強固に密着するので、バルーン取付治具300(及びバルーン200)を図7中の矢印方向に移動させても、バルーン筒部210が第1及び第2ガイド片331、332から脱落することはない。
【0047】
その後、第1リング片311と第2リング片312を離間する方向に広げてバルーン取付治具300を図7の矢印とは反対方向に移動させバルーン200の上から抜き取る。その時に、指掛け部313がH4(又リング体310がH3)という所定の幅を有しているため、第1リング片311と第2リング片312を離間する方向に広げた時にバルーン200に接触しない程度の径を持ち、バルーン200を傷つけずに抜き取れる。なお、第1リング片311と第2リング片312を離間する方向に広げた時の径はバルーン200に若干接触しても、バルーン200を傷つけない程度の大きさであれば問題ない。
【0048】
次に、変形例について説明する。
【0049】
上記実施形態では、バルーン取付治具300は、バルーン200を内視鏡の挿入部100に取り付けるための治具であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、バルーン取付治具300を用いて、バルーン200を内視鏡の挿入部100の体腔内への挿入を補助する挿入補助具(図示せず)に取り付けることも可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、バルーン取付治具300は、リング体310を備えているように説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示すように、リング体310を設けることなく、第1及び第2導入片321、322と第1及び第2ガイド片331、332のみでバルーン取付治具300を構成してもよい。あるいは、図10に示すように、第1及び第2ガイド片331、332のみでバルーン取付治具300を構成してもよい。
【0051】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】内視鏡の挿入部100、バルーン200、及び、本実施形態のバルーン取付治具300の斜視図である。
【図2】バルーン取付治具300の斜視図である。
【図3】バルーン取付治具300を構成するためのシートSの平面図である。
【図4】二つ折りした状態のバルーン取付治具300(第1及び第2ガイド片331、332)とバルーン200(バルーン筒部210)との関係を説明するための図である。
【図5】二つ折りする前のバルーン取付治具300(第1及び第2ガイド片331、332)とバルーン200(バルーン筒部210)との関係を説明するための図である。
【図6】第2導入片322の延長部分322aの機能を説明するための図である。
【図7】バルーン取付治具300(第1及び第2ガイド片331、332)の間に内視鏡の挿入部100を挿入した状態を説明するための図である。
【図8】図7のA−A´で切断した断面図である。
【図9】バルーン取付治具300の変形例を説明するための図である。
【図10】バルーン取付治具300の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
100…内視鏡の挿入部、200…バルーン、210…バルーン筒部、220…バルーン筒部、300…バルーン取付治具、310…リング体、311…第1リング片、312…第2リング片、313…縁部(指掛け部)、321…第1導入片、322…第2導入片、322a…延長部分、330…糊代片、331…第1ガイド片、332…第2ガイド片、A1、A2…境界線、A3…中心線、S…シート、T…テーパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの筒部と前記筒部と筒部の間に設けられたバルーン本体とを含むバルーンを、内視鏡の挿入部又は前記内視鏡の挿入部の体腔内への挿入を補助する挿入補助具に取り付けるためのバルーン取付治具において、
重ね合わせられ、かつ、二つ折りされた状態で前記筒部に挿入され、前記筒部内に位置させられた後、前記二つ折りされる前の状態に戻される第1及び第2ガイド片を備えており、
前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が挿入されることを特徴とするバルーン取付治具。
【請求項2】
前記第1及び第2ガイド片には、前記二つ折りするための折れ線が予め形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルーン取付治具。
【請求項3】
重ね合わせられる第1及び第2リング片により構成されるリング体をさらに備えており、
前記第1リング片の縁部には、前記第1ガイド片が形成されており、
前記第2リング片の縁部には、前記第2ガイド片が形成されており、
前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記第1リング片と前記第2リング片の間に挿入された前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が挿入されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルーン取付治具。
【請求項4】
前記リング体には、作業者の指を掛けることができる指掛け部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のバルーン取付治具。
【請求項5】
前記第1リング片の前記第1ガイド片が形成された縁部とは反対側の縁部には、第1導入片が形成されており、
前記第2リング片の前記第2ガイド片が形成された縁部とは反対側の縁部には、前記第1導入片に重ね合わせられる第2導入片が形成されており、
前記第2導入片は、前記第1導入片よりも延長されており、かつ、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具が当接することによりめくり上げられる延長部分を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のバルーン取付治具。
【請求項6】
前記二つ折りされる前の前記第1及び第2ガイド片の幅は、自然状態の前記バルーンの前記筒部内径よりも長く、かつ、
前記重ね合わせられ、かつ、二つ折りされた状態の前記第1及び第2ガイド片の幅は、自然状態の前記バルーンの前記筒部内径よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のバルーン取付治具。
【請求項7】
二つの筒部と前記筒部と筒部の間に設けられたバルーン本体とを含むバルーンを、内視鏡の挿入部又は前記内視鏡の挿入部の体腔内への挿入を補助する挿入補助具に取り付けるためのバルーン取付方法において、
重ね合わせられ、かつ、二つ折りされた状態の第1及び第2ガイド片を、前記筒部に挿入し、前記筒部内に位置させた後、前記二つ折りされる前の状態に戻し、
前記二つ折りされる前の状態に戻された前記第1ガイド片と前記第2ガイド片の間に、前記内視鏡の挿入部又は挿入補助具を挿入することを特徴とするバルーン取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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