説明

バレル研磨装置

【課題】 車両用ホイールの裏面もよく研磨することができるバレル研磨装置を提供する。
【解決手段】 研磨媒体を収容する研磨媒体収容槽20と基台とこの基台に設置されその先端部にワークを着脱可能にしたワーク支持シャフト60とを備え、研磨媒体を研磨媒体収容槽の軸心を中心として周方向に流動させ、この研磨媒体の流れに車両用ホイールWの前面が対向するようにワーク支持シャフトを配置し、ワーク支持シャフトをワークが研磨媒体収容槽の半径方向に沿って位置するように配置し、ワーク支持シャフトと研磨媒体収槽の中心との距離をワークの半径よりも小としたバレル研磨装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バレル研磨装置に関し、例えば、車両用ホイールをバレル研磨する場合に使用される。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ホイールをバレル研磨する場合には、研磨媒体の流れに車両用ホイールの前面を前傾斜の状態で対向させるように配置し、この車両用ホイールを回転(軸芯の回りに)させながら、研磨部材をこの車両用ホイールの前面に沿って流動させることによりその前面を研磨するのが常であった。
そして、前面を研磨した研磨媒体は車両用ホイールの周囲から後方に回り込んでいた。
【0003】
【特許文献1】特開2003−136394
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる従来のバレル研磨方法にあっては、前記車両用ホイールの後側に周り込んだ研磨媒体は車両用ホイールの回転力によって回転しながら後方へ流れ去っていたため、当該車両用ホイールの裏面は研磨されにくいという不都合を有した。
【0005】
この発明の課題は係る不都合を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明に係るバレル研磨装置においては、研磨媒体を収容する研磨媒体収容槽と基台とこの基台に設置されその先端部にワークを着脱可能にしたワーク支持シャフトとを備え、前記研磨媒体を前記研磨媒体収容槽の軸心を中心として周方向に流動させ、この研磨媒体の流れに前記ワークの前面が対向するように前記ワーク支持シャフトを配置したバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトを前記ワークが前記研磨媒体収容槽の半径方向に沿って位置するように配置し、前記ワーク支持シャフトと前記研磨媒体収槽の中心との距離を前記ワークの半径よりも小としたものである。
【0007】
なお、前記ワーク支持シャフトを軸芯を中心として回転可能にすることもできる。
【0008】
また、前記ワーク支持シャフトをこのワーク支持シャフトの含まれる面に沿って前記前記研磨媒体収槽の半径方向に沿って移動可能とすることもできる。
【0009】
また、前記ワーク支持シャフトを前記研磨媒体収槽の軸心に対して垂直に配置させることもできる。
【0010】
また、前記ワーク支持シャフトを前記研磨媒体収槽の軸心に対して斜めに配置させることもできる。
【0011】
更に、このワーク支持シャフトを軸芯を中心として回転させながら、前記ワークの裏面に前記研磨媒体収槽の側壁面又は底壁面の近傍に邪魔板部材を設置することもできる。
【0012】
また、この場合、前記ワークに窓部を設けることもできる。
【0013】
また、この場合、前記邪魔板部材を前記ワークの裏面に対して進退可能にすることもできる。
【0014】
また、この場合、前記邪魔板部材を弾性材によって形成することもできる。
【0015】
また、この場合、前記邪魔板部材を舌状に形成することもできる。
【0016】
また、この場合、前記邪魔板部材の外形を前記ワークの裏面の形状に略一致させることもできる。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係るバレル研磨装置は、研磨媒体を収容する研磨媒体収容槽と基台とこの基台に設置されその先端部にワークを着脱可能にしたワーク支持シャフトとを備え、前記研磨媒体を前記研磨媒体収容槽の軸心を中心として周方向に流動させ、この研磨媒体の流れに前記ワークの前面が対向するように前記ワーク支持シャフトを配置したバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトを前記ワークが前記研磨媒体収容槽の半径方向に沿って位置するように配置し、前記ワーク支持シャフトと前記研磨媒体収槽の中心との距離を前記ワークの半径よりも小としたため、ワークにおける前記研磨媒体収槽の中心よりも突出した部分においては、研磨媒体の流れがワークの裏側から当たるためワークの裏側に前方からの研磨媒体が入りにくくなる結果、このワークの裏側に研磨媒体の淀みができ、この淀みによってワークの裏側に対する面圧が高くなって研磨する。
【0018】
よって、このバレル研磨装置を使用すれば、ワークの前面とともに裏面をも同時に研磨することができるため、ワークにおけるバレル研磨の研磨効率を向上させやすいものである。
【0019】
なお、前記ワーク支持シャフトを軸芯を中心として回転可能にすれば、ワークの裏側を全周にわたって研磨することができる。
【0020】
また、前記ワーク支持シャフトをこのワーク支持シャフトの含まれる面に沿って前記前記研磨媒体収槽の半径方向に沿って移動可能とすれば、ワークの半径に応じて、前記ワーク支持シャフトと前記研磨媒体収槽の中心との距離を前記ワークの半径よりも小とすることができるため、使用範囲は拡大する。
【0021】
また、前記ワーク支持シャフトを前記研磨媒体収槽の軸心に対して垂直に配置させれば、ワークの前面は研磨媒体の流れに対して略垂直になるため、前方かよの研磨媒体はワークの裏側に一層入りにくくなる結果、このワークの裏側の研磨媒体の淀みは大きくなり研磨媒体の面圧は高くなるため、ワークの裏側の研磨効率は向上する。
【0022】
また、前記ワーク支持シャフトを前記研磨媒体収槽の軸心に対して斜めに配置させれば、ワークは研磨媒体の流れに対して後ろ下がり傾斜になるため、当該淀みはワークの裏側上方に発生するとともに淀みの研磨媒体もこの裏側に沿って流れるため、ワークの裏側の研磨効率はより一層向上する。
【0023】
更に、このワーク支持シャフトを軸芯を中心として回転させながら、前記ワークの裏面に前記研磨媒体収槽の側壁面又は底壁面の近傍に邪魔板部材を設置すれば、前記ワークの後側に貯留した研磨媒体の流れは、邪魔板によって邪魔される結果、前記ワークの裏面に対する研磨媒体の面圧が高まり、ワークの前面とともに裏面をも同時に研磨することができるため、ワークにおけるバレル研磨の研磨効率を向上させやすいものである。 また、ワーク全体が同時に研磨されるため、ワークの表面が活性化される結果、後工程での塗装の密着が向上するとともに、研磨媒体によってワークの表面硬化が起こる結果ワークの強度が向上する。
【0024】
また、この場合、前記ワークに窓部を設ければ、この窓部の内周縁における裏面の角部を同時にアール状に研磨できるため、後工程での塗装の厚さを均一にでき、その結果、サビの発生を防止できるとともに応力の集中を防止して強度を向上させることができる。
【0025】
また、この場合、前記邪魔板部材を前記ワークの裏面に対して進退可能にすれば、前記ワークの裏面と前記邪魔板部材との間隔を調整できるため、前記ワークの裏面に対する研磨媒体の面圧を調節することができ、その応用範囲は拡大する。
【0026】
また、この場合、前記邪魔板部材を弾性材によって形成すれば、邪魔板部材が揺動するため、ワークとともに回転流動する研磨媒体(ワークの後側の)の流動圧が変化しても、その邪魔板部材の耐久性を維持することができる。
【0027】
また、この場合、前記邪魔板部材を舌状に形成すれば、前記揺動が更に簡易できるため、その邪魔板部材の耐久性をより長期にわたって維持することができる。
【0028】
また、この場合、前記邪魔板部材の外形を前記ワークの裏面の形状に略一致させれば、前記ワークの裏面の対して、研磨媒体の面圧を略一定に維持することができるため、均一な研磨をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、研磨媒体を流動させながら、ワークの裏側を効率良くバレル研磨できることに最も主要な特徴を有する。車両用ホイールのバレル研磨に適用しやすいものである。
【実施例1】
【0030】
この実施例の説明では、ワークの一例として「車両用ホイール」を採り上げ以下説明する。
図1はこの発明に係るバレル研磨装置の断面図、図2は図1におけるII矢視図、図3は図1における III矢視図、図4は図3におけるIV-IV 断面図、図5は図1に相当する第二実施例の図、図6は図5におけるVI部拡大断面図、図7は第三実施例の断面図、図8は図7におけるVIII矢視図、図9は図8に相当する第四実施例の図である。
【0031】
図1及び図2において、Bはバレル研磨装置、10はその基台である。20は研磨媒体収容槽であり、この基台10に載置された状態で設置されている。この研磨媒体収容槽20は円筒状であり、適宜回転手段により軸心Oを中心として周方向に回転できる(矢印を参考のこと)。21,21,…は研磨媒体であり、この研磨媒体収容槽20に収容され、研磨媒体収容槽20の周方向への回転にしたがって同方向に流れている。研磨媒体21,21,…は、セラミックス粒等通常使用されているすべてのものを使用することができる。なお、研磨方法は湿式研磨、乾式研磨いずれでも良い。
【0032】
22は研磨媒体収容槽20の上端開口であり、この上端開口22を介して後記アルミニウム製車両用ホイール(この発明の「ワーク」に相当する)Wは研磨媒体21,21,…中に浸漬される。
【0033】
次に、11は支持フレームであり、前記基台10に立設されている。この支持フレーム11は研磨媒体収容槽20の略上端まで延びている。
【0034】
30は反転板であり、前記支持フレーム11に回転軸31を介して設置されている。この反転板30は、前記回転軸31の回動に基づいて略180°範囲で往復反転できる。なお、前記回転軸31はモーター等の適宜回転駆動手段によって回転駆動される。
【0035】
41は支持板であり、前記反転板30の端縁部に設置されている。この支持板41は上方に延びている。又、40は支持ベッドであり、前記支持板41の先端部に固定されている。この支持ベッド40は垂直の状態に配置されている。
【0036】
次に、51は第一駆動モータであり、前記支持ベッド40に設置されている。この第一駆動モータ51の回転力は原動スプロケット52を介して伝えられる。60はワーク支持シャフトであり、前記支持ベッド40に軸受61,61 を介して回動可能に設置されている。このワーク支持シャフト60は前記研磨媒体収容槽20方向に突出している(図1を参照のこと)。62は従動スプロケットであり、前記ワーク支持シャフト60の後端部に設置されている。この従動スプロケット62と前記原動スプロケット(第一駆動モーター51の)52とにはチェーン53が巻き掛けられ、前記第一駆動モーター51の回転力が減速して伝えられる。
【0037】
また、このワーク支持シャフト60の先端にはアルミニウム製車両用ホイールWが略垂直状態にエアーチャック(図示せず)を介して着脱可能に取付けられ、前記研磨媒体収容槽20の研磨媒体21,21 …中に浸漬されている。よって、前記駆動モータ51の回転に基づいて前記ワーク支持シャフト60はその軸心を中心として回転することができる。
【0038】
なお、このとき、アルミニウム製車両用ホイールWは、前記研磨媒体収容槽20の略半径方向に沿って配置され、前記研磨媒体21,21,…の流れに向かって前部が前傾斜した状態を維持している(図1の状態を参照のこと)。また、このワーク支持シャフト60における回転は正回転・逆回転を間欠的に行うこともできる。
【0039】
さらに、この適宜駆動手段(従来において存在する進退手段)によって前記ワーク支持シャフト60を軸方向に沿って進退させることもできるし(図1における矢印Aを参照のこと)、このワーク支持シャフト60の含まれる面に沿って前記前記研磨媒体収槽20の半径方向に沿って移動させ、このワーク支持シャフト60と前記研磨媒体収槽20の中心Oとの距離を適宜調節することもできる(図3における矢印Cを参照のこと)。
【0040】
なお、前記車両用ホイールWは、ディスク部71の回りにリム部72が一体形成されたものであり、このディスク部72には窓部73,73,…が形成されている。
【0041】
次に、図3に示すように、前記ワーク支持シャフト60の位置は、前記ワーク支持シャフト60と前記研磨媒体収槽20の中心Oとの距離Rが、前記車両用ホイールWの半径rよりも小さくなるように配置されている。このため、前記車両用ホイールWの内側部(研磨媒体収槽20の中心側部)は前記研磨媒体収槽20の中心Oから反対側へ内側突出部75が形成される。この内側突出部75は、研磨媒体21の流れがワークの裏側から当たるため裏側に前方からの研磨媒体が入りにくくなる結果、この車両用ホイールWの裏側に研磨媒体の淀みPができ、この淀みPによって車両用ホイールWの裏側に対する面圧が高くなって、この裏側の面を研磨することができる。
【0042】
次に、80は進退ロッドであり、前記支持ベッド40に軸受81,81 を介して進退可能(軸心に沿って)に設置されている。この進退ロッド80は前記ワーク支持シャフト60に下方において略平行状態に配置されている。82は基部であり、前記進退ロッド80において、前記軸受81,81 の間に固定されている。この基部82にはナット部材83,83 が固定されている。
【0043】
一方、84は第二駆動モータであり、前記支持ベッド40に設置されている。この第二駆動モータ84は減速機構が付いている。又、85はボルト軸であり、前記支持ベッド40に軸受86,86 を介して回動可能に設置されている。このボルト軸85は前記第二駆動モータ84によって軸心を中心として回転する。このボルト軸85には前記ナット部材83,83 が螺子嵌めされている。このため、このボルト軸85が回転すると、前記ナット部材83,83 、ひいては、前記進退ロッド80が進退する。
【0044】
90は邪魔板部材であり、前記進退ロッド80の先端に着脱可能に設置されている。この邪魔板部材90は前記車両用ホイールWの裏側における下方の近傍にしている。この邪魔板部材90はゴム,合成樹脂等の弾性材によって舌状に形成されている。このため、容易に揺動できる結果、研磨媒体21,21,…の流動圧が変化しても、その邪魔板部材90の耐久性を維持することができる。また、前記邪魔板部材90を舌状に形成すれば、前記揺動が更に簡易できるため、その邪魔板部材90の耐久性をより長期にわたって維持することができる。更に、前記邪魔板部材90の周縁の外形を、前記車両用ホイールWの裏面の形状に略一致させたたため(図1を参照のこと)、前記車両用ホイールWの裏面の裏面の対して、研磨媒体21,21,…の面圧を略一定に維持することができるため、均一な研磨を達成される。
【0045】
このバレル研磨装置Bの作用について簡単に説明する。
このバレル研磨装置Bにおいて、前記ワーク支持シャフト60の先端にはアルミニウム製車両用ホイールWを固定し、回転させながら、前記研磨媒体収容槽20の研磨媒体21,21,…中に沈める。すると、この車両用ホイールWの内側突出部75の裏側には、研磨媒体21の淀みPができ、この淀みPによる車両用ホイールWの裏側に対する面圧が高くなって、この裏側の面を研磨する。車両用ホイールWは前記ワーク支持シャフト60を中心として回転するため、車両用ホイールWの裏側前面にわたって研磨することができる。
【0046】
また、このバレル研磨装置Bにおいては、主として、車両用ホイールWの窓部73,73 …を通過した研磨媒体21,21,…が車両用ホイールWの裏側に貯留する。そして、車両用ホイールWの回転に従って回転流動しながら(図4の矢印方向を参照のこと)、後方へ流れていく。このとき、図3および図4に示すように、前記進退ロッド80を前記ディスク部71の裏面近傍に接近させると、研磨媒体21,21,…の流れは前記邪魔板部材90の周縁によって前記ディスク部71に押しつけられ、この部分を研磨することになる。とくに、この窓部73を構成するスポーク部の裏面の角部を同時にアール状に研磨できるため、後工程での塗装の厚さを均一にでき、その結果、サビの発生を防止できるとともに応力の集中を防止して強度を向上させることができる。 また、前記邪魔板部材90を前記車両用ホイールWの裏面に対して進退可能にしてあるため、前記車両用ホイールWの裏面に対する研磨媒体21,21,…の面圧を調節することができる。
【0047】
次に、図5は及び図6は第二実施例を説明したものであり、前記ワーク支持シャフト60を水平に配置したものである。この場合、前記第一駆動モータ51は伝達シャフト601 を回転させ、ベベルギア等の垂直方向伝達手段を収容するギアボックス602 を介して、前記ワーク支持シャフト60を回転させるものである。この場合、603 は支持パイプてあり、前記軸受61と前記ギアボックス602 との間に固定された状態で介在している。この支持パイプ603 は前記伝達シャフト601 を回転可能に支持している。
【0048】
また、前記第二駆動モータ84は、伝達シャフト801 を回転させ、ラック・ピニオン等の回転・水平移動変更手段を介して前記進退ロッド80を前後方向に進退させる。このラック・ピニオン等の回転・水平移動変更手段は前記ギアボックス602 に一体的に収容されている。
【0049】
なお、803 は支持パイプてあり、前記軸受86と前記ギアボックス602 との間に固定された状態で介在している。この支持パイプ803 は前記伝達シャフト801 を回転可能に支持している。
【0050】
図6は前記ギアボックス602 の拡大断面図であり、605,605 はベベルギア,805 はピニオンギア,806 はラックギアである。
【0051】
次に、図7は及び図8は第三実施例を説明したものであり、前記ワーク支持シャフト60を垂直に配置したものである。この場合、研磨媒体は車両用ホイールWの周囲や窓73を通って下方から上方に向かって流れるため、上記したこの発明の効果を奏することができる。
【0052】
この場合、図8に示すように、前記邪魔板部材90を前記研磨媒体収槽20の内壁面の近傍に設置すれば、この内壁面との相互作用によって前記研磨媒体21のの面圧は大きくなり、車両用ホイールWの裏面の研磨効果は向上する。
【0053】
また、図9に示すように、前記邪魔板部材90の両側に前記補助邪魔板部材901,901 を設置すれば、前記研磨媒体収槽20の内壁面との相互作用によって前記研磨媒体21のより一層面圧は大きくなり、車両用ホイールWの裏面の研磨効果は更に向上する。なお、この補助邪魔板部材901,901 は前記進退ロッド80に一体的に固定されている。
【0054】
なお、この研磨装置Bにおける研磨媒体としては、軟質材、例えば、スポンジ、ゴム、軟質プラスチック等の粒体、塊等を使用すれば、仕上げ研磨を能率良く行うことができる。なお、硬質粒又は硬質塊等の表面に軟質材をコーティングしてこの種の研磨媒体としてもよい。
【0055】
このバレル研磨をした後に、塗装、めっき、アルマイト化等の表面処理が行われる。これらの表面処理には通常存在するものは全て含まれる。
【0056】
また、この実施例では、ワークとして、車両用ホイールを採り上げたが、これに限定されるものでははなく、全ての研磨対象が含まれることは当然である。
ka
【産業上の利用可能性】
【0057】
円盤状のワーク、特に、車両用ホイールをバレル研磨する際に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1はこの発明に係るバレル研磨装置の断面図である。
【図2】図2は図1におけるII矢視図である。
【図3】図3は図1における III矢視図である。
【図4】図4は図3におけるIV-IV 断面図である。
【図5】図5は図1に相当する第二実施例の図である。
【図6】図6は図5におけるVI部拡大断面図である。
【図7】図7は第三実施例の断面図である。
【図8】図8は図7におけるVIII矢視図である。
【図9】図9は図8に相当する第四実施例の図である。
【符号の説明】
【0059】
B … バレル研磨装置
P … 淀み
W … 車両用ホイール(ワーク)
R … ワーク支持シャフトと研磨媒体収槽の中心との距離
O … 研磨媒体収槽の中心
r … 車両用ホイール(ワーク)の半径
10 … 基台
11 … 支持フレーム
20 … 研磨媒体収容槽
21 … 研磨媒体
22 … 研磨媒体収容槽20の上端開口
30 … 反転板
31 … 回転軸
40 … 支持ベッド
41 … 支持板
51 … 第一駆動モータ
52 … 原動スプロケット
53 … チェーン
60 … ワーク支持シャフト
61 … 軸受
601 … 伝達シャフト
602 … ギアボックス
603 … 支持パイプ
605 … ベベルギア
62 … 従動スプロケット
71 … ディスク部
72 … ディスク部
73 … 窓部
75 … 内側突出部
80 … 進退ロッド
803 … 支持パイプ
801 … 伝達シャフト
805 … ピニオンギア
806 … ラックギア
81 … 軸受
82 … 基部
83 … ナット部材
84 … 第二駆動モータ
85 … ボルト軸
86 … 軸受
90 … 邪魔板部材
901 … 補助邪魔板部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨媒体を収容する研磨媒体収容槽と基台とこの基台に設置されその先端部にワークを着脱可能にしたワーク支持シャフトとを備え、前記研磨媒体を前記研磨媒体収容槽の軸心を中心として周方向に流動させ、この研磨媒体の流れに前記ワークの前面が対向するように前記ワーク支持シャフトを配置したバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトを前記ワークが前記研磨媒体収容槽の半径方向に沿って位置するように配置し、前記ワーク支持シャフトと前記研磨媒体収槽の中心との距離を前記ワークの半径よりも小としたことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項2】
請求項1のバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトを軸芯を中心として回転可能としたことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項3】
請求項1のバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトをこのワーク支持シャフトの含まれる面に沿って前記前記研磨媒体収槽の半径方向に沿って移動可能としたことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項4】
請求項1のバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトを前記前記研磨媒体収槽の軸心に対して垂直に配置させたことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項5】
請求項1のバレル研磨装置において、前記ワーク支持シャフトを前記前記研磨媒体収槽の軸心に対して斜めに配置させたことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項6】
請求項2のバレル研磨装置において、前記ワークの裏面における前記研磨媒体収容槽の側壁又は底壁の近傍に邪魔板部材を設置したことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項7】
請求項6のバレル研磨装置において、前記ワークに窓部を有することを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項8】
請求項6のバレル研磨装置において、前記邪魔板部材を前記ワークの裏面に対して進退可能にしたことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項9】
請求項6のバレル研磨装置において、前記邪魔板部材を弾性材によって形成したことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項10】
請求項6のバレル研磨装置において、前記邪魔板部材を舌状に形成したことを特徴とするバレル研磨装置。
【請求項11】
請求項6のバレル研磨装置において、前記邪魔板部材の外形を前記ワークの裏面の形状に略一致させたことを特徴とするバレル研磨装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate